JP2003161897A - 光路偏向素子及び画像表示装置 - Google Patents

光路偏向素子及び画像表示装置

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JP2003161897A
JP2003161897A JP2001360513A JP2001360513A JP2003161897A JP 2003161897 A JP2003161897 A JP 2003161897A JP 2001360513 A JP2001360513 A JP 2001360513A JP 2001360513 A JP2001360513 A JP 2001360513A JP 2003161897 A JP2003161897 A JP 2003161897A
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image display
filter
color separation
path deflecting
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JP2001360513A
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Ikuo Kato
幾雄 加藤
Yasuyuki Takiguchi
康之 滝口
Kenji Kameyama
健司 亀山
Kazuya Miyagaki
一也 宮垣
Keishin Aisaka
敬信 逢坂
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N9/00Details of colour television systems
    • H04N9/12Picture reproducers
    • H04N9/31Projection devices for colour picture display, e.g. using electronic spatial light modulators [ESLM]
    • H04N9/3102Projection devices for colour picture display, e.g. using electronic spatial light modulators [ESLM] using two-dimensional electronic spatial light modulators
    • H04N9/3111Projection devices for colour picture display, e.g. using electronic spatial light modulators [ESLM] using two-dimensional electronic spatial light modulators for displaying the colours sequentially, e.g. by using sequentially activated light sources
    • H04N9/3117Projection devices for colour picture display, e.g. using electronic spatial light modulators [ESLM] using two-dimensional electronic spatial light modulators for displaying the colours sequentially, e.g. by using sequentially activated light sources by using a sequential colour filter producing two or more colours simultaneously, e.g. by creating scrolling colour bands

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な方法で走査線に対応して表示画像用素
子の画素をずらすことにより、走査線に対応した走査に
従った画像表示方法に対応できる高解像度な画像表示装
置を提供する。 【解決手段】 光軸シフト方向を→←↑↓で示す如く異
ならせた複数の光路偏向領域15a,15b,…がアル
キメデスの渦巻き形状の境界16により仕切られて形成
された画素変位回転フィルタ11を用い、その光路偏向
領域15a,15b,…がほぼ等幅で走査する領域に画
像表示用素子の投影領域17に対向させることで、画素
変位回転フィルタ11を回転駆動させた場合、画像表示
用素子の画素シフトを回転スクロール方式で簡単に行
え、この結果、簡単な方法で走査線に対応して表示画像
用素子の画素をずらすことにより、見掛け上の高解像度
化を図る上で走査線に対応した走査に従った画像表示方
法に対応できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像情報に応じて
2次元配列の画素毎に光を制御可能な液晶パネルのよう
な画像表示用素子に表示された画像を拡大像形成素子を
介して拡大表示させる画像表示装置及びこのような画像
表示装置への利用に適した光路偏向素子に関する。
【0002】
【従来の技術】画像情報に応じて2次元配列の画素毎に
光を制御可能な小型の画像表示用素子の表示画像をレン
ズで拡大した画像を観察する画像表示装置としては、フ
ロントプロジェクタ、リアプロジェクタ、ヘッドマウン
テッドディスプレイ等の商品名で広く使用されている。
この画像表示用素子としては、CRT、液晶パネル、D
MD(商品名:テキサスインストルメント社:米国)等
が商品として使用されており、また、無機EL、無機L
ED、有機LED等も研究されている。また、小型の画
像表示用素子をレンズで拡大した画像を観察するのでは
なく、等倍で観察する画像表示装置としては、既述のC
RT、液晶パネル、無機EL、無機LED、有機LED
以外に、プラズマディスプレイ、蛍光表示管等が商品と
して使用されており、また、FED(フィールドエミッ
ションディスプレイ)、PALC(プラズマアドレッシ
ングディスプレイ)等も研究されている。これらは、自
発光型と空間光変調器型の2つに大きく分類されるが、
何れも光を制御可能な複数の画素を2次元的に有するも
のである。
【0003】これらの画像表示装置に共通の課題は、高
解像度化、つまりは大画素数化であり、ブロードキャス
トの表示を目的とした走査線1000本程度のHDTV
用の表示装置が既に商品化され、ワークステーションコ
ンピュータの高解像度表示を目的とした走査線2000
本程度の開発品が液晶パネルを用いた技術で発表されて
いる(‘98フラットパネルディスプレイ展にて日本I
BM社のQSXGA走査線2048本、‘99電子ディ
スプレイ展にて東芝社のQUXGA走査線2400本
等)。しかしながら、画素数を増加させることは、液晶
パネルの歩留まりを低下させ、また、開口率を減少する
などにより、コストが増加したり、輝度やコントラスト
が低下したり、消費電力が増加したりしていた。
【0004】従来、複数の画像表示用素子を用いて2倍
以上に大画素数化する方法としては、特開平3−150
525号公報、特開平4−267290号公報等に示さ
れる方法がある。これらは、互いにずれた位置にある複
数の画像表示用素子を光学的に配置し、画像表示用素子
の互いの画素の隙間に他方の画像表示用素子の画素を配
置している。この技術は、上下左右に画素を増加させた
高解像度の画像表示を実現することに用いることもでき
る。また、水平方向に高解像度化した画像表示装置の前
面に、レンチキュラレンズやパララックスバリアを設け
ることにより立体表示が可能な画像表示装置とすること
もできる。しかしながら、これらは複数の画素間の位置
合わせが困難であり、また、画像表示用素子を複数枚使
用することからコストアップになったり、大きな投射レ
ンズが必要となったりしている。
【0005】これらの問題に対して、特開平4−113
308号公報、特開平5−289004号公報、特開平
6−324320号公報等によれば、単一の画像表示用
素子を用いて2倍の画素数を有するインタレース表示を
行う画像表示装置が提案されている(ピクセルシフト方
式)。また、特開平7−36504号公報によれば、単
一の画像表示用素子を用いて4倍以上の画素数を有する
表示装置が提案されている。これらで使用する電気光学
効果を示す部材と複屈折結晶との組合せは、従来から光
通信分野での光分配、光スイッチとして用いられている
偏向手段として公知の技術である。また、特開平6−3
24320号公報には、電気光学効果を示す部材と複屈
折結晶との組合せ以外に、光路を偏向する手段として、
レンズをシフト可能な手段、バリアングルプリズム、回
転ミラー、回転ガラス等が例示され、特開平7−104
278号公報にはウエッジプリズムを移動する手段が例
示されている。
【0006】図23に、レンズをシフトする方法により
画像表示用素子の高解像度化を行いレンズにより拡大し
た虚像を観察する特開平6−324320号公報に記載
の従来の表示方法を示す。図23において、100はL
CDパネル(液晶バルブ)、101はLCDドライブ回
路、102は光路偏向手段、103は接眼レンズ、10
4はボイスコイル、105はレンズ取付台、106はボ
イスコイル104のドライブ回路である。光路偏向手段
102は接眼レンズ103、ボイスコイル104、レン
ズ取付台105及びボイスコイル104のドライブ回路
106により構成されている。ボイスコイル102はド
ライブ回路106で駆動され、このドライブ回路106
は、LCDドライブ回路101から入力されたカラー映
像信号の奇数フィールドと偶数フィールドの判別信号O
/Eに従って、ボイスコイル104に流れる電流を制御
し、LCDパネル100の位置が、光学的にレンズ10
3の光軸に垂直な方向にシフトするようにする。
【0007】この特開平6−324320号公報によれ
ば、レンズ103をシフトする手段、つまりは往復運動
せる駆動系としては、ボイスコイル104に限らず、圧
電素子、バイモルフ、ステップモータ、ソレイドコイル
等が記載されている。また、光路を変更する方法として
は、レンズや光学部材をシフトさせる方法以外に、光学
部材を挿入する方法、光学部材を回転する方法、ミラー
を回転する方法、アクティブプリズム、電気光学素子と
複屈折材料を使用する方法等が記載されている。
【0008】図24に、電気光学素子と複屈折材料を使
用する方法により画像表示用素子の高解像度化を行いレ
ンズにより拡大した虚像を観察する特開平6−3243
20号公報に記載の従来の表示方法を示す。図24にお
いて、111は電気光学素子となる偏光面回転部材、1
12は複屈折板である。偏光面回転部材111は、液晶
板113の両面に透明電極114,115が被着形成さ
れて構成され、両透明電極114,115間に液晶駆動
電圧が印加されて、偶数と奇数のフィールド毎に偏光面
が回転されて偏向されて、複屈折板112の正常光と異
常光の偏光面に一致させられる。この正常光と異常光
は、複屈折材料の屈折率差により偏向量が変化する。
【0009】しかしながら、このような方法では、走査
線に対応して画像信号を順次に画像表示素子に入力する
と同時にこれに従って画像情報を順次更新する通常の画
像表示素子に対して、画素をずらす動作を画像表示素子
全体に対して行うために、連続したフレーム間でのクロ
ストークが生じて、画像データ本来の解像度を実現する
ことができない。
【0010】このような問題を解決する方法として、特
開平6−324320号公報によれば、画素をずらすた
めの電気光学素子を走査方向に複数に分割して、画像表
示装置の走査線の走査と同期させて分割走査することに
より、連続したフレーム間のクロストークを減少させる
方法が提案されている。
【0011】しかしながら、走査方向に分割した数だけ
駆動ドライバが必要となると同時に同期制御も必要とな
る。また、縦横2倍なる4倍の高解像度化を図った場合
には、複数の画素ずらしの素子間での走査線同期の調整
が必要となると同時に、位置ずれに対しても高精度の調
整が必要となる。このために、信頼性が低下すると同時
に高コストとなる。また、このような方式は、走査方向
に分割する画素ずらしの方式のみに適用できるため、特
開平6−324320号公報に記載の、レンズや光学部
材をシフトさせる方法や、光学部材を挿入する方法、光
学部材を単に回転する方法、ミラーを回転する方法、ア
クティブプリズム等での実現は困難であり、液晶のよう
な電気光学素子である複屈折材料を使用する方法にのみ
適用できる方式である。
【0012】画像表示用素子の走査線と対応することに
対するために走査線方向に分割駆動することは、画像表
示用素子の走査線に対応して色切換えを行うカラースク
ロール方式に対しても同様である。このため、特開平6
−324320号公報に記載の、レンズや光学部材をシ
フトさせる方法や、光学部材を挿入する方法、光学部材
