JP2003119202A - 新規な共重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents

新規な共重合体ラテックスの製造方法

Info

Publication number
JP2003119202A
JP2003119202A JP2001312169A JP2001312169A JP2003119202A JP 2003119202 A JP2003119202 A JP 2003119202A JP 2001312169 A JP2001312169 A JP 2001312169A JP 2001312169 A JP2001312169 A JP 2001312169A JP 2003119202 A JP2003119202 A JP 2003119202A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
polymerization
meth
acrylate
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001312169A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3907992B2 (ja
Inventor
Hiromi Kobayashi
博実 小林
Yoshifumi Araki
祥文 荒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2001312169A priority Critical patent/JP3907992B2/ja
Publication of JP2003119202A publication Critical patent/JP2003119202A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3907992B2 publication Critical patent/JP3907992B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性能、製膜性能、安定性が良好な塗料、
接着剤、コーティング剤、汎用樹脂、感光性樹脂の原料
となる小粒子系の共重合体ラテックスの重合方法の提
供。 【解決手段】 反応性乳化剤を用いて乳化重合するに際
し共重合体ラテックスの体積当たりの攪拌所用動力が
0.08KW/M3〜2.5KW/M3である共重合体ラ
テックスの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、共重合体ラテック
スの製造方法に関するものである。更に詳しくは、乳化
重合に使用されるシードラテックス、塗工紙のバインダ
ー、カーペットの裏打ちバインダー、各種接着剤および
塗料の原料、水系現像可能なフレキソ印刷用固体版の感
光性樹脂組成物等に使用される、新規な製造方法による
スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスの製造方法
に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、塗工紙は、その印刷効果が優れて
いることにより、 印刷用に幅広く使用されてきてお
り、その需要は増加の 一途をたどっている。このよう
な需要の伸びを背景にして、バインダーのスチレン・ブ
タジエン共重合ラテックスに高い性能が求められる様に
なってきている。この中で、特に重要な性能として塗工
液の流動性がある。すなわち、塗工紙生産の操業性の向
上のためには高速で高濃度の塗工液を処理する必要があ
る。この際には、粒子径が小さいほど優れていることが
知られている。 【0003】また、共重合体ラテックスは感光性樹脂の
ような光学材料の原料として使用される場合も知られて
いる、この場合は光学散乱の影響を避けるために、その
粒子径は光学反応に使用される光線の波長以下である必
要がある。このため、この用途での使用される場合は通
常80nm以下が用いられる。また、このような小粒子
径の共重合体ラテックスを製造する場合は通常シード重
合法が用いられるが、この場合用いられるシードラテッ
クスの粒子径は最終的な粒子径の30%以下であること
が望まれる。 【0004】すなわち、より小粒径の共重合体ラテック
スを工業的に生産するためには原料となるシードラテッ
クスを大幅に小さくかつ工業的スケールで生産する必要
がある。このように、工業的に求められる共重合ラテッ
クスの粒子径はより小さい物が主流となっている。しか
し、このような小粒子径のラテックスの工業的生産に対
しては操業的条件や共重合体ラテックスの物性への制限
等があるため100nm以下の共重合体ラテックスを製
造することは事実上困難であった。これら、工業生産に
かかわる問題点でもっとも重要な点は共重合体の固形分
に関わる問題である。 【0005】通常の操業上の経済性に見合う共重合体ラ
テックスの固形分量は約30%以上が確実に必要であ
る。しかし、共重合体ラテックスの固形分の設定を30
%以上にした場合、重合時の微細凝固物の発生や重合中
の2次粒子への成長などにより、塗工液の流動性や樹脂
に成形した場合の性能が充分得られないという問題があ
る。これらの解決のために重合装置上の解決が数多く考
案されており、たとえば特開平−49890、特開平6
−16708、特開平−7−292002号公報等には
複数段のパドル翼を組み合わせた攪拌装置による製造法
が開示されている。また、特開2000−327726
号公報には重合に際する攪拌所要動力を0.05〜1.
0kw/m3とすることによるスケールの発生などを防
止する方法が開示されている。しかしながら、最近の共
重合ラテックスに対する技術的要求はますます高度化し
ており、これらの方法では重合時の安定性が確保できな
いほど小粒子径化が進んできている。 【0006】一方、「重合性界面活性剤・高分子活性
剤」(長井勝利、日本接着学会誌Vol.33 N0.6(1997),p2
33-239)に総説されているように、いわゆる反応性基を
有する界面活性剤である反応性乳化剤を用いた乳化重合
の技術が従来より良く知られている。このような反応性
乳化剤を用いて製造された共重合体ラテックスは乳化剤
自身が共重合体の粒子に化学結合を行うため、通常の乳
化剤を用いた場合に比べ飛躍的に塗膜の耐水性や湿潤時
の接着強度が増大することが多くの文献によって提出さ
