JP2003129803A - ガスタービン - Google Patents

ガスタービン

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JP2003129803A
JP2003129803A JP2001326860A JP2001326860A JP2003129803A JP 2003129803 A JP2003129803 A JP 2003129803A JP 2001326860 A JP2001326860 A JP 2001326860A JP 2001326860 A JP2001326860 A JP 2001326860A JP 2003129803 A JP2003129803 A JP 2003129803A
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gap
segment
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cooling air
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Takashi Hiyama
貴志 檜山
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セグメント縁部の焼損を抑止できるガスター
ビンを提供すること。 【解決手段】 複数のセグメント200を環状に接合し
て形成されると共に、燃焼ガスの流路壁を構成するター
ビン分割環、タービン静翼シュラウドその他のタービン
流路壁において、シール板400を、セグメント20
0、200間の対向する接合面210、210に形成し
たシール溝211、211に嵌め込み、接合面210、
210間に渡してその隙間300を封止する。そして、
シール溝211の内面には、タービン流路壁の背面24
0側からシール板400の前面250側に冷却空気を通
す空気溝1を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガスタービンに
関し、更に詳しくは、タービン動翼の分割環、タービン
動翼のプラットフォーム、タービン静翼のシュラウド等
の分割可能なタービン流路壁を備えるガスタービンに関
する。
【0002】
【従来の技術】燃焼ガスの流路壁となるタービン動翼の
分割環、タービン動翼のプラットフォームやタービン静
翼のシュラウドには、一般に、分割式の環状壁が採用さ
れる。図20は、従来のガスタービンのタービン静翼を
示す全体構成図である。タービン静翼は、翼100と、
この翼100を両端にて支持するセグメント200、2
00とを含み構成される。セグメント200は、鋳製の
板状部材であり、複数環状に接合してタービン静翼の内
側シュラウドおよび外側シュラウドを構成する。図21
は、図20に記載したセグメント200の接合部を示す
組立斜視図である。セグメント200は、ガスタービン
稼働時の熱膨張を考慮して、対向する接合面210、2
10間に所定の隙間300を開けて設置される。しか
し、この隙間300は、タービン稼働時にて、完全には
塞がらずに約1〜2mm程度の幅を残す。このため、従
来のガスタービンでは、接合面210に前縁220から
後縁221に渡るシール溝211を形成し、このシール
溝211にハステロイ部材からなるシール板400を挿
入して、かかる隙間300を封止していた。なお、シー
ル板400は、セグメント200を組み立ててボルト締
めした後に、前縁220側からシール溝211に挿入さ
れる(図21参照)。
【0003】この従来技術において、高温の燃焼ガス5
00は、シュラウド表面に沿って流れて接合面200、
200間の隙間300に巻き込む(図22参照)。する
と、セグメント200の縁部230に焼損510が生
じ、さらには縁部230が減肉してシール板400の落
下等、種々の深刻な問題を生じる。このため、従来から
上記問題を解決する技術が盛んに研究開発されてきた。
かかる技術としては、セグメント200の背面240側
に冷却空気を溜めるキャビティ(図示省略)を形成し、
この冷却空気を前面250側に放出して接合面210縁
部230を冷却する技術が知られている。以下、これら
の従来技術を順次示しつつその解決課題および解決手段
につき詳細に説明する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】第1の従来技術として
は、実開平6−60702号公報に記載される技術が知
られている。図23は、この従来技術1にかかるタービ
ン静翼の接合部を示す正面断面図であり、図24は、図
23に記載したシール板を示す斜視図である。この従来
技術1のガスタービンは、接合面210、210間の隙
間300に、段差部411を形成したシール板410を
採用する点に特徴を有する。段差部411は、従来のシ
ール板400を、厚さ方向および幅方向に一定間隔おき
に切り欠き形成される(図24参照)。これにより、シ
ール板410の段差部411は、シール溝211に嵌み
込まれた状態にて、冷却空気600をセグメント200
の背面240側から前面250側に通す通路を形成する
(図23参照)。この従来技術1において、冷却空気6
00は、セグメント200の背面240側から段差部4
11が作る通路を通ってシール板410の前面240側
に放出され、接合面210、210間の隙間300を埋
めてその縁部230を冷却する。これにより、接合面2
10縁部230の焼損510が抑止される。
【0005】ここで、シール板400は、弾性変形でき
る程度の薄型構造を有する。しかしながら、かかる薄い
シール板400を切り欠き、段差部411を形成する加
工は、容易ではない。また、薄いシール板400を切り
欠けば、その強度が著しく低下するという問題点もあ
る。他方、シール板400を厚くすれば、それに伴いセ
グメント200の厚みも増加し、タービン稼働時のセグ
メント200の熱変形に対してシール板400が変形で
きず、セグメント200の破損やシール板400の外れ
