JP2003158919A - 再利用可能な吸水性樹脂入りマット及びその再利用方法 - Google Patents

再利用可能な吸水性樹脂入りマット及びその再利用方法

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JP2003158919A
JP2003158919A JP2003022329A JP2003022329A JP2003158919A JP 2003158919 A JP2003158919 A JP 2003158919A JP 2003022329 A JP2003022329 A JP 2003022329A JP 2003022329 A JP2003022329 A JP 2003022329A JP 2003158919 A JP2003158919 A JP 2003158919A
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absorbent resin
mat
resin
cloth
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JP2003022329A
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Kazuhiro Kasuya
和宏 糟谷
Yoji Fujiura
洋二 藤浦
Satoshi Kuriyama
栗山  智
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸水性樹脂が入った動物用の保冷マットで
あって、使用後そのマット中の吸水性樹脂を回収して植
物育成用保水剤として再利用できる動物用の保冷マット
を提供する。 【解決手段】 吸水性樹脂(A)の粉末と、これを入れ
る袋状の布からなるマットにおいて、該(A)は、カル
シウムイオン吸収量が乾燥重量1gあたり0〜100m
gであり、25℃のイオン交換水中での吸水倍率が10
〜1,000倍であり、且つその平均粒径が10〜1,
000μmであり、布は通気度が0.1〜30cm3
cm2・secであることを特徴とする吸水性樹脂入りマ
ットである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、布袋の中に吸水性
樹脂が入った動物用の保冷マットに関する。さらに詳し
くは、再利用可能な吸水性樹脂が入った動物用の保冷マ
ット及び使用後そのマット中の吸水性樹脂を回収して植
物育成用保水剤として再利用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】犬等のペットの保冷用座布団等に使用さ
れる吸水性樹脂入りマットとして、従来通気度1〜8c
3/cm2・secの布を用いた布袋の中に吸水性樹脂
を入れ、使用時に吸水させる座布団がある。(例えば、
特許文献1)
【0003】
【特許文献1】 特開平10−295499号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記吸
水性樹脂入りマットは保冷マットとして繰り返し使用さ
れても1シーズン使用後は廃棄されるのみで、使用済の
吸水性樹脂入りマット中の吸水性樹脂即ちゲル状又は粉
末状の吸水性樹脂が再利用されることはなく、資源とし
て無駄であり、吸水性樹脂を使用するマットであって使
用後に再利用できる吸水性樹脂入りマットが望まれてい
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を改善した吸水性樹脂入りの動物用保冷マットを得るべ
く鋭意検討した結果、植物体育成用保水剤として使用可
能な吸水性樹脂を使用して吸水性樹脂入りマットを構成
すれば、使用後回収したゲル状又は粉末状の吸水性樹脂
は廃棄せず植物体育成用保水剤として再使用できること
を見いだし本発明に到達した。すなわち、本発明は、吸
水性樹脂(A)の粉末と、これを入れる袋状の布からな
るマットにおいて、該(A)は、カルシウムイオン吸収
量が乾燥重量1gあたり0〜100mgであり、25℃
のイオン交換水中での吸水倍率が10〜1,000倍で
あり、且つその平均粒径が10〜1,000μmであ
り、布は通気度が0.1〜30cm3/cm2・secで
あることを特徴とする吸水性樹脂入りマット;使用済の
該マット中の吸水性樹脂を使用した植物育成用保水剤;
使用済の該マット中の吸水性樹脂を回収して植物育成用
保水剤として再利用する方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において吸水性樹脂(A)
としては、カルシウムイオン吸収量が乾燥重量1gあた
り0〜100mgであり、25℃のイオン交換水中での
吸水倍率が10〜1,000倍であり、且つその平均粒
径が10〜1,000μmである吸水性樹脂であればア
ニオン系、ノニオン系、カチオン系吸水性樹脂であれ特
に限定はないが、具体的には例えば下記の(1)〜(5)の吸
水性樹脂(a)にカルシウムイオン吸収量を調整したも
のが挙げられる。 (1)デンプン又はセルロース等の多糖類(イ−1)及び
/若しくは単糖類(イ−2)と水溶性単量体及び/若し
くは加水分解により水溶性となる単量体から選ばれる1
種以上の単量体(ロ)と、架橋剤(ハ)とを必須成分と
して重合させ、必要により加水分解を行うことにより得
られる吸水性樹脂。(イ−1)としてはショ糖、セルロ
ース、CMC、デンプン等が挙げられ、(イ−2)とし
てはペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビトー
ル、キシリトール、マンニトール、ジペンタエリスリト
ール、グルコース、フルクトース等が挙げられる。
【0007】(ロ)としては例えば、カルボキシル基、
スルホン酸基、リン酸基を有するラジカル重合性水溶性
単量体及びそれらの塩、及び水酸基、アミド基、3級ア
ミノ基、第4級アンモニウム塩基を有するラジカル重合
性水溶性単量体等が挙げられる。カルボキシル基を有す
るラジカル重合性水溶性単量体としては、例えば不飽和
モノ又はポリ(2価〜6価)カルボン酸[(メタ)アク
リル酸(アクリル酸及び/又はメタクリル酸をいう。以
下同様の記載を用いる)、マレイン酸、マレイン酸モノ
アルキル(炭素数1〜9)エステル、フマル酸、フマル
酸モノアルキル(炭素数1〜9)エステル、クロトン
酸、ソルビン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキル
(炭素数1〜9)エステル、イタコン酸グリコールモノ
エーテル、ケイ皮酸、シトラコン酸、シトラコン酸モノ
アルキル(炭素数1〜9)エステル等]及びそれらの無
水物[無水マレイン酸等]等が挙げられる。
【0008】スルホン酸基を有するラジカル重合性水溶
性単量体としては、例えば、脂肪族又は芳香族ビニルス
ルホン酸(ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニ
ルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸等)、2−
ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホ
ン酸、(メタ)アクリルアルキルスルホン酸[(メタ)
アクリル酸スルホエチル、(メタ)アクリル酸スルホプ
ロピル等]、(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン
酸[2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸等]等が挙げられる。リン酸基を有するラジカル重合
性水溶性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシアルキルリン酸モノエステル[2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル
−2−アクリロイルロキシエチルホスフェート等]等が
挙げられる。上記カルボキシル基、スルホン酸基、リン
酸基を含有する水溶性単量体の塩[例えばアルカリ金属
塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属
塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アミン塩もし
くはアンモニウム塩等]等が挙げられる。
【0009】水酸基含有ラジカル重合性水溶性単量体
[アルキル基の炭素数が2〜3個のヒドロキシアルキル
モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(重量平均分子量Mw:100〜4,000)モノ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mw:
100〜4,000)モノ(メタ)アクリレート、メト
キシポリエチレングリコール(Mw:100〜400
0)モノ(メタ)アクリレート等];アミド基含有ラジ
カル重合性水溶性単量体[例えば(メタ)アクリルアミ
ド、N−アルキル(炭素数1〜3)置換(メタ)アクリ
ルアミド(N−メチルアクリルアミド、N、N−ジメチ
ルアクリルアミド等)等];3級アミノ基含有ラジカル
重合性水溶性単量体[例えばジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リルアミド等];第4級アンモニウム塩基含有ラジカル
重合性水溶性単量体[例えば上記3級アミノ基含有単量
体の4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベン
ジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を
用いて4級化したもの)等];エポキシ基含有ラジカル
重合性水溶性単量体[例えばグリシジル(メタ)アクリ
レート等];その他ラジカル重合性水溶性単量体[4−
ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロ
リドン、N−ビニルアセトアミド等]等が挙げられる。
【0010】加水分解により水溶性となる単量体として
は、少なくとも1個の加水分解性基[酸無水物基、低級
