JP2003115622A - 磁気抵抗効果素子及び該磁気抵抗効果素子を備える不揮発性固体メモリ - Google Patents

磁気抵抗効果素子及び該磁気抵抗効果素子を備える不揮発性固体メモリ

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JP2003115622A
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magnetic
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Akio Koganei
昭雄 小金井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不揮発性固体メモリに適した良好な特性を確
保する。 【解決手段】 垂直磁化膜からなる第1磁性層101と
第2磁性層102と、これら第1磁性層101と第2磁
性層102との間に積層されて設けられたトンネル絶縁
層105と、第1磁性層101および第2磁性層102
と絶縁層105との界面部分に設けられて第1磁性層1
01および第2磁性層102より高いスピン分極率を有
する第3磁性層103および第4磁性層104とを備え
る。そして、トンネル絶縁層105の膜厚は、最小値
が、第3磁性層103と第4磁性層104の磁化方向が
反平行な状態が実現されるような膜厚であり、最大値
が、スピントンネルによる磁気抵抗効果が生じる膜厚に
より設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、垂直磁化膜を用い
た磁気抵抗効果素子及びこの磁気抵抗効果素子を備える
不揮発固体メモリに関し、特にトンネル磁気抵抗効果素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】昨今、例えば携帯電話やPDA(Person
al Data Assistant)等を中心とする携帯型電子機器、
いわゆるモバイル端末の開発が盛んになっている。この
種のモバイル端末においては、情報格納用メモリとし
て、大容量の高速アクセスが可能な不揮発性固体メモリ
の必要性が叫ばれている。近年、非磁性層を強磁性層の
間に挟み込んだ磁気抵抗効果膜で巨大磁気抵抗効果(Gi
ant Magnet Resistance)が発見され、この現象を利用
した磁気センサ、不揮発性固体磁気メモリ(以下、MR
AMと称する。)が注目を集めている。強磁性層、非磁
性絶縁層、強磁性層の順に積層された薄膜の膜垂直方向
に電流を流したときの電気抵抗の変化は、強磁性層のス
ピン分極率の差により、非磁性絶縁層をトンネルバリア
層としたトンネル電流の変化として検知され、トンネル
磁気抵抗効果(TMR効果)と呼ばれている。このTMR
効果を用いたTMR素子では、高い磁気抵抗比が得られ
ることから、MRAMや磁気ヘッド等の実用化に向けて
開発が加速している。
【0003】MRAMでは、2つの強磁性層とその間に
挟んだ薄い絶縁層が情報を記憶する基本構造となる。絶
縁層を挟み込んだ強磁性層の磁化方向が揃っている場合
と、磁化方向が逆向きである反平行な場合とで、抵抗値
が異なる現象を利用して、“0”、“1”の状態を記憶
する。
【0004】情報を読み出す際には、抵抗の絶対値で判
断する絶対検出方式や、書き込みの際より弱い磁場を印
加して、保磁力が低い方の強磁性層だけ磁化方向を反転
させて“0”、“1”の状態を読み出す差動検出方式が
知られている。
【0005】情報を書き込む際に、絶対検出方式では、
2つの強磁性層のうち、保磁力が低い一方の磁化方向を
外部磁界で変化させることで行う。差動検出方式では、
2つの強磁性層のうち、保磁力が高い一方の磁化方向を
外部磁界で変化させることで行う。磁気抵抗効果素子の
近傍に配置した配線に電流を流して、発生する磁界を利
用する方法が知られている。
【0006】MRAMは、磁気的に記憶されるため放射
線耐性に優れ、原理的に不揮発であり、高速で書き込み
回数の制限がない利点がある。そして、MRAMは、既
存の半導体技術を利用することにより、高密度記録が容
易に行えるため、将来的にDRAM(Dynamic Random-A
ccess Memory)との置き換えが期待されている。
【0007】MRAMに用いられる磁性材料は、磁化方
向で分類すると、膜面に平行な磁化成分を有する面内磁
化膜型と、膜面に垂直な磁化成分を有する垂直磁化膜型
とに分けられる。NiFe,Co等の強磁性体は、磁化
方向が膜面に平行な面内磁化膜型であるが、この面内磁
化膜では磁性体の微細化が進むと磁極同士が近づいて反
磁界が大きくなるため、磁化のカーリング現象が起きる
という問題がある。
【0008】カーリング現象が発生することによって、
磁化方向を判別することが困難になる。したがって、面
内磁化膜を用いたMRAMでは、形状異方性を付与する
ために、メモリセルとなる強磁性層を平面的に見て長軸
