JP2003116803A - 電気特性測定装置 - Google Patents

電気特性測定装置

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JP2003116803A
JP2003116803A JP2001315726A JP2001315726A JP2003116803A JP 2003116803 A JP2003116803 A JP 2003116803A JP 2001315726 A JP2001315726 A JP 2001315726A JP 2001315726 A JP2001315726 A JP 2001315726A JP 2003116803 A JP2003116803 A JP 2003116803A
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JP2001315726A
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Tatsuo Yamamoto
達夫 山本
Tetsuya Ishii
徹哉 石井
Kazutoshi Yamazaki
和俊 山崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノイズの影響を低減し、生体電気インピーダ
ンス法に基づいて生体電気特性を測定する。 【解決手段】 出力処理回路(D/A変換器71等)
は、増幅器72及び抵抗74を有し、被験者の互いに隔
たる所定の2箇所の表面部位に導電可能に付けた表面電
極Hc,Lcを介して、測定信号を生成して被験者に投
入する。電流検出回路(I/V変換器91等)は、増幅
器95及び抵抗97を有し、出力処理回路及び被験者と
の間で平衡回路を形成し、被験者に投入された測定信号
の電流値を測定する。電圧検出回路(差動増幅器81
等)は、表面電極Hc,Lcよりも被験者の体の中心に
近い位置であって、互いに隔たる所定の2箇所の表面部
位に導電可能に付けた表面電極Hp,Lpを介して、電
圧値を測定する。CPU3は、電流検出回路及び電圧検
出回路により各々測定された電流値及び電圧値により、
被験者の表面部位間の生体電気インピーダンスを算出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気特性測定装置
に関し、特に、ノイズの影響を低減し、生体電気特性を
測定することができる電気特性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、かつて生体電気インピーダ
ンス測定装置として、M系列符号を使用した装置を出願
した(特開平10−14898号公報)。その発明で
は、4端子A/Dコンバートされた信号をフーリエ変換
することにより、多くの周波数での生体電気インピーダ
ンスを測定して細胞内外の水分量情報を算出している。
この装置では明細書には記載していないが、信号のSN
比を向上させるため、M系列信号を多数回出力させ、各
信号の同期加算を行っている。
【0003】以下、その従来技術を説明する。近年、人
間や動物の身体組成を評価する目的で、生体の電気特性
に関する研究が行われている。生体の電気特性は、組織
又は臓器の種類によって著しく異なっており、たとえば
ヒトの場合、血液の電気抵抗率は150Ω・cm前後で
あるのに対して、骨や脂肪の電気抵抗率は1〜5kΩ・
cmもある。この生体の電気特性は、生体電気インピー
ダンスと呼ばれ、生体の体表面に装着された複数の電極
間に微小電流を流すことにより測定される。
【0004】このようにして得られた生体電気インピー
ダンスから被験者の体水分分布や体脂肪率、体脂肪量を
推計する方法を生体電気インピーダンス法という。
(「身体組成の評価法としての生体電気インピーダンス
法」,Baumgartner, R.N., etc.著、「生体電気インピ
ーダンスとその臨床応用」,医用電子と生体工学,金井
寛著,20(3)Jun 1982、「インピーダンス法による体
肢の水分分布の推定とその応用」,医用電子と生体工
学,波江野誠著,23(6)1985、「インピーダンス法に
よる膀胱内尿量の長時間計測」,人間工学,口ノ町康夫
等著,28(3)1992等参照)。
【0005】生体電気インピーダンスは、生体中のイオ
ンによって搬送される電流に対する生体の抵抗(レジス