アルキル(炭素数1〜3)エステル基、ニトリル基等]
を有するラジカル重合性単量体が挙げられる。酸無水物
基を有するラジカル重合性単量体としては例えば、無水
マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の炭
素数4〜20のラジカル重合性単量体、エステル基を有
するラジカル重合性単量体としては、例えば、モノエチ
レン性不飽和カルボン酸の低級アルキル(C1〜C3)
エステル[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル等]、モノエチレン性不飽和アル
コールのエステル[例えば、酢酸ビニル、酢酸(メタ)
アリル等]等が挙げられる。ニトリル基を有するラジカ
ル重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニ
トリル等が挙げられる。これらは加水分解は重合時であ
っても重合後であってもよく、通常加水分解によって塩
を形成し水溶性となる。塩としては前記の塩形成基に記
載した塩と同じものがあげられる。これらの単量体は、
単独で使用しても良いし、必要であれば2種以上を併用
使用しても良い。これらのうち好ましいものは、水溶性
単量体である。より好ましいものは、水酸基含有ラジカ
ル重合性水溶性単量体、アミド基含有ラジカル重合性水
溶性単量体、カルボキシル基含有ラジカル重合性水溶性
単量体及びその塩であり、特に好ましくは(メタ)アク
リル酸及びその塩である。
【0011】架橋剤(ハ)としては、例えば、ラジカル
重合性不飽和基を2個以上有する架橋剤、ラジカル重合
性不飽和基と反応性官能基とを有する架橋剤、反応性官
能基を2個以上有する架橋剤等が挙げられる。ラジカル
重合性不飽和基を2個以上有する化合物の具体例として
は、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、グリセリン(ジ又は
トリ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリロキシエ
タン及びペンタエリスリトールトリアリルエーテル等が
挙げられる。
【0012】(イ)、(ロ)の官能基と反応し得る官能
基を少なくとも1個有し、且つ少なくとも1個のラジカ
ル重合性不飽和基を有する化合物[例えばヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)ア
クリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート等]が
挙げられる。(イ)、(ロ)の官能基と反応し得る官能
基を2個以上有する化合物の具体例としては、多価アル
コール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、グリセリン、プロピレングリコール、トリメチ
ロールプロパン等)、アルカノールアミン(例えば、ジ
エタノールアミン等)、及びポリアミン(例えば、ポリ
エチレンイミン等)等が挙げられる。これらの架橋剤は
2種類以上を併用しても良い。これらのうち好ましいも
のは、ラジカル重合性不飽和基を2個以上有する共重合
性の架橋剤であり、より好ましくはN,N’−メチレン
ビスアクリルアミド、エチレングリコールジアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラ
アリロキシエタン、ペンタエリスルトールトリアリルエ
ーテル、トリアリルアミンである。(イ)、(ロ)及び
(ハ)の割合、吸水性樹脂の製造法は特に限定されな
い。
【0013】吸水性樹脂の製造法としては、例えば水溶
液重合法、逆相懸濁重合法、噴霧重合法、光開始重合
法、放射線重合法等が例示される。好ましい重合方法
は、ラジカル重合開始剤を使用して水溶液重合する方法
である。この場合のラジカル重合開始剤の種類と使用
量、ラジカル重合条件についても特に限定はなく、通常
と同様にできる。なお、これらの重合系に、必要により
各種添加剤、連鎖移動剤(例えばチオール化合物等)等
を添加しても差し支えない。上記架橋剤の量が0.00
1%より少ない場合は、吸水時にゾル状になり、吸水性
樹脂の機能である吸水・保水能力が小さくなる。また、
乾燥性が非常に悪く、生産性が非効率的である。一方5
%を超える場合は、逆に架橋が強くなりすぎ、十分な吸
水・保水能力を発揮しない。これらの重合系に、必要に
より各種添加剤、連鎖移動剤(例えば、チオール化合物
等)、界面活性剤等を添加しても差し支えない。
【0014】架橋する場合は、上記の架橋剤(ハ)を使
用して架橋する場合と、架橋剤を使用しないで特定の温
度に加熱して水酸基やアミド基等の官能基の反応性を利
用した熱架橋による架橋の場合がある。該熱架橋を行え
る好ましい重合体としては(メタ)アクリルアミド、ア
ルキル基の炭素数が2〜3個のヒドロキシアルキルモノ
(メタ)アクリレートを含有する重合体が挙げられ、具
体的には(メタ)アクリルアミド/(メタ)アクリル酸
(アルカリ金属塩)共重合体、ヒドロキシアルキルモノ
(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸(アルカリ
金属塩)共重合体等を例示することができる。
【0015】熱架橋を行う方法としては、目的の粒径に
調整する前に、重合体を所定温度に加熱して熱架橋させ
た後、必要により粉砕を行って目的の粒径に粒度調整し
ても良いが、好ましくは、重合体を目的の粒径の粉末状
あるいは粒子状に粒度調整した後、所定温度に加熱して
熱架橋させることにより、いわゆる表面架橋の原理で内
部の架橋密度が低くかつ外部の架橋密度の高い吸水性樹
脂を得る方法である。熱架橋の際の加熱温度は、好まし
くは120℃〜230℃、より好ましくは140℃〜2
20℃である。加熱温度が120℃〜230℃である
と、加熱架橋が早く進行し、重合体が熱分解せず、品質
が低下しないので好ましい。加熱時間に関しては、達成
したい架橋度によって種々異なるが、目的の温度に達し
てから、好ましくは1〜600分、更に好ましくは5〜
300分である。加熱時間が1分未満ではうまく熱架橋
が起こらぬことがあり、一方加熱時間が600分を超え
ると、加熱する温度や重合体の組成にもよるが、一部分
解が開始する場合がある。
【0016】含水ゲル状重合体の乾燥温度は、好ましく
は60〜230℃であり、より好ましくは100〜20
0℃であり、特に好ましくは105〜180℃である。
乾燥温度が60℃以上の場合、乾燥に多くの時間を必要
とせず経済的であり、一方、230℃以下である場合
は、副反応や樹脂の分解等が起こりにくく、吸収性能と
吸収速度が低下しない。乾燥する装置は通常の装置でよ
く、例えば、ドラムドライヤー、平行流バンド乾燥機
(トンネル乾燥機)、通気バンド乾燥機、噴出流(ノズ
ルジェット)乾燥機、箱型熱風乾燥機、赤外線乾燥機等
が挙げられる。特に熱源は限定されない。これらの乾燥
機は複数個を組み合わせて使用することもできる。乾燥
後、粉砕し、さらに必要により粒度調整して吸水性樹脂
を得る。粉砕機は従来公知のものが使用でき、粒度調整
も篩い振とう機等の従来公知のものが使用できる。吸水
性樹脂の製造法等は特開昭52−25886号、特公昭
53−46199号、特公昭53−46200号及び特
公昭55−21041号公報に詳細に記載されているも
のと同じものが挙げられる。
【0017】(2)上記(イ)と(ロ)とを重合させた
もの(デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加
水分解物、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合
物の加水分解物等); (3)上記(イ)の架橋物(カルボキシメチルセルロー
スの架橋物等); (4)上記(ロ)と(ハ)との共重合体(架橋されたポ
リアクリルアミドの部分加水分解物、架橋されたアクリ
ル酸−アクリルアミド共重合体、架橋されたポリスルホ
ン酸塩(架橋されたスルホン化ポリスチレン等)、架橋
されたポリアクリル酸塩/ポリスルホン酸塩共重合体、
ビニルエステル−不飽和カルボン酸共重合体ケン化物
(特開昭52−14689号及び特開昭52−2745
5号公報に記載されているもの等)、架橋されたポリア
クリル酸(塩)、架橋されたアクリル酸−アクリル酸エ
ステル共重合体、架橋されたイソブチレン−無水マレイ
ン酸共重合体、架橋されたポリビニルピロリドン、及び
架橋されたカルボン酸変性ポリビニルアルコール);並
びに、 (5)自己架橋性を有する上記(ロ)の重合物(自己架
橋型ポリアクリル酸塩等); が挙げられる。以上例示した吸水性樹脂は2種以上併用
してもよい。中和塩の形態の吸水性樹脂である場合の塩
の種類及び中和度については特に限定はないが、塩の種
類としては好ましくはアルカリ金属塩であり、より好ま
しくはナトリウム塩及びカリウム塩であり、酸基に対す
る中和度は好ましくは50〜90モル%であり、より好
ましくは60〜80モル%である。以上例示した吸水性
樹脂(a)は2種以上併用してもよい。
【0018】これらの吸水性樹脂(a)のうち、好まし
いものは架橋ポリアクリルアミド共重合体等のノニオン
系吸水性樹脂;架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋
されたアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、架橋
されたイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、及び架
橋されたカルボン酸変性ポリビニルアルコール等のアニ
オン系吸水性樹脂であり、る。より好ましくは架橋ポリ
アクリルアミド共重合体及び架橋されたポリアクリル酸
(塩)であり、特に好ましくは架橋されたポリアクリル
酸(塩)である。(a)の吸水倍率は、上記の架橋構
造、特に架橋密度に依存し、一般に架橋密度が低い程、
吸水倍率が大きくなる傾向がある。(a)の架橋密度
は、全単量体に対する分岐点のモル%で、好ましくは
0.01〜10mol%、より好ましくは0.05〜5
mol%である。架橋剤により架橋構造を導入する場
合、架橋剤の全単量体(該架橋剤自体をも含む)に対す
る共重合重量比は、好ましくは0.005〜3wt.