を有する例えば長方形等の形状に形成する必要がある。
長方形の長軸と短軸の比は、少なくとも2倍以上必要だ
と予想される。したがって、カーリング現象を防止する
ために、メモリセルのサイズが制約を受けて、集積度を
向上させる阻害要因となる。
【0009】一方、強磁性層として、例えばTbFe,
TbFeCo,GdFe等の希土類−遷移金属からなる
フェリ磁性体を用いる場合、これら磁性体の垂直磁気異
方性が高いため、膜厚と組成によっては、磁化方向を膜
面に対し垂直方向に持つ垂直磁化膜となる。垂直磁化膜
の場合には、磁化方向は、形状的に最も反磁界が大きい
膜面垂直方向を向いており、垂直磁気異方性を示す時点
で既に最大の反磁界係数に打ち勝っていることになる。
つまり、面内磁化膜のようにメモリセルを長方形に形成
する必要がなく、メモリセルの幅寸法と長さ寸法を等し
くすることができる。さらに、素子を微細化することに
よって、磁化容易軸である膜厚方向に比較して、平面的
な面積が小さくなるため、形状的な異方性の観点では、
磁化のカーリング現象がより起き難い方向になる。その
ため、垂直磁化膜型は、メモリセル部の集積度を向上す
る上では、面内磁化膜型に比較して有利である。これ
は、特開平11−213650号公報に開示されてい
る。
【0010】従来、面内磁化膜を用いたTMR素子のト
ンネル障壁となる絶縁層の特性に関して多数の提案があ
る。例えば、特開平10−091925号公報ではバリ
アポテンシャルを0.5から3eVに限定する技術が開
示されている。また、特開平11−6168249号公
報では、絶縁障壁層が金属層およびその表面酸化物層で
構成され、厚さ1.7nm以下で、酸化物層が1分子層
以上とする技術が開示されている。この種の技術は、そ
の他にも多数開示されている。
【0011】また、絶縁層の作製方法に関しても多数の
提案がある。例えば、特開平11−054814号公報
に、自然酸化による障壁層の作製方法が開示されてお
り、特開2000−036628号公報では障壁層がプ
ラズマ酸化で形成され、特開2000−077744号
公報では絶縁層を、アルミナを用いたスパッタ加工によ
って、厚さ1nm〜2nmに形成する技術が開示されて
いる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、垂直磁
化膜を利用したTMR素子をMRAMに用いる場合に
は、MRAMに適した絶縁層の諸条件に関しては見出さ
れていなかった。すなわち、本発明は、垂直磁化膜を利
用したMRAMに適したトンネル障壁となる絶縁層を見
出すことである。また、上述した絶縁層を達成する上で
生じる製造コストを可能な限り低減することである。
【0013】したがって、本発明は、不揮発性固体メモ
リに適した良好な特性を確保することができる磁気抵抗
効果素子を提供することを目的とする。
【0014】また、本発明は、情報の記録再生動作の安
定性を向上し、高速に記録再生可能な不揮発性固体メモ
リを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明に係る磁気抵抗効果素子は、垂直磁化膜か
らなる第1磁性層および第2磁性層と、これら第1磁性
層と第2磁性層との間に積層されて設けられた絶縁層
と、第1磁性層と絶縁層との界面部分に設けられて第1
磁性層より高いスピン分極率を有する第3磁性層と、第
2磁性層と絶縁層との界面部分に設けられて第2磁性層
より高いスピン分極率を有する第4磁性層とを備える。
そして、絶縁層は、膜厚が、第3磁性層と第4磁性層の
磁化方向が反平行な状態が実現されるような膜厚であ
り、最大値が、スピントンネルによる磁気抵抗効果が生
じる膜厚により設定される。
【0016】また、本発明に係る不揮発性固体メモリ
は、基板上にマトリックス状に配置された上記磁気抵抗
効果素子と、この磁気抵抗効果素子の上部に設けられた
ビット線と、第1磁性層および第2磁性層の少なくとも
一方の磁化方向を電流によって発生する磁界により変化
させるための書き込み線と、電界効果トランジスタとを
備える。そして、磁気抵抗効果素子は、電界効果トラン
ジスタのドレイン領域の直上に形成される。
【0017】以上のように構成された磁気抵抗効果素子
は、第3磁性層と第4磁性層の磁化方向が反平行な状態
が実現されるとともに、スピントンネルによる磁気抵抗
効果が得られることにより、不揮発性固体メモリに適し
た良好な特性が得られる。
【0018】また、本発明は、絶縁層の厚さを0.4n
mから3nmの範囲内とすることが好ましい。
【0019】また、本発明は、絶縁層の厚さを0.5n
mから2nmの範囲内とすることが好ましい。
【0020】さらに、本発明は、絶縁層の厚さを0.9
nmから1.3nmの範囲内とすることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気抵抗効果素子