が生じるという問題点もある。加えて、セグメント20
0を厚くすれば、その熱容量も増加して過度の冷却を要
するという問題点もある。そこで、この発明は、上記に
鑑みてなされたものであって、既存のシール板400を
採用しつつ上記接合面210縁部230に生ずる焼損5
10を抑止できるガスタービンを提供することを第1の
目的とする。
【0006】また、第2の従来技術としては、シール板
400に孔を設けた構成が知られている。図25は、こ
の従来技術2にかかるタービン静翼の接合部を示す正面
断面図であり、図26は、図25に記載したシール板を
示す斜視図であり、図27は、図25に記載した接合部
の側面断面図である。この従来技術2のガスタービン
は、従来のシール板400の中央に、複数の貫通孔42
1を真上から垂直に明けたシール板420を採用する
(図26参照)。シール板420は、セグメント200
のシール溝211、211に挿入して嵌め込まれる。こ
の従来技術2において、冷却空気600は、シール板4
20の貫通孔421を通り、シュラウド背面240側か
ら前面250側に噴出する。これにより、冷却空気60
0は、セグメント200縁部230を冷却してその焼損
510を抑止する。
【0007】しかしながら、上記従来技術2のガスター
ビンでは、シール板420の貫通孔421は、板面に対
して垂直に明けられるので、冷却空気600は、貫通孔
421から垂直に噴出してセグメント200縁部230
を通過し、燃焼ガス500の流れと直ちに混合する(図
27参照)。このため、縁部230を効果的に冷却でき
ないという問題点があった。また、貫通孔421の径を
拡大して冷却空気600の流量を増加させ、冷却効果を
高める方法もある。しかしながら、かかる方法では、燃
焼ガス500と混合する冷却空気600量も増加するた
め、燃焼ガス500の圧力損失が著しく、ガスタービン
効率が低下するという問題点があった。そこで、この発
明は、セグメント200縁部230の焼損510を抑止
しつつ、上記冷却空気600と燃焼ガス500との混合
ロスを低減できるガスタービンを提供することを第2の
目的とする。
【0008】また、上記従来技術2のガスタービンで
は、貫通孔421はシール板420を真直ぐに貫通する
ため、冷却空気600がシール板420の通過にあたり
受ける抵抗は小さい。このため、従来技術2のシール板
420は、接合面210、210間を封止する機能が低
く、必要以上に冷却空気600を通過させるため、燃焼
ガス500の圧力損失が大きいという問題点があった。
そこで、この発明は、上記シール板420の封止機能を
担保しつつ、セグメント200縁部230に生ずる焼損
510を有効に抑止できるガスタービンを提供すること
を第3の目的とする。
【0009】また、第3の従来技術としては、特開20
00−25744号公報に記載される技術が知られてい
る。図29は、この従来技術3にかかるタービン静翼の
要部を示す斜視図であり、図30は、図29に記載した
セグメントの接合部を示す正面断面図である。この従来
技術3のガスタービンは、片方のセグメント200の前
面250側端部251に沿って、前縁220から後縁2
21に渡り冷却空気600の吹き出し孔430を複数有
する(図29参照)。吹き出し孔430は、セグメント
200の縁部230寄りに傾斜し、セグメント200を
背面240側から前面250側に貫通して形成される
(図30参照)。この従来技術3において、冷却空気6
00は、セグメント200の背面240側から吹き出し
孔430を通って前面250側に吹き出す。これによ
り、冷却空気600は、接合面210、210間の隙間
300に流れ込み、セグメント200の縁部230を冷
却する。
【0010】しかしながら、上記従来技術3のガスター
ビンにおいて、吹き出し孔430の効果的かつ効率的な
配置については、何ら踏み込んだ研究がなされていな
い。そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたもので
あって、より効果的にセグメント200縁部230を冷
却できるガスタービンを提供することを第4の目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、この発明であるガスタービンは、複数のセグ
メントを環状に接合して形成されると共に、燃焼ガスの
流路壁を構成するタービン分割環、タービン動翼のプラ
ットフォーム、タービン静翼シュラウドその他のタービ
ン流路壁と、前記セグメント間の対向する接合面に形成
したシール溝に嵌め込まれると共に、前記接合面間に渡
して前記接合面間の隙間を封止するシール板とを有し、
且つ、前記シール溝の内面には、前記タービン流路壁の
背面側から前記シール板の前面側に冷却空気を通す空気
溝を設けることを特徴とする。
【0012】この発明において、冷却空気は、シール溝
の内面に形成された空気溝を通り、タービン流路壁の背
面側からシール板の前面側に噴出して、セグメントの接
合面を冷却する。これにより、セグメント縁部の焼損が
抑止される。
【0013】また、上記第1の目的を達成するために、
この発明であるガスタービン(請求項2)は、請求項1
に記載のガスタービンにおいて、さらに、前記空気溝
は、前記タービン流路壁に対して前面側と背面側とで平
面的に異なる位置に設けられることを特徴とする。
【0014】この発明において、冷却空気は、背面側の
空気溝からシール溝に入り、シール溝内を長手方向に移
動して前面側の空気溝の出口から噴出する。ここで、冷
却空気は、空気溝とシール溝とが形成するクランク状の
流路により減速されるので、その噴出流量が抑制され
る。これにより、シール板の封止機能を維持しつつ、セ
グメント縁部を冷却できる。なお、平面的に異なる位置
とは、例えば、空気溝を、シール溝の前面側内面と背面
側内面とで千鳥状に交互に形成する場合が含まれる。
【0015】また、上記第2の目的を達成するために、
この発明であるガスタービン(請求項3)は、複数のセ
グメントを環状に接合して形成されると共に、燃焼ガス
の流路壁を構成するタービン分割環、タービン動翼のプ
