JP2003157958A - 面状発熱体 - Google Patents

面状発熱体

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JP2003157958A
JP2003157958A JP2001354504A JP2001354504A JP2003157958A JP 2003157958 A JP2003157958 A JP 2003157958A JP 2001354504 A JP2001354504 A JP 2001354504A JP 2001354504 A JP2001354504 A JP 2001354504A JP 2003157958 A JP2003157958 A JP 2003157958A
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heating element
base material
impregnated layer
conductive material
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JP2001354504A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Obara
和幸 小原
Mitsuru Yoneyama
充 米山
Masayuki Terakado
誠之 寺門
Osamu Yoshida
修 吉田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、フレキシブル性と伸縮性を保持し
つつ、導電性材料からなる電極部および抵抗体材料から
なる発熱部が基材から剥離することなく、電極部および
発熱部が均一な塗布厚みを確保できる面状発熱体を提供
することを目的とする。 【解決手段】 フレキシブル性と伸縮性を有する基材5
に導電性材料からなる電極部2a、2bおよび抵抗体材
料からなる発熱部4が含浸する含浸層1と含浸しない非
含浸層2を設けることにより、導電性材料および抵抗体
材料が含浸層1だけに含浸するので、含浸度が一定とな
り塗布厚みが均一となる。また、電極部3a、3bおよ
び発熱部4と含浸層1との間にアンカー効果が発生する
ので剥離しない。さらに、非含浸層2はフレキシブル性
と伸縮性を有しているので、面状発熱体としてもフレキ
シブル性と伸縮性を保持している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気カーペット、
電気毛布、床暖房パネル、車載用シートヒーター等の電
気暖房器具に用いられる面状発熱体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の面状発熱体としては、例
えば図6に示すように、ポリエステルフィルム等の樹脂
フィルムからなる基材15と、基材15上に銀ペースト
等の導電性材料を塗布することにより形成された一対の
電極部13a、13bと、一対の電極部13a、13b
に電気的に接続するように一対の電極部13a、13b
の全体あるいは一部を覆うように自己温度制御機能を有
する抵抗体材料を塗布することにより形成された発熱部
14で構成されている。20は電源であり、21は接続
端子でハトメとメガネ端子等が使用される。22は接続
線でリード線等が使用される。
【0003】この構成において、電流は、電源20から
接続線22、接続端子21を通り、電極部13a、13
bに供給される。図7は、図6に示す面状発熱体のA−
A断面図であり、電極部13aと13bの間に生じた電
位差によって電流iが流れることにより発熱部14が発
熱するようになっている。なお、発熱部14を形成して
いる自己温度制御機能を有する抵抗体材料は、通電によ
り発熱部14の温度が上昇して、ある温度に到達すると
抵抗値が急激に増加し、発熱量を抑えて自己温度調節を
行うという特性を備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、電気カーペッ
ト、車載用シートヒーター等の電気暖房器具は、人間が
歩いたり座ったりして使用するものであり、その際に繰
り返し圧縮荷重が加わることになる。
【0005】この繰り返し圧縮荷重のため、図8のよう
