JP2003136734A - インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法

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JP2003136734A
JP2003136734A JP2001336233A JP2001336233A JP2003136734A JP 2003136734 A JP2003136734 A JP 2003136734A JP 2001336233 A JP2001336233 A JP 2001336233A JP 2001336233 A JP2001336233 A JP 2001336233A JP 2003136734 A JP2003136734 A JP 2003136734A
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電素子の湿気等の外部環境に起因する動作
不良を防止できるインクジェット式記録ヘッド及びその
製造方法を提供する。 【解決手段】 インクを吐出するノズル開口21に連通
する圧力発生室12が画成される流路形成基板10と、
該流路形成基板10の一方面側に振動板を介して設けら
れる下電極60、圧電体層70及び上電極80からなる
圧電素子300とを具備するインクジェット式記録ヘッ
ドにおいて、前記流路形成基板10の前記圧電素子30
0側の面に接合され、当該圧電素子300に対向する領
域に空間を確保した状態で当該空間を密封する圧電素子
保持部32を有する封止基板30を有し、該封止基板3
0と前記流路形成基板10とを接合する接合層110の
少なくとも外気に接触する部分が含フッ素有機基を含む
撥水性エポキシ系接着剤によって形成することにより、
圧電素子保持部32内に水分が侵入するのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を吐出す
るノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構
成し、この振動板の表面に圧電素子を形成して、圧電素
子の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インク滴を吐出するノズル開口と連通す
る圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧
電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦
振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、た
わみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの
2種類が実用化されている。
【0003】前者は圧電素子の端面を振動板に当接させ
ることにより圧力発生室の容積を変化させることができ
て、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛
歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた
圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必
要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】これに対して後者は、圧電材料のグリーン
シートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼
成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作
り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関
係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難
であるという問題がある。
【0005】一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消す
べく、特開平5−286131号公報に見られるよう
に、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧
電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法に
より圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生
室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案さ
れている。
【0006】これによれば圧電素子を振動板に貼付ける
作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、か
つ簡便な手法で圧電素子を作り付けることができるばか
りでなく、圧電アクチュエータの厚みを薄くできて高速
駆動が可能になるという利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに圧電素子を圧電材料のスパッタリングにより構成し
た場合には、グリーンシートを焼成して構成されたもの
と略同一電圧で駆動すると、圧電素子が薄い分だけ高い
電界が印加され、大気中の湿気を吸収した場合には駆動
電極間のリーク電流が増加しやすく、ついには絶縁破壊
に至るという問題を抱えている。
【0008】このような問題を解決するために、圧電素
子を封止するための封止部を有する封止基板を圧力発生
室が形成される流路形成基板に接着した構造が提案され
ているが、封止基板を接着している接着剤を介して封止