および不揮発性固体メモリの具体的な実施形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0022】本発明は、MRAMに適した絶縁層に関し
て鋭意検討を行った結果、絶縁層の膜厚が、絶縁層の両
側に位置する高スピン分極率を有する、磁性層の磁化方
向を膜面垂直方向で、反平行に保つことが可能なほど厚
く、スピントンネルによる磁気抵抗効果が生じるほど薄
い範囲にあることがMRAMに適していることを明らか
にしたものである。
【0023】図1に本発明の基本となる構成が適用され
た磁気抵抗効果素子の模式図を示す。図1(a)は、第
1〜第4磁性層の磁気抵抗効果に関与する磁化の向きが
すべての層で同じ方向、平行になっているのを示す模式
図であり、図1(b)は第1磁性層と第3磁性層の磁化
が下向きであり、第2磁性層と第4磁性層の磁化の向き
が上向きとなっており、絶縁層を挟んで反平行になって
いるのを示す模式図である。図1(a)においては、第
2磁性層102と第1磁性層101との間にトンネル絶
縁層105が挟み込まれて構成されている。第1磁性層
101とトンネル絶縁層105、および第2磁性層10
2と絶縁層105の界面には、第3磁性層103、第4
磁性層104がそれぞれ設けられている。第1磁性層1
01および第2磁性層102は、いずれも垂直磁化膜で
ある。第3磁性層103と第4磁性層104は、それぞ
れ第1磁性層101と第2磁性層102よりスピン分極
率が高い磁性体である。
【0024】磁気抵抗は、トンネル絶縁層105を間に
挟み込む第3磁性層103および第4磁性層104の各
磁化方向が互いに平行で同一方向を向いた(以下、単に
平行と称する。)状態であるか、各磁化方向が互いに平
行で逆方向を向いた(以下、単に反平行と称する。)状
態であるかに依存する。すなわち、図1(a)は、第1
磁性層101〜第4磁性層104の各磁化方向が平行な
状態であるために抵抗が低く、図1(b)は磁化方向が
反平行な状態であるために抵抗が高い。磁気抵抗効果素
子を不揮発固体磁気メモリのメモリ素子として用いる場
合には、図1(a)、図1(b)の磁化状態を維持する
必要がある。特に、TMR素子の絶縁膜はトンネル効果
が起こる程度に薄くする必要があるため、第3、第4磁
性層同士の磁化が影響を及ぼしあう恐れがある。従っ
て、最低でも図1(b)の両者の磁化が反平行となる磁化
状態を実現するだけの絶縁層の厚さを設定する必要があ
る。特に、後述するが第3、第4磁性層に磁化の大きい
Fe,Coなどのスピン分極率の大きな層を設ける場合
には、及ぼしあう影響も大きく、磁化方向が面内に向い
てしまう虞もあるためにこのようなことが起こらない程
度の膜厚に設定する必要がある。
【0025】本発明の構成を図2を参照して更に詳細に
説明する。図2(a)に、図1(a)と同様に各磁化方
向が平行な状態の模式図を示し、各磁性層101,10
2,103,104がフェリ磁性体からなる一例を示
す。
【0026】第3磁性層103と第4磁性層104は、
それぞれ第1磁性層101と第2磁性層102よりスピ
ン分極率が高い磁性体からなる。なお、図2(a)にお
いて、第1磁性層101の実線で示す矢印は、希土類金
属(RE)の磁化方向を示し、破線で示す矢印が遷移金
属(TM)の磁化方向を示し、白抜きで示す矢印がそれ
らを合算した磁化方向を示している。フェリ磁性体にお
いては、希土類金属の磁化方向と遷移金属の磁化方向と
は反平行である。そして、優勢な立場にある主格子磁化
と劣勢な副格子磁化の差分が各磁性層の磁化として観察
される。この第1磁性層101は、希土類金属が優勢な
合金の場合の磁化方向を示している。ここでは第1磁性
層第2磁性層が希土類金属磁化優勢な構成となり、第
3、第4磁性層が遷移金属磁化優勢な構成となっている
がこれに限られるものではない。しかしながら、トンネ
ル障壁層に接して設けられた第3、第4磁性層に関して
は、遷移金属磁化優勢なほうが磁気抵抗変化率が大きく
なり好ましい。
【0027】図2(b)に、第1磁性層101から第4
磁性層104までの磁化方向が平行な状態の模式図を示
し、第1磁性層101と第2磁性層102がフェリ磁性
体で構成され、第3磁性層103と第4磁性層104が
フェロ磁性体で構成された一例を示す。
【0028】第3磁性層103および第4磁性層104
は、それぞれ第1磁性層101と第2磁性層102より
スピン分極率が高い磁性体である。フェロ磁性を示す材
料であるFeやCoなどの強磁性体は面内磁化膜となる
が、膜厚を薄くすると隣接する第1磁性層または第2磁
性層と交換結合して磁化が膜面垂直方向に向くようにな
る。したがって、図2(b)のように第1磁性層101
から第4磁性層104の各磁化方向を膜面上方向に磁化
させることが可能になる。また、第1磁性層101と第
3磁性層103の各磁化方向を反転させて、図1(b)
に示すように、各磁化方向が反平行な状態にすることも
可能である。スピン分極率が大きな材料は、Fe、Co