に表面材23や面状発熱体24には、折り曲げあるいは
引張り等の機械的ストレスが加わるため、面状発熱体2
4にはフレキシブル性と伸縮性が要求される。しかし、
ポリエステルフィルム等を基材15として用いた従来の
面状発熱体は、フレキシブル性はある程度あるが伸縮性
はないため、上記のような電気暖房器具には不適であっ
た。
【0006】また、ポリエステルフィルム等の樹脂フィ
ルムは表面が平滑であり、電極部13a、13bおよび
発熱部14とこのポリエステルフィルム等の樹脂フィル
ムからなる基材15との接着強度が十分ではなく、折り
曲げあるいは引張り等の機械的ストレスが加わることに
より、基材15から電極部13a、13bおよび発熱部
14が剥離する可能性もあった。
【0007】これらの課題を解決する一つの方法とし
て、ポリエステルフィルム等の樹脂フィルムの代わりに
織物、編物、不織布等の繊維質材料を基材15’として
使用することが考えられる。
【0008】この織物、編物、不織布等の繊維質材料
は、図9に示すように、それを構成している繊維24間
に3次元的に空隙25を有しており、電極部13a、1
3bを形成するための導電性材料および発熱部14を形
成するための抵抗体材料を塗布すると、空隙25に導電
性材料および抵抗体材料が入り込む。
【0009】しかしながら、空隙25は均一ではなく、
大きい空隙もあれば小さい空隙もあり、途中で塞がって
いることもある。したがって、電極部13a、13bを
形成するための導電性材料および発熱部14を形成する
ための抵抗体材料が繊維質材料の厚み方向への入り込み
量、すなわち含浸度が、塗布領域の各場所によって異な
ってくる。つまり、電極部13a、13bを形成するた
めの導電性材料および発熱部14を形成するための抵抗
体材料の塗布厚みが塗布領域の各場所でばらつくという
ことになる。これによって、例えば、電極部13a、1
3bであれば、塗布厚みが薄い箇所では抵抗値が大きく
なって異常発熱したり、均一に電流iが流れなくなるの
で、発熱部14の発熱にもばらつきが発生する。また、
発熱部14であれば、厚みの薄い箇所は抵抗値が大き
く、厚みの厚い箇所は抵抗値が小さくなるため、発熱が
不均一になる課題があった。
【0010】本発明は、前記従来の課題を解決するもの
で、フレキシブル性と伸縮性を保持しつつ、導電性材料
からなる電極部および抵抗体材料からなる発熱部が基材
から剥離することなく、電極部および発熱部が均一な塗
布厚みを確保できる面状発熱体を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記従来の課題を解決す
るために、本発明の面状発熱体は、フレキシブル性と伸
縮性を有する基材に導電性材料からなる電極部および抵
抗体材料からなる発熱部が含浸する含浸層と含浸しない
非含浸層を設けたものである。
【0012】これによって、電極部を形成する導電性材
料および発熱部を形成する抵抗体材料を含浸層に塗布す
ると、導電性材料および抵抗体材料は含浸層と非含浸層
の境界面までしか含浸しない。すなわち、含浸度が一定
となるので、電極部および発熱部の塗布厚みを均一にす
ることができる。
【0013】また、導電性材料および抵抗体材料が含浸
層を構成する素材の間に含浸し、含浸層を構成する素材
を包み込むので、折り曲げや引張り等の機械的ストレス
が加わった時、アンカー(錨)効果が発生し、導電性材
料からなる電極部および抵抗体材料からなる発熱部は基
材から剥離しない。
【0014】さらに、非含浸層は基材としてのフレキシ
ブル性と伸縮性を有したままなので、面状発熱体として
もフレキシブル性と伸縮性を保持している。
【0015】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、フレキ
シブル性と伸縮性を有する基材と、前記基材の表面に導
電性材料からなる一対の電極部と、前記一対の電極部と
電気的に接続された自己温度制御機能を有する抵抗体材
料からなる発熱部とを備え、前記基材は少なくとも前記
導電性材料からなる電極部および前記抵抗体材料からな
る発熱部が含浸する含浸層と含浸しない非含浸層を設け
ることにより、電極部を形成する導電性材料および発熱
部を形成する抵抗体材料は含浸層と非含浸層の境界面ま
