JP2003147430A - 製鋼用還元剤及び製鋼方法 - Google Patents

製鋼用還元剤及び製鋼方法

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JP2003147430A
JP2003147430A JP2001346240A JP2001346240A JP2003147430A JP 2003147430 A JP2003147430 A JP 2003147430A JP 2001346240 A JP2001346240 A JP 2001346240A JP 2001346240 A JP2001346240 A JP 2001346240A JP 2003147430 A JP2003147430 A JP 2003147430A
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reducing agent
slag
oxygen
blowing
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JP2001346240A
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Yoshiteru Kikuchi
良輝 菊地
Fumihiro Washimi
郁宏 鷲見
Tomoo Izawa
智生 井澤
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製鋼精錬工程において、酸素吹錬中にスラグ
中のマンガン酸化物やクロム酸化物等の合金元素の酸化
物及び鉄酸化物を還元する。 【解決手段】 炭素源と、脱酸用金属を含有する脱酸剤
とを混合し、その混合物の成形体からなる製鋼用還元剤
を気体酸素の吹錬中にスラグに添加することで、当該ス
ラグに含有される鉄酸化物、マンガン酸化物及びクロム
酸化物を還元することができる。この製鋼用還元剤で
は、炭素源中の炭素が一次燃焼する際に結合する酸素量
は、前記脱酸用金属が完全に酸化された際に結合する酸
素量よりも多くなるように、炭素源が配合されること、
又、炭素源を、石炭、プラスチックの内の1種以上と
し、脱酸剤を、アルミドロス、金属アルミニウム、金属
シリコン、フェロシリコンの内の1種以上とすること等
により、前記酸化物の還元を促進させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製鋼精錬に用いる
還元剤及びそれを用いた製鋼方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高炉で製造された溶銑や市中の鉄スクラ
ップ等から鋼材製品を製造するには、製鋼精錬工程を経
る必要がある。この製鋼精錬工程では、溶銑や鉄スクラ
ップに含まれる不純物を除去したり、メタル温度を上昇
させるために、酸素を用いた酸化精錬が行われる。又、
同時に、鋼材製品の材料特性上必要なマンガンやクロム
等の合金成分の調整も行われる。
【0003】従来、マンガンやクロム等の合金成分の調
整はフェロマンガン(Fe−Mn合金)やフェロクロム
(Fe−Cr合金)等の合金鉄で行われていたが、近
年、マンガン鉱石やクロム鉱石等の酸化物を製鋼精錬工
程で添加して、溶銑の含有する炭素により還元し、合金
鉄を節約した製鋼方法が採用されるようになった。特
に、マンガンは鋼材製品の必須成分であるため、マンガ
ン鉱石の添加は広く行われている。
【0004】しかし、転炉における溶銑の製鋼精錬工程
では、不純物の1つである溶銑中炭素を除去する必要が
あり、このための酸素吹錬により炉内に存在するスラグ
の酸化度が増加する。スラグ酸化度の増加に伴い、鉄よ
りも酸素との親和力が強いマンガンやクロムは優先的に
酸化されてスラグ中に移行し、マンガン鉱石やクロム鉱
石の還元歩留まりが減少する。
【0005】そのため、鉱石添加によって、これら合金
成分を所定量の濃度まで高めようとする場合には、大量
の鉱石を添加しなければならず、その結果、低い還元歩
留まりによる経済性デメリットのみならず、処理時間の
延長や大量の鉱石添加に伴うスラグ量の増加による炉内
