JP2003115609A - 発光素子及びその製造方法 - Google Patents
発光素子及びその製造方法Info
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Abstract
あるいはi型層を高品質にて確実に形成でき、ひいては
高性能で安価な紫外線もしくは青色発光型の発光素子を
提供する。 【解決手段】 活性層あるいはp型クラッド層32とな
るMgZnO層中に、MgaZn1−aO型酸化物とは
異種であってp型導電性を示すp型酸化物層32bを介
挿する。この構成によれば、電子を吸収・補償する機能
を、MgZnO層中に局所的に存在するp型酸化物層が
担うことになるので、大量のp型ドーパントを添加する
必要がなくなり、良好な品質のp型もしくはi型のMg
aZn1− aO型酸化物を得ることができ、ひいては高
発光効率の紫外線もしくは青色発光型発光素子の実現に
寄与する。
Description
光素子、特に青色光あるいは紫外線の発光に適した発光
素子の製造方法に関する。
発光素子が永らく要望されていたが、最近になってAl
GaInN系材料を用いることにより、このような発光
素子が実現している。また、赤色ないし緑色の高輝度発
光素子と組み合わせることにより、フルカラー発光装置
や表示装置などへの応用を図ることも急速に進みつつあ
る。しかしながら、AlGaInN系材料は比較的希少
な金属であるGaとInとが主成分となるため、コスト
アップが避けがたい。また、成長温度が700〜100
0℃と高く、製造時に相当のエネルギーが消費されるの
も大きな問題の一つである。これはコスト低減の観点に
おいてはもちろん、省エネルギーや地球温暖化抑制に関
する議論が喧しい昨今では、時流に逆行するという意味
においても望ましくない。そこで、特開2001−44
500号公報には、サファイア基板上に、より安価なZ
nO系化合物半導体層をヘテロエピタキシャル成長させ
た発光素子が提案されている。該公報においては、Zn
O系化合物半導体層の成長方法として、MBE(Molecu
lar Beam Epitaxy)法とMOVPE(Metalorganic Vap
our Phase Epitaxy)法とが例示されている。
法は成長雰囲気の圧力が低いため、酸素欠損の発生を抑
制することが容易でなく、発光素子を構成する上で不可
欠なp型あるいは真性半導体型(以下、「intrinsic」
の頭文字を使用して、「i型」ともいう)ZnO系酸化
物層の形成が困難な問題がある。また、MBE法は紫外
線レーザーを援用したものとならざるを得ず、良好な結
晶はレーザーが照射された領域しか得られないため、大
面積の結晶成長が困難であり、産業上の応用が難しい問
題もある。他方、MOVPE法を用いた気相成長法は、
紫外線レーザーを用いない製法であり、気相状態で原料
を搬送するため大面積化に対応しやすい利点があるが、
ZnO系酸化物を用いる場合、酸素欠損発生の問題もあ
って、p型あるいはi型の酸化物層の形成は、工業的に
は実現していないに等しい状況である。
化物からなるp型層あるいはi型層を高品質にて確実に
形成でき、ひいては高性能で安価な紫外線もしくは青色
発光型の発光素子と、その製造方法とを提供することに
ある。
題を解決するために、本発明の発光素子の第一は、発光
層部がダブルヘテロ構造を有するとともに、該ダブルヘ
テロ構造に含まれる活性層及びp型クラッド層の少なく
ともいずれかが、主にMgaZn1−aO(ただし、0
≦a≦1)型酸化物により構成される対象MgZnO層
とされ、かつ該対象MgZnO層中に、MgaZn
1−aO型酸化物とは異種であってp型導電性を示すp
型酸化物層を介挿したことを特徴とする。
光層部がダブルヘテロ構造を有するとともに、該ダブル
ヘテロ構造に含まれる活性層及びp型クラッド層の少な
くともいずれかが、主にMgaZn1−aO(ただし、
0≦a≦1)型酸化物により構成されるMgZnO層で
ある発光素子を製造する方法において、前記MgZnO
層の成長途中に、MgaZn1−aO型酸化物とは異種
であってp型導電性を示すp型酸化物層を形成すること
を特徴とする。
型酸化物は成長時に酸素欠損を生じやすいために、従来
の製造方法を踏襲する限りn型のものしか得られない。
したがって、発光素子実現に際して不可欠なp型やある
いはi型のMgaZn1−aO型酸化物を得るために
は、該酸化物中の電子濃度を低減することが必要であ
る。電子濃度を低減するひとつの考え方としては、電子
を正孔で補償する考え方がある。これは、正孔を発生す
るLi等のp型ドーパント(アクセプタ)をMgaZn
1−aO型酸化物中にドーピングすることでドナーを補
償し、i型やp型の酸化物を得ようとするものである。
は、最大オーダーで1019cm− 3程度以上もあり、
このような大量の電子をp型ドーパントの均一なドーピ
ングにより全て補償しようとすると、p型ドーパントが
電子濃度以上に大量に必要となり、MgZnO中にp型
ドーパントを主体とした粗大な異相結晶が形成されるの