%、好ましくは0.01〜2wt.%である。
【0019】(a)の架橋密度が10mol%以下の場
合には、(a)の吸水倍率が大きくなるために、吸水性
樹脂の吸水・保水効果が大きくなる。一方、架橋密度が
0.01mol%以上の場合には、該(a)の機械的強
度が強くなり、取扱いが良好となる。このようにして得
られる(a)は、その平均粒径が通常10〜1,000
μmであり、好ましくは50〜800μmであり、より
好ましくは100〜700μmである。平均粒径が10
μm未満であると、吸水前に吸水性樹脂粒子がマットの
外部にこぼれ易く、1,000μmを超えると吸水時間
が長くなる。上記の様に平均粒径は粉砕及び篩いにより
コントロールできる。また逆相懸濁重合の場合は重合条
件によりコントロールすることもできる。平均粒子径は
質量平均粒子径を意味し、質量平均粒子径は、架橋重合
体の各粒度分布を横軸が粒子径、縦軸が質量基準の含有
量の対数確率紙にプロットし、全体の質量の50%をし
めるところの粒子径を求める方法により測定する。
【0020】本発明における(A)はカルシウムイオン
吸収量が乾燥重量1gあたり0〜100mgであること
が必要である。る。本発明において、「カルシウムイオ
ン吸収量」は例えば以下の方法により好適に測定可能で
ある。 (カルシウムイオン吸収量の測定)1gの乾燥した吸水
性樹脂(A)を、カルシウムイオン濃度200mg/L
の塩化カルシウム水溶液1Lに添加し、時々撹拌しなが
ら25℃で48時間、恒温槽中で放置して、該(A)を
膨潤させつつカルシウムイオンを吸収させる。膨潤した
(A)を分離し、残存する上清(上記塩化カルシウム水
溶液の過剰分)中のカルシウムイオン濃度を原子吸光分
析により定量する(α mg/L)。
【0021】この際、上記原子吸光分析法によるカルシ
ウムイオン分析においては、下記の条件が使用可能であ
る。 <原子吸光分析の測定条件> 原子吸光分析装置:島津製作所社製、商品名:AA−6
500オートシステム 点灯条件:Ca#8 電流:10mA/0mA 波長:422.7nm スリット幅:0.5μm このようにして測定したカルシウムイオン濃度の定量値
(α)に基づき、吸水性樹脂(A)1gあたりのカルシ
ウムイオン吸収量は、次式により求められる。(A)と
上清の分離に際し、未架橋の水溶性高分子が上清中に溶
解している可能性があるため、必要に応じて、重量平均
分子量1,000〜3,000程度の限外濾過膜を用い
た限外濾過による分離を行う。 吸水性樹脂(A)1gあたりのカルシウムイオン吸収量
(mg/g)=200−α
【0022】上記方法により測定された「カルシウムイ
オン吸収量」が吸水性樹脂の乾燥重量1gあたり100
mgを超える場合では、植物体育成用保水剤として使用
した場合に、吸水性樹脂吸水性樹脂(A)に接触する植
物体に「カルシウムイオン欠乏症」が生じ易くなり、植
物が枯渇しやすくなる。本発明において植物育成用保水
剤として有効に発揮されるためには、この「カルシウム
イオン吸収量」は、吸水性樹脂の乾燥重量1gあたり0
〜100mgであり、好ましくは0〜80mgである。
ポリアクリル酸塩系の吸水性樹脂の場合には、吸水性樹
脂(A)のカルシウムイオン吸収量を100mg以下と
するために、該(A)が「カルボキシル基の多価金属
塩」を含有することが、好ましい一態様である。該多価
金属塩のイオンとしては、例えば、Ca2+、Mg2+、A
3+、Ba2+、Sr2+、B3+、Be2+、Fe2+、F
3+、Mn2+等が挙げられる。中でも、Ca2+、M
2+、Al3+、Ba 2+、Sr2+、B3+、Be2+が好まし
く、Ca2+が特に好ましい。該多価金属塩の含有量は、
吸水性樹脂の乾燥重量1g当たり好ましくは0.1〜7
mmolであり、より好ましくは0.5〜6.5mmo
lであり、特に好ましくは1.0〜6.0mmolであ
る。
【0023】特にポリアクリル酸塩系の吸水性樹脂を使
用する場合、アクリル酸及びアクリル酸のアルカリ金属
塩を架橋重合させた後、上記の多価金属塩を添加する方
法が好適に利用される。特に多価金属塩として塩化カル
シウム、塩化マグネシウムを使用した場合には、アルカ
リ金属塩をCa,Mgに置換することにより、該吸水性
樹脂のCa吸収量を抑制することができる。さらに後記
する様に該吸水性樹脂に塩素イオンをも導入することが
できる。これらの製造方法及び吸水性樹脂の具体例は、
特願平10−316440号公報、特願平11−290
552号公報に記載されている。
【0024】上記した「カルボキシル基の多価金属塩の
含有量」は、例えば、以下の方法により測定可能であ
る。 (カルボキシル基の多価金属塩の含有量の測定方法)吸
水性樹脂(A)をイオン交換水で充分洗浄した後乾燥
し、0.2gの乾燥した(A)を、白金るつぼに秤取
り、電気炉で灰化した後、1N塩酸5mlで溶解、蒸留
水を加えて50mlの定容として、原子吸光分析により
多価金属イオン濃度(EmM)を求める。乾燥した
(A)1g中のカルボキシル基多価金属塩の含有量はE
×価数/4(mmol)として算出される。この多価金
属イオンの価数(例えば、Mgイオンであれば、価数=
2)は、該多価金属イオンが混合している場合には、各
多価金属イオンの価数を「重み付け平均」して得られた
価数を用いる。
【0025】この際、上記原子吸光分析法による陽イオ
ンにおいては、前述した「カルシウムイオン分析」にお
けるのと同様の条件が使用可能である。「ポリアクリル
酸のアルカリ金属塩の架橋物」からなる従来のハイドロ
ゲルは、非イオン性の親水性高分子架橋物からなるハイ
ドロゲルと比較して著しく高い吸水倍率を有し、この高
吸水倍率がゆえに従来、農業分野で吸水性樹脂として使
用されてきた。しかしながら、このハイドロゲルは、解
離性のイオン基の導入量が非常に大きく(例えば、アク
リル酸のアルカリ金属塩の導入量が乾燥樹脂1gあたり
約8mmol以上)、植物の生長に必須であるカルシウ
ムイオン等の重金属イオンを吸着してしまい、植物生長
を著しく阻害する傾向があった。上記の様にカルボキシ
ル基を重金属塩とすると吸水倍率が低下してしまい、保
水剤として十分な水分を補給することができなくなる。
従って、カルボキシル基を重金属塩にする一方、これに
対して、解離性のイオン基(例えばカルボキシル基のア
ルカリ金属塩又はアンモニウム塩)をある量導入して吸
水倍率を確保する必要がある。上記解離性のイオン基を
乾燥吸水性樹脂1gあたり0.3〜7mmol導入した
場合には、植物に対してカルシウムイオン欠乏症を生じ
させることなく植物を育成させるに充分な保水効果(イ
オン交換水中での吸水倍率が10〜1,000倍)を示
すので好ましいことが見出されている。
【0026】上記の様に、カルボキシル基を多価金属塩
とすると吸水倍率が低下するので、吸水倍率を向上させ
るため、カルボキシル基を一定量以上のアルカリ金属塩
とする必要がある。ここでカルボキシル基のアルカリ金
属塩としては、ナトリウム塩又はカリウム塩が望まし
い。(A)が、カルボキシル基を有するアニオン系吸水
性樹脂の場合、該カルボキシル基のアルカリ金属塩又は
アンモニウム塩の含有量が、乾燥重量1gあたり好まし
くは0.3〜7mmolである。0.3mmol以上で
は吸水性樹脂の吸水倍率を10倍以上とすることが可能
となり、7mmol以下であると、カルシウムイオン吸
収量が乾燥吸水性樹脂1gあたり100mgを超えにく
くなる。
【0027】(カルボキシル基のアルカリ金属塩の含有
量の測定方法)吸水性樹脂(A)をイオン交換水で充分
に洗浄した後乾燥し、0.2gの乾燥した(A)を、白
金るつぼに秤取り、電気炉で灰化した後、1N塩酸5m
lで溶解、蒸留水を加えて50mlの定容として、原子
吸光分析により陽イオン濃度(DmM)を求める。乾燥
した(A)1g中のカルボキシル基塩の含有量は、D/
4(mmol=1リットル中のモル濃度)として算出さ
れる。ここで使用した原子吸光分析用の溶液中の乾燥し
た(A)の濃度は、上述したように0.2g/50ml
=4g/1L(リットル)であるから、乾燥した(A)
1g中のカルボキシル基塩の含有量は、(D/4)mm
olとなる。
【0028】さらに本発明においては前記(A)の塩素
イオンの含有量が乾燥重量1gあたり0.07〜7mm
olが好ましい。塩素イオン含有量は例えば、以下の方
法で測定できる。 (塩素イオン含有量の測定)0.2gの乾燥状態の
(A)を200mlのイオン交換水に浸漬し、2日間放
置する。この上清をフィルターで濾過し、濾液中の塩素
イオン濃度をイオン分析計(Ion AnalyzerIA−10
0、東亜電波工業)により分析する。このようにして求
めた塩素イオン濃度に基づき、上記イオン交換水200
ml中の塩素イオン量を計算により求め、該計算値を乾
燥吸水性樹脂(A)0.2g中の塩素イオン量とする。
【0029】この際、上記イオン分析計による塩素イオ
ン分析においては、下記の条件が使用可能である。 <イオン分析計の測定条件> カラム:陰イオン用カラムPCI−201S(東亜電波
工業社製)、及びカードカラムPCI−201SG(東
亜電波工業社製) 溶媒:陰イオン用溶離液(東亜電波工業社製) カラム槽温度:40±4℃ 上記方法により測定された「塩素イオン含有量」が吸水
性樹脂(A)の乾燥重量1gあたり0.07〜7mmo
lであると、後述する実施例に示すように上記の「カル
シウムイオン欠乏症」を抑制することが可能となる。
「塩素イオン含有量」はより好ましくは0.5〜6.5
mmolであり、特に好ましくは1.0〜6.0mmo
lである。塩素イオンのカウンター陽イオンの種類に特
に制限はないが、Na,K,Ca,NH4イオンである
ことが好ましい。中でも、Naイオンであることが特に
好ましい。
【0030】吸水性樹脂(a)に塩素イオンを含有させ
る方法としては、該(a)に塩素イオンを含有する水溶