部内に水分が侵入し、圧電素子が破壊されてしまうとい
う問題がある。
【0009】また、封止基板の流路形成基板との接着面
積を大きくすることによって封止部内への水分の侵入を
抑えることはできるが、ヘッドが大型化してしまうとい
う問題がある。
【0010】本発明は、このような事情に鑑み、圧電素
子の湿気等の外部環境に起因する動作不良を防止できる
インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法を提供す
ることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、インクを吐出するノズル開口に連通
する圧力発生室が画成される流路形成基板と、該流路形
成基板の一方面側に振動板を介して設けられる下電極、
圧電体層及び上電極からなる圧電素子とを具備するイン
クジェット式記録ヘッドにおいて、前記流路形成基板の
前記圧電素子側の面に接合され、当該圧電素子に対向す
る領域に空間を確保した状態で当該空間を密封する圧電
素子保持部を有する封止基板を有し、該封止基板と前記
流路形成基板とを接合する接合層の少なくとも外気に接
触する部分が含フッ素有機基を含む撥水性エポキシ系接
着剤層からなることを特徴とするインクジェット式記録
ヘッドにある。
【0012】かかる第1の態様では、大気中の水分が接
合層を介して圧電素子保持部内に侵入することがなく、
水分に起因する圧電素子の破壊が防止される。
【0013】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記撥水性エポキシ系接着剤層は、エポキシ系樹脂
材料からなる主剤を、該主剤を硬化させる硬化剤と、前
記含フッ素有機基を有し且つ前記主剤又は前記硬化剤と
反応する官能基を有するシラン化合物とで硬化させたも
のであることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド
にある。
【0014】かかる第2の態様では、シラン化合物を主
剤又は硬化剤と反応させることにより、含フッ素有機基
を有する撥水性エポキシ系接着剤層を形成することがで
きる。
【0015】本発明の第3の態様は、第2の態様におい
て、前記官能基は、前記シラン化合物のケイ素元素に結
合するエポキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びカルボ
ニル基からなる群から選択される少なくとも一種である
ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0016】かかる第3の態様では、シラン化合物に含
まれる官能基が、主剤又は硬化剤と反応することで、含
フッ素有機基を有する撥水性エポキシ系接着剤層が形成
される。
【0017】本発明の第4の態様では、第2又は3の態
様において、前記シラン化合物の分子鎖の一端部側が前
記含フッ素有機基であり、他端部側が前記官能基である
ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0018】かかる第4の態様では、シラン化合物に含
まれる官能基によってエポキシ系樹脂材料に含まれるエ
ポキシ基を開環させることにより、含フッ素有機基を有
する撥水性エポキシ系接着剤層を形成することができ
る。
【0019】本発明の第5の態様は、第1〜4の何れか
の態様において、前記接合層が前記撥水性エポキシ系接
着剤層のみで形成されていることを特徴とするインクジ
ェット式記録ヘッドにある。
【0020】かかる第5の態様では、圧電素子保持部内
への大気中の水分の侵入を確実に防止する。
【0021】本発明の第6の態様は、インクを吐出する
ノズル開口に連通する圧力発生室が画成される流路形成
基板と、該流路形成基板の一方面側に振動板を介して設
けられる下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子
と、前記流路形成基板の前記圧電素子側の面に接合され
当該圧電素子に対向する領域に空間を確保した状態で当
該空間を密封する圧電素子保持部を有する封止基板とを
具備するインクジェット式記録ヘッドの製造方法におい
て、前記封止基板と前記流路形成基板とを接合する接合
層の少なくとも外気に接触する部分をエポキシ系樹脂材
料からなる主剤と、該主剤を硬化させる硬化剤と、前記
含フッ素有機基を有し且つ前記主剤又は前記硬化剤と反
応する官能基を有するシラン化合物とを反応させたエポ
キシ系接着剤を硬化させることによって形成することを
特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法にあ
る。
【0022】かかる第6の態様では、大気中の水分が接
合層を介して圧電素子保持部内に侵入することを防止す
ると共に水分に起因する圧電素子の破壊を防止する接合
層を形成することができる。
【0023】本発明の第7の態様は、第6の態様におい
て、前記硬化剤と反応する官能基が前記シラン化合物の
ケイ素元素に結合するエポキシ基であることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0024】かかる第7の態様では、エポキシ基である
官能基が硬化剤と反応することにより、含フッ素有機基
を含有する撥水性エポキシ系接着剤層を形成することが
できる。
【0025】本発明の第8の態様は、第6の態様におい
て、前記主剤と反応する官能基が前記シラン化合物のケ
イ素元素に結合するアミノ基、ヒドロキシ基及びカルボ
ニル基からなる群から選択される少なくとも一種である
ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方
法にある。
【0026】かかる第8の態様では、アミノ基、ヒドロ
キシ基及びカルボニル基からなる群から選択される少な