れている。 【0007】これらの技術は乳化剤が多く必要な、最近
の共重合体ラテックスの小粒子径化の要求に対して効果
的である。たとえば特開昭63−270872、特開平
8−209545、特開平8−134273、特開平7
−324103号公報などに脂肪族共役ジエン系単量体
や酸性官能基含有不飽和単量体などの組成範囲やゲル分
率を規定して、剥離強度や耐水異性の優れたカーペット
バッキング用途や機械的、化学的安定性に優れた接着剤
として提出されている。 【0008】また、特開昭57−180617、特開平
6−299000号公報等には塗膜の耐水性や焼付け性
の良好な塗料用途への考案されている。また、特開平1
1−209413、特開平5−171598、特開20
00−234293号公報等には表面強度や網点再現性
に優れる紙塗工用バインダーとしての考案も提出されて
いる。また、特開平7−52540、特開平7−246
778、特開平7−52541号公報には感熱記録体や
感熱記録型磁気シートへの応用も提出されている。ま
た、特開平8−48705公報、には粒子径を10〜5
0nmにすることによる共重合体ラテックスのシード粒
子としての応用も提出されている。 【0009】また特開平9−12825号公報にはAB
S樹脂の原料ゴムラテックスへの応用も提出されてい
る。さらに、特開平11−286897、特開平1−1
92896、特開2000−2975、特開平11−2
00294,特開2000−355670,特開2000
−178897、特開平11−350387、特開昭5
9−122510、特開平6−157985、特開20
00−26665、特開平5−194906号公報等の
様々な新規なスチレン・ブタジエン系共重合体ラテック
スの応用にも可能なことが示されている。 【0010】このように反応性乳化剤の使用は、スチレ
ン・ブタジエン系共重合体ラテックスの分野では広く知
用いられる技術である。また、アクリルラテックスの分
野でも特開平8−188604、特開平6−27968
8、特開昭62−236808、特開平8−4296
7、特開平9−296011、特開平9−31634
7、特開平5−43852、特開平11−71527号
公報等で耐水性に優れる塗料、接着剤、として反応性乳
化剤を用いた新規なアクリルラテックスやその製造方法
が提出されている。 【0011】さらに、特開2000−109784、特
開平6−157975、特開平11−209560、特
開平9−111218、特開平9−104798、特開
平10−298491、特開平10−128226、特
開平10−251556、特開2000−19170
8、特開平11−209560、特開平11−1245
08、特開平6−256522、特開平8−16991
9号公報などに各種の新規なアクリルラテックスへも応
用が可能なことが示されている。以上から、反応性乳化
剤を用いてラテックスを製造し、乳化剤の使用量に関わ
らず、耐水性の良好な塗料、接着剤、樹脂の原料へ応用
することは従来から良く知られかつ広い分野で用いられ
ている技術である。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】しかし、いずれの場合
もラテックスの粒子径がさらに、小さくなるに従い共重
合体ラテックス全体の表面積が大きくなり、重合時の安
定性の維持のためには大量の乳化剤が必要であった。こ
のため、反応性乳化剤を使用しても、最終的に得られた
バインダーや接着剤、感光性樹脂などの耐水性が充分得
られないという欠点があった。 【0013】 【問題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題点を解決するために鋭意検討した結果、共重合体ラテ
ックスを乳化重合するに際し、反応装置の体積当たりの
攪拌所用動力を特定の範囲で使用することにより、粒子
径が50nm以下でかつ耐水性を低下させない共重合体
ラテックスが高い固形分濃度(約40%)で重合安定性
良好に得られるという事実を見いだし本発明に到達し
た。 【0014】すなわち、脂肪族共役ジエン系単量体50
〜95重量部、酸性官能基含有不飽和単量体0.5〜3
0 重量部及びその他の共重合可能な単量体からなる単
量体混合物(A)せいぶん合計100重量部、及び反応
性乳化剤(B)成分0.1〜30重量部の両者を用いて
乳化重合するに際し、共重合体ラテックスの体積当たり
の攪拌所用動力が0.08kw/m3〜3.1kw/m3
である共重合体ラテックスの製造方法である。 【0015】以下に本発明を詳細に説明する。以下、本
発明に用いられる原料の添加量は単量体混合物(合計1
00重量部)に対する重量部数で表す。本発明に使用さ
れる乳化剤(界面活性剤)には反応性乳化剤を用いるこ
とが必須である。このとき、使用する反応性乳化剤の量
は使用する不飽和単量体総量100重量部に対して、共
重合体ラテックスの安定性維持の観点から0.1重量部
以上であり、製膜した樹脂フィルムの耐水性維持の観点
から30重量部以下用いることが必須である。 【0016】また、使用する不飽和単量体としては共役
ジエン系単量体を50〜95重量部使用することが必須
である。たとえば、塗工紙分野や接着剤分野では十分な
強度が必要であり、フレキソ印刷用固体版の感光性樹脂
組成物で使用された場合には十分な弾性や機械的強度が
必須であるためである。本発明では乳化重合するに際し
反応装置の体積当たりの攪拌所用動力は、共重合体ラテ
ックス重合時の安定性確保の観点から0.08kw/m
3以上であり、操業場の重合装置の制約から2.5kw
/m3であることが必須である。体積当たりの攪拌所用
動力の算出の方法としては神鋼ファウドラー・ニュース
p1-7,vol24,No.1(1980/1)より、下記[式1]を用いて算
出した。 【0017】 【式1】【0018】本発明では特に制限されないが、共重合体
ラテックスのトルエン不溶分は、共重合体ラテックスの
製膜した樹脂フィルムの強度維持の観点から85%以上
であり、共重合体ラテックスの製膜性と回収した樹脂の
加工性流動性確保の観点から95%以下である。本発明
では特に制限されないが、共重合体ラテックスの粒子径
は、共重合体ラテックスの製膜したフィルムの強度また
回収した樹脂の光学的特性の点から50nm以下であ
る。 【0019】重合方法としては重合可能な温度に調製さ
れた反応系にあらかじめ所定量の水、反応性乳化剤(反
応性界面活性剤)、その他添加剤を仕込み、この系に重
合開始剤および不飽和単量体、反応性乳化剤、調製剤等