液を吸収させることによって行うことができる。また、
(A)を水中で合成する場合には、この水溶液に塩素イ
オンを含有させておく方法がより好ましい。この時、塩
素イオンの添加量は得られる吸水性樹脂(A)の乾燥重
量1gあたり0.07〜7mmolとなるように設定す
る。また、既に(a)が塩素イオンを乾燥重量1gあた
り7mmol以上含有している場合は、これを塩素イオ
ンを含まない(あるいは低塩素イオン濃度の)水で洗浄
することにより、塩素イオンの含有量を所望の設定値ま
で低減させることもできる。
【0031】本発明における吸水性樹脂(A)の吸水倍
率は、通常10〜1,000倍であり、好ましくは20
〜900倍であり、より好ましくは50〜800倍であ
る。吸水倍率が10倍未満であると、吸水後十分な保冷
能力及び弾性をもたず、またマットから回収して植物体
育成用保水剤として使用した場合充分な水分を供給する
ことが不可能となる。1,000倍を超えると吸水後の
ゲルが柔らかくなり弾力性に欠ける。吸水量は上記の吸
水性樹脂の種々の製造条件によりコントロールできる。
本発明において、上記した「イオン交換水中での吸水倍
率」は、例えば、以下の方法により測定可能である。 (イオン交換水中の吸水倍率の測定)乾燥吸水性樹脂
(A)の一定量(W1g)を秤取り、過剰量(例えば、
前記吸水性樹脂の予想吸水量の1.5倍以上の重量)の
イオン交換水(電気伝導度5μS/cm以下)に浸漬
し、25℃で48時間恒温槽中に放置して、前記(A)
を膨潤させる。余剰の水を濾過により除去した後、吸水
膨潤した(A)の重量(W2g)を測定し、次式により
吸水倍率を求める。 吸水倍率=(W2−W1)/W1 この吸水倍率の測定に際しては、重量W1、W2の測定
は、例えば、精密な電子天秤(島津製作所製、LIBROR A
EG-220; LIBROR EB−3200−D等)を用いて
測定することが好ましい。
【0032】また、吸水性樹脂(A)の保水量/吸水量
の比は好ましくは0.55〜1.00であり、より好ま
しくは0.65〜1.00である。保水量/吸水量の比
が0.55以上であると通常のペットや飼育動物等がマ
ットをくわえて振り回したり又それらの体重に対しても
離水がない。保水量/吸水量の比はモノマーの種類や架
橋条件等によりコントロールできる。
【0033】また、吸水性樹脂(A)の水可溶性成分含
量は好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは
6重量%以下であり、特に好ましくは3重量%以下であ
る。水可溶性成分含量が10重量%以下であると水可溶
性成分が布を通してマット表面に現れず、ヌメリ感が出
てこないので、動物の毛に付着し汚くなることがない。
水可溶性成分含量は重合条件によりコントロールでき
る。吸水性樹脂中の水可溶性成分含量を下げる方法とし
ては、例えば吸水性樹脂の分子量を上げる方法が好まし
く、重合濃度を下げる方法、架橋密度を上げる方法等を
とることにより達成できる。
【0034】前記吸水性樹脂(A)は、上記物性に加え
て更にその生理食塩水吸液ゲル強度が好ましくは10,
000〜50,000ダイン/cm2、より好ましくは
20,000〜45,000ダイン/cm2であると
き、動物の体重によるゲルの変形が抑制されるので好ま
しい。ゲル強度は例えば粒子を表面架橋することによっ
て向上することができる。ゲル強度の測定法は後記す
る。前記吸水性樹脂は、上記物性に加えて更にクリープ
メーターによるその生理食塩水吸液ゲル弾性率が好まし
くは5×103〜20×103N/m2、より好ましくは
6×103〜15×103N/m2であるとき、動物の体
重によるゲルの変形が生じた後動物が離れた際に弾性が
あるため元の状態に復帰しマットの感触がよくなるで好
ましい。ゲル弾性率は例えば重合条件(分子量と架橋度
のバランス)等によって達成することができる。ゲル弾
性率は吸水性樹脂の膨潤ゲルに一定の荷重(応力)をか
けたときの瞬間圧縮変形量によって決められる弾性率の
ことであり、測定法は後記する。本発明のマットに用い
る吸水性樹脂の使用量は、吸水時に適度な大きさに膨張
するために、好ましくは20〜2,000g/m2であ
り、特に好ましくは40〜800g/m2である。
【0035】本発明のマットを形成する袋状の布は、通
気度が通常0.1〜30cm3/cm2・secであり、
好ましくは0.3〜25cm3/cm2・secであり、
より好ましくは0.5〜20cm3/cm2・secであ
り、特に好ましくは1〜8cm3/cm2・secであ
る。通気度が0.1cm3/cm2・sec未満であると
吸水性樹脂が吸収した水分が布を通して徐々に気化する
気化速度が遅すぎて保冷効果が不十分である。また、布
の通気度が30cm3/cm2・secを超えると、吸水
前の吸水性樹脂粉末が外部にこぼれたり、吸水後の吸水
性樹脂の水分の気化速度が速すぎて保冷持続時間が短く
なる。
【0036】また、上記の通気度の範囲内であっても、
布の通気度が0.1〜1cm3/cm2・secであると
気化速度が比較的ゆっくりであるので比較的保冷持続時
間が長くなるという効果を奏するので好ましい。布の通
気度が8〜30cm3/cm2・secであると気化速度
が比較的速く、保冷効果が優れるので好ましい。また、
両者の中間の1〜8cm3/cm2・secであると保冷
効果と保冷持続時間が比較的バランスがとれたものとな
るので好ましい。
【0037】布としては織布、編布、不織布が挙げられ
るが、好ましいのは織布である。素材は特に限定はな
く、例えば綿、レーヨン、ポリエステル、アクリル、ナ
イロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等、及びそれら
の混紡が挙げられる。この中で、綿、ポリエステル、及
びその混紡が好ましい。綿又は綿を主とする混紡の場合
は、精錬後に目潰し加工された繊維密度200本/イン
チ以上の、好ましくは200〜280本/インチの布で
ある。混紡の場合の綿の割合は好ましくは60質量%以
上、特に好ましくは70質量%以上である。綿は精練前
は汚れ等により疎水性であるが、本質的に親水性であ
り、精練によって親水性が発揮されるとともに、高密度
のものを目潰し加工することにより、通気度を上記の範
囲に容易に調整することができるからである。ポリエス
テルの場合も繊維密度は上記と同じものが好ましい。ま
たポリエステルは耐水、耐薬品生が優れ、カビが生えに
くいという利点があり、コストも比較的安価であり好ま
しい。また、布には必要に応じて他の処理加工をしても
良い。例えば親水性処理、抗菌性処理、防虫処理等があ
る。
【0038】また、本発明には吸水性樹脂に加え必要に
応じて抗菌剤、防虫剤、殺菌剤、消臭剤、芳香剤、動物
が好むような臭いの成分、動物が咬むと嫌がるような成
分、ブロッキング防止剤(例えばシリカ、タルク、酸化
チタン、炭酸カルシウム等の無機系ブロッキング防止
剤、粒径100μ以下のポリウレタン樹脂、エポキシ系
樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂等の有機系ブロ
ッキング防止剤等)、界面活性剤、他の吸収剤(パル
プ、綿、シリカゲル等)を添加することができる。添加
量は吸水性樹脂の吸収を妨げない範囲であれば特に限定
はないが、好ましくは吸水性樹脂100重量部に対して
50重量部以下、更に好ましくは10重量部以下であ
る。更に、布は、通気度の大きい外袋で覆うと良い。そ
うすれば機械的に補強されるし、外袋に自由に装飾でき
るからである。外袋の材質、形状については特に限定は
ない。
【0039】マットは、中に吸水性樹脂が封入された袋
状の布であり、袋状にするための接合手段として、特に
限定されないが、例えば縫製、ヒートシール、接着剤、
熱融着テープを布と布との間に介在させて熱により融着
する方法等がある。好ましくは縫製とヒートシールであ
る。マットの大きさは、使用する動物の大きさにより決
まるが、好ましくは100cm2〜20,000cm2
あり、より好ましくは400cm2〜5,000cm2
あり、形状は特に限定はなく、正方形、長方形、円形、
楕円形等がある。
【0040】また、前記布は、内部空間が複数に、好ま
しくは2〜8個に分割されるように上下間で縫合やヒー
トシール等されており、分割された各々の空間に単位広
さ当たり均等に吸水性樹脂が充填されていると良い。こ
れによって、吸水性樹脂が袋内の一側に偏るのを防止で
きるからである。また、吸水性樹脂の偏りを防ぐため
に、吸水性樹脂の代わりに不織布等の基材に吸水性樹脂
を塗工したシートを布袋の中に入れたり、布袋を作成す
るときに2枚の布の間に挟んで縫製してマットを作成し
ても良い。マットの周辺には、吸水性樹脂の粉落ちを防
止するため端を折り曲げて縫製したり、必要によりヘム
を取り付けて縫製しても良い。また、縫い目からの粉落
ちしを防止するために、細い針と細い糸を使用すること
が好ましい。また必要により縫い目を後から樹脂加工等
により目つぶしすることもできる。
【0041】本発明の吸水性樹脂入りマットは保冷マッ
トとして通常1シーズン使用されるが、使用した後、廃
棄せずに吸水性樹脂を回収してさらに植物体育成用保水
剤として再利用できる。本発明の吸水性樹脂入りマット
に供せられる吸水性樹脂(A)は、カルシウムイオン吸
収量が乾燥重量1gあたり0〜100mgであり、且
つ、25℃のイオン交換水中での吸水倍率が10〜1,
000倍であるので、また好ましくは塩素イオンの含有
量が乾燥重量1gあたり0.07〜7mmolであるの
で、植物体の発根阻害ないしは根の伸長阻害にならず、
いわゆる「カルシウムイオン欠乏症」が生じない植物体
育成用保水剤として利用できるものである。従来の吸水
性樹脂は吸水するものの植物に水を供給する能力が乏し