を単に回転する方法、ミラーを回転する方法、アクティ
ブプリズム等での画素ずらしの方式では、カラースクロ
ールによる高効率照明の方式と組合せることは困難であ
る。
【0013】一方、例えば特開平6―208345号公
報によれば、液晶パネルのような光情報制御素子に表示
された画像の光軸を画素ピッチの1/N(例えば、1/
2)だけシフトさせるようパターニングされた光学的光
偏向手段を回転させることにより高解像度化を図るよう
にした提案がなされている。
【0014】図25は、特開平6―208345号公報
に示される光学的光偏向手段121の構成例を示すもの
で、ここでは、画素数を見掛け上、2倍にするN=2の
場合が示されている。この光学的光偏向手段121は回
転軸122が延在する方向に直交する平面(基準面)1
23に対して、平行な面を有する透明なガラス板領域1
24と、基準面123と表面とのなす傾斜角θを持たせ
た透明なガラス板領域125とを、回転軸122の周方
向に一定の繰返し順序で配列させたもので、具体的に
は、円周方向に4分割されて各領域124,125は半
径線を境界126とする扇形状に形成されている。
【0015】このような光学的光偏向手段121に対し
て光情報制御素子127は図中に示すように或る一つの
領域124又は125中にその投影領域が存在するよう
に対応関係が設定される。これにより、光学的光偏向手
段121の回転に伴い、光情報制御素子127に対して
ガラス板領域124とガラス板領域125とが交互に対
面走査することとなり、ガラス板領域124が対面する
場合に対してガラス板領域125が対面する場合にはそ
の傾斜角θ及びガラス板領域125の板厚に従い光情報
制御素子127上の表示画素がシフトされることなり、
見掛け上、2倍に高解像度化される。
【0016】この方式の場合、光学的光偏向手段121
の領域分割数(例えば、8分割)を増やし、かつ、光軸
シフト方向が上下左右方向となるように増やせば、縦横
4倍に高解像度化することも可能といえる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平6―
208345号公報等に示されるような光学的光偏向手
段121を用いる場合、各領域124,125が半径線
を境界126とする扇形状に形成されているため、光学
的光偏向手段121の半径方向でその線速度や有効幅が
異なることから、内周側と外周側とで有効走査時間が異
なってしまい光情報制御素子127上での均一性に問題
がある。
【0018】さらに問題なのは、回転に伴い領域12
4,125部分を走査するのに伴い、任意の半径が回転
するので、半径方向に対して同じ又は垂直な方向に変位
させる場合に変位方向が回転に伴い変動してしまう点で
ある。図26はこの様子を示しており、同じ領域125
中であっても、光情報制御素子127の走査線(矢印参
照)方向に対して領域125による光軸シフト方向(矢
印参照)が平行方向(又は、直交方向)となるのは瞬時
であり、直ぐにずれが大きくなってしまうことが分か
る。結果として、画素をずらす動作を光軸シフト方向が
平行方向(又は、直交方向)となる瞬時のみにしか適正
に行えず、光情報制御素子127側の走査と同期をとる
ことも難しい。
【0019】この点、同公報中によれば、ガラス板の境
界126部分の形状が面状の光情報制御素子127の縁
部に対して大きく斜交していると良好な表示画像が得ら
れないので、図27に示すように、回転軸122に取付
けるガラス板の境界126部分が光情報制御素子127
の縁部に対してほぼ平行となるように、ガラス板の外周
部の回転軌跡円の径が大きくなるようにし、その外周側
近傍に光情報制御素子127を位置付けることで解決し
ている。
【0020】しかしながら、このような対応策では、光
情報制御素子127等を小型化しているにも拘らず、光
情報制御素子127がかなり大型化してしまう上に、利
用する箇所はわずかであり、無駄の多いものである。
【0021】本発明は、簡単な方法で走査線に対応して
表示画像用素子の画素をずらすことにより、走査線に対
応した走査に従った画像表示方法に対応できる信頼性の
高い低コストの高解像度な画像表示装置及びこのような
画像表示装置を実現するための光路偏向素子を提供する
ことを目的とする。
【0022】また、本発明は、高解像度に加えて、光利
用効率の高い画像表示装置及びこのような画像表示装置
を実現するための光路偏向素子を提供することを目的と
する。
【0023】また、本発明は、高解像度及び高光利用効
率に加えて、小型でありながら信頼性の高い画像表示装
置及びこのような画像表示装置を実現するための光路偏
向素子を提供することを目的とする。
【0024】また、本発明は、高解像度に加えて、階調
性の高い画像表示装置及びこのような画像表示装置を実
現するための光路偏向素子を提供することを目的とす
る。
【0025】また、本発明は、高解像度及び高階調性に
加えて、小型でありながら信頼性の高い画像表示装置及
びこのような画像表示装置を実現するための光路偏向素
子を提供することを目的とする。
【0026】また、本発明は、高解像度に加えて、光利
用効率及び階調性の高い画像表示装置及びこのような画
像表示装置を実現するための光路偏向素子を提供するこ
とを目的とする。
【0027】また、本発明は、高解像度、高光利用効率
及び高階調性に加えて、小型でありながら信頼性の高い
画像表示装置及びこのような画像表示装置を実現するた
めの光路偏向素子を提供することを目的とする。
【0028】本発明は、階調性の高い画像表示装置及び
このような画像表示装置を実現するための光路偏向素子
を提供することを目的とする。
【0029】また、本発明は、高階調性に加えて、光利
用効率の高い画像表示装置を提供することを目的とす
る。
【0030】また、本発明は、高階調性及び高光利用効
率に加えて、小型でありながら信頼性の高い画像表示装
置を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
回転駆動される円盤状の光路偏向素子において、入射光
軸に平行な光に対して光軸シフト方向を異ならせた光軸
シフト機能を有する複数の光路偏向領域がアルキメデス
の渦巻き形状の境界により仕切られて形成されている。
【0032】従って、複数の光路偏向領域がアルキメデ
スの渦巻き形状の境界により仕切られて形成されている
ことにより、当該光路偏向素子を回転駆動させた場合、
光路偏向領域がほぼ等幅で走査する領域が存在すること
となり、これらの光路偏向領域の光軸シフト機能につい
て光軸シフト方向を異ならせているので、画像表示用素
子等と組合せた場合、その画素シフトを回転スクロール
方式で簡単に行わせることができる。この結果、簡単な
方法で走査線に対応して表示画像用素子の画素をずらす
ことにより、走査線に対応した走査に従った画像表示方
法に対応できる信頼性高く低コストで高解像度な画像表
示装置の実現に寄与する。
【0033】請求項2記載の発明は、回転駆動される円
盤状の光路偏向素子において、入射光軸に平行な光に対
して異なる入射角をなす複数の光路偏向領域と、これら
の光路偏向領域を仕切るアルキメデスの渦巻き形状の境
界と、を有する。
【0034】従って、複数の光路偏向領域がアルキメデ
スの渦巻き形状の境界により仕切られて形成されている
ことにより、当該光路偏向素子を回転駆動させた場合、
光路偏向領域がほぼ等幅で走査する領域が存在すること
となり、これらの光路偏向領域に入射光軸に平行な光に
対して異なる入射角を持たせることによりシフト方向が
異なる光軸シフト機能を持たせているので、画像表示用
素子等と組合せた場合、その画素シフトを回転スクロー
ル方式で簡単に行わせることができる。この結果、簡単
な方法で走査線に対応して表示画像用素子の画素をずら
すことにより、走査線に対応した走査に従った画像表示
方法に対応できる信頼性高く低コストで高解像度な画像
表示装置の実現に寄与する。
【0035】請求項3記載の発明は、回転駆動される円
盤状の光路偏向素子において、入射光軸に平行な光に対
して異なる複屈折角を示す複数の光路偏向領域と、これ
らの光路偏向領域を仕切るアルキメデスの渦巻き形状の
境界と、を有する。
【0036】従って、複数の光路偏向領域がアルキメデ
スの渦巻き形状の境界により仕切られて形成されている
ことにより、当該光路偏向素子を回転駆動させた場合、
光路偏向領域がほぼ等幅で走査する領域が存在すること
となり、これらの光路偏向領域を入射光軸に平行な光に
対して異なる複屈折角を示すように構成することにより
シフト方向が異なる光軸シフト機能を持たせているの
で、画像表示用素子等と組合せた場合、その画素シフト
を回転スクロール方式で簡単に行わせることができる。
この結果、簡単な方法で走査線に対応して表示画像用素
子の画素をずらすことにより、走査線に対応した走査に
従った画像表示方法に対応できる信頼性高く低コストで
高解像度な画像表示装置の実現に寄与する。
【0037】請求項4記載の発明は、請求項1ないし3
の何れか一記載の光路偏向素子において、回転に伴う前
記各光路偏向領域の走査方向が前記境界の接線方向に直
交する方向に設定されている。
【0038】従って、アルキメデスの渦巻き形状の境界
により仕切られて形成されている複数の光路偏向領域に
関して、その走査方向を境界の接線方向に直交する方向
に設定することで、当該光路偏向素子を回転駆動させた
場合、光路偏向領域がほぼ等幅で移動する部分を走査さ
せることができ、画像表示用素子等と組合せた場合、そ
の画素シフトを回転スクロール方式で簡単に行わせるこ
とができる。
【0039】請求項5記載の発明は、請求項4記載の光
路偏向素子において、前記光路偏向領域は、前記境界を
介して隣接する光路偏向領域毎に180°異なる方向に
光軸をシフトさせるように設定されている。
【0040】従って、見掛け上、2倍となる高解像度化
を簡単に実現できる。
【0041】請求項6記載の発明は、請求項5記載の光
路偏向素子において、180°異なる方向が回転に伴う
前記各光路偏向領域の走査方向に平行な方向である。
【0042】従って、ほぼ回転方向に沿って光軸シフト
されて、見掛け上、2倍となる高解像度化を簡単に実現
できる。
【0043】請求項7記載の発明は、請求項5記載の光
路偏向素子において、180°異なる方向が回転に伴う
前記各光路偏向領域の走査方向に直交する方向である。
【0044】従って、ほぼ回転方向に直交する方向に光
軸シフトされて、見掛け上、2倍となる高解像度化を簡
単に実現できる。
【0045】請求項8記載の発明は、請求項4記載の光
路偏向素子において、前記光路偏向領域は、前記境界を
介して隣接する光路偏向領域毎に90°ずつ順次異なる
方向に光軸をシフトさせるように設定されている。
【0046】従って、見掛け上、4倍となる高解像度化
を簡単に実現できる。
【0047】請求項9記載の発明は、請求項8記載の光
路偏向素子において、90°ずつ異なる方向が回転に伴
う前記各光路偏向領域の走査方向に平行な方向及び直交
する方向である。
【0048】従って、ほぼ回転方向及びこの回転方向に
直交する方向に光軸シフトされて、見掛け上、4倍とな
る高解像度化を簡単に実現できる。
【0049】請求項10記載の発明は、画像情報に応じ
て2次元配列の画素毎に光を制御可能な画像表示用素子
に表示された画像を拡大像形成素子を介して拡大表示さ
せる画像表示装置において、前記拡大像形成素子と前記
画像表示用素子との間に配設されて前記拡大像形成素子
の光軸に対する前記画像表示用素子上の画素の光学的位
置をこれらの画素の配列面方向にシフトさせる請求項1
ないし9の何れか一記載の光路偏向素子と、この光路偏
向素子を回転させる駆動機構と、を備える。
【0050】従って、光軸シフトを回転スクロール方式
により簡単に行える請求項1ないし9の何れか一記載の
光路偏向素子を用いているので、簡単な方法で走査線に
対応して表示画像用素子の画素をずらすことができ、走
査線に対応した走査に従った画像表示方法に対応できる
信頼性高く低コストで高解像度な画像表示装置を提供で
きる。
【0051】請求項11記載の発明は、請求項10記載
の画像表示装置において、前記光路偏向素子における前
記各光路偏向領域の走査方向が前記画像表示用素子の走
査線方向に直交するように設定されている。
【0052】従って、走査線に対応して表示画像用素子
の画素をずらす制御が簡単で、走査線に対応した走査に
従った画像表示方法に対応できる信頼性高く低コストで
高解像度な画像表示装置を提供できる。
【0053】請求項12記載の発明は、請求項11記載
の画像表示装置において、前記画像表示用素子の前記光
路偏向素子に対する投影領域が、前記光路偏向素子の回
転に伴い前記光路偏向領域がほぼ等幅で走査する領域に
設定されている。
【0054】従って、画素シフトを回転スクロール方式
で光利用効率高く簡単に行わせることができる。
【0055】請求項13記載の発明は、請求項10記載
の画像表示装置において、入射光に対する透過波長特性
を異ならせた複数の色分解領域がアルキメデスの渦巻き
形状の境界により仕切られて形成された円盤状の色分解
フィルタと、この色分解フィルタを回転させる色分解フ