ラットフォーム、タービン静翼シュラウドその他のター
ビン流路壁と、前記セグメント間の対向する接合面に形
成したシール溝に嵌め込まれると共に、前記接合面間に
渡して当該接合面間の隙間を封止するシール板とを有
し、且つ、前記シール板は、前記タービン流路壁の後縁
側に傾斜する貫通孔を有することを特徴とする。
【0016】この発明において、冷却空気は、シール板
の貫通孔が後縁側に傾斜するので、シール板の前面側に
て後縁側に傾斜しつつ噴出する。これにより、冷却空気
は、貫通孔をシール板に対して垂直に形成する場合と比
較して滑らかに噴出し、シール板前面上に冷却空気層を
形成する。
【0017】また、上記第2の目的を達成するために、
この発明であるガスタービン(請求項4)は、請求項3
に記載のガスタービンにおいて、前記貫通孔の傾斜角
は、噴出する前記冷却空気が、前記タービン流路壁の縁
部に届く下限値より大きくなるように、且つ、前記ター
ビン流路壁の縁部を越えて前記燃焼ガスに混入する上限
値より小さくなるように、前記角度を設定することを特
徴とする。
【0018】この発明において、冷却空気は、セグメン
トの縁部を冷却してその焼損を抑止する。なお、縁部に
届く下限値とは、噴出した冷却空気が縁部まで届かず、
縁部を冷却することなく下流に流れる角度の臨界値をい
う。また、燃焼ガスに混入する上限値とは、噴出した冷
却空気が縁部を越えて燃焼ガスに直ちに混入し、縁部付
近にて冷却空気層を形成しない臨界値をいう。これらの
臨界値は、具体的には、3次元流体解析により個々のガ
スタービンの仕様、構造等に応じて決定される。
【0019】また、上記第3の目的を達成するために、
この発明であるガスタービン(請求項5)は、複数のセ
グメントを環状に接合して形成されると共に、燃焼ガス
の流路壁を構成するタービン分割環、タービン動翼のプ
ラットフォーム、タービン静翼シュラウドその他のター
ビン流路壁と、前記セグメント間の対向する接合面に形
成したシール溝に嵌め込まれると共に、前記接合面間に
渡して前記接合面間の隙間を封止するシール板とを有
し、且つ、前記シール板は、その上下面の側部であって
前記タービン流路壁に対して上面側と下面側とで平面的
に異なる位置に、切り欠き部を設けたことを特徴とす
る。
【0020】この発明において、冷却空気は、シール板
の下面側の切り欠き部からシール溝内に入り、シール板
の側方を通り上面側の切り欠き部から吹き出される。こ
こで、冷却空気は、切り欠き部とシール溝とが形成する
クランク状の流路により減速されて、その噴出流量が抑
制される。これにより、シール板の封止機能を維持しつ
つ、セグメント縁部を冷却できる。
【0021】ところで、上記従来技術3に関し、発明者
らの研究によれば、燃焼ガス500の流れはシュラウド
表面上にて一様でなく、場所によりその流線方向が変化
する。図31は、図29に記載したタービン1段静翼の
シュラウドを示す平面断面図である。セグメント200
の接合面210は、前縁220から後縁221に向かっ
て翼100b側に傾き、斜めに形成される。この従来技
術3において、燃焼ガス500は、前縁220側からほ
ぼ垂直に流入してシュラウド表面上を流れ、隙間300
の前縁220側を翼100b方向から跨いで翼100a
の腹110にあたる。そして、燃焼ガス500は、翼1
00aにガイドされて流線方向を変え、隙間300の後
縁221側を翼100a方向から跨いで翼100bの背
120に沿って後縁221に抜ける。すなわち、燃焼ガ
ス500は、シュラウド200前縁220側と後縁22
1側とで、接合面210間の隙間300を異なる方向か
ら跨ぐ。
【0022】ここで、吹き出し孔430は、接合面21
0の隙間300より上流側になければ冷却空気600を
隙間300に供給しない。また、上記従来技術3のガス
タービンは、吹き出し孔430を翼100a側のセグメ
ント200端部251に有するので、燃焼ガス500
は、隙間300の前縁220側を翼100b側から跨
ぐ。したがって、上記従来技術3のガスタービンでは、
前縁220側の吹き出し孔430は、隙間300より下
流側に位置してしまい、冷却されないという問題点があ
る。また、かかる問題点は、上記タービン1段静翼に限
らず、タービン動翼や、より後段のタービン静翼にも存
在する。そこで、この発明は、発明者らの研究による上
記新たな課題に鑑みなされたものであって、燃焼ガス5
00が隙間300を跨ぐ方向の変化に対し、より効果的
にセグメント200縁部230を冷却できるガスタービ
ンを提供することを第4の目的とする。
【0023】上記第4の目的を達成するために、この発
明であるガスタービン(請求項6)は、タービン動翼、
タービン静翼その他の翼と、前記翼を支持する複数のセ
グメントを環状に接合して形成されると共に、燃焼ガス
の流路壁を構成するタービン分割環、タービン動翼のプ
ラットフォーム、タービン静翼シュラウドその他のター
ビン流路壁と、前記セグメントの対向する接合面間の隙
間を基準として当該隙間を跨ぐ前記燃焼ガスの流れ方向
が変わる付近を境に、一方のセグメントの端部から他方
のセグメントの端部に切り替えて複数形成した冷却空気
の吹き出し孔とを有することを特徴とする。
【0024】この発明において、ガスタービンは、吹き
出し孔の形成位置を燃焼ガスの流線方向に応じて切り替
えて形成したので、従来技術3のガスタービンと比較し
て、より多くの冷却空気の吹き出し孔を接合面間の隙間
に対して上流側に形成できる。これにより、冷却作用を
奏しない吹き出し孔の数が減少し、セグメント縁部の冷
却効果を向上できる。なお、燃焼ガスの流れ方向が変わ
る付近の境は、タービン流路壁ごとに異なり、また、タ
ービンの運転開始時と一定時間経過後とでも異なるの
で、3次元流路解析その他の当業者公知の手法により、
個々のタービンごとに適宜変更して決定することが好ま
しい。また、この付近では、隙間を跨ぐ燃焼ガスの流線
方向が隙間と平行になる場合もあるので、「境」は、一
定の範囲を有する場合があり、必ずしも一点を意味しな
い。
【0025】また、上記第4の目的を達成するために、