耐火物の損耗増大、更にはこれに起因する長期安定操業
の未達といった問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、スラグ中に酸化
物の形態で存在するマンガンやクロム等の合金元素を回
収する方法としては、酸素吹錬の終了後にフェロシリコ
ン(Fe−Si合金)等の脱酸用金属をスラグに添加
し、還元する方法が行われているのみであり、製鋼精錬
工程の酸素吹錬中、即ち酸素による酸化精錬を行いなが
ら、スラグ中のマンガンやクロム等の合金元素を積極的
に回収する方法は未だ提案されていない。
【0007】尚、前述した酸素吹錬終了後に脱酸用金属
を添加する方法には、精錬時間の延長を招くという問題
点がある。又、従来、転炉における製鋼方法において、
酸素吹錬中に高純度黒鉛等の炭材を炉口からスラグ上に
添加することは行われているが、これは、スラグをフォ
ーミングさせ、操業を安定化させるためのもので、その
添加量も、炭材に含まれる窒素や硫黄が鋼材の成分に問
題を起こさない範囲の少量の添加量に限られており、ス
ラグ中のマンガンやクロム等合金元素を積極的に回収す
る方法とは全く異なるものである。又、炭材のみではス
ラグ中のクロム等の酸化物を還元するには限界があり、
十分に還元することは不可能である。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
ので、その目的とするところは、製鋼精錬工程におい
て、酸素吹錬中にスラグ中のマンガン酸化物やクロム酸
化物等の合金元素の酸化物及び鉄酸化物を還元すること
が可能な製鋼用還元剤並びに製鋼方法を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本願第1の発明による製鋼用還元剤は、炭素源と、
脱酸用金属を含有する脱酸剤とを混合し、その混合物を
成形して製造されることを特徴とし、第2の発明による
製鋼用還元剤は、第1の発明において、前記炭素源中の
炭素が一次燃焼する際に結合する酸素量は、前記脱酸用
金属が完全に酸化された際に結合する酸素量よりも多く
なるように、前記炭素源が配合されていることを特徴と
し、第3の発明による製鋼用還元剤は、第1の発明又は
第2の発明において、前記炭素源は、石炭、プラスチッ
クの内の1種以上であり、前記脱酸剤は、アルミドロ
ス、金属アルミニウム、金属シリコン、フェロシリコン
の内の1種以上であることを特徴とし、第4の発明によ
る製鋼用還元剤は、第3の発明において、前記石炭は、
揮発成分を4mass%以上含有することを特徴とし、第5
の発明による製鋼用還元剤は、第3の発明において、前
記プラスチックは、プラスチック製造工程或いはプラス
チック加工工程で発生するプラスチック廃材か、若しく
は、プラスチック製品の使用後発生する廃棄プラスチッ
クであることを特徴とし、第6の発明による製鋼用還元
剤は、第3の発明において、前記アルミドロスは、金属
アルミニウムを25mass%以上含有することを特徴とす
るものである。
【0010】又、第7の発明による製鋼方法は、第1の
発明ないし第6の発明の何れか1つの発明の製鋼用還元
剤を気体酸素の吹錬中にスラグに添加し、この製鋼用還
元剤により当該スラグに含有される鉄酸化物、マンガン
酸化物、クロム酸化物の内の1種以上を還元することを
特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を説明する。図1は、本発明による製鋼方
法を実施する際に用いた転炉設備の概略断面図である。
【0012】高炉から出銑された溶銑5は、溶銑鍋等の
溶銑搬送容器に受銑され、脱珪、脱硫、脱燐等の予備処
理が施された後、転炉1に装入される。転炉1では、主
に溶銑5中の炭素を除去するため、上吹きランス2から
の送酸による酸化精錬が行われる。転炉1には溶銑5を
攪拌するための底吹きノズル4が設置されており、気体
窒素やAr等の不活性ガスが吹き込まれる構造になって
いる。尚、上吹きランス2の代わりに底吹きノズル4に
類似した底吹き羽口(図示せず)を設置し、この底吹き
羽口から送酸しても良く、又、攪拌用不活性ガスを吹き
