JP2003145486A - 車両用窓材の取外し方法 - Google Patents

車両用窓材の取外し方法

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JP2003145486A
JP2003145486A JP2001353186A JP2001353186A JP2003145486A JP 2003145486 A JP2003145486 A JP 2003145486A JP 2001353186 A JP2001353186 A JP 2001353186A JP 2001353186 A JP2001353186 A JP 2001353186A JP 2003145486 A JP2003145486 A JP 2003145486A
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JP2001353186A
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Shoji Takeda
尚司 竹田
Shigeto Shibata
成人 柴田
Eiji Ito
栄治 伊藤
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の窓開口部から窓材を容易かつ迅速に取
り外すことを可能にする車両用窓材の取外し方法を提供
する。 【解決手段】 切断手段20の車内側張力保持点20a
の位置を窓材12の車内側面の近傍、かつ窓材12への
投影位置が窓材の上辺と下辺との間で両側辺付近にまで
広がる窓材の中央領域の中になる位置とし、窓材12の
中央領域に対して上側の接着剤を切断する時は車内側張
力保持点20aを窓材12の一方の側辺付近の第一位置
におおむね位置させ、窓材12の中央領域に対して下側
の接着剤を切断する時は車内側張力保持点20aを窓材
12の他方の側辺付近の第二位置におおむね位置させ
て、切断手段20によって接着剤を切断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の窓開口部か
ら窓材を容易に取り外すことを可能にする車両用窓材の
取外し方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車体の窓開口部には、窓材で
ある透明なガラス板が取り付けられている。ガラス板は
窓開口部の縁部に、接着剤を介して接着されたり、樹脂
製の枠材と接着剤とを介して接着されたりしている。
【0003】一例として、自動車のリアガラスの上辺部
分の接着構造を、断面図として図14に示す。ガラス板
12の上辺は、その車内側面12bを、ボディパネル
(アウタパネル)10aの窓開口部15周縁においてボ
ディパネル10aの表面より車内側に配置された取付フ
ランジ16に、接着剤11により強固に接着されてい
る。取付フランジ16とボディパネル10aとは開口部
側壁15aによって接続されている。取付フランジ16
は、ボディパネル10aの窓開口部15周縁に沿って延
びている。
【0004】従来は、次のようにしてガラス板を車体か
ら取り外していた。先ず、図14に示すガラス板12と
取付フランジ16との間の接着剤11に、ピアノ線(直
径0.5mm程度のもの)等の糸状の切断手段を車内外
(図中左右方向)に貫通させる。次いで、その切断手段
の、車内側端部を一人の作業者が保持し、車外側端部を
もう一人の作業者が保持する。そして、二人の作業者の
協働により、切断手段を車内外へ往復運動させながら切
断手段をガラス板12の周縁に沿って周回させて、接着
剤11を切断する。こうして、ガラス板12を車体から
取り外していた。しかし、このような作業は極めて煩雑
で作業者への負担が大きく、作業時間も長かった。
【0005】ガラス板12の外周形状や、取付フランジ
16およびボディパネル10aの形状は、車種によって
異なる。上記のように手作業で接着剤11を切断する場
