JP2003114380A - 光ヘッド用対物レンズおよびこれを用いた光ヘッド - Google Patents

光ヘッド用対物レンズおよびこれを用いた光ヘッド

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JP2003114380A
JP2003114380A JP2001306987A JP2001306987A JP2003114380A JP 2003114380 A JP2003114380 A JP 2003114380A JP 2001306987 A JP2001306987 A JP 2001306987A JP 2001306987 A JP2001306987 A JP 2001306987A JP 2003114380 A JP2003114380 A JP 2003114380A
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lens
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optical head
aberration
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JP2001306987A
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Koichi Maruyama
晃一 丸山
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Pentax Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 NA0.70以上の用途に用いられる対物レ
ンズであり、単レンズでありながら、偏心コマ収差を良
好に補正することが可能な光ヘッド用対物レンズを提供
することを課題とする。 【解決手段】 対物レンズ20は、入射光束を収束させ
ることにより光ディスク10の透明な保護層11を介し
て記録面12上にスポットを形成するNA0.70以上
の単レンズである。対物レンズ20は、第1面、第2面
の両面が非球面の単レンズであり、第1面21と第2面
22とに面間に偏心がない場合には軸上で互いにキャン
セルし合う5次の球面収差を付加し、光軸に対して垂直
な方向へのレンズ面の偏心により発生する3次の偏心コ
マ収差による波面収差の劣化を、5次の偏心コマ収差で
補償するよう設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光ディスク等の
光記録媒体に対して情報を記録し、再生する光ヘッドに
用いられる対物レンズに関し、特に、情報記録密度の大
きな光記録媒体に適用されるNA(開口数)が0.7以上
の対物レンズに関する。また、この発明は、このような
対物レンズを用いた光ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の対物レンズのNAは、対象とな
る光記憶媒体の記録密度に応じて設定される。光ディス
クとしてCD(コンパクトディスク)を用いる光ヘッドの
対物レンズのNAは0.45程度、これより記録密度の
大きいDVD(デジタルバーサタイルディスク)を用いる
光ヘッドの対物レンズのNAは0.60程度である。
【0003】CDやDVD用の対物レンズには、一般に
両面非球面単レンズが用いられる。対物レンズは、入射
光束を回折限界のスポットとして収束させるため、球面
収差を十分に補正する必要がある。また、組立誤差のマ
ージンを確保するため、軸外コマ収差も補正されている
必要がある。このため、従来の両面非球面単レンズであ
る対物レンズは、所定の設計基準状態(一般的には対物
レンズに平行光が入射する状態)で球面収差が補正さ
れ、かつ、正弦条件を満足するように設計されている。
【0004】一方、光ヘッド用の対物レンズは一般に金
型を用いて成形されているが、製造上、型の移動時のク
リアランスを確保するため、形成される対物レンズの第
1面(光源側)と第2面(光ディスク側)との間に0.001mm
〜0.004mmの偏心(光軸に垂直な方向への面の相対的なず
れ)が発生する。従来のCD用、DVD用の対物レンズ
では、NAが低いために高次収差の発生が少なく、焦点
距離、作動距離(レンズ最終面とディスク保護層の表面
との間隔)等の自由度が大きいため、上記の偏心による
コマ収差を面形状のバランスにより補正することが可能
である。
【0005】これに対して近時、記録密度をDVDより
高めた光ディスクが提案されており、このような光ディ
スクに対応するためには対物レンズのNAは0.70以
上必要となる。しかしながら、レンズ径を大きくせずに
