JP2003161077A - 複層ガラス窓、ガラス窓の複層化方法、及び前記方法に使用する複層用板 - Google Patents

複層ガラス窓、ガラス窓の複層化方法、及び前記方法に使用する複層用板

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JP2003161077A
JP2003161077A JP2001362730A JP2001362730A JP2003161077A JP 2003161077 A JP2003161077 A JP 2003161077A JP 2001362730 A JP2001362730 A JP 2001362730A JP 2001362730 A JP2001362730 A JP 2001362730A JP 2003161077 A JP2003161077 A JP 2003161077A
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良雄 山田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 複層用板の取り付けという比較的簡単な作業
により、既存の単層ガラス窓を複層化する。 【解決手段】 片面に多数の突起12が形成されて成る
複層用板10を、前記突起12がガラス板20と接触す
るよう窓枠40内に嵌合し、該複層用板10の周縁部
と、例えば窓枠40の内周とをコーキングにより封止す
る。複層用板10のいずれかの位置に設けられた空気抜
き穴13を介して前記複層用板10とガラス板20間の
空気を吸引して減圧し、複層用板10とガラス板20間
に減圧された密閉空間を形成すると、断熱性、防音性、
防的性に優れた複層ガラス窓1と成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複層ガラス窓、ガ
ラス窓の複層化方法及び前記ガラス窓の複層化方法に使
用する複層用板に関し、より詳細には、単層のガラス板
と、これを支持するアルミサッシ等の窓枠により構成さ
れた既存の単層ガラス窓を、断熱、防音、防滴等を目的
として複層化した複層ガラス窓、及び前記既存のガラス
窓を容易に複層化することのできる複層化方法、及び前
記方法に使用する複層用板に関する。
【0002】
【従来の技術】住宅における窓はその約70%が所謂
「アルミサッシ」と呼ばれるもので、アルミニウム製の
窓枠に単層のガラス板が嵌め込まれた構造のものが一般
に使用されている。
【0003】そのため、一般的な住宅における室内は、
窓部分においては単層のガラスによってのみ外界から遮
断されているために、通常、厚さ4cmを超える断熱材等
が埋め込まれている壁部分に比較してガラス窓の部分は
最もエネルギーロスの大きい部分となっており、このガ
ラス窓の部分を介して室内の暖冷房効果が失われやすく
なっている。
【0004】また、このような単層ガラスから成るガラ
ス窓は振動を伝え易いためにこれによっては高い防音効
果も期待できず、さらに、室内と外界との温度差により
ガラス窓に結露が生じ易く、凝集した水滴により窓や窓
に接触するカーテンに汚れが付着したり、又は窓から滴
下した水滴が、床面や窓に続く壁面を濡らすことにより
床や壁のシミや汚れ、壁紙の剥離、カビの発生、床材や
壁材自体の腐食等が発生する原因となるなどの種々の問
題が生じている。
【0005】このような問題を解消するために、二枚の
ガラス板を所定間隔で対向配置した状態で窓枠に支持さ
せ、このガラス板間に形成された間隙を真空にしたり、
ガラス板間の空気の脱酸素を行ったり、又はガラス板間
に不活性ガスを封入する等して、断熱、防音、防滴の効
果を向上させた二層式のガラス窓も市場に提供されてお
り、この種の二層式のガラス窓は特に寒冷地における普
及率が比較的高く、木造家屋においては結露した水滴の
滴下による木材部分の老朽化の進行に対する対策とし
て、建築後において工事が行なわれる場合も少なくな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の二層式のガラス
窓において、ガラス板間に不活性ガスを封入することに
より断熱、防音、防滴効果の向上を狙った二層式のガラ
ス窓にあっては、この不活性ガスが高価であり、また、
二枚のガラス板間に形成された空間を真空とすることに
より、断熱効果や防音効果の向上を狙った真空複層ガラ
スにあっては、ガラス板間の空気を除去した際の大気圧
に耐え得るよう、厚さ7mm程度のガラス板を二枚使用す
