JP2003146795A - 高耐熱衝撃性シリコンウエハ - Google Patents

高耐熱衝撃性シリコンウエハ

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JP2003146795A
JP2003146795A JP2001344136A JP2001344136A JP2003146795A JP 2003146795 A JP2003146795 A JP 2003146795A JP 2001344136 A JP2001344136 A JP 2001344136A JP 2001344136 A JP2001344136 A JP 2001344136A JP 2003146795 A JP2003146795 A JP 2003146795A
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atoms
oxygen
thermal shock
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JP2001344136A
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Chikaaki Ko
新明 黄
Keigo Hoshikawa
圭吾 干川
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Silicon Technology Co Ltd
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Silicon Technology Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコンウエハの熱処理工程において、熱衝
撃によるスリップや転位が発生しない高耐熱衝撃性のシ
リコンウエハを提供。 【解決手段】 シリコン単結晶中に、濃度5×1019
〜1.5×1020atoms/cmのゲルマニウム
(Ge)と、濃度11×1017〜18×10 at
oms/cm(OLD ASTM)の酸素とを含有さ
せるか、または、濃度2×1018〜1.5×1020
atoms/cmのGeと、濃度11×1017〜1
8×1017atoms/cm(OLD ASTM)
の酸素と、濃度1×1018〜2×1020atoms
/cmのボロン(B)とを含有させたシリコンウエハ
である。 【効果】 8インチ以上の大口径ウエハでも、熱処理工
程での熱衝撃によるスリップが発生せず、デバイス加工
工程の作業性に優れ、製品歩留まりが高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体及びオプト
デバイス等の製造に使用されるシリコンウエハに関し、
より詳しくは、デバイス加工工程において、熱衝撃によ
るスリップや転位が発生しない高耐熱衝撃性シリコンウ
エハに関する。
【0002】
【従来の技術】IC、LSI等の半導体材料として用い
られているシリコンウエハは、主にチョクラルスキー法
(以下「CZ法」と記す。)によって製造されたシリコ
ン単結晶から作製されている。
【0003】一般に、シリコンウエハは、シリコン単結
晶中に、所望濃度のボロン、及びリン、ヒ素、アンチモ
ン等のドーパントが添加され、シリコンウエハの電気的
な性質が制御されている。
【0004】シリコンウエハは、デバイスメーカーにお
いて、種々の熱処理工程を経て、製品となる。この熱処
理工程において、熱処理炉内へのシリコンウエハの出し
入れの際に生ずるシリコンウエハ内の温度の不均一性、
熱処理炉内での昇温や降温する際の熱衝撃により、シリ
コンウエハ中に、スリップや転位が発生し、製品歩留ま
りが低下するという問題があった。特に、8インチ(直
径200mmφ)以上の大口径シリコンウエハの場合、
熱処理をする際、シリコンウエハ自重に起因して発生す
る応力により、シリコンウエハ中にスリップや転位が発
生してしまい、製品歩留まりが著しく低下し、問題とな
っていた。
【0005】この解決策として、従来、シリコンウエハ
中の格子間酸素濃度を一定に制御し、格子間酸素の働き
により、シリコンウエハの機械的強度を一定範囲に保ち
耐熱衝撃性を付与させる方法が用いられていたが、耐熱
