JP2003116523A - 桜の花から分離した酵母及びその取得方法並びに該酵母を用いた清酒その他の飲食品の製造方法 - Google Patents

桜の花から分離した酵母及びその取得方法並びに該酵母を用いた清酒その他の飲食品の製造方法

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JP2003116523A JP2001316048A JP2001316048A JP2003116523A JP 2003116523 A JP2003116523 A JP 2003116523A JP 2001316048 A JP2001316048 A JP 2001316048A JP 2001316048 A JP2001316048 A JP 2001316048A JP 2003116523 A JP2003116523 A JP 2003116523A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 桜の木の花より清酒などの醸造用に優れた性
状を示す酵母を分離し、吟醸香の豊かな酒類及び飲食品
を製造する。 【解決手段】 桜の花より分離した酵母サッカロミセス
セレビッシエに属する酵母株を、分離選抜し、これを
用いて従来製品よりバランスが良く、フルーティーな香
りの豊かな酒類及び飲食品を製造し、提供する。特に本
発明の桜酵母を使用して醸造された清酒は、ほのかな香
りの中に甘さと酸味が調和しており、ユニークな清酒と
してその商品価値が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、桜の花から分離さ
れ、甘くフルーティーな香りを持つ清酒醸造用酵母及び
その取得方法並びに清酒その他の飲食品の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】各種アルコール飲料は、各々要求される
性質が異なることからその製造に用いられる醸造用酵母
は、その製造するアルコール飲料に適したもの、例えば
清酒には清酒酵母、ビールにはビール酵母等が選択され
使用されている。近年、清酒の消費は長期低落傾向にあ
り、最も消費された1970年代の60% 程度にまで減少して
いるが、これは清酒の仕込み配合等が旧態依然であり、
消費者の嗜好の変化に十分に対応しきれていないこと
や、清酒の殆どのものが、既存の醸造協会系酵母を使用
して製造され、その個性が無くなっていること、さらに
は飲酒時のアルコール度数が他の酒類に比べて高いこと
などがその要因として考えられる。また、酵母を使用し
て得られる飲食品、特には発酵飲食品、例えば、ワイ
ン、ビール、清酒などのアルコール含有飲料、味噌、醤
油、酢などの発酵調味料、パンなどは、その使用される
酵母の産生する香気成分、例えば、エステル類やアルコ
ール類により、それらが有する香りの特性が決定され、
それにより発酵生産物の品質に大きな影響を与えている
と考えられている。したがって、それら香気成分を産生
する性状により、得られた製品の香気特性が大きく異な
ることとなり、得られた製品品質に大きく影響すること
となり、酵母を利用する産業にとって如何なる酵母を得
てそれを利用するかは重要な課題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、現代的な
嗜好に適合した新たな清酒用酵母の開発が求められてい
る。また、そうした酵母は優れた香りや味の飲食品の製
造に有用と考えられる。例えば、日本酒の香りには、日
本酒らしい香り「基調香」と、「上立香」及び「含み
香」とがある。「上立香」は盃に鼻を近づけるとふわっ
と香る果実のような、そして花のような香を言い、吟醸
香が代表的なものである。「含み香」は、口の中に入れ
たとき口中に広がる落ちついた香で、揮発性の弱い成分
で構成されている。日本酒の香りの成分は300 種類近く
が報告されており、主な香り成分は上記したように高級
アルコール類、エステル類などの系統に分けられている
が、それら含まれる成分の微妙な調和の上により優れる
と評価される清酒が生まれている。最近では、食生活の
変化などに伴い、フルーティーな香りを持った飲食品、
特にはワイン、ビール、清酒などのアルコール含有飲
料、味噌、醤油、酢、漬物などの発酵調味料、パン、菓
子などが好まれている。特に、清酒などにおいて、さわ
やかな果物様の高貴で好ましい香りをもつアルコール含
有飲料、さらには食品材料などが好まれる傾向にあるの
で、こうした嗜好に適した酵母の開発が求められてい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