るために、全体として高価なものとなっている。
【0007】また、既存の単層式のガラス窓を、二層式
のガラス窓に交換する場合には、既存の単層式のガラス
窓を取り外してこれを二層式のガラス窓に付け替える施
工工事を行う必要があるが、この際、アルミサッシ等の
窓枠は、これを開閉可能に支持するための戸車レール等
が一体に形成された専用の枠体に取り付けられているた
めに、ガラス板を支持している窓枠を交換する場合には
前述の戸車レール等を備えた枠体も含めて全てを交換す
る必要があ。
【0008】このように、二層式のガラス窓の施工には
多大な費用の負担が強いられるだけでなく、施工工事に
も多大な労力が費やされるものとなっている。そのた
め、より費用の負担が少なく、また、労力を掛けずに行
えるガラス窓の複層化が要望されている。この点から、
既存の単層式のガラス窓を利用して、これを簡単に複層
化することができれば有利である。
【0009】しかし、既存の単層ガラス用の窓枠は、ガ
ラス板を二層の状態で担持する構造を備えていないため
に、これにガラス板を追加する等の簡単な作業により複
層化を行うことはできない。
【0010】また、既存の単層ガラス用の窓枠にガラス
板を追加して複層化することは、下記に示すような窓枠
の構造による制約もある。
【0011】例えば、アルミサッシ等の窓枠に取り付け
られるガラス板としては、一般に厚さ4mm程度のものを
使用しているが、一例として引き戸型のアルミサッシに
あっては図4に示すように窓枠40の縦方向を成す支柱
40aに、ロック具のフック部材42が取り付けられて
おり、窓枠40に嵌め込まれたガラス板20の表面とこ
のフック部材42の間隔は、メーカーによっても異なる
が現在市販されているアルミサッシにおける最小寸法で
僅かに3.5mmしかない。そのため、同様に厚さ4mm程
度のガラス板を増設して複層化しようとしても、この増
設のためのガラス板を重ねて配置するスペースが存在し
ない。
【0012】そのため、単層ガラス用の既存の窓枠等を
利用した複層化は、要望されつつも実現されておらず、
需要者は高額な費用が発生するにも拘わらず比較的大が
かりな施工工事を甘んじて受けているのが現状である。
【0013】そこで本発明は、前述ような構造上の制約
を踏まえつつ、建築物に既に取り付けられている単層ガ
ラス用の窓枠や窓ガラス等の既存の設備を利用して得る
ことのできる複層ガラス窓、既存の単層ガラス窓を容易
に複層化する方法、及び該方法に使用する複層用板を提
供することにより、比較的簡単な作業により費用をかけ
ずに断熱、防音、防滴等の効果を発揮できる窓ガラスの
複層化を可能とすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明複層ガラス窓1は、ガラス板20を支持した
窓枠40内に、前記窓枠40の内周と略同形状に形成さ
れた合成樹脂製の複層用板10が前記ガラス板20に対
して所定の間隙30を介して嵌合されて複層化されて成
り、前記複層用板10と前記ガラス板20間の前記間隙
30を前記複層用板の周縁部において、例えばコーキン
グ剤50の封入等により封止すると共に、該封止された
前記間隙30内を減圧して、前記複層用板10と前記ガ
ラス板20間に減圧された密閉空間が形成されたもので
ある(請求項1)。
【0015】本発明の別の複層ガラス窓1は、ガラス板
20を支持した窓枠40内に、前記窓枠40の内周と略
同形状に形成され、片面に多数の突起12が形成された
合成樹脂製の複層用板10が、前記突起12を前記ガラ
ス板20に接触させて嵌合されることにより複層化され
て成り、前記突起12の非形成部において前記複層用板
10と前記ガラス板20間に形成された間隙30を、前
記複層用10板の周縁部において例えばコーキング剤5
0の封入等により封止すると共に、該封止された前記間
隙30内を減圧して、前記突起12の非形成部において
前記複層用板10と前記ガラス板20間に減圧された密
閉空間が形成されたものである(請求項2)。
【0016】また、本発明のガラス窓の複層化方法は、
合成樹脂製の複層用板10を、複層化するガラス板20
を支持する窓枠40の内周と略同形状に形成して前記窓
枠40内に嵌合して、前記複層用板10と前記ガラス板
20間に所定の間隙を形成すると共に、前記間隙20を
前記複層用板10の周縁部において封止すると共に、該
封止された前記間隙30内を減圧して、前記ガラス板2
0と前記複層用板10間に減圧された密閉空間を形成す
ることを特徴とする(請求項3)。
【0017】さらに、本発明の別のガラス窓の複層化方