この発明であるガスタービン(請求項7)は、タービン
動翼、タービン静翼その他の翼と、前記翼を支持する複
数のセグメントを環状に接合して形成されると共に、燃
焼ガスの流路壁を構成するタービン分割環、タービン動
翼のプラットフォーム、タービン静翼シュラウドその他
のタービン流路壁と、前記セグメントの前記翼の腹側に
位置する端部に複数形成される冷却空気の吹き出し孔と
を有し、且つ、前記セグメントの対向する接合面間の隙
間は、当該隙間を跨ぐ前記燃焼ガスの流れ方向が変わる
付近を境に、前縁側を、前記隙間に背を向ける前記翼側
に屈折させて、前記吹き出し孔が前記隙間より上流側に
位置するように形成されることを特徴とする。
【0026】この発明において、ガスタービンは、吹き
出し孔が接合面間の隙間より上流側に位置するように隙
間の前縁側を屈折させて形成したので、従来技術3のガ
スタービンと比較して、より多くの冷却空気の吹き出し
孔を接合面間の隙間に対して上流側に形成できる。これ
により、セグメント縁部の焼損をより効果的に抑止でき
る。なお、隙間を跨ぐ燃焼ガスが流れ方向を変える付近
の境は、タービン流路壁ごとに異なるので、具体的に
は、3次元流路解析その他の当業者公知の手法により、
個々のタービン流路壁ごとに確定することが好ましい。
また、この付近では、隙間を跨ぐ燃焼ガスの流線方向が
隙間と平行になる場合もあるので、「境」は、一定の範
囲を有する場合があり必ずしも一点を意味しない。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明につき図面を参照
しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこ
の発明が限定されるものではない。また、以下に示す実
施の形態の構成要素には、当業者が通常設計変更できる
ものが含まれるものとする。
【0028】(実施の形態1)図1は、この発明にかか
る実施の形態1であるガスタービンの要部を示す斜視図
である。図2は、図1に記載したセグメントの接合部を
示すA−A視断面図であり、図3は、図1に記載したシ
ュラウド接合面を示すB視断面図である。また、図4
は、図1〜図3に記載したセグメントの接合面を示す斜
視図である。これらの図において、上記従来のガスター
ビンと同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明
を省略する。このガスタービンは、上記従来技術1のガ
スタービンと比較して、シール板400には加工せず、
セグメント200の接合面210側に空気溝1を形成す
る点で相異する。すなわち、このガスタービンのシール
板400は、単純な板状形状を有し、従来技術1のシー
ル板410のような段差部411(図24参照)を有さ
ない。なお、シール板400は、接合面210のシール
溝211に挿入して嵌め込まれ、接合面210、210
間の隙間300を封止する。
【0029】ここで、シール板400の側方には、ター
ビン稼働時におけるセグメント200の熱膨張を吸収す
るため、一定の空間211が確保される。また、シール
溝211の内面には、断面長方形状の空気溝1が、接合
面210と垂直方向にシール溝211の奥まで切り欠き
形成される(図1〜図4参照)。また、空気溝1は、シ
ール溝211の内面にて上下交互かつ等間隔に、セグメ
ント200の前縁220から後縁221に渡り千鳥状に
形成される(図3および図4参照)。これにより、空気
溝1は、シール板400の設置状態にて、クランク状に
屈折した冷却空気600の通路を形成する(図2および
図3参照)。
【0030】この実施の形態1において、冷却空気60
0は、背面240側の空気溝1aからシール板400側
方の空間212に入り込み、この空間212内をシール
板400に沿って後縁230方向に流れて前面250側
の空気溝1bに入り込む。そして、冷却空気600は、
空気溝1bの出口3から接合面210、210間の隙間
300に噴出する(図2および図3参照)。これによ
り、冷却空気600は、セグメント200縁部230を
冷却してその焼損510を抑止する。
【0031】この実施の形態1によれば、冷却空気60
0の通路(空気溝1)をセグメント200側に形成する
ので、上記従来技術1のシール板410と比較して、よ
り強度の高いシール板400を採用できる。また、セグ
メント200側を加工対象とすることにより、薄いシー
ル板400を加工する上記従来技術1のシール板410
と比較して、より容易に冷却空気600の通路を形成で
きる。また、空気溝1は、上下交互かつ等間隔に形成さ
れるので、セグメント200縁部230を均一にムラな
く冷却できる。また、空気溝1は、シュラウドに対して
平面的に異なる位置に形成されるので、上記従来技術1
のように段差部411により平面的に同じ位置に冷却空
気600の入口および出口が形成される場合と比較し
て、冷却空気600の流速をより減速できる。これによ
り、接合面210、210間のシール性が向上し、過度
の冷却空気600の噴出による燃焼ガスの圧力損失を抑
制できる。
【0032】なお、この実施の形態1において、空気溝
1は、長方形の断面形状を有するが、これに限らず、半
円形、三角形その他の断面形状でも良い(図5参照)。
また、空気溝1の幅や深さも特に限定はないが、シール
板400の本来的役割を考慮すれば、焼損510を必要
十分に抑制できる程度の寸法とすることが好ましい。空
気溝1の断面積を過度に大きくすると、冷却空気600
の流量が増加して燃焼ガス500の圧力損失が生じるた
めである。
【0033】また、この実施の形態1において、空気溝
1は、シール溝211の奥側まで切り欠かれるが、これ
に限らず、シール板400側方の空間212と連通する
長さを有すれば良い。また、空気溝1の数や間隔4にも
特に限定はない。ただし、セグメント200、200間
のシール性を確保する観点から、焼損510を必要十分
に抑制できる数もしくは間隔4とすることが好ましい。
【0034】また、この実施の形態1において、空気溝
1は、上下交互に千鳥状に形成したが、これに限らず、
例えば、焼損510の著しい箇所に集中的に形成しても