を回分操作あるいは連続操作で反応系内に添加する事に
よって乳化重合を行い合成される。特に反応性乳化剤は
不飽和単量体の添加前に全量の60重量%〜80重量を
一括に使用し、不飽和単量体の添加開始の後に残りの全
量を連続で添加することが好ましい。 【0020】重合可能な温度は通常60℃〜120℃で
あるが、80℃〜120℃が特に好ましい。また必要に
応じて反応系には所定量のシードラテックス、開始剤、
その他の調製剤をあらかじめ仕込んで置くことも通常良
く用いられる方法である。また不飽和単量体、反応性乳
化剤、その他の添加剤、調製剤を反応系へ添加する方法
によって、合成される親水性共重合体粒子の層構造を段
階的に変える事も可能である。各層の構造を代表する物
性としては、親水性、ガラス転移点、分子量、架橋密度
などが上げられる。また、本発明では、この層構造の段
階数は特に制限されない。 【0021】本発明に使用する酸性官能基含有不飽和単
量体とは、一塩基酸単量体、二塩基酸単量体等があげら
れる。本発明で用いられる酸性官能基含有不飽和単量体
にはカルボキシル基やスルホン酸基やリン酸基、あるい
はホウ酸基を有する性不飽和単量体であり、後述する反
応性乳化剤は含まれない。より具体的には一塩基酸単量
体として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビ
ニル安息香酸、桂皮酸、スチレンスルホン酸、メタリル
スルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸およ
びこれらの一塩基酸単量体のナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩、等が例示できる。 【0022】二塩基酸単量体としては、イタコン酸、フ
マル酸、マレイン酸、シトラコン酸、ムコン酸、および
これらの二塩基酸単量体のナトリウム塩、カリウム塩、
アンモニウム塩、等が例示できる。これら、二塩基酸単
量体またはスチレンスルホン酸、メタリルスルホン酸、
アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸等の親水性の大き
いを酸性官能基含有不飽和単量体を用いて不飽和単量体
の添加前に、その全量を一括で添加した場合には著しく
重合時の安定性が低下するため好ましくない。このよう
に、酸性官能基含有不飽和単量体としては重合時の安定
性上一塩基酸単量体が好ましく、この中でも特にアクリ
ル酸、メタクリル酸の併用が好ましい。また、これらの
一塩基酸単量体の添加方法は脂肪族共役ジエン系単量体
及びその他の不飽和単量体の添加と同時に連続的に添加
するのことが好ましい。 【0023】脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,
3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル1,3
−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−
メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、
クロロプレン、2−クロル−1,3−ブタジエン、シク
ロペンタジエン等が例示できる。共重合体ラテックスの
重合において使用されるその他の不飽和単量体として
は、芳香族ビニル化合物、アクリル酸エステル類、メタ
クリル酸エステル、水酸基を有する系モノカルボン酸ア
ルキルエステル単量体、不飽和二塩基酸アルキルエステ
ル、無水マレイン酸、シアン化ビニル化合物、アクリル
アミド、メタクリルアミド、ビニルエステル、ビニルエ
ーテル、ハロゲン化ビニル、アミノ基を有する塩基性単
量体、ビニルピリジン、オレフィン、ケイ素含有α,β
−性不飽和単量体、アリル化合物、等があげられる。 【0024】芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、ビニ
ルトルエン、ビニルキシレン、ブロモスチレン、ビニル
ベンジルクロリド、p−t−ブチルスチレン、クロロス
チレン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼン、トリビ
ニルベンゼン、等が例示できる。 【0025】アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、
n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミルヘキシル
(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アク
リレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、2−エチル−ヘキシル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレ
ート、グリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタン
ジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ジグリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリグリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ
(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、
ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパ
ン、メトキシポリエチリングリコール(メタ)アクリレ
ート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロ
ジェンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルハイドロジェンサクシネート、3−クロロ−2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アク
リレート、フェノキシポリグリコール(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキ
シプロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキ
シエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−
((メタ)アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロ
パン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ・ポ
リエトキシ)フェニル]プロパン、イソボルニル(メ
タ)アクリレート等が例示できる。 【0026】水酸基を有する系モノカルボン酸アルキル
エステル単量体としては例えば、アクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アク
リル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒド
ロキシプロピル、アクリル酸1−ヒドロキシプロピル、
メタクリル酸1−ヒドロキシプロピル、ヒドロキシシク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。不
飽和二塩基酸アルキルエステルとしてはクロトン酸アル
キルエステル、イタコン酸アルキルエステル、フマル酸
アルキルエステル、マレイン酸アルキルエステル、等を
例示できる。 【0027】シアン化ビニル化合物としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等を例示できる。アクリ
ルアミド、メタクリルアミドとしては、(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N
−アルコキシ(メタ)アクリルアミド等を例示できる。
ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、ビニルブチレー
ト、ビニルステアレート、ビニルラウレート、ビニルミ
リステート、ビニルプロピオネート、バーサティク酸ビ
ニル等を例示できる。 【0028】ビニルエーテルとしては、メチルビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、アミルビニルエーテル、ヘ
キシルビニルエーテル等を例示できる。ハロゲン化ビニ
ルとしては、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、
塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等を例示できる。ア
ミノ基を有する塩基性単量体としては、アミノエチル
(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、等を例示できる。 【0029】オレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン等を例示できる。ケイ素含有α,β−性不飽和単量体
としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキ
シシラン等を例示できる。アリル化合物としては、アリ
ルエステル、ジアリルフタレート、等を例示できる。そ
の他、トリアリルイソシアヌレート等の3個以上の二重
結合を有する単量体も使用できる。 【0030】これらの単量体は単独で用いてもよいし、
二種以上混合して用いてもよい。本発明に用いられる乳
化重合には必要に応じて重合反応抑制剤が用いられる。
重合反応抑制剤とは、乳化重合系に添加することによ
り、ラジカル重合速度を低下させる化合物である。より
具体的には、重合速度遅延剤、重合禁止剤、ラジカル再
開始反応性が低い連鎖移動剤、およびラジカル再開始反
応性が低い単量体である。 【0031】重合反応抑制剤は、重合反応速度の調整お
よびラテックス物性の調整に用いられる。これらの重合
反応抑制剤は回分操作あるいは連続操作で反応系に添加
される。重合反応抑制剤を用いた場合、ラテックス被膜
の強度が向上する傾向がある。反応メカニズムの詳細は
不明であるが、重合反応抑制剤はポリマーの立体構造に
密接に関与していると思われ、このことによりラテック
ス被膜の物性の調整に効果があるものと推定している。 【0032】これらの重合反応抑制剤の例としては、o
−,m−,あるいはp−ベンゾキノンなどのキノン類、
ニトロベンゼン、o−,m−,あるいはp−ジニトロベ
ンゼンなどのニトロ化合物、ジフェニルアミンのような
アミン類、第三ブチルカテコールのようなカテコール誘
導体、1,1−ジフェニルあるいはα−メチルスチレ
ン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンな
どの1,1−ジ置換ビニル化合物、2,4−ジフェニル
−4−メチル−2−ペンテン、シクロヘキセン等の1,
2−ジ置換ビニル化合物などがあげられる。 【0033】この他にも、「POLYMER HAND
BOOK 3rd Ed.(J.Brandup,E.
H.Immergut:John Wiley & S
ons,1989)」、「改訂高分子合成の化学(大
津:化学同人、1979.)」に重合禁止剤あるいは重
合抑制剤として記載されている化合物があげられる。こ
れらの中でも、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−
ペンテン(α−メチルスチレンダイマー)が反応性の点
で特に好ましい。これらの重合反応抑制剤は、単独で用
いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。これ
らの重合反応抑制剤の使用量は、重合効果あるいは速度
の点から好ましくは0.1重量部〜10重量部である。 【0034】本発明に用いられる乳化重合には必要があ
れば、既知の連鎖移動剤を用いることができる。例をあ
げれば、硫黄元素を含む連鎖移動剤として、t−ドデシ
ルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、等のアル
カンチオール、メルカプトエタノール、メルカプトプロ
パノール等のチオアルキルアルコール、チオグリコール
酸、チオプロピオン酸等のチオアルキルカルボン酸、チ
オグリコール酸オクチルエステル、チオプロピオン酸オ
クチルエステル等のチオカルボン酸アルキルエステル、
ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド等のスルフィ
ドがあげられる。 【0035】その他に、連鎖移動剤の例としては、ター