NAを高めるために焦点距離を短くし、かつ、所定の作
動距離を確保しようとすると、面形状に対する設計の自
由度が少なくなり、偏心コマ収差を補正することができ
なくなる。NA0.70以上の対物レンズでは、0.004m
mの面の偏心により発生する収差は許容範囲を大きく上
回り、対物レンズとして使用することができなくなる。
【0006】そこで、特開平11−190818号公報
には、2枚構成とすることにより、偏心コマ収差、球面
収差を低く抑えつつ高NAを確保した対物レンズが開示
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、対物レ
ンズを2枚構成とすると、重量、容積が単レンズの場合
より大きくなるため、従来の単レンズ用に設計されたフ
ァインアクチュエータ(対物レンズを光軸方向へ駆動し
てフォーカシングするための機構)を流用することがで
きない。また、2枚のレンズを軸合わせして枠に固定し
なければならないので、組立工程数、部品点数が多くな
る。さらに、上記の公報に記載された対物レンズの作動
距離(レンズ最終面とディスク保護層の表面との間隔)は
3.5〜50μmとなり、同じ焦点距離を有する単体の
対物レンズと比較して極めて小さくなるといった問題が
ある。
【0008】この発明は、上述した従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、NA0.70以上の用途に
用いられる対物レンズであり、単レンズでありながら、
偏心コマ収差を良好に補正することが可能な光ヘッド用
対物レンズを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる光ヘッ
ド用対物レンズは、上記の目的を達成させるため、入射
光束を収束させることにより光記録媒体の透明な保護層
を介して記録面上にスポットを形成する構成において、
NA0.70以上の両面非球面の単レンズであって、入
射側となる第1面と光記録媒体側となる第2面の両面
に、面間に偏心がない場合には軸上で互いにキャンセル
し合う高次の球面収差を付加し、光軸に対して垂直な方
向へのレンズ面の偏心により発生する低次の偏心コマ収
差による波面収差の劣化を、高次の偏心コマ収差で補償
するようにしたことを特徴とする。
【0010】この発明の対物レンズのような両面非球面
単レンズの設計の自由度は、第1面の近軸曲率半径r
1、第2面の近軸曲率半径r2、厚さd、屈折率n、第1
面の非球面形状ASP1、第2面の非球面形状ASP2の6つ
である。
【0011】このうち、仕様により求められる焦点距離
fを実現するために1つの自由度が使われる。例えば、
ここでは第2面の近軸曲率半径r2が焦点距離を決める
ためにある値に設定されるものとする。また、屈折率n
は材料の種類により決まるため、自由に変更できず、厚
さdはレンズの周辺部の厚さと作動距離とを確保できる
条件の中で変更可能な幅が小さい。したがって、変更が
容易な自由度は、両面の非球面形状APS1,APS2と、第1
面の近軸曲率半径r1の3つとなる。
【0012】これらの3つの自由度では、球面収差、コ
マ収差、偏心コマ収差を全て0にすることはできない。
すなわち、非球面形状のいずれか一方で高次まで含む球
面収差を補正でき、もう一方の非球面形状で高次を含む
コマ収差の補正ができる。しかし、残る第1面の近軸曲
率半径r1の設定では、第1面と第2面のパワー配分の
自由度で偏心コマ収差の発生量を変化させることはでき
るが、3次の偏心コマ収差と高次の偏心コマ収差とを同
時に小さくすることができない。
【0013】そこで、この発明の対物レンズは、高次の
偏心コマ収差と低次の偏心コマ収差とをバランスさせる
ことにより、レンズ面に偏心が生じた際の波面収差の劣
化を防ぐように設計されている。両レンズ面に付加され
た高次の球面収差は、面間に偏心がない場合には互いに
キャンセルされるため、波面収差に影響を与えない。レ
ンズ面が偏心すると、両レンズ面のずれにより高次の球
面収差がキャンセルされず、高次の偏心コマ収差を発生
させる。そして、球面収差を付加したことにより偏心時
に発生する高次の偏心コマ収差と、偏心により本来的に
生じる低次の偏心コマ収差とを打ち消し合わせることに
より、偏心による波面収差の劣化を小さく抑えることが
できる。
【0014】なお、対物レンズの第1面、第2面には面
間の偏心がない場合には軸上でキャンセルし合う5次の
球面収差を付加し、これにより、レンズ面の偏心により
発生する3次の偏心コマ収差による波面収差の劣化を、
上記の球面収差の導入により発生する5次の偏心コマ収
差による波面収差によって打ち消すことが望ましい。
【0015】以下、このような設計について具体的に説