の結果、日本を代表する桜の花から清酒用酵母としても
利用でき且つ新規な特性を持つ酵母を分離することに成
功し、当該酵母を使用して清酒を製造することに成功
し、本発明をなすに至った。すなわち、本発明は、 〔1〕 桜の花の花びらより採取された酵母を、乳酸酸
性条件下の酵母培養培地を使用して、この培地上でアル
コール濃度を段階的に高めていって生育していく株を分
離し、この分離株を米糖化液を培地に使用して培養し、
生育旺盛で且つ高濃度のアルコールを生産する株を選択
することを特徴とする桜の花から分離した酵母の取得方
法; 〔2〕 上記〔1〕に記載の方法により桜の花の花びら
から分離された酵母から選択される有機酸の生成が少な
く且つ甘くフルーティーな香りを持つ清酒を醸造するこ
とができることを特徴とする桜の花から分離した酵母; 〔3〕 清酒醸造用酵母であることを特徴とする上記
〔2〕記載の酵母; 〔4〕 桜の花の花びらより単離され、米糖化液を使用
しての発酵において、生育旺盛で且つ高濃度のアルコー
ルを生産する清酒製造に適した酵母サッカロミセス セ
レビッシエ(Saccharomyces cerevisiae)〔独立行政法人
産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(IPOD)受
託番号 FERM P-18560〕であることを特徴とする上記
〔2〕又は〔3〕記載の酵母;
【0005】〔5〕 上記〔2〕〜〔4〕のいずれか一
に記載の酵母を用いて醸造することを特徴とする清酒の
製造方法; 〔6〕 上記〔2〕〜〔4〕のいずれか一に記載の酵母
を用いて発酵して得られたフルーティーな芳香をもつ飲
食品; 〔7〕 飲食品が、例えば、ビール、ワイン、サイダ
ー、清酒、老酒など、またアルコール発酵製品をさらに
蒸留して得られるウイスキー、ブランデー、焼酎などの
アルコール含有飲料、味噌、醤油、酢、漬物などの発酵
調味料、パン、酒饅頭、中華饅頭などの菓子製品などの
フルーティーな芳香をもつ発酵飲食品である上記〔6〕
記載の芳香をもつ飲食品; 〔8〕 フルーティーな芳香をもつアルコール含有飲料
が、清酒、果実酒又は雑種発酵酒である上記〔7〕記載
の芳香をもつ飲食品;
〔9〕 酵母を、米又は小麦を原料として発酵させるも
のである上記〔8〕記載の芳香をもつ飲食品; 〔10〕 アルコール含有飲料が、フルーティーな芳香を
もつ清酒である上記〔8〕又は
〔9〕記載の芳香をもつ
飲食品; 〔11〕 上記〔2〕〜〔4〕のいずれか一に記載の酵母
を用いて発酵することを特徴とするフルーティーな芳香
をもつ飲食品の製造方法;及び 〔12〕 飲食品が、果物様芳香をもつアルコール含有飲
料である上記〔11〕記載の芳香をもつ飲食品の製造方法
を提供する。
【0006】本発明のその他の目的、特徴、優秀性及び
その有する観点は、以下の記載より当業者にとっては明
白であろう。しかしながら、以下の記載及び具体的な実
施例等の記載を含めた本件明細書の記載は本発明の好ま
しい態様を示すものであり、説明のためにのみ示されて
いるものであることを理解されたい。本明細書に開示し
た本発明の意図及び範囲内で、種々の変化及び/又は改
変(あるいは修飾)をなすことは、以下の記載及び本明
細書のその他の部分からの知識により、当業者には容易
に明らかであろう。本明細書で引用されている全ての文
献は、説明の目的で引用されているもので、それらは本
明細書の一部としてその内容はここに含めて解釈される
べきものである。
【0007】
【発明の実施の形態】自然界の花にはそれぞれ酵母が付
着していることが知られている。そこで、日本を代表す
る花「桜」を対象として、桜の花から清酒醸造に適した
酵母を分離することを行った。先ず、それぞれの桜の木
から1本あたり5〜6輪の花を採取する。桜の花に付着
する酵母は、次に培養プレート上で培養を繰り返す。培
地には、乳酸を添加して酸性条件とし、より高いアルコ
ール濃度を与えるものを選別する。徐々により高いアル
コール濃度を与えるものを分離することができた。例え
ば、山口県宇部市阿知須町の桜の木(ソメイヨシノ)の
花びらから分離され、「やまぐち・桜酵母」と命名され
た酵母では、花から採取されてから一年目の培養では、
アルコール濃度は1〜2%と低かったが、二年目では、
アルコール濃度は5%から徐々にその濃度が上がり、10
%の濃度で生育するようになった。桜の花から該酵母を
分離するにあたっては、乳酸酸性下の培地を使用して、
アルコール濃度を段階的に高めていることなどをする必
要があった。