合は、二人の作業者が、熟練に基づいて切断手段の取り
扱いを適宜調整して、例えば取付フランジ16に切断手
段が食い込むことなどを防ぎつつ、切断作業が行われ
る。しかし、この切断作業を自動化するのは極めて困難
だった。
【0006】特開平8−1598号公報には、吸盤と巻
取りローラとを備えた二つの治具をガラス板の略中央位
置に固定するとともに、接着剤に挿通されたワイヤの両
端部を巻取りローラに固定してワイヤでループを形成
し、ワイヤを巻取りローラにて巻き取っていくことによ
って接着剤をワイヤにより切断する技術が開示されてい
る。特開2000−289582号公報には、接着剤に
挿通されたワイヤの車外側部分と車内側部分とを略平行
に配置するとともに、ワイヤの車内側部分をガラス板の
内角部分に固定されたガイドローラに沿わせ、ワイヤを
索引移動することにより接着剤を切断する技術が開示さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】最近、リサイクルを想
定して、自動車窓用のガラス板を車体から容易かつ迅速
に取り外せるようにすることが求められている。前記特
開平8−1598号公報に開示された方法では、ループ
を形成するようにワイヤをセットするのが煩雑で長時間
を要する。ワイヤが切れてしまうのを防止するために、
ワイヤをセットする前に、ガラス板の周縁に設けられた
モールを取付フランジに係止しているクリップを除去す
る前処理が必要とされる。さらに、消耗品であるワイヤ
の長さが必然的に長くなる。また、一台の車についてガ
ラス板の取り外しを終えた後、他の車のガラス板の取り
外しを始める前に、巻取りローラに巻き取ったワイヤを
巻き戻す必要があり、この巻き戻しに長時間を要する。
この方法は、短時間でガラス板を取り外すことが要求さ
れるリサイクルの工程には適さない。前記特開2000
−289582号公報に開示された方法では、ガイドロ
ーラをガラス板の四隅に固定するのが煩雑で、機構も複
雑になる。この方法も、リサイクルの工程には適さな
い。本発明の目的は、車両の窓開口部から窓材を容易か
つ迅速に取り外すことを可能にする車両用窓材の取外し
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、車体の取付フ
ランジに接着剤により接着された窓材の周縁の所定位置
において線状の切断手段を前記接着剤に貫通させ、前記
切断手段を前記窓材の周縁にならって移動させながら前
記接着剤を切断して、前記窓材を車体から取り外す車両
用窓材の取外し方法において、前記切断手段の車内側お
よび車外側にそれぞれ車内側張力保持点および車外側張
力保持点を設定し、前記車内側張力保持点の位置を、前
記窓材への投影位置が窓材の上辺と下辺との間で両側辺
付近にまで広がる窓材の中央領域の中になる位置とし、
前記窓材の中央領域に対して上側の接着剤を切断する時
は前記車内側張力保持点を前記窓材の一方の側辺付近の
第一位置におおむね位置させ、前記窓材の中央領域に対
して下側の接着剤を切断する時は前記車内側張力保持点
を窓材の他方の側辺付近の第二位置におおむね位置させ
て、前記切断手段によって前記接着剤を切断することを
特徴とする車両用窓材の取外し方法を提供する。
【0009】本発明において、車内側張力保持点および
車外側張力保持点とは、それぞれ切断手段上の一点を指
し、切断手段に対して窓材の面方向に略平行な方向の力
を与える点を指す。なお、窓材は、ガラス板であっても
よいし、樹脂板であってもよい。
【0010】以上のような車両用窓材の取外し方法によ
れば、車内側張力保持点を窓材の車内側面付近の所定位
置に配置させることで、切断手段が取付フランジに食い
込むのを、車種にかかわらず顕著に防止できる。車内側
張力保持点および/または車外側保持点を、適宜な駆動
部に接続して、接着剤の切断作業を自動化することが可
能となる。なお、窓材の中央領域に対して上側の接着剤
を切断する時は、車内側張力保持点の第一位置がある側