等の遷移金属であり磁化が大きい。高い信号強度を得る
ためには、結果としてこのような面内磁気異方性の大き
な磁性膜を用いる必要がある。このような膜を絶縁層と
垂直磁化膜との間に設けた場合には、面内磁気異方性の
大きな膜を膜面垂直方向に向けつつ、且つ、お互いの磁
化が反平行の状態を保持できるように絶縁膜を設定する
必要がある。
【0029】図2(c)に、第1磁性層101から第4
磁性層104の各磁化方向が平行な状態の模式図を示
し、第1磁性層101と第2磁性層102がフェリ磁性
体からなるとともに、第3磁性層103と第4磁性層1
04がフェロ磁性体からなる他の一例を示す。
【0030】図2(c)に示す磁気抵抗効果素子は、図
2(b)に示した磁気抵抗効果素子と異なり、第1磁性
層101と第2磁性層102が遷移金属磁化が優勢な合
金からなる。第1磁性層101が遷移金属磁化が優勢な
合金からなり、第2磁性層102が希土類金属磁化が優
勢な合金からなるという組み合わせや、この組み合わせ
の逆の組み合わせでも保磁力が異なる構成であれば良
い。
【0031】磁気抵抗効果膜の構成要素である第1磁性
層と第2磁性層の組み合わせは、軟磁性材料と硬磁性材
料からなり、第1磁性層が軟磁性層、第2磁性層が硬磁
性層とされた組み合わせのみでなく、第1磁性層が硬磁
性層、第2磁性層が軟磁性層とされる組み合わせを用い
ても良い。差動検出方式においては、軟磁性層は容易に
磁化方向が反転するような磁性層とし再生層として用い
る。硬磁性層は、軟磁性層と比べ、磁化方向が反転し難
いため、メモリ層として機能する。なお、本発明におい
て、軟磁性材料と硬磁性材料の区別は、2つの強磁性層
間における保磁力の大小関係で定義されるもので、相対
的に保磁力が大きいものを硬磁性材料とする。
【0032】また、第1磁性層101、第2磁性層10
2とは機能を示すもので、各磁性層自体は、単一元素か
らなる単層の場合もあるが、各種合金の多層構造でも良
い。これら磁性層の組成は、その保磁力が異なるよう適
宜調整される。第1磁性層101および第2磁性層10
2の厚さは、2nm〜100nmの範囲内とされること
が好適である。
【0033】第1磁性層101および第2磁性層102
としては、磁化方向がおおよそ膜面垂直方向となる材料
が用いられる。磁化の大きさを調整できるという観点で
は希土類−遷移金属からなるフェリ磁性体が優れてお
り、TbFe、TbFeCo、GdFe等が用いられ
る。上述したように、組成は、遷移金属磁化が優勢な合
金(TM−rich)でも、希土類金属磁化が優勢な合
金(RE―rich)でも良い。
【0034】上述したように磁気抵抗効果膜の積層方向
の抵抗は、第3磁性層103と第4磁性層104の各磁
化方向の相対角度によって決定される。第3磁性層10
3と第4磁性層104の各磁化方向が平行な場合には、
抵抗が低くなり、各磁化方向が反平行な場合には抵抗は
高くなる。また、アップスピンとダウンスピンの状態密
度の差が大きいほど磁気抵抗が大きくなり、再生信号が
大きくなるため、トンネル絶縁層105の界面近傍に
は、スピン分極率が高い磁性材料を用いることが望まし
い。具体的には、例えばFeやCo等を主成分とする磁
性材料を界面近傍に挟み込むことによって、理論上は5
0%に到達する抵抗変化が得られる。
【0035】FeとCoを含むこれらの磁性材料は、面
内磁化膜であるものが多いが、膜厚を数nm程度以下に
薄く形成することによって、垂直磁化膜からなる第1磁
性層や第2磁性層と交換結合して垂直磁化膜として機能
する。したがって、磁化方向は、膜面垂直方向で統一さ
れることになり、再生信号が小さくなることはない。
【0036】希土類−遷移金属からなる垂直磁化膜を成
膜する場合には、一般にマグネトロンスパッタが用いら
れており、成膜後の膜構造をアモルファス構造にするこ
とができる。アモルファス構造では、比較的短距離の秩
序しか持たないため、X線回折によって、結晶性を反映
するラウエ斑点が生じず、ぼんやりとした円形パターン
を示すハロー像となる。
【0037】アモルファス構造では、結晶構造と異なり
粒界が存在しない。したがって、格子欠陥を補うミスフ
ィットがないために、一様に平滑な膜が形成される。す
なわち、下地層との濡れ性にも依存するが、平坦な膜が
形成される。
【0038】磁性膜を積層した場合、各磁性層間の界面
に凹凸が生じた場合、凹凸の部分における磁化の相互作
用により静磁結合力が働くオレンジピール現象が知られ
ている。この静磁結合力は、交換結合力と異なり、各磁
性層間に絶縁層が介在されていても作用する。
【0039】磁気抵抗効果膜においては、磁性層・絶縁
層・磁性層の順に積層された、いわゆるサンドイッチ構
造であるため、静磁結合力が各磁性層間に働く。静磁結
合力は、磁性層の磁化方向を反転させる妨げになるた
め、絶対検出方式においてはメモリ層の磁化反転、差動
検出方式においてはフリー層の磁化反転を行うために必
要な磁界が大きくなることになる。