く、多く使用すると植物体の発根阻害ないしは根の伸長
阻害が生じるので、回収して植物体育成用保水剤として
使用出来なかった。
【0042】使用済の本発明の吸水性樹脂入りマット中
の吸水性樹脂は回収して、中のゲル状物をそのまま土に
混ぜて使用することが出来るし、一旦乾燥して土に混ぜ
使用することもできる。その際にはさらに吸水性樹脂
(A)を混合してもよいし、担体(D)と混合して使用
してもよい。また、植物体育成用保水剤として通常添加
される添加剤を添加してもよい。そのままゲル状物を土
と混ぜる場合の配合比は、ゲル中の(A)の濃度、土の
種類等によっても異なるが、質量比で好ましくは1/9
9〜90/10であり、より好ましくは2/98〜50
/50である。担体(D)と混合して使用する場合は、
(A)の種類、(D)の種類、植物の最適水分量により
種々変化しうるが、(回収したゲル状物を乾燥したもの
(G)と新たな(A)との合計量)/(D)との比率は
重量比で、好ましくは0.1:99.9〜80:20、
より好ましくは5:95〜70:30、特に好ましくは
10:90〜65:35である。(G)と(A)の合計
量が0.1以上では保水能力が十分となり、80以下で
使用する場合は成形性が良好で経済的な観点からも好ま
しい。
【0043】ここで、使用される担体(D)としては、
植物体育成用に適する物質として一般的に使用されてい
るものでよく、特に制限されない。植物体育成用に適す
る物質としては、例えば無機物質及び/又は有機物質等
の粉末、多孔体、ペレット状、繊維状及び発泡体等の水
不溶性の固状のものが使用できる。後で述べる各種添加
剤は除く。無機物質としては、無機質粉体(土壌、砂、
フライアッシュ、珪藻土、クレー、タルク、カオリン、
ベントナイト、ドロマイト、炭酸カルシウム、アルミナ
等);無機質繊維(ロックウール、ガラス繊維等);無
機質多孔体[フィルトン(多孔質セラミック、くんた
ん)、バーミキュライト、軽石、火山灰、ゼオライト、
シラスバルーン等];無機質発泡体(パーライト等)等
が挙げられる。
【0044】有機物質としては、有機質粉末[ヤシガ
ラ、モミガラ、ピーナッツの殻、ミカンの殻、木くず、
木粉、ヤシの実乾燥粉体、合成樹脂粉末(ポリエチレン
粉末、ポリプロピレン粉末、エチレン−酢酸ビニル共重
合体粉末等)等];有機質繊維[天然繊維〔セルロース
系のもの(木綿、オガクズ、ワラ等)及びその他、草
炭、羊毛等〕、人造繊維(レーヨン、アセテート等のセ
ルロース系等)、合成繊維(ポリアミド、ポリエステ
ル、アクリル等)、パルプ〔メカニカルパルプ(丸太か
らの砕木パルプ、アスプルンド法砕木パルプ等)、ケミ
カルパルプ(亜硫酸パルプ、ソーダパルプ、硫酸塩パル
プ、硝酸パルプ、塩素パルプ等)、セミケミカルパル
プ、再生パルプ(例えばパルプを一旦製紙して作った紙
の機械的破砕又は粉砕物、又は故紙の機械的破砕または
粉砕物である再生故紙パルプ等)等〕、その他廃材(紙
オムツの製造より出る廃材等)等];有機質多孔体(ヤ
シ殻活性炭等);有機質発泡体[穀物、合成樹脂又はゴ
ムの発泡体(ポリスチレン発泡体、ポリビニルアセター
ル系スポンジ、ゴムスポンジ、ポリエチレンフォーム、
ポリプロピレンフォーム、ウレタンフォーム等)等];
有機質ペレット[ゴム及び合成樹脂のペレット等]等が
挙げられる。上記の植物体育成用担体は、単独で、ある
いは必要に応じて2種類以上の併用が挙げられる。これ
らのうち好ましいものは、無機質多孔体、無機質発泡
体、有機質繊維、ゴム及び合成樹脂である。発泡体の密
度は0.01〜1g/cm3である。
【0045】ゴム及び/又は合成樹脂については一般的
に使用されているものでよいが、具体例としては下記の
ものが挙げられる。ゴムとしては、例えば、通常の天然
ゴム(NR)のほか、スチレンブタジエンゴム(SB
R)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム、ブチ
ルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム、エチレン
プロピレン非共役ジエンゴム、ポリクロロプレンゴム
(CR)、ニトリルゴム、アクリロニトリルーブタジエ
ンゴム等が挙げられる。合成樹脂としては、熱可塑性樹
脂又は熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂として
は、軟質、硬質をとわず、例えばエチレン−酢酸ビニル
共重合体もしくはそのケン化物、エチレン−アクリル酸
塩共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、
クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、
ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、
オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系
樹脂等が挙げられるが、吸水によって容積が膨潤し得る
程度の柔軟性を有するものが好ましく、硬質のものを使
用するときは適当な可塑剤を用いて柔軟性を付与するこ
とが好ましい。
【0046】ウレタン系樹脂としては、ポリオール、ジ
イソシアネート、鎖延長剤をバルク重合あるいは溶液重
合することにより得られる直鎖状のポリウレタンをペレ
ット化して押し出し成形、或いは射出成形するか溶液重
合により得られたポリウレタン溶液を賦形して溶液を揮
発除去するか、或いは凝固浴と接触させて凝固せしめる
方法により製造されている。スチレン系樹脂としては、
例えば、スチレン重合体、スチレン−ブタジエン−スチ
レンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−
スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロ
ピレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。塩
化ビニル系樹脂としては、例えば、高重合度塩化ビニル
樹脂、部分架橋塩化ビニル樹脂、ニトリルゴム(NB
R)、ウレタン樹脂あるいはポリエステル樹脂等と塩化
ビニル樹脂とのブレンド物、ウレタン−塩化ビニル共重
合体、ニトリルゴム(NBR)−塩化ビニル共重合体等
が挙げられる。オレフィン系樹脂としては、例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンゴ
ムとポリオレフィンとの混合物、エチレン−プロピレン
ゴムにポリオレフィンをグラフト化した重合体等が挙げ
られる。
【0047】ポリエステル系樹脂としては、例えば、芳
香族ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体、芳
香族ポリエステル−脂肪族ポリエステルブロック共重合
体等が挙げられる。ポリアミド系樹脂としては、例え
ば、ポリエーテル−ポリアミドブロック共重合体、ポリ
エステル−ポリアミドブロック共重合体等が挙げられ
る。これらの熱可塑性樹脂及びゴムの分子量は特に制限
はないが、軟化点は好ましくは30〜300℃であり、
より好ましくは40〜200℃であり、特に好ましくは
50〜150℃である。これらはそれぞれ単独、もしく
は2種以上混合して用いることができる。熱硬化性樹脂
としては、例えばホルマリン縮合樹脂系、エポキシ樹脂
系、ウレタン樹脂系等が挙げられる。ホルマリン縮合樹
脂系としては、尿素樹脂(尿素とホルマリンとの反応
物)、メラミン樹脂(メラミンとホルマリンとの反応
物、フェノール樹脂(フェノールとホルマリンとの反応
物)、レゾシノール樹脂(レゾシノールとホルマリンと
の反応物等が挙げられる。
【0048】エポキシ樹脂系としては、末端に反応性の
エポキシ基を持つ分子量数百から約一万のオリゴマーと
適当な硬化剤と組み合わせ、硬化させることで製造さ
れ、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリ
シジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エ
ポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂(エ
ポキシ当量;65〜1000)と硬化剤(ポリアミン、
酸無水物、ポリイソシアネート、ポリオール、ポリメル
カプタン類等)との反応物(エポキシ基と各官能基との
比率はモル比で1:10〜10:1)等が挙げられる。
【0049】ウレタン樹脂系としては、直鎖状のポリエ
ステル、ポリエーテル又はポリエステルアミドをベース
とし、ポリイソシアネートを反応させてNCO末端プレ
ポリマー(NCO%:1〜10%)を作り、鎖延長剤に
より高分子化し、熱又は適当な架橋剤により硬化せしめ
るプレポリマー法及びポリオール、ジソシアネート、鎖
延長剤、架橋剤を同時に混合して反応せしめるポリウレ
タンを得るワンショット法(イソシアネート/ポリオー
ル等の活性水素=0.8/1〜10/1)により製造さ
れ、注型法、混練法で成形される。
【0050】上記、ゴム及び熱可塑性樹脂の数平均分子
量は、通常1万以上、好ましくは2〜100万である。
又、熱硬化性樹脂の硬化前の数平均分子量は、通常10
万以下、好ましくは、5万以下である。数平均分子量は
ゲルパーミエーション(GPC法)で測定できる。又、
(D)の形態の大きさについては制限がないが、これら
の粉末の粒子径(長径)は通常1〜800μ、好ましく
は5〜200μであり、多孔体、繊維および発泡体の大
きさは通常0.001〜20mm、好ましくは0.01
〜10mmである。ペレットは通常1〜1,000mm
である。
【0051】さらに担体(D)を使用するときに結合剤
