JP2003136651A - ポリオレフィン系樹脂積層発泡体 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂積層発泡体

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JP2003136651A
JP2003136651A JP2002204645A JP2002204645A JP2003136651A JP 2003136651 A JP2003136651 A JP 2003136651A JP 2002204645 A JP2002204645 A JP 2002204645A JP 2002204645 A JP2002204645 A JP 2002204645A JP 2003136651 A JP2003136651 A JP 2003136651A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形直後から十分な帯電防止効果を有し、洗
浄によって帯電防止効果が損なわれることがなく、リタ
ーナブルな用途に使用可能な積層ポリオレフィン系樹脂
発泡体及び十分な強度を有する積層ポリオレフィン系樹
脂発泡体を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明のポリオレフィン系樹脂積層発泡
体は、ポリオレフィン系樹脂発泡シートの少なくとも片
面に合成樹脂層が積層されてなる積層発泡体において、
該合成樹脂層が最外層にポリオレフィン系樹脂層を有す
る1層以上のものであり、該ポリオレフィン系樹脂層に
は表面固有抵抗が1×1013(Ω/□)以下となるよ
うにポリマータイプの帯電防止剤が含有されていること
を特徴とする

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種容器の仕切り
板や芯材、通い箱、収納箱、電気・電子部品搬送トレー
などに使用されるシート状又は板状ポリオレフィン系樹
脂積層発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シート状のポリオレフィン系樹脂
発泡体は、食品用トレイ、弁当箱、丼、カップ等の各種
の容器や通い箱、収納箱などに広く使用されてきた。し
かしながら、ポリオレフィン系樹脂発泡体は静電気が帯
電しやすいので埃が付着しやすく汚れやすいという欠点
があるので、モノグリセリンエステル系等の低分子量の
界面活性剤を添加することにより、帯電防止効果を付与
することが行なわれてきた。
【0003】しかしながら、モノグリセリンエステル系
等の低分子量の界面活性剤は、成形品表面にブリードア
ウトしなければ帯電防止効果を発揮しない。従って、低
分子量の界面活性剤は目的とする帯電防止効果が発現す
るまで通常一週間以上必要とするので、該界面活性剤が
添加されたポリオレフィン系樹脂発泡体は、広い倉庫ス
ペースを必要とし、納期のやりくりが困難であるという
問題を抱えている。
【0004】又、前記界面活性剤は空気中の水分を取り
込まなければ帯電防止効果を発現しないので、季節や使
用される環境の影響を大きく受け、その結果目的とする
帯電防止効果を発現しない場合があるという問題も有し
ている。
【0005】更に、前記界面活性剤が添加された発泡体
は水、洗剤などによって、洗浄を行なうと界面活性剤が
洗い落とされるので、再び帯電防止効果を発揮するまで
に時間を必要とする。従って、このような界面活性剤が
添加された発泡体を使用した通い箱等は、洗浄し再使用
することが難しいので静電気や埃を嫌う用途においてリ
ターナブルな使用は困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形直後か
ら十分な帯電防止効果を有し、洗浄によって帯電防止効
果が損なわれることがなく、リターナブルな用途に使用
可能な積層ポリオレフィン系樹脂発泡体及び十分な強度
を有する積層ポリオレフィン系樹脂発泡体の提供を目的
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(1)ポリオレフィン系樹脂発泡シートの少なくとも片
面に合成樹脂層が積層されてなる積層発泡体において、
該合成樹脂層が最外層にポリオレフィン系樹脂層を有す
る1層以上のものであり、該ポリオレフィン系樹脂層に
は表面固有抵抗が1×1013(Ω/□)以下となるよ
うにポリマータイプの帯電防止剤が含有されていること
を特徴とするポリオレフィン系樹脂積層発泡体、(2)
ポリオレフィン系樹脂発泡シートの少なくとも片面に合
成樹脂層が積層されてなる積層発泡体において、該合成
樹脂層が最外層にポリオレフィン系樹脂層を有する1層
以上のものであり、該ポリオレフィン系樹脂層には、エ
タノールによる超音波洗浄後の表面固有抵抗が1×10
〜1×1013(Ω/□)となるように帯電防止剤が
含有されていることを特徴とするポリオレフィン系樹脂
積層発泡体、(3)合成樹脂層が単層のポリオレフィン
系樹脂層からなり、該ポリオレフィン系樹脂発泡シート
の密度:d(g/L)と、該単層のポリオレフィン系樹
脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂のメルトフロ
ーレイト:X(g/10分)と、該単層のポリオレフィ
ン系樹脂層の坪量:Y(g/m)とが、下記(1)〜
(4)式の関係を満足することを特徴とする前記(1)
または(2)記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体、
【数9】 Y≦0.27dX ……(1)
【数10】 2≦X≦40 ……(2)
【数11】 5≦Y<80 ……(3)
【数12】 100≦d≦450 ……(4) (4)合成樹脂層の坪量が80〜380(g/m)で
あり、且つ複数層のポリオレフィン系樹脂層からなり、
該複数層のポリオレフィン系樹脂層の内、最外層を構成
しているポリオレフィン系樹脂層の坪量が5(g/
)以上、80(g/m)未満であり、該ポリオレ
フィン系樹脂発泡シートの密度:d(g/L)と、該複
数層のポリオレフィン系樹脂層のうち該最外層以外の樹
脂層からなる内層を構成しているポリオレフィン系樹脂
のメルトフローレイト:X’(g/10分)と、該内層
の坪量:Y’(g/m)とが、下記(5)〜(8)式
の関係を満足することを特徴とする前記(1)または
(2)記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体、
【数13】 Y’≦0.27dX’ ……(5)
【数14】 5≦X'≦40 ……(6)
【数15】 70≦Y’≦300 ……(7)
【数16】 100≦d≦450 ……(8) (5)ポリオレフィン系樹脂発泡シートを構成する基材
樹脂がポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする前
記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリオレフィン系
樹脂積層発泡体、(6)ポリオレフィン系樹脂層を構成
する基材樹脂がポリプロピレン系樹脂であることを特徴
とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のポリオレ
フィン系樹脂積層発泡体、(7)帯電防止剤の結晶化温
度が、ポリオレフィン系樹脂発泡シートを構成する基材
樹脂の結晶化温度(Tc)を基準として、(Tc+40
℃)以下であることを特徴とする前記(1)〜(6)の
いずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体、
(8)帯電防止剤の主成分がポリエーテルエステルアミ
ドであることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれ
かに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体、(9)
帯電防止剤の主成分がポリエーテルであることを特徴と
する前記(1)〜(7)のいずれかに記載のポリオレフ
ィン系樹脂積層発泡体、(10)帯電防止剤の主成分
が、ポリエーテルとポリプロピレンとの共重合体、また
は、ポリエーテルとポリプロピレンとの混合物であるこ
とを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の
ポリオレフィン系樹脂積層発泡体、(11)帯電防止剤
が2〜30重量%含有されていることを特徴とする前記
(1)〜(10)のいずれかに記載のポリオレフィン系
樹脂積層発泡体、(12)最外層を構成しているポリオ
レフィン系樹脂層が抗菌剤を含有していることを特徴と
する前記(1)〜(11)のいずれかに記載のポリオレ
フィン系樹脂積層発泡体、(13)積層発泡体全体の厚
みが0.5〜10mmであり、積層発泡体の独立気泡率
が60%以上であることを特徴とする前記(1)〜(1
2)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡
体、(14)積層発泡体が共押出し法により得られたも
のであることを特徴とする前記(1)〜(13)のいず
れかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体。(1
5)帯電防止剤を含有するポリオレフィン系樹脂層を構
成している、帯電防止剤のメルトフローレイトα(g/
10分)とポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト
βとの比(α/β)が0.5以上であることを特徴とす
