JP2003160313A - 金属酸化物薄膜形成用組成物、金属酸化物の製造方法および金属酸化物薄膜 - Google Patents
金属酸化物薄膜形成用組成物、金属酸化物の製造方法および金属酸化物薄膜Info
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Abstract
実用性の低い工程を経ずに十分な厚さを持つコーティン
グ薄膜の製造を可能とする金属酸化物薄膜形成用組成
物、および金属酸化物薄膜を提供する。 【解決手段】 溶液中に金属アルコキシドもしくは金属
アルコキシドと金属塩を含有し、この組成物中に融点3
0℃以上、かつ炭素数5〜12のアルカンジオールを含
有する構成の金属酸化物薄膜形成用組成物、およびこの
組成物を用いた金属酸化物の製造方法および金属酸化物
薄膜とした。
Description
報、化学、機械、医療など、機能性セラミック薄膜を必
要とするすべての分野で利用することができ、金属アル
コキシド、金属塩の溶液をコーティング液とする金属酸
化物薄膜形成用組成物、金属酸化物の製造方法および金
属酸化物薄膜に関する。
ィング膜や光学コーティング膜等の用途から、近年その
電気的特性に注目して、エレクトロニクスの分野で透明
導電膜や強誘電体薄膜、誘電体薄膜等としてその応用分
野を広げてきている。
導電膜として太陽電池や液晶ディスプレイの電極層とし
て用いられており、またPZTやBaTiO3 、BST
等のペロブスカイト型強誘電体薄膜は、その強誘電性や
高誘電率特性を生かしてキャパシターや赤外線センサ
ー、アクチュエーター、不揮発性メモリー、ディスプレ
ー、トランスデューサー等の広範囲の応用が知られてい
る。
は、従来より真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法
等の真空を用いた蒸着法や、金属酸化物薄膜形成用前駆
体溶液を基板に塗布焼成する事によって膜形成するMO
D法やゾルゲル法等が知られている。
金属アルコキシドに所定量の水を加え、加水分解、重縮
合反応させてできるM−O−M結合を持つゾルの前駆体
溶液を基板に塗布し乾燥した後、焼成させることによっ
て膜形成をする方法である。また、MOD(Metallo-Or
ganic Decomposition)法とは、M−O結合を持つカル
ボン酸の金属塩などを有機溶媒に溶かして前駆体溶液を
形成し、基板に塗布乾燥後、焼成させることによって膜
形成をする方法である。ここで前駆体溶液とはゾルゲル
法、MOD法などの膜形成法において原料化合物が溶媒
に溶解されて生成する中間化合物を含む溶液を指す。
方法ではなく、相互に組み合わせて用いることが一般的
である。例えばPZTの膜を形成する際、Pb源として
酢酸鉛を用い、Ti、Zr源としてアルコキシドを用い
て溶液を調整することが一般的である。また、ゾルゲル
法とMOD法の二つの方法を総称してゾルゲル法と呼ぶ
場合もあるが、いずれの場合も前駆体溶液を基板に塗布
し、焼成する事によって膜を形成することから本明細書
では溶液塗布焼成法とする。
いずれの場合も、酸化物薄膜を構成する元素がサブミク
ロン以下のオーダーで均一に混合されるため、セラミッ
ク粉体焼結を用いた手法と比較して、極めて低温で誘電
体を合成することが可能であり、更に前駆体溶液調整時
に化学組成を厳密に調整する事が容易であるため、特に
強誘電体薄膜の様な機能性複合酸化物薄膜を合成する上
で好ましい製膜方法である。
空を用いた蒸着法の様に高価な製造設備を要さず、常圧
で大面積な成膜が可能であることから低コストな成膜方
法としても好ましい。
法等の溶液塗布焼成法を用いた金属酸化物薄膜の形成法
では、基板上に前駆体溶液を塗布した直後の溶液状態か
ら、焼成後の酸化物固体状態にいたる過程で極めて大き
い体積収縮が発生するために一度の塗布と焼成によって
0.1μm程度以上の酸化物薄膜を形成しようとする
と、乾燥時もしくは焼成時に膜にクラックや剥離が発生
し、使用不可能になるという問題があった。
い酸化物薄膜を形成するためには、多数回塗布乾燥焼成
を繰り返し積層する操作が必要である。しかし、このよ
うな方法では生産性が悪く高コストになるため実用性が
乏しく、溶液塗布焼成法による厚い酸化物薄膜を形成す
る方法は実用化が困難であった。
の場合、一定以上の膜厚が得られないとその膜の機能性
が得られないため、厚い膜が容易に形成できないことは
溶液塗布焼成法の大きな弱点である。
布焼成法を用いてクラックの無い厚い酸化物薄膜を一回
の塗布焼成により得るために、前駆体溶液に有機物添加
剤を加えることが試みられている。
(1995) 2507-2516 には合成プロセス中に1,3-プロパン
ジオール添加を導入することによって形成したPZTの
ゾルゲル前駆体溶液を用い、溶液を基板に塗布後、35
