JP2003151448A - プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法

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JP2003151448A JP2001345592A JP2001345592A JP2003151448A JP 2003151448 A JP2003151448 A JP 2003151448A JP 2001345592 A JP2001345592 A JP 2001345592A JP 2001345592 A JP2001345592 A JP 2001345592A JP 2003151448 A JP2003151448 A JP 2003151448A
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Yasuyuki Akata
靖幸 赤田
Shinya Fujiwara
伸也 藤原
Hiroyuki Yonehara
浩幸 米原
Hiroshi Watanabe
拓 渡邉
Morio Fujitani
守男 藤谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体層中の気泡やコンタミネーション等の
欠陥に起因する絶縁破壊不良を抑止し、信頼性の高いプ
ラズマディスプレイパネルを低コストで歩留まり良く製
造することを目的とする。 【解決手段】 基板間に隔壁により仕切られた放電空間
が形成されるように対向配置した一対の前面側および背
面側の基板と、隔壁により仕切られた放電空間で放電が
発生するように基板に配置された複数の電極と、この電
極を覆うように基板に形成した誘電体層と、前記背面側
の基板に形成されかつ放電により発光する蛍光体層とを
有するプラズマディスプレイパネルにおいて、前記誘電
体層が、前記電極上に形成した低融点ガラスからなる第
1の誘電体層23と、この第1の誘電体層23上に形成
されかつ前記第1の誘電体層23を構成する低融点ガラ
スの軟化点よりも軟化点が低くて粘度温度曲線の傾きが
小さい低融点ガラスからなる第2の誘電体層24とを備
えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラズマディスプレ
イパネルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラズマディスプレイパネル(P
DP)を用いたディスプレイは、視認性に優れた表示パ
ネル(薄型表示デバイス)として注目されており、高精
細化および大画面化が進められている。
【0003】このPDPには、大別して、駆動的にはA
C型とDC型があり、放電形式では面放電型と対向放電
型の2種類があるが、高精細化、大画面化および製造の
簡便性から、現状では、AC型で面放電型のPDPが主
流を占めるようになってきている。
【0004】図6にPDPにおけるパネル構造の一例を
示している。図6に示すように、ガラス基板などの透明
な前面側の基板(前面板)1上には、走査電極2と維持
電極3とで対をなすストライプ状の表示電極4が複数対
形成され、そして基板1上の隣り合う表示電極4間には
遮光層5が配置形成されている。この走査電極2および
維持電極3は、それぞれ透明電極2a、3aおよびこの
透明電極2a、3aに電気的に接続された銀等のバス電
極2b、3bとから構成されている。また、前記前面側
の基板1には、前記複数対の電極群を覆うように誘電体
層6が形成され、その誘電体層6上には保護膜7が形成
されている。
【0005】また、前記前面側の基板1に対向配置され
る背面側の基板(背面板)8上には、走査電極2及び維
持電極3の表示電極4と直交する方向に、絶縁体層9で
覆われた複数のストライプ状のデータ電極10が形成さ
れている。このデータ電極10間の絶縁体層9上には、
データ電極10と平行にストライプ状の複数の隔壁11
が配置され、この隔壁11間の側面11aおよび絶縁体
層9の表面に蛍光体層12が設けられている。
【0006】これらの基板1と基板8とは、走査電極2
