JP2003149948A - 半導電性シームレスゴムベルト及び転写ドラム並びにその製造方法 - Google Patents

半導電性シームレスゴムベルト及び転写ドラム並びにその製造方法

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JP2003149948A
JP2003149948A JP2001344441A JP2001344441A JP2003149948A JP 2003149948 A JP2003149948 A JP 2003149948A JP 2001344441 A JP2001344441 A JP 2001344441A JP 2001344441 A JP2001344441 A JP 2001344441A JP 2003149948 A JP2003149948 A JP 2003149948A
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rubber
belt
seamless
mold
polar
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JP2001344441A
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English (en)
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Naoto Yukimoto
直人 行本
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Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電気抵抗値を半導電性の範囲において所定の範
囲に調整可能であり、しかも湿度による電気抵抗値の変
動が小さな転写ベルト、転写ドラム並びにそれらの製造
方法を提供する。 【解決手段】極性ゴムと低極性ゴムとをゴム材料とし、
よう素吸着量が35g/kg以下のカーボンブラックを
含む半導電性シームレスゴムベルトとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機等
の電子写真方式による画像形成装置において感光体上、
転写ベルト上等に形成されたトナー画像を普通紙等に転
写する工程において使用される転写ベルト並びに転写ド
ラムに関するものである。本発明の転写ベルト、転写ド
ラムは、電子写真の基本原理を使用する他の機器、例え
ばレーザービームプリンター、ファクシミリ等にも使用
可能であり、複数種のカラートナーを使用するカラー複
写機、カラープリンター等に使用される中間転写ベルト
等にも使用することができる。
【0002】
【従来の技術】一般に普通紙複写機と称されている電子
写真方式の複写機などの画像形成装置は、光導電性を有
する感光体上に静電気的に付着したトナーにより形成さ
れたトナー画像を普通紙、フィルムなどに転写し、転写
されたトナー画像を担持した用紙をベルト等の送紙手段
により定着ローラーへと搬送し、加熱された定着ローラ
ーを通過させて用紙上に定着させることにより複写画像
ないしプリント画像を形成することを基本原理とするも
のである。
【0003】このような画像形成装置において、転写機
能と用紙送り機能を併せ持たせ、転写画像を鮮明にする
と共に部品点数の減少を図ることを目的として、またフ
ルカラー画像形成のために転写ベルトないし転写ドラム
が採用されつつある。
【0004】かかる転写ベルトや転写ドラムにおいて
は、そのゴムベルト層の体積抵抗率などの電気抵抗値を
画像形成装置の設計に応じた所定値に調整することが要
求される。ゴム材料の電気抵抗値を調整する方法として
は、エチレンプロピレンゴム等の低極性のゴム材料、な
いしニトリルゴム、クロロプレンゴム等の比較的極性の
高いゴム材料に導電性カーボンブラックを添加する技
術、エピクロルヒドリンゴム等の極性ゴム材料をそのま
ま使用する技術が公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、エチレンプロ
ピレンゴム等の低極性のゴム材料は、ゴム材料自体の絶
縁性が高く、従って体積抵抗率が高いために転写ベルト
として要求される半導電性にするためには、少量の添加
でもゴム材料に導電性を付与できる導電性に優れたアセ
チレンブラックやケッチェンブラック等のカーボンブラ
ックを少量添加する方法、もしくはある程度の導電性を
有するよう素吸着量の大きなカーボンブラックをある程
度多量に添加することが必要である。
【0006】ところが、導電性に優れたカーボンブラッ