タンス)と、細胞膜、組織界面、あるいは非イオン化組
織によって作り出される様々な種類の分極プロセスと関
連したリアクタンスとから構成される。リアクタンスの
逆数であるキャパシタンスは、電圧よりも電流に時間的
遅れをもたらし、位相のずれ(フェーズシフト)を作り
出すが、この値はレジスタンスに対するリアクタンスの
比率の逆正接角(アークタンジェント)、すなわち、電
気位相角として幾何学的に定量される。
【0006】これら生体電気インピーダンスZ、レジス
タンスR、リアクタンスX及び電気位相角φは、周波数
に依存している。非常に低い周波数fLでは、細胞膜と
組織界面の生体電気インピーダンスZは、電気を伝導す
るには高すぎる。したがって、電気は細胞外壁を通して
のみ流れ、測定される生体電気インピーダンスZは純粋
にレジスタンスRである。
【0007】つぎに、周波数が増加するにつれて、電流
は細胞膜を貫通するようになり、リアクタンスXが高く
なって位相角φを広げることになる。生体電気インピー
ダンスZの大きさは、Z2=R2+X2によって定義され
るベクトルの値に等しい。リアクタンスX及び位相角φ
が共に最大になる時の周波数を臨界周波数fCといい、
伝導導体である生体の1つの電気特性値である。この臨
界周波数fCを超えると、細胞膜と組織界面が容量性能
力を失うようになり、これにつれてリアクタンスXが減
少する。非常に高い周波数fHでは、生体電気インピー
ダンスZは、再び純粋にレジスタンスRと等価になる。
図5は、人体の電気的等価回路図(等価回路モデル)で
ある。この図において、Cmは細胞膜容量を表し、Ri
及びReはそれぞれ細胞内液抵抗及び細胞外液抵抗を表
している。
【0008】低い周波数fLにおいては、電流は主に細
胞外スペースを流れており、インピーダンスZは細胞外
液抵抗Reに等しくなる。高い周波数fHにおいては、
電流は細胞膜を完全に通るようになり、細胞膜容量Cm
は、実質的に短絡されているのと等価である。したがっ
て、高い周波数fHでのインピーダンスZは、合成抵抗
Ri・Re/(Ri+Re)に等しい。
【0009】以上説明した方法により、細胞内液抵抗R
iと細胞外液抵抗Reとを求めることができ、これらに
基づいて、被験者の体脂肪率、脂肪重量、除脂肪重量等
の体脂肪の状態や体水分分布(細胞内液量、細胞外液量
及びこれらの総和たる体内水分量)を推計できる。ま
た、これらの抵抗Re,Riの変化により、体水分分布
の変化を推計できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記公知技術(特開平
10−14898号公報)に開示されている生体電気イ
ンピーダンス測定装置は、被験者の体に測定信号を出力
する出力回路系と、被験者の体を経由して測定信号を入
力する入力回路系の回路構成が対称でない、いわゆる不
平衡回路構成であった。そのため、グラウンドに対する
信号の電位が高くなり、その分だけ浮遊容量が大きくな
るため、該測定装置に混入するノイズの影響を受けやす
い。
【0011】被験者の体調の微妙な変化をより正確に検
出するためには、ノイズの影響を抑えて、安定した装置
構成であることが望まれる。本発明の目的は、浮遊容量
に基づくノイズの影響を低減し、生体電気インピーダン
ス法に基づいて生体電気特性を測定することができる電
気特性測定装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の電気特性測定装
置は、電流供給源、第1インピーダンス及び被験者の体
の所定の表面部位に導電可能に付ける第1電極と、電流
流入源、第2インピーダンス及び前記表面部位と隔たる
所定の表面部位に導電可能に付ける第2電極とが平衡回
路を構成し、被験者の体に測定信号を供給する信号供給
手段と、前記被験者の体に供給した電流を測定する電流
測定手段と、前記被験者の体の所定の表面部位間で発生
する電位差を測定する電圧測定手段と、前記電流測定手
段によって測定された電流値と前記電圧測定手段によっ
て測定された電圧値とから生体電気特性を演算する演算
手段と、を備える。また、前記第1及び第2インピーダ
ンスは、前記第1及び第2電極の近傍に設けられている
ことで、他のインピーダンス特性のバラツキや変動の影
響を小さくすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面と対応して詳細に説明する。本発明の電気特性測定