良い(図6参照)。この構成によれば、冷却空気600
の流量を必要十分に抑えつつ、セグメント200縁部2
30の焼損510を有効に抑止できる。
【0035】また、この実施の形態1において、空気溝
1bは、その出口3を燃焼ガス500の下流側もしくは
シュラウドの後縁221側に傾斜させて形成しても良
い。図7は、かかる傾斜した空気溝1bを有するセグメ
ント200の接合部を示す平面図である。この構成にお
いて、冷却空気600は、傾斜した空気溝1bの出口3
から噴出して接合面210間の隙間300を前縁220
側から後縁221側に向かい滑らかに流れる。これによ
り、空気溝1を接合面210に垂直に設けた場合と比較
して、冷却空気600をより滑らかに流せるので、セグ
メント200縁部230の焼損510をより効果的に抑
止できる。
【0036】(実施の形態2)図8は、この発明にかか
る実施の形態2であるガスタービンの要部を示す斜視図
であり、図9は、図8に記載したセグメントの接合部を
示すC視断面図である。これらの図において、上記従来
のガスタービンと同一の構成要素には同一の符号を付
し、その説明を省略する。このガスタービンは、上記従
来技術2のガスタービンと比較して、後縁221側に傾
斜した貫通孔11を有するシール板10を採用する点で
相異する。貫通孔11は、冷却空気600の噴出口を後
縁221側に60度傾けて形成され、シール板10の中
央に前縁220側から後縁221側に渡り複数設けられ
る(図9参照)。なお、シール板10は、従来のシール
板400に貫通孔11を明けて形成される。
【0037】この実施の形態2において、冷却空気60
0は、シュラウドの背面240側からシール板10の貫
通孔11を通り前面250側の隙間300に噴出する。
このとき、冷却空気600は、後縁221側に約60度
傾いて噴出して接合面210、210間の隙間300に
層を形成し、セグメント200縁部230を冷却してそ
の焼損510を抑止する。
【0038】この実施の形態2によれば、貫通孔11は
後縁221側に傾斜するので、冷却空気600は、上記
従来技術2の場合と比較して、燃焼ガス500と混合し
難くなり、接合面210、210間の隙間300を埋め
てその縁部230を効果的に冷却する。また、縁部23
0の冷却が効果的に行えるので、冷却空気600の流量
を抑制でき、冷却空気600と燃焼ガス500との混合
による圧力損失を減少できる。
【0039】なお、この実施の形態2において、貫通孔
11の傾斜角は約60度(好ましくは55度から65
度)であるが、これに限らず、シュラウドの平面に対し
て、40度以上かつ75度以下の角度で後縁230側に
傾斜することとしても良い。ここで、40度以上という
下限は、これ以下の傾斜角では、貫通孔11から噴出し
た冷却空気600がセグメント200の縁部230まで
届かずに隙間300に沿って後縁221側に流れてしま
い、縁部230を有効に冷却できないという発明者らの
知見に基づく(図28参照)。また、75度以上という
上限は、これ以上の傾斜角では、冷却空気600は、縁
部230を通過して燃焼ガス500と直ちに混合するた
め、縁部230を有効に冷却できないという発明者らの
知見に基づく(図27参照)。なお、かかる傾斜角の範
囲の存在は従来知られておらず、発明者らの研究に基づ
き新たに開示するものである。また、この傾斜角の範囲
は、燃焼ガスの流速、貫通孔11の径、冷却空気600
の流量その他の要因により変化するため、上記数値を目
安とし、当業者自明の範囲内で適宜変更することが好ま
しい。なお、60度という角度は、既存のガスタービン
に対して好適な結果が得られる数値である。
【0040】(実施の形態3)図10は、この発明にか
かる第3の実施の形態であるガスタービンの要部を示す
斜視図であり、図11は、図10に記載したセグメント
の接合部を示すD−D視断面図である。図12は、図1
1に示したセグメントの接合部を示すE−E視断面図で
あり、図13は、図10〜図12に記載したシール板の
要部を示す斜視図である。これらの図において、上記従
来のガスタービンと同一の構成要素には同一の符号を付
し、その説明を省略する。このガスタービンは、上記従
来技術3のガスタービンと比較して、切り欠き部21を
有するシール板20を採用する点に特徴を有する。切り
欠き部21は、シール板20の長手方向に、上下面およ
び両側縁に複数かつ交互に形成される(図13参照)。
したがって、切り欠き部20は、上下面では平面的に異
なる位置に形成され、両側縁では互いに対向しない位置
に形成される(図11〜図13参照)。なお、シール板
20は、接合面210のシール溝211、211にその
両縁を挿入して嵌め込まれ、接合面210、210間に
渡されてその隙間300を封止する。
【0041】この実施の形態3において、冷却空気60
0は、シュラウドの背面240側からシール板20下面
の切り欠き部21aを通り、シール板20側方の空間2
12に進入する(図11参照)。つぎに、冷却空気60
0は、圧力差によりこの空間212を後縁221側に流
れてシール板20上面の切り欠き部21bに入り(図1
2参照)、その出口22から接合面210、210間の
隙間300に噴出してセグメント200縁部230を冷
却する(図11参照)。
【0042】この実施の形態3によれば、シール板20
は、上面側の切り欠き部21aと下面側の切り欠き部2
1bとを平面的に異なる位置に有するので、クランク状
の冷却空気600の通路を形成する。これにより、従来
技術1のシール板410(図24参照)と比較して、冷
却空気600の流速は低下し、その流量が抑制されてシ
ール板20の封止機能が確保される。また、切り欠き部
21がシール板20の両側縁にて対向しない位置に形成
されるので、従来技術1のシール板410(図24参
照)と比較して、シール板20の強度が向上する。ま
た、切り欠き部21はシール板20に形成するので、セ
グメント200の接合面210に加工する場合(図1〜
図4参照)と比較して、切り欠き部21数の増減等の事
後的な設計変更を、コストの低いシール板側で調整でき