ィルタ用駆動機構と、を備える。
【0056】従って、光路偏向素子と同様の回転スクロ
ール機能を持つ色分解フィルタを組合せているので、単
板式の画像表示用素子を用いた場合でも光利用効率が高
くて高解像度のカラー表示を行わせることができる。
【0057】請求項14記載の発明は、請求項13記載
の画像表示装置において、前記光路偏向素子の各光路偏
向領域パターンと前記色分解フィルタの各色分解領域パ
ターンとが光軸方向に対応しており、前記光路偏向素子
と前記色分解フィルタとが同期して回転駆動される。
【0058】従って、走査線毎の状態に対応して色分解
の開始と光軸シフトの開始との同期等を採りやすく、フ
ィールドシーケンシャルなカラー画像表示が可能とな
る。
【0059】請求項15記載の発明は、請求項14記載
の画像表示装置において、前記光路偏向素子と前記色分
解フィルタとが一体に形成され、前記駆動機構が前記色
分解フィルタ用駆動機構を兼用している。
【0060】従って、1枚の回転素子で画像ずらしとカ
ラースクロールとの両方を完全同期により行わせること
ができ、駆動機構も共用により減らすことができ、信頼
性の向上、低コスト化並びに静音化を図ることができ
る。
【0061】請求項16記載の発明は、請求項13,1
4又は15記載の画像表示装置において、前記色分解フ
ィルタの前記色分解領域として、少なくともRGB3色
分の組合せを含む。
【0062】従って、基本的なカラー表示を行わせるこ
とができる。
【0063】請求項17記載の発明は、請求項13,1
4又は15記載の画像表示装置において、前記色分解フ
ィルタの前記色分解領域として、少なくともRGB3色
分及び白色Wの組合せを含む。
【0064】従って、色分解フィルタが全帯域透過とな
る白色Wを含むことにより、基本的かつ明るいカラー表
示を行わせることができる。
【0065】請求項18記載の発明は、請求項10記載
の画像表示装置において、入射光に対する透過光量を異
ならせた複数の照明光調光領域がアルキメデスの渦巻き
形状の境界により仕切られて形成された円盤状の調光フ
ィルタと、この調光フィルタを回転させる調光フィルタ
用駆動機構と、を備える。
【0066】従って、光路偏向素子と同様の回転スクロ
ール機能を持つ調光フィルタを組合せているので、光利
用効率が高くて高解像度かつ階調性の高い表示を行わせ
ることができる。
【0067】請求項19記載の発明は、請求項18記載
の画像表示装置において、前記光路偏向素子の各光路偏
向領域パターンと前記調光フィルタの各照明光調光領域
パターンとが光軸方向に対応しており、前記光路偏向素
子と前記調光フィルタとが同期して回転駆動される。
【0068】従って、走査線毎の状態に対応して調光レ
ベル切換えの開始と光軸シフトの開始との同期等を採り
やすく、フィールドシーケンシャルな階調制御を伴う画
像表示が可能となる。
【0069】請求項20記載の発明は、請求項19記載
の画像表示装置において、前記光路偏向素子と前記調光
フィルタとが一体に形成され、前記駆動機構が前記調光
フィルタ用駆動機構を兼用している。
【0070】従って、1枚の回転素子で画像ずらしと調
光レベルスクロールとの両方を完全同期により行わせる
ことができ、駆動機構も共用により減らすことができ、
信頼性の向上、低コスト化並びに静音化を図ることがで
きる。
【0071】請求項21記載の発明は、請求項13記載
の画像表示装置において、入射光に対する透過光量を異
ならせた複数の照明光調光領域がアルキメデスの渦巻き
形状の境界により仕切られて形成された円盤状の調光フ
ィルタと、この調光フィルタを回転させる調光フィルタ
用駆動機構と、を備える。
【0072】従って、光路偏向素子と同様の回転スクロ
ール機能を持つ色分解フィルタに加えて光路偏向素子と
同様の回転スクロール機能を持つ調光フィルタを組合せ
ているので、単板式の画像表示用素子を用いた場合でも
光利用効率が高くて高解像度かつ階調性の高いカラー表
示を行わせることができる。
【0073】請求項22記載の発明は、請求項21記載
の画像表示装置において、前記光路偏向素子の各光路偏
向領域パターンと前記色分解フィルタの各色分解領域パ
ターンと前記調光フィルタの各照明光調光領域パターン
とが光軸方向に対応しており、前記光路偏向素子と前記
色分解フィルタと前記調光フィルタとが同期して回転駆
動される。
【0074】従って、走査線毎の状態に対応して調光レ
ベル切換えの開始と色分解の開始と光軸シフトの開始と
の同期等を採りやすく、フィールドシーケンシャルな階
調制御を伴うカラー画像表示が可能となる。
【0075】請求項23記載の発明は、請求項22記載
の画像表示装置において、前記光路偏向素子と前記色分
解フィルタと前記調光フィルタとが一体に形成され、前
記駆動機構が前記色分解フィルタ用駆動機構及び前記調
光用駆動機構を兼用している。
【0076】従って、1枚の回転素子で画像ずらしとカ
ラースクロールと調光レベルスクロールとを完全同期に
より行わせることができ、駆動機構も共用により減らす
ことができ、より一層の信頼性の向上、低コスト化並び
に静音化を図ることができる。
【0077】請求項24記載の発明は、画像情報に応じ
て2次元配列の画素毎に光を制御可能な画像表示用素子
に表示された画像を拡大像形成素子を介して拡大表示さ
せる画像表示装置において、前記画像表示用素子の前段
又は後段の光軸上に配設されて入射光に対する透過光量
を異ならせた複数の照明光調光領域がアルキメデスの渦
巻き形状の境界により仕切られて形成された円盤状の調
光フィルタと、この調光フィルタを回転させる調光フィ
ルタ用駆動機構と、を備える。
【0078】従って、調光制御を回転スクロール方式に
より簡単に行える調光フィルタを用いているので、簡単
な方法で走査線に対応して表示画像の階調制御を行わせ
ることができ、走査線に対応した走査に従った画像表示
方法に対応できる信頼性高く低コストで階調度の高い画
像表示装置を提供できる。
【0079】請求項25記載の発明は、請求項24記載
の画像表示装置において、前記調光フィルタにおける前
記各照明光調光領域の走査方向が前記画像表示用素子の
走査線方向に直交するように設定されている。
【0080】従って、走査線に対応して表示画像用素子
の画素の階調レベルを切換える制御が簡単で、走査線に
対応した走査に従った画像表示方法に対応できる信頼性
高く低コストで階調性の高い画像表示装置を提供でき
る。
【0081】請求項26記載の発明は、請求項25記載
の画像表示装置において、前記画像表示用素子の前記調
光フィルタに対する投影領域が、前記調光フィルタの回
転に伴い前記照明光調光領域がほぼ等幅で走査する領域
に設定されている。
【0082】従って、階調レベルの切換えを回転スクロ
ール方式で光利用効率高く簡単に行わせることができ
る。
【0083】請求項27記載の発明は、請求項26記載
の画像表示装置において、入射光に対する透過波長特性
を異ならせた複数の色分解領域がアルキメデスの渦巻き
形状の境界により仕切られて形成された円盤状の色分解
フィルタと、この色分解フィルタを回転させる色分解フ
ィルタ用駆動機構と、を備える。
【0084】従って、調光フィルタと同様の回転スクロ
ール機能を持つ色分解フィルタを組合せているので、単
板式の画像表示用素子を用いた場合でも光利用効率が高
くて階調性の高いカラー表示を行わせることができる。
【0085】請求項28記載の発明は、請求項27記載
の画像表示装置において、前記調光フィルタの各照明光
調光領域パターンと前記色分解フィルタの各色分解領域
パターンとが光軸方向に対応しており、前記調光フィル
タと前記色分解フィルタとが同期して回転駆動される。
【0086】従って、走査線毎の状態に対応して色分解
の開始と光階調レベルの切換えの開始との同期等を採り
やすく、フィールドシーケンシャルな階調制御を伴うカ
ラー画像表示が可能となる。
【0087】請求項29記載の発明は、請求項28記載
の画像表示装置において、前記調光フィルタと前記色分
解フィルタとが一体に形成され、前記調光フィルタ用駆
動機構が前記色分解フィルタ用駆動機構を兼用してい
る。
【0088】従って、1枚の回転素子でカラースクロー
ルと調光レベルスクロールとの両方を完全同期により行
わせることができ、駆動機構も共用により減らすことが
でき、信頼性の向上、低コスト化並びに静音化を図るこ
とができる。
【0089】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1
ないし図6に基づいて説明する。本実施の形態は、画像
表示用素子として空間光変調器の一つである透過型液晶
ライトバルブ1を用いた投射型の画像表示装置への適用
例を示す。
【0090】図1はこの画像表示装置の概略構成を示す
側面図である。図1中、2は光源としての高圧水銀ラン
プ、3は例えば焦点距離7mmで開口径52mmの方形
の放物形状リフレクタ、4は光軸、5,6は透過型液晶
ライトバルブ1に対する照明光を均質化させるインテグ
レータ光学系を構成する例えば5×8の第1,第2フラ
イアイレンズ、7は偏光方向を一律に揃えるための偏光
ビームスプリッタ(PBS)アレイ、8はコンデンサレ
ンズ、9は拡大像形成素子としての投射レンズ、10は
スクリーンである。11は透過型液晶ライトバルブ1直
後の光路上に配設されて回転軸12に連結されたモータ
13により回転駆動される光路偏向素子である円盤状の
画素変位回転フィルタである。回転軸12とモータ13
とにより駆動機構が構成されている。
【0091】このような構成において、例えば120W
でアーク長が1.2mmの65lm/Wの高圧水銀ラン
プ2から放出された照明光は放物形状リフレクタ3によ
り発散角の小さい光束となり第1フライアイレンズ5、
第2フライアイレンズ6及びコンデンサレンズ8によ
り、透過型液晶ライトバルブ1に対して均一な強度分布
でケーラ照明される。また、PBSアレイ7により偏光
変換されて必要な方向の直線偏光の照明光が約1.5倍
になる。このとき、特に図示しないが、透過型液晶ライ
トバルブ1は偏光子と検光子とが前後に組合されてお
り、透過型液晶ライトバルブ1による画素単位での偏光
回転により空間光変調される。透過型液晶ライトバルブ
1は、石英基板上の一部に形成したポリシリコン結晶に
より、約13.2μ角の微小な画素を有する強誘電性液
晶素子であり、開口率は約20%と小さいが、強誘電性
液晶の有する高速応答性により約100μsの応答速度
がある。この透過型液晶ライトバルブ1で空間光変調さ
れた照明光により形成された画像は、投射レンズ9によ
り倒立実像としてスクリーン10上に拡大投射される。
【0092】ここで、透過型液晶ライトバルブ1と投射
レンズ9との間に配置される画素変位回転フィルタ11
の構成・作用について詳述する。この画素変位回転フィ
ルタ11は透過型液晶ライトバルブ1の各画素をスクロ
ール方式で縦横(上下左右)に1/2画素ピッチずつピ
クセルシフトさせることにより、見掛け上、透過型液晶
ライトバルブ1の解像度を4倍に高解像度化させるため
のものである。
【0093】この画素変位回転フィルタ11は、円盤状
で光透過性を持たせたガラス製のフィルタ本体14にお
いて、入射光軸4に平行な光に対して光軸シフト方向を
上下左右の4方向に90°ずつ異ならせた光軸シフト機
能を有する複数、例えば32個の光路偏向領域15a,
15b,15c,15d,15e,…,15n,…がア
ルキメデスの渦巻き形状の境界16により仕切られて形
成されたものである。ここに、アルキメデスの渦巻き形
状とは、或る境界16を形成する境界線に注目した場
合、図3に示すように、円中心から当該注目境界線まで
の長さをr、定数をa、或る基準線と注目境界線との間
の角度をθとした場合、 r=aθ で表される長さ(半径)で記述される曲線形状を意味す
る。32本の境界16は各々等間隔で異ならせた基準線
に基づき設定される。
【0094】ここに、本実施の形態では、各光路偏向領
域15a,15b,15c,15d,15e,…に光軸
シフト機能を持たせるために、例えば、光軸を平行シフ
トする平行平板の傾斜による屈折を利用している。この
ため、各光路偏向領域15a,15b,15c,15
d,15e,…,15n,…の表面は円周方向又は半径
方向に斜めに傾けて形成され、かつ、その角度方向が4
方向を向くように設定されており、結果的に、入射光軸
4に平行な光に対して異なる入射角をなすように設定さ
れている。この場合の「異なる入射角」とは、入射面の
傾き方向、大きさの少なくとも一方が異なることを意味
し、その絶対値の異同を問うものではない。
【0095】例えば、光路偏向領域15a,15b,1
5c,15dを抽出して中間部の円周方向断面構造を模
式的に示す(内周側から外周側に向けて領域幅の広がり
があるがここでは無視して示すものとする)図4を参照
して説明すると、光路偏向領域15aは外周側から内周
側に向けて低くなるように半径方向に傾斜させて形成さ
れ、光軸シフト方向が内周側(例えば、左側)となるよ
うに設定されている。光路偏向領域15bは光路偏向領
域15aから光路偏向領域15cに向けて低くなるよう
に円周方向に傾斜させて形成され、光軸シフト方向が光