装置を生体電気インピーダンス測定装置に用いた場合に
ついて説明する。図1は、本実施の形態による生体電気
インピーダンス測定装置の電気的構成を示すブロック図
である。本生体電気インピーダンス測定装置は、キーボ
ード1、測定処理部2、CPU(中央演算処理装置)
3、表示器4、RAM5、及びROM6により構成され
る。
【0014】キーボード1は、測定者が測定開始を指示
するための測定開始スイッチ、被験者の身長、体重、性
別及び年齢等の人体特徴項目の入力、全測定時間T、測
定間隔t等を測定目的に応じて設定/設定変更するため
の各種キーから構成される。キーボード1から供給され
る各キーの操作データは、キーコード発生回路(図示せ
ず)でキーコード変換されてCPU3に供給される。
【0015】測定処理部2は、被験者の体Bにプローブ
電流Iaを測定信号として送出し、これにより被験者の
体Bから得られる電圧電流情報をデジタル処理する。測
定処理部2の詳細構成については後述する。CPU3
は、本生体電気インピーダンス測定装置全体を制御する
と共に、測定処理部2の処理結果に基づいて人体の生体
電気インピーダンス、さらには、体脂肪率、体内水分分
布に関する各種物理量を算出する。
【0016】表示器4は、CPU3により算出された被
験者の体Bの生体電気インピーダンス、さらには、体脂
肪率及び体内水分量等を表示する。RAM5は、各種デ
ータ(たとえば、被験者の身長、体重、性別、細胞外液
又は細胞内液の量等)を一時的に記憶するデータ領域、
及びCPU3の作業領域が設定される。ROM6は、C
PU3の処理プログラムを固定的に記憶する。
【0017】つぎに、測定処理部2の詳細構成について
説明する。測定処理部2は、測定信号を被験者の体Bに
送出する出力処理回路と、被験者の体Bからの測定信号
を測定処理部2に入力する入力処理回路とにより構成さ
れる。出力処理回路は、D/A変換器71、出力インピ
ーダンス部76、カップリングコンデンサ75、及び身
体の所定の部位に貼り付けられる表面電極Hcにより構
成される。また、出力インピーダンス部76は、増幅器
72、ローパスフィルタ(以下、LPFという)73、
及び抵抗74により構成される。
【0018】一方、入力処理回路は、電圧検出回路及び
電流検出回路により構成される。電圧検出回路は、身体
の所定の部位に貼り付けられる表面電極Hp,Lp、カ
ップリングコンデンサ80a,80b、差動増幅器8
1、アナログのアンチエリアシングフィルタであるLP
F82、A/D変換器83、及びサンプリングメモリ
(リングバッファ)84により構成される。
【0019】また、電流検出回路は、表面電極Lc、カ
ップリングコンデンサ90、入力インピーダンス部9
8、I/V変換器(電流/電圧変換器)91、アナログ
のアンチエリアシングフィルタであるLPF92、A/
D変換器93、及びサンプリングメモリ94により構成
される。また、入力インピーダンス部98は、増幅器9
5、LPF96、及び抵抗97により構成される。
【0020】本実施の形態では、増幅器72の利得と増
幅器95の利得は大きさが等しく、極性が異なる。ま
た、抵抗74の抵抗値と抵抗97の抵抗値は等しい。こ
れにより、出力処理回路側のインピーダンスと、入力処
理回路側のインピーダンスとが等しくなり、装置全体と
して対称的である平衡回路が実現される。後述するが、
この平衡回路による装置構成により、測定用ケーブル1
0により発生する浮遊容量を実質的に小さくすることが
できるため、ノイズの影響を低減することができる。
【0021】はじめに、出力処理回路について説明す
る。D/A変換器71は、バスライン等の回線によりC
PU3と接続されており、CPU3からのデジタル波形
を入力する。D/A変換器71は、CPU3により発生
されるデジタル波形信号をアナログ波形信号に変換し、
上記プローブ電流(測定信号)Iaとして増幅器72に
送出する。
【0022】D/A変換器71からのプローブ電流Ia
は、増幅器72の所定の利得に基づいて増幅され、LP
F73及びカップリングコンデンサ75により、その高
周波ノイズ成分及び直流成分が除去される。最終的に、
プローブ電流Iaは、測定信号として表面電極Hcに送
出され、被験者の体B(図2参照)に送出される。プロ
ーブ電流の値は、たとえば500〜800μAである。