込むための底吹きノズル4は必ずしも設置する必要はな
い。
【0013】このような転炉設備を用いた製鋼精錬にお
いて、フェロマンガンの使用量削減を目的としてマンガ
ン鉱石を転炉1内に添加し、溶銑5中の炭素によるマン
ガン鉱石の還元を図る。マンガン鉱石の添加量は、最終
的に製造される鋼材製品の品種等によって変化するが、
マンガン純分で溶銑1トン当たり2〜15kg(以下「kg
/T」と記す)程度とすれば良い。
【0014】上吹きランス2からの酸素吹き込みを開始
することにより、溶銑5の脱炭反応が進行し、同時に酸
化鉄も生成して溶銑温度が上昇する。この酸素吹錬中、
吹錬初期から中期にかけては、マンガン鉱石を炉内に連
続的又は断続的に添加し、マンガン鉱石を溶融させ、溶
銑中炭素による還元を進行させる。マンガン鉱石の溶融
・還元により、マンガン鉱石に含有されるSiO2 に起
因してスラグ6が生成されるので、スラグ6の塩基度
(CaO/SiO2 )を調整するために、マンガン鉱石
の添加前又は添加中に、CaOを主成分とする生石灰等
のフラックスを添加する。
【0015】このようにして酸素吹錬を続けていくこと
により、溶銑5中の炭素濃度は徐々に低減すると同時に
マンガン鉱石の還元が進行して溶銑5中のマンガン濃度
が徐々に上昇する。しかし、酸素吹錬の中期から後期、
即ち溶銑5中の炭素濃度がおよそ0.6mass%以下に低
減した領域においては、脱炭速度が遅くなり、スラグ6
の酸化度が上昇し、スラグ6の酸化度に応じてマンガン
がMnOの形態でスラグ6中に残留する。この場合、ス
ラグ6の酸化度が高いほど、スラグ6中のMnO濃度は
上昇する。尚、スラグ6の酸化度はスラグ6中の鉄酸化
物濃度に依存し、鉄酸化物濃度が高いほどスラグ酸化度
は高くなる。
【0016】そのため、吹錬末期には、上吹きランス2
からの送酸量を低減させて、脱炭反応を優先的に起こさ
せ、マンガンの酸化を抑制するが、更に、強制的にスラ
グ6中のMnOの還元を促進させるため、原料投入装置
3を介して製鋼用還元剤7を炉内に添加する。この製鋼
用還元剤7は、炭素源と、脱酸用金属を含有する脱酸剤
とを混合し、その混合物を成形して製造されたものであ
る。
【0017】製鋼用還元剤7を構成する脱酸剤として
は、アルミニウムの製錬や溶解時に発生するアルミドロ
ス、金属アルミニウム、金属シリコン、フェロシリコン
等の内から、製造される鋼種や経済性等を考慮して最適
なものを用いることができる。但し、アルミドロス中の
金属アルミニウム含有量が少ない場合には、還元反応が
促進され難いので、少なくとも金属アルミニウムを25
mass%以上含有するアルミドロスを使用することが好ま
しい。
【0018】製鋼用還元剤7を構成する炭素源として
は、石炭、コークス、黒鉛等の炭材やプラスチックを用
いることができる。特に、石炭は揮発成分を含有してお
り、この揮発成分によりスラグ6が攪拌され、還元反応
が促進されるので、炭材の中では石炭を用いることが好
ましい。但し、この場合に、揮発成分が少ないと攪拌効
果を期待できないので、揮発成分を4mass%以上含有す
る石炭を使用することが好ましい。プラスチックとして
は、基本的にはプラスチックであれば何でも使用可能で
あるが、経済性の観点から、プラスチック製造工程或い
はプラスチック加工工程で発生するプラスチック廃材
か、若しくは、プラスチック製品の使用後発生する廃棄
プラスチックを用いることが好ましい。当然ではある
が、炭材とプラスチックとを混合して使用しても良い。
【0019】殆どのプラスチックは熱可塑性があり、脱
酸剤と攪拌・混合する、或いは、加熱しながら脱酸剤と
攪拌・混合することにより、プラスチックが半溶融若し
くは溶融し、バインダーとして機能するため、プラスチ
ックを用いた場合には、特別なバインダーを添加しなく
ても成形体を製造することができる。又、プラスチック
廃棄物の処理の観点からも炭素源としてプラスチックを
使用することが好ましい。この場合、プラスチック配合
量が2〜40mass%の場合にはブリケット状に成形し、
40mass%を超える場合には押出し成形により成形する
ことができるので、プラスチック含有量を幅広く調整す
ることができる。尚、炭材のみを炭素源として配合する