および維持電極3とデータ電極10とが直交するよう
に、微小な放電空間を挟んで対向配置されるとともに、
周囲が封止され、そして前記放電空間には、ヘリウム、
ネオン、アルゴン、キセノンのうちの一種または混合ガ
スが放電ガスとして封入されている。また、放電空間
は、隔壁11によって複数の区画に仕切ることにより、
表示電極4とデータ電極10との交点が位置する複数の
放電セル13が設けられ、その各放電セル13には、赤
色、緑色及び青色となるように蛍光体層12が一色ずつ
順次配置されている。
【0007】このパネル本体の電極配列は、図7に示す
ように、M行×N列の放電セルからなるマトリックス構
成であり、行方向にはM行の走査電極SCN1〜SCNM
および維持電極SUS1〜SUSMが配列され、列方向に
はN列のデータ電極D1〜DNが配列されている。
【0008】従来、このようなプラズマディスプレイパ
ネルにおいて、前面板に設ける誘電体層の形成方法とし
ては、例えば、図8(a)〜(c)に示すように、低融
点ガラスペーストを用いた印刷積層法や一括塗布法によ
り、基板全面に低融点ガラスペースト膜を形成した後に
焼成を行う方法や、低融点ガラス粉末を含有するグリー
ンシートを用い、基板上に転写した後に、焼成を行う方
法等がある。
【0009】図8(a)〜(c)は印刷積層法により誘
電体層を形成する方法を示す図であり、この方法は、図
8(a)に示すように、表示電極4を形成した基板1上
にスクリーン印刷版14を介して低融点ガラスペースト
15を塗布する工程を複数回繰返し行うことにより、図
8(b)に示すように、低融点ガラスペースト15によ
る積層膜16を形成し、その後図8(c)に示すように
焼成することにより誘電体層6を形成するものである。
なお、図8(a)中、17はスクリーン印刷に用いる印
刷用スキージである。
【0010】またこれらの方法は、構造欠陥や誘電体層
中の気泡の発生による絶縁破壊を抑止することで歩留ま
りを向上させるために、前記誘電体層を2回に分けて形
成する場合もある。すなわち、第1層目の誘電体層を焼
成した後、第2層目の誘電体層を焼成する方法である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この従来の
技術において、例えば誘電体層1層の構成では、発光効
率等の性能向上を図るために誘電体層を薄膜化すると、
誘電体層中に存在する気泡やコンタミネーション等の欠
陥により、誘電体層の絶縁破壊が生じやすくなり、結果
として歩留まりの低下を招く。
【0012】また、前記不具合を抑制する一手法とし
て、1層目の欠陥を補うために誘電体層を2層構成とす
る方法もあるが、誘電体層形成時に焼成を2度行うた
め、高温熱履歴を2回経ることにより、透明電極、バス
電極さらには誘電体層中のコンタミネーション等から発
生する気泡がさらに成長することで、欠陥が増大するの
で、誘電体層を薄膜化すると、歩留まりの低下を招く危
険性が高い。前記気泡の成長を抑えるために、誘電体層
2層構成で1層目と2層目の低融点ガラスの軟化点が異
なる材料を用い、第1層目と第2層目の焼成温度を変え
る方法も知られている。
【0013】しかし、これらいずれの方法においても、
焼成工程を2回経るので、焼成炉のランニングコストの
増大や、工数が2倍かかるため生産量の制約が生じると
いう問題点がある。
【0014】本発明はこのような課題を解決するもの
で、誘電体層を軟化点の異なる2種の低融点ガラスを用
いた2層構成にしながら、製造コストが安価で歩留まり
が良く、かつ高信頼性のプラズマディスプレイパネルを
提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、基板間に隔壁により仕切られた放電空間が
形成されるように対向配置した一対の前面側および背面
側の基板と、隔壁により仕切られた放電空間で放電が発
生するように基板に配置された複数の電極と、この電極
を覆うように基板に形成した誘電体層と、前記背面側の
基板に形成されかつ放電により発光する蛍光体層とを有
し、前記誘電体層が、前記電極上に形成した低融点ガラ