る前記(1)〜(14)のいずれかに記載のポリオレフ
ィン系樹脂積層発泡体、を要旨とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のポリオレフィン系樹脂積
層発泡体(以下、単に積層発泡体という。)は、ポリオ
レフィン系樹脂発泡シート(以下、単に発泡シートとい
う。)の片面または両面に、単層または複数層の合成樹
脂層が積層されたものである。そして該合成樹脂層の密
度は300(g/L)以上、即ち低発泡のものであった
り、フィラーを多量に含有しているもの等であってもよ
い。更に該合成樹脂層の最外層としてポリオレフィン系
樹脂層を有している。即ち、本発明の積層発泡体は、片
面または両面の最外層にポリオレフィン系樹脂層(以
下、単に最外樹脂層という。)を有するものである。
【0009】従って、本発明の積層発泡体は、最も簡単
な層構成として、発泡シートの片面に最外樹脂層が積層
されたものが挙げられ、その他、発泡シートの両面に最
外樹脂層が積層されたもの、発泡シートの両面の各々に
最外樹脂層と他の樹脂層の2層以上からなる合成樹脂層
が積層されたもの等が挙げられる。尚、本明細書におい
て合成樹脂層が複数層のポリオレフィン系樹脂層からな
る場合、最外樹脂層以外の樹脂層、即ち内層は、1層ま
たは2層以上のポリオレフィン系樹脂層からから構成さ
れる。本発明の積層発泡体は、このような構造を有する
もので、特に、発泡シートの種類、密度と、最外樹脂層
の種類、坪量、最外樹脂層以外の合成樹脂層の種類、坪
量、メルトフローレイトとの組合せを適宜定めることに
より、積層発泡体の用途に応じた幅広い物性を有する積
層体となりうるものである。
【0010】本発明の積層発泡体は全体の厚みが0.5
〜10mmであることが好ましく、1〜8mmであるこ
とがより好ましい。全体の厚みが0.5mm未満の場合
は、用途によっては、例えば積層発泡体を加工して得ら
れた箱、容器等の壁厚が不十分となり、強度、断熱性、
緩衝性などが低下する虞がある。一方、全体の厚みが8
mmを超えると、ヒンジ等の曲げ加工性、箱、容器等へ
の成形加工性が低下する虞がある。
【0011】本明細書における積層発泡体の厚みは、発
泡シートの押出方向に対して垂直な幅方向の断面の厚み
を顕微鏡により等間隔に10点撮影を行い、ついで撮影
した写真より積層発泡体の厚みを測定し、各測定値の算
術平均値を積層発泡体の厚みとする。
【0012】本発明の積層発泡体を構成する発泡シート
は、押出発泡法により製造することができ、合成樹脂層
も押出加工により製造することができる。本発明におい
て、発泡シートに合成樹脂層を積層する方法としては、
別途製造した発泡シートに合成樹脂層を押出ラミする方
法、発泡シートに別工程で製造したフィルム(合成樹脂
層)を熱ラミする方法、異なる押出機を用いて形成した
発泡シートと合成樹脂層をダイ内で積層してから押出す
共押出し法等が挙げられる。
【0013】これらの方法の中では、ポリマータイプの
帯電防止剤や抗菌剤等の高価な添加剤を最外樹脂層に混
合する場合に安価な積層発泡体を得ることができるとい
う観点からは、より薄い最外樹脂層を形成することが容
易な共押出し法が好ましい。また、本発明において使用
されるポリマータイプの帯電防止剤はポリオレフィン系
樹脂層表面に筋状に分散して連続層を形成した状態で配
置することにより、ポリマータイプの帯電防止剤の本来
の帯電防止効果を発現させることができる。そして、共
押出し法に比べて、帯電防止剤の溶融混練時または帯電
防止剤含有樹脂層の発泡シートへの積層時において溶融
樹脂の温度上の制約が小さく、また適度に配向された帯
電防止剤含有樹脂層を形成し易いという理由から、比較
的容易に筋状に分散した帯電防止剤の連続層を形成でき
る、押出ラミ法や別工程で製造したフィルムを熱ラミす
る方法も採用できる。
【0014】本発明における発泡シートの押出発泡法に
よる製造について詳述する。該発泡シートは、基材樹脂
を押出機内で溶融させると共に発泡剤と混練した後、こ
の溶融混練物を押出機先端に取り付けたダイを通して低
圧下に押出して発泡することにより得ることができる。
シート状の発泡体として形成するためには、環状のリッ
プを有するサーキュラーダイを用い、このダイのリップ
より押出発泡してチューブ状の発泡体を得、次いで、こ
のチューブを切り開いてシート状とする方法が好ましく
採用される。尚、サーキュラーダイに代えてTダイ等の
フラットダイから押出す方法によって製造することも可
能である。
【0015】本発明の発泡シートを構成する基材樹脂は
ポリオレフィン系樹脂であり、該ポリオレフィン系樹脂
としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂
等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂は、柔軟性に富
み、引張り強度等の物理的強度に優れ、耐薬品性を有
し、押出発泡性適正があるので、本発明の発泡シートを
構成する基材樹脂として優れた素材であり、本発明にお
いては、ポリオレフィン系樹脂の中でも特に剛性や耐熱
性に優れるポリプロピレン系樹脂が好ましく使用され
る。
【0016】上記ポリプロピレン系樹脂としては、プロ
ピレン単独重合体、またはプロピレンと共重合可能な他
のオレフィンとの共重合体が挙げられる。プロピレンと
共重合可能な他の共重合成分としては、例えば、エチレ
ン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、3−メ
チル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,4−ジメチル−
1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン
などの、エチレンまたは炭素数4〜10のα−オレフィ
ンが例示される。また上記共重合体は、ランダム共重合
体であってもブロック共重合体であってもよく、さらに
また二元共重合体のみならず三元共重合体であってもよ
い。また、これらのポリプロピレン系樹脂は、単独でま
たは2種以上を混合して用いることができる。
【0017】上記の共重合体を、発泡シートを構成する
基材樹脂として使用する場合、共重合体中に共重合成分
が25重量%以下、特に15重量%以下の割合で含有さ
れていることが好ましい。また共重合体中に含有する共
重合成分の好ましい下限値は0.3重量%である。
【0018】上記のポリプロピレン系樹脂の中でも押出
発泡に好適な樹脂としては、一般のポリプロピレン系樹
脂と比較して溶融張力が高いポリプロピレン系樹脂を含
有するものが好ましく、特に、該溶融張力が高いポリプ
ロピレン系樹脂を15〜50重量%含有するポリプロピ
レン系樹脂が、本発明積層発泡体の製造コスト、リサイ
クル性および押出発泡適正を兼備することから好まし
い。尚、該溶融張力が高いポリプロピレン系樹脂とは、
例えば、特許登録2521388号、特開平7−537
97号公報に記載されているような、(1)1未満の枝
分かれ指数と著しい歪み硬化伸び粘度とを有するポリプ
ロピレンや、(2)(a)Z平均分子量(Mz)が1.
0×10以上であるか、またはZ平均分子量(Mz)
と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が3.
0以上であり、(b)かつ平衡コンプライアンスJoが
1.2×10−3m/N以上であるか、または単位応
力当たりの剪断歪み回復Sr/Sが毎秒5m/N以上
であるもの、(3)スチレン等のラジカル重合性単量体
およびラジカル重合開始剤や添加剤などを含む配合物
を、ポリプロピレン系樹脂が溶融し、かつラジカル重合
開始剤の反応温度以上において溶融混練することによっ
て改質されたポリプロピレン系樹脂、あるいは(4)ポ
リプロピレン系樹脂とイソプレン単量体とラジカル重合
開始剤とを溶融混練して得られる改質ポリプロピレン系
樹脂が挙げられる。
【0019】また、上記の溶融張力が高いポリプロピレ
ン系樹脂中でも沸騰キシレンに対する不溶解成分の割合
が低いものが好ましい。
【0020】上記不溶解成分の割合は、重量を精秤した
ポリプロピレン系樹脂またはその発泡シートを試料と
し、約145℃のキシレン中に試料を入れ8時間加熱還
流した後、100メッシュの金網で速やかに濾過し、つ
いで金網上に残った沸騰キシレン不溶解成分を20℃の
オーブン中で24時間乾燥したのち、不溶解成分の重量
G(g)を測定し、下記式(9)により求められる。不
溶解成分の割合が0〜10重量%であることが好まし
く、より好ましくは、0〜5重量%、更に好ましくは0
〜2重量%である。不溶解成分の割合が低い樹脂程リサ
イクル性に優れておりコスト低減に繋がる点で好ましい
ものである。
【0021】
【数17】 乾燥後の不溶解成分の割合(重量%) =[G(g)/試料重量(g)]×100……(9)
【0022】本発明においては、上記発泡シートの基材
樹脂をポリプロピレン系樹脂で構成する場合、ポリプロ
ピレン系樹脂に、さらに必要に応じて他の樹脂を混合し
たものを使用することができる。他の樹脂としては、例
えば、アイオノマー;エチレン−プロピレンゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム等のゴム;スチレン−ブチレン−
スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体、スチレン−ブチレン−スチレ
ンブロック共重合体水添物、スチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体水添物、エチレン−オクテンブ