とは反対側の箇所から切断を開始するのが良く、窓材の
中央領域に対して下側の接着剤を切断する時は、車内側
張力保持点の第二位置がある側とは反対側の箇所から切
断を開始するのが良い。
【0011】本発明において、接着剤を切断する間、必
要時に、第一位置と第二位置との間で車内側張力保持点
を適宜移動させることは、好ましい。こうすることで、
切断手段が取付フランジに食い込んで切れるのを、より
確実に防止できる。また、以下の効果も奏する。すなわ
ち、接着剤を切断しようとする点における窓材周方向の
接線と、その点および車内側張力保持点を結んだ線との
なす角が鋭角になるとき、車内側張力保持点と車外側張
力保持点との間に作用する張力を、接着剤を切断する力
として効果的に利用できる。そこで、上記なす角が鈍角
となった際に、そのなす角が鋭角となるよう車内側張力
保持点を適宜移動させることで、接着剤の切断作業をよ
り迅速に行える。また、本発明において、切断手段を、
接着剤の切断しようとする箇所に対して往復摺動させる
ことは、好ましい。例えば、車内側張力保持点を、回転
運動駆動部(クランク運動駆動部)や往復運動駆動部に
接続することで、接着剤の切断が容易になり、切断作業
に要する時間を大幅に短縮できる。また、本発明におい
て、切断手段として、直径が1〜4mmのワイヤを用い
ることは、好ましい。こうすれば、ワイヤが太くて強い
ので、ワイヤが取付フランジに食い込んで切れるのを、
より確実に防止できる。また、ワイヤによってクリップ
もはじき飛ばすことが可能になるため、ワイヤをセット
する前にクリップを除去する前処理が不要になる。ま
た、本発明において、車内側張力保持点の位置を、車内
側張力保持点および取付フランジの端部を結んだ線と取
付フランジの延長線とのなす角が45°以下になる位置
とすることは、好ましい。こうすれば、切断手段が取付
フランジに食い込んで切れるのを、より確実に防止でき
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を詳細に説明する。図1に、窓材(ガラス板)の
例として、自動車のリアウインドウを、車外側から見た
状態を示す。窓材12は、平面視台形状の、車外側に向
かって凸な湾曲板に形成されている。窓材12の上辺
は、その中央部が下辺に向かって凸になるように湾曲し
ている。なお、窓材の上辺とは自動車の屋根に沿う辺を
指し、窓材の側辺とは自動車のピラー等に沿う辺を指
す。窓材12は、図14に示した例と同様に、接着剤を
介して、ボディパネルの取付フランジに接着されてい
る。
【0013】図1に示すように、窓材12の周縁の所定
点(切断開始点)P1において、線状の切断手段として
のワイヤ20を接着剤に貫通させている。ワイヤ20の
車内側の端部を、車内側張力保持点20aとして、回転
体22の周縁付近に接続している。回転体22は、窓材
12の中央部の車内側に配されている。回転体22は、
図示しないモータに連結されて、回転運動駆動部を構成
している。ワイヤ20の車外側の一点を車外側張力保持
点20bとする。車外側張力保持点20bは、例えば作
業者が握り直すことなどによって、ワイヤ20上で移動
されてもよい。車外側張力保持点20bは、作業者によ
って把持される他、ロボットアーム等の自動手段によっ
て把持されてもよい。また後述するように、ワイヤ20
の車外側部分をフック等の案内部材に掛けて、その案内
部材より先で引っ張るときは、ワイヤ20の案内部材に
係合する部分が車外側張力保持点20bとして機能す
る。車外側張力保持点20bは、窓材12の周縁になら
って周回させられる。
【0014】切断開始点P1において、窓材12の接線
方向(周方向の接線方向)に沿う方向、かつ窓材12の
周縁を図中時計回りに周回する方向に、車外側張力保持
点20bを引っ張りながら、回転体22を図中時計回り
の方向に回転させる。この時、車内側張力保持点20a
が、回転クランク運動により、接着剤切断点に対して接