0℃〜450℃のホットプレート上で乾燥(予備焼成)
を行った上で700℃で本焼成することにより1回の塗
布焼成でクラックのない最大1μmまでの厚いPZT膜
が形成可能であることが開示されている。
450℃以外の温度で乾燥させると、得られた膜にクラ
ックや剥離が発生してしまうため、この高温ホットプレ
ート乾燥は不可欠の工程となる。
用いたゾルゲル前駆体溶液は基板に塗布した状態では溶
液状態のままであるため塗布した基板の取り扱いが非常
に困難になる。さらに乾燥に350℃〜450℃と非常
に高温のホットプレートによる加熱を要するため、高温
のホットプレートの取り扱い困難の問題や、基板の急速
な加熱による破損の問題、大面積基板の処理が難しい等
の問題が多く実用的でなかった。
塗布焼成法により一度の成膜操作で高温の乾燥工程等の
実用性の低い工程を経ずに厚い酸化物薄膜の製造を可能
とする金属酸化物薄膜形成用組成物、金属酸化物薄膜の
製造方法、および金属酸化物薄膜を提供することであ
る。
下の本発明の構成により達成される。 (1) 溶液中に金属アルコキシドもしくは金属アルコ
キシドと金属塩を含有し、この組成物中に融点30℃以
上、かつ炭素数5〜12のアルカンジオールを含有する
金属酸化物薄膜形成用組成物。 (2) 前記アルカンジオールがネオペンチルグリコー
ルである上記(1)の金属酸化物薄膜形成用組成物。 (3) 前記金属アルコキシドおよび金属塩の金属が、
少なくともアルカリ土類金属、もしくはPb、Ti、Zr、H
f、Sn、Nb、Ta、Laから選択される1種または2種以上
である上記(1)または(2)の金属酸化物薄膜形成用
組成物。 (4) 前記金属アルコキシドがTiアルコキシドまた
はZrアルコキシドのいずれか1種または2種であり、
前記金属塩がPb塩である上記(1)〜(3)のいずれ
かの金属酸化物薄膜形成用組成物。 (5) 上記(1)〜(4)いずれかの金属酸化物薄膜
形成用組成物を基板上に塗布し、添加したアルカンジオ
ールの融点以下の温度で乾燥した後に焼成を行う金属酸
化物薄膜の製造方法。 (6) 上記(1)〜(4)いずれかの金属酸化物薄膜
形成用組成物により得られた膜厚0.4μm以上の金属
酸化物薄膜。
成物は、溶液中に金属アルコキシドもしくは金属アルコ
キシドと金属塩を含有し、この組成物中に融点30℃以
上、かつ炭素数5〜12のアルカンジオールを含有する
ものである。
5〜12のアルカンジオールを含有することにより、乾
燥時、焼成(熱処理)時にクラック、割れ、欠け等を生
じることなく、膜厚の厚い金属酸化物薄膜が得られる。
ては、炭素数5〜12、好ましくは5〜11、特に5〜
8である。炭素数がこの範囲より少ないと融点が前記範
囲を外れるようになり、炭素数がこの範囲より多いと金
属アルコキシドに結合するアルカンジオールの質量が大
きくなりすぎて、クラックなどが生じるようになってく
る。また、炭素数が多くなるに従い、焼成条件などの製
造条件の幅が狭くなり、生産管理が厳しくなって、製造
コストが増大する傾向がある。
体的にはネオペンチルグリコール(=2,2−ジメチル
−1,3−プロパンジオール)、2,2−ジエチルー
1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル
−1,3−プロパンジオール、2−ブチルー2−エチル
ー1,3−プロパンジオール、2,2−ジブチル−1,
3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブ
タンジオール、ピナコール(=2,3−ジメチル−2,
3−ブタンジオール)、2,2,4−トリメチル−1,
3−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘ
キサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−
オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2
−デカンジオール、1,10−デカンジオール、1,1
2−ドデカンジオールなどがあげられる。その中でも、
130℃付近と比較的高い融点を持つため乾燥温度範囲
が広く、また比較的安価で入手可能であるという理由で
ネオペンチルグリコールが好ましい。
成膜操作で厚い酸化物薄膜の製造を可能とする金属酸化
物薄膜形成用組成物を作製すべく種々の有機添加剤を検
討した結果、有機添加剤として上記アルカンジオールを
用いることにより、各種酸化物薄膜を1回の塗布焼成で
クラックを発生せずに形成可能な最大膜厚を0.1μm
前後から0.4μm〜1μm以上、特に0.5μm 以上
と大幅に増加できることを見いだした。
として用いた金属酸化物薄膜形成用組成物は、基板に塗