スからなる第1の誘電体層と、この第1の誘電体層上に
形成されかつ前記第1の誘電体層を構成する低融点ガラ
スの軟化点よりも軟化点が低くて粘度温度曲線の傾きが
小さい低融点ガラスからなる第2の誘電体層とを備えた
ものである。
【0016】この構成によれば、誘電体層中の気泡やコ
ンタミネーション等の欠陥に起因した絶縁破壊不良を誘
電体の焼成工程が1度の場合のプロセスでも防止でき、
結果的に製造歩留まりが向上し、より安価でしかも高信
頼性のプラズマディスプレイパネルが得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明の請求項1に記
載の発明は、基板間に隔壁により仕切られた放電空間が
形成されるように対向配置した一対の前面側および背面
側の基板と、隔壁により仕切られた放電空間で放電が発
生するように基板に配置された複数の電極と、この電極
を覆うように基板に形成した誘電体層と、前記背面側の
基板に形成されかつ放電により発光する蛍光体層とを有
し、前記誘電体層が、前記電極上に形成した低融点ガラ
スからなる第1の誘電体層と、この第1の誘電体層上に
形成されかつ前記第1の誘電体層を構成する低融点ガラ
スの軟化点よりも軟化点が低くて粘度温度曲線の傾きが
小さい低融点ガラスからなる第2の誘電体層とを備えた
ものである。
【0018】また、本発明では、第1の誘電体層を構成
する低融点ガラスの方が第2の誘電体層を構成する低融
点ガラスよりも密度が小さい構成としている。
【0019】さらに本発明の請求項3に記載の発明は、
基板間に隔壁により仕切られた放電空間が形成されるよ
うに対向配置した一対の前面側および背面側の基板と、
隔壁により仕切られた放電空間で放電が発生するように
基板に配置された複数の電極と、この電極を覆うように
基板に形成した誘電体層と、前記背面側の基板に形成さ
れかつ放電により発光する蛍光体層とを有するプラズマ
ディスプレイパネルの製造方法において、第1の低融点
誘電体ガラスペーストを電極を有する基板上に塗布し乾
燥させることにより第1の誘電体ガラスペースト膜を得
る工程と、前記第1の誘電体ガラスペースト膜上に第1
の低融点誘電体ガラスペースト中に含有するガラスの軟
化点よりも軟化点が低くかつ粘度温度曲線の傾きが小さ
いガラスを含有する第2の低融点誘電体ガラスペースト
を塗布し乾燥させることにより第2の誘電体ガラスペー
スト膜を得る工程と、これらの膜を前記第1の低融点誘
電体ガラスペースト中に含有するガラスの軟化点よりも
高くかつ前記第2の低融点誘電体ガラスペースト中に含
有するガラスの粘度より前記第1の低融点誘電体ガラス
ペースト中に含有するガラスの粘度の方が低くなる温度
で保持するとともに、降温時に前記第1の低融点誘電体
ガラスペースト中に含有するガラスの軟化点よりも低く
かつ前記第2の低融点誘電体ガラスペースト中に含有す
るガラスの軟化点よりも高い温度で保持することにより
焼成膜を得る工程とを備えることを特徴とする製造方法
である。
【0020】また、本発明の請求項4に記載の発明は、
基板間に隔壁により仕切られた放電空間が形成されるよ
うに対向配置した一対の前面側および背面側の基板と、
隔壁により仕切られた放電空間で放電が発生するように
基板に配置された複数の電極と、この電極を覆うように
基板に形成した誘電体層と、前記背面側の基板に形成さ
れかつ放電により発光する蛍光体層とを有するプラズマ
ディスプレイパネルの製造方法において、第1の低融点
誘電体ガラスグリーンシートを電極を有する基板上に転
写する工程と、この基板上に転写されたグリーンシート
上に前記第1の低融点誘電体ガラスグリーンシート中に
含有するガラスの軟化点よりも軟化点が低くかつ粘度温
度曲線の傾きが小さいガラスを含有する第2の低融点誘
電体ガラスグリーンシートを転写する工程と、これらの
積層されたグリーンシートを、前記第1の低融点誘電体
ガラスグリーンシート中に含有するガラスの軟化点より
も高くかつ前記第2の低融点誘電体ガラスグリーンシー
ト中に含有するガラスの粘度より前記第1の低融点誘電
体ガラスグリーンシート中に含有するガラスの粘度の方
が低くなる温度で保持するとともに、降温時に前記第1
