JP2003115740A - 水晶デバイス - Google Patents

水晶デバイス

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JP2003115740A
JP2003115740A JP2001311905A JP2001311905A JP2003115740A JP 2003115740 A JP2003115740 A JP 2003115740A JP 2001311905 A JP2001311905 A JP 2001311905A JP 2001311905 A JP2001311905 A JP 2001311905A JP 2003115740 A JP2003115740 A JP 2003115740A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水晶振動子の発する基準信号が配線層で大きく
減衰する。 【解決手段】水晶振動子5が搭載される搭載部を有し、
該搭載部から外表面にかけて導出される配線層2を有す
る基体1と、前記基体1の搭載部に搭載され、電極が前
記配線層2に電気的に接続されている水晶振動子5と、
前記基体1に取着され、前記水晶振動子5を気密に収容
する蓋体3とから成る水晶デバイス6であって、前記基
体1が40乃至46重量%の酸化珪素と、25乃至30
重量%の酸化アルミニウムと、8乃至13重量%の酸化
マグネシウムと、6乃至9重量%の酸化亜鉛と、8乃至
11重量%の酸化ホウ素とから成る結晶性ガラスで、配
線層2が2.5μΩ・cm以下の比電気抵抗を有する金
属材で形成されており、かつ前記水晶振動子5は弾性率
が2.8GPa以下の支持体7を介して基体1の搭載部
に搭載されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータ等の
情報処理装置や携帯電話等の電子装置において、時間お
よび周波数の基準源として使用される水晶デバイスに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等の情報処理装置や携帯電
話等の電子装置において時間および周波数の基準源とし
て使用される水晶デバイスは、一般に、四角板状の水晶
基板に電圧印加用の電極を形成して成る水晶振動子を、
水晶振動子収納用パッケージ内に気密に収容することに
よって形成されている。
【0003】前記水晶振動子収納用パッケージは、一般
に、酸化アルミニウム質焼結体等の電気絶縁材料から成
り、上面中央部に水晶振動子を収容する空所を形成する
ための凹部、および凹部表面から外表面にかけて導出さ
れた、タングステン、モリブデン等の高融点金属等の金
属材料から成る配線層を有する基体と、鉄−ニッケル−
コバルト合金、鉄−ニッケル合金等の金属材料、または
酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックス材料から成
る蓋体とから構成されている。
【0004】そして、水晶振動子の電極を基体の凹部内
表面に露出する配線層及びその周辺の基体表面に固定材
を介して取着することにより、水晶振動子が凹部内に接
着固定されるとともに配線層に電気的に接続され、しか
る後、基体の上面に蓋体を接着材による接着やシーム溶
接等の接合手段により取着し、基体と蓋体とから成る容
器内部に水晶振動子を気密に収容することによって製品
としての水晶デバイスが完成する。
【0005】なお、水晶振動子を取着するための固定材
としては、一般に、エポキシ樹脂等の有機樹脂と、銀粉
末等の導電性粉末とを主材として混合して成る導電性接
着材が使用されている。
【0006】また、蓋体を基体にシーム溶接で取着する
場合、通常、予め基体の凹部周囲に枠状のロウ付け用メ
タライズ層を形成しておくとともにこのメタライズ層に