でしか含浸せず、含浸度が一定となるため、電極部およ
び発熱部の塗布厚みを一定とすることができる。
【0016】また、導電性材料および抵抗体材料は含浸
層を構成する素材の間に含浸し、含浸層を構成する素材
を包み込むので、折り曲げや引張り等の機械的ストレス
が加わってもアンカー効果が発生し、電極部および発熱
部は基材から剥離することがない。
【0017】さらに、非含浸層は基材としてのフレキシ
ブル性と伸縮性を有したままなので、面状発熱体として
もフレキシブル性と伸縮性を保持したままである。
【0018】請求項2に記載の発明は、特に、請求項1
に記載の基材において、含浸性材料からなる含浸層と非
含浸性材料からなる非含浸層を積層することにより、電
極部を形成する導電性材料および発熱部を形成する抵抗
体材料は、含浸層と非含浸層の境界面までしかせず、請
求項1に記載の発明と同様の作用、効果が得られる。
【0019】また、それに加えて、含浸層と非含浸層を
別々に形成したのち積層するので、含浸層を形成する際
にその厚みを精度良く形成することができ、電極部およ
び発熱部の塗布厚みの均一性をさらに向上させることが
できる。
【0020】請求項3に記載の発明は、特に、請求項1
に記載の基材が含浸性材料からなり、厚み方向の少なく
とも一部に非含浸性材料を浸透させ非含浸層を形成する
ことにより、電極部を形成する導電性材料および発熱部
を形成する抵抗体材料は、基材の厚み方向において非含
浸層以外の部分しか含浸せず、請求項1に記載の発明と
同様の作用、効果が得られる。
【0021】また、それに加えて、本発明は、基材の製
造工程として、含浸性材料で基材を形成する工程と非含
浸性材料を浸透させる工程の2工程で済むので、基材製
造が容易になる。
【0022】請求項4に記載の発明は、特に、請求項1
に記載の基材が非含浸性材料からなり、少なくとも片面
に表面処理加工によって含浸層を形成することにより、
電極部を形成する導電性材料および発熱部を形成する抵
抗体材料は、基材表面に形成された含浸層にしか含浸せ
ず、請求項1に記載の発明と同様の作用、効果が得られ
る。
【0023】また、それに加えて、表面処理加工を両面
に施し含浸層を形成することができるので、両面に発熱
体を形成することができ、両面発熱が可能となる。
【0024】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
ながら説明する。
【0025】(実施例1)図1は、本発明の第1の実施
例における面状発熱体の構成を示す断面図である。
【0026】図1において、1は不織布よりなる含浸層
であり、ポリウレタン系樹脂シートよりなる非含浸層2
とラミネートにより接着されて基材5を形成している。
【0027】この基材5の含浸層1の側から銀ペースト
からなる導電性材料を塗布し、一対の電極部3a、3b
を構成している。導電性材料は含浸層1に含浸してお
り、非含浸層2の表面まで達している。
【0028】さらに、一対の電極部3a、3bの全面あ
るいは一部を覆うようにしながら電極部3a、3bの間
に抵抗体材料を塗布し、発熱部4を構成している。抵抗
体材料も含浸層1に含浸し、非含浸層2の表面まで達し
ている。一対の電極部3a、3bは全面あるいは一部が
発熱部4で覆われているので、電気的に接続された状態
となっている。抵抗体材料は、樹脂材料にカーボンを混
合してなるPTC材料であり、発熱して温度が上昇し、
ある温度に達すると電気抵抗値が急激に増加して発熱量
を抑制する自己温度制御特性を有している。
【0029】この構成において、本実施例では、含浸層
1に代表例として不織布を使用しているが、他にもフレ
キシブル性と伸縮性を有し、かつ含浸性を有するような
素材であれば良く、具体的には、平織、綾織、朱子織等
の織物、または平編、ゴム編、パール編、タック編、浮
編、パイル編、レース編、マイヤー編等の編物、または
ベッチン、コール天、タオル、ビロード等のパイル地な
どの繊維質材料、あるいはポリウレタン系、ポリエチレ
ン系、ポリエステル系、軟質塩化ビニル系、ゴム系、さ
らにはこれらの混合系の発泡樹脂シート等が使用でき
る。
【0030】また、非含浸層2には代表例としてポリウ
レタン系樹脂シートを使用しているが、他にフレキシブ
ル性と伸縮性を有し、かつ非含浸性を有するような素材