る利点もある。
【0043】なお、この実施の形態3において、切り欠
き部21の形状、断面形状、断面積、間隔等は、特に限
定はなく、セグメント200縁部230の焼損510を
抑止できる形状等であればよい。したがって、切り欠き
部21の形状等については、当業者自明の範囲内で適宜
設計変更することが望ましい。また、切り欠き部21
は、千鳥状に形成する場合に限られず、例えば、焼損5
10の著しい範囲に集中的に設置する構成としても良い
(図示省略)。
【0044】(実施の形態4)図14は、この発明にか
かる第4の実施の形態であるガスタービンのタービン1
段静翼を示す斜視図である。また、図15は、図14に
記載したタービン1段静翼のシュラウドを示す平面断面
図であり、図16は、図15に記載したセグメントの接
合部を示すF−F視断面図である。これらの図におい
て、上記従来のガスタービンと同一の構成要素には同一
の符号を付し、その説明を省略する。このガスタービン
は、上記従来技術3のガスタービンと比較して、冷却空
気600の吹き出し孔30を、接合面210、210間
の隙間300を跨ぐ燃焼ガス500の流線方向が逆にな
る境界前後で、異なる側のセグメント200端部251
に切り替え形成することを特徴とする。これにより、こ
のガスタービンは、上記従来技術3のガスタービンと比
較して、より多くの吹き出し孔30を隙間300に対し
て上流側に配置する。具体的には、吹き出し孔30は、
隙間300に腹110を向ける翼100aの前縁端部1
30と、背を向ける翼100bの後縁端部140とを直
線で結び、この直線と隙間300との交点31(以下
「切り替え点」という。)を基準として、対向するセグ
メント200側端部251に切り替え形成される(図1
5参照)。そして、吹き出し孔30は、切り替え点31
より前縁220側では、翼100b側のセグメント20
0縁部230に形成され、切り替え点31より後縁22
1側では、翼100a側のセグメント200縁部230
に形成される。なお、これらの吹き出し孔30は、セグ
メント200を背面240から前面250に貫通し、縁
部230寄りに傾斜して形成される(図16参照)。
【0045】この実施の形態4において、燃焼ガス50
0は、前縁220側からほぼ垂直に流入してシュラウド
表面上を流れ、隙間300の前縁220側を翼100b
方向から跨いで翼100aの腹110にあたる。そし
て、燃焼ガス500は、翼100aにガイドされて流線
方向を変え、隙間300の後縁221側を翼100a方
向から跨いで翼100bの背120に沿って後縁221
に抜ける。すなわち、燃焼ガス500は、シュラウド2
00前縁220側と後縁221側とで、接合面210間
の隙間300を異なる方向から跨ぐ。ここで、切り替え
点31は、ほぼ上記燃焼ガス500が隙間300を跨ぐ
方向を変える境界付近に位置する。これにより、吹き出
し孔30は、冷却空気600を隙間300の上流側から
流し込み、セグメント200縁部230を冷却する(図
17参照)。
【0046】この実施の形態4によれば、吹き出し孔3
0は、形成位置の切り替えにより隙間300の上流側に
形成されるので、従来技術4のガスタービンと比較し
て、より効果的に冷却空気600を隙間300に流し込
むことができる。これにより、冷却空気600のロスが
減少して効率的にセグメント200縁部230の焼損5
10を抑止できる。また、吹き出し孔30の数は、従来
技術4とほぼ同数なので、吹き出される冷却空気600
の量もほぼ同量となり、燃焼ガス500との混合による
圧力損失は増加しない。
【0047】なお、この実施の形態4において、吹き出
し孔30の切り替え点31は、翼100aの前縁端部1
30および翼100bの後縁端部140を基準として一
義的に規定したが、当業者自明の設計変更により好適な
位置に適宜変更すべきである。なお、上記実施の形態4
に開示した切り替え点31の位置は、かかる位置付近に
設定すれば既存のガスタービンに一般的に適用可能であ
るとの発明者の知見によるものである。
【0048】また、この実施の形態4において、切り替
え点31は、複数箇所あっても良く、実機において流体
解析その他の当業者公知の手法により燃焼ガスの流路を
解析して好適な個数を好適な位置に設けても良い。この
切り替え点31は、一様でない燃焼ガス500流れに対
して、隙間300よりも下流側に位置する吹き出し孔3
0の数を減少させる目的で決定すべきだからである。
【0049】また、この実施の形態4において、吹き出
し孔30は、セグメント200を縁部230寄りに傾斜
して貫通するが、これに限らず、その噴出口がセグメン
ト200端部251にあれば傾斜してなくとも良い。こ
れにより、冷却空気600を接合面210間の隙間30
0に流し込めるからである。ただし、かかる傾斜した吹
き出し孔30は、冷却空気600をセグメント200前
面250に滑らかに吹き出す点で好ましい。
【0050】(実施の形態5)図18は、この発明にか
かる第5の実施の形態であるガスタービンのタービン1
段静翼のシュラウドを示す平面断面図である。同図にお
いて、上記従来のガスタービンと同一の構成要素には同
一の符号を付し、その説明を省略する。このガスタービ
ンは、上記従来技術3のガスタービンと比較して、接合
面210の隙間40の前縁220側を、翼100b側に
屈折させて吹き出し孔42が隙間40より上流側に位置
するように形成した点に特徴を有する。この隙間40の
屈折点41は、燃焼ガス500が従来技術3の隙間30
0を跨ぐ流線方向を変える境界付近に決定される。具体
的には、従来技術3の隙間300と、隙間300に腹1
10を向ける翼100aの前縁端部41aおよび隙間3
00に背120を向ける翼100bの後縁端部130を
結ぶ直線との交点である。隙間40は、この屈折点41
を基準として、前縁220側を翼100b側に燃焼ガス
500の流入方向よりも傾けて屈折する。また、翼10
0a側のセグメント200端部251には、前縁220
から後縁221に渡り一様に冷却空気600の吹き出し
孔42が形成される。また、接合面210間には、一対