の低融点誘電体ガラスグリーンシート中に含有するガラ
スの軟化点よりも低くかつ前記第2の低融点誘電体ガラ
スグリーンシート中に含有するガラスの軟化点よりも高
い温度で保持して焼成膜を得る工程とを備えることを特
徴とする製造方法である。
【0021】以下、本発明の一実施の形態について図1
〜図5を用いて説明する。
【0022】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1による製造方法において使用する低融点ガラス粉末
の粘度温度曲線を示している。
【0023】まず、図1中のAに示す粘度温度曲線を有
し、かつ微量の金属酸化物を副成分として含有するホウ
ケイ酸鉛系の低融点ガラス粉末を含有するペーストを用
意し、このペーストを予め準備された前面板としての電
極を有するガラス基板上にスクリーン印刷法により印刷
し、この塗布膜を連続式乾燥炉中で乾燥した。この印刷
と乾燥を所望の厚みになるまで繰り返し行うことで、第
1の誘電体ガラスペースト膜を得た。
【0024】次に、この第1の誘電体ガラスペースト膜
上に、図1中のBに示した粘度温度曲線を有し、かつ微
量の金属酸化物を副成分として含有するホウケイ酸ビス
マス系の上記第1の誘電体ガラスペースト膜の低融点ガ
ラス粉末の軟化点より低い軟化点の低融点ガラス粉末を
含有するペーストを、同じくスクリーン印刷法により印
刷した後、連続式乾燥炉中で乾燥した。そしてこの印刷
と乾燥を所望の厚みになるまで繰り返し行うことで第2
の誘電体ガラスペースト膜を得た。ちなみに、第1の誘
電体ガラスペースト膜のガラス粉末の密度は4.8g/cm
3で、第2の誘電体ガラスペースト膜のガラス粉末の密
度は4.1g/cm3である。
【0025】このようにして得られた誘電体ガラスペー
スト膜を図2に示すような温度履歴を経るように設定し
た連続式焼成炉中で、大気雰囲気下で焼成を行った。こ
の時の焼結過程は、まず600℃に保持した条件下で、
粘度の低い1層目の第1の誘電体ガラスペースト膜を先
に焼結し、次に570℃に保持した条件下で、より粘度
の低い2層目の第2の誘電体ガラスペースト膜のみを焼
結する。570℃は、1層目の第1の誘電体ガラスペー
スト膜のガラス粉末の軟化点よりも低いので、1層目の
焼結済みの誘電体層中で気泡が成長することはなく、す
なわち誘電体層全体に亘って気泡が成長することはな
い。また、1層目と2層目のガラスに密度差を与えるこ
とで、これらの2層のガラス成分が焼成中に相互に入れ
換わらないようにしている。なお、このときの誘電体層
の全膜厚は平均値で28.7μmであった。
【0026】すなわち、本実施の形態1によるプラズマ
ディスプレイパネルの製造方法においては、第1の低融
点誘電体ガラスペーストを電極を有する基板上に塗布し
乾燥させることにより第1の誘電体ガラスペースト膜を
得る工程と、前記第1の低融点誘電体ガラスペースト膜
上に第1の低融点誘電体ガラスペースト中に含有するガ
ラスの軟化点よりも軟化点が低くかつ粘度温度曲線の傾
きが小さいガラスを含有する第2の低融点誘電体ガラス
ペーストを塗布し乾燥させることにより第2の誘電体ガ
ラスペースト膜を得る工程と、これらの膜を前記第1の
低融点誘電体ガラスペースト中に含有するガラスの軟化
点よりも高くかつ前記第2の低融点誘電体ガラスペース
ト中に含有するガラスの粘度より前記第1の低融点誘電
体ガラスペースト中に含有するガラスの粘度の方が低く
なる温度、例えば600℃で保持するとともに、降温時
に前記第1の低融点誘電体ガラスペースト中に含有する
ガラスの軟化点よりも低くかつ前記第2の低融点誘電体
ガラスペースト中に含有するガラスの軟化点よりも高い
温度、例えば570℃で保持することにより焼成膜を得
る工程により、誘電体層を形成するものである。
【0027】次に、この焼成膜上にMgOの誘電体の保
護膜を真空プロセスを用いて形成し、図3に示すような
構造を持ったプラズマディスプレイパネル用の前面板を
得た。
【0028】なお、図3において、21は前面側のガラ
ス基板、22は表示電極、23は第1の誘電体ガラスペ
ーストにより構成される第1の誘電体層、24は第2の