法は、片面に多数の突起12が形成された合成樹脂製の
複層用板10を、複層化するガラス板20を支持する窓
枠40の内周と略同形状に形成して該突起12が前記ガ
ラス板20と接触するよう前記窓枠40内に嵌合し、前
記突起12の非形成部において前記複層用板10と前記
ガラス板20間に所定の間隙30を形成すると共に、前
記間隙30を前記複層用板10の周縁部において封止す
ると共に、該封止された前記間隙30内を減圧して、前
記突起12の非形成部において前記複層用板10と前記
ガラス板20間に減圧された密閉空間を形成することを
特徴とする(請求項4)。
【0018】なお、前記各ガラス窓の複層化方法におい
て、前記減圧は、前記複層用板10に形成した空気抜き
穴13を介して前記間隙30内の空気を吸引することに
より行うことができる(請求項5)。
【0019】また、前記各方法における前記間隙30の
減圧は、大気圧の約3分の1の圧力としても良い(請求
項6)。
【0020】さらに、前述の方法に使用される本発明の
複層用板10は、合成樹脂材により形成され、片面に多
数の突起12が形成されたものである(請求項7)。
【0021】ガラス窓の複層化に使用する本発明の複層
用板10は、例えば施工に際してそれぞれ対応する窓枠
40の形状に切断などして加工しても良いが、例えば各
メーカーで製造しているアルミサッシ等の窓枠の規格に
対応させる等して、予めこれを複層化の対象となるガラ
ス板20を支持する窓枠40の内周形状と略同形状に形
成しても良い(請求項8)。
【0022】また、前記間隙30内の空気を吸引して減
圧するために、複層用板10には空気抜き穴13が設け
られていることが好ましく(請求項9)、この空気抜き
穴13には、好ましくは前記減圧のための空気の吸引時
に前記空気抜き穴13を開放すると共に、減圧の終了
後、前記間隙30内の負圧により変形して前記空気抜き
穴13を閉塞するパッキン14を備えたものとすること
が好ましい(請求項10)。
【0023】なお、前述の複層用板10は、前記突起1
2を含む全体の厚みが3.5mm以下であることが好まし
い(請求項11)。
【0024】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態につき
添付図面を参照しながら以下説明する。
【0025】〔複層用板〕窓ガラスの複層化に使用する
本発明の複層用板10は、家屋、集合住宅、オフィスビ
ル、その他の建築物の既存の窓、出入り口、扉等(本明
細書において、これらを総称して「窓」という)に嵌め
込まれている単層のガラス板20の片側に取り付けてこ
れを複層化するためのものであり、窓枠40と略同形状
に形成された複層用板10を窓枠40内に嵌合し、複層
用板10の周縁部においてガラス板20との間に形成さ
れた間隙30を封止すると共に、この間隙30内を減圧
して取り付けられている。
【0026】このように、単層のガラス板20から成る
ガラス窓を比較的容易に複層化することができる前記複
層用板10は、前述の減圧によっても変形の生じない硬
質のプラスチック材から成り、また、複層用板10を積
層することによりガラス窓の機能、例えば採光性や窓か
らの眺望等が損なわれることがないよう透明であること
が好ましく、本実施形態にあってはこれらの条件を備え
る材質として、一例としてアクリルポリカーボネイトを
使用している。
【0027】複層用板10は、両面共に平坦な形状のも
のを使用することもできるが、空気の吸引により減圧し
た際に変形が生じることを防止すべく、ガラス板20側
となる面に、先端がガラス板20と接触する多数の突起
12を形成して、減圧時におけるガラス板20にかかる
圧力と、複層用板10にかかる圧力を相互にうち消すよ
う構成することが好ましい(図1参照)。なお、以下に
示す実施形態にあっては、突起12を備えた複層用板1
0の例について説明する。
【0028】この複層用板10は、前述の突起12を除
いた平板状の部分においてその厚みを1.2mm以上と
し、また、突起12の突出長さは、突起12の非形成部
において複層用板10とガラス板20との間隙30が、
所定の圧力に減圧した際に断熱、防音、防滴の効果を発
揮するに十分な間隔に保つことができ、かつ、窓枠40
内に取付可能な厚みとなるように0.5〜1.0mmとす
ることが好ましい。
【0029】また前述の突起12は、前述の間隙30内
の空気を吸引して除去した際に、複層用板10の変形や
破損を防止し得る間隔で形成されている必要があり、本
実施形態にあっては、この突起12の形成間隔を約5.
