JP2003128543A - アスコルビン酸またはその塩およびパントテン酸カルシウムを含有する固形製剤およびその製造方法 - Google Patents

アスコルビン酸またはその塩およびパントテン酸カルシウムを含有する固形製剤およびその製造方法

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JP2003128543A
JP2003128543A JP2001324914A JP2001324914A JP2003128543A JP 2003128543 A JP2003128543 A JP 2003128543A JP 2001324914 A JP2001324914 A JP 2001324914A JP 2001324914 A JP2001324914 A JP 2001324914A JP 2003128543 A JP2003128543 A JP 2003128543A
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Shinji Omori
真治 大森
Yasuo Ono
泰雄 大野
Tadashi Makino
正 槙野
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パントテン酸カルシウムが安定であり、かつ
製造が簡便な、アスコルビン酸またはその塩とパントテ
ン酸カルシウムを含有する固形製剤固形製剤を提供す
る。 【解決手段】 アスコルビン酸またはその塩と、パント
テン酸カルシウム含有組成物とを含有し、製剤中の平衡
相対湿度が60%以下であることを特徴とする固形製
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アスコルビン酸ま
たはその塩およびパントテン酸カルシウムを含有する固
形製剤およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製剤において、パントテン酸カルシウム
をアスコルビン酸またはその塩とともに配合すると、パ
ントテン酸カルシウムの分解が著しく促進することが知
られている。このため、従来、アスコルビン酸またはそ
の塩とパントテン酸カルシウムを含有する固形製剤を製
造するには、例えば糖衣錠とし、パントテン酸カルシウ
ムを糖衣層に配合し、両者の接触を防止することによ
り、パントテン酸カルシウムの安定化を図っていた。し
かし、この方法は、製造が煩雑であるという問題があっ
た。この問題を解決するものとして、特許第28917
44号公報には、アスコルビン酸またはその塩と配合性
がよく、安定化されたパントテン酸カルシウム含有組成
物が開示されている。これを用いれば、パントテン酸カ
ルシウムが安定な固形製剤が得られる。しかし、パント
テン酸カルシウムがさらに安定であり、かつ製造が簡便
な固形製剤が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、パントテン酸カルシウムが安定であり、かつ製造
が簡便な、アスコルビン酸またはその塩とパントテン酸
カルシウムを含有する固形製剤固形製剤を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討の結果、驚くべきことに、固形
製剤中の水分(平衡相対湿度(ERH))を低水分化す
ることにより、パントテン酸カルシウムが安定な、アス
コルビン酸またはその塩とパントテン酸カルシウム配合
固形製剤を簡便に製造できることを見出した。さらに、
パントテン酸カルシウム含有組成物を乾式で配合すれ
ば、より安定な固形製剤を製造できることを見出し、本
発明を完成するにいたった。すなわち、本発明は、 (1)アスコルビン酸またはその塩と、パントテン酸カ
ルシウム含有組成物とを含有し、製剤中の平衡相対湿度
が60%以下であることを特徴とする固形製剤; (2)上記パントテン酸カルシウム含有組成物が、パン
トテン酸カルシウムと、それ自体が中性ないし塩基性の
マグネシウムまたはカルシウムの乳酸塩または炭酸塩と
を水および/または低級アルコールの存在下に混合し、
次いで該混合物を乾燥することにより得られる組成物で
ある上記(1)記載の固形製剤;および、 (3)パントテン酸カルシウム含有組成物を乾式で配合
することを特徴とする上記(1)記載の固形製剤の製造
方法等を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における平衡相対湿度(E
RH)とは、本発明の固形製剤約1gを25℃の密閉容
器内に置いた場合の、その密閉容器内空間が示す平衡相
対湿度(ERH)を意味し、下記式: 平衡相対湿度(ERH)=(P/PS)× 100 [式中、Pは物質の表面上の水蒸気圧を示し、PSは物
質と同じ温度における純水上の水蒸気圧を示す。]で表