で、良好な品質のp型もしくはi型のMgaZn1−a
O型酸化物は結局のところ得られなくなってしまうので
ある。
の製造方法)の第一によると、活性層あるいはp型クラ
ッド層となるMgZnO層中に、MgaZn1−aO型
酸化物とは異種であってp型導電性を示すp型酸化物層
を介挿することにより、この問題を解決することができ
る。この構成によれば、電子を吸収・補償する機能を、
MgZnO層中に局所的に存在するp型酸化物層が担う
ことになるので、大量のp型ドーパントを添加する必要
がなくなり、良好な品質のp型もしくはi型のMgaZ
n1−aO型酸化物を得ることができ、ひいては高発光
効率の紫外線もしくは青色発光型発光素子の実現に寄与
する。
は特に限定されるものではないが、高発光効率を期待す
るためには、電子補償効果がMgZnO層中で一様に生
じるようになっていることが当然望ましい。そのために
は、複数のp型酸化物層を、MgZnO層の厚さ方向に
分散形成すること、例えば周期的に形成することが望ま
しい。
iO及びLiOのいずれかを主体とするものが使用でき
る。なお、CuOを使用する場合は、Cuの一部がGa
等のIII族元素又はSr等のII族元素で置き換えら
れていてもよい。
部がダブルヘテロ構造を有するとともに、該ダブルヘテ
ロ構造に含まれるp型クラッド層が主にMgaZn
1−aO(ただし、0≦a≦1)型酸化物により構成さ
れ、かつ該p型クラッド層中には、p型ドーパント濃度
が当該p型クラッド層の平均濃度よりも高い高濃度ドー
プ層が、前記p型クラッド層の1分子層以下の領域幅を
有するものとして形成されたことを特徴とする。
は、発光層部がダブルヘテロ構造を有するとともに、該
ダブルヘテロ構造に含まれるp型クラッド層が主にMg
aZn1−aO(ただし、0≦a≦1)型酸化物より構
成される発光素子の製造方法であって、該p型クラッド
層の成長途中に、当該p型クラッド層の平均濃度よりも
高い高濃度ドープ層を形成することを特徴とする。
1−aO型酸化物より構成されるp型クラッド層におい
て、p型ドーパントの高濃度ドープ層を、該p型クラッ
ド層の1分子層以下の領域幅を有するものとして形成す
ることにより、p型ドーパントをいわば層厚方向に局在
化させる。この、p型ドーパントの局在化層である高濃
度ドープ層が、電子を吸収・補償する機能を担うことに
なるので、大量のp型ドーパントを添加する必要がなく
なり、良好な品質のp型クラッド層を得ることができ
る。また、該高濃度ドープ層は、p型ドーパントの集合
体である粗大な異相結晶を形成するのではなく、p型ク
ラッド層の1分子層以下の領域幅を有するものとして形
成されていることから、キャリアの散乱要因となる非整
合の異相界面や転位等が形成されにくい。
により形成することができ、例えばスパッタ法やMBE
法の採用も可能であるが、MOVPE法を用いた場合、
以下に示す利点がある。MOVPE法では、成長中の酸
素分圧を自由に変化させることができるため、雰囲気圧
力をある程度上昇させることで酸素離脱ひいては酸素欠
損の発生を効果的に抑制できる。その結果、発光素子に
は不可欠のp型MgaZn1−aO層、特に、酸素欠損
濃度を10個/cm3以下としたp型MgaZn1−a
O層を実現できるようになる。酸素欠損濃度は低ければ
低いほどよい(つまり、0個/cm3となることを妨げ
ない)。
ド層あるいはMgZnO活性層の成長は、10Torr
(1.3×103Pa)以上の圧力を有した雰囲気中で
行なうことにより、成膜中の酸素欠損発生をより効果的
に抑制でき、良好な特性のp型MgZnOクラッド層あ
るいはMgZnO活性層を得ることができる。この場
合、より望ましくは、酸素分圧(O2以外の酸素含有分
子も、含有される酸素をO2に換算して組み入れるもの
とする)が10Torr(1.3×103Pa)以上と
するのがよい。
(〜10−10Torr)中でp型MgZnOクラッド
層あるいはMgZnO活性層の成長が行なわれるため
に、上記MOVPE法に比べて酸素欠損発生を抑制でき
ないが、原子層オーダーでの層制御ができるという利点
を有する。その結果、p型MgZnOクラッド層あるい
はMgZnO活性層の結晶性を高めることが可能であ
り、さらに、MBE法を用いることで、上記した本発明
におけるp型クラッド層中に介層されるp型酸化物層ま
たは/および高濃度ドープ層の層制御を高精度にて行な
うことができ、より品質の高いp型クラッド層の形成が
可能となる。
ントとしては、MgaZn1−aOに対して、有効なp
型ドーパントとして機能するものを用いる必要がある。
このようなp型ドーパントとしては、N、Ga、Al、
In、Li、Si、C、Seの一種又は2種以上を用い
ることができる。これらのうち、特にNを使用すること
が、MgaZn1−aOにおける良好なp型特性を得る
上で有効である。また、金属元素ドーパントとしては、
Ga、Al、In及びLiの1種又は2種以上、特にG
aを使用することが有効である。これらは、Nと共添加
することにより、良好なp型特性をより確実に得ること