くとも一種である官能基が主剤と反応することにより、
含フッ素有機基を有する撥水性エポキシ系接着剤層が形
成される。
【0027】本発明の第9の態様は、第8の態様におい
て、前記官能基の少なくとも一種が前記アミノ基である
前記シラン化合物は、前記主剤と反応する硬化剤として
作用することを特徴とするインクジェット式記録ヘッド
の製造方法にある。
【0028】かかる第9の態様では、別途に硬化剤を加
えなくても主剤であるエポキシ系樹脂材料を硬化させる
ことができるため、製造コストを低減することができ
る。
【0029】本発明の第10の態様は、第7〜9の何れ
かの態様において、前記シラン化合物の分子鎖の一端部
が含フッ素有機基であり、他端部側が前記官能基である
ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方
法にある。
【0030】かかる第10の態様では、シラン化合物に
含まれる官能基によってエポキシ系樹脂材料に含まれる
エポキシ基を開環させることにより、含フッ素有機基を
有する撥水性エポキシ系接着剤層を形成することができ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施形態に基づい
て詳細に説明する。
【0032】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態
1に係るインクジェット式記録ヘッドの概略を示す分解
斜視図であり、図2は、図1の平面図及び断面図であ
る。
【0033】図示するように、流路形成基板10は、本
実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板か
らなる。流路形成基板10としては、通常、150〜3
00μm程度の厚さのものが用いられ、望ましくは18
0〜280μm程度、より望ましくは220μm程度の
厚さのものが好適である。これは、隣接する圧力発生室
12間の隔壁11の剛性を保ちつつ、配列密度を高くで
きるからである。
【0034】流路形成基板10の一方の面は開口面とな
り、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリ
コンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成され
ている。
【0035】一方、流路形成基板10の開口面には、シ
リコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより、
複数の隔壁11により区画された圧力発生室12が幅方
向に並設され、その長手方向外側には、後述するリザー
バ形成基板30のリザーバ部31に連通して各圧力発生
室12の共通のインク室となるリザーバ100の一部を
構成する連通部13が形成され、各圧力発生室12の長
手方向一端部とそれぞれインク供給路14を介して連通
されている。
【0036】ここで、異方性エッチングは、シリコン単
結晶基板をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々
に侵食されて(110)面に垂直な第1の(111)面
と、この第1の(111)面と約70度の角度をなし且
つ上記(110)面と約35度の角度をなす第2の(1
11)面とが出現し、(110)面のエッチングレート
と比較して(111)面のエッチングレートが約1/1
80であるという性質を利用して行われるものである。
かかる異方性エッチングにより、二つの第1の(11
1)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形成され
る平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工を行う
ことができ、圧力発生室12を高密度に配列することが
できる。
【0037】本実施形態では、各圧力発生室12の長辺
を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で
形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板1
0をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングす
ることにより形成されている。ここで、弾性膜50は、
シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵
される量がきわめて小さい。また各圧力発生室12の一
端に連通する各インク供給路14は、圧力発生室12よ
り浅く形成されており、圧力発生室12に流入するイン
クの流路抵抗を一定に保持している。すなわち、インク
供給路14は、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中ま
でエッチング(ハーフエッチング)することにより形成
されている。なお、ハーフエッチングは、エッチング時
間の調整により行われる。
【0038】また、流路形成基板10の開口面側には、
各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通
するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が
接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。な
お、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.1〜1
mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜
4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、又