明する。単レンズである対物レンズの第1面と第2面と
が光軸に対して垂直にΔhだけ偏心した際に発生する収
差は、その表面の形状に依存する。ここでは、簡単のた
め光軸を通り、レンズ面の偏心の方向と一致する平面内
の収差について考える。
【0016】回転対称な非球面である第1面の形状を、
光軸からの距離hの点の光軸方向のサグ量で定義する関
数をg(h)とすると、g(h)をhで微分したg'(h)が
面の傾きになる。面の偏心前後の位置の光軸方向のズレ
量は偏心量Δhに対してg'(h)Δhとなり、高さhの
点に入射する光線の光路長はこのズレ量g'(h)Δhの
分だけ変化する。
【0017】一般に、屈折率n、厚さt(面に垂直な方
向に向かった厚さ)の平行平面板に入射角度θで入射す
る光線が受ける光路長付加は t(−cosθ+√(n2−sin2θ)) で与えられる。光ヘッド用対物レンズの場合は、一般に
第1面に入射する光線はほぼ光軸に対して平行であるた
め、第1面に対する入射角度をθとすると、tanθ=g'
(h)の関係がある。
【0018】これらをまとめると、対物レンズの第1面
に光軸からの距離hで入射する光線に対するレンズ面の
偏心による波面収差の付加は、以下の式(A)で表され
る。 Δhg'(h)(−1+√(n2+(n2−1)((g'(h))2)))/(1+(g'(h))2) …(A) ただし、上の式(A)には、波面収差の近軸の1次成分が
含まれるが、これは波面の偏心収差ではないので差し引
く必要がある。差し引き分は、g(h)の二階微分した関
数の光軸上の値(近軸曲率)をcとしてh(n−1)cと
なる。このため、レンズ面の偏心により発生する実際の
波面収差は、以下の式(B)の通りとなる。 Δhg'(h)(−1+√(n2+(n2−1)((g'(h))2)))/(1+(g'(h))2)− h(n−1)c) …(B)
【0019】波面収差の単位をλとする場合は波長で割
ればよい。レンズ面の偏心1mmにより発生する波面収
差の感度Swとすると、Swは、以下の式(C)の通りと
なる。 Sw=g'(h)(−1+√(n2+(n2−1)((g'(h))2)))/(1+(g'(h))2) −h(n−1)c) …(C) 微分値g'(h)を簡単のためXとすると、上の式(C)は
以下の式(D)の通りとなり、偏心Δhにより発生する波
面収差ΔOPDは式(E)の通りとなる。 Sw=X/(1+X2)×(-1+√(n2+(n2−1)X2))−h(n−1)c…(D) ΔOPD=Sw(h) ×Δh …(E) 式(E)は、例えば、レンズ面に1μmの偏心が生じた場
合、光軸からのある高さhにおけるSwの値が1であれ
ば、その高さhで入射した光束に対して1μmの波面収
差が発生することを意味している。
【0020】この発明の光ヘッド用対物レンズは、上記
の感度Swが第1面の最大有効光束半径hmaxとして0
<h≦hmaxの範囲内で正の極大値を持つと共に、0<h
≦hma xの全範囲で下記の条件(1)を満たすことを特徴と
する。 −0.10 < Sw < 0.10 …(1)
【0021】球面収差を補正すると共に正弦条件を満た
す従来の設計方法で高NAのレンズを設計すると、感度S
wは中心から周辺に向けて3次関数的に大きくなる。こ
れに比較すると、この発明のように感度Swが正の極大
値を持つ場合には、0<h≦hmaxの範囲の中間領域では
曲率がきつくなり、それより周辺では曲率が緩くなる。
【0022】条件(1)の上限を越えると、偏心コマ収差
の感度が大きくなり、製造時の偏心に対する許容誤差範
囲が小さくなるため、製造の歩留まりが悪くなる。ま
た、条件(1)の下限を下回ると、高次の軸外コマ収差が
大きくなり、イメージサークルが狭められ、トラッキン
グの際に対物レンズのみを移動させる方式では、十分な
トラッキングの移動幅を確保することが困難になる。
【0023】さらに、以下の条件(2)を満たすことが望
ましい。 −0.01 < Sw < 0.05 …(2) 条件(2)の上限を満たす場合には、偏心に対する波面収
差発生の感度が低くなるため、製造時の偏心に対する許
容誤差範囲が大きくなり、製造が容易になる。また、下
限を満たすことにより、軸外コマ収差をさらに小さく
し、イメージサークルを広くすることができる。
【0024】一方、この発明にかかる光ヘッドは、レー
ザー光を発する光源部と、光源部からのレーザー光を光
記録媒体の透明な保護層を介して記録面上にスポットを
形成する上記の対物レンズとを備えることを特徴とす
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる光ヘッド
用対物レンズ、およびこれを備える光ヘッドの実施形態
を説明する。最初に、図1に基づいて実施形態の光ヘッ