【0040】静磁結合力の強さは、界面の表面荒さに大
きく依存することになるが、上述したように、垂直磁化
膜の場合には比較的平坦な膜が得られるため、面内磁化
膜と比べ小さくなる。したがって、磁化反転を行うため
要する磁界強度は、面内磁化膜に比して垂直磁化膜の方
が絶縁層を薄くしても変化しない。つまり、垂直磁化膜
は、面内磁化膜より設計上有利である。
【0041】絶縁層の厚さは、設計するMRAMの仕様
に応じて定められ、抵抗値と生産性の観点から決定され
る。後述する実施例の実験結果より、絶縁層の厚さは、
0.4nmから3.0nmの範囲内であることが望まし
い。微細化が進展すると接合面積が小さくなり素子抵抗
が増加する。一方、選択トランジスタとなるMOSFE
Tのオン抵抗と磁気抵抗効果MRの大きさから信号のサ
イズが規定される。微細化がdeepサブミクロン領域
に到達しても実用可能な抵抗範囲を得ることと、磁気抵
抗効果MRが低下し難い膜厚範囲であることの観点か
ら、絶縁層の厚さは0.5nmから2nmの範囲内にあ
ることが望ましい。更に良好な抵抗値を確保するととも
に、磁気抵抗効果MRの低下を防止する上で、絶縁層の
厚さは、0.9nmから1.3nmがより望ましい。
【0042】絶縁層は、材料として例えばアルミナ等の
Al酸化物によって形成されることが望ましい。トンネ
ル障壁の高さと幅がMRAMに使用される磁性体に適切
なオーダーにあると考えられる。
【0043】絶縁層の作製方法に関しては、ベースとな
る金属膜もしくは絶縁膜をスパッタリングで成膜後、後
処理する方法が主流である。トンネル膜のベースとなる
金属としては、アルミニウムが用いられることが多い。
後処理のプロセスとしては、例えば自然酸化、プラズマ
酸化、ラジカル酸化、オゾン酸化、UV(Ultra Viole
t)酸化等が提案されているが、いずれの方法が用いら
れても良い。ただし、酸化の条件の設定によって、下部
の磁性層が一緒に酸化されてしまい、磁気特性に悪影響
が及ぼされることがあるため、酸化の条件の設定を十分
留意する必要がある。
【0044】なお、図1には、磁気抵抗効果素子のみを
示したが、本実施形態においては、磁気抵抗効果素子の
周囲に絶縁性材料が設けられて、電気信号を取り出すた
めの電極膜が形成され、磁気抵抗効果素子を支持する基
板が設けられていることは勿論である。
【0045】本発明のMRAMの基板としては、例えば
Siウエハ、石英、SOI等平坦性の高い非磁性材料基
板が用いられる。SOI基板の作製方法としては、例え
ばELTRAN法、SIMOX法等の各種方式が適用さ
れる。その際、基板表面のSiの結晶方位は(100)
が好ましい。
【0046】上述した基板上に磁気抵抗効果膜を形成す
る際には、第1磁性膜より下面の表面自由エネルギーを
調整して、より平坦性が高い界面構造を実現するために
バッファ層が挿入される。バッファ層としては、例え
ば、Ta,Cu,Cr等の各種金属や、SiN,SiO
2,Al23等の絶縁体が用いられるが、基板と磁気抵抗
効果膜の各材料の選択した組み合わせによっては、挿入
しなくてもよい。バッファ層の膜厚は、2nm〜10n
mの範囲内であることが好ましい。これは、バッファ層
の成膜方法によっては、2nmより薄い場合、島状成長
により膜質が不均一になる問題があり、一方で、10n
mより厚いと生産性が低下する問題があるためである。
【0047】
【実施例】(実施例1)垂直磁化膜を利用したMRAM
を作製して、絶縁層の厚さを変化させた場合の磁気抵抗
効果MR、規格化抵抗Ra、反転磁界Hcの変化Ht/
Hcを測定した。反転磁界Hcの変化Ht/Hcは、絶
縁層の厚さが2.6nmの時を基準として規格化したも
のである。
【0048】磁気抵抗効果素子を作製する作製方法につ
いて、図3、図4、図5および図6を参照して説明す
る。なお、図3、図4、図5および図6において、前工
程から変化した個所を随時、斜線(ハッチング)で示し
ている。
【0049】まず、Siウエハ上に、マグネトロンスパ
ッタ装置を用いてTMRを構成する膜を成膜する。ま
た、トンネル障壁膜となる絶縁層は、スパッタ膜を所望
の厚さに形成した後に、プラズマ酸化処理を行うことに
よって調質している。プラズマ酸化の条件は、スパッタ
膜厚に応じて調整する。この理由は、プラズマ酸化を過
度に行った場合、下部磁性層が酸化してしまい、磁気抵
抗が低下してしまうためである。各層および電極の構成
を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】プラズマ酸化の条件は、例えば、絶縁層
1.3nmの厚さtに対して5W、30秒の13.56
MHzのRF放電を圧力0.18Paの酸素雰囲気中で
加えるように設定した。図3に、ベタ膜の成膜が終了し
た状態の模式図を、基板1、第1磁性層101、第3磁
性層103、トンネル絶縁層105、第4磁性層10
4、第2磁性層102以外を省略して示す。表1の構成