0mmのピッチとしている。
【0030】なお、本実施形態にあってはこの突起12
を図2、図3(A)及び図3(B)に示すように円錐状
乃至は裁頭円錐状に形成しているが、突起12の形状は
間隙30を減圧した際に複層用板10及びガラス板20
にかかる大気圧を分散し、複層用板10の変形等を防止
し得るものであれば如何なる形状であっても良く、所定
間隔で平行に設けられた凸条や、直交方向に凸条が組み
合わされた格子状の凸条としても良い。
【0031】もっとも、ガラス板20と複層用板10と
の間の熱伝導を防止して断熱効果を高めるためには、両
者の接触面積は可及的に小さいことが望ましいことか
ら、突起は連続した凸条とするよりはむしろ図示のよう
にガラス板20と点又は微小な面で接触する形状とする
ことが好ましい。この点から、本実施形態にあっては、
突起12の先端部の径を0.8〜1.0mmとしている。
【0032】なお、突起12を凸条とする場合には、各
凸条間で複層用板10とガラス板間の間隙30が分断さ
れて空気の吸引が阻害されることのないよう、所定間隔
で凸条に切欠等を形成することが好ましい。
【0033】前述の複層用板10は、突起12の突出長
さを含めた全体の厚みが3.5mm以下となるよう構成す
ることが好ましい。この3.5mmというサイズは、前述
の「発明が解決しようとする課題」の欄で述べたように
現在市販されているアルミサッシ等の窓枠40における
ロック具用のフック部材42(図4参照)とガラス板2
0との間隔が最小のもので3.5mmであることを考慮し
たものであり、例えば複層化の対象とするガラス板20
を支持する窓枠40の種類によっては、このサイズを変
更することも可能である。
【0034】このような基本形状を有する複層用板10
は、好ましくはそのいずれかの位置に空気抜き穴13が
形成され、この空気抜き穴13を介して前述の間隙30
内の空気を抜き取り可能に構成されている。
【0035】この空気抜き穴13は、例えば窓枠40に
対する複層用板10の取付作業工程においてこれを形成
するものとしても良く、また、複層用板10の製造段階
で予めこれを形成しておくものとしても良い。
【0036】この空気抜き穴13には、好ましくは図示
せざる真空ポンプ等により前記間隙30内の空気の抜き
取りを行った後に、該間隙30内の負圧による吸引力に
より変形して空気抜き穴13を閉塞する可撓性のパッキ
ン14が設けられており、空気の抜き取り後、空気抜き
穴13にコーキング剤や栓等をすることなく空気が間隙
30内に逆流することが防止されている。
【0037】このパッキン14は軟質プラスチック、ゴ
ム、その他の軟質の材料により形成されて成り、真空ポ
ンプ等による吸引、又は間隙30内の負圧による吸引に
より変形する可撓性を有すると共に、ガラス板20の表
面や複層用板10の平坦面11aに対する追従性により
好適なシール性を発揮する材質を使用する。
【0038】空気の逆流を防止するためのパッキン14
の形状は、本実施形態において図3(A)及び図3
(B)に示すように周縁部に外周方向に突出するフラン
ジ部141を備えた、中央に開孔142を有する半球状
を成す。
【0039】このパッキン14を、複層用板10に設け
られた円形の空気抜き穴13に、複層用板10の平坦面
11a側から突起12の突出方向に向かって挿入し、フ
ランジ部141を空気抜き穴13の周縁部に接触させる
と共に、このパッキン14の挿入方向先端143を、ガ
ラス板20の表面に接触させて、パッキン14の中央に
形成された開孔142がガラス板20により閉塞された
状態となるように取り付ける。
【0040】なお、パッキン14の形状は、複層用板1
0とガラス板20間に形成された間隙30の負圧により
変形して、空気抜き穴13を閉塞し、空気の逆流を防止
できるものであれば如何なる形状であっても良く、図3
(A)及び図3(B)に示す形状に限定されない。