路偏向領域15c側(例えば、下側)となるように設定
されている。光路偏向領域15cは内周側から外周側に
向けて低くなるように半径方向に傾斜させて形成され、
光軸シフト方向が外周側(例えば、右側)となるように
設定されている。光路偏向領域15dは光路偏向領域1
5dから光路偏向領域15cに向けて低くなるように円
周方向に傾斜させて形成され、光軸シフト方向が光路偏
向領域15c側(例えば、上側)となるように設定され
ている。32個の光路偏向領域15nはこれらの4パタ
ーンの繰返しにより形成されている。
【0096】なお、より具体的には、このような異なる
入射角を持たせるための傾斜方向は対象となる透過型液
晶ライトバルブ1の画素変位回転フィルタ11に対する
投影領域17に基づいて設定される。図2を参照すれ
ば、透過型液晶ライトバルブ1の画素変位回転フィルタ
11に対する投影領域17は、画素変位回転フィルタ1
1が回転しても各光路偏向領域15nがほぼ等幅で走査
する領域であって、少なくとも2領域分の幅以上となる
ように設定されている。「ほぼ等幅」とは、各光路偏向
領域15nが外側に向けて多少なりとも広がりを持つ曲
線による境界16により形成されており、厳密に等幅と
なる部分は存在しないため、極力等幅に近い部分を意味
する。このように投影領域17が設定された透過型液晶
ライトバルブ1の走査線方向(矢印A)に対して、画素
変位回転フィルタ11における各光路偏向領域15nの
走査方向(矢印B)は投影領域17に到達した場合には
直交するように設定されている。このような状況下で、
前述したように、各光路偏向領域15nは、境界16を
介して隣接する光路偏向領域毎に90°ずつ順次異なる
方向(各光路偏向領域15nの走査方向(矢印B)に平
行な方向及び直交する方向)に光軸をシフトさせるよう
に設定されているものである。
【0097】このような画素変位回転フィルタ11が透
過型液晶ライトバルブ1・投射レンズ9間に存在してモ
ータ13により回転駆動されるため、透過型液晶ライト
バルブ1で画像情報に応じて空間光変調された照明光は
画素変位回転フィルタ11を透過する際に、画素変位回
転フィルタ11に渦巻き形状の境界16により形成され
ている各光路偏向領域15nの走査(スクロール)を受
けながらその各光路偏向領域15nの傾斜方向に対応し
て上下左右の4方向にその光軸が平行にシフトされる。
このとき、画素変位回転フィルタ11の各光路偏向領域
15nはアルキメデスの渦巻き形状の境界16により形
成されているため、図5に示すように、走査線(矢印
A)に対してほぼ均一にパターニングされた領域により
透過型液晶ライトバルブ1をスクロール走査することが
できると同時に、走査している間の4方向にシフトする
シフト量の変動を低減させることができる。
【0098】なお、本実施の形態の場合、透過型液晶ラ
イトバルブ1に表示される画像が上下左右に光軸シフト
されるため、その光軸シフトに対応させて1フレーム分
の画像情報が上下左右に順次時分割駆動されることとな
り、スクリーン10では上下左右に光軸シフトされた4
枚の時分割画像により1フレーム分の画像が完成するも
のであり、見掛け上、4倍に高解像度化される。
【0099】光路偏向領域15nの走査(スクロール)
による光軸シフト動作の様子を模式的に示す図5を参照
してより詳細に説明する。例えば、或るタイミングにお
いて、透過型液晶ライトバルブ1の投影領域17に対し
て画素変位回転フィルタ11の各光路変更領域15nが
図5(a)に示すような位置関係にある場合、光路偏向
領域15eに相当する領域の画素は図面中左方向に光軸
をシフトさせ、光路偏向領域15dの領域に相当する画
素は図面中上方向に光軸をシフトさせ、光路偏向領域1
5cの領域に相当する画素は図面中右方向に光軸をシフ
トさせる。これにより、透過型液晶ライトバルブ1上で
は3つのなる方向に光軸がシフトされていることにな
る。このように光軸がシフトしているパターンは図面下
方向、つまり、透過型液晶ライトバルブ1の走査線(矢
印A)に直交する走査方向(矢印B)に走査されてお
り、時間の経過とともに、例えば図5(b)に示すよう
な走査状態に遷移する。なお、境界16付近は曲線であ
るので各光路偏向領域15nはその全幅を利用するもの
ではなく、境界16付近を避けて走査線(矢印A)方向
に直線的に採れる矩形範囲内である。
【0100】この図5(b)に示すタイミング状態で
は、光路偏向領域15dの領域に相当する画素は図面中
上方向に光軸をシフトさせ、光路偏向領域15cの領域
に相当する画素は図面中右方向に光軸をシフトさせ、光
路偏向領域15bの領域に相当する画素は図面中下方向
に光軸をシフトさせる。これにより、透過型液晶ライト
バルブ1上では3つのなる方向に光軸がシフトされるこ
とになるが、図5(a)に示すタイミング状態とは異な
る光軸シフト状態となる。
【0101】この図5から分かるように、透過型液晶ラ
イトバルブ1の投影領域17に相当する全ての領域は、
画素変位回転フィルタ11が投影領域17に対して走査
方向(矢印B)にスクロール走査されることにより、領
域内でほぼ均一に等間隔で光軸が4方向に順次シフトさ
れることになる。ここでは、右シフト→下シフト→左シ
フト→上シフト→右シフト…の如く順次90°ずつ光軸
がシフトされる。また、その光軸シフトの開始は透過型
液晶ライトバルブ1の投影領域17全面同時に行うので
はなく、透過型液晶ライトバルブ1の走査線(矢印A)
と垂直方向に変化しながら行っているので、透過型液晶
ライトバルブ1に画像信号を入力して走査線(矢印A)
に対応させて画像を更新する画像表示装置に簡単に適用
でき、走査線間のクロストークを減少させることができ
る。
【0102】ところで、本実施の形態の画素変位回転フ
ィルタ11に適した構成例を図6に示す。図6におい
て、21は全周に亘って一体にモールド成形された高屈
折硝子材、22も全周に亘って一体にモールド成形され
た高屈折硝子材、23a,23bはこれらの高屈折硝子
材21,22間に注入されて前述したようなアルキメデ
スの渦巻き形状の境界16によりパターン形成される各
光路偏向領域15nの一例を構成する低屈折率接着剤で
ある。
【0103】図6において、入射光軸4に平行な光線2
4は、高屈折硝子材21と低屈折率接着剤23aとの界
面、及び、低屈折率接着剤23aと高屈折硝子材22と
の界面でスネルの法則に従い2度屈折し、これに伴い、
光軸シフトしなかった場合の仮想の光軸24aと光軸シ
フトした場合の光軸24bとの差で示される量の光軸シ
フトが入射光軸4に平行に生ずる。
【0104】具体的には、例えば、高屈折硝子21,2
2としてM−BFD130(HOYA株式会社製)(屈
折率1.86)を用い、低屈折率接着剤23a,23b
としてフッ素系光硬化性アクリレート接着剤(屈折率
1.40)を用いた。このとき、低屈折率接着剤23
a,23bの厚みはスペーサで制御して320μmと
し、傾き角度は2.0度とした。また、透過型液晶ライ
トバルブ1のサイズは、4:3スクエア比で約0.8イ
ンチとした。また、画素変位回転フィルタ11の径を1
00mmとし、上下左右の4方向に光軸シフトする渦巻
き形状の境界16により渦巻き形状にパターン化するこ
とによりライトバルブ面が約4分割するように画素変位
回転フィルタ11を製作した。また、照明系は、第1,
第2フライアイレンズ4,5による設計により照明光F
値がF=2.8になるようにし、また、投射レンズ9は
F2.8のテレセントリックレンズとした。
【0105】このとき、画素変位回転フィルタ11を停
止した状態でスクリーン10上において、画素変位回転
フィルタ11の特定の光路偏向領域15nのパターンに
おいて、13.2μmの画素ピッチが約500μmに観
察されるように調整し、この後、画素変位回転フィルタ
11をモータ13により回転させることにより、ほぼ半
分の245〜255μm画素ピッチの画像を観察するこ
とができた。これは、3.3μmずつ上下左右に光軸が
シフトし、結果として6.6μmの画素ずらしを行うこ
とができたことによる。このときに画像データは白画像
を入力したが、照明光が各光路偏向領域15nの境界1
6でクロストークを生じないように有効走査率を最適化
したところ95%以上が可能となったものである。これ
は低屈折率接着剤23a,23bの厚さと界面の傾きに
よる段差約600μmとの合計の約900μmに対して
照明光F=2.8に相当する広がり角が重なる量とほぼ
一致する。
【0106】また、低屈折率接着剤23a,23bの厚
さを270μmで傾き2.8度、及び厚さが370μm
で傾き1.5度にしたところ、同様の光軸のシフトが観
察できたが、1〜2%程度ではあるが若干有効走査率が
減少したものである。また、高屈折硝子材21,22に
M−BACD5N(HOYA株式会社製)を用いたとこ
ろ、同様の光軸のシフトが観察できたが、有効走査率が
90%以下となったものである。
【0107】なお、図6において、は、説明のため、外
周側に向けて低くなる傾斜の光路偏向領域15nとなり
回転軸12から遠ざかる方向に光軸(光線24)をシフ
トさせる例としたが、回転軸12に近づく方向に光軸
(光線24)をシフトさせるためには外周側に向けて高
くなるように傾斜させた低屈折率接着剤23aとすれば
よい。また、光軸(光線24)を円周方向にシフトさせ
るためには、紙面表裏方向であって回転軸12にも直交
する方向の平面に対して前後何れかに傾けるようにすれ
ばよい。
【0108】何れにしても、図6に示すような構造の画
素変位回転フィルタ11とすれば、光軸シフト機能部分
は回転面に対して前後左右の傾きを持ち凹凸形状である
が、外周表面は高屈折硝子材21,22により平面状態
に形成されているため、モータ13により回転させる場
合の風切り音等を生ずることなく、円滑に回転させるこ
とができる。
【0109】なお、図6に示すような構造の画素変位回
転フィルタ11の厚さを極力薄くするために、各光路偏
向領域15nの傾きを連続させず、例えば、図7に示す
ようにその傾き方向に複数に分割することで必要となる
厚みが薄くなるようにしてもよい。構造を単純にして、
材料の種類を低減させるほど低コストで信頼性は向上す
ることができる一方で、空気界面との凹凸構造を必要と
する場合が生じて、回転時の騒音が増加する。
【0110】また、画素変位回転フィルタ11は、光軸
シフト機能を持たせる構造として屈折を利用する手段に
限定されるものではない。複屈折材料を用いて2方向に
光軸をシフトさせてもよいし、さらに液晶による電気光
学効果を有するアクティブな偏光回転素子を用いて光軸
を4方向にシフトさせてもよい。電気光学効果を有する
アクティブな偏向素子を渦巻き形状に形成してもよい。
また、2つ以上の画素変位回転フィルタ11を組合せて
用いてもよい。つまり、複屈折材料による複屈折を利用
する場合には、平行平板で円盤状の硝子材の表面にアル
キメデスの渦巻き形状の境界16で仕切られるパターン
形状に形成されて各々の複屈折方向を上下左右4方向、
上下2方向或いは左右2方向に異ならせた複屈折材を貼
付することで光路偏向領域を形成し(従って、形状的に
は平板状のまま)、各複屈折材毎に入射光軸に平行な光
に対する複屈折角が異なるようにしてもよい。これによ
れば、平面性を維持でき、画素変位回転フィルタの作製
が容易となる。
【0111】本発明の第二の実施の形態を図8及び図9
に基づいて説明する。第一の実施の形態で示した部分と
同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以
降の各実施の形態でも順次同様とする)。
【0112】本実施の形態の画像表示装置は、例えば、
特開2001−242416公報中に示される渦巻き型
カラーホイールのようなカラースクロール方式の色分解
回転フィルタ31を組合せることにより単板カラー方式
の画像表示装置を構成したものである。即ち、図8に示
すように透過型液晶ライトバルブ1直前の光路上に配設
されて回転軸32に連結されたモータ33により回転駆
動される円盤状の色分解回転フィルタ31が付加されて
いる。回転軸32とモータ33とにより色分解フィルタ
用駆動機構が構成されている。
【0113】図9は色分解回転フィルタ31の構造例を
示す正面図であり、本実施の形態では、画素変位回転フ
ィルタ11と同一サイズに形成されている。また、この
色分解回転フィルタ31は境界16と同じアルキメデス
の渦巻き形状をなす境界34によりパターン化された色
分解領域35nが分割形成されている。ここでは、入射
光に対する透過波長特性を異ならせることにより色分解
する干渉フィルタを用いることにより、R,G,B3色
分の組合せの繰返しで各色分解領域35nが形成されて
いる(このため、より実際的には、上下左右4方向の光
軸シフトを行う画素変位回転フィルタ11との組合せの
関係上、光路偏向領域、色分解領域の個数は例えば36
個で同一とされている)。このような色分解回転フィル
タ31に対する透過型液晶ライトバルブ1の投影領域1
7との関係は、画素変位回転フィルタ11との場合と同
様であり、色分解回転フィルタ31が回転しても各色分
解領域35nがほぼ等幅で走査する領域であって、少な