は不錆鋼などからなる。ノズルプレート20は、一方の
面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン
単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果
たす。また、ノズルプレート20は、流路形成基板10
と熱膨張係数が略同一の材料で形成するようにしてもよ
い。この場合には、流路形成基板10とノズルプレート
20との熱による変形が略同一となるため、熱硬化性の
接着剤等を用いて容易に接合することができる。
【0039】ここで、インク滴吐出圧力をインクに与え
る圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズ
ル開口21の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出
スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、
1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノ
ズル開口21は数十μmの直径で精度よく形成する必要
がある。
【0040】一方、流路形成基板10の開口面とは反対
側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.2μm
の下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体層
70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80と
が、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子30
0を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極
膜60、圧電体層70、及び上電極膜80を含む部分を
いう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極
を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力
発生室12毎にパターニングして構成する。そして、こ
こではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体
層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電
歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態で
は、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上
電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、
駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。
何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部
が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素
子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じ
る振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。
【0041】また、圧電素子300の上電極膜80の長
手方向一端部近傍から流路形成基板10の端部近傍ま
で、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が延
設されている。そして、このリード電極90の端部近傍
には圧電素子300を駆動するための外部配線(図示な
し)が電気的に接続される。
【0042】このような圧電素子300が形成された流
路形成基板10上には、リザーバ100の少なくとも一
部を構成するリザーバ部31を有するリザーバ形成基板
30が接合されている。このリザーバ部31は、本実施
形態では、リザーバ形成基板30を厚さ方向に貫通して
圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述
したように流路形成基板10の連通部13と連通されて
各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ10
0を構成している。
【0043】また、リザーバ形成基板30の圧電素子3
00に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害
しない程度の空間を確保した状態で、その空間を密封可
能な圧電素子保持部32が設けられ、圧電素子300は
この圧電素子保持部32内に密封されている。
【0044】なお、このリザーバ形成基板30は、流路
形成基板10の熱膨張率と略同一の材料等を用いること
が好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一
材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
【0045】また、このリザーバ形成基板30は、接合
層110によって流路形成基板10に接合されている。
この接合層110は、本実施形態では、含フッ素有機基
を含む撥水性を有する撥水性エポキシ系接着剤からな
り、接合層110全体が撥水性を有している。これによ
り、大気中の水分が接合層110を透過して圧電素子保
持部32に侵入することを防止することができる。
【0046】この接合層110を形成する撥水性エポキ
