JP2003155655A - 繊維の染色方法および染色残液の再利用方法 - Google Patents
繊維の染色方法および染色残液の再利用方法Info
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Abstract
標色に染色することができ、かつ、新規染料の使用量、
染色排水量を削減することができる繊維の染色方法を提
供すること。 【解決手段】繊維の染色工程で排水される染色残液を濃
縮して濃縮液を得、該濃縮液を染色工程に再利用する
際、該濃縮液を用いて三刺激値を測定し、その三刺激値
と目標色の三刺激値とを色差式を用いて均等色空間座標
系で色差を計算し、追加すべき染料とその量を算出し、
該算出結果に基づいて前記濃縮液を調整する染色残液の
再利用方法であり、繊維の染色工程で排水される染色残
液を濃縮して濃縮液を得、該濃縮液を染色工程に再利用
する際、該濃縮液を用いて三刺激値を測定し、その三刺
激値と目標色の三刺激値とを色差式を用いて均等色空間
座標系で色差を計算し、追加すべき染料とその量を算出
し、該算出結果に基づいて前記濃縮液を調整し、染色工
程に使用する繊維の染色方法。
Description
れる大量の未吸着染料を含む染色残液を濃縮し、該濃縮
液を染色工程に再利用する方法に関するものである。
と繊維材料を染色機内に投入し、繊維材料に適した各種
染料および界面活性剤を染色機内の水に溶解あるいは分
散させて染色液を調整し、染色液を循環加熱する方法が
一般的である。染色の方法としては例えば浸漬法があ
り、一般に、ポリエステル繊維を染色する場合には分散
染料が用いられる。分散染料は130℃の高温高圧下で
大部分が繊維に吸尽され、繊維を目標の色に染色するこ
とができる。そして、繊維材料を染色後、繊維を水洗し
て余分な染料を洗い流し、脱水乾燥して染色加工品が完
成する。
であり、上記染色液などの調整溶媒として、あるいはそ
の後の洗浄用水として大量の水が使用され、同時に大量
の排水を行うものである。
物の他、染料をはじめとする各種薬剤を含んでいるた
め、排水処理に多大な負荷がかかり、また、水質基準を
確保するため大量の水で希釈して排出する場合もある。
ており、染色排水の削減技術の開発が急務であった。特
に、ポリエステル繊維を分散染料で濃色あるいは黒に染
色した後には、染色工程に使用された染料の約20%が
未吸着染料およびその凝集物、分解物等として染色残液
に含まており、排水処理をより困難なものにしている。
により成分が大きく異なり、時間的変動、時期的変動も
大きく、染色排水を用いて目標色に染色するには長い経
験と熟練、そして多くの色直し染色が必要であり、多大
な手間を要するため生産性が低くなる欠点があった。よ
って繊維を任意の目標色に再現性よく染色するには毎
回、新規な水と染料により染色液を調整し用いられてい
るのが実情である。
発生する未吸着の染料を含んだ染色残液を濃縮し、得ら
れた濃縮液を染色工程に再利用する処理技術に鑑み、該
濃縮液を用いて三刺激値を測定し、目標色の三刺激値と
を均等色空間座標系で色差を計算し、追加すべき染料と
その量を算出し、該算出結果に基づいて前記濃縮液を調
整し、前記染色工程に使用することで、多くの色直し染
色を必要とせず、再現性よく目標色に染色することがで
きるとともに、新規染料の使用量、染色排水量を削減す
ることができる繊維の染色方法を提供せんとするもので
ある。
決するために、次のような手段を採用するものである。
すなわち、 (1)繊維の染色工程で排水される染色残液を濃縮して
濃縮液を得、該濃縮液を染色工程に再利用する際、該濃
縮液を用いて三刺激値を測定し、その三刺激値と目標色
の三刺激値とを色差式を用いて均等色空間座標系で色差
を計算し、追加すべき染料とその量を算出し、該算出結
果に基づいて前記濃縮液を調整することを特徴とする染
色残液の再利用方法。 (2)繊維の染色工程で排水される染色残液の濃縮が、
膜分離を用いて行われることを特徴とする前記(1)ま
たは(2)記載の繊維残液の再利用方法。 (3)繊維の染色工程で排水される染色残液を濃縮して
濃縮液を得、該濃縮液を染色工程に再利用する際、該濃
縮液を用いて三刺激値を測定し、その三刺激値と目標色
の三刺激値とを色差式を用いて均等色空間座標系で色差
を計算し、追加すべき染料とその量を算出し、該算出結
果に基づいて前記濃縮液を調整し、前記染色工程に使用
することを特徴とする繊維の染色方法。 (4)繊維の染色工程で排水される染色残液の濃縮が、
膜分離を用いて行われることを特徴とする前記(3)記
載の繊維の染色方法。 (5)該膜分離が、限外濾過膜、ナノ濾過膜、逆浸透膜
から選ばれる少なくとも1種によるものであることを特
徴とする前記(4)記載の繊維の染色方法。
多くの色直し染色を不要としながらも、目標色に再現性