ができる。このようなp型ドーパントより高濃度ドープ
層を構成することで、主にMgaZn1−aO型酸化物
より構成されるp型クラッド層の高品質化が可能とな
る。また、MgaZn1−aOがp型となるためには、
前述の通り、適当なp型ドーパントを添加する必要があ
るが、上記した高濃度ドープ層に用いることができるp
型ドーパントと同種のものが適用可能である。
型MgaZn1−aO型酸化物層中のp型キャリア濃度
が1×1016個/cm3以上8×1018個/cm3
以下となっているのがよい。p型キャリア濃度が1×1
016個/cm3未満になると、十分な発光輝度を得る
ことが困難となる場合がある。他方、p型キャリア濃度
が8×1018個/cm3を超えると、活性層に注入さ
れるp型キャリアの量が過剰となり、p型MgaZn
1−aO型酸化物層への逆拡散や、あるいは障壁を乗り
越えてn型クラッド層へ流入したりして発光に寄与しな
くなるp型キャリアが増え、発光効率の低下につながる
場合がある。また、n型MgaZn1−aO層について
も、同様の理由により、n型キャリア濃度が1×10
16個/cm 3以上8×1018個/cm3以下となっ
ているのがよい。
ば、酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化マグネシウ
ム、酸化亜鉛、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、シリ
コン、炭化シリコン、砒化ガリウム、インジウム・スズ
複合酸化物あるいはガラス等を使用できる。また、本発
明に特に好適な基板の態様としては、以下のようなもの
がある。すなわち、MgaZn1−aO型酸化物は、図
2に示すように、c軸方向に交互に積層される金属原子
層と酸素原子層とからなるウルツ鉱型結晶構造を有し、
その酸素原子が六方晶系原子配列をなす。従って、基板
は、酸素原子が六方晶系原子配列をなすとともに、該六
方晶系原子配列のC面((0001)面)を主表面とす
る酸化物単結晶基板とすることが、MgaZn1−aO
型酸化物との結晶整合性を良好なものとし、ひいては結
晶性の良好な発光層部を得る上で有効である。この場
合、バッファ層の全体をMgaZn1−aO型酸化物層
として、そのウルツ鉱型結晶構造のc軸を層厚方向に配
向させる形で、酸化物単結晶基板の主表面に形成するよ
うにする。このような酸化物単結晶基板として例えばコ
ランダム型構造を有する酸化物があり、そのさらに具体
的な例としてサファイア基板を例示できる。
面を用いて説明する。図1は、本発明に係る発光素子の
要部の積層構造を模式的に示すものであり、n型クラッ
ド層34、活性層33及びp型クラッド層32がこの順
序にて積層された発光層部を有している。そして、各層
32〜34はいずれもMgaZn1− aO型酸化物層
(0≦a≦1:以下、MgZnOとも記す:ただし、混
晶比aの範囲からも明らかなように、MgZnOと記し
ていても、これはMgO及びZnOの各単体酸化物の概
念を含むものである)として形成されている。該p型M
gZnOクラッド層32には、p型ドーパントとして、
例えばN、Ga、Al、In、Liの一種又は2種以上
が微量含有されている。また、p型キャリア濃度は前述
の通り1×1016個/cm3以上8×1018個/c
m3以下、例えば1017個/cm3〜1018/cm
3程度の範囲で調整される。
で、いわゆるウルツ鉱型構造を有する。該構造では、酸
素原子層と金属原子(ZnイオンまたはMgイオン)層
とがc軸方向に交互に積層される形となっており、図3
に示すように、c軸が層厚方向に沿うように形成され
る。酸素イオンが欠落して空孔を生ずると酸素欠損とな
り、n型キャリアである電子を生ずる。このような酸素
欠損が多く形成されすぎると、n型キャリアが増加して
p型導電性を示さなくなる。従って、p型MgZnOク
ラッド層32やMgZnO活性層33を形成する場合に
は、この酸素欠損の発生抑制を図ることが重要である。
て適宜のバンドギャップを有するものが使用される。例
えば、可視光発光に使用するものは、波長400nm〜
570nmにて発光可能なバンドギャップエネルギーE
g(3.10eV〜2.18eV程度)を有するものを
選択する。これは、紫から緑色までをカバーする発光波
長帯であるが、特に青色発光に使用する場合は、波長4
50nm〜500nmにて発光可能なバンドギャップエ
ネルギーEg(2.76eV〜2.48eV程度)を有
するものを選択する。また、紫外線発光に使用するもの
は、波長280nm〜400nmにて発光可能なバンド
ギャップエネルギーEg(4.43eV〜3.10eV
程度)を有するものを選択する。
1−xO型酸化物層との間にタイプIのバンドラインナ
ップを形成する半導体により形成することができる。こ
のような活性層33は、例えばMgyZn1−yO型酸
化物層(ただし、0≦y<1、x>y:以下、MgZn
O活性層ともいう)として形成することができる。「活
性層とp型MgZnOクラッド層との間にタイプIのバ