近・離反を繰り返す。これにより、ワイヤ20が車内外
へ往復運動し、ワイヤ20が接着剤切断点に対して往復
摺動する。接着剤切断点にてワイヤ20が往復摺動する
ことと、車外側張力保持点20bが引っ張られることと
によって、窓材12とボディパネルとを接着する接着剤
が、図中時計回りの方向に順次切断されていく。窓材1
2の周縁にクリップやスペーサが設けられている場合、
これらクリップやスペーサもワイヤ20によってはじき
飛ばすことができる。ワイヤ20としては、直径1〜4
mm、より好ましくは直径1.5〜3.5mmのものを
用いるのが良い。そのような直径のワイヤ20として、
直線状のピアノ線を用いてもよいが、強度が高い縒り線
のものを用いるのが良い。
【0015】次に、図1におけるII−II断面図である図
2に基づいて、車内側張力保持点20aの位置について
説明する。図2に示すように、窓材12は、その上辺に
おける車内側面12bが、接着剤11を介してボディパ
ネル10aの取付フランジ16に接着されている。窓材
12の下辺も、同様に取付フランジ16に接着されてい
る。車内側張力保持点20aは、車内側張力保持点20
aおよび取付フランジ16の端部(窓開口部に対する内
周側の端部)を結んだ線と、取付フランジ16の延長線
(窓開口部の内周側への延長線)とのなす角θ1が、4
5°以下になるように、窓材12に近接配置されてい
る。側辺および上辺のときに限らず、ワイヤ20が窓材
12の下辺にさしかかったときも、車内側張力保持点2
0aおよび取付フランジ16の端部を結んだ線と、取付
フランジ16の延長線とのなす角θ1が、45°以下と
なる。こうすることで、ワイヤ20が取付フランジ16
に食い込むのを防止している。図中二点鎖線で示すよう
に、車内側張力保持点20aが、窓材12から遠い位置
にあるときは、ワイヤ20が取付フランジ16に食い込
みやすくなる。
【0016】次に、図3に基づいて、窓材12周縁の所
定点における周方向の接線と、その点および車内側張力
保持点20aとを結んだ線とのなす角θ2について説明
する。説明を簡単にするために、車内側張力保持点20
aを窓材12の中心付近に固定した場合を想定する。図
3では、切断開始点P1におけるθ2が直角になってい
る。車外側張力保持点20bを、窓材12の周縁に沿っ
て図中時計回りの方向に周回させていくと、θ2は、鈍
角になっていく。しかし、周方向の区間Aを越えて、区
間Bに入ると、θ2は鋭角(0°≦θ2≦90°)にな
る。車外側張力保持点20bを一周させた場合、区間
A、C、E、Gではθ2が鈍角になり、区間B、D、
F、Hではθ2が鋭角になる。本発明者らによる実験の
結果、θ2が鋭角になるとき、車内側張力保持点20a
と車外側張力保持点20bとの間に作用する張力を、接
着剤を切断する力として効果的に利用でき、円滑かつ迅
速に接着剤を切断できることがわかった。
【0017】そこで本発明者らは、窓材12の全周のう
ちの大半で(例えば70%以上で)θ2が鋭角となるよ
うに、車内側張力保持点20aを適宜移動させることを
想到した。例えば、図4に示すように、車内側張力保持
点20aを、図中符号I1〜I12で示すように、窓材
12への投影軌跡が楕円状になるように移動させた場
合、図示する区間Oにてθ2が鈍角になるのみで、他の
区間ではθ2を鋭角にできる。なお、図中符号I4で示
す点に車内側張力保持点20aが位置するとき(接着剤
切断点が窓材12の上隅付近に位置するとき)には、ワ
イヤ20が、窓開口部の周縁より外周側へ張り出そうと
して、ワイヤが取付フランジに食い込みやすくなること
がわかった。
【0018】以上の考察をふまえた、本発明の車両用窓
材の取外し方法の第1例を、図5に基づいて説明する。
本例では、窓材12の車内側において、車内側張力保持
点20aを保持する回転体22を、水平方向(窓材12
の一方の側辺と他方の側辺とを結ぶ方向)に沿って図中
矢印Xで示すように移動できるようにした。ここでは、
窓材の高さ方向の中間で(上辺と下辺との中間で)水平