のシール板400が前縁220側および後縁221側の
双方向から差し込まれ、その隙間40を封止する。
【0051】この実施の形態5において、燃焼ガス50
0の一部は、シュラウドの前縁220からほぼ垂直に流
入し、隙間40を屈折点41より前縁220側にて翼1
00a側から跨ぐ。このとき、吹き出し孔42は、翼1
00a側のセグメント200端部251にあるので、隙
間40に対して上流側から冷却空気600を吹き出す。
これにより、冷却空気600は、セグメント200端部
251にフィルム冷却層を作りつつ隙間40に流れ込
み、セグメント200縁部230を冷却する。また、燃
焼ガス500の他の一部は、翼100aの腹100によ
りガイドされ、隙間40を屈折点41より後縁221側
にて翼100a側から跨ぐ。このとき、吹き出し孔42
は、翼100a側のセグメント200端部251にある
ので、隙間40に対して上流側から冷却空気600を吹
き出して、上記前縁220側と同様にセグメント200
縁部230を冷却する。
【0052】この実施の形態5によれば、接合面210
の隙間40は、屈折点41より前縁220側を屈折させ
て、吹き出し孔42を隙間40より上流側に位置させる
ので、吹き出した冷却空気600を無駄なく隙間40に
流し込みセグメント200縁部230を冷却する。これ
により、冷却効率を高められる。また、吹き出し孔42
の数は、従来技術3のガスタービンとほぼ同数であるの
で、冷却空気600の流量の増加による燃焼ガス500
の圧力損失を抑制できる。
【0053】なお、この実施の形態5において、屈折点
41の位置は、翼100aの前縁端部130および翼1
00bの後縁端部140を基準として一義的に規定した
が、当業者自明の設計変更により好適な位置に適宜変更
すべきである。なお、上記実施の形態5に開示した屈折
点41の位置は、かかる位置付近に設定すれば既存のガ
スタービンに一般的に適用可能であるとの発明者の知見
によるものである。
【0054】また、この実施の形態5において、屈折点
41は、複数箇所あっても良く、実機において流体解析
その他の当業者公知の手法により燃焼ガスの流路を解析
して好適な個数を好適な位置に設けても良い。隙間40
を屈折させるのは、一様でない燃焼ガス500流れに対
して、隙間40よりも下流側に位置する吹き出し孔42
の数を減少させる目的で決定すべきだからである。
【0055】また、この実施の形態5において、隙間4
0は、前縁220側を燃焼ガス500の流入方向よりも
傾けて屈折するが、前縁側40aを燃焼ガス500の流
入方向と同一方向に形成し(図19参照)、セグメント
200の前縁220側には、上記実施の形態1〜3にか
かる冷却構造を採用しても良い。この変形例において、
セグメント200前縁220側の縁部230は、上記実
施の形態1〜3にかかる冷却構造により冷却される。ま
た、後縁221側は、吹き出し孔42から吹き出される
冷却空気600により冷却される。この変形例によれ
ば、実施の形態5に、上記実施の形態1〜3にかかる冷
却構造を併用することにより、燃焼ガス500が、接合
面210の隙間40に前縁220側から平行に入り込む
場合にも、セグメント200縁部230の焼損510を
有効に抑止できる。
【発明の効果】以上説明したように、この発明かかるガ
スタービン(請求項1)によれば、冷却空気の通路とし
ての空気溝をセグメント側に設けたので、従来技術1の
ガスタービンのようにシール板に段差部を設ける必要が
なくなり、より薄型のシール板を採用できる。
【0056】また、この発明であるガスタービン(請求
項2)によれば、空気溝をタービン流路壁に対して平面
的に異なる位置に設けることにより、冷却空気の通路を
クランク状に形成したので、セグメント縁部の冷却効果
を確保しつつ、噴出する冷却空気の流量を抑制してシー
ル板の封止機能を維持できる。
【0057】また、この発明であるガスタービン(請求
項3)によれば、シール板の貫通孔を後縁側に傾斜させ
て形成したので、冷却空気は、貫通孔をシール板に対し
て垂直に形成する場合と比較して、滑らかに噴出してシ
ール板前面上に冷却空気層を形成する。
【0058】また、この発明であるガスタービン(請求
項4)によれば、貫通孔は、冷却空気が適切にセグメン
ト縁部を冷却しうる傾斜角を有するので、セグメント縁
部の焼損が効果的に抑制できる。
【0059】また、この発明であるガスタービン(請求
項5)によれば、切り欠き部を平面的に異なる位置に設
けることにより、冷却空気の通路をクランク状に形成し
たので、セグメント縁部の冷却効果を確保しつつ、噴出
する冷却空気の流量を抑制してシール板の封止機能を維
持できる。
【0060】また、この発明であるガスタービン(請求
項6)によれば、従来技術3のガスタービンと比較し
て、より多くの冷却空気の吹き出し孔を接合面間の隙間
に対して上流側に形成できるので、セグメント縁部の焼
損をより効果的に抑止できる。
【0061】また、この発明であるガスタービン(請求
項7)によれば、従来技術3のガスタービンと比較し
て、より多くの冷却空気の吹き出し孔を接合面間の隙間
に対して上流側に形成できるので、セグメント縁部の焼
損をより効果的に抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかるガスタービン
の要部を示す斜視図である。
【図2】図1に記載したセグメントの接合部を示すA−
A視断面図である。
【図3】図1に記載したシュラウド接合面を示すB視断
面図である。
【図4】図1〜図3に記載したセグメントの接合面を示
す斜視図である。
【図5】図1に記載したガスタービンの変形例を示す側
面断面図である。
【図6】図1に記載したガスタービンの変形例を示す側
面断面図である。
【図7】図1に記載したガスタービンの変形例を示す平
面図である。
【図8】この発明の実施の形態2にかかるガスタービン
の要部を示す斜視図である。
【図9】図8に記載したセグメントの接合部を示すC視
断面図である。
【図10】この発明の実施の形態3にかかるガスタービ
ンの要部を示す斜視図である。
【図11】図10に記載したセグメントの接合部を示す