ドの構成について説明する。実施形態の光ヘッドは、D
VD等よりも高密度の光ディスクに対して用いられるも
のであり、対物レンズのNAは0.70以上、使用する
レーザー光は波長405nmの青色光である。
【0026】実施形態の光ヘッドは、図1に示されるよ
うに、レーザー光を発する半導体レーザー1と、この半
導体レーザーから発する発散光をほぼ平行光にするコリ
メートレンズ2と、レーザー光を光ディスク10の透明
な保護層11を介して記録面12上に収束させる対物レ
ンズ20と、光ディスク10からの戻り光を分離するビ
ームスプリッター3と、分離された戻り光を集光させる
コンデンサレンズ4と、集光された戻り光を受光して各
種の信号を出力する受光素子5とを備えている。半導体
レーザー1とコリメートレンズ2とは、レーザー光を発
する光源部を構成している。
【0027】対物レンズ20は、トラッキング、フォー
カシングのために対物レンズアクチュエータ6に搭載さ
れている。この対物レンズ20は、NA0.70以上
で、入射側となる第1面21、光ディスク10側となる
第2面22の両面が非球面の単レンズであり、第1面2
1と第2面22の両面に、面間に偏心がない場合には軸
上で互いにキャンセルし合う高次の球面収差を付加し、
光軸に対して垂直な方向へのレンズ面の偏心により発生
する低次の偏心コマ収差による波面収差の劣化を、高次
の偏心コマ収差で補正するように設定されている。上記
のように設定すれば、第1面21と第2面22とが光軸
に対して垂直な方向に偏心した場合にも、波面収差の劣
化を防ぐことができる。
【0028】上記のような偏心コマ収差の補正状態を得
るため、実施形態の対物レンズ20は、偏心した際に発
生する波面収差の感度Swが、第1面の最大有効光束半
径h maxとして0<h≦hmaxの範囲内で極大値を持つと
共に、0<h≦hmaxの全範囲で下記の条件(1)、 −0.10 < Sw < 0.10 …(1) を満たし、さらに、上記の条件(2)をも満たすよう設計
されている。 −0.01 < Sw < 0.05 …(2) 感度Swは、 Sw=X/(1+X2)×(−1+√(n2+(n2−1)X2))−h(n−
1)c と定義される。ここで、Xは、第1面21の光軸からの
距離hでの光軸方向のサグ量を関数g(h)を距離hで微
分した関数、cはXをhで微分した関数の光軸上での
値、nは対物レンズの屈折率である。
【0029】次に、上述した実施形態に基づく具体的な
実施例を3例提示する。いずれも保護層の厚さが0.1
mmの光ディスク10に適用される光ヘッド用の対物レ
ンズである。
【0030】
【実施例1】図2は、実施例1にかかる対物レンズ20
と光ディスク10の保護層11とを示すレンズ図であ
る。実施例1の対物レンズの具体的な数値構成は表1に
示される。表中、fは焦点距離、NAは開口数、rは面
の曲率半径(単位:mm)、dは面間の光軸上の距離(単
位:mm)、nは使用波長405nmにおける屈折率で
ある。面番号1、2がそれぞれ対物レンズ20の第1面
21、第2面22、面番号3,4が光ディスク10の保
護層11の両面を示している。
【0031】第1面21、第2面22は、共に光軸回り
の回転対称な非球面である。非球面の形状は、光軸から
の距離がhとなる非球面上の座標点の非球面の光軸上で
の接平面からの距離(サグ量)をg(h)、非球面の光軸上
での曲率(1/r)をC、円錐係数をK、4次、6次、8
次、10次、12次の非球面係数をA4,A6,A8,A10,A12
して、以下の式で表される。これらの係数は表2に示さ
れる。g(h)=Ch2/(1+√(1-(1+K)C2h2))+A4h4+A6h6+A8h8
+A10h10+A12h12
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】図3は、実施例1の対物レンズ20の基準
状態(対物レンズの第1面と第2面との間に偏心がない
状態)での球面収差SA、および正弦条件違反量(以下、
図中では単に正弦条件と示す)SCを示す。グラフの横
軸は収差の発生量を示し(単位:mm)、縦軸は開口数N
Aを示す。
【0035】また、図4は、実施例1の対物レンズの波
面収差を示し、(A)は基準状態、(B)は第1面21と
第2面22とが相対的に0.001mm偏心した場合を示して
いる。波面収差のグラフでは、縦軸は収差の発生量(単
位:波長)、横軸は光軸からの距離を示す。なお、0.001
mm偏心した場合の波面収差は、rms値で0.016λで
あり、光記録用の対物レンズとして十分使用できる程度
に抑えられている。
【0036】
【実施例2】図5は、実施例1にかかる対物レンズ20
と光ディスク10の保護層11とを示すレンズ図であ
る。実施例2の対物レンズの基本的な数値構成を表3