ピノーレン、ジペンテン、t−テルピネンおよび四塩化
炭素などのハロゲン化炭化水素をあげることができる。
これらの中で、アルカンチオールは連鎖移動速度が大で
あり、また得られるラテックスの物性バランスが良いの
で好ましい。これらの連鎖移動剤は、単独で用いても良
いし、2種以上を混合して用いても良い。これらの連鎖
移動剤は単量体に混合して反応系に供給するか、単独で
所定の時期に所定量添加される。これらの連鎖移動剤の
使用量は好ましくは0.1重量部〜10重量部である。 【0036】本発明に使用されるラジカル重合開始剤
は、熱または還元性物質の存在下ラジカル分解して単量
体の付加重合を開始させるものであり、無機系開始剤お
よび有機系開始剤のいずれも使用できる。このようなも
のとしては、例えば水溶性又は油溶性のペルオキソ二硫
酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等、具体的にはペルオ
キソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペ
ルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチル
ヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾ
ビスブチロニトリル、クメンハイドロパーオキサイドな
どがあり、また他に、POLYMER HANDBOO
K (3rd edition)、J.Brandru
pおよびE.H.Immergut著、John Wi
lly&Sons刊(1989)に記載されている化合
物が挙げられる。 【0037】また、酸性亜硫酸ナトリウム、アスコルビ
ン酸やその塩、エリソルビン酸やその塩、ロンガリット
などの還元剤を重合開始剤に組み合わせて用いる、いわ
ゆるレドックス重合法を採用することもできる。これら
の中で特にペルオキソ二硫酸塩が重合開始剤として好適
である。この重合開始剤の使用量は、全単量体の重量に
基づき、通常0.1〜5.0重量部の範囲から、好まし
くは0.2〜3.0重量部の範囲から選ばれる。 【0038】この乳化重合における重合温度は、通常6
0〜120℃の範囲で選ばれるが、前記レドックス重合
法等により、より低い温度で重合を行っても良い。さら
に酸化還元触媒として、金属触媒、例えば、2価の鉄イ
オン、3価の鉄イオン、銅イオンなどを共存させてもよ
い。本発明においては、必要に応じ各種重合調整剤を添
加することができる。例えば、pH調整剤として、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、
炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナ
トリウムなどのpH調整剤を添加することができ、この
中でも水酸化カリウムが耐水性と合成時の安定性バラン
スを高める点で特に好ましく、合成後のpH調整剤とし
ては好適である。また、ジアミン四酢酸ナトリウムなど
の各種キレート剤なども重合調整剤として添加すること
もできる。 【0039】また、その他の添加剤としてはアルカリ感
応ラテックス、ヘキサメタリン酸などの減粘剤、ポリビ
ニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の水溶
性高分子、増粘剤、各種老化防止剤、紫外線吸収剤、防
腐剤、殺菌剤、消泡剤、ポリアクリル酸ナトリウムなど
の分散剤、耐水化剤、亜鉛華等の金属酸化物、イソシア
ネート系化合物、エポキシ化合物等の架橋剤、滑剤、保
水剤等の各種添加剤を添加してもさしつかえない。これ
らの添加剤の添加方法は特に制限されず共重合体ラテッ
クスの重合時、重合後に関わらず添加することができ
る。 【0040】共重合体ラテックスを乳化重合するときに
用いる反応性乳化剤とは、分子中にビニル基、アクリロ
イル基、あるいはメタアクリロイル基などのラジカル重
合性の二重結合を有し、一般の乳化(界面活性)剤と同
様に、乳化、分散、および湿潤機能を持つもので共重合
体ラテックスを乳化重合するときに、反応性乳化剤を除
いた不飽和単量体100重量部に対して、単独で0.1
重量部以上用いることで粒径が5〜250nmの単分散
の重合物が合成できる乳化(界面活性)剤である。この
ような反応性(乳化)界面活性剤の例を下記(I)〜
(VIII)に示す。 【0041】 【化1】 【0042】 【化2】 【0043】 【化3】 【0044】 【化4】 【0045】 【化5】 【0046】 【化6】 【0047】 【化7】【0048】 【化8】 【0049】反応性乳化剤として一般的に市販されてい
る商品名を以下に示すと、アデカリアソープSE、SD
X(旭電化工業)、アクアロンHS、BC、KH、ハイ
テノールA (第一工業製薬株式会社)、ラテムルS、
PD(花王株式会社)、エレミノールJS(三洋化成工
業株式会社)、アントックスMS(日本乳化剤株式会
社)、スピノマー(東洋曹達工業)などをあげることが
できるが、これらに限定されるものではない。これら
は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて
も用いてもよい。本研究では特に制限されるものではな
いが、反応性乳化剤はアデカリアソープ(SE、SD
X)、アクアロン(HS、BC、KH)、ラテムル(P
D)等、硫酸基とポリオキシアルキレン鎖を分子構造中
にもつものが重合安定性上特に好ましい。 【0050】上記の一般の(非反応性)乳化剤とは、脂
肪酸せっけん、ロジン酸せっけん、スルホン酸塩、サル
フェート、リン酸エステル、ポリリン酸エステル、サリ
コジン酸アシル、等のアニオン界面活性剤、ニトリル化
油脂誘導体、油脂誘導体、脂肪酸誘導体、α−オレフィ
ン誘導体等のカチオン界面活性剤、アルコールエトキシ
レート、アルキルフェノールエトキシレート、プロポキ
シレート、脂肪族アルカノールアミド、アルキルポリグ
リコシド、ポリオキシアルキルアリールエーテル、ポリ
オキシソルビタン脂肪酸エステル、オキシオキシプロピ
レンブロックコポリマー等のノニオン界面活性剤が例示
される。 【0051】スルホン酸塩としては、アルキルスルホン
酸塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキル硫酸
塩、アルキルアリール硫酸塩、アルキルスルホコハク酸
塩、ポリオキシアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキルア
リール硫酸塩、スルホン化油脂、アルキルジフェニルエ
ーテルジスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、
アルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩、N−アシル
メチルタウリン酸塩、等が挙げられる。 【0052】これらの界面活性剤の他の例としては、
「界面活性剤ハンドブック(高橋、難波、小池、小林:
工学図書、1972)」に記載されているものなどがあ
げられる。これら、非反応性乳化剤は得られる共重合体
の製膜したフィルムの耐水性を悪化させない範囲で乳化
重合に使用することが出来る。この量は不飽和単量体全
量に対し概ね0.5重量部以下が好ましい。 【0053】 【発明の実施の形態】以下に本発明について具体的に説
明する。 (1)共重合体ラテックスの合成 【0054】 【実施例1〜5】撹拌装置と温度調節用ジャケットを取
り付けた耐圧反応容器に水125重量部、表1に示す反
応性乳化剤の仕込量の75重量%を初期仕込みし窒素置
換を行った。さらに表1に示す回転数で攪拌を行い内温
を80℃に昇温し、表1に示す単量体混合物(ブタジエ
ン70重量部、スチレン10重量部、アクリル酸ブチル
13重量部、メタクリル酸5重量部、アクリル酸2重量
部、合計100重量部)とt−ドデシルメルカプタンの
油性混合液と、水28重量部、ペルオキソ二硫酸ナトリ
ウム1.2重量部、水酸化ナトリウム0.2重量部、表
1に示す反応性乳化剤の仕込量の残りの25%からなる
水溶液をそれぞれ、調整後、窒素置換を行い、5時間お
よび6時間かけて一定の流速で添加した。 【0055】そして、80℃の温度をそのまま1時間保
って、重合反応を完了した後、冷却した。ついで、生成
した共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムでpHを7
に調整してからスチームストリッピング法により未反応
の単量体を除去し、200メッシュの金網で濾過し、最
終的には固形分濃度が40重量%になるように調整して
実施例1〜5の親水性共重合体溶液を得た。結果を表1
に示す。 【0056】ここで、式1により共重合体ラテックスの
体積当たりの攪拌所用動力を計算する耐圧反応容器の装
置定数と重合原料の条件としては下記のものを使用し
た。 槽径D[m]:0.195 翼径d[m]:0.125 動力数Np[−]:0.44 レイノルズ数Re[−]:72900 液量V[m3]:0.00255 通常回転数[rpm]280 翼形状:2枚後退翼 バッフル本数nb[−]:1 バッフル投影面積A[m2]:0.0024 液深H[m]:0.102 翼巾b[m]:0.027 密度ρ[kg/m3]:1000 粘度η[Pa・S]:0.001 【0057】 【実施例6〜7】表1に示した非反応性乳化剤の全量を
初期仕込した以外は実施例1と同様な操作を行い、実施
例6〜7の親水性共重合体溶液を得た。 【0058】 【実施例8〜12】アクリル酸ブチル及びt−ドデシル
メルカプタンの重量部数を表1および表2に示したその
他の共重合可能な単量体に変更した以外は実施例1と同
様な操作を行い、実施例8〜12に用いる親水性共重合
体溶液を得た。 【0059】 【実施例13〜14】ブタジエンとアクリル酸ブチル及
びt−ドデシルメルカプタンの重量部数を表2に示した
量に変更しに以外は実施例1と同様な操作を行い、実施
例13〜14に用いる親水性共重合体溶液を得た。 【0060】 【実施例15〜16】メタクリル酸とアクリル酸ブチル
及びt−ドデシルメルカプタンの重量部数を表2に示し
た量に変更しに以外は実施例1と同様な操作を行い、実
施例15〜16に用いる親水性共重合体溶液を得た 【0061】 【実施例17】反応性乳化剤の重量部数を表3に示した
量に変更した以外は実施例1と同様な操作を行い、実施
例17に用いる親水性共重合体溶液を得た 【0062】 【実施例18〜21】攪拌回転数を表3に示した量に変
更した以外は実施例1と同様な操作を行い、実施例18
〜21に用いる親水性共重合体溶液を得た。 【0063】 【実施例22】重合温度及びt−ドデシルメルカプタン
の重量部数を表3に示した量に変更しに以外は実施例1
と同様な操作を行い、実施例22に用いる親水性共重合
体溶液を得た。 【0064】 【比較例1〜2】乳化剤の種類を非反応性の乳化剤であ
るドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルジ
フェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムをそれぞれ表
4に示した量用いた以外は実施例1と同様な操作を行
い、比較例3、4に用いる親水性共重合体溶液を得た。 【0065】 【比較例3〜4】表4に示した非反応性乳化剤の全量を
初期仕込した以外は実施例1と同様な操作を行い、比較
例3〜4の親水性共重合体溶液を得た。 【0066】 【比較例5〜6】ブタジエンとt−ドデシルメルカプタ
ンの重量部数を表4に示した量に変更した以外は実施例
1と同様な操作を行い、比較例5〜6の親水性共重合体
溶液を得た。 【0067】 【比較例7〜8】メタクリル酸、アクリル酸ブチル、t
−ドデシルメルカプタンの重量部数を表4に示した量に
変更した以外は実施例1と同様な操作を行い、比較例7
〜8の親水性共重合体溶液を得た。 【0068】 【比較例9〜10】反応性乳化剤の使用量を表4に示し
た量に変更した以外は実施例1と同様な操作を行い、比
較例9〜10の親水性共重合体溶液を得た。 【0069】 【比較例11】攪拌回転数を表4に示した量に変更した
以外は実施例1と同様な操作を行い、比較例11の親水
性共重合体溶液を得た 【0070】 【比較例12】攪拌回転数及びt−ドデシルメルカプタ
ンの重量部数をを表4に示した量に変更した以外は実施
例1と同様な操作を行い、比較例12の親水性共重合体
溶液を得た (2)評価方法 下記の評価法に基づいて評価した実施例及び比較例の結
果を表1〜4に示した。 (a)粒子径 日機装株式会社製、MICROTRAC粒度分布径(型
式:9230UPA)を用いて数平均粒子径を測定した。 (b)重合時発生微小凝固物量 重合終了後の共重合ラテックス溶液の所定量(35%、
50g)をSUS網(200m)でろ過し、不通過分の
重量を該所定量中の樹脂分重量(17.5g)で除した
数量を100倍し、重合時の微小凝固物の発生量の目安