【0041】また、このパッキン14に代え、既知の各
種の逆止弁等をこの空気抜き穴に設けた構成としても良
い。
【0042】〔取付方法〕以上のように構成された本発
明の複層用板10を使用して窓ガラスを複層化する方法
について以下説明する。
【0043】本発明の複層用板10が、例えば市販され
ているアルミサッシ等の窓枠40の規格に応じて窓枠4
0の内周形状と略同一サイズに加工して提供される場合
にはそのままで、又は提供される複層用板10を例えば
汎用型のものとしていずれのメーカー、サイズの窓枠4
0にも対応可能なサイズ(例えばやや大きめ)として提
供する場合には、複層化の対象となるガラス板20が嵌
合された窓枠40の内周形状にあわせてこれを切断する
ことにより、また、前述の空気抜き穴13が形成されて
いない場合には、適当な位置にこの空気抜き穴13を穿
設する等して形成した後、複層用板10の片面に形成さ
れた突起12がガラス板20と接触するよう複層用板1
0を窓枠40内に嵌合する。
【0044】複層用板10の取り付けは、ガラス板20
のいずれの面に対して行っても良いが、好ましくは作業
が比較的簡単であると共に、高層階の窓に取り付けられ
た複層用板10が万が一外れた場合であっても事故等に
つながりにくい室内側の面に対して取り付けることが好
ましい。
【0045】このようにして、窓枠40内に複層用板1
0を嵌合した後、突起12の非形成部において前記複層
用板10と前記ガラス板20間に形成された間隙30
を、複層用板10の周縁部において封止する。この封止
は、例えば図2に示すように既知のコーキング剤50等
により複層用板10の周縁部と、窓枠40の内周、ガラ
ス板20、ガラス板20を窓枠に取り付けているシール
材43間のいずれか若しくはこれらのうちの複数間を充
填して封止しても良く、又は複層用板の周縁部にシール
材を予め貼着しておき、ガラス板20に複層用板10を
重合することにより、両者間に形成された間隙30を複
層用板10の周縁部において封止できるよう構成しても
良い。
【0046】なお、複層用板10として使用するアクリ
ルポリカーボネイト等の樹脂材料は、一般にガラス板2
0に比較して熱膨張率が大きいことから、間隙30の封
止に使用するコーキング剤50やシール材は、使用状態
においてある程度の柔軟性を有し、両者の膨張率の相違
によりガラス板20と複層用板10間にサイズにずれが
生じた場合であっても、このサイズの変化を変形等によ
り吸収し得るものであることが好ましい。
【0047】このようにして、コーキング剤50等を使
用して複層用板10の周縁部において間隙30を封止し
た後、パッキン14を介して空気抜き穴13よりガラス
板20と間隙30内の空気の吸引して、複層用板10と
ガラス板20との間に減圧された密閉空間を形成する。
【0048】前述した図3(A)及び図3(B)に示す
パッキン14備えた空気抜き穴13を介して空気の抜き
取りを行う場合、パッキン14は、空気の抜き取りが行
われている際には、真空ポンプに連結されているパッキ
ン14の凹部144側が負圧となり、パッキンが図3
(A)に示すように変形してその先端143がガラス板
20から離間する方向に吸引されて開孔142を開く。
そのためパッキン14を付けたままの状態においてガラ
ス板20と複層用板10間の空気を除去、吸引すること
ができる。
【0049】減圧は、ガラス板20と複層用板10との
間に形成された間隙30が真空となる迄行っても良い
が、所望の断熱、防音、防滴効果を得ることができる適
当な圧力まで減圧するものであれば必ずしも真空迄減圧
する必要はない。
【0050】一例として減圧を大気圧の約3分の1の圧
力迄行うことにより、熱伝導率を約3分の1に低減する
ことができ、また防音効果を2倍以上向上させることが
できる。また、真空とする場合に比較して複層用板10