クを添加すると添加量のばらつきによる電気抵抗の変化
が大きく、その調整が難しいという問題があり、よう素
吸着量の大きなカーボンブラックを多量に添加するとゴ
ムの流動性が低下し、加工性が低下するという問題があ
った。
【0007】一方、極性の高いゴム材料は、それ自体が
半導電性の範囲に属する電気抵抗値を有しており、電気
抵抗の調整は比較的容易であるが、電気抵抗の調整範囲
がそのゴム材料自体が有する電気抵抗の範囲から大きく
変動させることが難しく、また環境変化、特に湿度の変
化により電気抵抗値が大きく変動するという問題を有し
ていた。
【0008】本発明の目的は、電気抵抗値を半導電性の
範囲において所定の範囲に調整可能であり、しかも湿度
による電気抵抗値の変動が小さな転写ベルト、転写ドラ
ム並びにそれらの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の半導電性シーム
レスゴムベルトは、極性ゴムと低極性ゴムとをゴム材料
とし、よう素吸着量が50g/kg以下のカーボンブラ
ックを含むことを特徴とする。
【0010】上記構成を有するゴムベルトは、電気抵抗
値を半導電性の範囲において所定の範囲に調整可能であ
り、しかも湿度による電気抵抗値の変動が小さい。
【0011】半導電性とは、一般的には体積抵抗率が1
4 Ω・cm〜1012Ω・cmの範囲である。本発明の
半導電性シームレスゴムベルトは、特に体積抵抗率が1
8Ω・cm〜1012Ω・cmの比較的高抵抗の領域の
半導電性を有するゴムベルトに好適である。本発明の半
導電性シームレスゴムベルトは、高導電性ないしよう素
吸着量が50g/kgを超えるカーボンブラックを使用
することなく、半導電性を有するものである。
【0012】上記の半導電性シームレスゴムベルトにお
いて、前記極性ゴムと前記低極性ゴムの混合比率は、極
性ゴム/低極性ゴム=99/1〜50/50(重量比)
であることが好ましく、90/10〜60/40である
ことがより好ましい。
【0013】極性ゴムの比率が多すぎると、低極性ゴム
を添加した効果が得られず、湿度による電気抵抗値の変
動が大きくなる。一方、低極性ゴムの比率が多くなりす
ぎると、電気抵抗値を半導電性の範囲において所定の範
囲に調整する自由度が低下する。
【0014】前記低極性ゴムは、スチレンブタジエンゴ
ム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)から選択される
少なくとも1種であることが好ましい。
【0015】極性ゴムと併用した場合に、加工性、特に
射出成形した際の未加硫ゴム組成物の金型内の流動性が
良好である。
【0016】前記ゴム材料100重量部に対して前記カ
ーボンブラックの添加量が2〜50重量部であることが
好ましい。
【0017】よう素吸着量が35g/kg以下のカーボ
ンブラックの添加量が2重量部未満の場合には成形品の
誘電率が低くなり、良好な画像が得られない場合があ
る。カーボンブラックの添加量が50重量部を超えると
加工性、特に射出成形した際の未加硫ゴム組成物の金型
内の流動性が低下する。カーボンブラックの添加量は、
5〜30重量部であることがより好ましい。
【0018】本発明の転写ドラムは、円筒ドラム基材の
外周面に請求項1〜4のいずれかに記載の半導電性シー
ムレスゴムベルトを被覆したことを特徴とする。
【0019】上記構成を有する転写ドラムは、電気抵抗
値を半導電性の範囲において所定の範囲に調整可能であ
り、しかも湿度による電気抵抗値の変動が小さい。
【0020】本発明の半導電性シームレスゴムベルトの
製造方法は、極性ゴムと低極性ゴムとをゴム材料とし、
よう素吸着量が35g/kg以下のカーボンブラックを
含む未加硫ゴム組成物を使用し、ベルト形成キャビティ
ーが、外面がシームレス円筒状の中型と内面がシームレ
ス円筒状の外型に構成される2重円筒にて形成される金
型の1端から前記未加硫ゴム組成物を注入して硬化させ
る射出成形法により成形することを特徴とする。
【0021】かかる製造方法により、請求項1〜4のい
ずれかに記載の半導電性シームレスゴムベルトが、容易
に製造可能である。本発明の製造方法によれば、押出成
形した場合と比較してベルトの厚さ方向の研磨工程が不
要であり、低コストにて製造可能である。
【0022】本発明の半導電性シームレスゴムベルトを
貼合した転写ドラムの製造方法は、極性ゴムと低極性ゴ
ムとをゴム材料とし、よう素吸着量が35g/kg以下
のカーボンブラックを含む未加硫ゴム組成物を使用し、
ベルト形成キャビティーが、外面がシームレス円筒状の
ドラム基材と内面がシームレス円筒状の外型に構成され