衝撃性は、不十分であった。
【0006】一方、特開昭62−72595号公報に
は、シリコン半導体基板材料およびその製作方法が開示
されており、明細書中には、シリコンの結晶を成長させ
るに先立って、シリコン溶融物に不純物として高濃度の
ゲルマニウム(以下「Ge」と記す。)を添加すること
によりシリコン基板材料の強度を高めるようにしたもの
であることが記載されており、また、シリコン原子10
0万個につきGe原子を少なくとも8000個以上、す
なわち5×1020atoms/cm以上を加えるこ
とにより、殆どの用途に用いられるシリコン基板を好適
に強化することができると記載されている。
【0007】しかしながら、本発明者らが追試したとこ
ろ、特開昭62−72595号公報に記載のGe濃度で
は、機械的強度が上がることはなく、逆に、Ge濃度の
増加と共に、機械的強度は下がり、極端な場合、単結晶
の成長も不可能となることが判明した。
【0008】従来、シリコンウエハ中に発生するスリッ
プや転位の防止方法としては、シリコンウエハを低温で
熱処理させたり、熱処理炉内へのシリコンウエハの出し
入れを遅くする方法、熱処理炉内の温度を下げた後、シ
リコンウエハの出し入れを行う方法、あるいは、熱処理
する際の昇温、降温速度を遅くする方法等が採用されて
いたが、これらは、デバイス加工工程の生産性を低下さ
せてしまうという問題点があった。また、8インチ以上
の大口径シリコンウエハには、適用できなかった。
【0009】シリコンウエハのデバイス加工工程におい
て、生産性よく、かつ製品歩留まりを低下させず、また
8インチ以上の大口径シリコンウエハにも適用し得る解
決策が望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解決する、シリコンウエハのデバイス加工工程に
おける熱処理工程において、熱衝撃によるスリップや転
位が発生しない高耐熱衝撃性のシリコンウエハを提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、シリコン結晶中に、特定範囲の高濃度のGe
及び酸素を含有させるか、あるいは、特定範囲の高濃度
のGe、酸素及びボロン(以下「B」と記す。)を含有
させることにより、高い耐熱衝撃性を有するシリコンウ
エハが得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0012】すなわち、本発明の、請求項1に記載の高
耐熱衝撃性シリコンウエハは、シリコンウエハ中に、高
濃度の不純物であるGeと、高濃度の不純物である酸素
とが含有されてなることを特徴とするものである。
【0013】請求項2に記載の高耐熱衝撃性シリコンウ
エハは、請求項1に記載の発明において、Ge濃度が、
5×1019〜1.5×1020atoms/cm
あり、かつ酸素濃度が、10×1017〜18×10
17atoms/cm(OLD ASTM)であるこ
とを特徴とするものである。
【0014】請求項3に記載の高耐熱衝撃性シリコンウ
エハは、シリコンウエハの耐熱衝撃性が、請求項2に記
載のGe及び酸素の濃度にのみ依存し、他のドーパント
の種類及び濃度とは無関係であることを特徴とするもの
である。
【0015】請求項4に記載の高耐熱衝撃性シリコンウ
エハは、シリコンウエハ中に、高濃度の不純物であるG
eと、高濃度の不純物である酸素と、高濃度の不純物で
あるBとが含有されてなることを特徴とするものであ
る。
【0016】請求項5に記載の高耐熱衝撃性シリコンウ
エハは、請求項4に記載の発明において、Ge濃度が、
2×1018〜1.5×1020atoms/cm
あり、かつ酸素濃度が、11×1017〜18×10
17atoms/cm(OLD ASTM)であり、
かつB濃度が、1×1018〜2×1020atoms
/cmであることを特徴とするものである。
【0017】請求項6に記載の高耐熱衝撃性シリコンウ
エハは、シリコンウエハの耐熱衝撃性が、請求項5に記
載のGe、酸素及びBの濃度にのみ依存し、他のドーパ
ントの種類及び濃度とは無関係であることを特徴とする
ものである。
【0018】以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】本発明の第1の態様の高耐熱衝撃性シリコ