場合及びプラスチック含有量が1mass%以下の場合に
は、有機物系又は無機質系のバインダーが必要であり、
適宜の配合量によりブリケット状に成形する。炭材を炭
素源として配合した場合も、炭素源の配合比率は1〜9
9mass%の任意の値とすることができる。
【0020】このようにして製造される製鋼用還元剤7
を酸素吹錬中に添加することにより、強脱酸剤である脱
酸用金属によりスラグ6中の鉄酸化物の還元及びMnO
の還元が起こる。同時に、炭素源中の炭素成分によりス
ラグ6の還元が更に促進される。即ち、炭素源中の炭素
によるスラグ6中の鉄酸化物やMnOの直接還元、及
び、炭素の一次燃焼により生成されるCOガスによる間
接還元が発生し、更には、炭素源のガス化(COガスや
揮発成分)によりスラグ6が攪拌され、脱酸用金属によ
る還元反応が効率的に行われる。
【0021】この炭素源に起因するガス発生は、スラグ
6中の酸化物の還元に極めて効果的であり、そのため、
炭素源のガス化反応を促進する観点から、炭素源として
用いる炭材の粒度は微粒ほど好ましく、特に、10mm以
下の粒径の炭材を用いることが望ましい。
【0022】更に、脱酸用金属による反応即ち脱酸用金
属と酸素との結びつきと、炭素源による反応即ち炭素源
と酸素との結びつきとを適正化することにより、還元効
率を高めることができるので、炭素源中の炭素が一次燃
焼する際に結合する計算上の酸素量が、脱酸用金属が完
全に酸化された際に結びつく計算上の酸素量より多くな
るように、炭素源を配合することが好ましい。換言すれ
ば、炭素源の酸素に対する化学当量を脱酸用金属のそれ
に比べて大きくなるように、炭素源と脱酸用金属との配
合比率を定めることである。ここで、一次燃焼とは炭素
がスラグ中の酸素等と反応してCOガスを生成する反応
のことである。
【0023】製鋼用還元剤7の添加時期は、スラグ6の
酸化度が高くなる酸素吹錬の後半とする。このようにす
ることにより、スラグ6の過酸化を抑制でき、還元反応
に有効であり、トータルのマンガン回収の増加が可能に
なると共に、製鋼用還元剤7の使用量を少なくすること
ができる。スラグ6の酸化度が低い時期に製鋼用還元剤
7を添加した場合には、無駄に燃焼するのみで、その効
果は発揮されない。
【0024】尚、上記説明は、炭素鋼の製鋼精錬工程に
本発明の製鋼用還元剤を使用した場合の説明であるが、
マンガン含有量が数mass%から数10mass%の高マンガ
ン鋼やステンレス鋼の製鋼精錬工程においても本発明に
よる製鋼用還元剤を使用することができる。高マンガン
鋼の場合には、高炭素フェロマンガンを添加して溶湯の
マンガン分を所定値に調整し、次いで、送酸して脱炭す
る際に本発明の製鋼用還元剤を用いることができる。
又、ステンレス製鋼法における製鋼用還元剤の利用方法
は、基本的には炭素鋼の製鋼精錬工程と同一であり、異
なる点は還元対象がマンガンの代わりにクロムになるこ
とである。ステンレス鋼の製鋼精錬工程に用いられるA
OD炉では、脱炭のための送酸量が酸素吹錬の進行(溶
湯中炭素の減少)に伴って低減させられ、その際、気体
酸素に代わってArが増量されるものであり、吹錬途中
でスラグが過酸化状態になった場合に、製鋼用還元剤を
添加してスラグ中クロムの還元を進行させる。AOD炉
では、気体酸素が多量のArで希釈され、炭素の反応に
おける平衡との乖離が制御し易いことが原理上あるた
め、炭素源配合量の多い製鋼用還元剤を使用することが
できる。
【0025】更に、上記の転炉やAOD炉に限ることな
く、送酸を伴う製鋼精錬工程であれば、プロセスは何で
あっても本発明を適用することができる。例えば、電気
炉、酸素や空気を用いたバーナー溶解炉、真空下での吹
錬を行うRHに代表される環流脱ガスプロセス、更に
は、真空下での吹錬を行うVODに代表される浴面脱ガ
スプロセス等に本発明を適用することができる。
【0026】
【実施例】[実施例1]高炉から出銑された溶銑に対し
て、高炉鋳床における脱珪処理並びに転炉における脱燐
処理を施した後、転炉において脱炭処理を施した。この
転炉における脱炭処理工程において、本発明による製鋼
用還元剤を添加した試験と添加しない試験とを実施し、