誘電体ガラスペーストにより構成される第2の誘電体
層、25はMgOからなる保護膜である。さらに、この
前面板と予め用意された背面板とを対向させて周辺部を
ガラスフリットで封着し、最後に内部に希ガスを封入す
ることでプラズマディスプレイパネルを得た。
【0029】本発明により製造されたパネルの耐圧試験
結果と、従来の工法によるパネルの耐圧試験結果を比較
して表1に示す。試験条件は、電極間にAC350Vを
1分間印加して行った。測定母数は各50枚とした。こ
こで言う従来品とは、誘電体層に前記第1の誘電体ガラ
スペーストのガラス粉末を含有するペーストをスクリー
ン印刷法により所望の厚みになるまで印刷積層し、図4
に示す温度履歴を経るように設定した連続式焼成炉中で
大気雰囲気下で焼成したものである。この時の誘電体層
の全膜厚は平均値で31.2μmであった。
【0030】
【表1】
【0031】この表1から明らかなように、従来品にお
いては絶縁破壊したパネルが見られるが、本発明品にお
いては絶縁破壊したパネルは見られなかった。
【0032】なお、本実施の形態1において使用した2
種のガラス粉末は上述したような組成であるが、粘度温
度曲線が図1に示すような関係であれば、特に組成が限
定されるものではない。密度についても、第2の誘電体
層に用いるガラス粉末の方が、第1の誘電体層に用いる
ガラス粉末よりも小さい方が良いが、両者の関係につい
て必ずしも限定されるものではない。
【0033】また、本実施の形態1においては、誘電体
の形成方法としてスクリーン印刷法を用いて説明した
が、リバースロールコータに代表される厚膜一括塗布法
を用いて形成しても全く同様の効果が得られることは言
うまでもない。
【0034】さらに、本実施の形態1においては、誘電
体層を2種のガラス粉末を用いて2層構造としたが、図
5に示すように3種のガラス粉末を、基板側からA−B
−Cの順に用いた3層、さらにはそれ以上でも同様の効
果が得られる。
【0035】(実施の形態2)まず、実施の形態1で用
いた第1の誘電体ガラスペーストのガラス粉末を含有
し、PETフィルム上に予め所望の膜厚に形成したグリ
ーンシートを用意し、このグリーンシートを予め準備さ
れた前面板としての電極を有するガラス基板上にラミネ
ーターを用いて加熱圧着法により転写して、第1の誘電
体層となる乾燥膜を得た。次に、この乾燥膜上に、同じ
く第2の誘電体ガラスペーストのガラス粉末を含有し、
PETフィルム上に予め所望の膜厚に形成したグリーン
シートを、前記と同様、加熱圧着法により転写して第2
の誘電体層となる乾燥膜を得た。
【0036】このようにして得られた誘電体乾燥膜を、
実施の形態1で説明したのと同様に焼成を行った。な
お、この時の誘電体層の全膜厚は平均値で29.9μm
であった。
【0037】すなわち、本実施の形態2によるプラズマ
ディスプレイパネルの製造方法においては、第1の低融
点誘電体ガラスグリーンシートを電極を有する基板上に
転写する工程と、この基板上に転写されたグリーンシー
ト上に前記第1の低融点誘電体ガラスグリーンシート中
に含有するガラスの軟化点よりも軟化点が低くかつ粘度
温度曲線の傾きが小さいガラスを含有する第2の低融点
誘電体ガラスグリーンシートを転写する工程と、これら
の積層されたグリーンシートを、前記第1の低融点誘電
体ガラスグリーンシート中に含有するガラスの軟化点よ
りも高くかつ前記第2の低融点誘電体ガラスグリーンシ
ート中に含有するガラスの粘度より前記第1の低融点誘
電体ガラスグリーンシート中に含有するガラスの粘度の
方が低くなる温度で保持するとともに、降温時に前記第
1の低融点誘電体ガラスグリーンシート中に含有するガ
ラスの軟化点よりも低くかつ前記第2の低融点誘電体ガ
ラスグリーンシート中に含有するガラスの軟化点よりも
高い温度で保持して焼成膜を得る工程とにより誘電体層
を形成するものである。
【0038】この焼成膜上にMgOの誘電体の保護膜を
真空プロセスを用いて形成し、図3に示すような構造を
持ったプラズマディスプレイパネル用の前面板を得た。
さらに、この前面板と予め用意された背面板とを対向さ
せて周辺部をガラスフリットで封着し、最後に内部に希