ンウエハは、シリコンウエハ中に、高濃度の不純物であ
るGeと、高濃度の不純物である酸素とを含有させてな
るものである。
【0020】シリコンウエハ中の高濃度の不純物である
Geと、高濃度の不純物である酸素とが形成するGe−
酸素コンプレックスが、シリコン単結晶内で発生したス
リップや転位を、ミクロ範囲で効果的に固着させ、熱衝
撃によるスリップや転位を、マクロ範囲で十分抑制し、
高耐熱衝撃性を有するシリコンウエハが実現できる。
【0021】シリコン結晶中に添加されるGeは、元素
周期律表第IV族のシリコンと同じであり、室温でのバ
ンドギャップ(Eg)は、Geが0.66eV、シリコ
ンが1.12eVと若干異なるが、シリコン結晶中に添
加させても、シリコン単結晶の抵抗率、導電性等の電気
的特性は変らず、かつシリコン単結晶と添加したGeと
が混晶を形成するため、Geの濃度を連続的に調整する
ことが可能である。
【0022】また、シリコン単結晶中の酸素は、従来の
シリコンウエハ中にも含有されており、一定濃度に制御
すれば、特に支障はない。
【0023】第1の態様において、シリコンウエハ中の
Ge濃度は、5×1019〜1.5×1020atom
s/cmであり、また、酸素濃度は、11×1017
〜18×1017atoms/cm(OLD AST
M)である。
【0024】シリコンウエハ中のGe濃度が、5×10
19〜1.5×1020atoms/cm、かつ酸素
濃度が、11×1017〜18×1017atoms/
cm (OLD ASTM)の範囲内では、シリコンウ
エハ中のGe及び酸素が形成するGe−酸素コンプレッ
クスにより、シリコンウエハ内のスリップや転位の発生
が効果的に抑制され、高耐熱衝撃性を有する。Ge及び
酸素の濃度が、上記範囲内では、熱衝撃によるスリップ
や転位の抑制効果は、Ge及び酸素の濃度が高ければ高
いほど大きくなる。
【0025】しかしながら、Ge濃度が、1.5×10
20atoms/cm超になると、シリコン単結晶中
に格子の歪みが発生し、熱衝撃によるスリップや転位の
抑制効果が急激に低下してしまうため、単結晶成長時
に、他に転位の原因はなくとも、スリップが入ってしま
い、無転位のシリコン単結晶を作製することができな
い。
【0026】さらに、Ge濃度を増加させて、約1×1
21atoms/cmになると、シリコン単結晶成
長の際に、組成過冷却現象が起こり、成長中の単結晶が
多結晶に変化してしまい、シリコン単結晶を得ることが
できない。
【0027】Ge濃度が、5×1019atoms/c
未満、または酸素濃度が、11×1017atom
s/cm(OLD ASTM)未満の場合には、シリ
コンウエハ中のGe及び酸素が形成するGe−酸素コン
プレックスが過小となり、転位固着効果が不十分で、熱
衝撃によるスリップや転位の抑制効果が不十分となり、
不都合である。
【0028】また、酸素濃度が、18×1017ato
ms/cm(OLD ASTM)超になると、シリコ
ンウエハ内の欠陥として、大量の酸素析出物が発生し、
不都合である。
【0029】Ge及び酸素を、上記濃度範囲内で含有す
るシリコンウエハは、他のドーパントとして、低濃度の
B、リン、ヒ素、アンチモン等が存在していても、Ge
−酸素コンプレックスによる転位固着効果には、なんら
影響することがない。
【0030】本発明の第2の態様の高耐熱衝撃性シリコ
ンウエハは、シリコンウエハ中に、高濃度の不純物であ
るGeと、高濃度の不純物である酸素と、高濃度の不純
物であるBとを含有させてなるものである。
【0031】第2の態様において、シリコンウエハ中の
Ge濃度は、2×1018〜1.5×1020atom
s/cmであり、かつ酸素濃度は、11×1017
18×1017atoms/cm(OLD AST
M)であり、かつB濃度は、1×1018〜2×10
20atoms/cmである。
【0032】第2の態様では、第1の態様におけるGe
濃度の下限値5×1019atoms/cm未満の場
合でも、すなわちGe濃度が2×1018atoms/
cm 以上であれば、第1の態様と同様の転位固着効果
を得ることができる。
【0033】高濃度の不純物であるBを併せて添加させ
る第2の態様では、シリコンウエハ中のGe、酸素及び
Bが形成するGe−酸素−Bコンプレックスは、第1の
態様におけるGe−酸素コンプレックスよりも、より一