脱炭処理後のスラグ中の鉄濃度及びマンガン濃度、並び
に、メタル中マンガン濃度に及ぼす影響を比較調査し
た。
【0027】全ての試験において、脱珪処理後の溶銑中
珪素濃度を0.06mass%まで低下させると共に、転炉
脱燐処理後の溶銑中燐濃度は0.012mass%まで低下
させた。脱燐処理が終了した溶銑を一旦転炉から取鍋に
出湯し、次いで、別の転炉に装入して脱炭処理を目的と
した酸化精錬を実施した。
【0028】用いた転炉は250トン容量であり、吹錬
初期にマンガン源としてマンガン鉱石を転炉内に添加し
た。用いたマンガン鉱石のマンガン濃度は48mass%、
SiO2 濃度は4mass%であり、マンガン純分として1
0kg/Tのマンガン鉱石を添加した。その際に、マンガン
鉱石から供給されるSiO2 によるスラグ塩基度の低下
を防止するため、生石灰を添加してスラグ塩基度を3.
3に調整した。
【0029】そして、転炉底部の底吹きノズルから溶銑
トン当たり毎分0.12Nm3 (以下「Nm3/min.T 」と記
す)の気体窒素又はArを吹き込んで溶銑を攪拌しなが
ら、上吹きランスから酸素を吹き付けた。送酸速度は、
吹錬初期から11分までは3.1Nm3/min.T 、11分以
降は2.0Nm3/min.T とした。この脱炭処理工程の終了
時点は、溶鋼中炭素濃度が0.05mass%となった時点
とし、その時の溶鋼温度は1650℃を目標とした。
【0030】用いた製鋼用還元剤は、金属アルミニウム
を50mass%含有するアルミドロスと廃棄プラスチック
とを混合して成形したもので、廃棄プラスチックの配合
量に対するアルミドロスの配合量の比が0.35のもの
であり、吹錬開始から11分経過以降に添加した。添加
量は溶銑トン当たり5kg/T、10kg/T、15kg/T、20
kg/Tの4水準とした。
【0031】表1に各試験における試験条件及び試験結
果を示す。表1からも明らかなように、脱酸剤とプラス
チックとからなる製鋼用還元剤を添加することにより、
スラグ中の鉄酸化物を大幅に低減すること、即ちスラグ
の酸化度を大幅に低減することができた。その結果、ス
ラグ中のマンガン酸化物も低減され、マンガンの損失が
少なくなり、メタルのマンガン濃度を高くすることがで
きた。又、メタル中の燐のピックアップもなく、更に、
スラグ量も少なくすることができ、更に又、還元反応に
費やされる熱量の増加にも拘わらず、熱余裕の減少もな
く、処理終了温度を所定値にすることができた。尚、表
1の備考欄には、製鋼用還元剤を添加した試験には本発
明例と表示し、それ以外の試験には従来例と表示した。
【0032】
【表1】
【0033】[実施例2]電気炉で溶製したステンレス
鋼粗溶湯に対し、AOD炉において脱炭処理を施した。
この脱炭処理工程において、本発明による製鋼用還元剤
を添加した試験と添加しない試験とを実施し、処理後の
スラグ中クロム濃度及びメタル中クロム濃度に及ぼす影
響を比較調査した。用いたAOD炉は120トン容量で
あり、炉内の湯面下側壁部には、気体酸素及びArを吹
き込むことの可能な二重管羽口を有している。
【0034】全ての試験において、吹錬開始時には酸素
流量を1.0Nm3/min.T とし、吹錬の進行に伴い、気体
酸素とArとの比(酸素/Ar)を3程度から2、1、
1/2、1/3と順に低下させた。初期の溶湯は、クロ
ム濃度が18.0mass%、ニッケル濃度が7.0mass
%、炭素濃度が1.4mass%、珪素濃度が0.8mass%
であった。
【0035】用いた製鋼用還元剤は、脱酸剤としてフェ
ロシリコンを用い、炭素源としては廃棄プラスチック
(A)と石炭(B)の2水準に変更した。製鋼用還元剤
におけるフェロシリコンの質量比率は25mass%一定と
した。又、製鋼用還元剤等から供給されるSiO2 によ
るスラグ塩基度の低下を防止するため、生石灰を添加し
てスラグ塩基度を1.4程度に調整した。
【0036】吹連中、吹錬終了の10分前から1分前ま
での期間、製鋼用還元剤を添加しながら吹錬を実施し、
ステンレス溶湯中炭素濃度が0.03mass%になる時点
まで吹錬した。吹錬終了時のステンレス溶湯温度は17
20℃を目標とした。
【0037】表2に各試験における試験条件及び試験結