に、非球面に関する係数を表4に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】図6は、実施例2の対物レンズ20の基準
状態での球面収差SA、および正弦条件違反量SCを示
す。また、図7は、実施例2の対物レンズ20の波面収
差を示し、(A)は基準状態、(B)は第1面21と第2
面22とが相対的に0.001mm偏心した場合を示してい
る。0.001mm偏心した場合の波面収差は、rms値で0.0
26λであり、光記録用の対物レンズとして十分使用で
きる程度に抑えられている。
【0040】
【実施例3】図8は、実施例3にかかる対物レンズ20
と光ディスク10の保護層11とを示すレンズ図であ
る。実施例3の対物レンズの基本的な数値構成を表5
に、非球面に関する係数を表6に示す。
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】図9は、実施例3の対物レンズ20の基準
状態での球面収差SA、および正弦条件違反量SCを示
す。また、図10は、実施例3の対物レンズ20の波面
収差を示し、(A)は基準状態、(B)は第1面21と第
2面22とが相対的に0.001mm偏心した場合を示してい
る。0.001mm偏心した場合の波面収差は、rms値で0.0
23λであり、光記録用の対物レンズとして十分使用で
きる程度に抑えられている。
【0044】次に、前述の条件(1)、(2)に示されてい
るレンズ面の偏心により発生する波面収差の感度Swが
各実施例で各距離hについてどのような値を持つかを以
下の表7により説明する。なお、表の瞳座標は、対物レ
ンズ瞳の最外周の光軸からの距離をhmax、光線が通る
実際の光軸からの距離をhとしたときに、h/hmax
より求められる比率であり、表7は、各瞳座標を通る光
線に対する感度を示している。
【0045】
【表7】 瞳座標 実施例1 実施例2 実施例3 1.00 -0.0017 0.0032 -0.0054 0.90 0.0248 0.0396 0.0210 0.80 0.0268 0.0420 0.0236 0.70 0.0209 0.0328 0.0186 0.60 0.0139 0.0219 0.0125 0.50 0.0082 0.0129 0.0075 0.40 0.0042 0.0066 0.0039 0.30 0.0018 0.0028 0.0016 0.20 0.0005 0.0008 0.0005 0.10 0.0001 0.0001 0.0001 0.00 0.0000 0.0000 0.0000
【0046】表7に示すように、各実施例とも、全ての
距離について条件(1)、およびより厳しい条件(2)を満
たしており、対物レンズのレンズ面に相対的な偏心が生
じた場合にも、波面収差の発生量を低く抑えることがで
きる。また、図11は、表7の数値をグラフ化した図で
あり、このグラフから、各実施例とも感度Swの値が瞳
座標0.8の位置で正の極大値を有していることがわか
る。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、レンズ面の偏心により生じる低次の偏心コマ収差
を、高次の偏心コマ収差と打ち消し合わせることによ
り、単レンズでありながら偏心による波面収差の発生を
小さく抑えることができる。このため、製造時の偏心に
対する許容誤差範囲を大きくすることができ、製造の歩
留まりを向上させることができる。また、従来の2枚構
成の対物レンズと比較するとレンズの重量、容積を削減
し、ファインアクチュエータの負担を軽減すると共に、
十分な作動距離を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態にかかる光ヘッドの構成を概念的に
示す説明図である。
【図2】 実施例1にかかる対物レンズと光ディスクの
保護層とを示すレンズ図である。
【図3】 実施例1にかかる対物レンズの基準状態にお
ける球面収差、正弦条件を示すグラフである。
【図4】 実施例1の対物レンズの波面収差を示すグラ
フであり、 (A)は基準状態、(B)はレンズ面に0.001mm
の偏心が生じた場合の収差を示す。
【図5】 実施例2にかかる対物レンズと光ディスクの
保護層とを示すレンズ図である。
【図6】 実施例2にかかる対物レンズの基準状態にお
ける球面収差、正弦条件を示すグラフである。
【図7】 実施例2の対物レンズの波面収差を示すグラ
フであり、 (A)は基準状態、(B)はレンズ面に0.001mm
の偏心が生じた場合の収差を示す。
【図8】 実施例3にかかる対物レンズと光ディスクの
保護層とを示すレンズ図である。
【図9】 実施例3にかかる対物レンズの基準状態にお