層安定であり、シリコン単結晶内で発生したスリップや
転位を、ミクロ範囲で、より一層効果的に固着させ、熱
衝撃によるスリップや転位を、マクロ範囲で十分抑制
し、高耐熱衝撃性を有するシリコンウエハが実現でき
る。
【0034】第2の態様では、第1の態様のGe濃度よ
り、1桁以上少ないGe濃度でも、第1の態様と同等の
転位固着効果が得られる。
【0035】Ge濃度が、2×1018atoms/c
未満、酸素濃度が、11×10 17atoms/c
(OLD ASTM)未満、またはB濃度が、1×
10 18atoms/cm未満のいずれかの場合は、
シリコンウエハ中のGe、酸素及びBが形成するGe−
酸素−Bコンプレックスが過小となり、転位固着効果が
不十分で、熱衝撃によるスリップや転位の抑制効果が不
十分となり、不都合である。
【0036】B濃度が、2×1020atoms/cm
超の場合、シリコン単結晶成長の際、組成過冷却現象
による多結晶化の恐れがあり、結晶の成長速度を非常に
遅くしなくてはならず、生産性が著しく低下し、不都合
である。
【0037】Ge、酸素及びBを、上記範囲内で含有す
るシリコンウエハは、他のドーパントとして、低濃度の
リン、ヒ素、アンチモン等が存在していても、Ge−酸
素−Bコンプレックスによる転位固着効果には、なんら
影響することがない。
【0038】本発明の高耐熱衝撃性シリコンウエハの製
造方法は、まず、シリコン結晶に対して、所定量のGe
と酸素を、あるいは所定量のGe、酸素及びBを、さら
に必要に応じて、他のドーパントを添加させて、CZ法
等の通常の単結晶育成方法を用いて、シリコン単結晶を
育成する。ついで、育成したシリコン単結晶を、通常用
いられている加工方法を用いて、加工し、本発明のシリ
コンウエハを作製する。
【0039】本発明の高耐熱衝撃性シリコンウエハは、
デバイス加工工程における熱衝撃によるシリコンウエハ
内のスリップや転位の発生が、効果的に抑制され、熱衝
撃によるスリップや転位が発生せず、優れた耐熱衝撃性
を有する。
【0040】本発明の高耐熱衝撃性シリコンウエハは、
デバイス加工工程での苛酷な熱処理条件においても、熱
衝撃やシリコンウエハの自重等によるスリップや転位
が、効果的に抑制され、熱衝撃によるスリップや転位が
発生しないので、作業性、生産性に優れ、製品歩留まり
も低下しない。
【0041】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を、実施例に基
き、以下に説明する。なお、本発明は、実施例によりな
んら限定されない。
【0042】実施例1 シリコン結晶に、濃度0(ブランク)、1×1019
1×1021atoms/cmのGeと、濃度11×
1017〜18×1017atoms/cm(OLD
ASTM)の酸素とを、表1に示すように、各々組み
合わせて添加させ、CZ法により、6インチ(直径15
0mmφ)シリコン単結晶を育成させた後、周知の加工
方法により、6インチ(100)鏡面供試ウエハを作製
した。
【0043】また、Ge及び酸素以外に、他のドーパン
トとして、Bを約1015atoms/cm、または
リンを約1014atoms/cm併せて添加し、以
下同様にして、供試ウエハを作製した。
【0044】作製した供試ウエハを、熱処理炉内で、温
度800または1100℃で、2時間、熱処理した後、
熱処理炉から、表1に示した3種類の取出速度(冷却速
度換算)で、供試ウエハを取り出した。
【0045】取り出した供試ウエハのスリップ発生の有
無を、ライトエッチングにより検査し、ウエハの耐熱衝
撃性試験を行った。結果を表1に示す。表中、熱処理炉
内からの取出速度は、供試ウエハの冷却速度(℃/分)
に換算し、また、「スリップあり」を「×」、「スリッ
プなし」を「○」、「単結晶育成不可」を「−」で表し
た。
【0046】実施例2 シリコン結晶に、濃度1×1020、2×1020at
oms/cmのGeと、濃度1×1015atoms
/cm(OLD ASTM)の酸素とを添加させ、浮
融体法(以下「FZ法」と記す。)により、5インチ
(直径125mmφ)シリコン単結晶を育成した後、周
知の加工方法により、5インチ(100)鏡面供試ウエ
ハを作製した。
【0047】作製した供試ウエハについて、実施例1と
同様にして、ウエハの耐熱衝撃性試験を行った。試験結