果を示す。表2からも明らかなように、脱酸剤とプラス
チックとからなる製鋼用還元剤を添加することにより、
処理終了時点においてスラグへのクロム損失を低減する
ことができた。
【0038】
【表2】
【0039】又、例えば、吹錬時に10kg/Tの製鋼用還
元剤(フェロシリコン:2.5kg/T)を使用した場合を
例にすれば、スラグ中のクロム濃度が低減されるため、
最終成分調整時のスラグ還元用フェロシリコン量を従来
例における8kg/Tから3kg/Tに低減することができたよ
うに、本発明の製鋼用還元剤を使用することにより、吹
錬中及び吹錬後の合計のフェロシリコン使用量を従来例
に比較して削減することができた。尚、表2の備考欄に
は、製鋼用還元剤を添加した試験には本発明例と表示
し、それ以外の試験には従来例と表示した。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、製鋼精錬工程におい
て、酸素の吹錬中にスラグ中のマンガン酸化物やクロム
酸化物等の合金元素の酸化物及び鉄酸化物を還元するこ
とが可能となり、省資源並びに省エネルギーが達成され
ると共に発生スラグ量を少なくすることができる等々、
工業上有益な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による製鋼方法を実施する際に用いた転
炉設備の概略断面図である。
【符号の説明】
1 転炉 2 上吹きランス 3 原料投入装置 4 底吹きノズル 5 溶銑 6 スラグ 7 製鋼用還元剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井澤 智生 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K013 EA19 EA28 EA30 4K070 AB04 AC02 BB08 BC01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素源と、脱酸用金属を含有する脱酸剤
    とを混合し、その混合物を成形して製造されることを特
    徴とする製鋼用還元剤。
  2. 【請求項2】 前記炭素源中の炭素が一次燃焼する際に
    結合する酸素量は、前記脱酸用金属が完全に酸化された
    際に結合する酸素量よりも多くなるように、前記炭素源
    が配合されていることを特徴とする請求項1に記載の製
    鋼用還元剤。
  3. 【請求項3】 前記炭素源は、石炭、プラスチックの内
    の1種以上であり、前記脱酸剤は、アルミドロス、金属
    アルミニウム、金属シリコン、フェロシリコンの内の1
    種以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の製鋼用還元剤。
  4. 【請求項4】 前記石炭は、揮発成分を4mass%以上含
    有することを特徴とする請求項3に記載の製鋼用還元
    剤。
  5. 【請求項5】 前記プラスチックは、プラスチック製造
    工程或いはプラスチック加工工程で発生するプラスチッ
    ク廃材か、若しくは、プラスチック製品の使用後発生す
    る廃棄プラスチックであることを特徴とする請求項3に
    記載の製鋼用還元剤。
  6. 【請求項6】 前記アルミドロスは、金属アルミニウム
    を25mass%以上含有することを特徴とする請求項3に
    記載の製鋼用還元剤。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6の何れか1つに
    記載の製鋼用還元剤を気体酸素の吹錬中にスラグに添加
    し、この製鋼用還元剤により当該スラグに含有される鉄
    酸化物、マンガン酸化物、クロム酸化物の内の1種以上
    を還元することを特徴とする製鋼方法。
JP2001346240A 2001-11-12 2001-11-12 製鋼用還元剤及び製鋼方法 Pending JP2003147430A (ja)

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