くとも2領域分の幅以上となるように設定されている。
このように投影領域17が設定された透過型液晶ライト
バルブ1の走査線方向(矢印A)に対して、色分解回転
フィルタ31における各色分解領域35nの走査方向
(矢印C)は投影領域17に到達した場合には直交する
ように設定されている。
【0114】また、光路偏向領域、色分解領域の位置関
係を維持したまま、画素変位回転フィルタ11と色分解
回転フィルタ31とはモータ13,33により同期して
回転されるように制御される。
【0115】このような構成において、透過型液晶ライ
トバルブ1で空間光変調された照明光は、その直前で色
分解回転フィルタ31を透過し、かつ、直後に画素変位
回転フィルタ11を透過する。このとき、色分解回転フ
ィルタ31では、図9に示すような渦巻き形状の境界3
4によりRGB各色分解領域35nがパターン形成され
ているため、図5に示した画素変位回転フィルタ11の
場合の動作とほぼ同様のスクロール動作により、透過型
液晶ライトバルブ1の走査線(矢印A)に対してほぼ均
一にパターニングされたRGB各色分解領域35nによ
り透過型液晶ライトバルブ1を走査方向(矢印C)にス
クロール走査することができる。このようなカラースク
ロール方式により、単板式の液晶ライトバルブ1である
にも関わらずカラー表示を行うことができる。
【0116】このとき、当該カラースクロール方式は、
図25に示したような通常の放射状パターン形状で製作
した色分解回転フィルタの場合とは異なり、走査線(矢
印A)の方向と垂直な方向に照明光の特定の色をスクロ
ールするので、画面全体を画素ずらしするような方式と
組合せることは、色の混色を招くか有効走査率が50%
以下になってしまうものの、本実施の形態のように、渦
巻き形状の境界34により色分解領域35nがパターニ
ングされた色分解回転フィルタ31を用い、かつ、画素
の光軸をシフトさせる画素変位回転フィルタ11として
も光路偏向領域15nが渦巻き形状の境界16によりパ
ターニングされたものを用いて両者を対応させることに
より、走査線毎の状態に対応して色分解の開始と光軸シ
フトの開始との同期、さらには画像信号の走査線信号と
の同期をとることができるので、光利用効率が高いと同
時に高色純度のフィールドシーケンシャルなカラー画像
表示を実現できる。
【0117】色分解回転フィルタ31を設ける位置して
は、透過型液晶ライトバルブ1の直前位置に限定される
ものではなく、透過型液晶ライトバルブ1近傍と共役の
位置又は光学的に結像の位置に設けてもよい。実施の一
例として、均一化照明装置にロッドレンズとリレーレン
ズを用いれば、渦巻き形状の境界33を有する色分解回
転フィルタ31に対して、ロッドレンズ照明を組合せる
ことにより不要な色の反射照明光を再利用することがで
きるので、画素ずらしを行った場合においても、走査線
単位での色分解と光軸シフトとが可能であり、照明光の
高効率化が実現できる。
【0118】また、色分解回転フィルタ31の色分解機
能としては、RGB3色分のみに限らず、例えば、白色
Wを加えた4色分、又は、それ以上としてもよい。
【0119】本発明の第三の実施の形態を図10に基づ
いて説明する。本実施の形態は、画素変位回転フィルタ
11に色分解フィルタを一体に形成したものである。即
ち、前述したように上下左右の4方向に光軸シフト機能
を持たせた各光路偏向領域15nにRGB3色分或いは
RGB,Wの4色分の色分解機能をも併せて持たせるよ
うに構成したものである。従って、色分解回転フィルタ
31用のモータ33は省略され、モータ13のみが駆動
機構として用意されている。
【0120】領域割当ての一例としては、領域41aは
右方向に光軸シフトと白色W透過(全帯域透過コーティ
ング)、領域41bは左方向に光軸シフトとR透過、領
域41cは上方向に光軸シフトとG透過、領域41dは
右方向に光軸シフトとB透過,領域41eは左方向に光
軸シフトと白色W透過、領域41fは右方向に光軸シフ
トとR透過、…の如く組合せで設定されている。
【0121】全体を4×4×n(n>0の整数)となる
数に回転フィルタ11を分割し、1回転又は1/m(m
>0の整数)回転で変位の方向と色分解の色とが均一に
なるようになっていれば、変位の方向と色分解の色との
組合せは任意であり、シャッフルされて不規則であって
もよいし規則的にしてもよい。
【0122】この図10に示すような色分解フィルタが
一体化された画素変位回転フィルタ11を、図1中の画
素変位回転フィルタの位置に配設して用いることによ
り、1枚の回転フィルタで画素ずらしとカラースクロー
ルとの両方を行うことができ、モータ数も減少できるの
で、信頼性が向上すると同時に低コストとなり、さらに
は静音化させることができる。
【0123】本発明の第四の実施の形態を図11及び図
12に基づいて説明する。
【0124】本実施の形態の画像表示装置は、スクロー
ル方式の調光回転フィルタ51を組合せることにより調
光機能を持ち階調性の高い画像表示装置を構成したもの
である。即ち、図11に示すように透過型液晶ライトバ
ルブ1直前の光路上に配設されて回転軸52に連結され
たモータ53により回転駆動される円盤状の調光回転フ
ィルタ51が付加されている。回転軸52とモータ53
とにより調光回転フィルタ用駆動機構が構成されてい
る。
【0125】図12は調光回転フィルタ51の構造例を
示す正面図であり、本実施の形態では、画素変位回転フ
ィルタ11と同一サイズに形成されている。また、この
調光回転フィルタ51は境界16と同じアルキメデスの
渦巻き形状をなす境界54によりパターン化された照明
光調光領域55nが分割形成されている。ここでは、入
射光に対する透過光量特性を異ならせることにより調光
する干渉フィルタを用いることにより、例えば、約10
0%透過(ただし、実際には干渉フィルタの特性上これ
より少し劣るので、理想的な数値として示す…以下、同
様)、約50%透過、約25%透過の3段階に透過率が
制御された3段階分の組合せの繰り返しで各照明光調光
領域55nが形成されている(このため、より実際的に
は、上下左右4方向の光軸シフトを行う画素変位回転フ
ィルタ11との組合せの関係上、光路偏向領域、照明光
調光領域の個数は例えば36個で同一とされている)。
このような調光回転フィルタ51に対する透過型液晶ラ
イトバルブ1の投影領域17との関係は、画素変位回転
フィルタ11との場合と同様であり、調光回転フィルタ
51が回転しても各照明光調光領域55nがほぼ等幅で
走査する領域であって、少なくとも2領域分の幅以上と
なるように設定されている。このように投影領域17が
設定された透過型液晶ライトバルブ1の走査線方向(矢
印A)に対して、調光回転フィルタ51における各照明
光調光領域55nの走査方向(矢印D)は投影領域17
に到達した場合には直交するように設定されている。
【0126】また、光路偏向領域、照明光調光領域の位
置関係を維持したまま、画素変位回転フィルタ11と調
光回転フィルタ51とはモータ13,53により同期し
て回転されるように制御される。
【0127】このような構成において、透過型液晶ライ
トバルブ1で空間光変調された照明光は、その直前で調
光回転フィルタ51を透過し、かつ、直後に画素変位回
転フィルタ11を透過する。このとき、調光回転フィル
タ51では、図12に示すような渦巻き形状の境界44
により100%透過、50%透過、25%透過の各照明
光調光領域55nがパターン形成されているため、図5
に示した画素変位回転フィルタ11の場合の動作とほぼ
同様のスクロール動作により、透過型液晶ライトバルブ
1の走査線(矢印A)に対してほぼ均一にパターニング
された100%透過、50%透過、25%透過の各照明
光調光領域55nにより透過型液晶ライトバルブ1を走
査方向(矢印D)にスクロール走査することができる。
このようなスクロール調光方式により、階調性の高い画
像表示を行うことができる。
【0128】調光回転フィルタ51を設ける位置して
は、透過型液晶ライトバルブ1の直前位置に限定される
ものではなく、透過型液晶ライトバルブ1近傍と共役の
位置又は光学的に結像の位置に設けてもよい。実施の一
例として、均一化照明装置にロッドレンズとリレーレン
ズを用いれば、渦巻き形状の境界53を有する調光回転
フィルタ51に対して、ロッドレンズ照明を組合せるこ
とにより不要な色の反射照明光を再利用することができ
るので、画素ずらしを行った場合においても、走査線単
位での調光と光軸シフトとが可能であり、高解像度で高
階調な画像表示を実現できる。
【0129】また、調光回転フィルタ51の調光機能
(調光量)としては、100%透過、50%透過、25
%透過の3段階に限らず、適宜設定してもよい。
【0130】本発明の第五の実施の形態を図13に基づ
いて説明する。本実施の形態は、画素変位回転フィルタ
11に調光回転フィルタを一体に形成したものである。
即ち、前述したように上下左右の4方向に光軸シフト機
能を持たせた各光路偏向領域15nに100%透過、5
0%透過、25%透過等の照明光調光機能をも併せて持
たせるように構成したものである。従って、調光回転フ
ィルタ51用のモータ53は省略され、モータ13のみ
が駆動機構として用意されている。
【0131】領域割当ての一例としては、図13におい
て、パターン形状の境界部分の変位/調光一体の画素変
位回転フィルタ11には、渦形状にパターニングされた
分割部分を有しており、領域42aは右方向に光軸シフ
トと100%透過、領域42bは下方向に光軸シフトと
50%透過、領域42cは左方向に光軸シフトと25%
透過、42dは上方向に光軸シフトと12.5%透過、
領域42eは下方向に光軸シフトと100%透過、領域
42fは左方向に光軸シフトと50%透過、42hは右
方向に光軸シフトと12.5%透過、…の如く設定され
ている。
【0132】なお、全体を4×4×n(n>0の整数)
となる数に回転フィルタを分割し、1回転又は1/m
(m>0の整数)回転で調光のステップと光軸シフトの
方向とが均一になるようになっていれば、調光のステッ
プと光軸シフトの方向との組合せはシャッフルされて不
規則であってもよいし規則的にしてもよい。また、調光
のステップは、100%透過を16個、50%透過を1
個、25%透過を1個、12.5%透過を1個というよ
うに変形してもよい。
【0133】本実施の形態のような変位/調光一体の画
素変位回転フィルタ11を、図1に示す画素変位回転フ
ィルタの位置と同じ位置に用いることにより、1枚の回
転フィルタで画素ずらしと照明光の調光との両方を行う
ことができ、モータ数も減少できるので、信頼性が向上
すると同時に低コストとなり、さらには静音化させるこ
とができる。
【0134】本発明の第六の実施の形態を図14及び図
15に基づいて説明する。本実施の形態は、カラー・調
光スクロール方式の色分解・調光一体型の回転フィルタ
61を組合せることにより単板カラー・調光方式の画像
表示装置を構成したものである。即ち、図14に示すよ
うに透過型液晶ライトバルブ1直前の光路上に配設され
て回転軸62に連結されたモータ63により回転駆動さ
れる円盤状の回転フィルタ61が付加されている。回転
軸62とモータ63とにより駆動機構が構成されてい
る。
【0135】図15は回転フィルタ61の構造例を示す
正面図であり、本実施の形態では、画素変位回転フィル
タ11と同一サイズに形成されている。また、この回転
フィルタ61は境界16と同じアルキメデスの渦巻き形
状をなす境界64によりパターン化された色分解・照明
光調光領域65nが分割形成されている。ここでは、入
射光に対する透過波長及び透過光量特性を異ならせるこ
とにより色分解かつ調光する干渉フィルタを用いること
により、R,G,B3色分かつ100%透過、50%透
過、25%透過の組合せで各色分解・照明光調光領域6
5nが形成されている(このため、より実際的には、上
下左右4方向の光軸シフトを行う画素変位回転フィルタ
11との組合せの関係上、光路偏向領域、色分解・照明
光調光領域の個数は例えば36個で同一とされてい
る)。このような回転フィルタ61に対する透過型液晶
ライトバルブ1の投影領域17との関係は、画素変位回
転フィルタ11との場合と同様であり、回転フィルタ6
1が回転しても各色分解・照明光調光領域65nがほぼ
等幅で走査する領域であって、少なくとも2領域分の幅
以上となるように設定されている。このように投影領域
17が設定された透過型液晶ライトバルブ1の走査線方
向(矢印A)に対して、色分解回転フィルタ31におけ
る各色分解・照明光調光領域65nの走査方向(矢印
E)は投影領域17に到達した場合には直交するように
設定されている。
【0136】領域割当ての一例としては、図15におい
て、パターン形状の境界部分のカラー/調光一体の回転
フィルタ61には、渦形状にパターニングされた分割部
分を有しており、領域66aはB100%透過、領域6
6bはR50%透過、領域66cはG25%透過、領域
66dはR100%透過、66eはG50%透過、領域
66fはB25%透過、領域66gはG100%透過、
領域66hはR50%透過、…の如く設定されている。