方向に延びるレール23に、回転体22を摺動可能に取
り付けている。エアシリンダ等の往復運動駆動部によっ
て、回転体22を自動的に水平方向に摺動させることが
できる。回転体22は、窓開口部の側辺に、できるだけ
接近可能とすることが好ましい。本例では、車内側張力
保持点20aの位置を、図2に示したように窓材12の
車内側面付近にし、かつ窓材12への投影位置が窓材1
2の上辺と下辺との間で両側辺付近にまで広がる窓材の
中央領域の中になる位置としている。また、窓開口部周
縁の、上辺の隅付近に、板状の案内部材25を配設し
た。案内部材25の上端部は、取付フランジの車外側面
上に配置されている。
【0019】先ず、図5に実線で示すように、回転体2
2を図中右側に配置しておく。そして、図中左側に切断
開始点P1を設定する。回転体22を回転させてワイヤ
20を往復運動させるとともに、車外側張力保持点20
bを引っ張って周回させることで、接着剤を順次切断し
ていく。接着剤切断点が図中符号P2で示すあたり(上
隅付近)に到ると、ワイヤ20は取付フランジに食い込
むことなく案内部材25上を滑る。案内部材25上で、
ワイヤ20は案内部材25に線接触する。そして、更に
切断が進んで、接着剤切断点が図中符号P3で示すあた
りに到った時点で、回転体22を、図中二点鎖線で示す
ように左側へ移動する。その状態で、回転体22を回転
させてワイヤ20を往復運動させ、車外側張力保持点2
0bを更に周回させていき、窓材12全周の残部の接着
剤を切断する。すなわち、本例では、窓材12の中央領
域に対して上側の接着剤を切断する時は車内側張力保持
点を窓材12の図中右側の側辺付近の第一位置に位置さ
せ、窓材12の中央領域に対して下側の接着剤を切断す
る時は車内側張力保持点20aを窓材12の図中左側の
側辺付近の第二位置に位置させて、ワイヤ20によって
接着剤を切断する。本例によれば、窓材12の全周のう
ちの70%以上において、窓材12周縁の所定点におけ
る周方向の接線と、その点および車内側張力保持点20
aとを結んだ線とのなす角を鋭角にすることができる。
したがって、円滑かつ迅速に接着剤の切断を行える。
【0020】案内部材25によりワイヤ20が取付フラ
ンジに食い込むのを防止する代わりに、次のようにして
もよい。すなわち、接着剤切断点が図中符号P2で示す
あたり(上隅付近)に到った時点で、回転体22を一時
的に、図中実線で示す第一位置から左方へ移動させるこ
とで、ワイヤ20が取付フランジに食い込むのを防止し
てもよい。接着剤切断点が窓材12の上隅付近から離れ
たら、回転体22を第一位置へ戻す。すなわち、接着剤
を切断する間、必要時に、第一位置と第二位置との間で
車内側張力保持点20aを適宜移動させることができ
る。
【0021】次に、図6に基づいて、車両用窓材の取外
し方法の第2例を説明する。本例では、窓材12の車内
側に、車内側張力保持点として機能するプーリ(案内部
材)24を複数配設している。ここでは、窓材12の一
方の側辺付近に1個のプーリ24を配設し、窓材12の
他方の側辺付近に1個のプーリ24を配設している。プ
ーリ24は、窓開口部の側辺に、できるだけ接近させる
ことが好ましい。プーリ24外周と窓開口部側辺との間
隔は、1〜250mm程度にすることができる。プーリ
24は、その回転軸が窓材12の厚み方向に延びるよう
に横向きに配設されるが、その回転軸を、窓材12の湾
曲にあわせて傾斜させることができるように調節機構を
設けておくことは好ましい。ワイヤ20は、図中左側に
設定された切断開始点P1から、右側のプーリ24に図
中時計回りの方向に掛け回され、次に左側のプーリ24
に図中時計回りの方向に掛けまわされ、次に、適宜な案
内部材(ここでは縦向きのプーリ)24aを経由して、
車内に配設された回転体22に接続されている。また、
窓開口部周縁の上辺の隅付近には、第1例と同様に、板
状の案内部材25を配設した。
【0022】回転体22を回転させてワイヤ20を往復