金属枠体をロウ付けし、金属枠体に蓋体をシーム溶接す
る方法が用いられる。
【0007】更に前記水晶デバイスの外部電気回路基板
への実装は、基体の外表面に導出された配線層を外部電
気回路基板の配線導体に半田等の導電性接続材を介して
接続することによって行われ、水晶振動子は配線層を介
し外部電気回路に電気的に接続されるとともに外部電気
回路から印加される電圧に応じて所定の周波数で振動
し、基準信号を外部電気回路に供給する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
水晶デバイスは基体が酸化アルミニウム質焼結体で形成
されており、該酸化アルミニウム質焼結体の比誘電率は
9〜10(室温、1MHz)と高いことから基体に設け
た配線層を伝わる水晶振動子の基準信号の伝搬速度が遅
く、そのため基準信号を高周波とし信号の高速伝搬を要
求する水晶振動子は収容が不可となり、基準信号の周波
数が低いものに特定されるという欠点を有していた。
【0009】またこの従来の水晶デバイスにおいては基
体に形成されている配線層はタングステンやモリブデ
ン、マンガン等の高融点金属材料により形成されてお
り、該タングステン等はその比電気抵抗が5.4μΩ・
cm(20℃)以上と高いことから配線層に基準信号を
伝搬させた場合、基準信号に大きな減衰が生じ、基準信
号を外部電気回路に正確、かつ確実に伝搬させることが
できないという欠点を有していた。
【0010】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は、水晶振動子の基準信号を外部電気回路
に高速かつ正確、確実に供給することができる水晶デバ
イスを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、水晶振動子が
搭載される搭載部を有し、該搭載部から外表面にかけて
導出される配線層を有する基体と、前記基体の搭載部に
搭載され、電極が前記配線層に電気的に接続されている
水晶振動子と、前記基体に取着され、前記水晶振動子を
気密に収容する蓋体とから成る水晶デバイスであって、
前記基体が40乃至46重量%の酸化珪素と、25乃至
30重量%の酸化アルミニウムと、8乃至13重量%の
酸化マグネシウムと、6乃至9重量%の酸化亜鉛と、8
乃至11重量%の酸化ホウ素とから成る結晶性ガラス
で、配線層が2.5μΩ・cm以下の比電気抵抗を有す
る金属材で形成されており、かつ前記水晶振動子は弾性
率が2.8GPa以下の支持体を介して基体の搭載部に
搭載されていることを特徴とするものである。
【0012】また本発明の水晶デバイスは、前記支持体
がゴム粒子を添加したエポキシ樹脂から成ることを特徴
とするものである。
【0013】本発明の水晶デバイスによれば、基体を4
0乃至46重量%の酸化珪素と、25乃至30重量%の
酸化アルミニウムと、8乃至13重量%の酸化マグネシ
ウムと、6乃至9重量%の酸化亜鉛と、8乃至11重量
%の酸化ホウ素とから成る結晶性ガラスで形成し、かか
る結晶性ガラスの比誘電率が約5(室温1MHz)と低
いことから、基体に設けた配線層を伝わる水晶振動子の
基準信号の伝搬速度を速いものとして基準信号を高周波
とし信号の高速伝搬を要求する水晶振動子の収容が可能
となって基準信号の周波数を非常に高いものとなすこと
ができる。
【0014】また同時に上記結晶性ガラスは焼成温度が
850〜1100℃と低いことから、基体と同時焼成に
より形成される配線層を比電気抵抗が2.5μΩ・cm
以下と低い銅や銀、金で形成することができ、その結
果、配線層に水晶振動子の基準信号を伝搬させた場合、
基準信号に大きな減衰を生じることはなく、基準信号を
外部電気回路に正確、かつ確実に伝搬させることが可能
となる。
【0015】更に本発明の水晶デバイスによれば、基体