される計算式で求めることができる。平衡相対湿度は市
販の水分活性測定用装置によって容易に測定することが
でき、例えば本願明細書中においては、市販されている
測定装置、ハイグロスコープ(商品名、ロトロニック社
(スイス)製、グンゼ産業(株)販売)を用いて測定し
ている。本発明の製剤中の平衡相対湿度(ERH)は6
0%以下が好ましい。このように製剤中の平衡相対湿度
(ERH)を制御することにより、パントテン酸カルシ
ウムの分解が高度に抑制される。
【0006】本発明で用いられるアスコルビン酸または
その塩は、医薬上許容されるものであれば特に限定され
るものではないが、アスコルビン酸の塩としては、例え
ばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、
マグネシウム塩等が挙げられる。好ましくは、アスコル
ビン酸が用いられる。
【0007】本発明で用いられるパントテン酸カルシウ
ム含有組成物としては、特許第2891744号公報に
記載の組成物が好ましい。該組成物は、当該公報に記載
の方法に従って製造できるが、具体的には、パントテン
酸カルシウムと、それ自体が中性ないし塩基性のマグネ
シウムまたはカルシウムの乳酸塩または炭酸塩とを水お
よび/または低級アルコールの存在下に混合し、次いで
該混合物を乾燥することにより得られる。なかでも、特
に好ましくは、パントテン酸カルシウムと乳酸カルシウ
ムとを水存在下に混合し、次いで該混合物を乾燥するこ
とにより得られる組成物である。また該組成物は市販品
としても入手可能である(商品名 パントテン酸カルシ
ウム タイプS、BASF武田ビタミン)。
【0008】本発明における固形製剤においては、必要
に応じて、アスコルビン酸またはその塩以外のビタミン
類をさらに配合してもよい。本発明で使用できるビタミ
ン類としては、ビタミンB誘導体(塩酸フルスルチア
ミン、塩酸ジセチアミン、オクトチアミン、シコチアミ
ン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、ベンフォチ
アミン 等)、ビタミンB(塩酸チアミン、硝酸チア
ミン、硝酸ビスチアミン、チアミンジスルフィド、チア
ミンジセチル硫酸エステル塩 等)、ビタミンB(リ
ボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボ
フラビン 等)、ビタミンB(塩酸ピリドキシン、リ
ン酸ピリドキサール 等)、ビタミンC(アスコルビン
酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシ
ウム 等)、ビタミンB12(シアノコバラミン、塩酸
ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、メ
コバラミン 等)、ビタミンE(コハク酸d−α−トコ
フェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシ
ウム、酢酸d−α−トコフェロール、酢酸dl−α−ト
コフェロール 等)、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、
パントテン酸カルシウム、パントテン酸カルシウムタイ
プS、ビオチン、ガンマーオリザノール、オロチン酸、
グルクロノラクトン、グルクロン酸アミド、ヨクイニン
等が挙げられる。
【0009】本発明における固形製剤においては、必要
に応じて賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を配合でき
る。
【0010】本発明で使用することができる賦形剤、結
合剤としては、セルロースとその誘導体、デンプンとそ
の誘導体、合成高分子化合物、糖質等が挙げられる。本
発明で使用することができるセルロースとその誘導体と
しては、結晶セルロース、粉末セルロース、メチルセル
ロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換度
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース等が挙げられる。本発明で使用することができる
デンプンとその誘導体としては、トウモロコシデンプ
ン、デキストリン、アルファー化デンプン、部分アルフ
ァー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボ
キシメチルスターチナトリウム、シクロデキストリン等
が挙げられる。本発明で使用することができる合成高分
子化合物としては、ポリビニルピロリドン、アミノアル
キルメタアクリレート コポリマーE、メタアクリル酸
コポリマーL、アミノアルキルメタアクリレート コポ
リマーRS、メタアクリル酸コポリマーS、カルボキシ
ビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルア
セタールジエチルアミンアセテート等が挙げられる。本
発明で使用することができる糖質としては、ショ糖、ト
レハロース、乳糖、マンニトール、ソルビトール、キシ
リトール、マルチトール、エリスリトール、粉末還元麦
芽糖水飴等が挙げられる。
【0011】本発明で使用することができる崩壊剤とし
ては、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカ
ルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ク
ロスポビドン等が挙げられる。本発明で使用することが
できる滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ス
テアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げ
られる。
【0012】本発明における固形製剤は、例えば顆粒
剤、細粒剤、素錠、フィルム錠、薄層糖衣錠、糖衣錠、チユ
アブル錠等のいずれの剤形であってもよい。本発明にお
ける固形製剤の製造は、その剤形に応じて、造粒ハンド
ブック(日本粉体工業技術協会編、オーム社)、経口投
与製剤の処方設計(京都大学大学院薬学研究科教授 橋
田充編、薬業時報社)、粉体の圧縮成形技術(粉体工学
・製剤と粒子設計部会編、日刊工業新聞社)のような刊
行物に記載されている一般的な方法で調製すればよい。
例えば、上記アスコルビン酸またはその塩、パントテン
酸カルシウム含有組成物、所望により加えられるビタミ
ン類、賦形剤、および結合剤を混合し、造粒後、整粒
し、整粒末を得る。ついで得られた整粒末に崩壊剤、滑
沢剤を混合し、製錠することにより素錠を得ることがで
きる。
【0013】本発明の固形製剤中の好適な平衡相対湿度
(ERH)は、主として、上記造粒時の乾燥条件を調整
することによって達成される。該乾燥条件は、得られた
固形製剤中の平衡相対湿度を上記のように市販の水分活
性測定用装置によって測定し、得られた数値が目的の平
衡相対湿度(ERH)よりも高ければ、乾燥条件を厳し
くすることによって、容易に決定することができる。該
乾燥条件は、製剤成分の混合時、造粒時に使用する水量
等によっても変化するが、給気温度は通常約50〜10
0℃(好ましくは、55〜95℃)、排気温度は通常約
35〜68℃(好ましくは、38〜65℃)である。フ
ィルムコーティング、薄層糖衣、糖衣を施す場合は、コ
ーティング機として、通気式のコーティング機、例えば
ドリアコーター(パウレック)、アクアコーター(フロ
イント産業)、ハイコーター(フロイント産業)等の機
器を用い、コーティング液を1000μm以下のミスト
として噴霧し、給気温度、給気風量、注液速度等のコー
ティング条件を調整することによって達成される。
【0014】特に、パントテン酸カルシウム含有組成物
は、製剤において乾式で配合することが好ましい。これ
は例えば、アスコルビン酸、結合剤、および賦形剤等を
湿式造粒した後、得られた整粒末にパントテン酸カルシ
ウム含有組成物を含む成分を混合することにより実施で
きる。ついで、この混合物を製錠すればよい。これによ
り、さらにパントテン酸カルシウムが安定な固体製剤を
得ることができる。
【0015】かくして得られた素錠に、必要に応じてフ
ィルムコーティング、薄層糖衣、糖衣を施すことができ
る。本発明におけるフィルムコーティング基剤として
は、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、ポリビニルピロリドン、アミノアルキルメタアク
リレート コポリマーE、アミノアルキルメタアクリレ
ート コポリマーL、アミノアルキルメタアクリレート
コポリマーRS、アミノアルキルメタアクリレート
コポリマーS、カルボキシビニルポリマー、ポリビニル
アルコール、ポリビニルアセタールジエチルアミンアセ
テート等が挙げられる。本発明における糖衣及び薄層糖
衣基剤としては、ショ糖、トレハロース、乳糖、マンニ
トール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、
エリスリトール、粉末還元麦芽糖水飴等が挙げられる。
本発明において、フィルムコーティング、糖衣、薄層糖
衣を行う場合、必要とあれば、賦形剤、コーティング
剤、結合剤、可塑剤、着色剤等を配合することができ
る。本発明において、フィルムコーティング、糖衣、薄
層糖衣を行う場合の賦形剤としては、タルク、沈降炭酸
カルシウム、酸化チタン等が挙げられる。本発明におい
て、フィルムコーティング、糖衣、薄層糖衣を行う場合
の可塑剤としては、マクロゴール6000、コポリビド
ン、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0016】本発明における固形製剤に、服用性向上の