シ系接着剤は、基本的には、一般的なエポキシ系接着剤
の主剤と硬化剤とが重合反応したものであるが、本実施
形態では、さらに含フッ素有機基を有するシラン化合物
を添加することにより、含フッ素有機基を有するシラン
化合物と、主剤又は硬化剤の一部とが重合反応して含フ
ッ素有機基が重合体の中に形成される。
【0047】ここで、主剤に用いるエポキシ系樹脂材料
は、1分子中にエポキシ基を有する比較的低分子の重合
体であり、エポキシ基の開環反応によって熱硬化性樹脂
となる。この熱硬化性樹脂は、加熱すると重合体中で架
橋反応が起こり網状構造となる合成樹脂である。
【0048】また、主剤を硬化させる硬化剤は、例え
ば、アミノ基、カルボニル基等を一つ以上含む化合物か
らなり、主剤であるエポキシ樹脂材料の分子鎖中に含ま
れるエポキシ基と反応することにより、エポキシ基を開
環させて熱硬化性樹脂にする。このような主剤を硬化さ
せる硬化剤は、100重量部の主剤に対して50〜10
0重量部添加することが好ましい。
【0049】ここで、主剤及び硬化剤と反応するシラン
化合物は、分子内に含フッ素有機基と、主剤又は硬化剤
と反応する官能基とを有する。
【0050】含フッ素有機基としては、炭化水素基に結
合する水素の少なくとも一つをフッ素置換した直鎖、分
岐若しくは環状のパーフルオロアルキル基、あるいは、
フッ素置換したアリール基等を挙げることができる。
【0051】また、官能基としては、主剤又は硬化剤と
反応し且つ親水性を有していないものであれば特に限定
されないが、例えば、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボ
ニル基及びエポキシ基から選択される少なくとも一種を
挙げることができる。シラン化合物は、このような官能
基を一つ以上有していればよい。
【0052】このようなシラン化合物の例としては、下
記(1)式に示すように、基本骨格が炭素原子を鎖状に
連結した構造となる鎖状分子であり、分子鎖の一端部側
の炭素に結合するケイ素元素に主剤又は硬化剤と反応す
る官能基(R)がそれぞれ結合し、他端部側に含フッ
素有機基を有するものを挙げることができる。すなわ
ち、シラン化合物の一端部側が官能基(R)となり、
他端部側の含フッ素有機基が疎水性基となる。このよう
に、接合層110は、含フッ素有機基を有するシラン化
合物を添加した撥水性エポキシ系接着剤で形成されるの
で、優れた撥水性を有する。
【0053】
【化1】
【0054】(式中、nは、1〜30の範囲の整数を表
す。)
【0055】また、シラン化合物の一端部側のケイ素元
素に結合する官能基(R)は、上述したように、エポ
キシ系樹脂材料からなる主剤、あるいは硬化剤と反応す
るものであり、少なくとも一つ有していればよい。この
シラン化合物は、100重量部の主剤に対して1〜10
重量部添加することが好ましい。
【0056】上述した含フッ素有機基を有するシラン化
合物が持つ官能基は、主剤に含まれるエポキシ基、ある
いは硬化剤と反応することによって、主剤及び硬化剤か
ら形成される重合体の分子構造内に、疎水性基である含
フッ素有機基を組み込ませることができる。
【0057】具体的には、官能基としてアミノ基を有す
るシラン化合物では、硬化剤と同様に作用して主剤のエ
ポキシ基と反応することにより、主剤及び硬化剤により
形成される重合体の分子構造内に含フッ素有機基を組み
込ませることができる。
【0058】また、官能基としてカルボニル基を有する
シラン化合物も同様に、硬化剤的に作用して主剤のエポ
キシ基と反応することにより、主剤及び硬化剤により形
成される重合体の分子構造内に含フッ素有機基を組み込
ませることができる。
【0059】さらに、官能基としてエポキシ基を有する
シラン化合物では、主剤と同様に作用して硬化剤のアミ
ノ基等と反応し、主剤及び硬化剤により形成される重合
体の分子構造内に含フッ素有機基を組み込ませることが
できる。
【0060】さらには、シラン化合物に含まれる官能基
がヒドロキシ基である場合には、主剤に含まれるエポキ
シ基と硬化剤とが開環反応することで生じたヒドロキシ
基と、シラン化合物に含まれるヒドロキシ基とが水和状
態(結合状態)となり、主剤及び硬化剤により形成され
る重合体の分子構造内に含フッ素有機基を組み込ませる
ことができる。
【0061】なお、硬化剤的に作用するシラン化合物を
用いる場合には、硬化剤の添加量を適宜調整してもよ
く、また、硬化剤と反応するシラン化合物を用いる場合
には、硬化剤の添加量を適宜増量する等の調節をする必
要がある。
【0062】このように、疎水性基である含フッ素有機
基を有する撥水性エポキシ系接着剤からなる接合層11
0によって流路形成基板10とリザーバ形成基板30と
を接合したので、圧電素子保持部32内への水分の侵入
を防止して流路形成基板10とリザーバ形成基板30と
を良好に接合することができる。すなわち、エポキシ系
接着剤層からなる接合層110には大気中の水分が浸透
することがないため、圧電素子保持部32内を常に乾燥
状態に保持することができる。したがって、圧電素子保
持部32内の圧電素子300が大気中の水分によって破
壊されることがない。また、圧電素子保持部32内に乾
燥流体等を封入しておけば、大気中の水分による圧電素
子300の破壊をより確実に防止することができる。さ
らに、シラン化合物を加えても接合強度は変化しないた
め、接合面積が比較的狭くても両者を良好に接合するこ
とができ、ヘッドの小型化を図ることができる。
【0063】なお、本実施形態では、主剤及び硬化剤か
らなる重合体の分子構造内に含フッ素有機基を組み込む
ことで接合層110に撥水性を持たせることができる
が、主剤であるエポキシ系樹脂材料に含まれるエポキシ
基が開環することによって生じたヒドロキシ基の比較的
近い所に、シラン化合物に含まれる疎水性基である含フ