であれば良く、具体的には、ゴム系、軟質塩化ビニル
系、またはこれらの混合系の樹脂シート、あるいはポリ
ウレタン系、ポリエチレン系、ポリエステル系、軟質塩
化ビニル系、またはこれらの混合系の独立発泡からなる
発泡樹脂シート等が使用できる。
【0031】含浸層1と非含浸層2の積層方法として
は、接着剤による接着方式、粘着剤あるいは粘着テープ
による粘着方式、押出しラミまたはフレームラミ等のラ
ミネート接着方式等がある。
【0032】また、導電性材料としては、銀ペースト、
銅ペースト、カーボンペースト等が使用できる。
【0033】導電性材料および抵抗体材料の塗布方法と
しては、オフセット印刷、タンポ印刷、フレキソ印刷、
スクリーン印刷等の印刷方式が挙げられる。
【0034】以上のように構成された面状発熱体におい
て、電極部3a、3bを形成する導電性材料および発熱
部4を形成する抵抗体材料は、塗布領域のいずれの場所
においても含浸層1と非含浸層2の境界面までしか含浸
せず含浸度が一定になるので、電極部3a、3bおよび
発熱部4の塗布厚みも一定となっている。
【0035】また、折り曲げや引張り等の機械的ストレ
スが加わった時、導電性材料からなる電極部3a、3b
および抵抗体材料からなる発熱部4を基材5から引き離
すような力が加わっても、含浸層1の不織布を構成して
いる繊維を抱きかかえる格好になっているので、アンカ
ー(錨)効果が発生し、電極部3a、3bおよび発熱部
4は含浸層1から離れることがない。また、含浸層1は
非含浸層2とラミネート方式により接着されているの
で、電極部3a、3bおよび発熱部4は基材5から剥離
することはない。
【0036】さらに、非含浸層2はポリウレタン系樹脂
シートを使っており、フレキシブル性と伸縮性を有して
いるので、基材5としてもフレキシブル性と伸縮性を有
し、面状発熱体として保持していると言える。
【0037】しかも、本実施例では、不織布からなる含
浸層1とポリウレタン系樹脂シートからなる非含浸層3
は別々に製造してからラミネートしているので、不織布
からなる含浸層1の厚みを精度良く製造することによ
り、導電性材料からなる電極部3a、3bおよび抵抗体
材料からなる発熱部4の塗布厚みはさらに均一になる。
【0038】(実施例2)図2は、本発明の第2の実施
例の面状発熱体の構成を示す断面図である。
【0039】図2において、基材5は軟質ポリウレタン
系発泡樹脂シートからなる含浸層1’をベースとしてお
り、この含浸層1’の片面から非含浸性材料であるEP
DMゴムを溶剤に溶かしてペースト状にしたものをスク
リーン印刷により塗布し、浸透させて非含浸領域7を形
成している。6は、含浸層1’のうち非含浸領域以外の
含浸領域である。
【0040】この基材5の含浸領域6側より銀ペースト
からなる導電性材料を塗布し、一対の電極部3a、3b
を構成している。この導電性材料は含浸領域6に含浸し
ており、非含浸領域7との境界面まで達している。
【0041】なお、導電性材料としては、銀ペースト以
外に、銅ペースト、カーボンペースト等も使用できる。
【0042】また、一対の電極部3a、3bと電気的に
接続するため、一対の電極部3a、3bの全面あるいは
一部を覆うようにして電極部3a、3bの間に抵抗体材
料を塗布し、発熱部4を構成している。抵抗体材料も導
電性材料と同じく含浸領域6に含浸しており、非含浸領
域7との境界面に達している。なお、抵抗体材料は実施
例1と同じく自己温度制御特性を有するPTC材料であ
る。
【0043】本実施例では、含浸層1’’に軟質ポリウ
レタン系発泡樹脂シートを使用しているが、他にもフレ
キシブル性と伸縮性を有し、かつ含浸性を有するような
素材であれば良く、実施例1と同じような繊維質材料、
あるいはポリエチレン系、ポリエステル系、軟質塩化ビ
ニル系、ゴム系、さらにはこれらの混合系の発泡樹脂シ
ート等が使用できる。
【0044】また、本実施例では、非含浸性材料として
EPDMゴムを使用しているが、他にフレキシブル性と
伸縮性を有し、かつ非含浸性を有するような素材であれ
ば良く、実施例1と同じく具体的には、EPDMゴム以
外のゴム系、軟質ポリウレタン系、軟質塩化ビニル系、
またはこれらの混合系の樹脂が使用できる。
【0045】さらに、本実施例では、非含浸性材料の浸