【0008】かくして、桜の花の花びらより採取された
酵母を、乳酸酸性条件下の酵母培養培地を使用して、こ
の培地上でアルコール濃度を段階的に高めていって生育
していく株を分離し、この分離株を米糖化液を培地に使
用して培養し、生育旺盛で且つ高濃度のアルコールを生
産する株を選択することにより、清酒醸造に適し且つ桜
の花より分離された酵母が得られる。得られた分離株を
清酒醸造用酵母として清酒を製造することにより、有機
酸の生成が少なく且つ甘くフルーティーな香りを持つ清
酒が得られる。ここに得られる酵母のうち、最も優れた
性状を有すると評価され、「やまぐち・桜酵母」と命名
された酵母は、 (1) 既存の清酒酵母に対して無害(キラー因子を持たな
い); (2) 発酵の至適温度は、15〜20℃であり、既存の清酒酵
母よりも高い; (3) アルコールの生成速度は、既存の清酒酵母とほぼ同
じ程度である; (4) 有機酸の生成が少ない; (5) 官能評価で発酵により甘くフルーティーな香りを生
産する; といった特性を示す菌株であり、優れた味わいを持つ清
酒を製造可能な菌株である。該酵母株は、米糖化液を使
用しての発酵において、生育旺盛で且つ高濃度のアルコ
ールを生産する。
【0009】本発明により提供される、桜の花から分離
した新規微生物は、下述するサッカロミセス セレビッ
シエ(Saccharomyces cerevisiae)に属する菌株である。
即ち、(i) 古川、秋山の方法(古川敏郎、秋山裕一:農
化, 37, 398(1963))に従ってTTC 染色性試験、即ち菌体
を適当に希釈し(1プレートに約200 程度となるよ
う)、TTC 下層培地に30℃で2日間プレート培養したコ
ロニー上へ、TTC 寒天を溶解後45℃程度にしてから静か
に重層し、固まった後30℃に2〜3時間放置し、コロニ
ーの染色性を観察したとき、ピンク色を示し、且つ(ii)
溝口、藤田の方法(溝口晴彦、藤田栄信:醗工, 59, 18
5(1981))に従ってD.C.染色性試験、すなわち菌体を適当
に希釈し(1プレートに約200 程度となるよう)、TTC
下層培地に30℃で2日間プレート培養したコロニー上
へ、上層用軟寒天を溶解後45℃程度にしてから静かに重
層し、固まった後室温に30分放置し、コロニーの染色を
観察したとき、白色を示すことにより識別され、さらに
遺伝子解析により「やまぐち・桜酵母」の同定を行い、
28 rRNA 遺伝子 (rDNA) D1/D2 領域塩基配列を決定し、
両者相互の比較 DNAデータベース (GenBankTM) での相
同性検索を行った結果、当該さくら酵母の帰属分類群
が、サッカロミセス セレビッシエであった。これらの
解析から、サッカロミセス セレビッシエに属する新菌
株である。
【0010】該「やまぐち・桜酵母」と命名された酵母
は、醸造用酵母(サッカロミセスセレビッシエ)であっ
て下記の菌学的性質を有する菌株、すなわち (a) YM培地を用い、30℃で2日間培養したときの菌の形
態: (1) 栄養細胞の大きさ:4〜8μm (2) 栄養細胞の形状:卵型 (3) 増殖の形態:出芽 (b) YM寒天培地を用い、30℃で2日間培養したときのコ
ロニーの形態: (1) 形態:円 (2) ***:凸円状 (3) 周縁:円滑 (4) 大きさ(直径):2〜3mm (5) 色調:白色で不透明 (6) 表面:円滑で光沢あり (c) 炭素源資化性:グルコース、ガラクトース、シュク
ロース、D-マルトース、トレハロース、ラフィノース、
イヌリン、マンノース、エタノール、乳酸、フラクトー
ス及びアラビノースは資化する,セロビオース、ラクト
ース、メリビオース、メレヂトース、スターチ、α−メ
チルグルコシド、D-キシロース、D-リボース、L-ラムノ
ース、グリセロール、メソ−エリスリトール、D-ソルビ
トール、D-マンニトール、サリシン、コハク酸、クエン
酸及びイノシトールは資化しない, (d) ビタミン要求性:パントテン酸カルシウム及びビオ
チンについては要求性があるが、ピリドキシン、イノシ
トール、チアミンについては要求性がない, (e) 耐塩性:18%の塩化ナトリウムを含む2%YPD 寒天
培地において成育可能である。
【0011】本発明の酵母の培地としては、炭素源、窒
素源、無機イオン、さらに必要に応じ有機微量栄養素を
含有する通常の培地が使用できる。炭素源としては、資
化可能な炭素化合物またはこれを含有するものであれば
よく、例えば、グルコース、ガラクトース、フラクトー
ス、マンノース、シュクロース、デンプン加水分解物、
果汁、セルロース分解物などの炭水化物が良好に用いら