運動させるとともに、車外側張力保持点20bを引っ張
って周回させることで、接着剤を順次切断していく。切
断初期においては、ワイヤ20の、右側のプーリ24に
係合している部分が、車内側張力保持点として機能す
る。切断が進んで、接着剤切断点が図中符号P2で示す
位置、P3で示す位置へと順次移動していくのに伴っ
て、右側のプーリ24からワイヤ20が外されていく。
そして、接着剤切断点が符号P4で示すあたりに到る
と、ワイヤ20が右側のプーリ24から完全に外され
る。この時点から、ワイヤ20の左側のプーリ24に係
合する部分が車内側張力保持点として機能する。この状
態で、回転体22を回転させてワイヤ20を往復運動さ
せるとともに、車外側張力保持点20bを更に周回させ
ていき、窓材12全周の残部の接着剤を切断する。本例
によれば、駆動部を少なくした簡単な構成でありなが
ら、窓材12の全周の大部分において、窓材12周縁の
所定点における周方向の接線と、その点および車内側張
力保持点20aとを結んだ線とのなす角を鋭角にするこ
とができ、円滑かつ迅速に接着剤の切断を行える。
【0023】次に、図7に基づいて、車両用窓材の取外
し方法の第3例を説明する。本例では、図6に示した第
2例の構成に追加して、棒状の案内部材28を窓材12
中央の車内側で上下方向に延びるように配設している。
窓材12は車外側に向かって凸な湾曲板に形成されてい
る。窓材12の一方の側辺付近に配設したプーリ24お
よび他方の側辺付近に配設したプーリ24はそれぞれ、
その回転軸が窓材12の厚み方向に平行になるように設
定されている。プーリ24,24および案内部材28
は、窓材12の車内側面近傍に配されているが、窓材1
2の湾曲形状にあわせて、案内部材28がプーリ24,
24より車外側に位置している。ワイヤ20は、図中左
側に設定された切断開始点P1から、案内部材28の上
部における窓材12側の表面上に接触され、次に右側の
プーリ24に図中時計回りの方向に掛け回され、次に案
内部材28の下部における窓材12側の表面上に接触さ
れ、次に左側のプーリ24に図中時計回りの方向に掛け
まわされ、次に、適宜な案内部材(ここでは縦向きのプ
ーリ)24aを経由して、車内に配設された回転体22
に接続されている。このように案内部材28を経由させ
ることで、ワイヤ20を窓材12に極力近づけるととも
に、プーリ24,24からワイヤ20が外れるのを防い
でいる。
【0024】回転体22を回転させてワイヤ20を往復
運動させるとともに、車外側張力保持点20bを引っ張
って周回させることで、接着剤を順次切断していく。切
断初期においては、ワイヤ20は、案内部材28の上部
表面に接して、接着剤切断点とは反対側にある車内側張
力保持点へ導かれている。案内部材28は、ワイヤ20
に窓材12の面方向に対して直交する方向の力をかけて
いる。切断が進んで、接着剤切断点が図中符号P2で示
すあたりに移動すると、ワイヤ20が案内部材28の上
部表面から外れる。更に切断が進んでいくと、ワイヤ2
0は図中右側のプーリ24から外れ、ワイヤ20の図中
左側のプーリ24に係合する部分が車内側張力保持点と
して機能するようになる。しばらくは、ワイヤ20は、
案内部材28の下部表面に接して、接着剤切断点とは反
対側にある車内側張力保持点へ導かれる。本例では、窓
材12の湾曲にあわせてワイヤ20が掛け回されている
ので、ワイヤ20が取付フランジに引っ掛かることがな
く、接着剤の切断をスムーズに行える。また、案内部材
28を用いることで、ワイヤ20がプーリ24,24か
ら外れるのを確実に防いでいる。
【0025】次に、図8に基づいて、車外側張力保持点
を引っ張る作業を自動化する方法の例を説明する。図8
に示すように、ワイヤ20を車外側で、上方に設置され
たプーリ24bに掛け回すとともに、ワイヤ20の車外
側の端部に錘Wを吊り下げるなどして、ワイヤ20に張
力を作用させる。プーリ24bは、窓材(リアウインド
ウ)12の斜め上方、即ち窓材12の車外側面に対して