では、第1、第2磁性層にはフェリ磁性体を、第3、第
4磁性層にはスピン分極率の大きいFeやCoを含有す
る磁性層を用いている。次に、図4に示すように、フォ
トリソグラフィ処理を用いてレジストパターンをベタ膜
上に形成する。図4において、レジストマスク106の
中央部がトンネル接合部を形成するための部分であり、
両側が電極パッドを形成するための部分である。
【0052】次に、イオンミリング装置に投入して加工
を行い、加工後にレジストマスク106が設けられた状
態でマグネトロンスパッタ装置に再投入して、絶縁膜1
07を形成する。絶縁膜107とレジストマスク106
を同時にリフトオフする。図5に、絶縁膜107を形成
後にリフトオフまで完了した状態の模式図を示す。そし
て、図6に示すように、新たに上部電極の配線パターン
をなすレジストマスクを形成して、上部電極108を成
膜した後、リフトオフで磁気抵抗効果素子を完成させ
た。
【0053】完成した磁気抵抗効果素子は、20k(O
e)で着磁した後、MR測定装置を用いて膜面垂直方向
の磁界を印加しながら四端子測定によって評価を行っ
た。作製した磁気抵抗効果素子のサイズは、一辺が20
μmの正方形をなしている。ウエハ間のばらつきを考慮
し、同一ウエハ上に多数の磁気抵抗効果素子を作製し
た。
【0054】作製した磁気抵抗効果素子は、いずれも角
型比1のMRカーブを示して、磁気抵抗効果MRが30
%前後、規格化抵抗値Raが絶縁層の厚さに応じて10
0Ωμm2〜1GΩμm2であった。
【0055】図7、図8および図9に絶縁層の厚さtを
変化させた場合の磁気抵抗効果MR、規格化抵抗Ra、
反転磁界Hcの変化Ht/Hcをそれぞれ測定した各結
果を示す。
【0056】本発明に係る垂直磁化膜を用いた磁気抵抗
効果素子は、図7に示すように、磁気抵抗効果MRが
0.6nmから2.6nmの範囲内で概ね30%に近い
値が安定的に得られた。また、規格化抵抗Raは、図8
に示すように、絶縁層の厚さtに比例する形で厚さが薄
い方では抵抗が低下している。さらに、反転磁界の変化
Ht/Hcは、図9に示すように、絶縁層の薄い領域で
もあまり変化しない。これは、各磁性層間の結合が弱い
ためである考えられる。
【0057】上述した実施例1の結果から、本発明の磁
気抵抗効果素子でMRAMに適した良好な特性が得られ
る絶縁層の厚さtが明らかになった。
【0058】(実施例2)次に、本発明に係る垂直磁化
膜を利用した不揮発性固体メモリとして、MOSFET
の直上に磁気抵抗効果膜を配置した形態のものを作製し
た。図10に、不揮発性固体メモリの構造の断面図を示
す。なお、図10において、符号を付していない部分は
基本的に絶縁体を示す。
【0059】半導体基板1には、ドレイン領域2および
ソース領域3がそれぞれ形成されるとともに、絶縁膜を
介してゲート電極4が形成されており、これらでMOS
FET(電界効果トランジスタ)が構成されている。各
電界効果トランジスタ間は、LOCOSフィールド酸化
膜(LOCOS領域)21によって絶縁されている。
【0060】電界効果トランジスタのドレイン領域2に
は、プラグ電極5を介して、ドレイン領域2の直上の位
置に、膜面垂直方向に磁化された磁気抵抗効果膜9が電
気的に接続されるとともに、ビット線6に電気的に接続
されている。ソース電極22には、図示しないが、接地
配線が設けられている。また、磁気抵抗効果膜9の側部
には、絶縁体を介して書き込み線10が設けられてい
る。各書き込み線10、ゲート線4およびソース電極と
それぞれ電気的に接続された接地配線は、図10の紙面
に直交する方向に延出されて設けられている。ビット線
6は、紙面に平行な方向に延出されて設けられている。
【0061】図10に示すように、磁気抵抗効果膜9と
電界効果トランジスタのドレイン領域2とは、プラグ電
極5のみを介して電気的に接続されている。本実施例の
不揮発性固体メモリにおいては、用いられている磁気抵
抗効果膜が垂直磁化膜であるため、書き込み線10の発
生磁界の膜面に対し垂直な成分を利用して情報の記録お
よび再生を行っている。
【0062】面内磁化膜を利用した不揮発性固体メモリ
の場合には、磁性層の上方または下方に書き込み線を配
設して、面内方向の電流磁界を印加する必要があるた
め、プラグ電極から横方向にオフセットした位置に磁気
抵抗効果膜を配置する必要があった。垂直磁化膜を利用
した不揮発性固体メモリの場合には、その必要が無いた
め、更に簡素でプロセス加工をするためのマージンを広
げるように設計することが可能とされる。
【0063】また、垂直磁化膜を用いることによって、
不揮発性固体メモリのサイズを小さくしても反磁界の影
響によって、スピンがカーリングすることがなく、安定
に磁化を保つことができるため、、磁気抵抗効果膜の幅
/長さの比を1にすることが可能となり、面内磁化膜を
利用した不揮発性固体メモリと比較して、メモリセルの
面積の小型化が図られて、集積度を高めることができ