【0023】さらに、本実施の形態では、プローブ電流
Ia(測定信号)の繰返し回数は、信号発生指示1回当
たり1〜256回である。この繰返し回数も測定者がキ
ーボード1を用いて任意に設定できるようにしてもよ
い。繰返し回数は、多い程精度が高くなるが、微小電流
とはいえ、長時間連続して人体に流した場合、人体に悪
影響を及ぼす虞があるので、1〜256回が好ましい。
【0024】図2は、本実施の形態による生体電気イン
ピーダンス測定装置の使用状態を模式的に示す図であ
る。表面電極Hcは、測定時、被験者の右の手甲部Hに
導電可能に吸着方式により貼り付けられ、表面電極Lc
は、右の足甲部Lに吸着方式により導電可能に貼り付け
られる。それゆえ、測定信号(プローブ電流)Iaは、
被験者の右手の部分から体Bに入る。
【0025】また、表面電極Hpは、被験者の右の手甲
部Hに吸着方式により、導電可能に貼り付けられ、表面
電極Lpは、右の足甲部Lに吸着方式により導電可能に
貼り付けられる。このとき、表面電極Hc,Lcは、表
面電極Hp,Lpよりも人体の中心から遠い部位に貼り
付けられる。上記各表面電極Hp,Lp,Hc,Lc
は、測定用ケーブル10によって本生体電気インピーダ
ンス測定装置100に接続されている。
【0026】つぎに、入力処理回路について説明する。
図2に示すように、表面電極Hpは、被験者の右の手甲
部Hに吸着方式により、導電可能に貼り付けられ、一
方、表面電極Lpは、右の足甲部Lに吸着方式により導
電可能に貼り付けられる。図1に示す差動増幅器81
は、2つの表面電極Hp,Lp間の電位差を検出する。
すなわち、差動増幅器81は、上記プローブ電流Iaが
被験者の体Bに投入されると、被験者の右手足間の電圧
Vpを検出し、LPF82へ入力する。この電圧Vp
は、表面電極Hpと表面電極Lpとの間における被験者
の体Bの生体電気インピーダンスによる電圧降下であ
る。
【0027】上述したように、測定時において本装置に
雑音が混入した場合、出力処理回路側に混入した雑音は
表面電極Hcからカップリングコンデンサ80aに入力
する。また、入力処理回路側に混入した雑音は表面電極
Lcからカップリングコンデンサ80bに入力する。こ
れにより、差動増幅器81は、被験者の右手足間の電圧
Vpを検出する過程で、各入力端子に入力する雑音を実
質的に相殺する。
【0028】LPF82は、上記電圧Vpから高周波の
ノイズを除去し、A/D変換器83へ供給する。LPF
82のカットオフ周波数は、A/D変換器83のサンプ
リング周波数の半分より低い。これにより、A/D変換
器83によるA/D変換処理で発生する折り返し雑音が
除去される。A/D変換器83は、CPU3からデジタ
ル変換信号Sdが供給される度に、上記ノイズが除去さ
れた電圧Vpを所定のサンプリング周期でデジタル信号
に変換し、デジタル化された電圧Vpをサンプリング周
期毎にサンプリングメモリ84へ供給する。
【0029】次に、表面電極Lcは、図2に示すよう
に、被験者の右の足甲部Lに吸着方式により貼り付けら
れる。表面電極Lcとカップリングコンデンサ90(図
1参照)との間は、同軸ケーブル(図示せず)で接続さ
れており、同軸ケーブルのシールド部は接地されてい
る。I/V変換器91は、2つの表面電極Hc,Lc間
に流れる電流を検出して電圧に変換する。すなわち、I
/V変換器91は、プローブ電流Iaが被験者の体Bに
投入されると、被験者の右手足間を流れるプローブ電流
Iaを検出し、電圧Vcに変換した後、LPF92へ供
給する。
【0030】本実施の形態では、被験者の体Bへの測定
信号の入出力系(出力処理回路、被験者の体B、及び入
力処理回路)が平衡回路となっている。交流波形である
測定信号は、増幅器72を電流源として負極性の電流が
表面電極Hcから送出され、表面電極Lcを経て抵抗9
7、LPF96及び増幅器95の経路を流れると考える
こともできる。また、増幅器95を電流源として表面電
極Lcから送出され、表面電極Hcを経て抵抗74、L
PF73及び増幅器72の経路を流れる。この測定信号
が被験者の体Bに投入されている過程で、I/V変換器
91は、抵抗97間の電圧を検出する。
【0031】LPF92は、入力された電圧Vcから高
周波のノイズを除去し、A/D変換器93へ供給する。
LPF92のカットオフ周波数は、A/D変換器93の
サンプリング周波数の半分より低い。この場合も、A/