垂直な方向に設置することができる。この状態で、前述
した第3例のように、車内側張力保持点を車内で周回さ
せれば、接着剤を迅速かつ円滑に切断できる。なお、フ
ロントウインドウ32やサイドウインドウ42も、同様
にして取り外すことができる。
【0026】図8に示した例において、車外側張力保持
点を窓材12の周縁にならうように周回させることは好
ましい。例えば、図9に示すような、車外側張力保持点
20bを窓材の周縁にならって移動させるように案内す
るレール30を、図8に示した窓材12の斜め上方近傍
に設置することができる。図8に示した錘Wを用いる代
わりに、レール30を、例えばラックで構成して、ピニ
オンを搭載した移動体に車外側張力保持点20bを持た
せてもよい。また、モータを搭載してレール30内を自
立的に走行する移動体に車外側張力保持点20bを持た
せてもよい。移動体がワイヤ巻取り機構やバランサ等の
張力付与機構を備えていてもよい。
【0027】レールを用いる代わりに、図10に示すよ
うに窓材の周縁形状にならって互いに間隔をあけて配し
たフック等の案内部材31を用いてもよい。ここでは、
窓材の四隅に対応する四隅に配されたフック31に、ワ
イヤ20を掛け回している。接着剤の切断が進むにつれ
て、図中時計回りに、フック31とワイヤ20との係合
が外れていく。
【0028】次に、切断手段を接着剤に挿通させるため
の穿孔手段の例について説明する。図11(A)に示す
穿孔手段35は、先端鋭利形状の筒体からなる。この穿
孔手段35の先端を、接着剤に貫通させた状態で、筒体
内に切断手段であるワイヤ20を挿通して、ワイヤ20
を車内外に貫通させることができる。その後、穿孔手段
35を取り外して、ワイヤ20による接着剤の切断を開
始することができる。この例を用いれば、ワイヤ20を
車内外に貫通させるのを容易かつ迅速に行える。図11
(B)に示す穿孔手段45は、先端が鋭利形状になって
おり、通電等によってその先端が発熱する。この例を用
いれば、接着剤を部分的に溶融させて、ワイヤを貫通さ
せるための孔を容易に形成できる。図11(A)、
(B)に示した穿孔手段35,45は、リアガラス等の
窓材の下辺の接着剤に穿孔するのに適している。
【0029】図12(A)に示す穿孔手段55は、先端
がL字形状になっており、通電等によってその先端が発
熱する。この例を用いれば、図12(B)に示すよう
に、取付フランジ16に穿孔手段55を干渉させること
なく、窓材12のどの辺であっても接着剤11に穿孔を
行える。
【0030】なお、本発明は前述した実施形態に限定さ
れるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
図6および図7に示した例では、車内側張力保持点を提
供するプーリ24として、その回転軸が窓材12の厚み
方向に平行なものを用いたが、これに限定されない。例
えば、図13に示すように、その回転軸が窓材の面方向
に平行となるようにし(縦向きにし)、かつその回転軸
が図中二点鎖線で示すように円周上を移動するように保
持されたプーリ24を用いてもよい。例えば、図7に示
した例では窓材12中央の車内側に棒状の案内部材28
を配設したが、窓材12の車内側に複数のプーリを楕円
状等の適宜な形状に複数配設してもよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
車両の窓開口部から窓材を容易かつ迅速に取り外すこと
を可能にする車両用窓材の取外し方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する概略平面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】車内側張力保持点と窓材周縁の接線との関係を
示す図である。
【図4】車内側張力保持点と窓材周縁の接線との関係を
示す図である。
【図5】本発明実施形態の第1例を説明する概略平面図
である。