ッ素有機基を存在させることにより、大気中の水分がヒ
ドロキシ基にトラップされて接合層110が吸湿するこ
とを阻害させることもできる。これによって、接合層1
10が優れた撥水性を発揮することができる。
【0064】さらに、このようなリザーバ形成基板30
上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプラ
イアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜4
1は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが
6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィル
ム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部31
の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属
等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス
鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザ
ーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去さ
れた開口部43となっているため、リザーバ100の一
方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止され、内部
圧力の変化によって変形可能な可撓部34となってい
る。
【0065】また、このリザーバ100の長手方向略中
央部外側のコンプライアンス基板40上には、リザーバ
100にインクを供給するためのインク導入口35が形
成されている。さらに、リザーバ形成基板30には、イ
ンク導入口35とリザーバ100の側壁とを連通するイ
ンク導入路36が設けられている。
【0066】なお、リザーバ形成基板30の圧電素子3
00に対応する領域上には、各圧電素子300を駆動す
るための、例えば、回路基板あるいは駆動回路を含む半
導体集積回路(IC)等の駆動回路120が搭載されて
いる。そして、この駆動回路120は、リザーバ形成基
板30の圧電素子保持部32とリザーバ部31との間の
領域に設けられた貫通孔37を介して延設されたボンデ
ィングワイヤ等からなる駆動配線130によって、各リ
ード電極90とそれぞれ電気的に接続されている(図2
(b)参照)。
【0067】このような本実施形態のインクジェット式
記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段と接続
したインク導入口35からインクを取り込み、リザーバ
100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満
たした後、駆動回路120からの記録信号に従い、圧力
発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極
膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜6
0及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各
圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からイ
ンク滴が吐出する。
【0068】以上説明した本実施形態のインクジェット
式記録ヘッドの製造方法は、特に限定されないが、その
一例を図3〜図5を参照して説明する。図3〜図5は、
本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッド
の製造工程を示す断面図である。
【0069】まず、図3(a)に示すように、流路形成
基板10となるシリコン単結晶基板のウェハを約110
0℃の拡散炉で熱酸化して二酸化シリコンからなる弾性
膜50を形成する。
【0070】次に、図3(b)に示すように、スパッタ
リングで下電極膜60を弾性膜50の全面に形成後、下
電極膜60をパターニングして全体パターンを形成す
る。この下電極膜60の材料としては、白金(Pt)等
が好適である。これは、スパッタリング法やゾル−ゲル
法で成膜する後述の圧電体層70は、成膜後に大気雰囲
気下又は酸素雰囲気下で600〜1000℃程度の温度
で焼成して結晶化させる必要があるからである。すなわ
ち、下電極膜60の材料は、このような高温、酸化雰囲
気下で導電性を保持できなければならず、殊に、圧電体
層70としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いた
場合には、酸化鉛の拡散による導電性の変化が少ないこ
とが望ましく、これらの理由から白金が好適である。
【0071】次に、図3(c)に示すように、圧電体層
70を成膜する。この圧電体層70は、結晶が配向して
いることが好ましい。例えば、本実施形態では、金属有
機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥し
てゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物か
らなる圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用
いて形成することにより、結晶が配向している圧電体層
70とした。圧電体層70の材料としては、チタン酸ジ
ルコン酸鉛系の材料がインクジェット式記録ヘッドに使
用する場合には好適である。なお、この圧電体層70の
成膜方法は、特に限定されず、例えば、スパッタリング
法で形成してもよい。
【0072】さらに、ゾル−ゲル法又はスパッタリング