ロック共重合、エチレン−ブチレンブロック共重合等の
熱可塑性エラストマー;高密度ポリエチレン、低密度ポ
リエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密
度ポリエチレン、エチレン−ブテン共重合体、エチレン
−無水マレイン酸共重合体等のエチレン系樹脂;ブテン
系樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体等の塩化ビニル系樹脂;スチレン系樹脂等が挙げら
れる。これらの他の樹脂を混合する場合には、その混合
量は、基材樹脂総重量の40重量%以下にすることが好
ましい。
【0023】また、本発明における発泡シートの基材樹
脂をポリエチレン系樹脂で構成する場合、該ポリエチレ
ン系樹脂としては、エチレンの単独重合体またはエチレ
ンと炭素数が3〜12個のα−オレフィンとからなる共
重合体が基材樹脂中に60重量%以上含有されているも
のが挙げられ、具体的には、高密度ポリエチレン、中密
度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポ
リエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体から選択される1種または2種以上
の混合物、更には40重量%以下の割合でプロピレン系
樹脂、ポリスチレン系樹脂等のその他の樹脂を混合した
ものが挙げられる。
【0024】本発明における発泡シートを製造するため
の発泡剤としては、無機系物理発泡剤、有機系物理発泡
剤、分解型発泡剤等が用いられる。無機系物理発泡剤と
しては、二酸化炭素、空気、窒素等を用いることができ
る。有機系物理発泡剤としてはプロパン、n−ブタン、
i−ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、
シクロブタン、シクロペンタン等の環式脂肪族炭化水
素、1,1,1,1−テトラフルオロエタン、1,1−
ジフルオロエタン、メチルクロライド、エチルクロライ
ド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素、ジメ
チルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル等を
用いることができる。また分解型発泡剤としては、アゾ
ジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミ
ン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム等
を用いることができる。これらの発泡剤は適宜混合して
用いることもできる。尚、本発明においては、特に物理
発泡剤を使用することが、低い坪量の発泡シートを得る
上で好ましい。
【0025】又、本発明における発泡シートは、必要に
応じて各種添加剤を添加することができる。添加剤とし
ては、タルク、シリカ等の無機粉末や多価カルボン酸の
酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウム或いは重炭酸
ナトリウムとの反応混合物等の気泡調整剤、タルク、シ
リカ、炭酸カルシウム、クレー、ゼオライト、アルミ
ナ、硫酸バリウム等の無機充填剤(タルク、シリカは気
泡調整剤としての機能も有する。)、熱安定剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、着色剤等が挙げられる。また、帯
電防止剤や抗菌剤を配合してもよい。
【0026】本発明における積層発泡体の独立気泡率
は、60%以上、更に、70%以上であることが好まし
く、80%以上であることが特に好ましい。独立気泡率
が60%より低くなると、発泡シートの剛性や圧縮強度
が低下し、例えば積層発泡体を加工して得られる箱、容
器等の物理的強度が低下する虞がある。
【0027】本明細書における積層発泡体の独立気泡
率:S(%)は、ASTM D2856−70に記載さ
れている手順Cに準拠し、東芝ベックマン株式会社製の
空気比較式比重計930型を使用して測定される積層発
泡体の真の体積:Vxから、下記(10)式により算出
される。
【0028】
【数18】 S(%)=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/ρ)…(10)
【0029】但し、上記(10)式において、Vxは上
記した方法で測定される真の体積(cm)で、測定に
使用した積層発泡体を構成する樹脂の容積と、測定に使
用した積層発泡体内の独立気泡部分の気泡全容積との和
に相当する。その他、上記(10)式中の、Va、W、
ρは以下の通りである。
【0030】Va:測定に使用した積層発泡体の外形寸
法から計算される積層発泡体の見掛けの体積(cm) W :測定に使用した積層発泡体の全重量(g) ρ :積層発泡体を構成する樹脂の密度(g/cm) 尚、積層発泡体を構成する樹脂の密度ρは、ヒートプレ
スにより該積層発泡体から気泡を脱泡させる操作を行
い、得られたサンプルから密度を求めることができる。
【0031】尚、試験片は、空気比較式比重計に付属の
サンプルカップに非圧縮状態で収納しなければならない
ので、縦と横がそれぞれ2.5cm、高さが4cmにな
るようにカットし、見掛け体積が25cmのものとす
る。但し、積層発泡体の厚みが4cmに満たない場合は
25cmに最も近づくように該積層発泡体からカット
した測定用試験片を複数枚組み合わせて試験片として使
用する。
【0032】本発明における最外樹脂層以外の合成樹脂
層を構成する基材樹脂としては、発泡シートと同様のポ
リプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂、その他、ガ
スバリヤー性等の機能性を有するエチレン酢酸ビニル共
重合体のケン化物、塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹
脂等が挙げられ、中でも発泡シートやポリオレフィン系
樹脂層と良好に接着するという点で、該合成樹脂層と最
外樹脂層と発泡シートとを構成する樹脂は十分な熱接着
性を示す同種類のものを用いることが好ましく、安価な
積層発泡体を得るためには、該合成樹脂層は発泡シート
の基材樹脂と同種類のリサイクル原料を配合したものを
用いることがより好ましい。
【0033】又、合成樹脂層の一部または全てを構成す
る最外樹脂層を構成する基材樹脂としては、発泡シート
と同様のポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂が
挙げられ発泡シート或いは他の合成樹脂層と良好に接着
するという点で、それらを構成する樹脂は十分な熱接着
性を示す同種類のものを用いることが好ましく、安価な
積層発泡体を得るためには、最外樹脂層は発泡シートの
基材樹脂と同種類のリサイクル原料を配合したものを用
いることがより好ましい。
【0034】又、最外樹脂層を含む合成樹脂層を構成す
る基材樹脂には抗菌剤、エラストマーなどの添加剤を一
種以上添加することが、本発明の積層発泡体をより機能
的なものとすることができる。
【0035】上記抗菌剤としては、銀、銅、亜鉛等の抗
菌活性をもつ金属(イオン)を担体に担持したもの、例
えば銀ゼオライト、銅ゼオライト、銀担持リン酸ジルコ
ニウム、銀担持シリカゲルなどの無機系薬剤、アナター
ゼ型酸化チタンに代表される酸化物系光触媒を利用した
抗菌剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ポリオキシエチレ
ントリアルキルアンモニウム、ポリヘキサメチレンビグ
アニド塩酸塩、塩化3−(トリメトキシシリル)プロピ
ルジメチルオクタデシルアンモニウム等の有機系薬剤な
どが挙げられる。
【0036】本発明における最外樹脂層を含む合成樹脂
層の密度は好ましくは300(g/L)以上で、更に好
ましくは基材樹脂の密度、即ち非発泡樹脂からなるもの
である。合成樹脂層の密度が300(g/L)以上の場
合は、合成樹脂層を積層することによる、物性向上効
果、機能付加効果、外観向上効果などを発揮することが
できる。
【0037】本明細書において、合成樹脂層や、合成樹
脂層中の最外樹脂層の密度の測定は、積層発泡体から密
度を測定する目的の樹脂層を切り出して、切り出したサ
ンプルの重量(g)を切り出したサンプルの外形寸法か
ら求められる体積(L)にて割り算することにより求め
られる。
【0038】本発明の積層発泡体は、最外樹脂層がポリ
マータイプの帯電防止剤(所謂、永久帯電防止剤。)を
含有しており、該ポリマータイプの帯電防止剤は最外樹
脂層の表面固有抵抗が1×1013(Ω/□)以下、好
ましくは1×1012(Ω/□)以下、更に好ましくは
1×1011(Ω/□)以下となるように最外樹脂層を
構成するポリオレフィン系樹脂に含有されている。尚、
表面固有抵抗の下限は、特に限定されないが、おおむね
1×10(Ω/□)である。
【0039】ポリマータイプの帯電防止剤は単純にポリ
オレフィン系樹脂に配合すれば帯電防止効果を発揮する
というものではなく、帯電防止剤がポリオレフィン系樹
脂層表面に筋状に分散して連続層を形成した状態(以
下、ネットワーク構造という。)で樹脂層表面に配置さ
れていなければ帯電防止効果を発揮しないと考えられ
る。
【0040】かかるネットワーク構造は、最外樹脂層を
形成する際に適度な配向をかけることにより形成され易
い。従って、ネットワーク構造を形成するという観点か
らは、最外樹脂層は押出ラミ法や熱ラミ法により形成す
ることが好ましい。
【0041】一方、ポリマータイプの帯電防止剤は極め