れる。窒素源としては、資化可能な窒素化合物またはこ
れを含有するものであればよく、例えば、硫安、カザミ
ノ酸、ペプトンなどが使用される。また、リン酸、鉄、
カリウム、マグネシウム、亜鉛、マンガン、銅、カルシ
ウムなどの無機塩類を適宜使用することができる。さら
に必要に応じ菌の生育に必要なアミノ酸、ビオチン、リ
ボフラビン、ピリドキシン、ニコチン酸、パントテン
酸、葉酸、チアミンなどのビタミン類などを培地に添加
して用いることができる。例えば、麦芽汁培地、麦芽汁
寒天培地、YM寒天培地(酵母エキス、麦芽エキス、ペプ
トン、グルコース、寒天、蒸留水、pH 5〜6)、PGY 培地
(酵母エキス、ペプトン、グルコース、蒸留水、pH 5〜
6)、V-8 ジュース培地(V-8 ジュース、圧搾パン酵母、
KOH 、寒天、蒸留水)、ゴロドワ(Gorodkowa) 寒天培地
(グルコース、ペプトン、NaCl、寒天、蒸留水)などが
挙げられる。
【0012】特に好適な培地は、酵母エキス、ポリペプ
トン、グルコースなどよりなる培地が挙げられる。ま
た、培地中に、乳酸を添加して、本酵母を優先的に保持
しておくことも好ましい。この場合乳酸は、培地中に、
例えば1 μg/ml〜250 mg/ml 、好ましくは200 μg/ml〜
50 mg/ml添加しておくことができる。培養は、温度10〜
40℃、好ましくは15〜37℃で、pH3.0 〜7.0 、好ましく
は3.5 〜6.0 で行われる。酵母の培養は、震盪培養、通
気培養、攪拌培養、静置培養などの好気的、嫌気的培養
など適宜好ましい方法を選択して行うことができる。
【0013】本発明の酵母を用いてフルーティーな芳香
を持つ清酒などのアルコール含有飲料を製造する場合、
酵母は予め前培養しておくことが好ましい。例えば、寒
天斜面培地などに保持されている酵母は、適当な液体栄
養培地で静置培養され、それを酵母源とされることがで
きる。清酒製造などでは、例えばもろみの約7%にあた
る米と麹を用い酒母の製造がなされる。発酵の原料とし
ては、糖質を含有するもの、セルロース質あるいはデン
プン質のもの、例えば、サトウキビやこれから採った糖
蜜、サツマイモ、ジャガイモ、トウモロコシ、キャサ
バ、テンサイなど、果物あるいは野菜の汁、例えば、麦
芽汁、ブドウ、リンゴ、マルメロ、グレープフルーツ、
オレンジ、ミカンなどの柑橘類、カリン、ナシ、西洋ナ
シ、ビワ、アンズ、ウメ、カキ、サクランボ、スモモ、
ナツメ、モモ、ネクタリン、イチジク、キイチゴ、グ
ミ、ザクロ、キウイフルーツ、マンゴー、バナナ、パイ
ンアップル、パパイヤ、グアバ、ヤシなどの果汁、穀
物、例えば、米、小麦などから調整されたもろみなど、
小麦粉を主として含むもの、例えば、パン生地、菓子パ
ン生地、饅頭生地などが挙げられる。穀物、例えば、
米、小麦など、ジャガイモ、サツマイモなどのイモ類な
どに含まれるセルロース質あるいはデンプン質のものを
利用する場合、それらセルロース質あるいはデンプン質
のものを予め発酵可能な糖類に変換しておくことが好ま
しい。清酒用のもろみは特に好ましく用いられる。
【0014】アルコール含有飲料を製造する場合などで
は目的とする飲料の種類に応じ、酒税法及び酒税法施行
令や規則などの法令に定められた原料を用いることが好
ましい。例えば、清酒では、米、麦、ヒエ、アワ、トウ
モロコシ、コウリャン、キビ、及びこれらから得られる
糖質を用いることができる。糖質は酵母によりそのまま
発酵しうるが、デンプン質、セルロース質などのものは
まず液化酵素、糖化酵素などにより発酵可能な糖質に転
化された後、本酵母の作用を受け発酵せしめられる。こ
のような酵素源としては当該分野で公知のもののうちか
ら選択して用いることができ、例えば、麦芽、麹などに
含まれるもの、乳酸菌、糸状菌、例えば、アスペルギル
ス オリゼー(Aspergillus oryzae)などの麹生産菌など
が生産するもの、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、
ジアスターゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ、ラクターゼ
などの酵素などを挙げることができる。醸造は、所望製
品により異なるが、例えば、清酒では温度5 〜20℃、好
ましくは10〜20℃で行われる。
【0015】例えば、清酒では、まずもろみの約7%に
あたる蒸米と麹を用い酵母の培養物たる酒母の製造がな
される。次に炭素源とする原料、水及び無機塩類を温度
管理のできるタンクに仕込み、酒母を添加して発酵を開
始する。一般に清酒、焼酎などの製造では、発酵の始め