布後に室温から有機添加剤の融点以下の比較的低い温度
で乾燥可能であること、さらにその乾燥条件は温度以外
特に厳密である必要はなく、有機添加剤の融点以下の乾
燥温度であれば、焼成前に乾燥工程を入れても1度の塗
布焼成で最大1μm 以上の厚い薄膜を形成可能であるこ
とを見いだした。
と、焼成の際にクラックなどが生じず、膜厚の厚い金属
酸化物薄膜が得られるのは、配位子交換反応により、金
属アルコキシドに結合したアルカンジオールが、昇温時
に比較的高温まで脱離せず、ゲル膜に応力緩和能力を付
与するためと考えられる。また、乾燥時にクラックが発
生しないのは、未結合のアルカンジオールでも蒸発せず
に残存し、塗膜の状態が安定しているのが一つの要因で
あると推定される。
上であり、好ましくは50℃以上、特に100℃以上で
ある。その上限としては、200℃程度でも問題はない
が、150℃以下が好ましく、例えばネオペンチルグリ
コールは130℃付近、1,6−ヘキサンジオールは4
0℃付近である。融点が上記温度より低いと、室温下で
の作業に支障が生じるようになってくる。
導体のフォトリソグラフィーによる微細加工で広く用い
られている感光性フォトレジストの塗布後乾燥温度と同
程度の温度である。従って、従来の、1,3-プロパンジオ
ールを用いた前駆体溶液を用いて溶液塗布焼成法により
酸化物薄膜を形成する際に必要であった350℃以上と
いう高温の特殊なホットプレートを用いた乾燥を要せ
ず、従来の工業的に完全に確立された装置を用いて大面
積均一に低コストで乾燥することができるため、極めて
実用性が高い。
源(金属アルコキシド、金属塩)の金属原子1モルに対
して0.1〜8モル、特に0.2〜3モル、さらには
0.5〜1.5モルが好ましい。添加量が少ないと本発
明の効果が得られず、多すぎるとクラックが生じたりし
て膜質が悪化してくる。
物は、前記の乾燥工程を用いず、塗布後、直接焼成炉に
投入し焼成しても同様の厚い膜が形成可能である。
極めて広い酸化物薄膜形成に用いることが可能である。
例えば、SnO2 、ZnO、TiO2 、Ta2O5 、N
b2O 5 、Al2O3 、ITO、MgO等の各種酸化物薄
膜形成に用いることが可能である。
成物は特に複合酸化物薄膜の形成に好ましく用いること
が可能である。
強誘電体系材料が挙げられる。例えば、ABO3 で示さ
れるペロブスカイト型複合酸化物とその複合系が挙げら
れ、主としてそのAサイトにアルカリ金属もしくはアル
カリ土類金属もしくはPbを配し、そのBサイトにT
i、Zr、Hf、Sn、Nb、Taから選ばれた1種も
しくは複数の元素から構成された物質を主として構成さ
れる物質であって、具体的な例としてはBaTiO3 、
SrTiO3 、CaTiO3 、PbTiO3 、BaSn
O3 、Pb(Zr1-xTix )O3 、PLZT、(Ba
1-xSrx )(Zr 1-yTiy )O3 、KNbO3 、KT
aO3 等が挙げられる。
(Fe1/2Nb1/2)O3 、Pb(Fe2/3W1/3)O3 等
で代表されるペロブスカイトリラクサー型複合酸化物に
も用いることが可能であり、(Sr1-xBax)Nb2O6
、PbNb2O6 等で代表されるタングステンブロンズ
型強誘電体薄膜の形成にも用いることが出来る。
は、金属アルコキシドもしくは金属アルコキシドと金属
塩が溶媒中に溶解されている物である。
成する際は、Tiアルコキシドを用いれば良く、このよ
うな金属アルコキシドとしては、Tiアルコキシドで
は、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシ
ド、チタンテトラn-プロポキシド、チタンテトライソプ
ロポキシド、チタンテトラn-ブトキシド、チタンテトラ
i-ブトキシド、チタンテトラsec-ブトキシド、チタンテ
トラt-ブトキシド、チタンテトラメトキシエトキシドな
どがあげられる、またチタンジイソプロポキシビスアセ
チルアセトネートのようなβ-ジケトン基を有するアル
コキシドも使用できる。
に、Zrアルコキシドを用いれば良く、例えばジルコニ
ウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシ
ド、ジルコニウムテトラn-プロポキシド、ジルコニウム
テトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラn-ブトキ
シド、ジルコニウムテトラi-ブトキシド、ジルコニウム
テトラsec-ブトキシド、ジルコニウムテトラt-ブトキシ
ド等が挙げられる。
は、錫テトラエトキシド、錫テトライソプロポキシド、
錫テトラn-ブトキシド等が挙げられ、さらにITO薄膜
を形成する際は、金属源として、上記Sn化合物と共
に、In源として、インジウムトリメトキシド、インジ