の搭載部に、例えば、ゴム粒子を添加したエポキシ樹脂
等から成る弾性率が2.8GPa以下の支持体を被着さ
せるとともに、該支持体に水晶振動子を固定材で接着固
定するようにしたことから外部環境の変化に伴い基体と
水晶振動子に熱が繰り返し作用し、基体と水晶振動子と
の間に両者の熱膨張係数差に起因する熱応力が繰り返し
発生したとしても、その熱応力は支持体を適度に変形さ
せることによって吸収され、水晶振動子の基体に対する
固定が破れることはなく、その結果、基体に水晶振動子
を長期間にわたり確実、強固に固定することが可能とな
り、水晶デバイスの長期信頼性を高いものとなすことが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明の水晶デバイスについ
て添付の図面を基にして詳細に説明する。図1は本発明
の水晶デバイスの一実施例を示す断面図であり、図1に
おいて、1は基体、2は配線層、3は蓋体である。この
基体1と蓋体3とにより形成される容器4内に水晶振動
子5を気密に収容することにより水晶デバイス6が形成
される。
【0017】前記基体1は、40乃至46重量%の酸化
珪素と、25乃至30重量%の酸化アルミニウムと、8
乃至13重量%の酸化マグネシウムと、6乃至9重量%
の酸化亜鉛と、8乃至11重量%の酸化ホウ素とから成
る結晶性ガラスで形成されており、その上面に水晶振動
子を5を収容するための空所となる凹部1aが設けてあ
り、該凹部1a内に水晶振動子5が収容される。
【0018】また前記基体1は、凹部1aの表面から外
表面にかけて配線層2が導出されており、配線層2の凹
部1a表面に露出する部位に水晶振動子5の電極が導電
性接着材等の固定材8を介して接着固定され、外表面に
導出された部位は外部電気回路基板の配線導体に半田等
のロウ材を介して接続される。
【0019】前記結晶性ガラスから成る基体1は、例え
ば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等
の原料粉末にアクリル樹脂を主成分とするバインダー及
び分散剤、可塑剤、有機溶媒を加えて泥漿物を作るとと
もに該泥漿物をドクターブレード法やカレンダーロール
法を採用することによってグリーンシート(生シート)
となし、しかる後、前記グリーンシートに適当な打ち抜
き加工を施すとともにこれを複数枚積層し、約850℃
〜1100℃の温度で焼成することによって製作され
る。
【0020】前記基体1を40乃至46重量%の酸化珪
素と、25乃至30重量%の酸化アルミニウムと、8乃
至13重量%の酸化マグネシウムと、6乃至9重量%の
酸化亜鉛と、8乃至11重量%の酸化ホウ素とから成る
結晶性ガラスで形成すると基体1の比誘電率が約5(室
温1MHz)と低い値になり、その結果、基体1に設け
た配線層2を伝わる水晶振動子5の基準信号の伝搬速度
を速いものとして基準信号を高周波とし信号の高速伝搬
を要求する水晶振動子5の収容が可能となって基準信号
の周波数を非常に高いものとなすことができる。
【0021】また上述の結晶性ガラスはその焼成温度が
約850℃〜1100℃と低いことから、基体1と同時
焼成により形成される配線層2を比電気抵抗が2.5μ
Ω・cm(20℃)以下と低い銅や銀、金で形成するこ
とができ、その結果、配線層2に水晶振動子5の基準信
号を伝搬させた場合、基準信号に大きな減衰が生じるこ
とはなく、基準信号を外部電気回路に正確、かつ確実に
伝搬させることが可能となる。
【0022】なお、前記結晶性ガラスは焼成時にガーナ
イト(ZnO・Al23)、コージェライト(2MgO
・2Al23)、スピネル型結晶相(MgO・Al
23、ZnO・Al23)等の結晶相を生成し、これら
の結晶相の生成によって基体1の強度が向上する。
【0023】また、前記結晶性ガラスは、酸化珪素の量
が40重量%未満、或いは46重量%を超えると結晶性