【0137】また、光路偏向領域、色分解・照明光調光
領域の位置関係を維持したまま、画素変位回転フィルタ
11と回転フィルタ61とはモータ13,63により同
期して回転されるように制御される。
【0138】このような構成において、透過型液晶ライ
トバルブ1で空間光変調された照明光は、その直前で回
転フィルタ61を透過し、かつ、直後に画素変位回転フ
ィルタ11を透過する。このとき、回転フィルタ61で
は、図15に示すような渦巻き形状の境界64により
R,G,B3色分かつ100%透過、50%透過、25
%透過の組合せによる色分解・照明光調光領域65nが
パターン形成されているため、図5に示した画素変位回
転フィルタ11の場合の動作とほぼ同様のスクロール動
作により、透過型液晶ライトバルブ1の走査線(矢印
A)に対してほぼ均一にパターニングされたR,G,B
3色分かつ100%透過、50%透過、25%透過の組
合せによる色分解・照明光調光領域65nにより透過型
液晶ライトバルブ1を走査方向(矢印E)にスクロール
走査することができる。このようなカラースクロール方
式により、単板式の透過型液晶ライトバルブ1であるに
も関わらず高階調なカラー表示を行うことができる。
【0139】回転フィルタ61を設ける位置としては、
透過型液晶ライトバルブ1の直前位置に限定されるもの
ではなく、透過型液晶ライトバルブ1近傍と共役の位置
又は光学的に結像の位置に設けてもよい。実施の一例と
して、均一化照明装置にロッドレンズとリレーレンズを
用いれば、渦巻き形状の境界63を有する回転フィルタ
61に対して、ロッドレンズ照明を組合せることにより
不要な色の反射照明光を再利用することができるので、
画素ずらしを行った場合においても、走査線単位での色
分解かつ調光と光軸シフトとが可能であり、照明光の高
効率化、高階調化が実現できる。
【0140】本発明の第七の実施の形態を図16に基づ
いて説明する。本実施の形態は、画素変位回転フィルタ
11に色分解・調光回転フィルタを一体に形成したもの
である。即ち、前述したように上下左右の4方向に光軸
シフト機能を持たせた各光路偏向領域15nにRGB3
色分、又は、RGBW4色分の色分解機能と100%透
過、50%透過、25%透過等の照明光調光機能をも併
せて持たせるように構成したものである。従って、回転
フィルタ61用のモータ63は省略され、モータ13の
みが駆動機構として用意されている。
【0141】領域割当ての一例としては、図16におい
て、パターン形状の境界部分の変位/色分解/調光一体
の画素変位回転フィルタ11には、渦形状にパターニン
グされた分割部分を有しており、領域43aは右方向に
光軸シフト、R100%透過(他の色は0%透過率=1
00%反射率、ただし実際には干渉フィルタの特性上こ
れより劣り理想的な数値である。以下同様)、領域43
bは下方向に光軸シフト、50%B透過、領域43cは
上方向に光軸シフト、100%G透過、領域43dは下
方向に光軸シフト、50%R透過、領域43eは左方向
に光軸シフト、100%G透過、…の如く設定されてい
る。
【0142】なお、全体を2×4×3×n(n>0の整
数)となる数に回転フィルタを分割し、1回転又は1/
m(m>0の整数)回転で調光のステップと色分解の色
と光軸シフトの方向とが均一になるようになっていれ
ば、調光のステップと色分解の色と光軸シフトの方向と
の組合せはシャッフルされて不規則であってもよいし規
則的にしてもよい。また、調光のステップは、100%
透過を4個に50%透過を1個というように変形しても
よい。
【0143】このような変位/調光/色分解一体の画素
変位回転フィルタ11を、図1の変位回転フィルタの位
置と同じ位置に用いることにより、1枚の回転フィルタ
で画素ずらしと照明光の調光と色分解との全てを行うこ
とができ、モータ数も減少できるので、信頼性が向上す
ると同時に低コストとなり、さらには静音化させること
ができる。
【0144】本発明の第八の実施の形態を図17ないし
図19に基づいて説明する。本実施の形態は、画像表示
用素子として空間光変調器の一つである透過型液晶ライ
トバルブ1を用いた投射型の画像表示装置への適用例を
示す。
【0145】図17はこの画像表示装置の概略構成を示
す側面図である。図17中、2は光源としての高圧水銀
ランプ、3は例えば焦点距離7mmで開口径52mmの
方形の放物形状リフレクタ、4は光軸、5,6は透過型
液晶ライトバルブ1に対する照明光を均質化させるイン
テグレータ光学系を構成する例えば5×8の第1,第2
フライアイレンズ、7は偏光方向を一律に揃えるための
偏光ビームスプリッタ(PBS)アレイ、8はコンデン
サレンズ、9は拡大像形成素子としての投射レンズ、1
0はスクリーンである。71は透過型液晶ライトバルブ
1直前の光路上に配設されて回転軸72に連結されたモ
ータ73により回転駆動される調光フィルタである円盤
状の調光回転フィルタである。回転軸72とモータ73
とにより調光フィルタ用駆動機構が構成されている。
【0146】このような構成において、例えば120W
でアーク長が1.2mmの65lm/Wの高圧水銀ラン
プ2から放出された照明光は放物形状リフレクタ3によ
り発散角の小さい光束となり第1フライアイレンズ5、
第2フライアイレンズ6及びコンデンサレンズ8によ
り、透過型液晶ライトバルブ1に対して均一な強度分布
でケーラ照明される。また、PBSアレイ7により偏光
変換されて必要な方向の直線偏光の照明光が約1.5倍
になる。このとき、特に図示しないが、透過型液晶ライ
トバルブ1は偏光子と検光子とが前後に組み合わされて
おり、透過型液晶ライトバルブ1による画素単位での偏
光回転により空間光変調される。透過型液晶ライトバル
ブ1は、石英基板上の一部に形成したポリシリコン結晶
により、約13.2μ角の微小な画素を有する強誘電性
液晶素子であり、開口率は約20%と小さいが、強誘電
性液晶の有する高速応答性により約100μsの応答速
度がある。この透過型液晶ライトバルブ1で空間光変調
された照明光により形成された画像は、投射レンズ9に
より倒立実像としてスクリーン10上に拡大投射され
る。
【0147】ここで、透過型液晶ライトバルブ1直前に
配置される調光回転フィルタ71の構成・作用について
詳述する。この調光回転フィルタ71は透過型液晶ライ
トバルブ1の各画素に対する入射光量をスクロール方式
でシフトさせることにより、階調を持たせた画像表示を
行わせるためのものである。
【0148】この調光回転フィルタ71は、円盤状のガ
ラス製のフィルタ本体74において、入射光に対する透
過光量を段階的に異ならせた複数の照明光調光領域75
a,75b,75c,…,75n,…がアルキメデスの
渦巻き形状の境界76により仕切られて形成されたもの
である。ここに、アルキメデスの渦巻き形状とは、前述
の図3で説明した場合と同様に、或る境界76を形成す
る境界線に注目した場合、円中心から当該注目境界線ま
での長さをr、定数をa、或る基準線と注目境界線との
間の角度をθとした場合、 r=aθ で表される長さ(半径)で記述される曲線形状を意味す
る。36本の境界76は各々等間隔で異ならせた基準線
に基づき設定される。
【0149】図18に示す調光回転フィルタ71の正面
図を参照すれば、渦巻き形状の境界76に対応して透過
光量が3段階に変化するように形成されている。例え
ば、領域75a,75d,75g,…は約100%透過
(ただし、実際には干渉フィルタの特性上これより少し
劣るので、理想的な数値としてである。以下同様)、領
域75b,75e,75h,…は約50%透過、領域7
5c,75f,75i,…は約25%透過、の如く、各
領域の透過光量が干渉フィルタにより設定されている。
【0150】なお、対象となる透過型液晶ライトバルブ
1の調光回転フィルタ71に対する投影領域77は、調
光回転フィルタ71が回転しても各照明光調光領域75
nがほぼ等幅で走査する領域であって、少なくとも2領
域分の幅以上となるように設定されている。このように
投影領域77が設定された透過型液晶ライトバルブ1の
走査線方向(矢印A)に対して、調光回転フィルタ71
における各照明光調光領域75nの走査方向(矢印F)
は投影領域77に到達した場合には直交するように設定
されている。
【0151】このような調光回転フィルタ71が透過型
液晶ライトバルブ1直前の光路上に存在してモータ73
により回転駆動されるため、透過型液晶ライトバルブ1
で画像情報に応じて空間光変調される照明光はその直前
において、調光回転フィルタ71を透過する際に、調光
回転フィルタ71に渦巻き形状の境界76により形成さ
れている各照明光調光領域75nの走査(スクロール)
を受けながらその各照明光調光領域75nの透過光量に
対応して3段階に調光される。このとき、調光回転フィ
ルタ71の各照明光調光領域75nはアルキメデスの渦
巻き形状の境界76により形成されているため、図19
に示すように、走査線(矢印A)に対してほぼ均一にパ
ターニングされた領域により透過型液晶ライトバルブ1
をスクロール走査することができると同時に、走査して
いる間の3段階に調光シフトするシフト量の変動を低減
させることができる。
【0152】なお、本実施の形態の場合、透過型液晶ラ
イトバルブ1に照射される照明光が3段階に調光シフト
されるため、その調光シフトに対応させて1フレーム分
の画像情報が順次時分割駆動されることとなり、スクリ
ーン10では3段階に調光シフトされた3枚の時分割画
像により1フレーム分の画像が完成するものであり、高
階調化される。
【0153】照明光調光領域75nの走査(スクロー
ル)による調光シフト動作の様子を模式的に示す図19
を参照してより詳細に説明する。例えば、或るタイミン
グにおいて、透過型液晶ライトバルブ1の投影領域77
に対して調光回転フィルタ71の各照明光調光領域75
nが図19(a)に示すような位置関係にある場合、照
明光調光領域15eに相当する領域の画素は50%透過
の照明光により照明され、照明光調光領域15dに相当
する領域の画素は100%透過の明るい照明光により照
明され、照明光調光領域15cに相当する領域の画素は
25%透過の暗めの照明光により照明されることにな
る。これにより、透過型液晶ライトバルブ1上では3つ
の異なる透過光量により調光されて階調性が表現されて
いることになる。このように調光シフトしているパター
ンは図面下方向、つまり、透過型液晶ライトバルブ1の
走査線(矢印A)に直交する走査方向(矢印F)に走査
されており、時間の経過とともに、例えば図19(b)
に示すような走査状態に遷移する。なお、境界76付近
は曲線であるので各照明光調光領域75nはその全幅を
利用するものではなく、境界76付近を避けて走査線
(矢印A)方向に直線的に採れる矩形範囲内である。
【0154】この図19(b)に示すタイミング状態で
は、照明光調光領域15dに相当する領域の画素は10
0%透過の明るい照明光により照明され、照明光調光領
域15cに相当する領域の画素は25%透過の暗めの照
明光により照明され照明光調光領域15eに相当する領
域の画素は50%透過の照明光により照明されることに
なる。これにより、透過型液晶ライトバルブ1上では3
つの異なる透過光量により調光されて階調性が表現され
ていることになるが、図19(a)に示すタイミング状
態とは異なる調光シフト状態となる。
【0155】この図19から分かるように、透過型液晶
ライトバルブ1の投影領域77に相当する全ての領域
は、調光回転フィルタ71が投影領域77に対して走査
方向(矢印F)にスクロール走査されることにより、領
域内でほぼ均一に等間隔で透過光量が3段階に順次シフ
トされることになる。また、その光量シフトの開始は透
過型液晶ライトバルブ1の投影領域77全面同時に行う
のではなく、透過型液晶ライトバルブ1の走査線(矢印
A)と垂直方向に変化しながら行っているので、透過型
液晶ライトバルブ1に画像信号を入力して走査線(矢印
A)に対応させて画像を更新する画像表示装置に簡単に
適用でき、走査線間のクロストークを減少させることが
できる。
【0156】本実施の形態によれば、照明光の調光を走
査線単位で行うことができるので、透過型液晶ライトバ
ルブ1への走査線単位での画像信号の入力と駆動方法と
を同期させた調光を行うことができる。このため、有効
走査率を高めることができ、高い光利用効率を実現でき
る。さらには、強誘電性液晶のような2値駆動のライト
バルブに対して、時分割駆動と照明光の調光を同期させ
ることにより、時分割駆動するサブフレームの駆動周波
数を大幅に低減させることができ、高い光利用効率のま
ま高階調性画像の画像表示を行うことができるようにな
る。
【0157】ちなみに、100%,50%,25%,1
2.5%の如く、4段階の調光とした場合、指数的に2
の2乗となる4段階の調光であるので、256階調を2
56/4+2=66の時分割駆動で実現できるようにな
り約4倍も駆動周波数を低減できる。このため60Hz
以上で256階調では、100μsの応答速度では有効
走査率が小さく不十分であったのが大きく改善される。
また、調光すること自体による光損失に伴う光利用効率
の低減は、(4×64+2+1)/(66×4)=0.
