JP2003113695A - 土圧壁の構成方法及び土圧壁構成用推進管 - Google Patents

土圧壁の構成方法及び土圧壁構成用推進管

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JP2003113695A
JP2003113695A JP2001307013A JP2001307013A JP2003113695A JP 2003113695 A JP2003113695 A JP 2003113695A JP 2001307013 A JP2001307013 A JP 2001307013A JP 2001307013 A JP2001307013 A JP 2001307013A JP 2003113695 A JP2003113695 A JP 2003113695A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 推進管として、円形管の円周の一部を窪ま
せ、窪みを管軸方向に貫通して存在させた硬質材料製の
異形管を用い、異形管を地盤中に推進し、隣接する異形
管同士を窪み内で重ね合わせて土圧壁を構成するに際
し、窪み内に土砂混じりの水が進入しないようにするこ
とを目的とする。 【解決手段】 異形管の窪みの中に切削し易い無機質の
固体材料を充填して外形を元の円形管状とし、これを地
盤中に推進したのち、この異形管の切削し易い無機質の
固体材料に食い込む円形に前面地盤を掘削して、掘削し
た穴内に別の同様な異形管を推進する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は土圧壁の構成方法及び
土圧壁構成用推進管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多数の管を次々と互いに密接させた状態
で地盤中に押し込んで、土圧壁を構成することはパイプ
ルーフ工法として既に知られている。こうして構成され
た土圧壁は、あとで土圧壁の内部を掘削して、トンネル
等を作るのに利用される。
【0003】このような用途に使用される管は、土圧に
耐える壁を構成するためのものであるから、硬質材料、
とくに鉄とりわけ鋼で作られた。また、この管は地盤中
で隣接する管同士の間が水や土砂の通らない程に互いに
密接していなければならないために、端から端まで同じ
断面を持つべきものとされた。このため実際には管とし
て横断面が円形の鋼製管が用いられている。
【0004】土圧壁を構成するために管を地盤中に押し
込むには、推進工法が用いられる。推進工法は先端に掘
進機を位置させ、掘進機で前面地盤を掘削して、丁度管
を押し込むに足るだけの穴を掘り、切削した土砂を管を
通って排出しながら、管をジャッキで押し進めて地盤中
に埋設する。一般に、掘進機は前面地盤を円形に掘削す
るものであるから、管としては断面が円形のものが適し
ている。
【0005】ところが円形の管を互いに密接させて押し
込むと、隣接する管同士は互いに直線で接触することと
なる。これでは、隣接する管同士を強固に結合させるこ
とができない。そこで、隣接する管同士を互いに強固に
結合させるために、管に係止部を付設しておき、管を押
し込むことが提案された。この提案は例えば特開平8−
135363号公報に記載されている。
【0006】特開平8−135363号公報は、管を断
面円形のものに限定しないで断面が四角形の筒であって
もよいとし、このような筒に長手方向の一端から他端ま
で連続して第1のガイド手段(第1の係止部)と第2の
ガイド手段(第2の係止部)とを付設し、第1の係止部
を筒の一部を切欠して作られ横断面奥広の空間とし、第
2の係止部を横断面が先開きの突出物とし、第2の係止
部を第1の係止部内に食い込ませつつ筒を推進するパイ
プルーフ工法を記載している。またこの公報は、第1の
係止部たる空間内を流体が流動することを阻止するため
に、空間内にシール手段を配置することを記載してい
る。シール手段としては、第1の係止部たる空間内に発
泡ポリスチロール及び発泡ゴムのような有機物を充填す
ることとしている。
【0007】この工法では、第1の係止部内に第2の係
止部を食い込ませて突出した第1の係止部の介在により