て高価で、低価格の製品を製造するためには使用量が制
限される。従って、ポリマータイプの帯電防止剤は積層
発泡体の最外樹脂層のみに配合するだけで十分であり、
該最外樹脂層はできる限り薄くして樹脂量を減らし坪量
5g/m以上80g/m未満で形成することが好ま
しい。
【0042】このようにできる限り薄くして樹脂量を減
らした最外樹脂層を形成するという観点からは、共押出
し法を採用することが好ましい。
【0043】表面固有抵抗が1×1013(Ω/□)を
超える場合は、帯電防止効果が不十分となり、積層発泡
体の表面には静電荷が蓄積し、埃が付着する。
【0044】本明細書における表面固有抵抗の測定は、
基本的にJIS K6911(1995)に準拠して行
なうものとする。具体的には、得られた積層発泡体か
ら、試験片(縦100mm×横100mm×厚み:試験
片厚み)を発泡シートの押出し方向に対して垂直な幅方
向に等間隔で3片切り出し、試験片を23℃、湿度50
%の雰囲気下に24時間放置した後、表面抵抗率を測定
し、得られた測定値の平均値を表面固有抵抗とする。
尚、上記測定方法は、JIS K6911(1995)
に準拠するものであり、試験片の状態調整は23℃、湿
度50%の雰囲気下に24時間放置することにより行う
こととなっているためその条件を本明細書において採用
したが、本発明においてはポリマータイプの帯電防止剤
が配合されたものであるため、放置時間や湿度の条件に
よらず積層発泡体製造直後から安定した表面固有抵抗を
示すものである。よって、本発明の積層発泡体は上記条
件にて24時間放置してもしなくても略同様の表面固有
抵抗を示す積層発泡体となる優れた効果を発揮する。
【0045】本明細書において、最外樹脂層の表面固有
抵抗が1×1013(Ω/□)以下となるようにとは、
構造的には最外樹脂層を構成する基材樹脂中にポリマー
タイプの帯電防止剤がネットワーク構造のような十分に
帯電防止性能を発揮する構造を形成し、該構造を通じて
静電気が伝導できることを意味する。このような構造が
形成されていない場合は、ポリマータイプの帯電防止剤
が配合されていても、表面固有抵抗が1×1013(Ω
/□)以下の最外樹脂層を得ることは難しい。
【0046】本明細書において、ポリマータイプの帯電
防止剤とは、少なくとも数平均分子量が300以上、好
ましくは300〜300000、更に好ましくは600
〜15000で、かつ表面固有抵抗が1×1012Ωよ
りも小さい樹脂のことを示す。また本明細書におけるポ
リマータイプの帯電防止剤は無機塩又は低分子量有機プ
ロトン酸塩、例えばLiClO4、LiCF3SO3、NaClO4、LiB
F4、NaBF4、KBF4、KClO4、KPF3SO3、Ca(ClO4)2、Mg(Cl
O42、Zn(ClO4)2等を含有していても良い。尚、ポリマ
ータイプの帯電防止剤の数平均分子量の上限は5000
00程度である。
【0047】上記分子量はゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーを用い、分子量既知のポリスチレンから得
られる校正曲線を使用して換算られた数平均分子量(ポ
リスチレン換算値)である。
【0048】本明細書において、ポリマータイプの帯電
防止剤は具体的には、ポリエチレンオキシド、ポリプロ
ピレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエーテ
ル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステルアミ
ド、エチレン‐メタクリル酸共重合体などのアイオノマ
ー、ポリエチレングリコールメタクリレート系重合体等
の第四級アンモニウム塩から選択される1種、または2
種以上の混合物、または2種以上の共重合体、更にそれ
らとポリプロピレンなどの他の樹脂との共重合体等の中
で、分子鎖中に極性基を有し無機塩又は低分子量有機プ
ロトン酸塩を錯体形成または溶媒和することが可能な樹
脂が挙げられ、無機塩又は有機プロトン酸塩等を錯体形
成または溶媒和せしめてあってもよい。尚、ポリマータ
イプの帯電防止剤の融点の上限はおおむね270℃であ
り、下限はおおむね70℃であり、好ましくは80〜2
30℃、更に好ましくは80〜200である。帯電防止
剤の融点が上記範囲内のものを選択することにより、帯
電防止剤が添加される基材樹脂の基礎物性を維持しつ
つ、良好な前記ネットワーク構造を形成することが比較
的容易に可能となる。また、ポリマータイプの帯電防止
剤の結晶化温度は、ポリオレフィン系樹脂発泡シートを
構成する基材樹脂の結晶化温度(Tc)を基準として、
(Tc+40℃)以下であることが好ましい。尚、該帯
電防止剤の結晶化温度の下限はおおむね60℃である。
帯電防止剤の結晶化温度が上記範囲内のものを選択する
ことにより、帯電防止効果において優れたものが得ら
れ、また、特に共押出し法により本発明の積層発泡体を
得る場合に外観において特に優れたものがえられる。
【0049】本明細書において、帯電防止剤または樹脂
層等を構成する樹脂の融点及び結晶化温度の測定方法は
JIS K7121−1987に準拠して、熱流束示差
走査熱量測定により求められる値である。測定条件の詳
細については以下の通りとする。 融点:JIS K7121−1987、3.試験片の状
態調節(2)の条件(但し、冷却速度10℃/分。)に
より試験片を状態調整した試験片を使用して、10℃/
分にて昇温することにより融解ピークを得る。得られた
融解ピークの頂点の温度を融点とする。尚、融解ピーク
が2つ以上現れる場合は、最も面積の大きな融解ピーク
の頂点の温度を融点とする。但し、最も面積の大きな融
解ピークが複数存在する場合は、それらの融解ピークの
頂点の温度の算術平均値を融点とする。 結晶化温度:JIS K7121−1987、3.試験
片の状態調節(2)の条件において、冷却速度10℃/
分の降温時に得られる発熱ピークの頂点の温度を結晶化
温度とする。尚、発熱ピークが2つ以上現れる場合は、
最も面積の大きな発熱ピークの頂点の温度を結晶化温度
とする。但し、最も面積の大きな発熱ピークが複数存在
する場合は、それらの発熱ピークの頂点の温度の算術平
均値を結晶化温度とする。
【0050】本発明において用いるポリマータイプの帯
電防止剤の中でも特にポリエーテルエステルアミド、ポ
リエーテルを主成分とするものが好ましい。これらの帯
電防止剤は、最外樹脂層の基材樹脂のメルトフローレイ
トと帯電防止剤のメルトフローレイトとの比に大きく左
右されずに優れた帯電防止効果を発揮させることができ
る。更に、これらの帯電防止剤には最外樹脂層の基材樹
脂との相溶性を向上させ、優れた帯電防止効果及び帯電
防止剤を添加することによる物性低下を抑制する効果を
得るために同種のポリオレフィン系樹脂やポリアミドを
ポリマータイプの帯電防止剤に混合または共重合させた
ものを用いることが好ましい。尚、本明細書において主
成分とするとは50重量%以上、好ましくは75重量%
以上、更に好ましくは85重量%以上の割合で含有され
ていることを意味する。これらの帯電防止剤を用いて、
後述する方法でネットワーク構造等を形成することによ
り、表面固有抵抗が1×1013(Ω/□)以下の最外
樹脂層を容易に形成することができる。
【0051】本明細書におけるポリエーテルエステルア
ミドは、下記に例示するポリアミド(1)とビスフェノ
ール類のアルキレンオキサイド付加物(2)との重合反
応により得られるものである。
【0052】ポリアミド(1)は、(a)ラクタム開環重
合体、(b)アミノカルボン酸の重縮合体、若しくは(c)ジ
カルボン酸とジアミンの重縮合体である。(a)のラク
タムとしてはカプロラクタム、エナントラクタム、ラウ
ロラクタム、ウンデカラクタム等が挙げられる。
【0053】前記(b)のアミノカルボン酸としては、ω-
アミノカプロン酸、ω-アミノエナント酸、ω-アミノカ
プリル酸、ω-アミノペルゴン酸、ω-アミノカプリン
酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸等が
挙げられる。
【0054】前記(c)のジカルボン酸としては、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ド
デカンジ酸、イソフタル酸等が挙げられ、またジアミン
としてはヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジア
ミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン
等が挙げられる。
【0055】上記アミド形成性モノマーとして例示した
ものは二種類以上使用しても良い。これらのうち好まし
いものはカプロラクタム、12-アミノドデカン酸、及び
アジピン酸−ヘキサメチレンジアミンであり、特に好ま
しいものはカプロラクタムである。
【0056】前記ビスフェノール類のアルキレンオキサ
イド付加物(2)のビスフェノール類としては、ビスフ
ェノールA(4,4'-ジヒドロキシジフェニル-2,2-プロパ
ン)、ビスフェノールF(4,4'-ジヒドロキシジフェニ
ルメタン)、ビスフェノールS(4,4'-ジヒドロキシジ
フェニルスルホン)、4,4'-ジヒドロキシジフェニル-2,
2-ブタン等が挙げられ、これらのうち特に好ましいもの
はビスフェノールAである。
【0057】また前記ビスフェノール類のアルキレンオ
キサイド付加物(2)のアルキレンオキサイドとして
は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2-
若しくは1,4-ブチレンオキサイド、及びこれらの二種類