ンドラインナップが形成される」とは、図4に示すよう
に、p型クラッド層(p型MgZnOクラッド層32)
の伝導帯底及び価電子帯上端の各エネルギーレベルEc
p,Evpと、活性層の伝導帯底及び価電子帯上端の各
エネルギーレベルEci,Eviとの間に次のような大
小関係が成立している接合構造をいう: Eci<Ecp ‥‥(1) Evi>Evp ‥‥(2)
層34への正孔の順拡散と、p型クラッド層32への電
子(n型キャリア)の順拡散のいずれに関してもポテン
シャル障壁が生ずる。そして、活性層33とn型クラッ
ド層34との間に図4と同様のタイプI型バンドライン
ナップが形成されるようn型クラッド層34の材質選択
を行なえば、活性層の位置には、伝導帯底及び価電子帯
上端の両方に井戸状のポテンシャル障壁が形成され、電
子と正孔との双方に対して閉じ込め効果が高められる。
その結果、キャリア再結合促進ひいては発光効率向上が
一層顕著となる。
の値は、バンドギャップエネルギーEgを決める因子と
もなる。例えば、波長280nm〜400nmの紫外線
発光を行なわせる場合は0≦y≦0.5の範囲にて選択
する。また、形成されるポテンシャル障壁の高さは、発
光ダイオードでは0.1eV〜0.3eV程度、半導体
レーザー光源では0.25eV〜0.5eV程度とする
のがよい。この値は、p型MgxZn1−xO層32、
MgyZn1−yO活性層33及びn型MgzZn
1−zO層34の各混晶比x、y、zの数値の選択によ
り決定できる。
ように、p型MgZnOクラッド層32中に、MgzZ
n1−zO型酸化物とは異種の酸化物、例えばCuO、
NiOあるいはLiOからなるp型酸化物層32bが介
挿されている。そして該p型酸化物層32bに対し、p
型にドーピングされたMgzZn1−zO型酸化物層3
2aが交互に積層されている。このような構造を採用す
ることにより、p型MgZnOクラッド層32中にバッ
クグラウンドキャリアとして存在する電子が、p型酸化
物層32bに吸収・補償されるので、MgzZn1−z
O型酸化物層32a中のp型ドーパント濃度を下げても
良好なp型導電特性が得られる。その結果、p型ドーパ
ントが集合した異相領域が形成されにくくなり、良好な
品質のp型もしくはi型のMgZnO酸化物層を得るこ
とができる。
発揮できる程度の膜厚に薄くしておき、トンネル効果を
利用して発光層として機能しないように調整する。他
方、該p型酸化物層32bと接するMgzZn1−zO
型酸化物層32aは一種の障壁層に相当するものであ
り、バルク結晶としての性質が求められるため、逆にト
ンネル効果の影響が顕著とならないように、その層厚を
15nm以上に調整することが望ましい。
も格子定数も相違する。他方、p型酸化物層32bはp
型MgZnOクラッド層32中にてMgzZn1−zO
型酸化物層32aと格子整合した形で形成されていない
と、転位等の発生によりキャリアが散乱を受け、発光効
率の低下を招くことにつながる。この場合、p型酸化物
層32bの層厚が過剰になると格子緩和して、該p型酸
化物層32bと接するMgzZn1−zO型酸化物層3
2aとの間に格子不整合が生じ、以降の成長層に貫通転
位が形成される不具合が生ずる。これを避けるために
は、p型酸化物層32bを形成する際に格子緩和しない
程度の膜厚(臨界膜厚)で形成する必要があり、具体的
には20nm以下の層厚にて形成することが好ましい。
例えば、p型酸化物層32bをCuOあるいはNiOに
て構成する場合は、MgZnOと格子整合するための臨
界膜厚が3〜5分子層程度なので、p型酸化物層32b
を臨界膜厚以下となるように、1分子層以上3〜5分子
層以下の範囲とし、これと接するMgZnO層32aの
層厚を20nm以下、例えば15nm程度の層厚で形成
することが望ましい。
数は特に限定されるものではないが、高発光効率を期待
するためには、電子補償効果が対象MgZnO層中で一
様に生じるようになっていることが当然望ましい。その
ためには、図6に示すように、2層以上、すなわち複数
のp型酸化物層32bをp型MgZnOクラッド層32
の厚さ方向に分散して形成すること、例えば周期的に形
成することが望ましい。p型酸化物層32bをこのよう
に複数層形成する場合、各p型酸化物層32bと、それ
らと交互に積層される各MgzZn1−zO型酸化物層
32aの層厚を前記した範囲に調整することが望まし
い。
明する。まず、図5に示すように、サファイア基板10
上にZnOからなるバッファ層11をエピタキシャル成
長させる。次いで、n型MgZnOクラッド層34、M
gZnO活性層33及びp型MgZnOクラッド層32
をこの順序にてエピタキシャル成長させる(32〜34
は成長順序を逆転させてもよい)。これら各層のエピタ
キシャル成長は、前述のMOVPE法もしくはMBE法
にて成長させることができる。以下、MOVPE法を代
表させて説明を行なう。
型MgZnOクラッド層34、MgZnO活性層33及
びp型MgZnOクラッド層32(図6のp型酸化物層
32bを含む)を同一の反応容器内にて連続的に成長で