果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1は、Ge及び酸素の濃度を種々に変化
させて、CZ法またはFZ法により作製した供試ウエハ
を、熱処理炉内温度×取出速度(冷却速度換算)を、1
100℃×400℃/分、1100℃×200℃/分、
800℃×50℃/分として行った耐熱衝撃性試験結果
である。
【0050】実施例1において、Ge濃度が、1×10
21atoms/cmの場合には、結晶育成中に多結
晶となってしまい、シリコン単結晶を得ることができな
かった。熱処理炉内温度800℃×取出速度(冷却速度
換算)50℃/分の耐熱衝撃性試験では、大量のスリッ
プが観察された。
【0051】Ge濃度が、1.5×1020atoms
/cm超となる、2×1020atoms/cm
場合には、全ての耐熱衝撃性試験において、供試ウエハ
にスリップの発生がみられた。
【0052】Ge濃度が、5×1019〜1.5×10
20atoms/cm、かつ酸素濃度が、11×10
17〜18×1017atoms/cm(OLD A
STM)の場合には、全ての耐熱衝撃性試験において、
供試ウエハにはスリップの発生がみられず、優れた耐熱
衝撃性を有していることが確認された。
【0053】また、Ge濃度が、5×1019atom
s/cm未満、または酸素濃度が、11×1017
toms/cm(OLD ASTM)未満のいずれか
の場合では、熱処理炉内温度800℃×取出速度(冷却
速度換算)50℃/分で、非常にゆっくり取り出した時
には、供試ウエハにはスリップの発生はみられなかっ
た。しかしながら、1100℃×200℃/分、及び1
100℃×400℃/分の時には、供試ウエハにはスリ
ップの発生がみられた。
【0054】なお、他のドーパントして、低濃度のB及
びリンを併せて添加した供試ウエハにおいても、上記他
のドーパントが無添加の場合と同様の結果であった。
【0055】実施例2で作製したFZ法による供試ウエ
ハについての耐熱衝撃性試験でも、実施例1のCZ法に
よる供試ウエハと同様の結果であった。
【0056】実施例3 実施例1において、濃度1×1018〜1.5×10
20atoms/cmのGeと、濃度1×1015
18×1017atoms/cm(OLD AST
M)の酸素と、濃度1×1017〜2×1020ato
ms/cmのBとを、表2に示すように、各々組み合
わせて添加した以外は、実施例1と同様にして、CZ法
による供試ウエハを作製した。
【0057】また、Ge、酸素及びB以外に、他のドー
パントとして、リンを約1014atoms/cm
せて添加し、以下、実施例1と同様にして、CZ法によ
る供試ウエハを作製した。
【0058】作製した供試ウエハについて、実施例1と
同様にして、耐熱衝性撃試験を行った。試験結果を表2
に示す。
【0059】
【表2】
【0060】表2で示すように、Ge濃度が、2×10
18〜1.5×1020atoms/cm、かつ酸素
濃度が、11×1017〜18×1017atoms/
cm (OLD ASTM)、かつB濃度が、1×10
18〜2×1020atoms/cmの場合には、全
ての耐熱衝撃性試験において、供試ウエハにはスリップ
の発生がみられず、優れた耐熱衝撃性を有していること
が確認された。
【0061】また、Ge濃度が、2×1018atom
s/cm未満、酸素濃度が、11×1017atom
s/cm(OLD ASTM)未満、またはB濃度
が、1×1018atoms/cm未満のいずれかの
場合、熱処理炉内温度800℃×取出速度(冷却速度換
算)50℃/分で、非常にゆっくり取り出した時には、
供試ウエハにはスリップの発生はみられなかった。しか
しながら、1100℃×200℃/分、及び1100℃
×400℃/分の時には、供試ウエハにはスリップの発
生がみられた。
【0062】なお、他のドーパントとして、低濃度のリ
ンを併せて添加した供試ウエハにおいても、上記他のド
ーパントが無添加の場合と同様の結果であった。
【0063】図1は、実施例1〜3の結果より、シリコ
ンウエハ中の酸素の濃度が11×1017〜18×10
17atoms/cm(OLD ASTM)の範囲内
で、Ge及びBの濃度を種々変化させた時に、供試ウエ
ハにスリップが発生しなかった領域を示す図である。