以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいもの
はエチレンオキサイドである。
【0058】本発明において最外樹脂層が含有するポリ
エーテルエステルアミドの融点は、230℃以下である
ことが好ましく、200℃以下であることがより好まし
い。該融点が230℃を超えると、ポリオレフィン系樹
脂とポリエーテルエステルアミドとを溶融し混合する
際、両樹脂の温度を必要以上に高くしなければならない
ので、ポリオレフィン系樹脂が劣化する虞がある。又、
共押出し法により積層する場合は、樹脂層の積層量にも
よるが発泡シートが連続気泡構造になり剛性が低下する
虞がある。
【0059】ポリエーテルエステルアミドの融点が20
0℃以下の場合は、最外樹脂層を構成するポリオレフィ
ン系樹脂が劣化する虞が殆どなく、共押出し法により積
層する場合であっても、発泡シートが連続気泡構造にな
り剛性が低下する虞が殆どない。
【0060】本明細書におけるポリエーテルとしては、
a)フェノール類・ジビニルベンゼン付加重合体にアル
キレンオキサイドを付加反応させることにより得られる
オキシアルキレンエーテル、b)ポリオキシエチレング
リコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキ
シブチレングリコール、ビスフェノール類のアルキレン
オキシド付加物等のジグリシジルエーテルと、ヘキシ
ル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシ
ル、ドデシル、テトラデシル、オクタデシル、オレイル
などの炭素数1〜22(好ましくは炭素数6〜22)の
脂肪族炭化水素基を有するアミン化合物と、ジメチル硫
酸、ジエチル硫酸等のアルキル硫酸エステル;ジメチル
炭酸、ジエチル炭酸等のアルキル炭酸エステル;トリメ
チルホスフェイト、アルキルベンジルクロライド、ベン
ジルクロライド、アルキルクロライド、アルキルブロマ
イド等の各種ホスフェイトまたはハライドなどの4級化
剤との反応物であり、かつ分子内に2個以上の4級アン
モニウム塩基を有する化合物からなるカチオン型帯電防
止剤等が挙げられる。
【0061】上記アルキレンオキサイドとしては、エチ
レンオキサイド,プロピレンオキサイドおよびブチレン
オキサイドが挙げられ、これらの内、エチレンオキサイ
ド及びエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの
共重合体が好ましい。アルキレンオキサイドの付加モル
数は、通常1〜500、好ましくは20〜300であ
り、オキシアルキレンエーテル中のオキシアルキレン含
量は、10〜95重量%、好ましくは20〜90重量
%、より好ましくは30〜80重量%である。
【0062】上記ビスフェノール類としては、ビスフェ
ノールA(4,4'−ジヒドロキシジフェニル−2,2
−プロパン)、ビスフェノールF(4,4'−ジヒドロ
キシジフェニルメタン)、ビスフェノールS(4,4'
−ジヒドロキシジフェニルスルホン)、4,4'−ジヒ
ドロキシジフェニル−2,2−ブタンなどのアルキレン
オキシド付加物が挙げられる。
【0063】上記ジグリシジルエーテルのうち特に好ま
しいものは、ポリオキシエチレングリコールのグリシジ
ルエーテル、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加
物のジグリシジルエーテルおよびこれらの混合物であ
る。
【0064】上記アミン化合物のうち特に好ましいもの
は、N−アルキル(炭素数1〜18)ジエタノールアミ
ンである。
【0065】上記4級化剤のうち特に好ましいものは、
ジメチル硫酸およびジエチル硫酸である。
【0066】前述したポリエーテルエステルアミドまた
はポリエーテルには、優れた帯電防止効果及び帯電防止
剤を添加することによる物性低下を抑制する効果を得る
ためにポリアミドや、最外樹脂層を構成しているポリオ
レフィン系樹脂と同種類のポリオレフィン系樹脂(特
に、数平均分子量が800〜25000の変性ポリオレ
フィン系樹脂)が混合されているか共重合されているこ
とがより好ましい。ここで使用されるポリアミドとして
は、ジアミン及びジカルボン酸及び/又はアミノカルボ
ン酸又は相当するラクタムから誘導されたポリアミド及
びコポリアミドが挙げられる。具体的には、ポリアミド
4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/
9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、
ポリアミド12、m−キシレンジアミンとアジピン酸と
の芳香族ポリアミド、ヘキサメチレンジアミンとイソフ
タル酸及び/又はテレフタル酸とから、必要に応じてエ
ラストマーを添加して得られるポリアミド、上記ポリア
ミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオ
ノマー又はエラストマーとの共重合体、ポリアミドとポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又は
ポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマ
ー、EPDM又はABSで変性させたポリアミド又はコ
ポリアミド等が例示される。これらのポリオレフィン系
樹脂やポリアミドの含有量は50重量%以下、好ましく
は25重量%以下、更に好ましくは25重量%以下であ
る。上述したポリマータイプの帯電防止剤を添加したも
のは、上記エタノールによる超音波洗浄前後において、
帯電防止効果は失われない。一方、モノグリセリンエス
テル系等の界面活性剤からなる帯電防止剤の場合は、成
形品表面にブリードアウトし空気中の水分を取り込み帯
電防止効果を発揮していても上記エタノールによる超音
波洗浄後には帯電防止効果は失われてしまう。よって、
添加されている帯電防止剤がポリマータイプの帯電防止
剤か界面活性剤からなる帯電防止剤かを判別する手段と
して、上記エタノールによる超音波洗浄が有効である。
【0067】また、本発明の積層発泡体は帯電防止剤を
最外樹脂層に含有することによりエタノールによる超音
波洗浄前後において表面固有抵抗が1×10〜1×1
(Ω/□)の範囲内の値で殆ど変化しない作用を
有するものである。そのような積層発泡体は帯電防止剤
として前記ポリマータイプの帯電防止剤を含有させるこ
とにより得ることができる。尚、本明細書において、エ
タノールによる超音波洗浄とは、23℃のエタノール中
に積層発泡体から切り出した試験片を沈めて超音波洗浄
後、該試験片を温度30℃、相対湿度30%の雰囲気下
で36時間放置することにより乾燥させる操作を指し、
エタノールによる超音波洗浄後の表面固有抵抗は、該超
音波洗浄操作直後の試験片を状態調整した試験片とした
以外はJIS K6911(1995)に準拠して測定
される。本発明において最外樹脂層における帯電防止剤
の添加量は、2〜30重量%が好ましく、5〜25重量
%がより好ましく、10〜20重量%が更に好ましい。
添加量が2重量%未満の場合は帯電防止効果が不十分と
なる虞があり、30重量%を超えると、最外樹脂層の物
性低下や最外樹脂層の形成自体が困難になる虞があると
共に、安価な積層発泡体の製造が困難となる。
【0068】本発明の積層発泡体は、前述したように、
発泡シートと該発泡シートの少なくとも片面に積層され
ている1層以上からなる合成樹脂層とで構成される。該
合成樹脂層が最外層として密度300(g/L)以上の
最外樹脂層を有することが好ましい。このことにより、
合成樹脂層による補強効果が期待でき、積層発泡体を加
工して得られる箱、容器等の物理的強度が向上し、通い
箱、収納箱として長期に亘り使用できるものとなる。
【0069】更に、本発明の積層発泡体においては、合
成樹脂層が単層のポリオレフィン系樹脂層からなる場
合、該ポリオレフィン系樹脂層を構成するポリオレフィ
ン系樹脂のメルトフローレイト:X(g/10分)と、
該ポリオレフィン系樹脂層の坪量:Y(g/m)と、
発泡シートの密度:d(g/L)とが、下記(1)〜
(4)式の関係を満足することが好ましい。
【0070】発泡シートの密度:dと、該ポリオレフィ
ン系樹脂層を構成するポリオレフィン系樹脂のメルトフ
ローレイト:Xと、該ポリオレフィン系樹脂層の坪量:
Yとが、下記(1)〜(4)式の関係を満たしていない
場合、剛性や圧縮強度等の物理的強度に優れると共に、
表面固有抵抗が1×1013(Ω/□)以下の積層発泡
体を得ることができない虞がある。
【0071】
【数19】 Y≦0.27dX ……(1)
【0072】該ポリオレフィン系樹脂層の坪量:Y(g
/m)が0.27(m−2・L・10分・g−1)・
d(g/L)・X(g/10分)により算出される値を超
える場合には、坪量Y、メルトフローレイトXのポリオ
レフィン系樹脂層を密度dの発泡シートに積層接着でき
る条件下では、ポリオレフィン系樹脂層が積層される発
泡シートの表層部の独立気泡率が低下することにより発
泡シートの物性が低下し、その結果、得られる積層発泡
体の物性も著しく低下する。また、発泡シートの独立気
泡率の低下はポリオレフィン系樹脂層の部分的な剥離の
原因にもなる。上記発泡シートの独立気泡率の低下は、
発泡シートに積層可能な軟化或いは溶融状態のポリオレ
フィン系樹脂層の熱容量が大きすぎるため、その熱によ
り発泡シートの気泡構造が破壊された結果と考えられ
る。尚、ポリオレフィン系樹脂層の坪量:Y(g/
)は0.23dX以下であることが更に好ましい。
【0073】
【数20】 2≦X≦40 ……(2)