る。加工におけるフィーチャーサイズをFとすると、メ
モリセルの面積を最小4F×2F=8F2まで小さくす
ることができる。
【0064】最後に、上述した不揮発性固体メモリによ
る情報の記録再生方法について、メモリセルがマトリク
ス状に配置されたメモリアレイ回路を示す図11を参照
して説明する。
【0065】図11に示すように、メモリアレイ回路の
略中央に位置する電界効果トランジスタT22と磁気抵
抗効果素子R22とを有するメモリセルは、ビット線B
2が、書き込み線を兼ねており、メモリセルの中央に位
置する磁気抵抗効果素子R22の一方の端子に結合さ
れ、センスアンプSAの一方の端子に電気的に接続され
ている。磁気抵抗効果素子R22の他方の端子は、電界
効果トランジスタT22のドレイン端子に結合され、こ
の電界効果トランジスタT22のソース端子が接地され
ている。ワード線G2は、電界効果トランジスタT22
のゲート端子に電気的に接続されている。また、書き込
み線W2は、ビット線B2に直交されて、磁気抵抗効果
素子R22の近傍に配置されている。
【0066】まず、読み出し動作について説明する。ビ
ット線B2の図11中の左端に電源電圧Vddを印加す
るとともに、ワード線G2に電圧を印加して、電界効果
トランジスタT22をオン状態とすることにより、磁気
抵抗効果素子R22に定常電流が流れて、ビット線B2
の図11中の右端のセンスアンプSAの一方の端子に磁
気抵抗効果素子R22の抵抗に応じた電位が生じる。セ
ンスアンプSAの他方の端子には、磁気抵抗効果素子R
22の高低2つの状態に対応する抵抗値の中間の電位を
入れる。これにより、Refと磁気抵抗効果素子R22
の各抵抗のどちらが高いかによって、センスアンプSA
の出力が電源電圧Vddまたは0Vのどちらかが選択さ
れることになる。
【0067】次に、書き込み動作について説明する。磁
気抵抗効果素子R22に情報を書き込む場合には、ビッ
ト線B2と書き込み線W2に電流を流すことによって、
配線が交差する位置の磁場が強めあい、磁気抵抗効果素
子R22の磁化方向が書き換えられる。ビット線B2と
書き込み線W2の電流方向を逆転させることによって、
逆方向の磁界を印加することが可能になる。このような
操作によって、情報の書き込みを行う。
【0068】本実施例では、実施例1と同一膜構成の磁
気抵抗効果素子を、Siウエハ上に作製したMOSFE
T上に、実施例1と同様の加工手段を用いて、MRAM
を形成した。磁気抵抗効果素子の絶縁層の厚さは、1n
mとし、メモリセルのサイズを一辺が1μmの正方形に
形成した。
【0069】このように作製されたMRAMの素子抵抗
は1100Ωとなった。MOSFETのオン抵抗は20
0Ωであることから、実質的なトンネル障壁層の抵抗は
900Ωである。
【0070】また、反転磁界の磁界強度は、50(O
e)であり、書き込み線とビット線の合成磁界により記
録および再生が実現できた。なお、磁気抵抗効果素子の
サイズを更に微細化する場合には、抵抗値をMOSFE
Tと整合させるために絶縁層の厚さを薄くする必要があ
る。本発明に係る磁気抵抗効果素子が備える絶縁層によ
れば、反転磁界が増大しないため、消費電力を抑制する
ことができる。
【0071】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、垂直磁
化膜からなる第1磁性層および第2磁性層と、その間に
設けた絶縁層、および第1磁性層と絶縁層との界面部分
に設けた第1磁性層より高いスピン分極率を有する第3
磁性層、第2磁性層と絶縁層との界面部分に設けた第2
磁性層より高いスピン分極率を有する第4磁性層という
構成の磁気抵抗効果素子において、絶縁層の膜厚を、最
小値が、第3磁性層と第4磁性層の磁化方向が互いに平
行かつ逆向きの状態が実現されるような膜厚であり、最
大値はスピントンネルによる磁気抵抗効果が生じる膜厚
とすることにより、例えばMRAM等に適した良好な特
性を得ることができる。そして、本発明によれば、第1
磁性層および第2磁性層より高いスピン分極率を有する
第3磁性層および第4磁性層を備えることにより、得ら
れる信号が大きいため、情報の記録再生動作の安定性を
向上させることが可能とされて、信頼性が高い不揮発固
体メモリを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明に係る磁気抵抗効果素子の磁化状
態を示す図であり、第1〜第4磁性層の磁化の向きが等
しい状態を示す模式図である。 (b)本発明の磁気抵抗効果素子の第1磁性層と第3磁
性層の磁化が下向きであり、第2磁性層と第4磁性層の
磁化の向きが上向きとなっており、絶縁層を挟んで第
1、第3磁性層が反平行な磁化状態を示す模式図であ
る。
【図2】本発明に係る磁気抵抗効果素子を説明するため
に示す模式図である。
【図3】第1の実施例の不揮発性固体メモリを作製する
作製工程を説明するために示す模式図である。