D変換器93によるA/D変換処理で発生する折り返し
雑音が除去される。A/D変換器93は、CPU3から
デジタル変換信号Sdが供給される度に、上記ノイズが
除去された電圧Vcを所定のサンプリング周期でデジタ
ル信号に変換し、デジタル化された電圧Vcをサンプリ
ング周期毎にサンプリングメモリ94へ供給する。
【0032】CPU3は、ROM6に記憶された処理プ
ログラムに従って、上述した測定処理部2による測定を
開始し、所定のサンプリング周期で、検出電圧Vp,V
cを所定の回数サンプリングした後、測定を停止する制
御を行う他、以下の処理を行う。はじめに、サンプリン
グメモリ84,94に格納された、時間の関数である電
圧Vp,Vcを逐次読み出してそれぞれフーリエ変換処
理する。これにより、周波数の関数である電圧Vp
(f),Vc(f)(fは測定周波数)に変換した後、
平均化を行い周波数毎の生体電気インピーダンスZ
(f)[=Vp(f)/Vc(f)]を算出する。
【0033】つぎに、本実施の形態による生体電気イン
ピーダンス測定装置の動作を説明する。まず、測定に先
だって、図2に示すように、2個の表面電極Hc,Hp
を被験者の右の手甲部Hに、2個の表面電極Lp,Lc
を被験者の右の足甲部Lにそれぞれ吸着方式により貼り
付ける。このとき、表面電極Hc,Lcを、表面電極H
p,Lpよりも人体の中心から遠い部位に貼り付ける。
【0034】つぎに、測定者(又は被験者自身)が、生
体電気インピーダンス測定装置のキーボード1を用い
て、被験者の身長、体重、性別及び年齢等の身体条件を
入力すると共に、測定開始から測定終了までの全測定時
間T、及び測定間隔t等を設定する。キーボード1から
入力されたデータ及び設定値は、RAM5に記憶され
る。
【0035】つぎに、測定者(又は被験者自身)がキー
ボード1の測定開始スイッチをオンにする。CPU3
は、まず、所定の初期設定を行った後、D/A変換器7
1に信号発生指示信号を送出する。この初期設定には、
インピーダンス軌跡(図3参照)における全サンプル
数、A/D変換器83,93のサンプリング周期、デジ
タル変換信号Sdの発生タイミングを算出する処理等が
含まれる。
【0036】これにより、D/A変換器71は、プロー
ブ電流Iaを所定回数繰り返し生成し、増幅器72、L
PF73、抵抗74、カップリングコンデンサ75、2
重シールド線である測定用ケーブル10を介して、被験
者の手甲部Hに貼り付けられた表面電極Hc(図2参
照)に送出する。これにより、500〜800μA程度
の測定信号が、表面電極Hcから被験者の体Bを流れ
る。
【0037】測定信号Iaが被験者の体Bに投入される
と、測定処理部2の差動増幅器81において、表面電極
Hp,Lpが貼り付けられた右手足間で生じた電圧Vp
が検出され、LPF82を経て、A/D変換器83へ供
給される。上述したように、測定用ケーブル10により
発生する浮遊容量を実質的に小さくすることができるた
め、ノイズの影響を低減することができる。
【0038】一方、I/V変換器91では、表面電極H
c,Lcが貼り付けられた右手足間を流れるプローブ電
流Ia(測定信号)が抵抗97において検出され、電圧
Vcに変換された後、LPF92を経てA/D変換器9
3へ供給される。このとき、CPU3からは、サンプリ
ング周期毎にA/D変換器83,93に対してデジタル
変換信号Sdが供給される。A/D変換器83では、デ
ジタル変換信号Sdの供給を受ける度に、電圧Vpをデ
ジタル信号に変換し、サンプリングメモリ84へ供給す
る。サンプリングメモリ84は、デジタル化された電圧
Vpを順次記憶する。
【0039】一方、A/D変換器93では、デジタル変
換信号Sdの供給を受ける度に、電圧Vcをデジタル信
号に変換し、サンプリングメモリ94へ供給する。サン
プリングメモリ94は、デジタル化された電圧Vcを順
次記憶する。CPU3は、プローブ電流(測定信号)I
aの繰返回数が、予め設定された回数に達すると、ま
ず、サンプリングメモリ84,94に格納された、時間
の関数である電圧Vp,Vcを逐次読み出す。
【0040】つぎに、読み出された電圧Vp,Vcを各
々フーリエ変換処理して周波数の関数である電圧Vp
(f),Vc(f)(fは周波数)に変換する。その
後、この電圧Vp(f),Vc(f)を平均化し、周波
数毎の生体電気インピーダンスZ(f)(=Vp(f)
/Vc(f))を算出する。