ガラスの焼成温度が高いものとなって銅等の金属材料か
らなる配線層2と同時に焼成するのが困難となる。従っ
て、酸化珪素の量は40〜46重量%の範囲に特定され
る。
【0024】更に酸化アルミニウムの量が25重量%未
満、或いは30重量%を超えると結晶性ガラスの焼成温
度が高いものとなって銅等の金属材料からなる配線層2
と同時に焼成するのが困難となる。従って、酸化アルミ
ニウムの量は25〜30重量%の範囲に特定される。
【0025】また更に酸化マグネシウムの量が8重量%
未満となると焼成によって結晶性ガラスからなる基体1
を製作する際、生成するコージェライト(2MgO・2
Al 23)の量が少なくなって基体1の強度を大きく向
上させることができず、また13重量%を超えると結晶
性ガラスの焼成温度が高いものとなって銅等の金属材料
からなる配線層2と同時に焼成するのが困難となる。従
って、酸化マグネシウムの量は8〜13重量%の範囲に
特定される。
【0026】更にまた酸化亜鉛の量が6重量%未満とな
ると焼成によって結晶性ガラスからなる基体1を製作す
る際、生成するガーナイト(ZnO・Al23)の量が
少なくなって基体1の強度を大きく向上させることがで
きず、また9重量%を超えると結晶性ガラスの焼成温度
が高いものとなって銅等の金属材料からなる配線層2と
同時に焼成するのが困難となる。従って。酸化亜鉛の量
は6〜9重量%の範囲に特定される。
【0027】更にまた酸化ホウ素の量が8重量%未満と
なると焼成によって結晶性ガラスからなる基体1を製作
する際、ガーナイト(ZnO・Al23)、コージェラ
イト(2MgO・2Al23)、スピネル型結晶相(M
gO・Al23、ZnO・Al23)等の結晶相が過剰
に生成され、基体1が多孔質のものとなって容器4の気
密の信頼性が大きく低下してしまい、また11重量%を
超えると耐薬品性が低下し、水晶デバイスとしての信頼
性が低下してしまう。従って、酸化ホウ素の量は8〜1
1重量%の範囲に特定される。
【0028】前記結晶性ガラスは更にその内部に無機物
フィラー、具体的にはアルミナ、シリカ、窒化珪素、窒
化アルミニウム等の粉末を外添加で10〜100重量部
添加含有させておくと機械的強度が大幅に向上し、外力
印加によって破損等を招来するのが有効に阻止される。
従って、基体1の機械的強度を向上させ、外力印加によ
って破損等を招来しないようにするには前記結晶性ガラ
スに無機物フィラーを外添加で10〜100重量部添加
含有させて基体1を形成することが好ましい。
【0029】前記無機物フィラーはまたその粒径を0.
5μm〜5μmの範囲としておくとガラスセラミック焼
結体中に均一に分散含有させて基体1の機械的強度を均
一に向上させることができる。従って、前記無機物フィ
ラーはその粒径を0.5μm〜5μmの範囲としておく
ことが好ましい。
【0030】また前記基体1に形成されている配線層2
は、凹部1a内に収容される水晶振動子5と外部電気回
路基板の配線導体とを電気的に接続する作用をなし、例
えば、金、銀、銅等の比電気抵抗が2.5μΩ・cm以
下の金属材により形成されており、銅から成る場合であ
れば、銅粉末に適当な有機溶剤、有機バインダー等を添
加混合して得た金属ペーストを、基体1となるグリーン
シートの表面にスクリーン印刷法等で所定パターンに印
刷塗布しておくことによって形成される。
【0031】なお、前記配線層2は、その露出する表面
をニッケル、金等の耐食性およびロウ材との濡れ性の良
好な金属から成るめっき層(不図示)で被覆しておく
と、配線層2の酸化腐食を良好に防止することができる
とともに、配線層2に対する半田等のロウ材の濡れ性を
良好とすることができ、外部電気回路基板の配線導体に
対する配線層2の接続をより一層容易、かつ確実なもの
とすることができる。従って、前記配線層2は、その露