ために、必要とあれば、香りおよび味を付与することも
できる。例えば、着香剤または香料、矯味剤を配合する
ことにより、香りおよび味を付与することができる。本
発明で使用することができる着香剤または香料として
は、例えば、ハッカ油、ユーカリ油、ケイヒ油、ウイキ
ョウ油、チョウジ油、オレンジ油、レモン油、ローズ
油、フルーツフレーバー、バナナフレーバー、ストロベ
リーフレバー、ミントフレバー、ペパーミントフレバ
ー、dl−メントール、l−メントール等が挙げられ
る。矯味剤としては、糖、糖アルコール、高甘味度甘味
剤、酸味剤を配合することができる。矯味剤として本発
明に用いられる糖、糖アルコールは、ショ糖、トレハロ
ース、乳糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトー
ル、マルチトール、エリスリトール、粉末還元麦芽糖水
飴等が挙げられる。矯味剤として本発明に用いられる高
甘味度甘味剤は、人工的に合成された甘味剤のうち、そ
の甘味度が砂糖の数倍以上のもの、好ましくは約100
倍以上のものをいい、具体的には、例えば、アスパルテ
ーム、ステビア、サッカリン、グリチルリチン二カリウ
ム、ソーマチン、スクラロース、アセスルファームK等
が挙げられる。矯味剤として本発明で用いられる酸味剤
は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸等が
挙げられる。
【0017】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0018】実施例1 アスコルビン酸 2700g、リボフラビン 54g、
コハク酸d−α−トコフェロール(レギュラー粒度品)
225g、粉末還元麦芽糖水飴 351g、結晶セル
ロース 240.8gを流動層造粒機(FD−5S、パ
ウレック)にて、6%ヒドロキシプロピルセルロース
(HPC−L)水溶液 2700gを噴霧することによ
り、流動層造粒する。流動層造粒後、給気温度 70℃
で、排気温度 48℃まで乾燥を行い、造粒末を得た。
その後、整粒機(パワーミル、昭和化学機械)にて整粒
し、整粒末を得た。得られた整粒末 3318g、L−
システイン 640g、パントテン酸カルシウム タイ
プS 184.8g、結晶セルロース 345.2g、
低置換度ヒドロキシプルピルセルロース 240g、特
殊ケイ酸カルシウム(フローライトRE) 24g、ス
テアリン酸マグネシウム 48gを混合機(タンブラー
混合機、昭和化学機械)にて混合し、得られた混合末を
ロータリー式打錠機で直径8.8mmの臼、曲率半径
7.0mmのR面杵にて、1錠当たりの重量 300m
g、厚み 5.2mmとなるように製錠し、素錠を得
た。上記の素錠 3240gに、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース(TC−5MW) 120gを精製水
1080gに溶解したコーティング液を用い、コーティ
ング機(ドリアコーター DRC−500、パウレッ
ク)にて、給気温度70℃、給気風量 4m/mi
n、注液速度 10g/minのコーティング条件に
て、素錠重量に対して2%量コーティングし、更にその
上に、エリスリトール 918.5g、タルク 48
5.3g、酸化チタン 34.7g、結晶セルロース
(アビセルPH−F20) 86.6g、アラビアゴム
末 207.9gを精製水 2827gに溶解、懸濁し
たコーティング液を用い、コーティング機(ドリアコー
ター DRC−500、パウレック)にて、給気温度
60℃、給気風量 4m/min、注液速度 20g
/minのコーティング条件にて、素錠重量に対して3
8%量コーティングする。更にその上に、エリスリトー
ル 540g、マクロゴール6000 60gを精製水
980gに溶解したコーティング液を用い、コーティ
ング機(ドリアコーター DRC−500、パウレッ
ク)にて、給気温度 55℃、給気風量 4m/mi
n、注液速度 17g/minのコーティング条件に
て、素錠重量に対して5%量コーティングし、薄層糖衣
錠を得た。なお、薄層糖衣錠に、艶出し液(カルナウバ
ロウ、白ロウを溶解させた エタノール − n−ヘキ
サン溶液)を微量、コーティングし、艶出しを行った。
平衡相対湿度(ERH)の測定値は24.3%であっ
た。
【0019】実施例2 アスコルビン酸 2700g、パントテン酸カルシウム
タイプS 207.9g、リボフラビン 54g、コ
ハク酸d−α−トコフェロール(レギュラー粒度品)
225g、粉末還元麦芽糖水飴 351g、結晶セルロ
ース 251.1gを流動層造粒機(FD−5S、パウ
レック)にて、6%ヒドロキシプロピルセルロース(H
PC−L)水溶液 2700gを噴霧することにより、
流動層造粒する。流動層造粒後、給気温度 70℃で、
排気温度 48℃まで乾燥を行い、造粒末を得た。その