ウムトリエトキシド、インジウムトリイソプロポキシド
等を用いればよい。
タンタルペンタメトキシド、タンタルペンタエトキシ
ド、タンタルペンタイソプロポキシド、タンタルペンタ
n-プロポキシド、タンタルペンタn-ブトキシド、タンタ
ルペンタi-ブトキシド、タンタルペンタsec-ブトキシ
ド、タンタルペンタt-ブトキシドといったアルコキシド
が好ましく使用でき、Nb2O5 等のNb酸化物薄膜の場
合は、ニオブペンタメトキシド、ニオブペンタエトキシ
ド、ニオブペンタイソプロポキシド、ニオブペンタn-プ
ロポキシド、ニオブペンタn-ブトキシド、ニオブペンタ
i-ブトキシド、ニオブペンタsec-ブトキシドを用いるこ
とができる。
トキシド、亜鉛ジエトキシド、亜鉛ジn-プロポキシド、
亜鉛ジn-ブトキシド等を用いることができ、Al2O3
薄膜を形成する際は、アルミニウムトリメトキシド、ア
ルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリn-プロポ
キシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニ
ウムトリn-ブトキシド、アルミニウムトリイソブトキシ
ド、アルミニウムトリsec-ブトキシド、アルミニウムト
リt-ブトキシド等を用いることができる。
ト複合酸化物薄膜形成の場合の金属源としては、金属ア
ルコキシドの金属としては、アルカリ土類金属、Pb、
Ti,Zr,Sn,Nb,Taが好ましく、特にTiと
Zrが好ましい。
iアルコキシドでは、チタンテトラメトキシド、チタン
テトラエトキシド、チタンテトラn-プロポキシド、チタ
ンテトライソプロポキシド、チタンテトラn-ブトキシ
ド、チタンテトラi-ブトキシド、チタンテトラsec-ブト
キシド、チタンテトラt-ブトキシド、チタンテトラメト
キシエトキシドなどがあげられ、またチタンジイソプロ
ポキシビスアセチルアセトネートのようなβ-ジケトン
基を有するアルコキシドも使用できる。また、その他の
金属についても同様であり、例えばジルコニウムテトラ
メトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニ
ウムテトラn-プロポキシド、ジルコニウムテトライソプ
ロポキシド、ジルコニウムテトラn-ブトキシド、ジルコ
ニウムテトラi-ブトキシド、ジルコニウムテトラsec-ブ
トキシド、ジルコニウムテトラt-ブトキシド、錫テトラ
エトキシド、錫テトライソプロポキシド、錫テトラn-ブ
トキシド、ニオブペンタメトキシド、ニオブペンタエト
キシド、ニオブペンタイソプロポキシド、ニオブペンタ
n-プロポキシド、ニオブペンタn-ブトキシド、ニオブペ
ンタi-ブトキシド、ニオブペンタsec-ブトキシド、タン
タルペンタメトキシド、タンタルペンタエトキシド、タ
ンタルペンタイソプロポキシド、タンタルペンタn-プロ
ポキシド、タンタルペンタn-ブトキシド、タンタルペン
タi-ブトキシド、タンタルペンタsec-ブトキシド、タン
タルペンタt-ブトキシドといったアルコキシドが好まし
く使用できる。
やPbの金属塩が好ましく、特にPbが好ましい。具体
的には酢酸塩(酢酸鉛、酢酸バリウム等)、硝酸塩(硝
酸鉛、硝酸バリウム等)、2−エチルヘキサン酸塩(2
−エチルヘキサン酸鉛、2−エチルヘキサン酸バリウム
等)などの塩があげられる。また、ドープ元素として酢
酸ランタンなどの希土類金属塩を含有させることも可能
である。
しては、アルコール、カルボン酸、エステル、ケトンな
どの非水系溶媒を使用することができる。その中でも、
特に好ましく使用できるものとしては、2-メトキシエタ
ノール、2-エトキシエタノール、1-エトキシ-2-プロパ
ノールといったアルコキシアルコール類、エタノール、
1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブ
タノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロ
パノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、2-メチル
-2-ペンタノールなどのアルカノール類、酢酸、プロピ
オン酸などのカルボン酸類が挙げられる。
%(酸化物換算濃度)、特に10〜40質量%が望まし
い。5質量%より濃度が低い場合は、形成される最終的
な膜厚が薄くなるため好ましくなく、また40質量%よ
り濃度が高いと沈殿等が発生しやすく、溶液の長期安定
性が悪くなる。なお、使用する材料や塗布方法により前
記範囲の最適値は変動する。例えば、PZTをスピンコ
ートする場合等では20質量%以上が好ましい。
通常一般に用いられているように、溶媒中にスターラー
等の手段を用いて溶媒を撹拌し、アルコキシドを溶解さ