出する表面をニッケル、金等のめっき層、例えば、順次
被着された厚み1μm〜10μmのニッケルまたはニッ
ケル合金めっき層、厚み0.1〜3μmの金めっき層で
被覆しておくことが好ましい。
【0032】また前記配線層2の表面をニッケル、金等
のめっき層で被覆する場合、その最表面の算術平均粗さ
(Ra)を1.5μm以下、自乗平均平方根粗さ(Rm
s)を1.8μm以下としておくと最表面の光の反射率
が40%以上となって水晶振動子5を配線層2に固定材
8を介して固定する際、その位置決め等の作業が容易と
なる。従って、前記配線層2の表面をニッケル、金等の
めっき層で被覆する場合、その最表面の算術平均粗さ
(Ra)を1.5μm以下、自乗平均平方根粗さ(Rm
s)を1.8μm以下としておくことが好ましい。
【0033】更に前記配線層2の表面を被覆するニッケ
ル、金等からなるめっき層の最表面の算術平均粗さ(R
a)を1.5μm以下、自乗平均平方根粗さ(Rms)
を1.8μm以下とするには配線層2を従来周知のワッ
ト浴にイオウ化合物等の光沢剤を添加した電解ニッケル
めっき液に浸漬して配線層2の表面にニッケルめっき層
を被着させ、しかる後、シアン系の電解金めっき液中に
浸漬し、ニッケルめっき層表面に金めっき層を被着させ
ることによって行なわれる。
【0034】また更に前記基体1の凹部1a内表面には
支持体7が取着されており、該支持体7の上面には前記
配線層2の一部が導出され、配線層2の導出部が形成さ
れている支持体7の上面に水晶振動子5が導電性接着材
等の固定材8を介して固定される。
【0035】前記支持体7はゴム粒子を添加したエポキ
シ樹脂等の弾性率が2.8GPa以下のもので形成され
ており、支持体7の弾性率が2.8GPa以下で、変形
し易いことから、外部環境の変化に伴い基体1と水晶振
動子5に熱が繰り返し作用し、基体1と水晶振動子5と
の間に両者の熱膨張係数差に起因する熱応力が繰り返し
発生したとしても、その熱応力は支持体7を適度に変形
させることによって吸収され、基体1や水晶振動子5、
支持体7、固定材8等に機械的な破壊が招来することは
なく、その結果、基体1に水晶振動子5を長期間にわた
り確実、強固に支持固定することが可能となり、水晶デ
バイス6の長期信頼性を高いものとなすことができる。
【0036】なお、前記支持体7はその弾性率が2.8
GPaを超えると外部環境の変化に伴って基体1と水晶
振動子5の両者に繰り返し熱が作用した際、基体1と水
晶振動子5との両者の熱膨張係数差に起因する熱応力が
支持体7に繰り返し作用して支持体7に機械的な破壊を
招来し、水晶振動子5の固定が破れて水晶デバイス6の
信頼性が大きく低下してしまう。従って、前記支持体7
はその弾性率が2.8GPa以下のものに特定される。
【0037】また前記弾性率が2.8GPa以下の支持
体7としては、アクリルゴム、イソプレンゴム等のゴム
粒子を添加したエポキシ樹脂に対して、銀粉末等の導電
性粉末を15乃至60重量%の割合で添加したものが好
適に使用される。
【0038】また前記エポキシ樹脂としては、(オル
ソ)クレゾールノボラック型、フェノールノボラック
型、ナフタレン系アラルキル型、ポリサルファイド変性
型等のエポキシ樹脂、特に未硬化時に半固体状(粘度が
3000P(ポアズ)以上、室温)のものが好適に使用
される。この場合、エポキシ樹脂へのゴム粒子の添加量
を増加させることにより支持体7の弾性率を低下させる
ことができ、エポキシ樹脂の状態(構造、架橋度、重合
度、硬化剤の種類等)に応じて適宜ゴム粒子の添加量を
制御することにより支持体7の弾性率を2.8GPa以
下とすることができる。またエポキシ樹脂へのゴム粒子
の添加量が50重量%を超えると、支持体7の保形性が
大きく低下し、この支持体7上に水晶振動子5を、固定
材8を介して強固に接着固定することが困難となる傾向