きる。なお、反応容器内の温度は、層形成のための化学
反応を促進するため、加熱源(本実施形態では赤外線ラ
ンプ)により調整される。各層の主原料としては次のよ
うなものを用いることができる。 ・酸素源ガス:酸素ガスを用いることもできるが、酸化
性化合物ガスの形で供給することが、後述する有機金属
との過度の反応を抑制する観点において望ましい。具体
的には、N2O、NO、NO2、COなど。本実施形態
では、N2O(亜酸化窒素)を用いている。 ・Zn源ガス:ジメチル亜鉛(DMZn)、ジエチル亜
鉛(DEZn)など。 ・Mg源ガス:ビスシクロペンタジエニルマグネシウム
(Cp2Mg)など。 ・Cu源ガス:ヘキサフロロアセチルアセトナート銅な
ど。 ・Ni源ガス:シクロペンタジエニルニッケル、メチル
シクロペンタジエニルニッケルなど。 ・Li源ガス:ノルマルブチルリチウムなど。 なお、Cu源ガス、Ni源ガス及びLi源ガスは、p型
酸化物原料ガスである。
うなものを用いることもできる; ・Li源ガス:ノルマルブチルリチウムなど。 ・Si源ガス:モノシランなどのシリコン水素化物な
ど。 ・C源ガス:炭化水素(例えばCを1つ以上含むアルキ
ルなど)。 ・Se源ガス:セレン化水素など。
素の1種又は2種以上は、V族元素であるNとの共添加
により良好なp型ドーパントとして機能させることがで
きる。ドーパントガスとしては以下のようなものを使用
できる。 ・Al源ガス;トリメチルアルミニウム(TMAl)、
トリエチルアルミニウム(TEAl)など。 ・Ga源ガス;トリメチルガリウム(TMGa)、トリ
エチルガリウム(TEGa)など。 ・In源ガス;トリメチルインジウム(TMIn)、ト
リエチルインジウム(TEIn)など。 p型ドーパントとして金属元素(Ga)とともにNが使
用される場合、p型MgZnOクラッド層の気相成長を
行なう際に、N源となる気体を、Ga源となる有機金属ガ
スとともに供給するようにする。例えば、本実施形態で
は、酸素成分源として使用するN2OがN源としても機
能する形となる。
成長時の酸素分圧を下げて酸素欠損を積極形成すること
によりn型導電性を得るようにしてもよいし、B、A
l、Ga及びIn等のIII族元素を、n型ドーパント
として単独添加することによりn型導電性を得るように
してもよい。ドーパントガスとしては、Al、Ga及び
Inについては、p型ドーパントの項で説明したものが
同様に使用できる。また、Bに関しては、例えばジボラ
ン(B2H6)を用いることができる。
窒素ガス)により適度に希釈し、反応容器内に供給す
る。なお、各層の混晶比の違いにより、層毎にMg源及
びZn源となる有機金属ガスMOの流量比をマスフロー
コントローラMFC等により制御する。また、酸素源ガ
スであるN2O及びドーパント源ガスの流量もマスフロ
ーコントローラMFCにより制御する。
うにして行なう。まず、層を成長させる基板10は、結
晶主軸がc軸のサファイア(つまりアルミナ単結晶)基
板であり、酸素原子面側の主表面が層成長面として使用
される。層成長に先立って、基板10を酸化性ガス雰囲
気下にて十分にアニール処理する。酸化性ガスは、
O 2、CO、N2Oのいずれかから選択できるが、後述
する層成長時の酸素源ガスと共用するため、本実施形態
ではN2Oを使用している。アニール処理温度は、MO
VPEの反応容器内にて行なう場合は、750℃以上
(ただし、基板の融点よりも低温)にて30分以上の保
持時間で行なうことが望ましい。ただし、湿式洗浄等に
より基板表面の清浄化が十分可能である場合には、アニ
ール処理時間をこれよりも短縮して差し支えない。
ス雰囲気を保持した状態にて基板温度を、欠損等の発生
を抑制するために250〜350℃(本実施形態では3
50℃)に設定される第一温度に低下させる。そして、
温度が設定値に安定すれば酸化性ガスの供給を止め、窒
素ガスで反応容器内を置換して酸化性ガスを十分にパー
ジアウトする。パージ時間は、反応容器の形状や容積に
よっても異なるが、5秒以上確保することが有効であ
る。
供給し、例えば図1のバッファ層11の一部をなす最初
の金属原子層をALE法(Atomic Layer Epitaxy法)に
より単原子金属層として形成する。ALE法では自己停
止機能により金属原子層の成長は1原子層分で飽和し、
有機金属ガスMOの供給を継続しても、それ以上の金属
原子層の成長は起こらない。その後、有機金属ガスMO
の供給を停止し、窒素ガスで反応容器内を置換して有機
金属ガスMOを十分にパージアウトした後、酸素源ガス
(酸化性ガス雰囲気でもある)としてN2Oを導入し、
ALE法により酸素原子層を1原子層分形成する。これ
により、基板10上にはMgZnO層が1分子層分だけ
形成されたことになる。
ま、反応容器内の温度を400〜800℃に設定される
第二温度(本実施形態では750℃)に昇温し、さらに
有機金属ガス(金属源ガス)を連続的に流すことで、バ
ッファ層の残余の部分を通常のMOVPE法により成長
させる。なお、より結晶性及び平坦性の高いバッファ層