せればよい。
応性に応じて室温から溶媒の沸点以下の温度の範囲を用
いれば良く、このときの反応時間は10min〜48hour
である。また、長時間反応させる場合は環流させること
が好ましい。
の金属源として金属塩を用いる時は、溶媒に金属塩を溶
解し、その後アルコキシドを混合すればよい。または金
属塩とアルコキシドをそれぞれ別の溶媒に溶解し、この
溶媒を混合しても良い。
て、溶媒として2-メトキシエタノールを用い、Pb源と
して無水酢酸鉛、Ti源としてチタンテトライソプロポ
キシドを用いる場合、まず、60〜90℃に保持した2-
メトキシエタノール中に無水酢酸鉛を溶解し、さらにチ
タンテトライソプロポキシドを加えて混合すればよい。
物として、Ba源として酢酸バリウム、Ti源としてチ
タンテトラエトキシドを用いる場合、酢酸バリウムの溶
媒として酢酸を用い、チタンテトラエトキシドの溶媒と
してエタノールを用い、それぞれ別個に混合反応させた
上で、それぞれの溶液を混合させても良い。
めに、溶液中にキレート剤を含有してもよい。溶液中に
含有されるキレート剤としては、例えば、アセチルアセ
トン、ジピバロイルメタンなどのβ-ジケトン類、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミンなどのアルカノールアミン類を挙げることがで
き、これらの中でもアセチルアセトンが好ましい。
キシド1モルに対して0.1〜2モルが好ましい。
をアルコキシドと反応させておいても良いが、溶媒中に
アルコキシドを混合後、キレート剤を混合することによ
っても可能である。
オールを混合する。アルカンジオールの混合量として
は、金属原子1モルに対して0.1〜8モルが好まし
い。
0〜120℃に保持された溶液中に所定量のアルカンジ
オールを混合し、スターラー等を用いて十分に撹拌を行
い、所定の時間反応させればよい。
通常用いられている塗布法、例えば、ディップコート、
スピンコート、スプレーコート、ナイフコート、ロール
コート等により、基体上に塗布され、乾燥ゲル化され
る。
る場合、特に膜厚を厚くするには、例えば最初の低い回
転数のプレスピンの時間を調整すればよい。
ルの融点以下の温度で10sec〜10min保持すればよ
い。具体的には所定の温度に保持されたホットプレート
を用いるか、オーブンを用いればよい。また、室温で放
置することにより乾燥させてもよい。本発明のゾルゲル
膜は、室温で放置、乾燥させても、クラックなどを生じ
ず、良好なゲル膜が得られる。
結晶化されて金属酸化物薄膜となる。加熱処理条件とし
ては、形成する酸化物組成によって条件は異なるが、通
常酸素もしくは空気等の酸化性雰囲気中で500℃以
上、900℃以下で5min〜8hour焼成すればよい。
サブミクロン〜ミクロンオーダーの厚膜を必要とする種
々の用途に広く用いることができる。特にPZT等の強
誘電体ペロブスカイト酸化物薄膜等、強誘電性や高誘電
率特性、圧電性等の特性を発現させる上でサブミクロン
以上の膜厚を必要とする酸化物薄膜の形成に好ましく用
いることができる。
子の平坦化層や誘電体層自身として用いることができ
る。
ば基板上に下部電極/厚膜誘電体層/本発明の金属酸化
物薄膜層/発光層/上部絶縁層(薄膜絶縁体層)/上部
電極(透明電極)が順次積層された構造、あるいは上記
厚膜誘電体層の代わりに本発明の金属酸化物薄膜を複数
回積層した多層状誘電体層を用いた構造を有する。
に形成される下部電極層、誘電体層を汚染することな
く、所定の耐熱強度を維持できるもので有れば特に限定
されるものではなく、例えばアルミナ(Al2O3)やフ
ォルステライト(2MgO・SiO2)、ジルコニア
(ZrO2)、マグネシア(MgO)等の耐熱セラミッ
クス、高歪み点ガラスや高耐熱結晶化ガラス、石英ガラ
ス(SiO2)等の基板を用いることができる。
合、複数のストライプ状のパターンを有するように形成
される。下部電極層の材料としては、高い導電性が得ら
れ、かつ誘電体層形成時にダメージを受けず、さらに誘
電体層や発光層と反応性が低い材料が好ましく、具体的
にはAu、Pt、Pd、Ir、Ag等の貴金属などがあ
げられる。下部電極層の形成方法としては、スパッタ
法、蒸着法、めっき法等の公知の技術を用いればよい。
層は、高誘電率でかつ高耐圧であることが必要であり、
さらに基板の耐熱性を考慮して低温焼成可能な物質であ
ることが要求される。
法により、粉末状の絶縁体材料を焼成して形成されるセ
ラミック層である。この厚膜誘電体層は、例えば下部電
極層が形成された基板上に、粉末状の絶縁体材料に、バ
インダーと溶媒を混合して作製された絶縁体ペーストを
印刷して焼成して形成することができる。また、絶縁体
ペーストをキャスティング成膜することによりグリーン
シートを形成し、積層して形成してもよい。