よく、高品質な染色を可能にし、かつ、染色工程の染料
コストおよび排水量を削減することが可能な繊維の染色
方法について鋭意検討し、繊維の染色工程で排水される
染色残液を濃縮し、該濃縮液を染色工程に再利用する
際、該濃縮液を用いて三刺激値を測定し、その三刺激値
と目標色の三刺激値とを均等色空間座標系で色差を計算
し、追加すべき染料とその量を算出し、該算出結果に基
づいて前記濃縮液を調整することでかかる課題を一挙に
解決することを究明したものである。
るが、本発明は下記の実施の形態に限定されるものでは
ない。
刺激値は分光測色法を用いて得られる分光特性から主と
して算出されるが、特に限定されるものではなく、三刺
激値直読法で得られた三刺激値を使用することもでき
る。
染色し、染色された繊維材料を測色し、得られた分光特
性から三刺激値を算出し、色差式を用いて均等色空間座
標系により色差を計算するものであるが、該濃縮液を直
接測色し、得られた分光特性から三刺激値を算出し、色
差式を用いて均等色空間座標系により色差を計算するこ
ともできる。追加すべき染料とその量は目標色の三刺激
値と濃縮液を用いた三刺激値の差を追加すべき染料とそ
の量による三刺激値を加算して色合成されるが、より好
ましくは濃縮液を用いた分光反射率に追加すべき染料と
その量による分光反射率を加算して目標色の分光反射率
に色合成することが好ましい。
された繊維素材の分光反射率との差を、選択した1種の
染料あるいは数種類の染料の分光反射率を加算して色合
成したとき、目標色に対し、例えばCIELAB色差
(JIS Z 8729)が最小となったとき、色合成
を終了する。
下、より好ましくは0.5以下であれば、実際に得られ
た繊維素材と目標色の色差は肉眼により判断できないほ
ど同じ色であり、十分実用レベルである。色合成で選択
する染料種は濃度特性、メタメリズム特性、堅牢度特
性、価格などから性能を十分に満たす染料種を選択す
る。この時点で算出された染料種とその量により該濃縮
液を調整するが、現在使用されている染料の多くは粉末
状あるいは顆粒状のものであり、濃縮液へ直接追加する
と溶解不十分となり、染色工程において色汚れの原因と
なる場合があるため、ミキサー等で十分に撹拌するか追
加染料はあらかじめ水に溶解したもので調整することが
好ましい。
加染料あるいは追加薬剤を混合し調整しても良いが、追
加染料あるいは追加薬剤を個別に準備し、染色工程で投
入された水に希釈して混合し、染色液として調整しても
良く、いずれにおいても濃縮液を調整し得るものであ
る。また、色合成が困難な目標色である場合は、調整さ
れた濃縮液を用いて繊維材料を染色し、得られた分光反
射率から算出される三刺激値と目標色の分光反射率から
算出される三刺激値とをCIELAB色差式を用い、均
等色空間座標系でCIELAB色差を計算し、得られた
CIELAB色差が判定基準内か否かで濃縮液の再調整
の必要性を判定することが好ましい。色差式はCIEL
AB色差式に限定されず、例えばCMC色差式、ハンタ
ー色差式などが使用できる。
利用する際、酸、アルカリ、キレート剤、界面活性剤、
防腐剤、酸化剤および還元剤からなる群より少なくとも
1種を溶解または分散させて該濃縮液を調整し、染色工
程に使用することができる。
染色工程で使用することが好ましいが、生産計画などか
ら、濃縮液を長期間保存しなければならない場合は、染
料の凝集沈殿や分散破壊を防止するため分散剤や防腐剤
が用いられる。また、染色工程に使用する場合にはキレ
ート剤およびまたは酸、アルカリなどのpH調整剤が用
いられる。ただし、染色排水の組成は非常に複雑であ
り、かつ、対象とする繊維素材や加工によっても組成は
大きく変化するため、好ましくは染色工程で発生した染
色残液の濃縮液は他の染色工程で発生した染色残液の濃
縮液とは混合せずに単独で使用するのがよい。そうすれ
ば濃縮液に含まれる染料および各種薬剤の履歴が明確と
なり、濃縮液の調整が容易である。より好ましくは類似
の染色工程に使用するのがよい。そうすれば使用する染
料、薬剤は類似のものであり、残留物の影響を受けにく
い。
蒸留、抽出、分離などの方法を適宜使用する。好ましく
は膜分離であり、特に限外濾過膜、ナノ分離膜、逆浸透
膜から選ばれた少なくとも1種を使用して染色残液の濃
縮を行なう機構を有するものである。
は、特に限定されるものではないが、例えば素材として
は綿、麻などの植物繊維、羊毛、絹などの動物繊維、レ
ーヨンなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、
ポリアミド、ポリエステル、アクリルなどの合成繊維な
どが使用される。かかる繊維からなる構造物としては、
糸、織物、編物、不織布、ガーメントなどが使用され
る。