を得る観点から、最初の複数分子層をALE法により成
長させてもよい。
MgZnOクラッド層34、MgZnO活性層33及び
p型MgZnOクラッド層32をこの順序にてMOVP
E法により形成する。このうち、p型MgZnOクラッ
ド層32は、図6に示すように、MgzZn1−zO型
酸化物層32aとp型酸化物層32bとを交互に積層し
たものとして成長する必要がある。図7は、p型MgZ
nOクラッド層32を成長する際のガス供給シーケンス
の一例を示すものである。このシーケンスでは、MgZ
nO金属源ガスの流量を、NS1となる大流量期間と、該
NS1より小さいNS0となる小流量期間とが交替するよう
に切り替える一方、p型酸化物金属源ガスは、MgZn
O金属源ガスの大流量期間に対応する小流量期間(流
量:NA0=0)と、同じく小流量期間に対応する大流量
期間(流量:NA1)とが交替するように切り替える。他
方、酸素源ガスは決められた流量NX0にて定常的に流し
続ける。これにより、p型MgZnOクラッド層32の
成長途中に、複数のp型酸化物層32bが間欠的に成長
される。
は、MgzZn1−zO型酸化物層32aの成長を継続
しながらp型酸化物層32bの成長も同時進行させるよ
うにすることができる。この場合、図7において示すよ
うに、MgZnO金属源ガスの供給は、小流量期間にお
いてもゼロではない一定流量値NS0’となるように流量
制御する。この場合、p型酸化物層32bは、p型酸化
物とMgZnOとが混在した領域となる。
aの成長を停止させた状態で、p型酸化物層32bを成
長させるようにすることもできる。これは、図7におい
ては、小流量期間においてMgZnO金属源ガスの流量
NS0をゼロとすることを意味する。MgzZn1−zO
型酸化物層32aの成長を停止させた状態で、p型酸化
物層32bの成長を行なうことで、その停止期間が一種
の熱処理期間として作用する結果、結晶性が改善されて
より欠陥の少ないp型クラッド層32の成長が可能とな
る。また、MgZnO金属源ガスの供給を遮断し、酸素
源ガスの供給のみを一定時間継続した後、p型酸化物金
属源ガスの供給に切り替えるようにすると、酸素欠損等
の欠陥発生をより効果的に防止することができる。
aの成長時には、p型ドーパント(例えばGaとNとの
共添加)によるドーピングを行なう。p型ドーパントガ
スは、MgzZn1−zO型酸化物層32aの原料ガス
(金属源ガス+酸素源ガス)の供給を継続しつつ、一定
流量により供給を行なうことができる。このようにする
と、MgzZn1−zO型酸化物層32aはp型ドーパ
ントが一様にドーピングされた構造を有するものとな
る。
濃度がp型MgZnOクラッド層32(あるいはMgz
Zn1−zO型酸化物層32a)の平均濃度よりも高い
高濃度ドーピング層(以下、δドーピング層という)3
2cを、MgzZn1−zO型酸化物層32aの1分子
層以下の領域幅を有するものとして、形成することもで
きる。このようにすると、バックグラウンド電子濃度を
低減する効果が一層顕著なものとなり、p型MgZnO
クラッド層32全体の平均p型ドーパント濃度を低減す
ることができるので、発光効率をさらに改善できる。δ
ドーピング層32cは、MgzZn1−zO型酸化物層
32a中において2層以上周期的に形成することで、電
子補償効果を一層高めることができる。
ントの供給量は、p型ドーパントガス分子による被覆率
が、1/20以上1/4分子層以下となるように調整す
ることが望ましい。1/20分子層未満ではバックグラ
ウンドの電子濃度低減効果が不十分となる。また、1/
4分子層を超えるとp型ドーパントの添加量が過剰とな
りやすくなり、発光効率の低下等につながる。また、δ
ドーピング層32cの形成間隔は、MgZnO層32a
の分子層換算にて10〜500分子層の範囲にすること
が望ましい。10分子層未満では、p型ドーパントの添
加量が過剰となりやすくなり、発光効率の低下等につな
がる。他方、500分子層を超えると、バックグラウン
ドの電子濃度低減効果あるいはp型導電性の付与が不十
分となる場合がある。
1−zO型酸化物の原料ガス(金属源ガス+酸素源ガ
ス)に対するp型ドーパントガスの供給濃度比を一時的
に増加させることにより形成できる。複数のδドーピン
グ層32cを層厚方向に分散して形成する場合は、p型
ドーパントガスの供給濃度比を間欠的に増加させること
により形成可能である。図9は、そのガス供給シーケン
スの一例を示すものであり、MgZnO金属源ガスの流
量を、NS1となる大流量期間と、該NS1より小さいNS0
となる小流量期間とが交替するように切り替え、また、
酸素源ガスの流量を、NX1となる大流量期間と、該NX1
より小さいNX0となる小流量期間とが交替するように切
り替える一方、p型ドーパントガスは、MgZnO原料
ガスの大流量期間に対応する小流量期間(流量:ND0)
と、同じく小流量期間に対応する大流量期間(流量:N
D1)とが交替するように切り替える。
るバックグラウンド電子濃度低減効果は、δドーピング