【0041】図3は、本実施の形態によるインピーダン
ス軌跡を説明する図である。CPU3は、算出された周
波数毎の上記生体電気インピーダンスZ(f)に基づい
て、最小二乗法等の演算手法によりカーブフィッティン
グを行い、図3に示されるようなインピーダンス軌跡D
を求める。また、得られたインピーダンス軌跡Dから、
被験者の体Bの周波数0時の生体電気インピーダンスR
0と、周波数無限大時の生体電気インピーダンスR∞
(インピーダンス軌跡Dの円弧がX軸と交わる点のX軸
座標値に相当)とを算出し、算出結果から被験者の体B
の細胞内液抵抗と細胞外液抵抗とを算出する。
【0042】さらに、CPU3は、算出された細胞内液
抵抗と細胞外液抵抗、及びキーボード1から入力された
被験者の身長、体重、性別及び年齢等の人体特徴データ
等に基づいて、予め処理プログラムの中に組み込まれて
ある身体組成推定式を駆使して、被験者の体Bの体脂肪
率、脂肪重量、除脂肪重量、細胞内液抵抗、細胞外液抵
抗及びこれらの総和たる体内水分量(体液量)の各量を
算出する。
【0043】つぎに、CPU3は、全測定時間Tが経過
したか否かを判断し、経過したとの結論が得られれば、
以後の測定処理を終了する。また、経過していなけれ
ば、測定間隔に相当する時間tが経過するのを待った
後、再び同様の測定処理を開始する。上述の処理を、全
測定時間Tが経過するまで繰り返す。以上により、本実
施の形態では、出力処理回路側と入力処理回路側とを平
衡回路にすることで、各インピーダンスを実質的に同一
にし、外部からの雑音に強くすることができる。
【0044】また、被験者の体Bに貼り付けられる表面
電極Hc,Lcに近い位置に抵抗74,97を設けるこ
とにより、出力処理回路側と入力処理回路側の各インピ
ーダンスがケーブルの浮遊容量による影響を受け難くな
る。ケーブルは容量管理されておらず、この容量によっ
て、インピーダンス値が左右され易く、温度によっても
変化しやすい。表面電極Hc,Lcに最も近い位置に抵
抗74,97を設けることで、抵抗74、97の存在が
ケーブル容量の影響を小さくすることができる。
【0045】また、本実施の形態による構成によれば、
プローブ電流Iaとして、多くの周波数成分を含むにも
かかわらず1m秒程度にエネルギーが分散し、しかも、
周波数スペクトルの振幅が全周波数領域にわたって略フ
ラットな信号を用いているので、体脂肪の状態や体内水
分分布の測定において、生体を損傷することもなく、ま
た、呼吸や脈による影響を取り除くことができ、全周波
数領域にわたってSN比のよい計測が可能である。さら
に、測定信号は、シフトレジスタ及び複数個の論理回路
のみから生成でき、構成が非常に簡単になる。
【0046】また、最小二乗法等によるカーブフィッテ
ィングの手法を用いて、周波数無限大時の生体電気イン
ピーダンスが求められるので、浮遊容量や外来ノイズの
影響を回避でき、細胞膜の容量成分を含まず、純粋な細
胞外液抵抗と細胞内液抵抗とを求めることができる。以
上、この発明の実施の形態を図面を参照して詳述してき
たが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるも
のではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の
変更等があってもよい。
【0047】たとえば、上記実施の形態では、出力処理
回路と入力処理回路による入出力系を平衡回路にするこ
とで、電流源としての増幅器72,95、LPF73,
96、及び抵抗74,97による両インピーダンスを実
質的に同じにしている。本発明はこれに限定されず、出
力処理回路側と入力処理回路側を平衡回路にして、出力
インピーダンス部76において接続されるインピーダン
ス74と、入力インピーダンス部98において接続され
るインピーダンス97が実質的に同一となる構成とする
ことにより類似の効果を得ることができる。
【0048】図4は、本発明の他の形態による生体電気
インピーダンス測定装置の電気的構成を示すブロック図
である。ここでは、上述した実施の形態に対応する出力
インピーダンス部77、及び入力インピーダンス部99
が設けられている。これらは、増幅器72及び抵抗7
4、増幅器95及び抵抗97により各々構成されてい
る。また、D/A変換器71のアンテナ出力は双極性と
なるようにしており、これにより、出力処理回路側と入