る2重円筒にて形成される金型の1端から前記未加硫ゴ
ム組成物を注入して前記ドラム基材と半導電性シームレ
スゴムベルトとを接着硬化させる射出成形法により成形
することを特徴とする。
【0023】上記製造方法によれば、円筒状ドラム基材
と半導電性シームレスゴムベルト層とが一体化された転
写ドラムが、表面研磨工程や接着工程を必要とせず、容
易かつ低コストにて製造可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明に使用するゴム材料のう
ち、極性ゴムは、クロロプレンゴム(CR)、ニトリル
ゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(水添NB
R)、エピクロルヒドリンゴムないしエチレンオキサイ
ド−エピクロルヒドリン共重合ゴム(ECO)、ウレタ
ンゴム(UR)から選択される少なくとも1種を使用す
る。
【0025】これらの中でも、電気抵抗値の安定性やベ
ルトとしての機械的特性の点でNBRの使用がより好ま
しく、アクリロニトリル含有量が40%以下のNBRを
使用することが、湿度変化による電気抵抗値の変動が小
さく、好ましい。
【0026】よう素吸着量が50g/kg以下のカーボ
ンブラックとしては、ASTMコードにてN 683
(APF),N 754,N 762(SRF−LM−
NS),SRF−LM,N 765(SRF−HS),
N 770(SRF),N 774(SRF−NS),
N 785(MPF),N 707,N 880(F
T)等が例示される。これらのカーボンブラックは単独
で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】使用するカーボンブラックのよう素吸着量
は、より好ましくは40g/kg以下、さらに好ましく
は35g/kgである。
【0028】シームレスゴムベルトを構成する材料とし
ては、上記の成分に加えて、熱可塑性樹脂、プロセスオ
イルないし可塑剤、充填剤、加工助剤、安定剤、老化防
止剤、オゾン劣化防止剤、加硫剤、加硫促進剤等を適宜
添加、使用する。
【0029】熱可塑性樹脂は、ベルトのオゾン劣化防止
効果や、未加硫ゴム組成物を成形する時の加工性を改善
する効果、例えば金型内での流動性を改善する効果等を
有する。熱可塑性樹脂は、使用するゴム材料との相溶性
などを考慮して適宜公知の熱可塑性樹脂から選択使用す
る。具体的にはポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合体、ABS樹脂、SBS樹脂等が例示される。
【0030】NBRに対しては、ポリ塩化ビニル、塩化
ビニル・酢酸ビニル共重合体から選択される熱可塑性樹
脂を添加することが好ましい。
【0031】上記熱可塑性樹脂は、ゴム材料と熱可塑性
樹脂合計量を100重量部とした時、5〜40重量部、
より好ましくは10〜30重量部含有されることが好ま
しい。
【0032】シームレスゴムベルトの表面、もしくは表
面と裏面、転写ドラムの表面には、表面抵抗率の調整、
トナーのクリーニングの容易化、ベルト張力の調整等を
目的として表面層を設けることは好適な態様である。
【0033】表面層を構成する材料としては、ゴムベル
ト材料との接着性が良好であり、平滑で他の必要な特性
を発揮する材料は限定なく使用可能である。表面層は、
塗装により形成することが好ましい。特にトナーのクリ
ーニング性が良好であることから、表面層形成にはフッ
素含有重合体塗料の使用が好適である。
【0034】フッ素含有重合体塗料としては、塗料樹脂
自体がフッ素含有重合体であるもの、フッ素含有重合体
とバインダー樹脂を併用したもののいずれでもよく、フ
ッ素樹脂微粉末、溶剤可溶型のフッ素樹脂ないしフッ素
含有重合体など、非粘着性ないし潤滑性を有する公知の
フッ素含有重合体が限定なく使用可能である。具体的に
は、カイナー(ポリフッ化ビニリデン微粉末、日本合成
ゴム工業製)、ルブロン(ポリ四フッ化エチレン微粉
末、ダイキン工業製)、KTL,KT等(ポリ四フッ化
エチレン微粉末、喜多村製)等のフッ素樹脂粉末、フッ
素含有ビニルモノマーと水酸基含有ビニルモノマーの共
重合体、フッ素置換アルキル基ないしフッ素置換アルコ
キシ基を有するポリエーテル化合物などの溶剤可溶型の
フッ素含有重合体が例示される。溶剤可溶型で、水酸基
を有するフッ素含有重合体としては、例えば特開平6−
263867号公報開示のフッ素含有重合体が、好適に
使用可能である。また溶剤系のフッ素樹脂塗料として市
販されている塗料のなかで、使用する反応性組成物と相
溶性のよいものを適宜選択して使用してもよい。市販さ
れているフッ素含有樹脂塗料としては、例えば、ルミフ