やガラス板20にかかる圧力を減らすことができ、複層
用板10を可及的に薄く製造することができる等のメリ
ットがある。
【0051】このようにしてガラス板20と複層用板1
0間の間隙30を、真空ポンプにより所定圧力迄減圧し
た後、真空ポンプによる吸引を停止すると、減圧された
間隙30は外気を吸引しようとするが、この吸引力によ
り空気抜き穴13に挿入されたパッキン14が図3
(B)に示すように変形してパッキン14の先端143
がガラス板20に押圧されて開孔142が閉ざされて、
外気の導入が行われることはない。
【0052】また、複層用板10とガラス板20間の間
隙30内の負圧により、パッキン14全体を空気抜き穴
13内に引き込む力が生じており、パッキン14に形成
されたフランジ部141が空気抜き穴13の周縁に圧接
されて両者間の隙間を密閉し、この部分から複層用板1
0とガラス板20間の間隙30に外気が導入されること
もない。なお、空気抜き穴13の周縁部からの空気の逆
流をより好適に防止するためには、予めパッキン14の
フランジ部141を複層用板10の平坦面11aに接着
等しても良い。
【0053】以上のようにして複層用板10とガラス板
20間の間隙30の減圧が完了した後の空気抜き穴13
は、前述のパッキン14によってのみ閉塞する構成とし
ても良いが、経時劣化によりパッキン14が硬化する等
してガラス板20表面に対する追従性が失われた場合に
おいても好適に空気の逆流を防止することができるよ
う、パッキン14の凹部144内にコーキング剤50を
流し込み、又はパッキン14の凹部144形状に対応し
たゴムや軟質プラスチック、その他の材料により形成さ
れた栓(図示せず)を嵌合しても良い。
【0054】このように、ガラス板20と複層用板10
間の間隙30内にある空気を抜き取って、減圧された密
封空間を両者間に形成、配置することにより、熱の伝
導、対流を防止することができると共に、このようにガ
ラス板20と複層用板10との間の空気を抜き取った場
合であっても、複層用板10の平坦面11a側にかかる
大気圧と、ガラス板20にかかる大気圧を、多数形成さ
れた突起12により相互にうち消すことにより、前述の
ように複層用板10が突起12の非形成部において1.
2mm程度の厚さしか有しない場合であっても、変形や破
損を生じることがない。
【0055】一般的な真空複層ガラスにあっては、ガラ
ス間の空気を除去した際の大気圧に耐えうるよう構成す
るために、それぞれが厚さ7mm程度のガラスを使用する
が、前述のように多数の突起12が設けられた本発明の
複層用板10を使用する場合には、ガラス板20とフッ
ク部材42との間に形成されている僅か3.5mmの隙間
に挿入可能な厚みの複層用板10によって同様の効果を
達成することが可能である。
【0056】
【発明の効果】以上説明した本発明の構成により、既存
の建築物にある単層ガラス用の窓枠、窓ガラス等の既存
の設備を利用し、この窓におけるガラス板を極めて容易
に複層化することのできる複層化方法、及び前記複層化
方法に使用する複層用板を提供することができた。
【0057】これにより、比較的簡単な作業により費用
をかけずに断熱、防音、防滴等の効果を発揮できる窓ガ
ラスの複層化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複層用板の取付状態を示す断面斜視
図。
【図2】 図1のII方向矢視図。
【図3】 図1のIII−III線断面図であり、(A)は空
気の抜き取り状態、(B)は空気抜き取り後の状態を示
す。
【図4】 従来の単層ガラス用窓枠の概略斜視図。
【符号の説明】
1 複層ガラス窓 10 複層用板 11a 平坦面 12 突起 13 空気抜き穴 14 パッキン 141 フランジ部 142 開孔 143 先端 144 凹部 20 ガラス板 30 間隙 40 窓枠(サッシ) 40a 支柱 42 フック部材 43 シール材 50 コーキング剤