D−D視断面図である。
【図12】図11に示したセグメントの接合部を示すE
−E視断面図である。
【図13】図10〜図12に記載したシール板の要部を
示す斜視図である。
【図14】この発明の実施の形態4にかかるガスタービ
ンのタービン1段静翼を示す斜視図である。
【図15】図14に記載したタービン1段静翼のシュラ
ウドを示す平面断面図である。
【図16】図15に記載したセグメントの接合部を示す
F−F視断面図である。
【図17】図14に記載したタービン1段静翼のシュラ
ウドを示す平面断面図である。
【図18】この発明の実施の形態5にかかるガスタービ
ンのタービン1段静翼のシュラウドを示す平面断面図で
ある。
【図19】図18に記載したガスタービンの変形例を示
す平面断面図である。
【図20】従来のガスタービンのタービン静翼を示す全
体構成図である。
【図21】図20に記載したセグメントの接合部を示す
組立斜視図である。
【図22】従来のガスタービンの要部を示す正面断面図
である。
【図23】従来技術1のガスタービンにかかるタービン
静翼を示す正面断面図である。
【図24】図23に記載したシール板を示す斜視図であ
る。
【図25】従来技術2のガスタービンにかかるタービン
静翼を示す正面断面図である。
【図26】図25に記載したシール板を示す斜視図であ
る。
【図27】図25に記載した接合部の側面断面図であ
る。
【図28】図9に記載したガスタービンが備えるシール
板の貫通孔の傾斜角が30度の場合を示す側面断面図で
ある。
【図29】従来技術3にかかるタービン静翼の要部を示
す斜視図である。
【図30】図29に記載したセグメントの接合部を示す
正面断面図である。
【図31】図29に記載したタービン1段静翼のシュラ
ウドを示す平面断面図である。
【符号の説明】
1 空気溝 10 シール板 11 貫通孔 20 シール板 21 切り欠き部 30 吹き出し孔 31 切り替え点 40 隙間 41 屈折点

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のセグメントを環状に接合して形成
    されると共に、燃焼ガスの流路壁を構成するタービン分
    割環、タービン動翼のプラットフォーム、タービン静翼
    シュラウドその他のタービン流路壁と、 前記セグメント間の対向する接合面に形成したシール溝
    に嵌め込まれると共に、前記接合面間に渡して当該接合
    面間の隙間を封止するシール板と、を有し、且つ、 前記シール溝の内面には、前記タービン流路壁の背面側
    から前記シール板の前面側に冷却空気を通す空気溝を設
    けることを特徴とするガスタービン。
  2. 【請求項2】 さらに、前記空気溝は、 前記タービン流路壁に対して前面側と背面側とで平面的
    に異なる位置に設けられることを特徴とする請求項1に
    記載のガスタービン。
  3. 【請求項3】 複数のセグメントを環状に接合して形成
    されると共に、燃焼ガスの流路壁を構成するタービン分
    割環、タービン動翼のプラットフォーム、タービン静翼
    シュラウドその他のタービン流路壁と、 前記セグメント間の対向する接合面に形成したシール溝
    に嵌め込まれると共に、前記接合面間に渡して当該接合
    面間の隙間を封止するシール板と、を有し、且つ、 前記シール板は、前記タービン流路壁の後縁側に傾斜す
    る貫通孔を有することを特徴とするガスタービン。
  4. 【請求項4】 前記貫通孔の傾斜角は、噴出する前記冷
    却空気が、 前記タービン流路壁の縁部に届く下限値より大きくなる
    ように、且つ、前記タービン流路壁の縁部を越えて前記
    燃焼ガスに混入する上限値より小さくなるように、前記
    角度を設定することを特徴とする請求項3に記載のガス
    タービン。
  5. 【請求項5】 複数のセグメントを環状に接合して形成
    されると共に、燃焼ガスの流路壁を構成するタービン分
    割環、タービン動翼のプラットフォーム、タービン静翼
    シュラウドその他のタービン流路壁と、 前記セグメント間の対向する接合面に形成したシール溝
    に嵌め込まれると共に、前記接合面間に渡して前記接合
    面間の隙間を封止するシール板と、を有し、且つ、 前記シール板は、その上下面の側部であって前記タービ
    ン流路壁に対して上面側と下面側とで平面的に異なる位
    置に、切り欠き部を設けたことを特徴とするガスタービ
    ン。
  6. 【請求項6】 タービン動翼、タービン静翼その他の翼
    と、 前記翼を支持する複数のセグメントを環状に接合して形
    成されると共に、燃焼ガスの流路壁を構成するタービン
    分割環、タービン動翼のプラットフォーム、タービン静
    翼シュラウドその他のタービン流路壁と、 前記セグメントの対向する接合面間の隙間を基準として
    当該隙間を跨ぐ前記燃焼ガスの流れ方向が変わる付近を
    境に、一方のセグメントの端部から他方のセグメントの
    端部に切り替えて複数形成した冷却空気の吹き出し孔
    と、を有することを特徴とするガスタービン。
  7. 【請求項7】 タービン動翼、タービン静翼その他の翼
    と、 前記翼を支持する複数のセグメントを環状に接合して形
    成されると共に、燃焼ガスの流路壁を構成するタービン
    分割環、タービン動翼のプラットフォーム、タービン静
    翼シュラウドその他のタービン流路壁と、 前記セグメントの前記翼の腹側に位置する端部に複数形
    成される冷却空気の吹き出し孔とを有し、且つ、 前記セグメントの対向する接合面間の隙間は、当該隙間
    を跨ぐ前記燃焼ガスの流れ方向が変わる付近を境に、前
    縁側を、前記隙間に背を向ける前記翼側に屈折させて、
    前記吹き出し孔が前記隙間より上流側に位置するように
    形成されることを特徴とするガスタービン。
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