ロン(旭硝子製)、セフラルコート(セントラル硝子
製)、エムラロン345(日本アチソン製)等が挙げら
れる。
【0035】表面層を形成するための塗装方法としては
公知の方法が限定なく使用可能であり、スプレー法、ス
ピンコート法が例示される。
【0036】転写ドラム基材は、公知のドラム用材料は
限定なく使用できる。具体的にはアルミニウム、真鍮、
鉄等の金属材料、ABS、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリフェニレンオキサイド等の熱可塑性樹脂等が例
示される。転写ドラム基材に導電性が要求される場合に
は、樹脂材料にカーボンファイバー等の導電性充填剤を
添加することが好ましい。
【0037】半導電性シームレスゴムベルトに製造方法
としては公知の方法が限定なく使用可能であり、押出成
形、トランスファー成形、射出成形などが例示される。
【0038】ただし、上述のように2重円筒状の金型を
使用した射出成形により製造することが好ましい。
【0039】押出成形としては、未加硫ゴム組成物を連
続円筒状に押し出し、その円筒よりもやや大きな外径を
有するマンドレルに挿通して加熱、加硫し、少なくとも
その片面を研磨して仕上げる方法が例示される。本発明
の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0040】図1(a)は、シームレスの半導電性シー
ムレスゴムベルト2を示した斜視図である。図1(b)
には、円筒状のドラム基材の外周面にシームレスの半導
電性シームレスゴムベルト2が貼合された転写ドラムを
斜視図にて示した。
【0041】図2には、シームレスの半導電性シームレ
スゴムベルト2を成形するための金型の例を示した。成
形金型10は、上型12、外型14、中型16、及び下
型18とから構成されており、中型16の外面と外型1
4の内面とで成形キャビティー26が形成される。中型
16と外型14とは、いずれもベルト成形面にパーティ
ングのないシームレス構造である。中型16は下型18
に固定されている。
【0042】上型12を下面を図4に示した。上型12
の下面には、スプール22底部から放射状にランナー2
4が4本形成されている。ランナー24の先端はベルト
成形キャビティー26の端縁に周状に形成されたゲート
25に接続している。
【0043】未加硫ゴム組成物は、射出成形機のシリン
ダー(図示せず)の先端からロケートリング20のノズ
ルタッチ21から矢印Aの方向に射出される。射出され
た未加硫ゴム組成物はランナー24からゲート25に至
り、ゲート25においてベルト成形キャビティー26の
端縁に行き渡った後にベルト成形キャビティー26に圧
入される。
【0044】成形後のベルトを脱型する工程を図3に示
した。この図においては、上下2枚の熱盤を有する型締
め装置を備えた縦型の射出成形機を使用して成形した例
を示す。上型12は上熱盤31に固定されており、中型
16を固定した下型18は下熱盤33に固定されてい
る。成形完了後には、まず上熱盤31が上型12と共に
上昇する(矢印X)。次いで外型14が上昇する(矢印
Y)。成形されたベルトは、外型14の内面もしくは中
型16の外面に残るので、これを型から取り外す。金型
は外型と上型とを一体に固定した構造であってもよい。
【0045】型は、上記脱型の逆順に移動して組み立て
が完了し、射出成形が続けて行われる。
【0046】ドラム基材の外周面に半導電性シームレス
ゴムベルト層を射出成形により形成して転写ドラムを製
造する方法としては、上記の製造方法により製造された
ゴムベルトをドラム基材に被覆、接着する方法により製
造可能であるが、ドラム基材外周面に直接未加硫ゴム組
成物を貼着させて加硫と同時に接着することにより、転
写ドラムとすることが好ましい。ドラム基材外周面に直
接未加硫ゴム組成物を貼着させて加硫接着する方法にお
いて、中型としてドラム基材を使用する例を図5に示し
た。
【0047】金型の基本的な構成は図2に示したものと
同じである。中型48は、ドラム基材42を嵌着可能に
構成されている。中型48の内部には、図2に示した場
合と同様に、ドラム基材42をゴムの架橋温度に加熱す
るためのヒーターが設けられる。また嵌着後のドラム基
材42の端部側に嵌合するカバー部材44が設けられて
おり、カバー部材44は、その上面において上型12と
でランナー24を形成し、かつ上型12と図4における
P部と当接してボルトにより固定され、上型12とカバ
ー部材44とは一体に移動可能である。上型12の下端
部であって中型14の上端面との当接部には断熱材47
が、またカバー部材44の下端面にも断熱材にも断熱材