説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるも
のではない。
用い、ポリエステル100%タフタ織物140kgを表
1の条件で染色した後、染色残液1000Lを逆浸透膜
(SUL−G20:東レ製)で50L(20倍)に濃縮
した。濃縮した濃縮液を別途準備した貯蔵タンクに回収
し、ミニカラー(テクサム製)を用い、表2の条件で染
色した。
した後、4つ折りにし、CCMシステム(調色専科:日
清紡績製、測色器:CM3600d:ミノルタ製)を用
い測色した分光反射率から得られる三刺激値と目標色の
分光反射率から得られる三刺激値をCIELAB色差式
を用い、均等色空間座標系でCIELAB色差を算出し
た。その時のCIELAB色差は10.5であった。目
標色への色合成を行い、追加染料およびその量を算出し
た結果を表3に示す。
し、目標色とのCIELAB色差を算出した結果、CI
ELAB色差は0.3であった。 CIELAB色差が
0.5以下であり、かつ目視による色差もないため、濃
縮液の再調整は必要なしと判断した。濃縮液35%o.
w.f(49kg)に新規染料12%o.w.f(1
6.8kg)を追加した調整後の濃縮液を用いて、タフ
タ織物140kgを液流染色機を用い染色し得られたタ
フタ織物と目標色とのCIELAB色差は0.5であ
り、品質も良好であった。
3に示した。
発生する未吸着の染料を含んだ染色残液を濃縮し、染色
工程に再利用する際、該濃縮液を用いて三刺激値を測定
し、その三刺激値と目標色の三刺激値とを色差式を用い
て均等色空間座標系で色差を計算し、追加すべき染料と
その量を算出し、該算出結果に基づいて前記濃縮液を調
整し、前記染色工程に使用することで、多くの色直し染
色を必要とせず、再現性よく目標色に染色することがで
き、かつ新規染料の使用量および染色排水量を大幅に削
減することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】繊維の染色工程で排水される染色残液を濃
縮して濃縮液を得、該濃縮液を染色工程に再利用する
際、該濃縮液を用いて三刺激値を測定し、その三刺激値
と目標色の三刺激値とを色差式を用いて均等色空間座標
系で色差を計算し、追加すべき染料とその量を算出し、
該算出結果に基づいて前記濃縮液を調整することを特徴
とする染色残液の再利用方法。 - 【請求項2】繊維の染色工程で排水される染色残液の濃
縮が、膜分離を用いて行われることを特徴とする請求項
1記載の染色残液の再利用方法。 - 【請求項3】繊維の染色工程で排水される染色残液を濃
縮して濃縮液を得、該濃縮液を染色工程に再利用する
際、該濃縮液を用いて三刺激値を測定し、その三刺激値
と目標色の三刺激値とを色差式を用いて均等色空間座標
系で色差を計算し、追加すべき染料とその量を算出し、
該算出結果に基づいて前記濃縮液を調整し、染色工程に
使用することを特徴とする繊維の染色方法。 - 【請求項4】繊維の染色工程で排水される染色残液の濃
縮が、膜分離を用いて行われることを特徴とする請求項
2記載の繊維の染色方法 - 【請求項5】該膜分離が、限外濾過膜、ナノ濾過膜およ
び逆浸透膜から選ばれる少なくとも1種によるものであ
ることを特徴とする請求項4記載の繊維の染色方法。
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JP2001350111A JP4240876B2 (ja) | 2001-11-15 | 2001-11-15 | 繊維の染色方法および染色残液の再利用方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102747572A (zh) * | 2012-06-27 | 2012-10-24 | 无锡市信达染整机械厂 | 染色机用过滤器 |
CN105696229A (zh) * | 2016-04-19 | 2016-06-22 | 周涛 | 一种印染设备及印染工艺 |
CN106400350A (zh) * | 2016-09-13 | 2017-02-15 | 广东溢达纺织有限公司 | 一种纱线的过软方法 |
CN115595807A (zh) * | 2022-10-31 | 2023-01-13 | 新昌新弘服装有限公司(Cn) | 一种浸泡残液回用染色工艺中补充染料、助剂的方法 |
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2001
- 2001-11-15 JP JP2001350111A patent/JP4240876B2/ja not_active Expired - Fee Related
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