層32cにおけるp型ドーパント濃度の変化プロファイ
ルが急峻であるほど顕著となる。このようなプロファイ
ルを得るには、δドーピング層32cを形成する際に、
MgzZn1−zO原料ガスの供給を停止することが有
効である。具体的には、図9において、NS0とNX0とを
ともにゼロにすることを意味する。また、δドーピング
層32cの非形成時には、p型ドーパントガスの流量N
D0をゼロにすることが、より急峻な濃度変化プロファイ
ルを形成する上で望ましい。さらに、MgzZn1−z
O型酸化物層32a中にδドーピング層32cを形成す
る際には、p型ドーパントガスの供給直前に、MOVP
E法によるMgzZn1−zO型酸化物層32aの成長
モードを、バッファ層11の形成時と同様のALEモー
ドに切り替えることも有効である。すなわち、p型ドー
パントガスの供給直前におけるMgzZn1−zO型酸
化物層32aの少なくとも最後の1分子層をALEによ
り形成して自己停止させ、その状態でp型ドーパントガ
スを供給すれば、極めて急峻な濃度変化プロファイルを
得ることが可能となる。
れるp型MgZnOクラッド層32の詳細構造を模式的
に示すものである。この構造では、複数のδドーピング
層32cがMgzZn1−zO型酸化物層32a中に周
期的に形成され、そのMgzZn1−zO型酸化物層3
2aに対しp型酸化物層32bがさらに周期的に形成さ
れる、いわば二重周期構造を有してなる。これにより、
バックグラウンド電子濃度の低減効果を最大限に引き出
すことができ、p型MgZnOクラッド層32に対する
p型導電性の付与を確実に行なうことができるととも
に、図1の構造としたときの発光素子の発光効率ひいて
は輝度の向上に寄与する。
性層33に対してもp型酸化物層33bを全く同様に形
成でき、バックグラウンド電子濃度の低減、ひいては発
光効率の向上に寄与する。この場合、MgZnO活性層
33の全体は真性半導体型(i型)の導電特性を有して
いる必要があり、MgzZn1−zO型酸化物層33a
はノンドープとする。
ZnOクラッド層32を成長する際は、酸素欠損発生を
抑制するために、反応容器内の圧力を10Torr以上
に保持することが有効である。これにより酸素の離脱が
一層抑制され、酸素欠損の少ないMgZnO層を成長す
ることができる。特に酸素成分源としてN2Oを使用す
る場合、上記の圧力設定によりN2Oの解離が急激に進
行することが防止され、酸素欠損の発生をより効果的に
抑制することが可能となる。雰囲気圧力は高ければ高い
ほど酸素離脱抑制効果は高められるが、760Torr
(1.01×105Pa又は1気圧)程度までの圧力で
も効果は十分顕著である。例えば、760Torr以下
であれば、反応容器内が常圧又は減圧となるので容器シ
ール構造が比較的簡略なもので済む利点がある。他方、
760Torrを超える圧力を採用する場合は、容器内
が加圧となるので内部の気体が漏れ出さないようにやや
強固なシール構造を、また、圧力が相当高い場合には耐
圧構造等を考慮する必要があるが、酸素離脱抑制効果は
一層顕著となる。この場合、圧力の上限は、装置コスト
と達成できる酸素離脱抑制効果との兼ね合いにより適当
な値に定めるべきである(例えば、7600Torr
((1.01×106Pa又は10気圧)程度)。
れば、図5に示すように活性層33及びp型MgZnO
クラッド層32の一部をフォトリソグラフィー等により
一部除去して、インジウム・スズ酸化物(ITO)等か
らなる透明電極125を形成する一方、残余のp型Mg
ZnOクラッド層32上には金属電極122を形成し、
その後、基板10とともにダイシングすれば発光素子1
が得られる。この発光素子1は、基板10上にMgZn
Oからなるバッファ層11が形成され、さらにMgZn
Oからなる発光層部が形成されたものであることは明ら
かである。光取出は、主として透明なサファイア基板1
0側から行なうことになる。
成長をMOVPE法にて行ったが、MBE法を採用する
ことも可能である。例えばp型酸化物層としてLiO層
を形成したりあるいはp型ドーパントとしてLiを使用
する場合は、固体Liをp型酸化物形成原料あるいはド
ーピング源として用いることも可能である。
光層部を概念的に示す図。
列形態を示す模式図。
いた発光素子のバンド模式図。
の構造を示す模式図。
法により形成する場合の、ガス供給シーケンスの一例を
示す模式図。
1−zO型酸化物層の構造を示す模式図。
PE法により形成する場合の、ガス供給シーケンスの一
例を示す模式図。
にて形成したp型MgZnOクラッド層の構造を示す模
式図。
的に形成した例を示す模式図。
Claims (19)
- 【請求項1】 発光層部がダブルヘテロ構造を有すると
ともに、該ダブルヘテロ構造に含まれる活性層及びp型
クラッド層の少なくともいずれかが、主にMgaZn
1−aO(ただし、0≦a≦1)型酸化物により構成さ
れるMgZnO層とされ、かつ該MgZnO層中に、前
記MgaZn1−aO型酸化物とは異種であってp型導
電性を示すp型酸化物層を介挿したことを特徴とする発