(E)を用いてもよい。(E)としては、一般的に使用
されているものでよく、水溶性、非水溶性を問わず、い
ずれであっても使用することができる。該(G)は通常
の状態ではいくらかは含水しており、それ自身接着性を
有するものであるが、(G)の水分状態、形状、比重等
により(G)と(D)との造形効果を高めるために必要
により結合剤(E)を用いる。(E)の形状は特に制限
はないが、25℃における粘度が100万以下、好まし
くは10万以下の流動性を有する状態で使用されるもの
であり、例えば溶剤及び/又は水に溶解又は分散したも
の等が好適に使用出来る。又、成形方法によって適時結
合剤を選択使用でき、例えば天然高分子、半合成高分
子、合成樹脂及び合成ゴム等が挙げられる。(後述する
添加剤は除く)
【0052】熱可塑性樹脂や溶剤可溶又は分散が可能な
ものとしてはゴム及び合成樹脂が挙げられる。ゴム及び
合成樹脂の例としては前記の(D)と同じものが挙げら
れる。本発明において必要により使用する(D)と
(A)を結合する役目をもつ結合剤(E)の量は、固形
分で(A)と(D)の合計量に対し通常0〜20重量
%、好ましくは0.5〜15重量%である。
【0053】回収したゲル状物を再利用する場合、ゲル
状物に含まれている含水量が不明なため一旦ゲル状物を
乾燥させて水分を取り除いた後使用する場合、回収した
ゲル状物の乾燥物(G)を使用して(D)を使った植物
体育成用保水剤を製造する方法としては、例えば(i)上
記(G),(D)及び必要により(E)の撹拌混合物を
適当な形、大きさの型の中でペレット状に加圧成形する
方法、(ii)混合物を加圧成形し、適度な大きさに裁断・
粉砕する方法、(iii)上記(i)で得られた裁断・粉砕物の
表面に(A)及び必要により(E)をまぶした後に再度
加圧成形し、裁断・粉砕する方法、(iv)(iii)の加圧成
形前の物を適当な形、大きさの型の中でペレット状に加
圧成形する方法、(v)一旦シート状、棒状あるいはブロ
ック状に加圧成形した後、適当な大きさに裁断又は粉砕
する方法、(vi)混合物をシート状、棒状或いはブロック
状に加熱成形した後、裁断又は粉砕する方法、(vii)混
合物を適当な形、大きさの型の中でペレット状に加熱成
形する方法、(viii)混合物をシート状、棒状或いはブロ
ック状に発泡した後、裁断又は粉砕する方法等が挙げら
れる。上記方法の中にさらに必要により発泡させても良
い。又、(G),(D)及び必要により(E)の混合の
際に(G)(D)(E)の合計量の1〜50%の水を加
えゲルを増粘させて混合させても良い。これらの方法の
中で好ましくは、(ii)、(vi)、(vii)、(viii)である。
【0054】上記の方法で得られる再利用の植物体保水
剤は、成形体がペレット状の加圧成形体、該シート状、
棒状若しくはブロック状の加圧成形体の裁断物又は粉砕
物、該シート状、棒状若しくはブロック状の加熱成形体
の裁断物又は粉砕物、ペレット状の加熱成形体、該シー
ト、棒状若しくはブロック状の発泡体の裁断物又は粉砕
物からなる群より選ばれる植物体育成用保水剤である。
好ましくは該シート状、棒状若しくはブロック状の加圧
成形体若しくは加熱成形体の裁断物又は粉砕物、成形体
がペレット状の加圧成形体該シート、棒状若しくはブロ
ック状の発泡体の裁断物又は粉砕物である。
【0055】本発明の再利用吸水性樹脂の発泡体を得る
際に、上記(D)が熱可塑性樹脂及びゴムの場合、
(G)、(D)に発泡剤、さらに必要ならば発泡促進剤
又は発泡抑制剤を調合した後、加熱発泡することにより
製造される。使用される発泡剤としては、ジアゾアミノ
誘導体、アゾニトリル、アゾジカルボン酸誘導体、ジニ
トロペンタメチレンテトラミン(DPT)、ベンゼンモ
ノヒドラゾール、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラ
ジド(OBBH)、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニ
ウム、プロパン、石油エーテル等が挙げられ、発泡体の
発泡倍率により、または用途により異なるが、(D)1
00質量部に対して1〜80質量部の範囲が望ましい。
又、(G)と(D)との混合物を調製する際に必要なら
ば、可塑剤、安定剤、滑剤、充填剤、着色剤、難燃剤、
帯電防止剤又は防カビ剤等を混合してもよい。又、
(D)としてゴムを用いる場合には加硫剤、加硫促進
剤、加硫助剤あるいは活性剤等のゴム薬品、ゴム補強
剤、粘着賦与剤、加工助剤、酸化防止剤、赤外線吸収
剤、(オゾン)老化防止剤等を混合してもよい。配合量
は(D)100質量部に対して0.01〜10部であ
る。尚、発泡は通常の一段発泡又は二段発泡によって行
われる。得られる発泡体の密度は、特に限定されるもの
ではない。
【0056】上記(D)が熱硬化性樹脂の場合、例え
ば、(G)を含有するウレタン樹脂の発泡は、通常のウ
レタンフォームを製造する際に予め(G)と(D)が混
合されていればよく、通常のウレタンフォームを製造す
るのと同様の操作で製造できる。通常のポリウレタンフ
ォームは、ポリイソシアネートとポリヒドロキシル化合
物とを発泡剤及び適当な助剤の存在下に一段階に反応せ
しめるワンショット法によって、或いは過剰量のポリイ
ソシアネートとポリヒドロキシル化合物とを反応せしめ
て得られるプレポリマーと水とを適当な助剤の存在下に
反応せしめるトータルプレポリマー法によって、或いは
過剰量のポリイソシアネートとポリヒドロキシル化合物
とを反応せしめて得られるプレポリマーと追加量のポリ
ヒドロキシル化合物とを発泡剤及びその他の適当な助剤
の存在下に反応せしめるセミプレポリマー法等によって
得られる。ここに発泡剤とは水の如き反応性の発泡剤の
他、低沸点ハロゲン化炭化水素の如き非反応性の発泡剤
を含む。その他の助剤とは触媒、発泡調整剤(泡安定
剤)、着色剤等を意味する。
【0057】上記の混合する装置は、混合物を均一に混
合できるものであればいかなる装置でも良く、例えばヘ
シェルミキサー、リボンブレンダー、プラネタリーミキ
サー、タンブラー、万能混合機等が挙げられる。又、混
合物を混練するには、例えば2軸押出機、単軸押出機、
コニーダー、バンバリーミキサー、ニーダー、オープン
ロール等の加熱しながら剪断力下混練できる装置があ
る。加圧成形方法の場合は、例えば乾式加圧成形法、直
接粉末加圧成形法、湿式加圧成形法等が挙げられる。加
圧成形はロール式加圧成型機(ブリケットマシーン
等)、ピストン式加圧成型機、スクリュー式加圧成型
機、目皿押し出し式成型機(ディスクペレッター等)等
を用いて行うことができる。上記加圧成型機のうち好ま
しいのはロール式加圧成型機及び/又は目皿押し出し式
成型機である。又、加圧成形時の加圧は通常常温下で行
うが、加熱(例えば30〜300℃)下で行っても差し
支えない。加圧成形時の圧力は基材の種類、大きさ(粒
度)、性質等に合わせて適当に選ぶことができるが、通
常1〜3000kg/cm2、好ましくは10〜2,0
00kg/cm2である。得られた加圧成形物の形状は
任意でよく、たとえばシート状、球状、円筒状、板状、
塊状、直方体状、円錐状、角錐状、棒状等の種々の形状
が挙げられる。これらの大きさは例えばシート状の場合
は厚さ0.1〜30mm、球状〜棒状の場合は最大径
0.1〜30mmである。裁断物の大きさは任意でよ
く、又、粉砕物の大きさは通常0.001〜20mm、
好ましくは0.01〜10mmである。裁断は公知の方
法で良く例えばカッター、ペレタイザー等を使用して行
い、粉砕も公知の方法で良く、例えば衝撃粉砕機(ピン
ミル、カッターミル、スキレルミル、ACMパルペライ
ザー、遠心粉砕機等)や空気粉砕機(ジエットミル等)
等を用いて行う。
【0058】加温及び/又は乾燥成形方法の場合は、例
えば押し出し成形、プレス成形、押し出し成形とプレス
成形の併用、遠心成形等各種の方法が適用でき、特に制
限はない。代表例として、押し出し成形方法の場合は、
本発明の混合物を用い、スクリュー型真空押し出し成型
機、スクリュー型押し出し成型機、プランジャー型押し
出し成型機等で、その先端に付けたダイス等を通して所
望の形に押し出し成形し、切断機又は粉砕機を用いて所
望の長さ、大きさに切断、粉砕する。押し出し成形され
た混合物は、その後加熱及び/又は乾燥を行って目的の
成形物が得られる。上記乾燥方法は公知の方法でよく、
例えば透気乾燥(バンド乾燥等)や通気乾燥(循風乾燥
等)、接触乾燥(ドラムドライヤー乾燥等)、減圧乾燥
を行う方法等を例示することができる。又、加温及び/
又は乾燥成形時の温度は基材の種類、大きさ(粒度)、
性質等に合わせて適当に選ぶことができるが、通常30
〜300℃、好ましくは50〜200℃である。上記に
おいて乾燥は通常大気圧下で行うが、減圧(750〜5
mmHg)下で行っても差し支えない。得られた加熱及
び/又は乾燥成形物の形状は加圧成形の場合と同じであ
る。乾燥物の含水量は10%以下であり、好ましくは7
%以下である。
【0059】また、再利用の植物体育成用保水剤に、必
要に応じて、肥料、農薬、殺虫剤、殺菌剤、消臭剤、芳
香剤、防かび剤、防腐剤、ブロッキング防止剤、界面活
性剤等の薬剤を併用することができる。これらの薬剤は
植物体育成用保水剤中に存在していればよく、あらかじ
め植物体育成用担体及び/又は吸水性樹脂に添加してお
いてもよく、あるいは成形工程の前後において添加して
もよい。この保水剤は、着色されていても着色されてい
なくてもよいが、視覚的な効果から顔料および/又は染
料により着色されていることが好ましい。
【0060】再利用の植物体育成用保水剤の使用方法と
しては、栽培床材料として単独で使用してもよいし、土
壌等の栽培床材料と混合する方法、植物に対して離れた
特定箇所に投入する方法、栽培床の適当な深さに層状に