透方法として、EPDMゴムを溶剤に溶かしてペースト
状にしたものをスクリーン印刷により塗布しているが、
他に非含浸性材料を溶融し、例えば半田ディップ槽のよ
うに、溶融材料の入った容器中に基材5である含浸層
1’のうち非含浸性材料を浸透させたい厚み方向の部分
まで浸漬させる方法や非含浸性材料を溶剤に溶かして溶
液とし、スプレー等によって吹付ける方法等がある。
【0046】以上のように構成された面状発熱体におい
て、電極部3a、3bを形成する導電性材料および発熱
部4を形成する抵抗体材料は、平面上の塗布領域のいず
れの場所においても含浸領域6と非含浸領域7の境界面
までしか含浸していない。つまり、含浸度が一定となっ
ているので、電極部3a、3bおよび発熱部4の塗布厚
みも一定となっている。
【0047】また、折り曲げや引張り等の機械的ストレ
スが加わった時、導電性材料からなる電極部3a、3b
および抵抗体材料からなる発熱部4を基材5から引き離
すような力が加わるが、導電性材料および抵抗体材料は
軟質ポリウレタン系発泡樹脂シートのセル(発泡微小
孔)に充填しており、アンカー効果が発生するので、電
極部3a、3bおよび発熱部4は含浸領域6から離れる
ことがない。含浸領域6は基材5を構成している含浸層
1’の一部であるので、電極部3a、3bおよび発熱部
4は基材5から剥離することはない。
【0048】さらに、非含浸領域7には非含浸性材料と
してEPDMゴムを使用しているが、EPDMゴムはフ
レキシブル性と伸縮性を有しており、非含浸領域7は基
材5の一部であるので、基材5としてもフレキシブル性
と伸縮性を有していることになり、面状発熱体としても
フレキシブル性と伸縮性を保持している。
【0049】しかも、本実施例では、基材5の製造工程
は、軟質ポリウレタン系発泡樹脂シートからなる含浸層
1’を製造する工程とEPDMゴムペーストを含浸層
1’にスクリーン印刷によって塗布する工程の2工程で
あり、容易に基材5を製造することができる。
【0050】(実施例3)図3は、本発明の第3の実施
例の面状発熱体の構成を示す断面図である。
【0051】図3において、基材5はEPDMゴムシー
トからなる非含浸層2’をベースとしており、この非含
浸層2’の片面にエッチング処理加工を施して表面に微
小孔8を形成し、その部分を含浸領域6’としている。
また、含浸領域6’以外の部分を非含浸領域7’として
いる。
【0052】この基材5の含浸領域6’側より銀ペース
トからなる導電性材料を塗布し、一対の電極部3a、3
bを構成している。この導電性材料は微小孔8に充填し
ている。
【0053】なお、導電性材料としては、実施例1およ
び2と同じく銀ペースト以外に、銅ペースト、カーボン
ペースト等も使用できる。
【0054】また、一対の電極部3a、3bと電気的に
接続するために、一対の電極部3a、3bの全面あるい
は一部を覆うようにして電極部3a、3bの間に抵抗体
材料を塗布し、発熱部4を構成している。抵抗体材料も
導電性材料と同じく微小孔8に充填している。
【0055】なお、抵抗体材料は実施例1および2と同
じく自己温度制御特性を有するPTC材料である。
【0056】本実施例では、非含浸層2’にEPDMゴ
ムシートを使用しているが、他にもフレキシブル性と伸
縮性を有し、かつ非含浸性を有するような素材であれば
良く、実施例1と同じくEPDMゴム以外のゴム系、軟
質ポリウレタン系、軟質塩化ビニル系、またはこれらの
混合系の樹脂シート、あるいはポリウレタン系、ポリエ
チレン系、ポリエステル系、軟質塩化ビニル系、または
これらの混合系の独立発泡からなる発泡樹脂シート等が
使用できる。
【0057】表面処理加工として、本実施例では、エッ
チング処理加工を施しているが、他にサンドブラスト加
工、ブラシ等により表面に傷をつける加工、あるいは基
材5の表面を熱くして軟化させ、金型等で微小孔を形成
する方法等もある。
【0058】以上のように構成された面状発熱体におい
て、基材5である非含浸層2’はEPDMゴムシートよ
りできており、通常これらの樹脂シートは樹脂フィルム
と同じく表面が平滑性を有している。また、非含浸層
2’の表面に微小孔8を形成しているが、微小孔8の形
成されていない部分は元の非含浸層2’の表面であり、
平滑性を保持している。したがって、電極部3a、3b