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス板を支持した窓枠内に、前記窓枠
    の内周と略同形状に形成された合成樹脂製の複層用板が
    前記ガラス板に対して所定の間隙を介して嵌合されて複
    層化されて成り、 前記複層用板と前記ガラス板間の前記間隙を前記複層用
    板の周縁部において封止すると共に、該封止された前記
    間隙内を減圧して、前記複層用板と前記ガラス板間に減
    圧された密閉空間が形成したことを特徴とする複層ガラ
    ス窓。
  2. 【請求項2】 ガラス板を支持した窓枠内に、前記窓枠
    の内周と略同形状に形成され、片面に多数の突起が形成
    された合成樹脂製の複層用板が、前記突起を前記ガラス
    板に接触させ嵌合し複層化され、 前記複層用板と前記ガラス板間に形成された間隙を、前
    記複層用板の周縁部において封止すると共に、該封止さ
    れた前記間隙内を減圧して、前記突起の非形成部におけ
    る前記複層用板と前記ガラス板間に減圧された密閉空間
    を形成したことを特徴とする複層ガラス窓。
  3. 【請求項3】 合成樹脂製の複層用板を、複層化するガ
    ラス板を支持する窓枠の内周と略同形状に形成して前記
    窓枠内に嵌合して、前記複層用板と前記ガラス板間に所
    定の間隙を形成すると共に、 前記間隙を前記複層用板の周縁部において封止すると共
    に、該封止された前記間隙内を減圧して、前記ガラス板
    と前記複層用板間に減圧された密閉空間を形成したこと
    を特徴とするガラス窓の複層化方法。
  4. 【請求項4】 片面に多数の突起が形成された合成樹脂
    製の複層用板を、複層化するガラス板を支持する窓枠の
    内周と略同形状に形成して前記突起が前記ガラス板と接
    触するよう前記窓枠内に嵌合し、前記突起の非形成部に
    おける前記複層用板と前記ガラス板間に所定の間隙を形
    成すると共に、 前記間隙を前記複層用板の周縁部において封止すると共
    に、該封止された前記間隙内を減圧して、前記複層用板
    と前記ガラス板間に減圧された密閉空間を形成したこと
    を特徴とするガラス窓の複層化方法。
  5. 【請求項5】 前記減圧を、前記複層用板に形成した空
    気抜き穴を介して前記間隙内の空気を吸引することによ
    り行う請求項3又は4記載の窓ガラスの複層化方法。
  6. 【請求項6】 前記間隙を、大気圧の約3分の1の圧力
    に減圧することを特徴とする請求項3〜5いずれか1項
    記載の窓ガラスの複層化方法。
  7. 【請求項7】 合成樹脂材により形成され、片面に多数
    の突起を形成したことを特徴とする請求項4記載の窓ガ
    ラスの複層化方法に使用する複層用板。
  8. 【請求項8】 複層化する前記ガラス板を支持する窓枠
    の内周形状と略同形状に形成したことを特徴とする請求
    項7に記載の複層用板。
  9. 【請求項9】 前記間隙内の空気を吸引して減圧するた
    めの空気抜き穴を備えて成る請求項7又は8記載の複層
    用板。
  10. 【請求項10】 前記空気抜き穴が、前記減圧のための
    前記空気の吸引時に前記空気抜き穴を開放すると共に、
    減圧の終了後、前記間隙内の負圧により変形して前記空
    気抜き穴を閉塞するパッキンを備えて成る請求項9記載
    の複層用板。
  11. 【請求項11】 前記突起を含む全体の厚みが3.5mm
    以下である請求項7〜10いずれか1項記載の複層用
    板。
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