法等によりチタン酸ジルコン酸鉛の前駆体膜を形成後、
アルカリ水溶液中での高圧処理法にて低温で結晶成長さ
せる方法を用いてもよい。
【0073】何れにしても、このように成膜された圧電
体層70は、バルクの圧電体とは異なり結晶が優先配向
しており、且つ本実施形態では、圧電体層70は、結晶
が柱状に形成されている。なお、優先配向とは、結晶の
配向方向が無秩序ではなく、特定の結晶面がほぼ一定の
方向に向いている状態をいう。また、結晶が柱状の薄膜
とは、略円柱体の結晶が中心軸を厚さ方向に略一致させ
た状態で面方向に亘って集合して薄膜を形成している状
態をいう。勿論、優先配向した粒状の結晶で形成された
薄膜であってもよい。なお、このように薄膜工程で製造
された圧電体層の厚さは、一般的に0.2〜5μmであ
る。
【0074】次に、図3(d)に示すように、上電極膜
80を成膜する。上電極膜80は、導電性の高い材料で
あればよく、アルミニウム、金、ニッケル、白金等の多
くの金属や、導電性酸化物等を使用できる。本実施形態
では、白金をスパッタリングにより成膜している。
【0075】次に、図4(a)に示すように、圧電体層
70及び上電極膜80のみをエッチングして圧電素子3
00のパターニングを行う。
【0076】次に、図4(b)に示すように、リード電
極90を形成する。具体的には、例えば、金(Au)等
からなるリード電極90を流路形成基板10の全面に亘
って形成すると共に、各圧電素子300毎にパターニン
グする。
【0077】以上が膜形成プロセスである。このように
して膜形成を行った後、前述したアルカリ溶液によるシ
リコン単結晶基板の異方性エッチングを行い、図4
(c)に示すように、圧力発生室12、連通部13及び
インク供給路14等を形成する。
【0078】次に、図5(a)に示すように、撥水性エ
ポキシ系接着剤からなる接合層110によって、リザー
バ形成基板30と流路形成基板10とを接合する。な
お、このような撥水性エポキシ系接着剤は、本実施形態
では、エポキシ系樹脂材料からなる主剤60wt%と、
硬化剤35wt%と、上述した(1)式でR;アミノ
基(NH)、n=17のシラン化合物5wt%とを混
練することによって形成した。
【0079】このように、撥水性エポキシ系接着剤から
なる接合層110によって流路形成基板10とリザーバ
形成基板30とを接合することにより、圧電素子保持部
32内への水分の侵入を防止して流路形成基板10とリ
ザーバ形成基板30とを良好に接合することができる。
すなわち、エポキシ系接着剤層からなる接合層110に
は大気中の水分が浸透することがないため、圧電素子保
持部32内を常に乾燥状態に保持することができる。し
たがって、圧電素子保持部32内の圧電素子300が大
気中の水分によって破壊されることがない。また、圧電
素子保持部32内に乾燥流体等を封入しておけば、大気
中の水分による圧電素子300の破壊をより確実に防止
することができる。さらに、シラン化合物を加えても接
合強度は変化しないため、接合面積が比較的狭くても両
者を良好に接合することができ、ヘッドの小型化を図る
ことができる。
【0080】続いて、図5(b)に示すように、流路形
成基板10のリザーバ形成基板30とは反対側の面にノ
ズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合す
ると共に、リザーバ形成基板30上にコンプライアンス
基板40を接合することにより、本実施形態のインクジ
ェット式記録ヘッドが形成される。
【0081】なお、実際には、上述した一連の膜形成及
び異方性エッチングによって一枚のウェハ上に多数のチ
ップを同時に形成し、プロセス終了後、図1に示すよう
な一つのチップサイズの流路形成基板10毎に分割す
る。そして、分割した流路形成基板10に、リザーバ形
成基板30及びコンプライアンス基板40を順次接着し
て一体化し、インクジェット式記録ヘッドとする。
【0082】(実施形態2)図6は、本発明の実施形態
2に係るインクジェット式記録ヘッドの断面図である。
【0083】上述した実施形態1では、含フッ素有機基
を含む撥水性エポキシ系接着剤を用いて接合層110全
体を形成するようにしたが、本実施形態では、接合層1
10Aの一部のみを撥水性エポキシ系接着剤で形成する
ようにした。
【0084】具体的には、図6に示すように、圧電素子
保持部32の周縁部に設けられる接合層110Aの外気
に接触する部分110aを含フッ素有機基を有する撥水
性エポキシ系接着剤によって形成し、その内側、すなわ
ち、接合層110Aの外気に接触しない部分110bを
含フッ素有機基を有さないエポキシ系接着剤によって形
成するようにした。また、接合層110A以外の接合層
110Bについては、含フッ素有機基を含まないエポキ
シ系接着剤によって形成するようにした。
【0085】このような構成としても、接合層110A
の外気に接触する部分110aに含まれる含フッ素有機
基によって、大気中の水分を吸湿することを阻害して圧
電素子保持部32に浸入することを防止することができ
る。また、接合層110Aの外気に接触しない部分11
0bによって、圧電素子保持部32に含まれる水分を吸
湿させることにより、圧電素子保持部32内を常に乾燥
状態とすることができる。したがって、圧電素子保持部
32内の圧電素子300が大気中の水分によって破壊さ
れることがない。
【0086】(他の実施形態)以上、本発明の各実施形
態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的
構成は上述したものに限定されるものではない。
【0087】例えば、上述の実施形態では、成膜及びリ
ソグラフィプロセスを応用して製造される薄膜型のイン
クジェット式記録ヘッドを例にしたが、勿論これに限定
されるものではなく、例えば、グリーンシートを貼付す