種の材料が考えられるが、基板材料の耐熱性の制約を考
えると低温形成可能な高誘電率セラミックス組成である
必要があり、例えばPb(ZrxTi1-x)O3 等のペロ
ブスカイト構造誘電体材料や、Pb(Mg1/3Ni2/3)
O3 等に代表される複合ペロブスカイトリラクサー型強
誘電体材料や、PbNbO6 等に代表されるタングステ
ンブロンズ型強誘電体材料が好ましく用いられる。
程のゴミ等によって形成されるピンホールを排除するた
め厚いことが必要とされ、少なくとも10μm以上、好
ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上が必
要となる。
る発光層は数100nmと厚膜誘電体層の1/100程度
の厚さしかない。このため、厚膜誘電体層は発光層の厚
さ以下のレベルでその表面が平滑でなければならない
が、厚膜の表面粗さは多結晶焼結体の結晶粒サイズ以下
にはならないため、その表面はサブミクロンサイズ以上
の凹凸形状となってしまう。
善には、溶液塗布焼成法を用いた表面平坦化層が有効で
ある。溶液塗布焼成法を用いれば、前駆体溶液を塗布し
焼成する工程を経るので、下地の凹み部には厚く、凸部
には薄く層が形成され、その結果、この膜の表面に下地
表面の凹凸や段差が反映されず、表面が平坦な膜が得ら
れる。従って、溶液塗布焼成法を用いて表面平坦化層を
形成することにより、この上に形成される薄膜発光層の
均一性を大幅に改善することができる。
の凹凸を十分に埋めることができればよく、通常0.5
μm以上、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm
以上である。本発明の金属酸化物薄膜形成用組成物は1
回の塗布焼成で0.4μm〜1μm以上の膜を形成でき、
少ない塗布焼成回数で目的とする厚い表面平坦化層を形
成できるため、このような表面平坦化層形成に好ましく
用いることができる。
が望ましく、好ましくは50以上、より好ましくは50
0以上である。このような高誘電率が得られる材料とし
ては、PbTiO3 、PZT、PLZT等のペロブスカ
イト構造を持った(強)誘電体材料や、TiO2 等が挙
げられ、本発明の金属酸化物薄膜形成用組成物が好まし
く適用可能である。
ずに本発明の金属酸化物薄膜形成用組成物による塗布焼
成を複数回繰り返すことによって形成した多層状誘電体
層だけを設けてもよい。この場合、多層状誘電体層の膜
厚は2〜3μm以上が望ましいが、本発明の金属酸化物
薄膜形成用組成物を用いれば、従来の溶液塗布焼成法の
ように1層0.1μm程度の金属酸化物薄膜を積層する
場合と比較して、少ない塗布焼成回数で多層状誘電体層
を形成することが可能であり、製造コストの低減が可能
となる。
れず、MnをドープしたZnS等のいずれの蛍光体材料
を用いてもよい。発光層の膜厚としては、特に制限され
るものではないが、厚すぎると駆動電圧が上昇し、薄す
ぎると発光効率が低下する。具体的には、発光体材料に
もよるが、好ましくは100〜2000nm程度であ
る。
ことが可能である。気相堆積法としては、スパッタ法や
蒸着法等の物理的気相堆積法やCVD法等の化学的気相
堆積法が好ましい。
有することが好ましい。
8Ω・cm以上、特に1010〜1018Ω・cm程度が好まし
い。また、比較的高い比誘電率を有する物質であること
が好ましく、その比誘電率εとしては、好ましくはε=
3以上である。この薄膜絶縁体層の構成材料としては、
例えば酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(Si3
N4 )、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化イットリウム
(Y2O3)、ジルコニア(ZrO2)、シリコンオキシ
ナイトライド(SiON)、アルミナ(Al2O3)、等
を用いることができる。また、薄膜絶縁体層を形成する
方法としては、スパッタ法や蒸着法、CVD法を用いる
ことができる。また、薄膜絶縁体層の膜厚としては、好
ましくは10〜1000nm、特に好ましくは20〜20
0nm程度である。
ITOやSnO2 (ネサ膜)、ZnO−Al等の酸化物
導電性材料等が用いられる。透明電極層の形成方法とし
ては、スパッタ法のほか蒸着法等の公知の技術を用いれ
ばよい。
を有するが、本発明が適用されるEL素子は、このよう
な構成に限定されるものではなく、膜厚方向に発光層を
複数積層しても良いし、マトリックス状にそれぞれ種類
の異なる発光層(画素)を組み合わせて平面的に配置す
るような構成としても良い。
子は、発光層が積層される誘電体層表面の平滑性が極め
て良好であり、絶縁耐圧が高くかつ欠陥がない。そのた
め輝度が高くかつ輝度の長期信頼性が高く、高性能、高