に炭素源の一部を仕込み、発酵に伴い残りの炭素源を追
加していく段仕込みが行われる。もろみの製造は、清酒
では、おおよそ約15℃を中心に約10℃〜約18℃で管理さ
れるが、より低温で処理し香りを重視した方法を採るこ
ともできる。もろみの発酵は、約15日〜45日程度で終了
されるのが一般的である。焼酎製造では、清酒よりやや
高い温度で処理され、かつもろみの期間も短縮できる。
もろみは発酵が順調に進むように攪拌することもできる
し、その温度も各段階に応じて変化調整することができ
る。
【0016】清酒では、こうして得られたもろみは圧搾
濾過などにより酒粕と分離されて原酒となる。本発明の
酵母を用いて得られるフルーティーな芳香を持つアルコ
ール含有飲料としては、ビール、ワイン、サイダー、清
酒、老酒、紹興酒など、また発酵製品をさらに蒸留して
得られるウイスキー、ブランデー、焼酎、ジン、テキー
ラ、ウォッカ、その他の酒類などが挙げられる。特に好
ましいものとしては清酒が挙げられる。果実から得られ
る果汁、例えば、ブドウ果汁、ミカン果汁を利用すれ
ば、ワインが得られる。パンの製造には、酵母が用いら
れ、得られる製品の風味は使用する酵母の産生する香気
成分に大きな影響を受けている。パン生地は、小麦粉を
主な原料とし、食塩、油脂、水に、酵母を加えて形成さ
れる。必要に応じ、砂糖、脱脂粉乳、製パン用改良剤
(フード)、卵、その他調味剤などが配合されてよい。
【0017】代表的な製パン法としては、直捏法と中種
法が挙げられる。パン生地の配合例としては、例えば、
2kgの全小麦粉使用の場合の70%中種製パン法では、
小麦粉70重量%、酵母2.2 重量%、フード0.1 重量%及
び水43重量%を中種とし、約24℃で捏ね、次に小麦粉30
重量%、砂糖5重量%、食塩2重量%、油脂5重量%、
脱脂粉乳3重量%及び水28重量%の本捏とするなどが挙
げられる。この他、中華饅頭、酒饅頭などの和菓子、中
華料理材料の製造に利用できる。また調味料、発酵飲料
などの製品の風味はその使用する酵母の産生する香気成
分に大きな影響を受けている。焼肉のタレは、例えば、
薄口醤油20重量%、砂糖10重量%、味噌5重量%、白ゴ
マ0.5 重量%、水63.5重量%、そして酵母1重量%を含
むといった組成を有する。また、漬物、食酢、例えば、
米酢、リンゴ酢、ワインビネガーなど、ミリン製造など
にも応用できる。本発明の酵母を利用する際、酵母は固
定化して用いることもできる。酵母の固定化は、通常当
該分野で一般的に用いられている方法によることができ
るが、例えば、アルギン酸カルシウムゲル法(「バイオ
リアクターの応用技術、−固定化生体触媒の製法と利用
−」、19頁、シーエムシー発行、1986年)などが挙
げられる。
【0018】
【実施例】以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明
するが、この実施例は単に本発明の説明のため、その具
体的な態様の参考のために提供されているものである。
これらの例示は本発明の特定の具体的な態様を説明する
ためのものであるが、本願で開示する発明の範囲を限定
したり、あるいは制限することを表すものではない。本
発明では、本明細書の思想に基づく様々な実施形態が可
能であることは理解されるべきである。全ての実施例
は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的な技術を用
いて実施したもの、又は実施することのできるものであ
り、これは当業者にとり周知で慣用的なものである。
【0019】実施例1:山口県内の桜の木(延べ50本)
の花びらを対象に、グルコースと麹を使用してそれを培
地とし、発酵を行った。アルコール生成量の多いものを
選択した。桜の花びらは一本の木当たり5〜6輪を摘ん
で使用した。花びらは滅菌水で洗ってそこに付着してい
る菌を採取する。採取された菌は、次にYPD 培地(酵母
エキス1%、ポリペプトン2%、グルコース2%)5ml
で30℃にて24時間培養した。菌体を遠心分離で集菌した
後、滅菌水で2回洗浄した。次いで、適宜希釈し、乳酸
(5 mg/ml) を含む YPM寒天平板培地(酵母エキス1%、
ポリペプトン2%、アルコール1%、寒天2%)に塗布
した。これを20℃で2日間培養し、生育の早い株を分
離した。この分離株は、次に、米糖化液(しょ糖度8
%)に植菌し、30℃で2日間培養後、10 ml の該培養液
をアルコール及び乳酸添加米糖化液(しょ糖度11.5%)
400 mlに加えた。これを20℃で7日間培養し、菌体を遠
心分離後、培養液のアルコール濃度及びエキス分を測定