にある。従って、エポキシ樹脂中にゴム粒子を添加する
場合、その添加量は、支持体7の弾性率を2.8GPa
以下とする範囲で、50重量%以下としておくことが好
ましい。
【0039】前記支持体7は、その弾性率が1GPa未
満になると、変形し易くなりすぎるため水晶振動子5を
基体1上に支持固定しておくことが困難となる傾向があ
る。従って、前記支持体7はその弾性率を、2.8GP
a以下の範囲で、1GPa以上としておくことが好まし
い。
【0040】また、前記弾性率が2.8GPa以下の支
持体7は、上述のエポキシ樹脂組成物に限らず、シリコ
ーン樹脂等の低弾性率の熱硬化性樹脂にシリカ等のフィ
ラー成分を添加した樹脂組成物に導電性粉末を添加する
ことにより形成してもよい。
【0041】前記水晶振動子5が搭載されている基体1
は、その上面に蓋体3が取着され、これによって基体1
と蓋体3とから成る容器4内部に水晶振動子5が気密に
収容され、水晶デバイス6となる。
【0042】前記蓋体3は、鉄−ニッケル−コバルト合
金、鉄−ニッケル合金等の金属材料や、酸化アルミニウ
ム質焼結体等のセラミック材料により形成され、例え
ば、鉄−ニッケル−コバルト合金のインゴット(塊)に
圧延加工、打ち抜き加工等の周知の金属加工を施すこと
によって形成される。
【0043】更に前記蓋体3の基体1への取着は、ロウ
材、ガラス、有機樹脂接着剤等の接合材を介して行う方
法や、シーム溶接等の溶接法により行うことができ、例
えば、蓋体3をシーム溶接にて取着する場合は通常、基
体1の凹部1a周囲に枠状のロウ付け用メタライズ層9
を配線層2と同様の方法で被着させておくとともに、該
ロウ付け用メタライズ層9に金属枠体10を銀ロウ等の
ロウ材を介してロウ付けし、しかる後、前記金属枠体1
0に金属製の蓋体3を載置させるとともに蓋体3の外縁
部をシーム溶接することによって行われる。この場合、
金属枠体10は、その上面と側面との間の角部に曲率半
径が5〜30μmの丸みを形成しておくと金属枠体10
の上面側にバリが形成されることがなく、この金属枠体
10の上面に蓋体3をシーム溶接する際に両者を信頼性
高く気密に、かつ強固に接合させることができる。従っ
て、前記金属枠体10はその上面と側面との間の角部を
曲率半径が5〜30μmの丸みをもたせるようにしてお
くことが好ましい。
【0044】また更に、前記金属枠体10は、その下面
と側面との間の角部に曲率半径が40〜80μmの丸み
を形成しておくと、該金属枠体10をロウ付け用メタラ
イズ層9にロウ材を介して接合する際、ロウ付け用メタ
ライズ層9と金属枠体10の下面側角部との間に空間が
形成されるとともに該空間にロウ材の大きな溜まりが形
成されて金属枠体10のロウ付け用メタライズ層9への
接合が強固となる。従って、前記金属枠体10をロウ付
け用メタライズ層9にロウ材を介して強固に接合させる
には金属枠体10の下面と側面との間の角部に曲率半径
が40〜80μmの丸みを形成しておくことが好まし
い。
【0045】かくして上述の水晶デバイス6によれば、
配線層2を外部電気回路に接続し、水晶振動子5の電極
に所定の電圧を印加させることによって水晶振動子5は
所定の振動数で振動し、コンピュータ等の情報処理装置
や携帯電話等の電子装置において時間および周波数の基
準源として使用される。
【0046】なお、本発明は上述の実施例に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば
種々の変更は可能であり、例えば、図2に示すように、
支持体7上に突起11を設けて固定材8をより一層強固
に接着させるようにしてもよい。
【0047】また上述の水晶デバイス6では基体1に凹
部1aを設け、該凹部1a内に水晶振動子5を収容する
ようになしたが、これを図3に示す如く、平坦な基体1
上に水晶振動子5を搭載固定し、該固定された水晶振動