埋没する方法が挙げられるが、一般的に播種周辺部、根
系発達部、土壌表層部に投入することができる。即ち、
再利用の植物体育成用保水剤を用いて、保水層又は保水
塊を形成させ栽培植物に保持された水分が有効に利用さ
れるならば、土壌のいかなる場所でも良い。又、本発明
の植物体育成用保水剤を植生帯、植生マット、植生袋、
植生盤等の資材に組み込んで使用することもできる。再
利用の植物体育成用保水剤は、水又は水溶液(例えば、
肥料成分を水に溶解させた水性液)を吸収して、植物体
育成用保水剤の質量に対して、好ましくは5〜200
倍、より好ましくは10〜100倍に膨潤する性質を有
するものである。架橋ないし網目構造中に保持された
「分散液体」は、水を主要成分として含む液体である限
り、特に制限されない。より具体的には例えば、分散液
体は、水自体であってもよく、また、水溶液(例えば、
水溶性肥料等が溶解した水溶液)及び/又は含水液体
(例えば、水と1価ないし多価アルコール等の混合液
体)のいずれであってもよい。
【0061】
【実施例】以下の各実施例及び比較例において、各物性
測定方法及び評価の基準は次の通りである。なお、[吸
水量][保水量][水可溶性成分含量]は純水に対する
ものであり、[ゲル強度][ゲル弾性率]は生理食塩水
に対するものである。
【0062】[吸水量]250メッシュナイロンネット
製、サイズ10×20cm、ヒートシール幅5mm以内
のティーバッグと、純水を準備する。吸水性樹脂をJI
S標準篩いでふるい分けし、30〜100メッシュの粒
径のものを採取して測定試料とする。試料0.20gを
ティーバッグへ投入し、それを純水中に、ティーバッグ
の底から約15cmを浸す。1時間放置後にティーバッ
グを引き上げ、垂直に吊るして15分間水切りする。重
量(Ag)を測定する。試料を入れない空ティーバッグ
を使用して同様の操作を行い重量(Bg)を測定する。
測定は各3回行い平均する。吸水量(g/g)=(A−
B)/0.2より計算する。
【0063】[保水量]150G(1100rpm、r
=10cm)の遠心力が発揮できる遠心分離器を準備す
る。遠心分離器に吸水量測定後の試料入りティーバッグ
をセットし、それと対角線上に空ティーバッグをセット
し、150G×90秒遠心分離する。各々のティーバッ
グの重量を測定し、保水量(g/g)=(A−B)/
0.2より計算する。
【0064】[水可溶性成分含量]試料10.00gを
吸水量に対して過剰量の純水に入れ、24時間攪拌す
る。その後、液を濾過し母液をエバポレーターで濃縮し
た後、120℃の恒温槽で蒸発乾固させる。測定に使用
した試料の量に対する蒸発残分の割合を重量%で計算す
る。
【0065】[ゲル強度]あらかじめ吸水性樹脂の生理
食塩水に対する吸液量(Mg/g)を上記吸水量測定時
と同じティーバッグ法(JIS K7223-1996)にて測定し
た。[(M×0.75)−1]gの生理食塩水を100
ccのビーカーに採り、600rpsで攪拌しながら1
gの吸水性樹脂(60〜100メッシュ)を添加して均
一に吸収させ、表面が平滑な吸液ゲルを作製する。この
吸液ゲルを25℃に保温し、下記の条件で、ネオカード
メーター(飯尾電機社製、M302型)を用いてゲル強
度を測定した。 荷重 : 200g 感圧軸の直径 : 8mmφ 感圧軸の降下速度: 0.36cm/秒
【0066】[ゲル弾性率]26〜30メッシュの篩い
で篩別した吸水性樹脂を生理食塩水で50倍に膨潤さ
せ、クリープメーターで測定する。コンピューターのク
リープ解析プログラムにより下記測定条件に設定する。 初期高さ(H0)の条件設定:0.01mm 圧縮時高さ(H0−h1)の測定条件:0.01mm 荷重(応力):30g プランジャー降下速度(初期高さ測定時及び圧縮
時):1mm/sec 断面積 支持テーブルの中央に膨潤サンプル0.20±0.10
gを平坦(一層になるように)に置き、測定する。測定
は3回行い平均する。弾性率は下式によって求める。 弾性率 E0=P0/h1/H0 (N/m2) ここで、応力 P0=F×98/S (N/m2) 荷重 F=30g 断面積 S=V0/(H0−h1) サンプル体積 V0=サンプル重量W0 ∴ 弾性率 E0=2940×H0×(H0−h1)/W0
×h1
【0067】[通気度]JIS L−1096に基づく
通気性テストをフラジール型織物通気度試験機によって
行い、布に対する通過空気量(cm3/cm2・sec)
を通気度とした。
【0068】[評価基準] (吸水時間)・・・2リットルの水(水温25℃)の入
ったたらいに吸水性樹脂入りマットを浸し、全量吸水す
るまでに要した時間を吸水時間とした。 (ヌメリ試験)・・・上記一定量まで吸水した吸水性樹
脂入りマットを手の指で力を入れてつまみ、その時のヌ
メリ感を調べた。 (安定性試験)・・・上記一定量まで吸水した吸水性樹
脂入りマットの上に、大型犬に相当する25kgの水の
入ったバケツを24時間載せて、その間にゲルのはみ出
し及び離水の有無を調べた。 (表面温度)・・・上記一定量まで吸水した吸水性樹脂
入りマットを、温度32℃、湿度60%の室内に放置
し、マットの表面には温度センサーを取り付けて、1時
間後のマット表面温度を測定した。 (保冷持続期間)・・・・・上記一定量まで吸水した吸水
性樹脂入りマットを、温度32℃、湿度60%の室内に
放置し、水分が気化してマットの重量が1/2になった
ときの期間(日数)を調べた。
【0069】製造例1 1Lのビーカーに、アクリル酸230g、48%の水酸
化ナトリウム水溶液133g、ペンタエリスリトールト
リアリルエーテル1.0g、及び水636gを添加し1
0℃に冷却した。この溶液を、断熱重合槽に入れ、窒素
を通じて溶液の溶存酸素を0.1ppm(オリエント電
気社製、商品名溶存酸素計 DO220PBで測定)と
した後、35%の過酸化水素水0.023g、L−アス
コルビン酸0.00575g、および過硫酸カリウム
0.23gを添加した。該添加後、約30分で重合反応
が開始し、約2時間後に最高温度72℃に到達した。更
に、この温度で5時間熟成させて重合を完結させた。得
られた重合体は、含水ゲル状を有していた。この重合体
をニーダー(入江商会社製、商品名BENCH KNEADERPN
V−1;回転数70rpm)で約2時間撹拌して細断
し、更に50%の塩化カルシウム水溶液35.5gを配
合し、ニーダーで約2時間撹拌して混合した。引き続き
110℃で加熱乾燥した後、粉砕して平均粒径370ミ
クロン(日機装社製、商品名:マイクロトラックFRA
粒度分析計で測定)であって、カルシウムイオン吸収量
85.4(mg/g)、塩素イオン含有量1.6(mm
ol/g)、吸水倍率309(g/g)、ゲル強度3
0,000(dyne/cm2)、ゲル弾性率10.3
×103(N/m2)、水溶性成分含量3.0(%)、保
水量/吸水量比0.8の吸水性樹脂(A)を得た。
【0070】製造例2 市販の吸水性樹脂(三洋化成工業社製,商品名:サンフ
レッシュST−500D)10gを4Lの蒸留水で膨潤
させたところに、1LのCaCl2溶液(Ca含有1
g;濃度0.28%)を加え、よく撹拌した。時々撹拌
しながら2時間ほど放置し、網(メッシュの細かさ:ナ
イロンメッシュ濾過布、250メッシュ、安積濾紙社
製、商品名N−No250HD)でゲルを濾し取った
後、乾燥器(120℃)中で1時間乾燥させた。乾燥
後、乳鉢で粉砕しゲル粉末とし、平均粒径330ミクロ
ン、カルシウムイオン吸収量62.9(mg/g)、塩
素イオン含有量0.6(mmol/g)、吸水倍率24
4(g/g)、ゲル強度35,000(dyne/cm
2)、ゲル弾性率11.0×103(N/m2)、水溶性
成分含量3.0(%)、保水量/吸水量比0.75の吸
水性樹脂(A)を得た。
【0071】製造例3 1リットルのビーカーにアクリル酸0.29g(0.0
4mol)に48%の水酸化ナトリウム水溶液0.33
g、50%アクリルアミド水溶液278.4g(1.9
6mol)、水278gを添加し、5℃に冷却した。こ
の溶液を、断熱重合槽に入れ、窒素を通じて溶液の溶存
酸素量を0.1ppmとした後、35%の過酸化水素水
0.0001g、L−アスコルビン酸0.00005g
及び4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッ
ド)0.025gを添加した。約30分後重合が開始
し、約5時間後に最高到達温度約75℃に到達して重合
が完結して、含水ゲル状の重合物が得られた。このゲル
を、ミートチョッパーで細分化した後、バンド乾燥機
(透気乾燥機、井上金属株式会社製)を用いて120℃
で1時間乾燥し、粉砕して平均粒径500ミクロンの未
架橋の乾燥粉末を得た。この未架橋の乾燥粉末100g
をステンレスのバットに3mmの厚みで入れ、160℃
の循風乾燥機で120分加熱して熱架橋させて、カルシ
ウムイオン吸収量3.3(mg/g)、塩素イオン含有
量0(mmol/g)、吸水倍率55(g/g)、ゲル
強度40,000(dyne/cm2)、ゲル弾性率
9.8×103(N/m2)、水溶性成分含量3.5
(%)、保水量/吸水量比0.8の吸水性樹脂(A)
を得た。
【0072】実施例1 通気度4cm3/cm2・sec、サイズ40×40c
m、綿100%の白布を2枚、同じサイズで通気度30
cm3/cm2・secの染色した布を2枚準備した。そ
して、白布2枚を内側、色布2枚をそれぞれ外側にして
合計4枚重ね合わせ、3辺を縫合した。又、縫合した対
向する2辺に平行な3本の線上でも縫合し、内部空間を
4等分した。分割された各空間に未縫合の辺側より上記
製造例1で得られた吸水性樹脂A15gをそれぞれ充
填し、その辺も縫合することによって吸水性樹脂入りマ
ットを製造した。
【0073】得られたマットは、図1に断面図として示
すように、上下の白布(1),(2)と、それらに囲まれた4