981≒98%でありほとんどない。さらに、従来は走
査線毎の画像信号の更新と同期をとるために、約50%
の有効走査率であったのに対して、走査線単位で調光す
ることができるので、この点に関しても約2倍の高輝度
化を実現できる。
【0158】本発明の第九の実施の形態を図20及び図
21に基づいて説明する。本実施の形態の画像表示装置
は、カラースクロール方式の色分解回転フィルタ81を
組合せることにより単板カラー・階調方式の画像表示装
置を構成したものである。即ち、図20に示すように調
光回転フィルタ71の直前(又は、直後)の光路上に配
設されて回転軸82に連結されたモータ83により回転
駆動される円盤状の色分解回転フィルタ81が付加され
ている。回転軸82とモータ83とにより色分解フィル
タ用駆動機構が構成されている。
【0159】図21は色分解回転フィルタ81の構造例
を示す正面図であり、本実施の形態では、調光回転フィ
ルタ71と同一サイズに形成されている。また、この色
分解回転フィルタ81は境界76と同じアルキメデスの
渦巻き形状をなす境界84によりパターン化された色分
解領域85nが分割形成されている。ここでは、入射光
に対する透過波長特性を異ならせることにより色分解す
る干渉フィルタを用いることにより、R,G,B3色分
の組合せの繰り返しで各色分解領域85nが形成されて
いる。このような色分解回転フィルタ81に対する透過
型液晶ライトバルブ1の投影領域77との関係は、調光
回転フィルタ71との場合と同様であり、色分解回転フ
ィルタ81が回転しても各色分解領域85nがほぼ等幅
で走査する領域であって、少なくとも2領域分の幅以上
となるように設定されている。このように投影領域77
が設定された透過型液晶ライトバルブ1の走査線方向
(矢印A)に対して、色分解回転フィルタ81における
各色分解領域85nの走査方向(矢印G)は投影領域7
7に到達した場合には直交するように設定されている。
【0160】また、照明光調光領域、色分解領域の位置
関係を維持したまま、調光回転フィルタ71と色分解回
転フィルタ81とはモータ73,83により同期して回
転されるように制御される。
【0161】このような構成において、透過型液晶ライ
トバルブ1で空間光変調される照明光は、その直前で色
分解回転フィルタ81及び調光回転フィルタ71を透過
する。このとき、色分解回転フィルタ81では、図21
に示すような渦巻き形状の境界84によりRGB各色分
解領域85nがパターン形成されているため、図19に
示した調光回転フィルタ71の場合の動作とほぼ同様の
スクロール動作により、透過型液晶ライトバルブ1の走
査線(矢印A)に対してほぼ均一にパターニングされた
RGB各色分解領域85nにより透過型液晶ライトバル
ブ1を走査方向(矢印G)にスクロール走査することが
できる。このようなカラースクロール方式により、単板
式の液晶ライトバルブ1であるにも関わらず階調表示を
伴うカラー表示を行うことができる。
【0162】このとき、当該カラースクロール方式は、
図25に示したような通常の放射状パターン形状で製作
した色分解回転フィルタの場合とは異なり、走査線(矢
印A)の方向と垂直な方向に照明光の特定の色をスクロ
ールするので、画面全体を画素ずらしするような方式と
組合せることは、色の混色を招くか有効走査率が50%
以下になってしまうものの、本実施の形態のように、渦
巻き形状の境界84により色分解領域85nがパターニ
ングされた色分解回転フィルタ81を用い、かつ、照明
光の光量を変化させる調光回転フィルタ71としても照
明光調光領域75nが渦巻き形状の境界75によりパタ
ーニングされたものを用いて両者を対応させることによ
り、走査線毎の状態に対応して色分解の開始と調光(階
調)シフトの開始との同期、さらには画像信号の走査線
信号との同期をとることができるので、階調性が高く光
利用効率の高いフィールドシーケンシャルなカラー画像
表示を実現できる。
【0163】色分解回転フィルタ81を設ける位置して
は、調光回転フィルタ71の直前位置に限定されるもの
ではなく、直後であってもよく、さらには、透過型液晶
ライトバルブ1近傍と共役の位置又は光学的に結像の位
置に設けてもよい。実施の一例として、均一化照明装置
にロッドレンズとリレーレンズを用い、ロッドレンズの
端部にどちらかの回転フィルタの一方を、透過型液晶ラ
イトバルブ1付近に配置してもよい。また、フィールド
レンズと第2リレーレンズを追加して透過型液晶ライト
バルブ1と互いに共役な位置に各々の回転フィルタ7
1,81を配置してもよい。
【0164】また、色分解回転フィルタ81の色分解機
能としては、RGB3色分のみに限らず、例えば、白色
Wを加えた4色分、又は、それ以上としてもよい。
【0165】本発明の第十の実施の形態を図22に基づ
いて説明する。本実施の形態は、調光回転フィルタ71
に色分解フィルタを一体に形成したものである。即ち、
前述したように3段階,4段階等の透過光量可変機能を
持たせた各照明光調光領域75nにRGB3色分或いは
RGB,Wの4色分の色分解機能をも併せて持たせるよ
うに構成したものである。従って、色分解回転フィルタ
81用のモータ83は省略され、モータ73のみが駆動
機構として用意されている。
【0166】領域割当ての一例としては、図22におい
て、パターン形状の境界部分のカラー/調光一体の回転
フィルタ71には、渦形状にパターニングされた分割部
分を有しており、領域75aはB100%、領域75b
はR50%透過、領域75cはG25%透過、領域75
dはR100%、領域75eはG50%透過、領域75
fはB25%透過、領域75gはG100%透過、領域
75hはB50%透過、…の如く設定されている。
【0167】全体を3×3×n(n>0の整数)となる
数に回転フィルタ11を分割し、1回転又は1/m(m
>0の整数)回転で調光のステップと色分解の色とが均
一になるようになっていれば、調光のステップと色分解
の色との組合せは任意であり、シャッフルされて不規則
であってもよいし規則的にしてもよい。
【0168】この図22に示すような色分解フィルタが
一体化された調光回転フィルタ71を、図17中の調光
回転フィルタの位置に配設して用いることにより、1枚
の回転フィルタで調光レベルのシフト(調光スクロー
ル)とカラースクロールとの両方を行うことができ、モ
ータ数も減少できるので、信頼性が向上すると同時に低
コストとなり、さらには静音化させることができる。さ
らには、照明光の均一手段にロッドレンズとリレーレン
ズとを用い、ロッドレンズの端部にこの色分解/調光一
体の回転フィルタ71を配置してもよい。
【0169】なお、これらの実施の形態では、投射型の
画像表示装置への適用例で説明したが、図23等の場合
のように拡大像形成素子としてのレンズにより拡大され
た像を観察するタイプの画像形成装置であってもよい。
【0170】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、複数の光
路偏向領域がアルキメデスの渦巻き形状の境界により仕
切られて形成されているので、当該光路偏向素子を回転
駆動させた場合、光路偏向領域がほぼ等幅で走査する領
域が存在することとなり、これらの光路偏向領域の光軸
シフト機能について光軸シフト方向を異ならせているの
で、画像表示用素子等と組合せた場合、その画素シフト
を回転スクロール方式で簡単に行わせることができ、こ
の結果、簡単な方法で走査線に対応して表示画像用素子
の画素をずらすことにより、走査線に対応した走査に従
った画像表示方法に対応できる信頼性高く低コストで高
解像度な画像表示装置の実現に寄与することができる。
【0171】請求項2記載の発明によれば、複数の光路
偏向領域がアルキメデスの渦巻き形状の境界により仕切
られて形成されているので、当該光路偏向素子を回転駆
動させた場合、光路偏向領域がほぼ等幅で走査する領域
が存在することとなり、これらの光路偏向領域に入射光
軸に平行な光に対して異なる入射角を持たせることによ
りシフト方向が異なる光軸シフト機能を持たせているの
で、画像表示用素子等と組合せた場合、その画素シフト
を回転スクロール方式で簡単に行わせることができ、こ
の結果、簡単な方法で走査線に対応して表示画像用素子
の画素をずらすことにより、走査線に対応した走査に従
った画像表示方法に対応できる信頼性高く低コストで高
解像度な画像表示装置の実現に寄与することができる。
【0172】請求項3記載の発明によれば、複数の光路
偏向領域がアルキメデスの渦巻き形状の境界により仕切
られて形成されているので、当該光路偏向素子を回転駆
動させた場合、光路偏向領域がほぼ等幅で走査する領域
が存在することとなり、これらの光路偏向領域を入射光
軸に平行な光に対して異なる複屈折角を示すように構成
することによりシフト方向が異なる光軸シフト機能を持
たせているので、画像表示用素子等と組合せた場合、そ
の画素シフトを回転スクロール方式で簡単に行わせるこ
とができ、この結果、簡単な方法で走査線に対応して表
示画像用素子の画素をずらすことにより、走査線に対応
した走査に従った画像表示方法に対応できる信頼性高く
低コストで高解像度な画像表示装置の実現に寄与するこ
とができる。
【0173】請求項4記載の発明によれば、請求項1な
いし3の何れか一記載の光路偏向素子において、アルキ
メデスの渦巻き形状の境界により仕切られて形成されて
いる複数の光路偏向領域に関して、その走査方向を境界
の接線方向に直交する方向に設定しているので、当該光
路偏向素子を回転駆動させた場合、光路偏向領域がほぼ
等幅で移動する部分を走査させることができ、画像表示
用素子等と組合せた場合、その画素シフトを回転スクロ
ール方式で簡単に行わせることができる。
【0174】請求項5記載の発明によれば、請求項4記
載の光路偏向素子において、見掛け上、2倍となる高解
像度化を簡単に実現することができる。
【0175】請求項6記載の発明によれば、請求項5記
載の光路偏向素子において、ほぼ回転方向に沿って光軸
シフトさせることで、見掛け上、2倍となる高解像度化
を簡単に実現することができる。
【0176】請求項7記載の発明によれば、請求項5記
載の光路偏向素子において、ほぼ回転方向に直交する方
向に光軸シフトさせることで、見掛け上、2倍となる高
解像度化を簡単に実現することができる。
【0177】請求項8記載の発明によれば、請求項4記
載の光路偏向素子において、見掛け上、4倍となる高解
像度化を簡単に実現することができる。
【0178】請求項9記載の発明によれば、請求項8記
載の光路偏向素子において、ほぼ回転方向及びこの回転
方向に直交する方向に光軸シフトさせることで、見掛け
上、4倍となる高解像度化を簡単に実現することができ
る。
【0179】請求項10記載の発明によれば、光軸シフ
トを回転スクロール方式により簡単に行える請求項1な
いし9の何れか一記載の光路偏向素子を用いているの
で、簡単な方法で走査線に対応して表示画像用素子の画
素をずらすことができ、走査線に対応した走査に従った
画像表示方法に対応できる信頼性高く低コストで高解像
度な画像表示装置を提供することができる。
【0180】請求項11記載の発明によれば、請求項1
0記載の画像表示装置において、走査線に対応して表示
画像用素子の画素をずらす制御が簡単で、走査線に対応
した走査に従った画像表示方法に対応できる信頼性高く
低コストで高解像度な画像表示装置を提供することがで
きる。
【0181】請求項12記載の発明によれば、請求項1
1記載の画像表示装置において、画素シフトを回転スク
ロール方式で光利用効率高く簡単に行わせることができ
る。
【0182】請求項13記載の発明によれば、請求項1
0記載の画像表示装置において、光路偏向素子と同様の
回転スクロール機能を持つ色分解フィルタを組合せてい
るので、単板式の画像表示用素子を用いた場合でも光利
用効率が高くて高解像度のカラー表示を行わせることが
できる。
【0183】請求項14記載の発明によれば、請求項1
3記載の画像表示装置において、走査線毎の状態に対応
して色分解の開始と光軸シフトの開始との同期等を採り
やすく、フィールドシーケンシャルなカラー画像表示が
可能となる。
【0184】請求項15記載の発明によれば、請求項1
4記載の画像表示装置において、1枚の回転素子で画像
ずらしとカラースクロールとの両方を完全同期により行
わせることができ、駆動機構も共用により減らすことが
でき、信頼性の向上、低コスト化並びに静音化を図るこ
とができる。
【0185】請求項16記載の発明によれば、請求項1
3,14又は15記載の画像表示装置において、基本的
なカラー表示を行わせることができる。
【0186】請求項17記載の発明によれば、請求項1
3,14又は15記載の画像表示装置において、色分解
フィルタが全帯域透過となる白色Wを含むことにより、
基本的かつ明るいカラー表示を行わせることができる。
【0187】請求項18記載の発明によれば、請求項1
0記載の画像表示装置において、光路偏向素子と同様の
回転スクロール機能を持つ調光フィルタを組合せている
ので、光利用効率が高くて高解像度かつ階調性の高い表
示を行わせることができる。
【0188】請求項19記載の発明によれば、請求項1
8記載の画像表示装置において、走査線毎の状態に対応
して調光レベル切換えの開始と光軸シフトの開始との同
期等を採りやすく、フィールドシーケンシャルな階調制
御を伴う画像表示が可能となる。
【0189】請求項20記載の発明によれば、請求項1
9記載の画像表示装置において、1枚の回転素子で画像
ずらしと調光レベルスクロールとの両方を完全同期によ
り行わせることができ、駆動機構も共用により減らすこ
とができ、信頼性の向上、低コスト化並びに静音化を図
ることができる。
【0190】請求項21記載の発明によれば、請求項1
3記載の画像表示装置において、光路偏向素子と同様の
回転スクロール機能を持つ色分解フィルタに加えて光路
偏向素子と同様の回転スクロール機能を持つ調光フィル
タを組合せているので、単板式の画像表示用素子を用い
た場合でも光利用効率が高くて高解像度かつ階調性の高
いカラー表示を行わせることができる。
【0191】請求項22記載の発明によれば、請求項2
1記載の画像表示装置において、走査線毎の状態に対応
して調光レベル切換えの開始と色分解の開始と光軸シフ
トの開始との同期等を採りやすく、フィールドシーケン