および発熱部4をある厚みに設定して塗布すると、塗布
領域のいずれの場所においても塗布厚みは一定となって
いる。
【0059】また、折り曲げや引張り等の機械的ストレ
スが加わった時、導電性材料からなる電極部3a、3b
および抵抗体材料からなる発熱部4を基材5から引き離
すような力が加わるが、導電性材料および抵抗体材料が
微小孔8に充填されているので、アンカー効果が発生
し、導電性材料からなる電極部3a、3bおよび抵抗体
材料からなる発熱部4は基材5から剥離することはな
い。
【0060】さらに、基材5である非含浸層2’はEP
DMゴムシートでできており、フレキシブル性と伸縮性
を有しているので、面状発熱体としてもフレキシブル性
と伸縮性を保持している。
【0061】(実施例4)図4は、本発明の第4の実施
例の面状発熱体の構成を示す断面図である。
【0062】図4において、基材5はEPDMゴムシー
トからなる非含浸層2’をベースとしており、この非含
浸層2’の片面にフロッキー処理加工を施して短くカッ
トした繊維9を植毛して含浸層1''を形成している。
【0063】この含浸層1''側より銀ペーストからなる
導電性材料を塗布し、一対の電極部3a、3bを構成し
ている。この導電性材料は含浸層1''に含浸し、EPD
Mゴムシートからなる非含浸層2’の表面に達してい
る。
【0064】なお、導電性材料としては、実施例1、2
および3と同じく銀ペースト以外に、銅ペースト、カー
ボンペースト等も使用できる。
【0065】また、一対の電極部3a、3bと電気的に
接続するために、一対の電極部3a、3bの全面あるい
は一部を覆うようにして電極部3a、3bの間に抵抗体
材料を塗布し、発熱部4を構成している。この抵抗体材
料も含浸層1''に含浸し、EPDMゴムシートからなる
非含浸層2’の表面に達している。
【0066】なお、抵抗体材料は実施例1、2および3
と同じく自己温度制御特性を有するPTC材料である。
【0067】本実施例では、非含浸層2’にEPDMゴ
ムシートを使用しているが、他にもフレキシブル性と伸
縮性を有し、かつ非含浸性を有するような素材であれば
良く、実施例1や3と同じくEPDMゴム以外のゴム
系、軟質ポリウレタン系、軟質塩化ビニル系、またはこ
れらの混合系の樹脂シート、あるいはポリウレタン系、
ポリエチレン系、ポリエステル系、軟質塩化ビニル系、
またはこれらの混合系の独立発泡からなる発泡樹脂シー
ト等が使用できる。
【0068】以上のように構成された面状発熱体におい
て、電極部3a、3bを形成する導電性材料および発熱
部4を形成する抵抗体材料は、平面上の塗布領域のいず
れの場所においても含浸層1''に含浸しており、非含浸
層2’の表面までしか含浸していない。つまり、含浸度
が一定となっているので、電極部3a、3bおよび発熱
部4の塗布厚みも一定となっている。
【0069】また、折り曲げや引張り等の機械的ストレ
スが加わった時、導電性材料からなる電極部3a、3b
および抵抗体材料からなる発熱部4を基材5から引き離
すような力が加わるが、導電性材料および抵抗体材料は
含浸層1''を構成している繊維9を抱きかかえるように
含浸しているので、アンカー効果が発生し、導電性材料
からなる電極部3a、3bおよび抵抗体材料からなる発
熱部4は含浸層1''から離れることはない。そして含浸
層1''は植毛により非含浸層2’に接着しているので、
電極部3a、3bおよび発熱部4は基材5から剥離する
ことはない。
【0070】さらに、非含浸層2’はEPDMゴムシー
トでできており、フレキシブル性と伸縮性を有している
ので、面状発熱体としてもフレキシブル性と伸縮性を保
持している。
【0071】(実施例5)図5は、本発明の第5の実施
例の面状発熱体の構成を示す断面図である。
【0072】図5において、基材5はEPDMゴムシー
トからなる非含浸層2’をベースとしており、この非含
浸層2’の両面にエッチング処理加工を施して表面に微
小孔8を形成している。
【0073】この基材5の両面に銀ペーストからなる導
電性材料を塗布し、電極部3a、3bと3c、3dを構
成している。このとき導電性材料は微小孔8に充填して
いる。なお、導電性材料としては、実施例1〜4と同じ
く銀ペースト以外に、銅ペースト、カーボンペーストが
使用できる。
【0074】また、電極部3a、3b、3c、3dと電