つの空間(3),(4),(5),(6)に均等に充填された吸水性樹
脂(7)と、白布(1),(2)を外側から補強する染色布(8),
(9)とからなる。このマットを2リットルの水に浸して
吸水させると、吸水性樹脂が吸水とともに膨張するの
で、図2に示すように全体が厚さ方向に膨らむ。このマ
ットの吸水時間は4分、ヌメリ試験によるヌメリ感はな
く、安定性試験によるゲルのはみ出し及び離水は認めら
れなかった。また、マットの表面温度は23℃であっ
た。保冷持続期間は6日であった。
【0074】実施例2 実施例1において、吸水性樹脂Aに代えて、製造例2
で得られた吸水性樹脂Aを用いた以外実施例1と同一
条件で吸水性樹脂入りマットを製造した。なお、樹脂の
平均粒径は、粉砕後に篩いに通すことによって調整され
た。マットの吸水時間は5分、ヌメリ試験によるヌメリ
感は少なく、安定性試験によるゲルのはみ出し及び離水
は認められなかった。また、マットの表面温度は23℃
であった。保冷持続期間は6日であった。
【0075】実施例3 実施例1において、吸水性樹脂Aに代えて、製造例3
で得られた吸水性樹脂Aを用いた以外実施例1と同一
条件で吸水性樹脂入りマットを製造した。なお、樹脂の
平均粒径は、粉砕後に篩いに通すことによって調整され
た。マットの吸水時間は5分、ヌメリ試験によるヌメリ
感は少なく、安定性試験によるゲルのはみ出し及び離水
は認められなかった。また、マットの表面温度は23℃
であった。保冷持続期間は6日であった。
【0076】比較例1 実施例1において、吸水性樹脂をAに替えて平均粒径
400μm、カルシウムイオン吸収量164(mg/
g)、塩素イオン含有量0(mmol/g)、吸水倍率
900倍、ゲル強度11,000(dyne/c
2)、ゲル弾性率4.7×103N/m2、水溶性成分
含量13.0%、保水量/吸水量比0.8のアクリル酸
ソーダの架橋重合体を用いた以外は実施例1と同様にし
て吸水性樹脂入りマットを作成した。マットの吸水時間
は12分、ヌメリ試験によるヌメリ感があった。安定性
試験によるゲルのはみ出し及び離水は認められなかっ
た。また、マットの表面温度は23℃であった。保冷持
続期間は6日であった。
【0077】性能評価 実施例1〜3の及び比較例1の吸水性樹脂入りマット中
のゲル状物について、植物の生長度合いの確認試験を行
った。その結果を表1に示した。
【0078】<植物の生育度合い(1)の確認試験>3
0cm×20cm×20cmのプラスチックス製のプラ
ンターに砂質土壌(例えば川砂)5kgを入れた。砂質
土壌5.0kgに吸水性樹脂入りマット中のゲル状物
(実施例1〜3、比較例1)2.0kg及び化学肥料
(窒素:リン酸:カリ=1:1:1)0.3kgを加え
十分に混合した土壌を砂質土壌の入ったプランターの上
に積層し十分灌水した後、キュウリ、大根、イネを播種
した。3日おきに100gの水道水を灌水し、14日間
の各植物の生育状況(12株の平均値)を観察した。植
物育成度合い(1)の確認試験
【0079】
【表1】
【0080】実施例4 実施例1で得られたゲル状物を120℃に温度調整した
乾燥機で3時間乾燥し、水分3.2質量%の使用済み吸
水性樹脂Bを得た。珪砂「天然珪砂4号」(粒度20
〜65mesh、土屋カオリン社製)と上記使用済み吸水性
樹脂Bを85:15の重量比で混合し、室温下、ブリ
ケットマシーン(新東工業社製)で2,000kg/c
m(線圧)に加圧して、平均粒径が約4mmの大きさの
ペレット状植物体育成用保水剤を作成した。
【0081】実施例5 実施例2で得られたゲル状物を120℃に温度調整した
乾燥機で同様に乾燥し、水分2.8質量%の使用済み吸
水性樹脂Bを得た。実施例4において、使用済み吸水
性樹脂をBに替えて使用済み吸水性樹脂Bを用いた
以外は実施例4と同様にして植物体育成用保水剤を作成
した。
【0082】実施例6 実施例3得られたゲル状物を120℃に温度調整した乾
燥機で同様に乾燥し、水分3.5質量%の使用済み吸水
性樹脂Bを得た。実施例4において「天然珪砂4
号」:「使用済み吸水性樹脂B」(配合割合が重量比
で85:15)を、「天然珪砂4号」:「使用済み吸水
性樹脂B」:「ラックスターCB−2」(スチレン・
ブタジエンゴム、大日本インキ社製)(配合割合が重量
比で85:15:1)に替えた以外は実施例4と同様に
して植物体育成用保水剤を作成した。
【0083】比較例2 比較例1で得られたゲル状物を120℃に温度調整した
乾燥機で同様に乾燥し、水分2.6質量%の使用済み吸
水性樹脂Bを得た。実施例4において、使用済み吸水
性樹脂をBに替えて使用済み吸水性樹脂Bを用いた
以外は実施例4と同様にして植物体育成用保水剤を作成
した。
【0084】植物体育成用保水剤の試験方法を次に示
す。 <植物の生育度合い(2)の確認試験>30cm×20
cm×20cmのプラスチックス製のプランターに砂質
土壌(例えば川砂)5kgを入れた。砂質土壌8.7k
gに吸水性樹脂入りマット中のゲル状物(実施例4〜
6、比較例2)1.3kg及び化学肥料(窒素:リン
酸:カリ=1:1:1)0.5kgを加え十分に混合し
た土壌を砂質土壌の入ったプランターの上に積層し十分
灌水した後、キュウリ、大根、イネを播種した。3日お
きに50gの水道水を灌水し、14日間の各植物の生育
状況(12株の平均値)を観察した。
【0085】性能評価 実施例4〜6及び比較例2の植物体育成用保水剤につい
て、植物の生長度合い(2)の確認試験を行った。その
結果を表2に示した。植物育成度合い(2)の確認試験
【0086】
【表2】
【0087】
【発明の効果】本発明の吸水性樹脂入りマットは下記の
効果を奏する。 (1)保冷効果が大きく、保冷持続期間が長いので、大
型犬等の特に暑さに弱い動物の避暑対策として有効であ
る。 (2)使用済の吸水性樹脂入りマット中の吸水性樹脂を
回収して廃棄することなく植物体育成用保水剤として再
利用することができる。 (3)再利用の植物体育成用保水剤は、植物の生育を阻
害することがなく、吸水能が優れているので、植物に十
分な水分を補給することができる。また、天然土壌に代
わり軽量な基材を使い種々の形状に加工できるので、植
え込み材料の重量を大幅に軽量化することができる。特
に、施設園芸において生産、流通が吸速に伸びているセ
ル成型苗、コミュニティーポット苗、ポット苗等の「鉢
物」用の植え込み材料として有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 吸水性樹脂入りマットの吸水前の状態を示す
断面図である。
【図2】 吸水性樹脂入りマットの吸水後の状態を示す
断面図である。
【符号の説明】
1,2 ; 布 3,4,5,6 ; 空間 7 ; 吸水性樹脂 8,9 ; 外布
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年3月3日(2003.3.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正内容】
【0084】植物体育成用保水剤の試験方法を次に示
す。 <植物の生育度合い(2)の確認試験>30cm×20
cm×20cmのプラスチックス製のプランターに砂質
土壌(例えば川砂)5kgを入れた。砂質土壌8.7k
gに植物体育成用保水剤(実施例4〜6、比較例2)
1.3kg及び化学肥料(窒素:リン酸:カリ=1:
1:1)0.5kgを加え十分に混合した土壌を砂質土
壌の入ったプランターの上に積層し十分灌水した後、キ
ュウリ、大根、イネを播種した。3日おきに50gの水
道水を灌水し、14日間の各植物の生育状況(12株の
平均値)を観察した。
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Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸水性樹脂(A)の粉末と、これを入れ
    る袋状の布からなるマットにおいて、該(A)は、カル
    シウムイオン吸収量が乾燥重量1gあたり0〜100m
    gであり、25℃のイオン交換水中での吸水倍率が10
    〜1,000倍であり、且つその平均粒径が10〜1,
    000μmであり、布は通気度が0.1〜30cm3
    cm2・secであることを特徴とする吸水性樹脂入りマ
    ット。
  2. 【請求項2】 前記(A)の塩素イオンの含有量が乾燥
    重量1gあたり0.07〜7mmolであることを特徴
    とする請求項1記載のマット。
  3. 【請求項3】 前記(A)がノニオン系吸水性樹脂及び
    /又はアニオン系吸水性樹脂であることを特徴とする請
    求項1又は2記載のマット。
  4. 【請求項4】 前記吸水性樹脂のゲル強度が10,00
    0〜50,000ダイン/cm2である請求項1〜3の
    何れか記載のマット。
  5. 【請求項5】 前記布は、内部空間が複数に分割される
    ように上下間で縫合されており、分割された各々の空間
    に単位広さ当たり均等に吸水性樹脂が充填されている請
    求項1〜4の何れか記載のマット。
  6. 【請求項6】 更に前記布を覆う外袋を備える請求項1
    〜5の何れか記載のマット。
  7. 【請求項7】 動物用の座布団又は布団である請求項1
    〜6の何れか記載のマット。
  8. 【請求項8】 使用済の前記請求項1〜7の何れか記載
    のマット中の吸水性樹脂を使用した植物体育成用保水
    剤。
  9. 【請求項9】 使用済の前記請求項1〜7の何れか記載
    のマット中の吸水性樹脂を回収して植物体育成用保水剤
    として再利用する方法。
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