【0064】図1中、斜線の領域は、供試ウエハ内にス
リップが発生しない高耐熱衝撃性を有するシリコンウエ
ハの範囲を示している。
【0065】なお、上記実施例1〜3の結果は、5イン
チまたは6インチウエハのみならず、8インチ以上の大
口径ウエハでも同様の結果であった。
【0066】
【発明の効果】本発明の高耐熱衝撃性シリコンウエハ
は、耐熱衝撃性が高く、デバイス加工工程における苛酷
な熱処理条件でも、シリコンウエハ内にスリップや転位
が発生せず、製品歩留まりが向上する。
【0067】また、本発明の高耐熱衝撃性シリコンウエ
ハは、耐熱衝撃性が高いため、デバイス加工工程中の熱
処理工程において、熱処理炉内へのウエハの出し入れ、
熱処理炉内の昇温、降温等が非常に容易に行うことがで
き、作業性、生産性を向上させることができる。
【0068】また、本発明の高耐熱衝撃性シリコンウエ
ハは、8インチ以上の大口径ウエハで、従来、デバイス
加工工程の熱処理の際に生じたウエハの自重による、シ
リコンウエハ内のスリップや転位を、効率的に抑制で
き、熱衝撃によるスリップや転位が発生しないので、作
業性、生産性が向上すると共に、製品歩留まりを向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 シリコンウエハ中の酸素の濃度が11×10
17〜18×10 atoms/cm(OLD A
STM)の範囲内で、Ge及びBの濃度を種々変化させ
た時に、供試ウエハにスリップが発生しなかった領域を
示す図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンウエハ中に、高濃度の不純物で
    あるゲルマニウムと、高濃度の不純物である酸素とが含
    有されてなることを特徴とする高耐熱衝撃性シリコンウ
    エハ。
  2. 【請求項2】 ゲルマニウム濃度が、5×1019
    1.5×1020atoms/cmであり、かつ酸素
    濃度が、11×1017〜18×1017atoms/
    cm(OLD ASTM)であることを特徴とする請
    求項1に記載の高耐熱衝撃性シリコンウエハ。
  3. 【請求項3】 シリコンウエハの耐熱衝撃性が、請求項
    2に記載のゲルマニウム及び酸素の濃度にのみ依存し、
    他のドーパントの種類及び濃度とは無関係であることを
    特徴とする高耐熱衝撃性シリコンウエハ。
  4. 【請求項4】 シリコンウエハ中に、高濃度の不純物で
    あるゲルマニウムと、高濃度の不純物である酸素と、高
    濃度の不純物であるボロンとが含有されてなることを特
    徴とする高耐熱衝撃性シリコンウエハ。
  5. 【請求項5】 ゲルマニウム濃度が、2×1018
    1.5×1020atoms/cmであり、かつ酸素
    濃度が、11×1017〜18×1017atoms/
    cm(OLD ASTM)であり、かつボロン濃度
    が、1×1018〜2×1020atoms/cm
    あることを特徴とする請求項4に記載の高耐熱衝撃性シ
    リコンウエハ。
  6. 【請求項6】 シリコンウエハの耐熱衝撃性が、請求項
    5に記載のゲルマニウム、酸素及びボロンの濃度にのみ
    依存し、他のドーパントの種類及び濃度とは無関係であ
    ることを特徴とする高耐熱衝撃性シリコンウエハ。
JP2001344136A 2001-11-09 2001-11-09 高耐熱衝撃性シリコンウエハ Pending JP2003146795A (ja)

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JP2012201551A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Tohoku Univ シリコン結晶、シリコン結晶の製造方法およびシリコン多結晶インゴットの製造方法
DE102009023983B4 (de) * 2008-06-05 2015-05-21 Sumco Corp. Siliciumepitaxialwafer und das Herstellungsverfahren dafür

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