とした。 【0071】(c)共重合体ラテックスフィルムの吸水
率 共重合体ラテックスを23℃、湿度60%で3日間乾燥
してフィルムを調整し、90℃30分加熱して完全に乾
燥した後、重量1gで切り取った後23℃の水中に浸漬
し24時間後に重量を測定し膨潤水量を測定し吸水率と
した。 (e)マローン式安定性試験 共重合体ラテックスを30%に調整しマローン式安定性
試験機により過重30kg、温度60℃、15分間テス
トを行い発生した残差量を測定し、試験に使用した全樹
脂量に対する100分率を持って安定性の目安とした。 【0072】(f)共重合体ラテックスの製膜性 共重合体ラテックスを40%1gをアルミ皿上に計り取
り130℃、1時間加熱し乾燥後、製膜したフィルムの
状態を観察しフィルムの強度を観察した。フィルムが室
温で流動的であったり、クラック等の発生しているもの
は不良と判断した。 ○:良好、△:しわ、ワキ等、×:クラック (3)評価結果 本発明を実施例に基づいて説明する。 【0073】実施例1〜5、比較例1と2の結果 実施例1〜5には反応性乳化剤のみを用いて、比較例3
と4には非反応性乳化剤(ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸
ナトリウム)のみを用いて乳化重合した親水性共重合体
の評価結果を示した。反応性乳化剤のみを用いた場合、
共重合体ラテックスフィルムの吸水率が少なく耐水性に
優れている。 【0074】実施例6と7、比較例3と4の結果 実施例6、7には反応性乳化剤と0.3重量部の非反応
性乳化剤を用いて、比較例5と6には反応性乳化剤と1
重量部の非反応性乳化剤を用いて乳化重合した親水性共
重合体の評価結果を示した。非反応性乳化剤を0.3重
量部用いた場合、共重合体ラテックスフィルムの吸水率
が少なく耐水性に優れている。 【0075】実施例1、8〜12の結果 実施例1、8〜12に種ヶの共重合可能なその他の不飽
和単量体(アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、アクリル酸2ヒドキシルエチル)を用
い、t−ドデシルメルカプタンによってトルエン不溶分
率を約90%に調節して乳化重合した親水性共重合体の
評価結果を示した。共重合可能なその他の不飽和単量体
の種類にかかわらず得られた評価結果は良好であった。 【0076】実施例1、13、14、比較例5と6の結
果 実施例1、13、14、比較例7、8にブタジエンの組
成量を変化させ、t−ドデシルメルカプタンによってト
ルエン不溶分率を約90%に調節して乳化重合した親水
性共重合体の評価結果を示した。ブタジエン組成が40
重量部、97重量部の場合は共重合体ラテックスの製膜
性が不良であった。 【0077】実施例1、15、16、比較例7と8の結
果 実施例1、15、16、比較例7、8に酸性官能基含有
不飽和単量体であるメタクリル酸、アクリル酸の組成量
を変化させ、t−ドデシルメルカプタンによってトルエ
ン不溶分率を約90%に調節して乳化重合した親水性共
重合体の評価結果を示した。酸性官能基含有不飽和単量
体が0.2重量部の場合は、重合時発生微小凝固物量が
多くマローン式安定性試験の結果も不良であった。酸性
官能基含有不飽和単量体が34重量部の場合は、重合時
発生微小凝固物量が多く、共重合体ラテックスの製膜性
も不良であり、共重合体ラテックスフィルムの吸水率多
く耐水性に劣っていた。 【0078】実施例1、17、18、比較例9と10の
結果 実施例1、17、18と比較例9、10に使用する反応
性乳化剤の量を変えて、乳化重合した親水性共重合体の
評価結果を示した。使用する反応性乳化剤が0.05%
の場合は重合時発生微小凝固物量が多く安定性が不良で
あった。使用する反応性乳化剤が35%の場合は重合時
発生微小凝固物量が多く、マローン式安定性試験の結果
も不良であり安定性が不良であった。 【0079】実施例1と19〜21、比較例11の結果 実施例1、比較例19〜21に攪拌回転数を変えて乳化
重合した親水性共重合体の評価結果を示した。攪拌回転
数を150rpmに変更して乳化重合した親水性共重合
体の場合、重合時発生微小凝固物量が多くマローン式安
定性試験の結果も不良であった。 【0080】実施例1と22、比較例12の結果 比較例1、2に攪拌回転数を変えて乳化重合した親水性
共重合体の評価結果を示した。攪拌回転数を150rp
mに変更して乳化重合した親水性共重合体の場合、重合
時発生微小凝固物量が多くマローン式安定性試験の結果
も不良であった。 【0081】 【表1】【0082】 【表2】【0083】 【表3】【0084】 【表4】【0085】 【発明の効果】本発明による製造方法を用いることで、
耐水性能、製膜性能、安定性が良好な塗料、接着剤、コ
ーティング剤、汎用樹脂、感光性樹脂等に好適な小粒子
系の共重合体ラテックス製造することが可能である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 脂肪族共役ジエン系単量体50〜95重
    量部、酸性官能基含有不飽和単量体0.5〜30重量部
    及びその他の共重合可能な単量体からなる単量体混合物
    (A)成分100重量部、及び反応性乳化剤(B)成分
    0.1〜30重量部の両者を用いて乳化重合するに際
    し、共重合体ラテックスの体積当たりの攪拌所用動力が
    0.08kw/m3〜2.5kw/m3である共重合体ラ
    テックスの製造方法。
JP2001312169A 2001-10-10 2001-10-10 新規な共重合体ラテックスの製造方法 Expired - Lifetime JP3907992B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001312169A JP3907992B2 (ja) 2001-10-10 2001-10-10 新規な共重合体ラテックスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001312169A JP3907992B2 (ja) 2001-10-10 2001-10-10 新規な共重合体ラテックスの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003119202A true JP2003119202A (ja) 2003-04-23
JP3907992B2 JP3907992B2 (ja) 2007-04-18