シャルな階調制御を伴うカラー画像表示が可能となる。
【0192】請求項23記載の発明によれば、請求項2
2記載の画像表示装置において、1枚の回転素子で画像
ずらしとカラースクロールと調光レベルスクロールとを
完全同期により行わせることができ、駆動機構も共用に
より減らすことができ、より一層の信頼性の向上、低コ
スト化並びに静音化を図ることができる。
【0193】請求項24記載の発明によれば、調光制御
を回転スクロール方式により簡単に行える調光フィルタ
を用いているので、簡単な方法で走査線に対応して表示
画像の階調制御を行わせることができ、走査線に対応し
た走査に従った画像表示方法に対応できる信頼性高く低
コストで階調度の高い画像表示装置を提供することがで
きる。
【0194】請求項25記載の発明によれば、請求項2
4記載の画像表示装置において、走査線に対応して表示
画像用素子の画素の階調レベルを切換える制御が簡単
で、走査線に対応した走査に従った画像表示方法に対応
できる信頼性高く低コストで階調性の高い画像表示装置
を提供することができる。
【0195】請求項26記載の発明によれば、請求項2
5記載の画像表示装置において、階調レベルの切換えを
回転スクロール方式で光利用効率高く簡単に行わせるこ
とができる。
【0196】請求項27記載の発明によれば、請求項2
6記載の画像表示装置において、調光フィルタと同様の
回転スクロール機能を持つ色分解フィルタを組合せてい
るので、単板式の画像表示用素子を用いた場合でも光利
用効率が高くて階調性の高いカラー表示を行わせること
ができる。
【0197】請求項28記載の発明によれば、請求項2
7記載の画像表示装置において、走査線毎の状態に対応
して色分解の開始と光階調レベルの切換えの開始との同
期等を採りやすく、フィールドシーケンシャルな階調制
御を伴うカラー画像表示が可能となる。
【0198】請求項29記載の発明によれば、請求項2
8記載の画像表示装置において、1枚の回転素子でカラ
ースクロールと調光レベルスクロールとの両方を完全同
期により行わせることができ、駆動機構も共用により減
らすことができ、信頼性の向上、低コスト化並びに静音
化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示す投射型の画像
表示装置の概略構成図である。
【図2】その画素変位回転フィルタを示す概略正面図で
ある。
【図3】アルキメデスの渦巻きを説明するための説明図
である。
【図4】画素変位回転フィルタの一部を抽出して示す円
周方向の断面構造図である。
【図5】画素シフト用のスクロール動作を示す模式図で
ある。
【図6】画素変位回転フィルタの具体的な構成例の概略
を示す断面構造図である。
【図7】その変形例を示す断面構造図である。
【図8】本発明の第二の実施の形態を示す投射型の画像
表示装置の概略構成図である。
【図9】その色分解回転フィルタを示す概略正面図であ
る。
【図10】本発明の第三の実施の形態の変位/色分解一
体型の回転フィルタを示す概略正面図である。
【図11】本発明の第四の実施の形態を示す投射型の画
像表示装置の概略構成図である。
【図12】その調光回転フィルタを示す概略正面図であ
る。
【図13】本発明の第五の実施の形態の変位/調光一体
型の回転フィルタを示す概略正面図である。
【図14】本発明の第六の実施の形態を示す投射型の画
像表示装置の概略構成図である。
【図15】その色分解/調光一体型の回転フィルタを示
す概略正面図である。
【図16】本発明の第七の実施の形態の変位/色分解/
調光一体型の回転フィルタを示す概略正面図である。
【図17】本発明の第八の実施の形態を示す投射型の画
像表示装置の概略構成図である。
【図18】その調光回転フィルタを示す概略正面図であ
る。
【図19】調光レベル切換え用のスクロール動作を示す
模式図である。
【図20】本発明の第九の実施の形態を示す投射型の画
像表示装置の概略構成図である。
【図21】その色分解回転フィルタを示す概略正面図で
ある。
【図22】本発明の第十の実施の形態の色分解/調光一
体型の回転フィルタを示す概略正面図である。
【図23】レンズシフト方式の画像表示装置の従来例を
示す概略構成図である。
【図24】複屈折材料を利用したシフト方式の画像表示
装置の従来例を示す概略構成図である。
【図25】光学的光偏向手段を用いた従来例を示し、
(a)はその概略正面図、(b)はその断面構造図であ
る。
【図26】その弊害を説明するための概略正面図であ
る。
【図27】従来例における対応策を示す概略正面図であ
る。
【符号の説明】
1 画像表示用素子 4 入射光軸 9 拡大像形成素子 11 光路偏向素子 12,13 駆動機構 15n 光路偏向領域 16 境界 17 投影領域 31 色分解フィルタ 32,33 色分解フィルタ用駆動機構 34 境界 35 色分解領域 51 調光フィルタ 52,53 調光フィルタ用駆動機構 54 境界 55 照明光調光領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 21/00 G03B 21/00 G H04N 9/31 H04N 9/31 C (72)発明者 亀山 健司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 宮垣 一也 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 逢坂 敬信 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H041 AA13 AA21 AB10 AB26 AB36 AC01 AZ01 AZ05 2H048 GA01 GA13 GA25 GA61 5C060 BC01 GB06 HC01 HC07 HC17 JA23 JB06

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動される円盤状の光路偏向素子に
    おいて、 入射光軸に平行な光に対して光軸シフト方向を異ならせ
    た光軸シフト機能を有する複数の光路偏向領域がアルキ
    メデスの渦巻き形状の境界により仕切られて形成されて
    いる光路偏向素子。
  2. 【請求項2】 回転駆動される円盤状の光路偏向素子に
    おいて、 入射光軸に平行な光に対して異なる入射角をなす複数の
    光路偏向領域と、 これらの光路偏向領域を仕切るアルキメデスの渦巻き形
    状の境界と、を有する光路偏向素子。
  3. 【請求項3】 回転駆動される円盤状の光路偏向素子に
    おいて、 入射光軸に平行な光に対して異なる複屈折角を示す複数
    の光路偏向領域と、 これらの光路偏向領域を仕切るアルキメデスの渦巻き形
    状の境界と、を有する光路偏向素子。
  4. 【請求項4】 回転に伴う前記各光路偏向領域の走査方
    向が前記境界の接線方向に直交する方向に設定されてい
    る請求項1ないし3の何れか一記載の光路偏向素子。
  5. 【請求項5】 前記光路偏向領域は、前記境界を介して
    隣接する光路偏向領域毎に180°異なる方向に光軸を
    シフトさせるように設定されている請求項4記載の光路
    偏向素子。
  6. 【請求項6】 180°異なる方向が回転に伴う前記各
    光路偏向領域の走査方向に平行な方向である請求項5記
    載の光路偏向素子。
  7. 【請求項7】 180°異なる方向が回転に伴う前記各
    光路偏向領域の走査方向に直交する方向である請求項5
    記載の光路偏向素子。
  8. 【請求項8】 前記光路偏向領域は、前記境界を介して
    隣接する光路偏向領域毎に90°ずつ順次異なる方向に
    光軸をシフトさせるように設定されている請求項4記載
    の光路偏向素子。
  9. 【請求項9】 90°ずつ異なる方向が回転に伴う前記
    各光路偏向領域の走査方向に平行な方向及び直交する方
    向である請求項8記載の光路偏向素子。
  10. 【請求項10】 画像情報に応じて2次元配列の画素毎
    に光を制御可能な画像表示用素子に表示された画像を拡
    大像形成素子を介して拡大表示させる画像表示装置にお
    いて、 前記拡大像形成素子と前記画像表示用素子との間に配設
    されて前記拡大像形成素子の光軸に対する前記画像表示
    用素子上の画素の光学的位置をこれらの画素の配列面方
    向にシフトさせる請求項1ないし9の何れか一記載の光
    路偏向素子と、 この光路偏向素子を回転させる駆動機構と、を備える画
    像表示装置。
  11. 【請求項11】 前記光路偏向素子における前記各光路
    偏向領域の走査方向が前記画像表示用素子の走査線方向
    に直交するように設定されている請求項10記載の画像
    表示装置。
  12. 【請求項12】 前記画像表示用素子の前記光路偏向素
    子に対する投影領域が、前記光路偏向素子の回転に伴い
    前記光路偏向領域がほぼ等幅で走査する領域に設定され
    ている請求項11記載の画像表示装置。
  13. 【請求項13】 入射光に対する透過波長特性を異なら
    せた複数の色分解領域がアルキメデスの渦巻き形状の境
    界により仕切られて形成された円盤状の色分解フィルタ
    と、 この色分解フィルタを回転させる色分解フィルタ用駆動
    機構と、を備える請求項10記載の画像表示装置。
  14. 【請求項14】 前記光路偏向素子の各光路偏向領域パ
    ターンと前記色分解フィルタの各色分解領域パターンと
    が光軸方向に対応しており、前記光路偏向素子と前記色
    分解フィルタとが同期して回転駆動される請求項13記
    載の画像表示装置。
  15. 【請求項15】 前記光路偏向素子と前記色分解フィル
    タとが一体に形成され、前記駆動機構が前記色分解フィ
    ルタ用駆動機構を兼用している請求項14記載の画像表
    示装置。
  16. 【請求項16】 前記色分解フィルタの前記色分解領域
    として、少なくともRGB3色分の組合せを含む請求項
    13,14又は15記載の画像表示装置。
  17. 【請求項17】 前記色分解フィルタの前記色分解領域
    として、少なくともRGB3色分及び白色Wの組合せを
    含む請求項13,14又は15記載の画像表示装置。
  18. 【請求項18】 入射光に対する透過光量を異ならせた
    複数の照明光調光領域がアルキメデスの渦巻き形状の境
    界により仕切られて形成された円盤状の調光フィルタ
    と、 この調光フィルタを回転させる調光フィルタ用駆動機構
    と、を備える請求項10記載の画像表示装置。
  19. 【請求項19】 前記光路偏向素子の各光路偏向領域パ
    ターンと前記調光フィルタの各照明光調光領域パターン
    とが光軸方向に対応しており、前記光路偏向素子と前記
    調光フィルタとが同期して回転駆動される請求項18記
    載の画像表示装置。
  20. 【請求項20】 前記光路偏向素子と前記調光フィルタ
    とが一体に形成され、前記駆動機構が前記調光フィルタ
    用駆動機構を兼用している請求項19記載の画像表示装
    置。
  21. 【請求項21】 入射光に対する透過光量を異ならせた
    複数の照明光調光領域がアルキメデスの渦巻き形状の境
    界により仕切られて形成された円盤状の調光フィルタ
    と、 この調光フィルタを回転させる調光フィルタ用駆動機構
    と、を備える請求項13記載の画像表示装置。
  22. 【請求項22】 前記光路偏向素子の各光路偏向領域パ
    ターンと前記色分解フィルタの各色分解領域パターンと
    前記調光フィルタの各照明光調光領域パターンとが光軸
    方向に対応しており、前記光路偏向素子と前記色分解フ
    ィルタと前記調光フィルタとが同期して回転駆動される
    請求項21記載の画像表示装置。
  23. 【請求項23】 前記光路偏向素子と前記色分解フィル
    タと前記調光フィルタとが一体に形成され、前記駆動機
    構が前記色分解フィルタ用駆動機構及び前記調光用駆動
    機構を兼用している請求項22記載の画像表示装置。
  24. 【請求項24】 画像情報に応じて2次元配列の画素毎
    に光を制御可能な画像表示用素子に表示された画像を拡
    大像形成素子を介して拡大表示させる画像表示装置にお
    いて、 前記画像表示用素子の前段又は後段の光軸上に配設され
    て入射光に対する透過光量を異ならせた複数の照明光調
    光領域がアルキメデスの渦巻き形状の境界により仕切ら
    れて形成された円盤状の調光フィルタと、 この調光フィルタを回転させる調光フィルタ用駆動機構
    と、を備える画像表示装置。
  25. 【請求項25】 前記調光フィルタにおける前記各照明
    光調光領域の走査方向が前記画像表示用素子の走査線方
    向に直交するように設定されている請求項24記載の画
    像表示装置。
  26. 【請求項26】 前記画像表示用素子の前記調光フィル
    タに対する投影領域が、前記調光フィルタの回転に伴い
    前記照明光調光領域がほぼ等幅で走査する領域に設定さ
    れている請求項25記載の画像表示装置。
  27. 【請求項27】 入射光に対する透過波長特性を異なら
    せた複数の色分解領域がアルキメデスの渦巻き形状の境
    界により仕切られて形成された円盤状の色分解フィルタ
    と、 この色分解フィルタを回転させる色分解フィルタ用駆動
    機構と、を備える請求項26記載の画像表示装置。
  28. 【請求項28】 前記調光フィルタの各照明光調光領域
    パターンと前記色分解フィルタの各色分解領域パターン
    とが光軸方向に対応しており、前記調光フィルタと前記
    色分解フィルタとが同期して回転駆動される請求項27
    記載の画像表示装置。
  29. 【請求項29】 前記調光フィルタと前記色分解フィル
    タとが一体に形成され、前記調光フィルタ用駆動機構が
    前記色分解フィルタ用駆動機構を兼用している請求項2
    8記載の画像表示装置。
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