JP2003158986A - 動物用防護柵 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】畑を荒らしてしまう動物の侵入を確実に防止す
る。 【解決手段】防護柵Ａを地面Ｂに立設される複数の杭１
に電気線３を掛け渡し、且つ該電気線の下方の各杭１間
に防護ネット２を配して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、猪や狸あ
るいは鹿等の動物の畑への侵入を防ぐのに好適な防護柵
に関する。

【０００２】

【従来技術】最近、猪や狸あるいは鹿等の動物が畑に侵
入して農作物を食べてしまい、多額の被害をもたらす例
が急増しており、大きな社会問題となっている。現在で
は、このような畑を荒らす動物の畑への侵入を防ぐため
に、畑の周りに防護柵を張り巡らせて動物の侵入を防い
でいる。ところで、防護柵としては、例えば、電気線を
張り巡らせてなる電気柵であり、侵入しようとする動物
に電気線への接触による電気ショックを与えて侵入を防
止しようとするものである。又、ネット（例えば金網）
を張り巡らせてなる防護ネットであり、該ネットにより
動物の侵入を防止しようとするものである。

【０００３】しかしながら、通常の電気柵の場合には地
上高が約５０cm程度であり、動物が学習してしまうと、
電気柵を飛び越して畑に侵入してしまうし、雑草が電気
線に接触して漏電する可能性があるため、短いスパンで
定期的に除草する作業が必要不可欠であり、その上、除
草作業時には、除草機材で電気線を切断してしまう可能
性もある。又、防護ネットの場合でも、ネットを飛び越
したりよじ登って越したりする動物もいるので、いずれ
の方法についても動物の侵入を防ぐことに関して完全で
はない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、畑を
荒らしてしまう動物の侵入を確実に防止することを課題
とし、この課題を解決できる動物用防護柵の提供を目的
とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するために下記の技術的手段を採用する。その技
術的手段は、図1及び図２に示すように、動物の侵入を
防ぐ防護柵であって、地面Ｂに立設される複数の杭１に
電気線３が掛け渡され、且つ該電気線の下方の各杭１間
に夫々独立した防護ネット２が配されてなる防護柵Ａに
したことである。（請求項１）この技術的手段によれ
ば、防護ネット２を飛び越そうとしたりよじ登って越そ
うとすると、防護ネット２の上方にある電気線３に触れ
て電気ショックが与えられる。又、電気線３は上方にあ
るので、雑草がかなり成長しても電気線３への接触がな
く、これにより、定期的な除草作業を長いスパンで行う
ことができるし、除草時に除草機材が電気線３に触れる
ことはない。防護ネット２は、図示するように、各杭１
間の距離に対応する定尺状のものを各々杭１間に夫々独
立して固定するため、仮に防護ネット２が損壊した場合
でも、当該部位の防護ネット２のみを交換することがで
きる。

【０００６】

【発明の実施の形態】防護ネット２においては、図示す
るように枠体２１にネット２を取り付けたものであれ
ば、杭に対する取り付けが容易であり、又、ネット端部
の保護や防護ネットの補強にも大きく貢献する。防護ネ
ット２の素材としては、例えば、金属材、繊維材、ある
いは合成樹脂材や硬質ゴム材等が挙げられるが、強度や
耐久性という点から金属材が好適である。電気線３は周
知のものを用いて、杭１の電気線部分の高さに応じて本
数を任意に決定する。

【０００７】本願発明の防護柵Ａの高さは、対象とする
動物に応じて任意に変更するが、おおよそには、地上高
約０．６m〜４m程度の範囲で対応可能であると思われ
る。内訳として、防護ネット２の高さは約０．３m〜３m
程度、電気線部分の高さは、約０．３m〜１m程度が好ま
しい。ただし、本願発明では前記した数値に限定するも
のではなく、少なくとも、対象とする動物の侵入を防止
可能な高さであればよいものである。

【０００８】本発明における杭１は、畑の周囲長に対応
する本数を用いるが、地面Ｂが軟弱であったり、畑の周
囲長が長く防護ネット２の重量によって杭１に過剰な負
担をかけてしまうような場合、図示するように杭１を補
強するために、防護柵Ａにおける動物侵入側から支持杆
４によって杭１を支えることが好適である。（請求項
２）ここで、支持杆４を動物侵入側で杭１を支えるよう
にした理由として、支持杆４が農作業の邪魔にならない
ようにすること、又、支持杆４によって動物が防護柵Ａ
沿いを移動できなくし、できるだけ防護柵Ａに近寄らせ
ないためである。支持杆４は、図示するように杭１と同
本数用いて杭１毎に支えるようにしてもよいし、一本あ
るいは数本の杭１を中抜きして支えるようにしてもよ
く、杭１を立設する地面Ｂの硬さや杭１の本数により任
意に決定する。杭１を支える支持杆４の形態は任意であ
り、例えば、図示するように杭１と地面Ｂの間で傾斜状
に支える形態が挙げられる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明に係る防護柵Ａの実施例を図１
及び図２に基づいて説明する。防護柵Ａは、地面Ｂに打
ち込んで立設された多数の杭１の間に夫々独立した防護
ネット２を配し、該ネットの上方に上下２本の電気線３
を各杭１に掛け渡してなる。又、防護柵Ａは、動物侵入
側の下方に位置する支持杆４によって各杭１を支持して
いる。