し、アルコール生産性が優れた株の選択を行った。
【0020】こうして得られた酵母株について発酵試験
を行い、発酵力及び産生香気成分の官能評価をした。先
ずYEPD培地に、桜の花から得られた酵母株を接種し、30
℃で24時間振とう培養した。こうして得られた前培養酵
母液3 mlを麹エキス・α−麹培地(ファルコンチューブ
入り麹エキス(Be 6.0) 20 ml及びα−麹8 g)に接種し、
30℃で10日間培養した。重量減少から発酵力の強いもの
を15株選抜した。発酵生成物を専門家パネラーによる官
能試験にかけた。官能試験の結果すべてフルーティーで
好ましい香気を持つとの評価を得たものを選抜した。こ
こに得られる酵母のうち、最も優れた性状を有すると評
価されたものを「やまぐち・桜酵母」と呼称する。この
株は、米糖化液に生育旺盛で高濃度にアルコール (17%)
を生産する。「やまぐち・桜酵母」株と各種協会酵母と
の培養液の分析値を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】この結果から明らかなように、桜の花から
分離された酵母「やまぐち・桜酵母」は他の酵母に比べ
て特に酢酸の生成が極端に少なく、このことは酸度が低
いことにも連動しており、清酒としてふくらみがあり、
甘く感じる要因である。清酒用酵母としてユニークなも
のであることが判る。
【0023】実施例2:実施例1で分離選択されて得ら
れた「やまぐち・桜酵母」株及び市販清酒酵母株につい
て総米 200 gを用いての小仕込試験を行い、発酵力及び
産生する香気成分などを専門家パネラーによって官能評
価をした。この試験に用いた仕込配合を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】酒母には、ボーメ6の麹エキスに各酵母を
植菌し、30℃で2日間培養した培養液30 ml とした。こ
の分、汲水をつめる。この仕込配合のもと、10℃一定と
して20日間醸造した。重量の減少、アルコール、総酸
度、アミノ酸度と専門家パネラーによる官能評価の結果
を表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】清酒製造にあたっては、高温経過の発酵を
とり、仕込み水の使用量を増やすとよいなどの特性が認
められ、ほのかな香りの中に甘さと酸味が調和している
ものが得られるとの評価が得られた。
【0028】実施例3:実施例1で分離選択されて得ら
れた「やまぐち・桜酵母」株につき仕込醸造試験を行っ
た。総米 100 kg を用いた。この仕込試験に用いた仕込
配合を表4に示す。
【0029】
【表4】
【0030】酒母歩合7%、麹歩合20%、汲水歩合135
%で、乳酸は汲水100 リットル当たり300 ml添加する。
醸造工程の概略を図1に示す。米は山口県産の新米で精
白は50%としたものを用いた。洗米は吟醸用洗米機を用
いて行った。洗米の手順は、先ずステンレスのザルに米
5キログラムを計量して入れ、水を張った半切れ中に浸
漬し、手で軽く攪拌する。90秒後水から上げて、洗米機
にかけ、20秒運転する。停止後続いて200 リットル/分
の水で掛け水し、再び20秒洗米機にかけ運転する。停止
後続いてさらに200 リットル/分の水で60秒掛け水した
後、目的の吸水率になるまで浸漬する。蒸しの工程は、
ホリケン社製の吟醸こしきG-100 型を用いて40分間蒸し
を行った。製麹は、麹室で箱麹法により行った。はぜ回
り3〜4割程度のつきはぜタイプのものとした。酒母
は、それぞれのタンクで温度制御のできる酒母タンクで
普通速醸、12日目使用とした。
【0031】仕込みは300 リットル容の温度制御醪タン
クで、初添え15℃、仲添え8℃、留添え6℃を目標に仕
込みを行った。後半は切れが鈍り、最終的に40日〜43日
の長期醪になった。上槽は、320 リットル容の油圧の自
動絞り機を用い、念入りに洗浄した酒袋を用い、1本の
醪を数回に分けて搾った。得られた清酒原酒について香
気成分などの分析を行った。ガスクロマトグラフィーは
島津製GC-14A、カラムはDB-WAX 0.32 mm×30 Mを用い、
カラム温度85℃、注入温度250 ℃、検出器はFID 、検出
温度250 ℃、キャリアガスHeで、30 ml/min.、スプリッ
ト比10:1の条件で行った。試料の調製は、10 ml 容ガラ
スバイアルに、試料の清酒を0.8 mlずつサンプリング
し、内部標準液を0.1 ml加えた後、セプタムを穴あきア
ルミキャップで密栓し、50℃で30分間加温後、予め70℃
に保温しておいた5 ml容シリンジで1 ml注入した。