子5を椀状の蓋体3で気密に封止するようになした水晶
デバイス6にも適用し得る。
【0048】
【発明の効果】本発明の水晶デバイスによれば、基体を
40乃至46重量%の酸化珪素と、25乃至30重量%
の酸化アルミニウムと、8乃至13重量%の酸化マグネ
シウムと、6乃至9重量%の酸化亜鉛と、8乃至11重
量%の酸化ホウ素とから成る結晶性ガラスで形成し、か
かる結晶性ガラスの比誘電率が約5(室温1MHz)と
低いことから、基体に設けた配線層を伝わる水晶振動子
の基準信号の伝搬速度を速いものとして基準信号を高周
波とし信号の高速伝搬を要求する水晶振動子の収容が可
能となって基準信号の周波数を非常に高いものとなすこ
とができる。
【0049】また同時に上記結晶性ガラスは焼成温度が
850〜1100℃と低いことから、基体と同時焼成に
より形成される配線層を比電気抵抗が2.5μΩ・cm
以下と低い銅や銀、金で形成することができ、その結
果、配線層に水晶振動子の基準信号を伝搬させた場合、
基準信号に大きな減衰を生じることはなく、基準信号を
外部電気回路に正確、かつ確実に伝搬させることが可能
となる。
【0050】更に本発明の水晶デバイスによれば、基体
の搭載部に、例えば、ゴム粒子を添加したエポキシ樹脂
等から成る弾性率が2.8GPa以下の支持体を被着さ
せるとともに、該支持体に水晶振動子を固定材で接着固
定するようにしたことから外部環境の変化に伴い基体と
水晶振動子に熱が繰り返し作用し、基体と水晶振動子と
の間に両者の熱膨張係数差に起因する熱応力が繰り返し
発生したとしても、その熱応力は支持体を適度に変形さ
せることによって吸収され、水晶振動子の基体に対する
固定が破れることはなく、その結果、基体に水晶振動子
を長期間にわたり確実、強固に固定することが可能とな
り、水晶デバイスの長期信頼性を高いものとなすことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水晶デバイスの一実施例を示す断面図
である。
【図2】本発明の水晶デバイスの他の実施例を示す要部
断面図である。
【図3】本発明の水晶デバイスの他の実施例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1・・・・・基体 1a・・・・凹部 2・・・・・配線層 3・・・・・蓋体 4・・・・・容器 5・・・・・水晶振動子 6・・・・・水晶デバイス 7・・・・・支持体 8・・・・・固定材 9・・・・・ロウ付け用メタライズ層 10・・・・金属枠体 11・・・・突起

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水晶振動子が搭載される搭載部を有し、該
    搭載部から外表面にかけて導出される配線層を有する基
    体と、前記基体の搭載部に搭載され、電極が前記配線層
    に電気的に接続されている水晶振動子と、前記基体に取
    着され、前記水晶振動子を気密に収容する蓋体とから成
    る水晶デバイスであって、前記基体が40乃至46重量
    %の酸化珪素と、25乃至30重量%の酸化アルミニウ
    ムと、8乃至13重量%の酸化マグネシウムと、6乃至
    9重量%の酸化亜鉛と、8乃至11重量%の酸化ホウ素
    とから成る結晶性ガラスで、配線層が2.5μΩ・cm
    以下の比電気抵抗を有する金属材で形成されており、か
    つ前記水晶振動子は弾性率が2.8GPa以下の支持体
    を介して基体の搭載部に搭載されていることを特徴とす
    る水晶デバイス。
  2. 【請求項2】前記支持体がゴム粒子を添加したエポキシ
    樹脂から成ることを特徴とする請求項1記載の水晶デバ
    イス。
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