【００１０】詳述すると、杭１は鉄製であり、各々同間
隔を空けて地中約５０cm程度の深さで埋め込まれてい
る。尚、杭１の埋め込み深さは前記数値に限定するもの
ではなく、地面Ｂの硬軟や防護柵Ａの重量の関係により
任意に決定される。支持杆４は、図２に示すように、各
々地面Ｂと杭１に亘って傾斜状に配して突っ張るように
杭１を支えるようにしたものであり、具体的には、傾斜
状に配したときに支持杆４の両端部を、該両端部が夫々
地面Ｂと杭１に沿うように折り曲げて形成し、地面側端
部４１をアンカー５で固定し、杭側端部４２をＵボルト
・ナット６で固定することによって、杭１を支えてい
る。尚、支持杆４については、基本的には、地面Ｂの硬
軟や防護柵Ａの重量の関係により、杭１を支える必要が
ある場合に用いるものであるが、このような場合以外に
用いることにより、防護柵Ａをさらに頑強な態様で構成
することができる。又、支持杆４は、杭1に溶接により
あらかじめ固定してもよく、これによれば、防護柵Ａの
構成作業を支持杆４を使用しないものと同様の作業時間
で行うことができる。（図示せず）

【００１１】防護ネット２は、各杭１間幅と略同等の幅
とする枠体２１に金網２２を配してなるものであり、こ
の防護ネット２の下縁を地面Ｂに置いた状態で各杭１間
に位置させ、左右縁を夫々隣接する杭１に番線Ｃで結び
つけて固定している。尚、防護ネット２の固定について
は例示した番線Ｃに限定されるものではなく、例えばボ
ルト・ナットで締め付け挟持するような支持具を用いて
もよい。（図示せず） 本実施例の防護ネット２は、番線Ｃを外すことによって
杭１からの取り外しを可能としており、これによって、
防護柵Ａのある部分の防護ネット２のみを交換すること
ができる。電気線３は、杭１に取り付けられた周知の絶
縁体３１に支持されて各杭１に掛け渡されている。

【００１２】尚、本実施例では、杭を真っ直ぐなものと
して例示しているが、例えば、杭における電気線が掛け
渡される部位を、動物侵入側へ傾斜させることにより、
防護柵を乗り越えにくくするようにしてもよいものであ
る。

【００１３】

【発明の効果】本発明に係る防護柵は以上説明したとお
り、下記の優れた効果を有する。請求項1の発明によれ
ば、防護ネットの防護効果と電気線の防護効果の２つの
効果を有するという特有の効果が有る防護柵であると共
に、電気線を防護ネットの上方に配して雑草が成長して
も電気線への接触を生じさせないようにしているので、
雑草管理や除草作業が楽になる上に、除草時において除
草機材を電気線に触れさせる心配は全くない防護柵であ
る。しかも、防護ネットを各杭間に夫々独立して固定す
るため、仮に防護ネットが損壊した場合でも、当該部位
の防護ネットのみを交換することができるので、修理や
メンテナンスを極めて容易、且つ迅速に行うことができ
る。さらに、請求項２の発明によれば請求項1の効果に
加えて、支持杆が杭を支えているので、軟弱な地面にお
いても、又、防護柵の重量が大きくなっても、強固な立
設状態を保つことができる上に、支持杆を動物侵入側に
配しているので、農作業の邪魔にならないと共に、支持
杆によって動物が防護柵沿いを移動できなくし、できる
だけ防護柵に近寄らせないようにすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る防護柵の一例を示す正面図。

【図２】支持杆部位を示す拡大側面図。

【符号の説明】

Ａ：防護柵 Ｂ：地面 １：杭 ２：防護ネット ３：電気線 ４：支持杆

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】動物の侵入を防ぐ防護柵であって、地面に
   立設される複数の杭に電気線が掛け渡され、且つ該電気
   線の下方の各杭間に夫々独立した防護ネットが配されて
   なることを特徴とする防護柵。
2. 【請求項２】防護柵における動物侵入側面から支持杆に
   よって杭を支えていることを特徴とする請求項1に記載
   の防護柵。