後、整粒機(パワーミル、昭和化学機械)にて整粒し、
整粒末を得た。得られた整粒末 3512g、L−シス
テイン 640g、結晶セルロース336g、低置換度
ヒドロキシプルピルセルロース 240g、特殊ケイ酸
カルシウム(フローライトRE) 24g、ステアリン
酸マグネシウム 48gを混合機(タンブラー混合機、
昭和化学機械)にて混合し、得られた混合末をロータリ
ー式打錠機で直径8.8mmの臼、曲率半径7.0mm
のR面杵にて、1錠当たりの重量 300mg、厚み
5.2mmとなるように製錠し、素錠を得た。上記の素
錠 3240gに、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス(TC−5MW) 120gを精製水 1080gに
溶解したコーティング液を用い、コーティング機(ドリ
アコーター DRC−500、パウレック)にて、給気
温度70℃、給気風量 4m/min、注液速度 1
0g/minのコーティング条件にて、素錠重量に対し
て2%量コーティングし、更にその上に、エリスリトー
ル 918.5g、タルク 485.3g、酸化チタン
34.7g、結晶セルロース(アビセルPH−F2
0) 86.6g、アラビアゴム末 207.9gを精
製水 2827gに溶解、懸濁したコーティング液を用
い、コーティング機(ドリアコーター DRC−50
0、パウレック)にて、給気温度 60℃、給気風量
4m/min、注液速度 20g/minのコーティ
ング条件にて、素錠重量に対して38%量コーティング
する。更にその上に、エリスリトール540g、マクロ
ゴール6000 60gを精製水 980gに溶解した
コーティング液を用い、コーティング機(ドリアコータ
ー DRC−500、パウレック)にて、給気温度 5
5℃、給気風量 4m/min、注液速度 17g/
minのコーティング条件にて、素錠重量に対して5%
量コーティングし、薄層糖衣錠を得た。なお、薄層糖衣
錠に、艶出し液(カルナウバロウ、白ロウを溶解させた
エタノール − n−ヘキサン溶液)を微量、コーテ
ィングし、艶出しを行った。平衡相対湿度(ERH)の
測定値は22.5%であった。
【0020】試験例1 実施例1及び実施例2の薄層糖衣錠をガラス瓶に、50
℃1ケ月密栓保存し、下記の試験方法により薄層糖衣錠
中のパントテン酸カルシウム残存率を測定した。結果を
表1に示す。 [試験方法] 試料溶液調製法 試料粉末[パントテン酸カルシウム(C1832Ca
10)約0.01gに対応する量]を精密に量
り、0.05mol/L リン酸二水素アンモニウム溶
液を正確に100ml加える。20分間激しく振り混ぜ
抽出した後、遠心分離し、上澄み液を孔径0.45μm
のフィルターでろ過し、ろ液を試料溶液とした。 標準溶液調製法 パントテン酸カルシウム タイプS [パントテン酸カ
ルシウム(C18 CaN10)約0.01g
に対応する量]を精密に量り、0.05mol/L リ
ン酸二水素アンモニウム溶液を加えて溶かし、正確に1
00mlとして標準溶液とした。 HPLC条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm) カラム:YMC−Pack ODS AM−312 カラム温度:25℃付近の一定温度 移動相:0.05mol/L リン酸二水素アンモニウ
ム溶液(pH3.5)/メタノール混液(19/1) 流量:毎分1.5mL 注入量:20μL
【0021】
【表1】
【0022】実施例1、実施例2は共に錠剤を低水分化
(ERH60%以下)しているため、パントテン酸カル
シウムの安定性がよかった。実施例1と実施例2を比較
すると、パントテン酸カルシウムタイプSを乾式で配合
した実施例1の錠剤の方が、パントテン酸カルシウムの
安定性がよかった。本発明の実施例1及び実施例2によ
り、製造の煩雑さがなく、安定なアスコルビン酸または
その塩とパントテン酸カルシウム配合固形製剤を製造す
ることができた。
【0023】実施例3 アスコルビン酸 2700g、リボフラビン 54g、
コハク酸d−α−トコフェロール(レギュラー粒度品)
225g、粉末還元麦芽糖水飴 351g、結晶セル
ロース 240.8gを流動層造粒機(FD−5S、パ
ウレック)にて、6%ヒドロキシプロピルセルロース
(HPC−L)水溶液 2700gを噴霧することによ
り、流動層造粒する。流動層造粒後、給気温度 70℃
で、排気温度 43℃まで乾燥を行い、造粒末を得た。
その後、整粒機(パワーミル、昭和化学機械)にて整粒
し、整粒末を得た。得られた整粒末 3318g、L−
システイン 640g、パントテン酸カルシウム タイ
プS 184.8g、結晶セルロース 345.2g、
低置換度ヒドロキシプルピルセルロース 240g、特
殊ケイ酸カルシウム(フローライトRE) 24g、ス
テアリン酸マグネシウム 48gを混合機(タンブラー