隣接する筒同士を接続するに過ぎず、隣接する筒そのも
のは互いに離れているから、筒同士の接続はさほど強固
でない。
【0008】そこで、隣接する管同士をさらに強固に接
続させるために異形管を用いることが提案された。この
提案は特開2000−213275号公報に記載されて
いる。この公報が記載する方法は、図1に示したよう
に、横断面が円形管の円弧の一部を窪ませ、窪みを管軸
方向に貫通して存在させた硬質材料製の異形管を用い
て、これを地盤中に推進する方法である。その異形管
は、図1に示したように、横断面が円形の管において、
円弧部分aを切欠し、その内部に隔壁bを付設し、切欠
したあとに窪みcを形成したものである。図1の異形管
では、窪みcの縁を補強するために、窪みcの内部に補
強片dが付設されている。
【0009】前面地盤が硬くて、土砂崩落のおそれもな
く、また地下水が噴出する危険もないときは、図1に示
した異形管をそのまま推進させて地盤中に埋設すること
ができる。しかし、実際には土砂崩落や出水の危険が全
くないような地盤は滅多に存在しない。従って、円形に
掘削した穴内に図1に示した異形管を推進させると、窪
みc内に土砂混じりの水が進入することが起こる。する
と掘削した地盤表面が沈下し、甚だしい場合には地盤が
陥没することとなる。このような事態になることは絶対
に避けなければならない。なぜならば、パイプルーフ工
法は、地盤表面に影響を与えないで地下を掘削できるこ
とが、最大の利点とされているからである。
【0010】そこで、上述のような事態を避けるため
に、特開2000−213275号公報は、推進過程で
地下に形成された窪み内に充填材料を充填することを教
えている。充填材料としては、固体の微粉末が水中又は
無害な油中に溶解又は分散していて塑性を持ち、空隙内
に充填されると、空隙を一定の形に保つ性質を持ったも
のを使用することとしている。
【0011】このような充填材料は、推進が或る程度進
行した途中では有効な働きをする。ところが発進立坑や
到達立坑のような坑口では、充填材料が充填時に窪みか
ら坑口外へ流出してしまうために有効に働かない。そこ
で特開2000−297593号公報は、図2に示した
ように、異形管1の両端において窪みc内に短尺のサイ
ド管eを当接して、窪みc内に充填した充填材が坑口外
へ流出するのを防ぐことを提案している。この公報はサ
イド管eが何を材料として構成すべきかについては、と
くに説明していないが、管と同じく金属板を用いて、こ
れを断面がD字状に折り曲げたものであると解される。
サイド管eは異形管の先端と後端とに分けて当接される
が、先端のサイド管は異形管の先端に固定されていて、
異形管の推進とともに到達坑口まで移動することとなる
が、後端のサイド管は発進立坑の坑口に固定されてい
て、異形管に対しては移動することとされる。そして、
これら2つのサイド管の間には充填材料が充填されて、
土砂混じりの水が進入するのを防ぐようにされる。
【0012】しかし、この方法は、サイド管の取り付け
と取り外しが煩瑣であって時間を要する。とくに、後端
のサイド管は、異形管が推進されるにつれて発進坑口内
に留まるようにしなければならないからサイド管eと異
形管の間にシールが必要になり、構造が複雑となる。従
って、この方法は有利でない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述のよ
うな異形管を推進する際に、異形管に設けられた窪み内
に土砂混じりの水が進入しないようにするための簡単で
有利な方法を提供しようとしてなされたものである。
【0014】
【課題解決のための手段】この発明は、特開2000−
213275号及び特開2000−297593号公報
が使用することとしている異形管を用いるが、しかし異
形管をそのまま推進させることとしないで、異形管の窪
み全体にわたり、予め固体の切削し易い無機質材料を充
填成形して、異形管の外形をもとの円形断面を保った形
にして、これを地盤中に推進させることを骨子とするも
のである。これにより、サイド管は不要となり、円形の
坑口工が使用できる。切削し易い材料としては、例えば
ベントナイトセメントモルタルのほか色々のものを用い
ることができる。切削し易い材料は、掘進機で切削する
とき負担にならない強度であると同時に、地盤に接して