る等の方法により形成される厚膜型のインクジェット式
記録ヘッドにも本発明を採用することができる。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、流路形
成基板と、圧電素子保持部を有する封止基板とを撥水性
エポキシ系接着剤からなる接合層によって接合するよう
にしたので、大気中の水分が接合層を介して圧電素子保
持部に侵入することがない。したがって、大気中の水分
による圧電素子の破壊を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの概略を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドを示す平面図及び断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態2に係るインクジェット式記
録ヘッドの断面図である。
【符号の説明】
10 流路形成基板 12 圧力発生室 20 ノズルプレート 21 ノズル開口 30 リザーバ形成基板 31 リザーバ部 32 圧電素子保持部 40 コンプライアンス基板 60 下電極膜 70 圧電体層 80 上電極膜 100 リザーバ 110 接合層 300 圧電素子

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するノズル開口に連通する
    圧力発生室が画成される流路形成基板と、該流路形成基
    板の一方面側に振動板を介して設けられる下電極、圧電
    体層及び上電極からなる圧電素子とを具備するインクジ
    ェット式記録ヘッドにおいて、 前記流路形成基板の前記圧電素子側の面に接合され、当
    該圧電素子に対向する領域に空間を確保した状態で当該
    空間を密封する圧電素子保持部を有する封止基板を有
    し、該封止基板と前記流路形成基板とを接合する接合層
    の少なくとも外気に接触する部分が含フッ素有機基を含
    む撥水性エポキシ系接着剤層からなることを特徴とする
    インクジェット式記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記撥水性エポキシ
    系接着剤層は、エポキシ系樹脂材料からなる主剤を、該
    主剤を硬化させる硬化剤と、前記含フッ素有機基を有し
    且つ前記主剤又は前記硬化剤と反応する官能基を有する
    シラン化合物とで硬化させたものであることを特徴とす
    るインクジェット式記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記官能基は、前記
    シラン化合物のケイ素元素に結合するエポキシ基、アミ
    ノ基、ヒドロキシ基及びカルボニル基からなる群から選
    択される少なくとも一種であることを特徴とするインク
    ジェット式記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3において、前記シラン化
    合物の分子鎖の一端部側が前記含フッ素有機基であり、
    他端部側が前記官能基であることを特徴とするインクジ
    ェット式記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記接
    合層が前記撥水性エポキシ系接着剤層のみで形成されて
    いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 インクを吐出するノズル開口に連通する
    圧力発生室が画成される流路形成基板と、該流路形成基
    板の一方面側に振動板を介して設けられる下電極、圧電
    体層及び上電極からなる圧電素子と、前記流路形成基板
    の前記圧電素子側の面に接合され当該圧電素子に対向す
    る領域に空間を確保した状態で当該空間を密封する圧電
    素子保持部を有する封止基板とを具備するインクジェッ
    ト式記録ヘッドの製造方法において、 前記封止基板と前記流路形成基板とを接合する接合層の
    少なくとも外気に接触する部分をエポキシ系樹脂材料か
    らなる主剤と、該主剤を硬化させる硬化剤と、前記含フ
    ッ素有機基を有し且つ前記主剤又は前記硬化剤と反応す
    る官能基を有するシラン化合物とを反応させたエポキシ
    系接着剤を硬化させることによって形成することを特徴
    とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記硬化剤と反応す
    る前記官能基が前記シラン化合物のケイ素元素に結合す
    るエポキシ基であることを特徴とするインクジェット式
    記録ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6において、前記主剤と反応する
    官能基が前記シラン化合物のケイ素元素に結合するアミ
    ノ基、ヒドロキシ基及びカルボニル基からなる群から選
    択される少なくとも一種であること特徴とするインクジ
    ェット式記録ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記官能基の少なく
    とも一種が前記アミノ基である前記シラン化合物は、前
    記主剤と反応する硬化剤として作用することを特徴とす
    るインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9の何れかにおいて、前記
    シラン化合物の分子鎖の一端部が含フッ素有機基であ
    り、他端部側が前記官能基であることを特徴とするイン
    クジェット式記録ヘッドの製造方法。
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