【0074】ポリオレフィン系樹脂層を構成するポリオ
レフィン系樹脂のメルトフローレイト:Xが2g/10
分未満の場合は、ポリオレフィン系樹脂層を発泡シート
に積層する場合に良好な積層接着性を示す温度までポリ
オレフィン系樹脂層を構成する樹脂を加熱すると、該樹
脂の熱容量が大きくなりその熱により発泡シートの独立
気泡率が低下する虞があり、40g/10分を超える場
合は、表面平滑性等の外観が不十分となる虞がある。
尚、ポリオレフィン系樹脂層を構成するポリオレフィン
系樹脂のメルトフローレイト:Xは、好ましくは5〜4
0(g/10分)、更に好ましくは8〜40(g/10
分)である。
【0075】
【数21】 5≦Y<80 ……(3)
【0076】ポリオレフィン系樹脂層の坪量:Yが5g
/m未満の場合は、帯電防止性能、剛性などの機能を
十分に発揮し得るポリオレフィン系樹脂層の形成が困難
になる虞があり、Yが大きすぎると積層発泡体の軽量性
が失われる虞がある。尚、ポリオレフィン系樹脂層の坪
量:Yは、好ましくは5〜40(g/m)、更に好ま
しくは5〜30(g/m)である。
【0077】
【数22】 100≦d≦450 ……(4)
【0078】発泡シートの密度:dが100(g/L)
未満の場合は、密度が低すぎ剛性や圧縮強度等の物理的
強度が失われる虞があり、450(g/L)を超える場
合は積層発泡体の軽量性が失われる虞がある。尚、発泡
シートの密度:dは、好ましくは120〜300(g/
L)である。
【0079】本発明の積層発泡体における合成樹脂層
は、最外層にポリオレフィン系樹脂層を有する多層の合
成樹脂層、即ち2層以上の樹脂層積層体として合成樹脂
層を構成することにより、剛性等の物理的強度に特に優
れる効果、ポリマータイプの帯電防止剤等の機能性添加
剤を最低限最外樹脂層のみに含有させることにより、機
能性添加剤の使用量が少なくても帯電防止効果等の十分
な機能性添加剤の効果を兼備することができるため好ま
しい。
【0080】複数層のポリオレフィン系樹脂層からなる
合成樹脂層が積層されている積層発泡体においては、該
合成樹脂層の坪量が80〜380(g/m)、最外樹
脂層の坪量が5(g/m)以上、80(g/m)未
満であり、発泡シートの密度:d(g/L)と、該多層
の樹脂層からなる合成樹脂層のうち最外樹脂層以外の内
層(1層または2層以上のポリオレフィン系樹脂層から
なる内層)を構成するポリオレフィン系樹脂のメルトフ
ローレイト:X'(g/10分)と、該内層の坪量:Y'
(g/m)とが、下記(5)〜(8)式の関係を満足
することが好ましい。尚、合成樹脂層の坪量が80(g
/m)未満の場合には、剛性等の物理的強度が不十分
となる虞があり、一方、合成樹脂層の坪量が380(g
/m)を超える場合には、積層発泡体の軽量性が失わ
れる虞がある。また、最外樹脂層の坪量が小さすぎる場
合は、帯電防止性能や剛性を十分に発揮できない可能性
が有る。一方、最外樹脂層の坪量が80(g/m)を
超える場合には積層発泡体の軽量性が不十分となる虞が
あり、積層発泡体に機能性を付加する帯電防止剤などの
機能性添加剤の使用量も多くなってしまう。
【0081】
【数23】 Y'≦0.27dX' ……(5)
【0082】
【数24】 5≦X'≦40 ……(6)
【0083】
【数25】 70≦Y'≦300 ……(7)
【0084】
【数26】 100≦d≦450 ……(8)
【0085】上記(5)〜(8)式の意味としては、複
数層のポリオレフィン系樹脂層からなる合成樹脂層のう
ち該内層の坪量:Y'を70g/m未満にした場合に
は、多層の合成樹脂層を積層することにより十分な剛性
を得るという目的を達成できない虞があり、Y'が30
0g/mと大きすぎると積層発泡体の軽量性が失われ
る虞がある。また該内層を構成するポリオレフィン系樹
脂のメルトフローレイト:X'が小さすぎる場合には、
内層の発泡シートへの積層接着時の熱容量が大きくな
り、発泡シートの独立気泡率が低下する虞があり、X'
が40(g/10分)を超える場合には、最外樹脂層の
坪量にも因るが積層発泡体の外観不良が発生する虞があ
る。その他、上記(5)及び(8)式の意味は前記
(1)及び(4)式と同様である。
【0086】尚、内層の坪量:Y'(g/m)は0.
23dX'以下であることが更に好ましい。又、内層の
メルトフローレイト:X'は、好ましくは8〜40(g/
10分)、更に好ましくは10〜40(g/10分)で
あり、内層の坪量:Y'は、好ましくは80〜300
(g/m)、更に好ましくは100〜250(g/m
)である。又、上記発泡シートの密度:dは、好まし
くは120〜300(g/L)である。
【0087】本明細書における樹脂層のメルトフローレ
イトの測定は、樹脂層を構成する基材樹脂の種類に関わ
らず、JIS K7210(1999)のA法に準拠し
て、試験温度230℃、荷重21.18Nで測定するも
のとする。尚、合成樹脂層が気泡を含む場合は、該合成
樹脂層のメルトフローレイトは、ヒートプレスにより該
合成樹脂層から気泡を脱泡させる操作を行い、得られた
サンプルからメルトフローレイトを求める。
【0088】本明細書における樹脂層の坪量は、発泡シ
ートの押出方向に対して垂直な積層発泡体の幅方向の断
面の厚みを顕微鏡により等間隔に10点撮影を行い、撮
影した写真より各層の厚みを測定し、得られた測定値の
算術平均値を各層の厚みとし、樹脂層の厚みに該樹脂層
を構成している基材樹脂の密度を乗じ、単位換算を行な
って求められる。当然のことながら、樹脂層がフィラー
を多量に含有している場合は樹脂層の基材樹脂の密度の
代わりにフィラー含有樹脂層の密度を乗じ、単位換算を
行い樹脂層の坪量(g/m)を求める。
【0089】本明細書における発泡シートの密度:dの
測定は、次のように行なうものとする。予め前述した方
法により、積層発泡体の厚み、合成樹脂層の厚みを測定
し、更に積層発泡体の坪量を測定する。求めた積層発泡
体の厚みから、合成樹脂層の厚みを減じた厚みを発泡シ
ートの厚みとする。
【0090】次に、前記方法にて合成樹脂層の坪量(g
/m)を求める。次に前記発泡積層体の坪量より合成
樹脂層の坪量を減じたものを発泡シートの坪量とする。
この発泡シートの坪量(g/m)を前記の発泡シート
の厚み(mm)で除した値を単位換算し、発泡シートの
密度(g/L)とする。
【0091】本発明の積層発泡体においては、最外樹脂
層に帯電防止剤を含有させ、且つ該帯電防止剤のメルト
フローレイト:α(g/10分)と、最外樹脂層を構成
する基材樹脂のメルトフローレイト:β(g/10分)
とが下記(9)〜(11)式の関係を満足していること
が、良好なネットワーク構造を形成する上で好ましい。
尚、共押出し法により最外樹脂層を形成する場合は、他
の方法と比べて該ネットワーク構造を形成することが難
しいため、特に下記(9)〜(11)式の関係を満足す
ることが有効である。また、最外樹脂層以外の合成樹脂
層や発泡シートに帯電防止剤を含有させる場合も、帯電
防止剤のメルトフローレイト:αと該合成樹脂層や発泡
シートを構成する基材樹脂のメルトフローレイトとの関
係は、最外樹脂層を構成する基材樹脂のメルトフローレ
イト:βと同様に下記(9)〜(11)式の関係を満足
していることが好ましい。
【0092】
【数27】 10≦α ……(9)
【0093】帯電防止剤のメルトフローレイト:αが1
0(g/10分)未満の場合は、帯電防止剤の粘度が高
すぎて帯電防止剤のネットワーク構造を形成できなくな
る虞がある。尚、帯電防止剤のメルトフローレイト:α
は、更に10〜150(g/10分)であることが好ま
しい。また、該帯電防止剤はメルトフローレイトαの値
が極めて大きな値であっても使用可能であるため、メル
トフローレイトの大きな帯電防止剤の場合は、該メルト
フローレイトの測定時には溶融した帯電防止剤が一瞬の
内に測定装置のオリフィスから排出されてしまい正確に
メルトフローレイトを測定することが困難となる場合が
あるが、測定回数を増やして平均値より定量することに
より考察すると、該メルトフローレイト:αの上限は、
おおむね500(g/10分)である。
【0094】
【数28】 2≦β≦40 ……(10)
【0095】最外樹脂層等を構成する基材樹脂のメルト
フローレイト:βが2(g/10分)未満の場合は、最
外樹脂層の粘度が高すぎて帯電防止剤のネットワーク構
造を形成できなくなる虞があり、40(g/10分)を
超える場合は、最外樹脂層等の粘度が低すぎて帯電防止
剤のネットワーク構造を形成できなくなる虞がある。
尚、最外樹脂層等を構成する基材樹脂のメルトフローレ
イト:βは、更に3〜35(g/10分)、特に8〜3
5(g/10分)であることが好ましい。
【0096】
【数29】 0.5≦α/β ……(11)
【0097】α/βが0.5未満の場合は、最外樹脂層
等を構成する基材樹脂に対して帯電防止剤の粘度が高す
ぎるため、帯電防止剤のネットワーク構造を形成できな
くなる虞がある。一方、α/βが大きすぎる場合は、帯
電防止剤の種類によっては、帯電防止剤と最外樹脂層等
を構成する基材樹脂の粘度差が大きすぎて、帯電防止剤
が凝集し、帯電防止剤のネットワーク構造を形成できな
くなる虞がある。またポリマータイプの帯電防止剤がア
イオノマー系のものの場合は、(α/β)を特に2.5
以上とすることが好ましい。尚、上記α/βの値は、更
に1〜250、特に1〜150であることが好ましい。
また、合成樹脂層が複数層から構成されている場合、最
外樹脂層以外の層を構成する基材樹脂のメルトフローレ
イトは、最外樹脂層を構成する基材樹脂のメルトフロー
レイトと同等もしくはそれ以上あることが発泡シートの
独立気泡率低下を防ぐ上で好ましい。本明細書における
帯電防止剤のメルトフローレイトの測定は、帯電防止剤