【図4】前記不揮発性固体メモリを作製する作製工程を
説明するために示す模式図である。
【図5】前記不揮発性固体メモリを作製する作製工程を
説明するために示す模式図である。
【図6】前記不揮発性固体メモリを作製する作製工程を
説明するために示す模式図である。
【図7】絶縁層の厚さtと磁気抵抗効果MRとの関係を
示す図である。
【図8】絶縁層の厚さtと規格化抵抗Raとの関係を示
す図である。
【図9】絶縁層の厚さtと反転磁界の変化Ht/Hcと
の関係を示す図である。
【図10】本発明に係る磁気抵抗効果素子を用いた不揮
発性固体メモリの構造を示す断面図である。
【図11】前記不揮発性固体メモリの回路を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 基板 2 ドレイン領域 3 ソース領域 4 ゲート電極 5 プラグ電極 6 ビット線 9 磁気抵抗効果膜 10 書き込み線 21 LOCOS領域 22 ソース電極 101 第1磁性層 102 第2磁性層 103 第1磁性層 104 第2磁性層 105 トンネル絶縁層 106 レジストマスク 107 絶縁膜 108 上部電極 SA センスアンプ B1〜B3 ビット線 G1〜G3 ワード線 R11〜R33 磁気抵抗効果素子 S1〜S3 接地線 T11〜T33 電界効果トランジスタ W1〜W3 書き込み線

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直磁化膜からなる第1磁性層および第
    2磁性層と、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に
    積層されて設けられた絶縁層と、前記第1磁性層と前記
    絶縁層との界面部分に設けられて前記第1磁性層より高
    いスピン分極率を有する第3磁性層と、前記第2磁性層
    と前記絶縁層との界面部分に設けられて前記第2磁性層
    より高いスピン分極率を有する第4磁性層とを備える磁
    気抵抗効果素子において、 前記絶縁層の膜厚は、最小値が、前記第3磁性層と前記
    第4磁性層の磁化方向が反平行な状態が実現されるよう
    な膜厚であり、最大値が、スピントンネルによる磁気抵
    抗効果が生じる膜厚により設定されることを特徴とする
    磁気抵抗効果素子。
  2. 【請求項2】 前記第1磁性層および前記第2磁性層
    は、希土類−遷移金属からなるフェリ磁性体である請求
    項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 【請求項3】 前記第1磁性層および前記第2磁性層
    は、前記希土類−遷移金属のうち、希土類元素がGd、
    Tb、Dyの少なくとも1種の元素を含み、遷移金属が
    Fe、Coのうち、少なくとも1種の元素を含む請求項
    2に記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 【請求項4】 前記第3磁性層および第4磁性層は、F
    e、Coのうち、少なくとも1種の元素を含む請求項1
    に記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 【請求項5】 前記絶縁層は、厚さが0.4nmから3
    nmの範囲内にある請求項1に記載の磁気抵抗効果素
    子。
  6. 【請求項6】 前記絶縁層は、厚さが0.5nmから2
    nmの範囲内にある請求項5に記載の磁気抵抗効果素
    子。
  7. 【請求項7】 前記絶縁層は、厚さが0.9nmから
    1.3nmの範囲内にある請求項6に記載の磁気抵抗効
    果素子。
  8. 【請求項8】 前記絶縁層は、Alの酸化物または窒化
    物からなる請求項5ないし7のいずれか1項に記載の磁
    気抵抗効果素子。
  9. 【請求項9】 基板上にマトリックス状に配置された上
    記請求項1ないし8のいずれか1項に記載の磁気抵抗効
    果素子と、前記磁気抵抗効果素子の上部に設けられたビ
    ット線と、前記第1磁性層および前記第2磁性層の少な
    くとも一方の磁化方向を電流によって発生する磁界によ
    り変化させるための書き込み線と、電界効果トランジス
    タとを備え、 前記磁気抵抗効果素子は、前記電界効果トランジスタの
    ドレイン領域の直上に形成されている不揮発性固体メモ
    リ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009092554A (ja) * 2007-10-10 2009-04-30 Ulvac Japan Ltd 導電性プローブ、導電性プローブの製造方法、及び磁気特性測定方法

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