力処理回路側とが平衡回路になっている。以上より、本
発明の電気特性測定装置は、測定信号供給手段(出力処
理回路、D/A変換器71等)、電流測定手段(電流検
出回路、I/V変換器91等)、電圧測定手段(電圧検
出回路、差動増幅器81等)、及び演算手段(CPU
3)により構成される。
【0049】測定信号供給手段は、電流源となる増幅器
72及び抵抗74を有し、被験者の互いに隔たる所定の
2箇所の表面部位に導電可能に付けた表面電極Hc,L
cを介して、測定信号を生成して被験者に投入する。電
流測定手段は、電流源となる増幅器95及び抵抗97を
有し、測定信号供給手段及び被験者との間で平衡回路を
形成し、被験者に投入された測定信号の電流値を測定す
る。電圧測定手段は、表面電極Hc,Lcよりも被験者
の体の中心に近い位置であって、互いに隔たる所定の2
箇所の表面部位に導電可能に付けた表面電極Hp,Lp
を介して、電圧値を測定する。演算手段は、電流及び電
圧測定手段により各々測定された電流値及び電圧値によ
り、被験者の表面部位間の生体電気特性を算出する。
【0050】また、測定信号供給手段が有する抵抗74
は、増幅器72よりも表面電極Hcに近い位置に設けら
れる。表面電極Hcに最も近くに設けられることが好ま
しい。電流測定手段が有する抵抗97は、増幅器95よ
りも表面電極Lcに近い位置に設けられている。表面電
極Hcに最も近くに設けられることが好ましい。この構
成により、外部から混入する雑音、及びケーブルが有す
る容量の影響を抑えることができる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、浮遊容量に基づくノイ
ズの影響を低減し、生体電気インピーダンス法に基づい
て生体電気特性を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による生体電気インピーダ
ンス測定装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態による生体電気インピーダ
ンス測定装置の使用状態を模式的に示す図である。
【図3】インピーダンス軌跡を説明する図である。
【図4】本発明の他の形態による生体電気インピーダン
ス測定装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】人体の電気的等価回路図(等価回路モデル)で
ある。
【符号の説明】
1 キーボード 2 測定処理部 3 CPU 4 表示器 5 RAM 6 ROM 10 測定用ケーブル 71 D/A変換器 72,95 増幅器 73,82,92,96 LPF 74,97 抵抗 75,80a,80b,90 カップリングコンデンサ 76,77 出力インピーダンス部 98,99 入力インピーダンス部 81 差動増幅器 83,93 A/D変換器 84,94 サンプリングメモリ Hc,Lc,Hp,Lp 表面電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C027 AA06 CC01 FF01 FF02 KK03 KK05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電流供給源、第1インピーダンス及び被
    験者の体の所定の表面部位に導電可能に付ける第1電極
    と、電流流入源、第2インピーダンス及び前記表面部位
    と隔たる所定の表面部位に導電可能に付ける第2電極と
    が平衡回路を構成し、被験者の体に測定信号を供給する
    信号供給手段と、 前記被験者の体に供給した電流を測定する電流測定手段
    と、 前記被験者の体の所定の表面部位間で発生する電位差を
    測定する電圧測定手段と、 前記電流測定手段によって測定された電流値と前記電圧
    測定手段によって測定された電圧値とから生体電気特性
    を演算する演算手段と、を備えることを特徴とする電気
    特性測定装置。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2インピーダンスは、前
    記第1及び第2電極の近傍に設けられていることを特徴
    とする請求項1記載の電気特性測定装置。
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