光素子。 - 【請求項2】 複数の前記p型酸化物層を、前記MgZ
nO層の層厚方向に分散して形成したことを特徴とする
請求項1記載の発光素子。 - 【請求項3】 前記p型酸化物層は、1分子層以上であ
って20nm以下の厚さに形成されることを特徴とする
請求項1又は2に記載の発光素子。 - 【請求項4】 前記p型酸化物層は、CuO、NiO及
びLiOのいずれかを主体とすることを特徴とする請求
項1ないし3のいずれか1項に記載の発光素子。 - 【請求項5】 発光層部がダブルヘテロ構造を有すると
ともに、該ダブルヘテロ構造に含まれるp型クラッド層
が主にMgaZn1−aO(ただし、0≦a≦1)型酸
化物により構成され、かつ該p型クラッド層中には、p
型ドーパント濃度が当該p型クラッド層の平均濃度より
も高い高濃度ドープ層が、前記p型クラッド層の1分子
層以下の領域幅を有するものとして形成されたことを特
徴とする発光素子。 - 【請求項6】 複数の前記高濃度ドープ層を、前記p型
クラッド層中に層厚方向に分散して形成したことを特徴
とする請求項5記載の発光素子。 - 【請求項7】 前記高濃度ドープ層に、前記p型ドーパ
ントとしてGaとNとが共添加されていることを特徴と
する請求項5又は6に記載の発光素子。 - 【請求項8】 発光層部がダブルヘテロ構造を有すると
ともに、該ダブルヘテロ構造に含まれるp型クラッド層
が主にMgaZn1−aO(ただし、0≦a≦1)型酸
化物により構成され、かつ該p型クラッド層中には、p
型ドーパント濃度が当該p型クラッド層の平均濃度より
も高い高濃度ドープ層と、前記MgaZn1−aO型酸
化物とは異種であってp型導電性を示すp型酸化物層と
が層厚方向に分散して形成されるとともに、前記高濃度
ドープ層は、前記p型クラッド層の1分子層以下の領域
幅を有するものとしてなり、他方、前記p型酸化物層は
1分子層以上であって20nm以下の厚さにてなること
を特徴とする発光素子。 - 【請求項9】 発光層部がダブルヘテロ構造を有すると
ともに、該ダブルヘテロ構造に含まれる活性層及びp型
クラッド層の少なくともいずれかが、主にMgaZn
1−aO(ただし、0≦a≦1)型酸化物により構成さ
れるMgZnO層である発光素子を製造する方法におい
て、 前記MgZnO層の成長途中に、前記MgaZn1−a
O型酸化物とは異種であってp型導電性を示すp型酸化
物層を形成することを特徴とする発光素子の製造方法。 - 【請求項10】 前記MgZnO層の成長途中に、複数
の前記p型酸化物層を間欠的に成長させることを特徴と
する請求項9記載の発光素子の製造方法。 - 【請求項11】 前記MgZnO層を気相成長法により
成長させる途中に、前記p型酸化物層を、前記MgaZ
n1−aO型酸化物の成長を停止した状態で成長させる
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の発光素子の
製造方法。 - 【請求項12】 前記MgZnO層を、MOVPE法に
より形成することを特徴とする9ないし11のいずれか
1項に記載の発光素子の製造方法。 - 【請求項13】 前記MgZnO層を、MBE法により
形成することを特徴とする請求項9ないし11のいずれ
か1項に記載の発光素子の製造方法。 - 【請求項14】 発光層部がダブルヘテロ構造を有する
とともに、該ダブルヘテロ構造に含まれるp型クラッド
層が主にMgaZn1−aO(ただし、0≦a≦1)型
酸化物により構成される発光素子の製造方法において、
前記p型クラッド層の成長途中に、当該p型クラッド層
の平均濃度よりも高い高濃度ドープ層を形成することを
特徴とする発光素子の製造方法。 - 【請求項15】 前記p型クラッド層を気相成長法によ
り成長させる途中に、前記MgaZn1−aO型酸化物
の原料ガスに対するp型ドーパントガスの供給濃度比を
一時的に増加させることにより、前記高濃度ドープ層を
形成することを特徴とする請求項14記載の発光素子の
製造方法。 - 【請求項16】 前記p型ドーパントガスの供給濃度比
を間欠的に増加させることにより、複数の前記高濃度ド
ープ層を前記p型クラッド層中に層厚方向に分散して形
成することを特徴とする請求項15記載の発光素子の製
造方法。 - 【請求項17】 前記高濃度ドープ層を形成する際に、
前記MgaZn1− aO型酸化物の原料ガスの供給を停
止することを特徴とする請求項15又は16に記載の発
光素子の製造方法。 - 【請求項18】 前記p型クラッド層を、MOVPE法
により形成することを特徴とする請求項14ないし17
のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。 - 【請求項19】 前記p型クラッド層を、MBE法によ
り形成することを特徴とする請求項14ないし17のい
ずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
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