【0032】
【表5】
【0033】表5に示す官能検査は5点法(1:優、
3:可、5:不可)で行い、パネラー11名の平均値で
示した。この結果、「やまぐち・桜酵母」株で醸造した
清酒は、清酒の香気成分の中で特に重要な成分とされて
いる酢酸イソアミルやカプロン酸エチルの含有量が多
く、官能的にもフルーティーな香りが強く認められる新
しいタイプの清酒となった。また、清酒中の有機酸の主
成分であるコハク酸含量が抑えられ、官能的にさわやか
な風味の清酒となった。
【0034】「やまぐち・桜酵母」を使用して、製造さ
れた清酒の特性を以下に示す: 製品 清酒 A 清酒 B 清酒 C 清酒 D アルコール (%) 6.5 13.5 9.5 13.5 日本酒度 -74 4.5 -30 -16 酸度 4.6 1.5 4.7 1.5
【0035】いずれも官能試験でフルーティーで香りが
優れ、すっきりしたタイプの酒に仕上がっていると評価
された。甘口でワインに似た飲み心地の清酒と評価され
る。また、比較的さっぱりしたもの、適度な酸味があ
り、深みがあると評価されるものが得られていた。酵母
「やまぐち・桜酵母」株は、平成13年10月11日から茨城
県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(旧住所表記:
茨城県つくば市東1丁目1番3号) (郵便番号 305-856
6)の独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託セン
ター(National Institute of Advanced Industrial Sc
ience and Technology, International Patent Organis
m Depositary: IPOD)(旧名称:経済産業省産業技術総
合研究所生命工学工業技術研究所(NIBH))に寄託され
て保管されている(受託番号 FERM P-18560)。
【0036】実施例4:実施例1で分離され、「やまぐ
ち・桜酵母」と命名された菌株の菌学的性質(形態的性
質及び生理学的性質)について観察した。 4-(1).形態学的性質 YM培地を用い、当該酵母菌体を30℃の温度で2日間静置
培養し、得られたものについて光学顕微鏡で観察した。
観察結果から明らかなように、いずれの栄養細胞もその
大きさは4〜8μm で卵型であった。そしてまたYM寒天
培地上ではいずれの菌株もつやのある白色のコロニーを
形成した。
【0037】a. TTC染色性 古川、秋山の方法(古川敏郎、秋山裕一:農化, 37, 39
8 (1963)) に従って試験した。即ち、菌体を適当に希釈
し(1プレートに200 程度となるよう)、下層培地に30
℃で2日間プレート培養したコロニー上へ、TTC 寒天を
溶解後45℃程度にしてから静かに重層し、固まった後30
℃に2〜3時間放置し、コロニーの染色状況を観察し
た。協会7号、協会 901号は赤く染色したが、当該酵母
はピンクであった。 b. D.C.染色性 溝口、藤田の方法(溝口晴彦、藤田栄信:醗工, 59, 18
5 (1981)) に従って試験した。即ち、菌体を適当に希釈
し(1プレートに約200 程度となるよう)、TTC 下層培
地に30℃で2日間プレート培養したコロニー上へ、上層
用軟寒天を溶解後45℃程度にしてから静かに重層し、固
まった後室温に30分放置しコロニーの染色状況を観察し
た。当該酵母は白色であった。
【0038】以上の菌学的性質の観察から、本菌、即
ち、「やまぐち・桜酵母」は、従来の酵母から客観的に
区別されるものであることが判明し、本発明者らは、こ
れを新菌と認定した。さらにこれらの性質は、20代に
わたる継代培養を行っても維持されて、本菌、即ち、
「やまぐち・桜酵母」の独特の性質である。 4-(2).アルコール耐性 本菌株のアルコール耐性を調べた。即ち、10 ml のYPD
培地で30℃、2日間静置培養した各酵母洗浄菌体を、エ
タノール濃度が 8, 11, 14%で、グルコース濃度が1%
である、0.1 M 酢酸緩衝液(pH4.3) のそれぞれ6 ml中に
懸濁して、30℃で3日間自己消化を行い、生存率を測定
した。その結果を表6に示した。
【0039】
【表6】
【0040】本発明は、前述の説明及び実施例に特に記
載した以外も、実行できることは明らかである。上述の
教示に鑑みて、本発明の多くの改変及び変形が可能であ
り、従ってそれらも本件添付の請求の範囲の範囲内のも
のである。
【0041】
【発明の効果】本発明では、桜の木の桜の花から分離選
択された酵母から、バランスよい香気と適度なバランス