精細のディスプレイを容易に構成することもできる。ま
た、製造工程が容易であり、製造コストを低く抑えるこ
とが可能である。
物によれば、溶液塗布焼成法単独でも1回の焼成にて最
大1μm以上の厚い誘電体膜が形成可能であり、さらに
複数回繰り返すことにより10μm程度の厚い誘電体層
であっても実用可能な範囲の工程で形成可能であるた
め、上記例で説明したような厚膜誘電体層を用いず、直
接基板上に溶液塗布焼成法により2〜3μm以上の誘電
体層を形成することによって薄膜EL素子を形成するこ
とも可能となる。
鉛、チタンテトライソプロポキシド、ジルコニウムテト
ラn-プロポキシド、2-メトキシエタノール、アセチルア
セトンからなるPZT薄膜形成用溶液を調製した。反応
容器中で酢酸鉛三水和物を2-メトキシエタノールに溶解
させ、110〜120℃で15分間脱水を行った。そこ
にジルコニウムテトラn-プロポキシドとチタンテトライ
ソプロポキシドを加え、110〜120℃で30分間反
応させ、2-メトキシエタノールに溶解させたネオペンチ
ルグリコールとアセチルアセトンを添加することで、溶
液を作製した。
た。表1に評価を行った組成を示す。なお、酸化物換算
濃度は2-メトキシエタノールの量で調整を行った。 ネオペンチルグリコール(NPG):酢酸鉛:チタンテトラ
イソプロポキシド:ジルコニウムテトラn-プロポキシ
ド:アセチルアセトン(acacH)=0.5〜5:1.1:
0.465:0.535:0〜2
板上にスピンコーティング(プレスピン250rpm40s
後1000rpm30s)によって塗布し、100℃に設定
したホットプレート上で10分間乾燥後、700℃の電
気炉に投入し10分間熱処理してPZT薄膜を形成し
た。スピンコーティングと焼成からなる膜形成操作は基
本的に1回だけで行い、通常溶液塗布焼成法で用いられ
ているような繰り返しコーティングはおこなわなかっ
た。
法で調べ、結果を表1にまとめて示した。
およびSEMで確認。クラックが見られないものを○、ク
ラックが発見されたものを×とした。 [膜厚(μm )]膜断面のSEM観察で確認して平均膜厚を
求めた。
ず、一度の成膜操作において最大1μmのクラックフリ
ーのPZT膜が形成可能であった。図1,2に表1中、
サンプル7の膜表面および断面のSEM写真をそれぞれ
示す。このSEM写真からも明らかなように、本発明の
金属酸化物薄膜は、表面においても断面においても平滑
で均一な良好な膜が得られることがわかる。
て、金電極をつけたアルミナ基板上に塗布、焼成するこ
とで、約1μm の膜を作製し、このPZT膜の比誘電率
を測定したところ、約600(at 100kHz)であった。
を添加しない以外は実施例1と同様にして塗布液を作製
し、基板上に塗布、乾燥、焼成し、膜特性を測定した。
組成および結果を表1に示す。
チルグリコールに代えて炭素数3のプロピレングリコー
ルを用いて塗布液を作製した。この塗布液を用い、実施
例1と同様にして基板上に塗布、乾燥、焼成し、膜特性
を測定した。組成および結果を表1に示す。
ジエチル-1,3-プロパンジオールを用いたこと以外は実
施例1と同様にして溶液を作製した。酸化物換算濃度は
25質量%になるように調整した。この塗布液を用い、
ホットプレートの乾燥温度を50℃にしたこと以外は実
施例1と同様にして基板上に塗布、乾燥、焼成し、膜特
性を測定した。組成および結果を表2に示す。
ジメチル-2,5-ヘキサンジオールを用いたこと以外は実
施例1と同様にして溶液を作製した。酸化物換算濃度は
25質量%になるように調整した。この塗布液を用い、
ホットプレートの乾燥温度を70℃にしたこと以外は実
施例1と同様にして基板上に塗布、乾燥、焼成し、膜特
性を測定した。組成および結果を表2に示す。
ヘキサンジオールを用いたこと以外は実施例1と同様に
して溶液を作製した。酸化物換算濃度は25質量%にな
るように調整した。この塗布液を用い、ホットプレート
による乾燥を室温30分放置による乾燥に代えたこと以
外は実施例1と同様にして基板上に塗布、乾燥、焼成
し、膜特性を測定した。組成および結果を表2に示す。
酸鉛、チタンテトライソプロポキシド、2-エトキシエタ
ノール、アセチルアセトンからなるPbTiO3 薄膜形
成用溶液を調製した。反応容器中で酢酸鉛三水和物を2-
エトキシエタノールに溶解させ、110〜120℃で1
5分間脱水を行った。そこにチタンテトライソプロポキ
シドを加え、110〜120℃で30分間反応させ、2-
エトキシエタノールに溶解させたネオペンチルグリコー
ルとアセチルアセトンを添加することで、溶液を作製し
た。調製に用いた各成分のモル比は下記の通りである。
また、酸化物換算濃度が24質量%になるように2-エト
キシエタノールで調整した。
シド: acacH=2:1.1:1:1