の種類に関わらず、JIS K7210(1999)の
A法に準拠して、試験温度230℃、荷重21.18N
で測定するものとする。尚、融点が230℃を超える帯
電防止剤の場合には、上記(9)〜(11)式の関係を
適用することはできない。
【0098】
【実施例】本発明を実施例により、さらに具体的に説明
する。
【0099】実施例、比較例に使用した樹脂、および帯
電防止剤を下記に示す。尚、以下の実施例、比較例にお
いてはメルトフローレイトを単にMFRと表す。
【0100】ポリプロピレン系樹脂 樹脂I:(株)グランドポリマー社製、商品名J704
U(プロピレン−エチレンブロック共重合体)(MF
R:5g/10分) 樹脂II:サンアロマ−(株)社製、商品名SD632の
回収原料(プロピレン系樹脂)(MFR:10g/10分) 樹脂III:サンアロマ−(株)社製、商品名PM870
A(プロピレン−エチレンブロック共重合体)(MF
R:17g/10分) 樹脂IV:出光石油化学(株)社製、商品名J950HP
(プロピレン−エチレンブロック共重合体)(MFR:
32g/10分) 樹脂V:出光石油化学(株)社製、商品名E200GP
(プロピレン単独重合体)(MFR:2g/10分) 樹脂VI:サンアロマ−(株)社製、商品名SD632
(プロピレン系樹脂)(MFR:3.2g/10分、結晶化
温度:134℃) 樹脂VII:出光石油化学(株)社製、商品名J750H
P(プロピレン−エチレンブロック共重合体)(MF
R:14g/10分)
【0101】ポリマータイプ帯電防止剤 樹脂A:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社
製、商品名IRGASTAT P18(ポリエーテルエステルア
ミド+ポリアミド)(MFR:17g/10分、融点:18
0℃、結晶化温度:143℃) 樹脂B:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社
製、商品名IRGASTAT P22(ポリエーテルエステルア
ミド+ポリアミド)(MFR:21g/10分、融点:22
0℃、結晶化温度:172℃) 樹脂C:三洋化成工業株式会社製、商品名ジェイスタッ
ト3180(ポリエーテルエステルアミド)(MFR:
70g/10分、融点:160℃、結晶化温度:117℃) 樹脂D:三井・デュポン・ポリケミカルズ株式会社製、
商品名SD100(エチレン系アイオノマー)(MF
R:20g/10分、融点:92℃、結晶化温度:64℃) 樹脂E:第一工業製薬株式会社製、商品名レオレックス
AS170(4級アンモニウム塩基含有共重合体)(M
FR:100g/10分以上、融点:80℃) 樹脂F:三洋化成工業株式会社製、商品名ペレスタット
300(ポリエーテル−ポリプロピレンブロック共重合
体)(MFR:100g/10分以上、融点:136℃、結
晶化温度:81℃)
【0102】界面活性剤系帯電防止剤 G:理研ビタミン株式会社製、商品名S−100(グリ
セリンモノステアレート)(融点:65℃) 本明細書において樹脂等の融点は、JIS K7121
−1987に準拠して求められる融解温度のことであ
る。尚、DSC曲線においてピークが2つ以上現れる場
合は、ピーク面積の最も大きいピークの頂点温度を融点
とする。
【0103】実施例1、2、4〜7、比較例1〜5 積層発泡体の発泡シート製造用の押出機として、直径9
0mmと直径120mmの2台の押出機からなるタンデ
ム押出機を使用し、最外樹脂層以外の合成樹脂層(以
下、内層という。)形成用の押出機として直径50mm
の押出機を使用し、また最外樹脂層形成用の押出機とし
て直径40mmの押出機を使用し、発泡シートと内層と
最外樹脂層との積層し共押出しするために、直径140
mm、間隔1.0mmの環状ダイを用いた。
【0104】先ず、該発泡シートを形成するために、ポ
リプロピレン系樹脂(樹脂VI)100重量部に対して、
気泡調製剤(融点:109℃、MFR:5.4g/10分の
低密度ポリエチレン樹脂100重量部に対してクエン酸
ナトリウム6重量部を配合したもの)を0.5重量部配
合して、直径90mmの押出機の原料投入口に該ポリプ
ロピレン系樹脂(樹脂VI)と気泡調製剤とを供給し、加
熱混練し、約200℃に調製された溶融樹脂混合物と
し、該溶融樹脂混合物にノルマルブタン70重量%とイ
ソブタン30重量%からなる混合発泡剤を樹脂VI100
重量部に対して1.2〜2.8重量部となるように圧入
し、次いで前記直径90mmの押出機の下流側に連結さ
れた直径120mmの押出機に供給し発泡性溶融樹脂混
合物を得た。
【0105】一方、内層を構成する表2に示す樹脂を直
径50mmの押出機に供給し溶融混練して溶融樹脂を得
た。また最外樹脂層を構成する表2に示す樹脂と帯電防
止剤との樹脂混合物を直径40mmの押出機より溶融混
練することにより帯電防止溶融樹脂を得た。得られた夫
々の発泡性溶融樹脂混合物、溶融樹脂及び帯電防止溶融
樹脂を合流ダイ中へ供給し、帯電防止溶融樹脂、内層を
構成する溶融樹脂、発泡性溶融樹脂混合物を積層合流さ
せて環状ダイから共押出し、外側から最外樹脂層/内層
/発泡シート/内層/最外樹脂層の順に積層された筒状積
層発泡体を形成した。押出された筒状積層発泡体を冷却
された円筒に沿わせて引き取りながら筒状物を切り開い
た後、その積層発泡体の両面を加熱炉で加熱して平板化
し目的の積層発泡体を得た。
【0106】表2に、積層発泡体の内層および最外樹脂
層を構成する樹脂等の種類、MFR、積層厚みを示し、
表1に樹脂層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物層
のMFR(X又はX')、坪量(Y又はY')および積層発泡体の
厚み(mm)、独立気泡率(%)、表面固有抵抗(Ω/
□)、超音波洗浄後の表面固有抵抗(Ω/□)、発泡シ
ートの密度(g/L)を示した。尚、参考のために押出発
泡直後の表面固有抵抗(押出発泡直後の積層発泡体を状
態調整した試験片とした以外はJIS K6911(1
995)に準拠して測定される表面固有抵抗(Ω/
□)。)も併せて表2に示した。
【0107】実施例3 内層を設けず、最外樹脂層を構成する樹脂として表2に
示す種類のものを使用した以外は実施例1と同様にして
積層発泡体を得た。実施例1と同様に得られた積層発泡
体の物性等を表1及び2に示した。
【0108】実施例8、9 合流ダイを使用せずそれ以外は実施例1と同様にして、
発泡シートのみを得た。次いで最外樹脂層として表2に
示す樹脂混合物をTダイによる押出ラミにて該発泡シー
トの片面に積層し、その後、片面に最外樹脂層が積層さ
れた発泡シートを表裏反転させ他方の片面に、同様にT
ダイにて最外樹脂層を積層した。実施例1と同様に得ら
れた積層発泡体の物性等を表1及び2に示した。
【0109】実施例10〜13 発泡剤の添加量を増やして発泡シートの密度を130g
/Lとした以外は実施例1と同様にして積層発泡体を得
た。実施例1と同様に得られた積層発泡体の物性等を表
1及び2に示した。
【0110】実施例14〜16 内層を設けず、最外樹脂層を構成する樹脂として表2に
示す種類のものを使用し、直径98mmの環状ダイスを用
いた以外は実施例1と同様にして積層発泡体を得た。た
だし平板化はせず、電気、電子部品搬送用トレー成形用
シートとしてロール状に巻き取った。実施例1と同様に
得られた積層発泡体の物性等を表1及び2に示した。
【0111】実施例17 発泡シートを構成するポリプロピレン系樹脂に、樹脂VI
/樹脂VII=30/70(重量比)(尚、樹脂VI/樹脂V
II=30/70(重量比)混合樹脂の結晶化温度は13
3℃であった。)を使用した以外は実施例14〜16と
同様にして積層発泡体を得た。実施例1と同様に得られ
た積層発泡体の物性等を表1及び2に示した。
【0112】実施例1、2、4〜7、10〜13、比較
例1〜5は発泡シートの両面に内層および最外樹脂層が
積層された5層構造の積層発泡体であり、実施例3、
8、9、14〜17は発泡シートの両面に最外樹脂層の
みが積層された3層構造の積層発泡体である。
【0113】
【表1】
【0114】
【表2】
【0115】表3に、発泡シートの密度と、樹脂層のメ
ルトフローレイトと、樹脂層の坪量と、前記(1)式に
おける0.27dXの数値又は前記(5)式における
0.27dX'の数値を一覧表にして示す。
【0116】
【表3】
【0117】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のポリオレ
フィン系樹脂積層発泡体は、ポリオレフィン系樹脂発泡
シートの少なくとも片面に密度300(g/L)以上の
合成樹脂層が積層されてなる積層発泡体において、該合
成樹脂層が最外層として密度300(g/L)以上のポ
リオレフィン系樹脂層を有する1層以上のものであり、
該ポリオレフィン系樹脂層には表面固有抵抗が1×10
13(Ω/□)以下となるようにポリマータイプの帯電
防止剤が含有されているので、成形直後から十分な帯電
防止効果を発現し、洗浄によって帯電防止効果が損なわ
れることがなく、リターナブルな用途に好適に使用する
ことができる。
【0118】本発明のポリオレフィン系樹脂積層発泡体
は、合成樹脂層が単層のポリオレフィン系樹脂層からな
り、該ポリオレフィン系樹脂発泡シートの密度と、該単
層のポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフ
ィン系樹脂のメルトフローレイトと、該単層のポリオレ
フィン系樹脂層の坪量とが、特定の関係を満足する場合
に、発泡シートの独立気泡率が低下することなく良好な
発泡層が形成され、剛性や圧縮強度等の物理的強度に優