の口当たりの清酒を生成する酵母を分離育種する方法が
提供される。この方法で得られた酵母を用いて従来にな
いユニークな特性を持ち、吟醸香の豊かな清酒を含めた
酒類及び飲食品を製造することができる。本発明の新規
な桜の花の酵母を用いれば、高貴で好ましい香りであ
り、非常に上品な芳香の製品、特には清酒などのアルコ
ール含有飲料を与えることのでき、フルーティーな香り
を持った飲食品、特にはワイン、ビール、清酒などのア
ルコール含有飲料、味噌、醤油、酢、漬物などの発酵調
味料、パン、菓子など、特に、清酒などにおいて、高貴
で好ましい香りをもつ飲食品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】仕込醸造工程の概説図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏木 享 山口県山口市平井567−14 (72)発明者 山岡 邦雄 山口県宇部市北琴芝2−12−25 (72)発明者 加藤 美都子 山口県宇部市西岐波1905−1 Fターム(参考) 4B014 GG18 GK05 4B032 DB01 DK54 DL05 4B047 LB07 LE01 LG59 LP19 4B065 AA80X AC05 AC11 AC20 BA23 BB26 CA42

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 桜の花の花びらより採取された酵母を、
    乳酸酸性条件下の酵母培養培地を使用して、この培地上
    でアルコール濃度を段階的に高めていって生育していく
    株を分離し、この分離株を米糖化液を培地に使用して培
    養し、生育旺盛で且つ高濃度のアルコールを生産する株
    を選択することを特徴とする桜の花から分離した酵母の
    取得方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法により桜の花の花
    びらから分離された酵母から選択される有機酸の生成が
    少なく且つ甘くフルーティーな香りを持つ清酒を醸造す
    ることができることを特徴とする桜の花から分離した酵
    母。
  3. 【請求項3】 清酒醸造用酵母であることを特徴とする
    請求項2記載の酵母。
  4. 【請求項4】 桜の花の花びらより単離され、米糖化液
    を使用しての発酵において、生育旺盛で且つ高濃度のア
    ルコールを生産する清酒製造に適した酵母サッカロミセ
    ス セレビッシエ(Saccharomyces cerevisiae)〔特許生
    物寄託センター(IPOD)受託番号 FERM P-18560〕であ
    ることを特徴とする請求項2又は3記載の酵母。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれか一に記載の酵母
    を用いて醸造することを特徴とする清酒の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2〜4のいずれか一に記載の酵母
    を用いて発酵して得られたフルーティーな芳香をもつ飲
    食品。
  7. 【請求項7】 飲食品が、例えば、ビール、ワイン、サ
    イダー、清酒、老酒など、またアルコール発酵製品をさ
    らに蒸留して得られるウイスキー、ブランデー、焼酎な
    どのアルコール含有飲料、味噌、醤油、酢、漬物などの
    発酵調味料、パン、酒饅頭、中華饅頭などの菓子製品な
    どのフルーティーな芳香をもつ発酵飲食品である請求項
    6記載の芳香をもつ飲食品。
  8. 【請求項8】 フルーティーな芳香をもつアルコール含
    有飲料が、清酒、果実酒又は雑種発酵酒である請求項7
    記載の芳香をもつ飲食品。
  9. 【請求項9】 酵母を、米又は小麦を原料として発酵さ
    せるものである請求項8記載の芳香をもつ飲食品。
  10. 【請求項10】 アルコール含有飲料が、フルーティー
    な芳香をもつ清酒である請求項8又は9記載の芳香をも
    つ飲食品。
  11. 【請求項11】 請求項2〜4のいずれか一に記載の酵
    母を用いて発酵することを特徴とするフルーティーな芳
    香をもつ飲食品の製造方法。
  12. 【請求項12】 飲食品が、果物様芳香をもつアルコー
    ル含有飲料である請求項11記載の芳香をもつ飲食品の
    製造方法。
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