膜を行い、アルミナ基板上にPbTiO3 薄膜を形成し
た。
で確認したところ、クラック等はみられず均質な表面で
あることが確認された。また、SEMにより膜厚を確認
し、平均膜厚を求めたところ、0.65μmであった。
タンテトライソプロポキシド、2-メトキシエタノール、
ジエタノールアミンからなるTiO2 薄膜形成用溶液を
調製した。反応容器中で2-メトキシエタノール、チタ
ンテトライソプロポキシド、ジエタノールアミンを混合
し、110℃で30分間反応させ、2-メトキシエタノー
ルに溶解させたネオペンチルグリコールを添加すること
で、溶液を作製した。調製に用いた各成分のモル比は下
記の通りである。また、酸化物換算濃度が10質量%に
なるように2-メトキシエタノールで調整した。
エタノールアミン=1:1:2
プレスピン時間を10秒にした以外は実施例1と同様に
してアルミナ基板上にTiO2 薄膜を形成したところ、
平均膜厚0.55μmでクラック等のない均質なTiO2
薄膜が得られた。
6%純度のアルミナ基板上にスクリーン印刷法により市
販のAuペーストを、基板全面に焼成後膜厚が1μmの
厚さになるように印刷し、850℃で焼成を行った。こ
の下部電極層をフォトエッチング法を用いて幅300μ
m、スペース30μmの多数のストライプ状にパターニン
グした。
にスクリーン印刷法により誘電体セラミックス厚膜を形
成した。厚膜ペーストとしては、ESL社製4210C
厚膜誘電体ペーストを用い、焼成後の膜厚が30μmと
なるようにスクリーン印刷、乾燥を繰り返した。
な空気を供給した雰囲気で850℃、20minの焼成を
行った。この厚膜単独の誘電率は約4000であった。
層を形成した。この溶液塗布焼成法では、実施例1サン
プル7と同様にして作製したPZT薄膜形成用溶液を前
駆体溶液として用いた。この前駆体溶液を、厚膜誘電体
層の表面にスピンコーティング法にて塗布し、700℃
で15分間焼成することを2回繰り返すことにより、膜
厚2μmの表面平坦化層を形成した。
MnをドープしたZnS蒸着源を用い、ZnS:Mnか
らなる厚さ0.7μmの発光層を蒸着法により形成した
後、真空中において500℃で10分間アニールした。
を、上部電極層としてITO薄膜をそれぞれスパッタリ
ング法により順次形成することにより、薄膜EL素子サ
ンプルを得た。上部電極層は、メタルマスクを成膜時に
用いることにより、幅1mmのライン状電極が並ぶストラ
イプ状にパターニングした。
よび上部電極層からそれぞれ電極を引き出して、1kH
z、パルス幅50μsの電界を発光輝度が飽和する強度で
印加した。
発光が観察され、飽和輝度は6700cd/m2 であった。
形成用組成物は、EL素子に適用した場合にもきわめて
有効であることがわかる。また、その応用範囲はELに
限定されるものではなく、PZT等の強誘電体ペロブス
カイト酸化物薄膜等、強誘電性や高誘電率特性、圧電性
等の特性を発現させる上でサブミクロン以上の膜厚を必
要とする酸化物薄膜を用いる素子、装置に広く応用する
ことが可能である。
膜操作で高温における乾燥工程等の実用性の低い工程を
経ずに十分な厚さを持つコーティング薄膜の製造を可能
とする金属酸化物薄膜形成用組成物、および金属酸化物
薄膜を提供することができる。
真である。
である。
Claims (6)
- 【請求項1】 溶液中に金属アルコキシドもしくは金属
アルコキシドと金属塩を含有し、 この組成物中に融点30℃以上、かつ炭素数5〜12の
アルカンジオールを含有する金属酸化物薄膜形成用組成
物。 - 【請求項2】 前記アルカンジオールがネオペンチルグ
リコールである請求項1の金属酸化物薄膜形成用組成
物。 - 【請求項3】 前記金属アルコキシドおよび金属塩の金
属が、少なくともアルカリ土類金属、もしくはPb、Ti、
Zr、Hf、Sn、Nb、Ta、Laから選択される1種または2種
以上である請求項1または2の金属酸化物薄膜形成用組
成物。 - 【請求項4】 前記金属アルコキシドがTiアルコキシ
ドまたはZrアルコキシドのいずれか1種または2種で
あり、前記金属塩がPb塩である請求項1〜3のいずれ
かの金属酸化物薄膜形成用組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4いずれかの金属酸化物薄膜
形成用組成物を基板上に塗布し、 添加したアルカンジオールの融点以下の温度で乾燥した
後に焼成を行う金属酸化物薄膜の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜4いずれかの金属酸化物薄膜
形成用組成物により得られた膜厚0.4μm以上の金属
酸化物薄膜。
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