混合機、昭和化学機械)にて混合し、得られた混合末を
ロータリー式打錠機で直径8.8mmの臼、曲率半径
7.0mmのR面杵にて、1錠当たりの重量 300m
g、厚み 5.2mmとなるように製錠し、素錠を得
た。ERHの測定値は32.5%であった。
【0024】実施例4 アスコルビン酸 2700g、リボフラビン 54g、
コハク酸d−α−トコフェロール(レギュラー粒度品)
225g、粉末還元麦芽糖水飴 351g、結晶セル
ロース 240.8gを流動層造粒機(FD−5S、パ
ウレック)にて、6%ヒドロキシプロピルセルロース
(HPC−L)水溶液 2700gを噴霧することによ
り、流動層造粒する。流動層造粒後、給気温度 70℃
で、排気温度 39℃まで乾燥を行い、造粒末を得た。
その後、整粒機(パワーミル、昭和化学機械)にて整粒
し、整粒末を得た。得られた整粒末 3318g、L−
システイン 640g、パントテン酸カルシウム タイ
プS 184.8g、結晶セルロース 345.2g、
低置換度ヒドロキシプルピルセルロース 240g、特
殊ケイ酸カルシウム(フローライトRE) 24g、ス
テアリン酸マグネシウム 48gを混合機(タンブラー
混合機、昭和化学機械)にて混合し、得られた混合末を
ロータリー式打錠機で直径8.8mmの臼、曲率半径
7.0mmのR面杵にて、1錠当たりの重量 300m
g、厚み 5.2mmとなるように製錠し、素錠を得
た。実施例3と同じ素錠を製造した。ERHの測定値は
44.3%であった。
【0025】比較例1 アスコルビン酸 2700g、リボフラビン 54g、
コハク酸d−α−トコフェロール(レギュラー粒度品)
225g、粉末還元麦芽糖水飴 351g、結晶セル
ロース 240.8gを流動層造粒機(FD−5S、パ
ウレック)にて、6%ヒドロキシプロピルセルロース
(HPC−L)水溶液 2700gを噴霧することによ
り、流動層造粒する。流動層造粒後、給気温度 70℃
で、排気温度 33℃まで乾燥を行い、造粒末を得た。
その後、整粒機(パワーミル、昭和化学機械)にて整粒
し、整粒末を得た。得られた整粒末 3318g、L−
システイン 640g、パントテン酸カルシウム タイ
プS 184.8g、結晶セルロース 345.2g、
低置換度ヒドロキシプルピルセルロース 240g、特
殊ケイ酸カルシウム(フローライトRE) 24g、ス
テアリン酸マグネシウム 48gを混合機(タンブラー
混合機、昭和化学機械)にて混合し、得られた混合末を
ロータリー式打錠機で直径8.8mmの臼、曲率半径
7.0mmのR面杵にて、1錠当たりの重量 300m
g、厚み 5.2mmとなるように製錠し、素錠を得
た。
【0026】試験例2 実施例3、実施例4及び比較例1の素錠をガラス瓶に、
50℃1ケ月密栓保存し、試験例1と同様にして素錠中
のパントテン酸カルシウム残存率を測定した。結果を表
2に示す。
【0027】
【0028】実施例3、実施例4は共に錠剤を低水分化
(ERH60%以下)しているため、パントテン酸カル
シウムの安定性がよかった。実施例3及び実施例4と比
較例1を比較すると、パントテン酸カルシウムタイプS
を乾式で配合しても低水分化されていない比較例1の錠
剤中のパントテン酸カルシウムの安定性は悪かった。本
発明の実施例3及び実施例4により、製造の煩雑さがな
く、安定なアスコルビン酸またはその塩とパントテン酸
カルシウム配合固形製剤を製造することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/12 A61K 47/12 Fターム(参考) 4C076 AA31 AA36 AA43 AA49 BB01 CC22 CC24 DD37 DD43 FF63 GG05 4C086 AA10 BA18 MA05 MA34 MA52 ZC21 ZC28 4C206 AA10 GA36 MA05 MA54 MA72 NA03 ZC21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスコルビン酸またはその塩と、パント
    テン酸カルシウム含有組成物とを含有し、製剤中の平衡
    相対湿度が60%以下であることを特徴とする固形製
    剤。
  2. 【請求項2】 上記パントテン酸カルシウム含有組成物
    が、パントテン酸カルシウムと、それ自体が中性ないし
    塩基性のマグネシウムまたはカルシウムの乳酸塩または
    炭酸塩とを水および/または低級アルコールの存在下に
    混合し、次いで該混合物を乾燥することにより得られる
    組成物である請求項1記載の固形製剤。
  3. 【請求項3】 パントテン酸カルシウム含有組成物を乾
    式で配合することを特徴とする請求項1記載の固形製剤
    の製造方法。
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