49が設けられており、上型は、未加硫ゴム組成物が流
動するが加硫反応は起こらない温度に調節される。
【0048】成形後の脱型の状態を図6に示した。脱型
においては、まずカバー部材44が固定された上型12
が上昇する。このとき、断熱材47、49の部分で加硫
されて形成されたベルト2と未加硫ゴム組成物Rが切断
される。次いで外型14を上昇させ、表面に半導電性シ
ームレスベルト2が被覆されたドラム基材42を取り出
す。ベルト2の端部は適宜仕上げ加工する。
【0049】図5、6に例示した方法により、ドラム基
材に射出成形法により半導電性ゴムベルト層を形成する
場合に、ドラム基材表面に接着力を向上する処理を施す
ことは好適な態様であり、ブラスト処理、プライマー処
理、接着剤処理などが例示される。これらの処理は組み
合わせて行ってもよい。接着剤としては、例えばアルミ
ニウムや鉄をドラム基材構成材料とする場合には、金属
面に塩化ゴムやハロゲン化ポリオレフィンを主成分とす
る接着剤、例えばCHEMLOK 205(LORD社
製)を塗布し、その上にクロロスルホン化ポリエチレン
を主成分とする接着剤、例えばCHEMLOK 220
又はCHEMLOK 252を塗布する構成が例示され
る。
【0050】本発明の半導電性シームレスゴムベルト
は、ベルトサイズとして周長が80〜1000mm、幅
が200〜500mm、厚みが0.4〜1.5mmの範
囲である。
【0051】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。使用した原材料の名称、成
分、サプライヤーは以下の通りである。
【0052】N230SV:NBR,AN量=35%,
日本合成ゴム DN401LL:NBR,AN量=15%,日本ゼオン タフデン2003:SBR,ST量=25%,旭化成工
業 DIENE35NFR:BR,旭化成工業 PVC:NBR/PVC=70/30(DN508SC
R(日本ゼオン)添加) ニップシールVN3:シリカ,日本シリカ工業 旭35:カーボンブラック(SRF−LM),旭カーボ
ン (実施例1〜5)表1に記載した配合にて未加硫ゴム組
成物を常法により作製した。配合量は重量比にて表示し
た。なお、表に記載した以外に添加した原材料とその添
加量は以下の通りである。
【0053】亜鉛華1号(堺化学工業):5重量部 ステアリン酸(日本油脂):1重量部 硫黄#300(鶴見化学工業):2重量部 加硫促進剤DM(大内新興化学工業):2重量部 加硫促進剤TET(大内新興化学工業):0.5重量部 図2に示した金型を使用し、作製した未加硫ゴム組成物
を使用して周長500mm,幅400mm,厚さ0.8
mmのベルトを射出成形法により作製した。
【0054】射出成形条件は、射出成形機における未加
硫ゴム組成物の加熱温度は80℃、金型温度を170℃
であった。
【0055】(比較例1、2)表1に示した配合に基づ
き、実施例と同様にしてベルトを作製した。
【表1】 (評価) (1)成形性 成形性については、金型の下端まで未加硫ゴム組成物が
流動して充填されたか否かにて判断した。ベルトは、成
形後に両端をそれぞれ約10mm裁断するために必要幅
よりも幅広い成形キャビティーが設けられている。評価
結果は、成形キャビティーに完全に充填された場合を
◎、完全に充填されていないが規格上必要な幅のベルト
が得られる程度に流動した場合を○、金型内での未加硫
ゴム組成物の流動性が乏しく、規格上必要な幅のベルト
が得られなかった場合を×にて表示した。
【0056】(2)電気抵抗値とその環境変動 体積抵抗率はベルトの幅方向に3点、周方向に4点、合
計12点について測定を行い、平均値にて表示した。測
定はNN環境(23℃、50%RH),HH環境(28
℃、85%RH),LL環境(10℃、15%RH)に
て、測定装置デジタル超高抵抗/微小電流計R8340
(アドバンテスト社製)を使用して行った。
【0057】環境変動による電気抵抗値の変化は、HH
環境における体積抵抗率の対数とLL環境における体積
抵抗率の対数との差log ρHH−log ρLLにて評
価した。
【0058】評価結果は表2に示した。この表2の結果
から、本発明の半導電性シームレスゴムベルトは成形性
が良好であり、電気抵抗値の環境変動も小さいことがわ
かる。しかし、比較例1のベルトは、成形性はよいが体
積抵抗率の環境変動が大きく、比較例2のベルトは成形
性が十分ではなかった。
【0059】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】半導電性シームレスゴムベルト並びに半導電性
シームレスゴムベルト層を有する転写ドラムを示した斜
視図
【図2】半導電性シームレスゴムベルトを射出成形にて