気的に接続するために、それぞれ電極部3a、3bと3
c、3dの全面あるいは一部を覆うようにして電極部3
a、3bの間および3c、3dの間に抵抗体材料を塗布
し、基材5の両面に発熱部4、4’を構成している。
【0075】なお、抵抗体材料は実施例1〜4と同じく
自己温度制御特性を有するPTC材料である。
【0076】以上の構成からわかるように、本実施例
は、実施例3の応用例で、実施例3では片面のみに電極
部と発熱部を形成していたが、本実施例は、両面に電極
部と発熱部を形成している構成となっている。
【0077】したがって、それぞれの面においては実施
例3と同じ作用、効果が得られる。
【0078】さらに、本実施例では、ひとつの面状発熱
体において、二つの発熱部4、4’を構成しているの
で、両面発熱が可能となる。
【0079】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜4に記載の発
明によれば、フレキシブル性と伸縮性を保持しつつ、導
電性材料からなる電極部および抵抗体材料からなる発熱
部が基材から剥離することなく、電極部および発熱部が
均一な塗布厚みを確保することができるので、均一な発
熱ができ、耐久性のある面状発熱体を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における面状発熱体の構成を
示す断面図
【図2】本発明の実施例2における面状発熱体の構成を
示す断面図
【図3】本発明の実施例3における面状発熱体の構成を
示す断面図
【図4】本発明の実施例4における面状発熱体の構成を
示す断面図
【図5】本発明の実施例5における面状発熱体の構成を
示す断面図
【図6】従来の面状発熱体の正面図
【図7】従来の面状発熱体のA−A断面図
【図8】従来の面状発熱体の使用断面図
【図9】従来の面状発熱体の部分拡大図
【符号の説明】
1、1’、1’’ 含浸層 2、2’ 非含浸層 3a、3b、13a、13b 電極部 4、4''、14 発熱部 5、15 基材 6、6’ 含浸領域 7、7’ 非含浸領域 8 微小孔 9 繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60N 2/44 B60N 2/44 F24D 13/02 F24D 13/02 E H05B 3/34 H05B 3/34 (72)発明者 寺門 誠之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 吉田 修 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3B084 JA06 JF02 3B087 DE05 DE10 3B120 AB15 BA18 BA21 BA35 BC09 CA01 EA07 EA10 EB15 3K034 AA07 AA10 BB08 BB13 BB16 CA03 CA14 CA22 CA32 HA02 HA04 JA09 3L072 AA01 AB03 AB04 AC02 AD02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレキシブル性と伸縮性を有する基材
    と、前記基材の表面に導電性材料からなる一対の電極部
    と、前記一対の電極部と電気的に接続された自己温度制
    御機能を有する抵抗体材料からなる発熱部とを備え、前
    記基材は少なくとも前記導電性材料からなる電極部およ
    び前記抵抗体材料からなる発熱部が含浸する含浸層と含
    浸しない非含浸層を設けてなる面状発熱体。
  2. 【請求項2】 基材は、含浸性材料からなる含浸層と非
    含浸性材料からなる非含浸層を積層してなる請求項1記
    載の面状発熱体。
  3. 【請求項3】 基材は、含浸性材料からなり、厚み方向
    の少なくとも一部に非含浸性材料を浸透させ非含浸層を
    形成してなる請求項1記載の面状発熱体。
  4. 【請求項4】 基材は、非含浸性材料からなり、少なく
    とも片面に表面処理加工によって含浸層を形成してなる
    請求項1記載の面状発熱体。
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