れるものとなると共に、機能性添加剤を少量、ポリオレ
フィン系樹脂層に添加することにより帯電防止性能や抗
菌性能等の機能性を付加した安価な本発明のポリオレフ
ィン系樹脂積層発泡体を提供することができる。また、
合成樹脂層の坪量が80〜380(g/m)であり、
且つ複数層のポリオレフィン系樹脂層からなり、該複数
層のポリオレフィン系樹脂層の内、最外層を構成してい
るポリオレフィン系樹脂層の坪量が5(g/m)以
上、80(g/m)未満であり、該ポリオレフィン系
樹脂発泡シートの密度と、該複数層のポリオレフィン系
樹脂層のうち該最外層以外の樹脂層からなる内層を構成
しているポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト
と、該内層の坪量とが、特定の関係を満足する場合に、
発泡シートの独立気泡率を低下させることなく十分な厚
みを有する合成樹脂層を形成することができ、曲げ強度
等の物理的強度に特に優れると共に、機能性添加剤を少
量、ポリオレフィン系樹脂層に添加することにより帯電
防止性能や抗菌性能等の機能性を付加した安価な本発明
のポリオレフィン系樹脂積層発泡体を提供することがで
きる。
【0119】本発明においては、ポリオレフィン系樹脂
発泡シートの基材樹脂、及びポリオレフィン系樹脂層の
基材樹脂としてポリプロピレン系樹脂を使用すると、剛
性等の物理的強度や耐熱性に優れるポリオレフィン系樹
脂積層発泡体を提供することができる。
【0120】本発明においては、ポリマータイプの帯電
防止剤としてポリエーテルエステルアミドやポリエーテ
ルを主成分とするものを使用すると、表面固有抵抗が1
×1013(Ω/□)以下のポリオレフィン系樹脂層を
容易に形成することができ、特にポリオレフィン系樹脂
層の基材樹脂がポリプロピレン系樹脂の場合、ポリマー
タイプの帯電防止剤の主成分がポリエーテルとポリプロ
ピレンとの共重合体またはポリエーテルとポリプロピレ
ンとの混合物を使用すると更に容易に形成することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角田 博俊 栃木県鹿沼市さつき町10−3 株式会社ジ ェイエスピー鹿沼研究所内 Fターム(参考) 4F100 AH03C AH03H AK01B AK03A AK03B AK03C AK07A AK07B AK07C AK07H AK07J AK54C AK54H AK54J AL01C AL01H AL05C AL05H BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C BA25 CA12C CA22C DJ01A GB16 GB41 JA06B JA06C JA11C JA11H JA13B JA13C JC00 JG03 JG04C JK04 YY00 YY00B YY00C

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂発泡シートの少な
    くとも片面に合成樹脂層が積層されてなる積層発泡体に
    おいて、該合成樹脂層が最外層にポリオレフィン系樹脂
    層を有する1層以上のものであり、該ポリオレフィン系
    樹脂層には表面固有抵抗が1×1013(Ω/□)以下
    となるようにポリマータイプの帯電防止剤が含有されて
    いることを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層発泡
    体。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系樹脂発泡シートの少な
    くとも片面に合成樹脂層が積層されてなる積層発泡体に
    おいて、該合成樹脂層が最外層にポリオレフィン系樹脂
    層を有する1層以上のものであり、該ポリオレフィン系
    樹脂層には、エタノールによる超音波洗浄後の表面固有
    抵抗が1×10〜1×1013(Ω/□)となるよう
    に帯電防止剤が含有されていることを特徴とするポリオ
    レフィン系樹脂積層発泡体。
  3. 【請求項3】 合成樹脂層が単層のポリオレフィン系樹
    脂層からなり、該ポリオレフィン系樹脂発泡シートの密
    度:d(g/L)と、該単層のポリオレフィン系樹脂層
    を構成しているポリオレフィン系樹脂のメルトフローレ
    イト:X(g/10分)と、該単層のポリオレフィン系
    樹脂層の坪量:Y(g/m)とが、下記(1)〜
    (4)式の関係を満足することを特徴とする請求項1ま
    たは2記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体。 【数1】 Y≦0.27dX ……(1) 【数2】 2≦X≦40 ……(2) 【数3】 5≦Y<80 ……(3) 【数4】 100≦d≦450 ……(4)
  4. 【請求項4】 合成樹脂層の坪量が80〜380(g/
    )であり、且つ複数層のポリオレフィン系樹脂層か
    らなり、該複数層のポリオレフィン系樹脂層の内、最外
    層を構成しているポリオレフィン系樹脂層の坪量が5
    (g/m)以上、80(g/m)未満であり、該ポ
    リオレフィン系樹脂発泡シートの密度:d(g/L)
    と、該複数層のポリオレフィン系樹脂層のうち該最外層
    以外の樹脂層からなる内層を構成しているポリオレフィ
    ン系樹脂のメルトフローレイト:X’(g/10分)
    と、該内層の坪量:Y’(g/m)とが、下記(5)
    〜(8)式の関係を満足することを特徴とする請求項1
    または2記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体。 【数5】 Y’≦0.27dX’ ……(5) 【数6】 5≦X'≦40 ……(6) 【数7】 70≦Y’≦300 ……(7) 【数8】 100≦d≦450 ……(8)
  5. 【請求項5】 ポリオレフィン系樹脂発泡シートを構成
    する基材樹脂がポリプロピレン系樹脂であることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリオレフィン
    系樹脂積層発泡体。
  6. 【請求項6】 ポリオレフィン系樹脂層を構成する基材
    樹脂がポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積
    層発泡体。
  7. 【請求項7】 帯電防止剤の結晶化温度が、ポリオレフ
    ィン系樹脂発泡シートを構成する基材樹脂の結晶化温度
    (Tc)を基準として、(Tc+40℃)以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリオ
    レフィン系樹脂積層発泡体。
  8. 【請求項8】 帯電防止剤の主成分がポリエーテルエス
    テルアミドであることを特徴とする請求項1〜7のいず
    れかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
  9. 【請求項9】 帯電防止剤の主成分がポリエーテルであ
    ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のポ
    リオレフィン系樹脂積層発泡体。
  10. 【請求項10】 帯電防止剤の主成分が、ポリエーテル
    とポリプロピレンとの共重合体、または、ポリエーテル
    とポリプロピレンとの混合物であることを特徴とする請
    求項1〜7のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積
    層発泡体。
  11. 【請求項11】 帯電防止剤が2〜30重量%含有され
    ていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記
    載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
  12. 【請求項12】 最外層を構成しているポリオレフィン
    系樹脂層が抗菌剤を含有していることを特徴とする請求
    項1〜11のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積
    層発泡体。
  13. 【請求項13】 積層発泡体全体の厚みが0.5〜10
    mmであり、積層発泡体の独立気泡率が60%以上であ
    ることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の
    ポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
  14. 【請求項14】 積層発泡体が共押出し法により得られ
    たものであることを特徴とする請求項1〜13のいずれ
    かに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
  15. 【請求項15】 帯電防止剤を含有するポリオレフィン
    系樹脂層を構成している、帯電防止剤のメルトフローレ
    イトα(g/10分)とポリオレフィン系樹脂のメルト
    フローレイトβとの比(α/β)が0.5以上であるこ
    とを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のポリ
    オレフィン系樹脂積層発泡体。
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