【図6】本発明実施形態の第2例を説明する概略平面図
である。
【図7】本発明実施形態の第3例を説明する概略平面図
である。
【図8】車外側張力保持点に張力を付与するための構成
例を示す図である。
【図9】車外側張力保持点を窓材周縁にならって周回さ
せるための構成例を示す図である。
【図10】車外側張力保持点を窓材周縁にならって周回
させるための別の構成例を示す図である。
【図11】穿孔手段の例を示す図である。
【図12】穿孔手段の別の例を示す図である。
【図13】車内側張力保持点を提供するプーリの変形例
を示す図である。
【図14】窓材が取付フランジに接着されている様子を
示す断面図である。
【符号の説明】
11 接着剤 12 窓材 16 取付フランジ 20 ワイヤ(切断手段) 20a 車内側張力保持点 20b 車外側張力保持点 22 回転体(回転運動駆動部) 24 プーリ(案内部材)
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 栄治 神奈川県愛甲郡愛川町角田字小沢上原426 番1 旭硝子株式会社内 Fターム(参考) 3D026 BA02 BA04 BA22 BA27 BA47

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の取付フランジに接着剤により接着
    された窓材の周縁の所定位置において線状の切断手段を
    前記接着剤に貫通させ、前記切断手段を前記窓材の周縁
    にならって移動させながら前記接着剤を切断して、前記
    窓材を車体から取り外す車両用窓材の取外し方法におい
    て、 前記切断手段の車内側および車外側にそれぞれ車内側張
    力保持点および車外側張力保持点を設定し、前記車内側
    張力保持点の位置を、前記窓材への投影位置が窓材の上
    辺と下辺との間で両側辺付近にまで広がる窓材の中央領
    域の中になる位置とし、前記窓材の中央領域に対して上
    側の接着剤を切断する時は前記車内側張力保持点を前記
    窓材の一方の側辺付近の第一位置におおむね位置させ、
    前記窓材の中央領域に対して下側の接着剤を切断する時
    は前記車内側張力保持点を窓材の他方の側辺付近の第二
    位置におおむね位置させて、前記切断手段によって前記
    接着剤を切断することを特徴とする車両用窓材の取外し
    方法。
  2. 【請求項2】 前記接着剤を切断する間、必要時に、前
    記第一位置と前記第二位置との間で前記車内側張力保持
    点を適宜移動させる請求項1に記載の車両用窓材の取外
    し方法。
  3. 【請求項3】 前記切断手段を、前記接着剤の切断しよ
    うとする箇所に対して往復摺動させる請求項1または2
    に記載の車両用窓材の取外し方法。
  4. 【請求項4】 前記切断手段として、直径が1〜4mm
    のワイヤを用いる請求項1、2または3に記載の車両用
    窓材の取外し方法。
  5. 【請求項5】 前記車内側張力保持点の位置を、該車内
    側張力保持点および前記取付フランジの端部を結んだ線
    と前記取付フランジの延長線とのなす角が45°以下に
    なる位置とする請求項1、2、3または4に記載の車両
    用窓材の取外し方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006526136A (ja) * 2003-05-21 2006-11-16 ラムフセット・ダラ−シュペグラー・アクティエボラーグ 乗り物のウィンドウを削除するための方法及び装置
JP2007515334A (ja) * 2004-09-14 2007-06-14 カールグラス ルクセンブルグ サール − ツーク ブランチ ビークルガラスはめ込みパネルを切り取るための方法および装置

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