ける球面収差、正弦条件を示すグラフである。
【図10】 実施例3の対物レンズの波面収差を示すグ
ラフであり、 (A)は基準状態、(B)はレンズ面に0.001
mmの偏心が生じた場合の収差を示す。
【図11】 各実施例の対物レンズの偏心に対する感度
の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 半導体レーザー 2 コリメートレンズ 3 ビームスプリッター 6 コリメートレンズアクチュエータ 7 対物レンズアクチュエータ 10 光ディスク 11 保護層 12 記録面 20 対物レンズ 21 第1面 22 第2面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H087 KA13 LA01 PA01 PA17 PB01 QA02 QA06 QA07 QA12 QA14 QA32 QA34 RA05 RA12 RA13 RA42 5D119 AA22 BA01 BB01 BB04 EC04 EC05 JA09 JA43 JB02 JB03 5D789 AA22 BA01 BB01 BB04 EC04 EC05 JA09 JA43 JB02 JB03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光束を収束させることにより光記録
    媒体の透明な保護層を介して記録面上にスポットを形成
    する光ヘッド用対物レンズにおいて、 NA0.70以上の両面非球面の単レンズであって、入射側と
    なる第1面と前記光記録媒体側となる第2面の両面に、
    面間に偏心がない場合には軸上で互いにキャンセルし合
    う高次の球面収差を付加し、光軸に対して垂直な方向へ
    のレンズ面の偏心により発生する低次の偏心コマ収差に
    よる波面収差の劣化を、高次の偏心コマ収差で補償する
    ようにしたことを特徴とする光ヘッド用対物レンズ。
  2. 【請求項2】 前記レンズ面に付加される高次の球面収
    差は、5次の球面収差であることを特徴とする請求項1
    に記載の光ヘッド用対物レンズ。
  3. 【請求項3】 前記第1面の光軸からの距離hでの光軸
    方向のサグ量を表す関数g(h)を距離hで微分した関数
    をXと表記し、Xをhで微分した関数の光軸上での値を
    c、対物レンズの屈折率をnとして、 Sw=X/(1+X2)×(−1+√(n2+(n2−1)X2))−h(n−
    1)c を定義したとき、前記Swは、前記第1面の最大有効光
    束半径hmaxとして0<h≦hmaxの範囲内で正の極大値
    を持つと共に、0<h≦hmaxの全範囲で下記の条件
    (1)、 −0.10 < Sw < 0.10 …(1) を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の光
    ヘッド用対物レンズ。
  4. 【請求項4】 前記Swが、さらに以下の条件(2)、 −0.01 < Sw < 0.05 …(2) を満たすことを特徴とする請求項3に記載の光ヘッド用
    対物レンズ。
  5. 【請求項5】 入射光束を収束させることにより光記録
    媒体の透明な保護層を介して記録面上にスポットを形成
    する光ヘッド用対物レンズにおいて、 入射側となる第1面と前記光記録媒体側となる第2面の
    両面が非球面であるNA0.70以上の単レンズであって、前
    記第1面の光軸からの距離hでの光軸方向のサグ量を表
    す関数g(h)を距離hで微分した関数をXと表記し、X
    をhで微分した関数の光軸上での値をc、対物レンズの
    屈折率をnとして、 Sw=X/(1+X2)×(−1+√(n2+(n2−1)X2))−h(n−
    1)c を定義したとき、前記Swは、前記第1面の最大有効光
    束半径hmaxとして0<h≦hmaxの範囲内で極大値を持
    つと共に、0<h≦hmaxの全範囲で下記の条件(1)、 −0.10 < Sw < 0.10 …(1) を満たすことを特徴とする光ヘッド用対物レンズ。
  6. 【請求項6】 前記Swが、さらに以下の条件(2)、 −0.01 < Sw < 0.05 …(2) を満たすことを特徴とする請求項5に記載の光ヘッド用
    対物レンズ。
  7. 【請求項7】 レーザー光を発する光源部と、該光源部
    からのレーザー光を光記録媒体の透明な保護層を介して
    記録面上にスポットを形成する請求項1〜6のいずれか
    に記載の対物レンズとを備えることを特徴とする光ヘッ
    ド。
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