製造するための金型の例を示した縦断側面図
【図3】成形したベルトを脱型する状態を示した図
【図4】半導電性シームレスゴムベルトを射出成形にて
製造するための金型の上型の底面図
【図5】中型として円筒状ドラム基材を使用した例を示
した図
【図6】円筒状ドラム基材を中型とした成形後の脱型の
状態を示した図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/04 C08K 3/04 4F206 C08L 21/00 C08L 21/00 4J002 F16C 13/00 F16C 13/00 E G03G 15/00 550 G03G 15/00 550 // B29K 21:00 B29K 21:00 105:16 105:16 B29L 23:00 B29L 23:00 29:00 29:00 31:00 31:00 Fターム(参考) 2H071 BA42 DA09 2H200 FA13 JA02 JC02 JC04 JC15 JC16 LC03 MA03 MA14 MA17 MA20 MB04 3J103 AA02 AA51 EA02 FA30 GA57 GA58 GA60 GA74 HA20 HA52 HA53 HA54 4F071 AA12 AB03 AD02 AE17 AF37 AH16 BA01 BB05 BC06 4F202 AA45 AB13 AB18 AD05 AD12 AG03 AG08 AG16 AH12 AH33 CA11 CB01 CB26 CK03 CK11 CK43 CL02 CQ01 4F206 AA45 AB13 AB18 AD05 AG03 AG08 AG16 AH12 AH33 JA07 JB13 JF01 JF02 JF05 JL02 JM04 JN11 JQ81 JW33 4J002 AC032 AC071 AC082 AC091 AC111 CH041 CK021 DA036 FA086 FD016 GQ02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極性ゴムと低極性ゴムとをゴム材料と
    し、よう素吸着量が50g/kg以下のカーボンブラッ
    クを含む半導電性シームレスゴムベルト。
  2. 【請求項2】 前記極性ゴムと前記低極性ゴムの混合比
    率は、極性ゴム/低極性ゴム=99/1〜50/50で
    ある請求項1に記載の半導電性シームレスゴムベルト。
  3. 【請求項3】 前記低極性ゴムは、スチレンブタジエン
    ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)から選択され
    る少なくとも1種である請求項1又は2に記載の半導電
    性シームレスゴムベルト。
  4. 【請求項4】 前記ゴム材料100重量部に対して前記
    カーボンブラックが2〜50重量部添加されたものであ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の半導電性シームレス
    ゴムベルト。
  5. 【請求項5】 円筒ドラム基材の外周面に請求項1〜4
    のいずれかに記載の半導電性シームレスゴムベルトを被
    覆した転写ドラム。
  6. 【請求項6】 極性ゴムと低極性ゴムとをゴム材料と
    し、よう素吸着量が35g/kg以下のカーボンブラッ
    クを含む未加硫ゴム組成物を使用し、ベルト形成キャビ
    ティーが外面がシームレス円筒状の中型と内面がシーム
    レス円筒状の外型にて構成される2重円筒状の金型の前
    記ベルト形成キャビティーの1端から前記未加硫ゴム組
    成物を注入して硬化させる射出成形法により成形するこ
    とを特徴とする半導電性シームレスゴムベルトの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 極性ゴムと低極性ゴムとをゴム材料と
    し、よう素吸着量が35g/kg以下のカーボンブラッ
    クを含む未加硫ゴム組成物を使用し、ベルト形成キャビ
    ティーが外面がシームレス円筒状のドラム基材と内面が
    シームレス円筒状の外型にて構成される2重円筒状の金
    型の前記ベルト形成キャビティーの1端から前記未加硫
    ゴム組成物を注入して前記ドラム基材と半導電性シーム
    レスゴムベルトとを接着硬化させる射出成形法により製
    造することを特徴とする半導電性シームレスゴムベルト
    を貼合した転写ドラムの製造方法。
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