ガスを封入することでプラズマディスプレイパネルを得
た。
【0039】本発明により製造されたパネルの耐圧試験
結果と、従来の工法によるパネルの耐圧試験結果を比較
して表2に示す。試験条件は、電極間にAC350Vを
1分間印加して行った。測定母数は各50枚とした。こ
こで言う従来品とは、実施の形態1で用いたものであ
る。
【0040】
【表2】
【0041】この表2から明らかなように、従来品にお
いては絶縁破壊したパネルが見られるが、本発明品にお
いては絶縁破壊したパネルは見られなかった。
【0042】なお、本実施の形態2において使用したガ
ラス粉末は、実施の形態1で説明した通り、限定される
ものではない。
【0043】また、グリーンシートは1層ずつ転写する
ものに限定されなく、2層分を同時にダブルコーティン
グしたグリーンシートを一括で転写して形成しても同様
の効果が得られることは言うまでもない。
【0044】さらに、本実施の形態2においては、誘電
体層を2種のガラス粉末を用いて2層構成としたが、実
施の形態1で説明したのと同様、3種のガラス粉末を用
いた3層の構成、またはそれ以上でも同様の効果が得ら
れる。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、誘電体層
の1層目に使用するガラス粉末よりも2層目に使用する
ガラス粉末の軟化点を低くし、かつ1層目に使用するガ
ラス粉末の粘度温度曲線の傾きよりも2層目に使用する
ガラス粉末の粘度温度曲線の傾きを小さくし、さらに1
回の焼成で誘電体層を形成することで、誘電体層中の気
泡やコンタミネーション等の欠陥に起因する絶縁破壊不
良を抑止することができる。その結果、信頼性の高いプ
ラズマディスプレイパネルを低コストで歩留まり良く製
造できるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマディスプレイパネルで使用す
る2種の低融点ガラス粉末の粘度温度曲線図
【図2】本発明における誘電体層焼成の温度プロファイ
ルを示す図
【図3】本発明におけるプラズマディスプレイパネル用
前面板を示す断面図
【図4】従来工法における誘電体層焼成の温度プロファ
イルを示す図
【図5】本発明における低融点ガラス粉末が3種の場合
の粘度温度曲線図
【図6】プラズマディスプレイパネルの構成を示す斜視
【図7】同パネルの電極配線図
【図8】(a)〜(c)は同パネルの誘電体層の形成方
法の一例を示す断面図
【符号の説明】
21 ガラス基板 22 表示電極 23 第1の誘電体層 24 第2の誘電体層 25 保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 伸也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 米原 浩幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 渡邉 拓 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 藤谷 守男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C027 AA05 5C040 FA01 FA04 GB03 GB14 GD02 GD09 JA12 JA19 JA22 KA08 KB11 MA23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板間に隔壁により仕切られた放電空間
    が形成されるように対向配置した一対の前面側および背
    面側の基板と、隔壁により仕切られた放電空間で放電が
    発生するように基板に配置された複数の電極と、この電
    極を覆うように基板に形成した誘電体層と、前記背面側
    の基板に形成されかつ放電により発光する蛍光体層とを
    有し、前記誘電体層が、前記電極上に形成した低融点ガ
    ラスからなる第1の誘電体層と、この第1の誘電体層上
    に形成されかつ前記第1の誘電体層を構成する低融点ガ