Family

ID=19130871

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001312169A Expired - Lifetime JP3907992B2 (ja) 2001-10-10 2001-10-10 新規な共重合体ラテックスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3907992B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006152143A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Dainippon Ink & Chem Inc 吸液性樹脂の製造方法
JP2013503232A (ja) * 2009-08-26 2013-01-31 ユニバーシティ オブ ウォータールー ナノサイズのジエン系ポリマーラテックス粒子
US8530017B2 (en) 2010-12-27 2013-09-10 Korea Kumho Petrochemical Co., Ltd. Method for preparing styrene-butadiene copolymer using reactive emulsifier and styrene-butadiene copolymer prepared by the same
JP2018177852A (ja) * 2017-04-04 2018-11-15 旭化成株式会社 水膨潤性共重合体ラテックス、水膨潤性組成物、及び水膨潤性シーリング材

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006152143A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Dainippon Ink & Chem Inc 吸液性樹脂の製造方法
JP4582402B2 (ja) * 2004-11-30 2010-11-17 Dic株式会社 吸液性樹脂の製造方法
JP2013503232A (ja) * 2009-08-26 2013-01-31 ユニバーシティ オブ ウォータールー ナノサイズのジエン系ポリマーラテックス粒子
KR101749362B1 (ko) * 2009-08-26 2017-06-20 유니버시티 오브 워털루 나노크기의 디엔계 중합체 라텍스 입자
US8530017B2 (en) 2010-12-27 2013-09-10 Korea Kumho Petrochemical Co., Ltd. Method for preparing styrene-butadiene copolymer using reactive emulsifier and styrene-butadiene copolymer prepared by the same
KR101402285B1 (ko) * 2010-12-27 2014-06-02 금호석유화학 주식회사 반응성 유화제를 이용한 스티렌-부타디엔 공중합체의 제조방법 및 그에 의해 제조된 스티렌-부타디엔 공중합체
JP2018177852A (ja) * 2017-04-04 2018-11-15 旭化成株式会社 水膨潤性共重合体ラテックス、水膨潤性組成物、及び水膨潤性シーリング材
JP7104495B2 (ja) 2017-04-04 2022-07-21 旭化成株式会社 水膨潤性共重合体ラテックス、水膨潤性組成物、及び水膨潤性シーリング材

Also Published As

Publication number Publication date
JP3907992B2 (ja) 2007-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6242611B2 (ja) 界面活性剤組成物
EP0157928A1 (en) Aqueous dispersion of vinyl copolymer resin
US8969491B2 (en) Aqueous dispersion
US6448330B1 (en) Aqueous emulsion and process for producing the same
GB2099833A (en) Stable polymer emulsions
JPS6234947A (ja) 水分散型樹脂組成物
EP1624018B1 (en) Polychloroprene latex composition and process for producing the same
JP2003119202A (ja) 新規な共重合体ラテックスの製造方法
JP3924450B2 (ja) 改良された小粒子径の共重合体ラテックス
JP4331429B2 (ja) 紙塗工用共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ラテックス
JP3165534B2 (ja) 選択的モノマー付加および重合によるカルボキシル化ラテックスの製造方法
JP4027548B2 (ja) 界面活性剤
CN115003773B (zh) 聚合物颗粒的水性分散体以及其用作胶粘剂组合物的用途
JP2004137485A (ja) 水系制振材用増粘剤
JP2010150420A (ja) ポリクロロプレン系ラテックス及びその製造法
JPH05295039A (ja) 重合体粒子の水性分散体
JP2008133394A (ja) 発泡性制振材用水性塗料及び制振材
JP3398525B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP3472922B2 (ja) 紙塗工ラテックス用反応性乳化剤、紙塗工用共重合体ラテックス、及び紙塗工用組成物
JP7104495B2 (ja) 水膨潤性共重合体ラテックス、水膨潤性組成物、及び水膨潤性シーリング材
EP4034609A1 (en) Aqueous dispersion of polymer particles and uses thereof as an adhesive composition
JPH0662685B2 (ja) 乳化重合用乳化剤
JP3472923B2 (ja) 紙塗工ラテックス用反応性乳化剤、紙塗工用共重合体ラテックス、及び紙塗工用組成物
JP2004107518A (ja) 建材用エマルション塗料
US7071270B2 (en) Method for obtaining polybutadiene-based aqueous dispersions

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061017

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3907992

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100126

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100126

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110126

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110126

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120126

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120126

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130126

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140126

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350