    ラスの軟化点よりも軟化点が低くて粘度温度曲線の傾き
    が小さい低融点ガラスからなる第2の誘電体層とを備え
    たものであることを特徴とするプラズマディスプレイパ
    ネル。
  2. 【請求項2】 第1の誘電体層を構成する低融点ガラス
    の方が第2の誘電体層を構成する低融点ガラスよりも密
    度が小さいことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ
    ディスプレイパネル。
  3. 【請求項3】 基板間に隔壁により仕切られた放電空間
    が形成されるように対向配置した一対の前面側および背
    面側の基板と、隔壁により仕切られた放電空間で放電が
    発生するように基板に配置された複数の電極と、この電
    極を覆うように基板に形成した誘電体層と、前記背面側
    の基板に形成されかつ放電により発光する蛍光体層とを
    有するプラズマディスプレイパネルの製造方法におい
    て、第1の低融点誘電体ガラスペーストを電極を有する
    基板上に塗布し乾燥させることにより第1の誘電体ガラ
    スペースト膜を得る工程と、前記第1の誘電体ガラスペ
    ースト膜上に第1の低融点誘電体ガラスペースト中に含
    有するガラスの軟化点よりも軟化点が低くかつ粘度温度
    曲線の傾きが小さいガラスを含有する第2の低融点誘電
    体ガラスペーストを塗布し乾燥させることにより第2の
    誘電体ガラスペースト膜を得る工程と、これらの膜を前
    記第1の低融点誘電体ガラスペースト中に含有するガラ
    スの軟化点よりも高くかつ前記第2の低融点誘電体ガラ
    スペースト中に含有するガラスの粘度より前記第1の低
    融点誘電体ガラスペースト中に含有するガラスの粘度の
    方が低くなる温度で保持するとともに、降温時に前記第
    1の低融点誘電体ガラスペースト中に含有するガラスの
    軟化点よりも低くかつ前記第2の低融点誘電体ガラスペ
    ースト中に含有するガラスの軟化点よりも高い温度で保
    持することにより焼成膜を得る工程とを備えることを特
    徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 基板間に隔壁により仕切られた放電空間
    が形成されるように対向配置した一対の前面側および背
    面側の基板と、隔壁により仕切られた放電空間で放電が
    発生するように基板に配置された複数の電極と、この電
    極を覆うように基板に形成した誘電体層と、前記背面側
    の基板に形成されかつ放電により発光する蛍光体層とを
    有するプラズマディスプレイパネルの製造方法におい
    て、第1の低融点誘電体ガラスグリーンシートを電極を
    有する基板上に転写する工程と、この基板上に転写され
    たグリーンシート上に前記第1の低融点誘電体ガラスグ
    リーンシート中に含有するガラスの軟化点よりも軟化点
    が低くかつ粘度温度曲線の傾きが小さいガラスを含有す
    る第2の低融点誘電体ガラスグリーンシートを転写する
    工程と、これらの積層されたグリーンシートを、前記第
    1の低融点誘電体ガラスグリーンシート中に含有するガ
    ラスの軟化点よりも高くかつ前記第2の低融点誘電体ガ
    ラスグリーンシート中に含有するガラスの粘度より前記
    第1の低融点誘電体ガラスグリーンシート中に含有する
    ガラスの粘度の方が低くなる温度で保持するとともに、
    降温時に前記第1の低融点誘電体ガラスグリーンシート
    中に含有するガラスの軟化点よりも低くかつ前記第2の
    低融点誘電体ガラスグリーンシート中に含有するガラス
    の軟化点よりも高い温度で保持して焼成膜を得る工程と
    を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネル
    の製造方法。
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