推進しても成形面が破壊しない強度をもつものでなけれ
ばならない。従って、前面地盤が礫や玉石を含まない粘
性土であれば、切削し易い無機質材料は一軸圧縮強度が
0.5N/mm2 〜5.0N/mm2 程度のものでよい
が、玉石を含む砂礫であれば5.0N/mm2 〜20N
/mm2 のものであることが望ましい。
【0015】また、この発明は、初めに上述の推進管を
推進させて敷設した第1の埋設管に隣接して、第2の推
進管を推進する際に、第1の埋設管に充填されている切
削し易い無機質の材料部分にまで進入して前面地盤を円
形に掘削し、丁度推進管が収容されるだけの大きさの穴
を掘り、その穴内に第2の推進管を入れることを特徴と
する。しかも、その際、第2の推進管は、そのうちの切
削し易い無機質の材料部分が次に敷設する推進管の方へ
向くように位置させることを特徴とする。従って、第2
の推進管はそのうちの元の円形管部分、すなわち円弧状
の硬質材料部分が第1の埋設管の切削し易い材料部分内
へ進入することとなる、ことを特徴とする。
【0016】このようにすると、第2の推進管は、第1
の埋設管と常時密接しながら推進されることとなるため
に、これら2つの管の間へ忌わしい土砂の進入するのを
防ぐことができる。また、切削し易い材料として、コン
クリート内に混入してもコンクリートの強度を低下させ
ないような無機質の固体材料を用いているから、とりわ
け鉱物質のものを用いると、あとで埋設管の窪み内へセ
メントモルタル等を流し込んで隙間を充填したとき、切
削し易い材料が残っていても、埋設管同士を強固に結合
させることができる。従って、あとの操作が容易とな
る。この発明は、このような知見に基づいて完成された
ものである。
【0017】この発明は、多数の管を次々と互いに密接
させて地盤中に埋め込んで土圧壁を構成する方法におい
て、管として横断面が円形の管の円周の一部を窪ませ、
窪みを管軸方向に貫通して存在させた硬質材料製の異形
管を用い、異形管の窪み内に切削し易い無機質の固体材
料を予め充填して外形を元の円形管状としてなる管を推
進管とし、前面地盤を円形に掘削して推進管を収容する
穴を掘り、穴内に推進管を押し込んで第1の埋設管を敷
設し、次いで第1の埋設管の切削し易い無機質の固体材
料部分に跨って円形に前面地盤を掘削して、推進管を収
容する穴を掘り、穴内に第2の推進管を入れ、第2の推
進管の切削し易い固体材料部分を次に埋設する推進管の
方へ向けて第2の推進管を地盤中に押し込み、第1の埋
設管に密接して第2の埋設管を敷設し、その後もこれを
繰り返して次々と推進管を地盤中に埋設して土圧壁を構
成することを特徴とする、土圧壁の構成方法を提供する
ものである。
【0018】また、この発明は、上に述べた土圧壁の構
成方法で用いられる推進管を提供するものである。その
推進管に関する発明は、円形管の円周の一部を窪ませ、
窪みを管軸方向に貫通して存在させてなる硬質材料製の
異形管において、窪み内に切削し易い無機質の固体材料
を充填して外形を元の円形管状としたことを特徴とす
る、土圧壁構成用推進管である。
【0019】
【発明実施の形態】この発明をその実施の一例について
図面に基づき説明すると次のとおりである。図3は、こ
の発明に係る推進管の一部切欠斜視図である。図4は、
図3に示した推進管を地盤中に押し込んで敷設した埋設
管の一部切欠斜視図である。図5は、この発明に係る他
の推進管の断面図である。図6は、図5に示した推進管
を地盤中に埋設したときの埋設管の断面図である。図7
は、この発明に係る別の推進管の断面図である。図8
は、図5に示した推進管等を別様に埋設したときの埋設
管の断面図である。図9は、この発明に係るさらに別の
推進管からなる埋設管の断面図である。図10は、この
発明に係るさらに他の推進管の断面図である。図11
は、この発明方法によって構成された土圧壁の使用状態
断面図である。
【0020】図3において、この発明に係る推進管は、
特開2000−213275号公報が提案する異形管に
基づいている。その異形管は、もともと鋼製の円管であ
ったものから、円周の一部11を切欠し、その内側に新
たに隔壁12を溶接し、切欠部11の両側縁を隔壁12
より突出させて、そこに窪み13を形成し、窪み13を
管の軸方向に貫通して存在させたものである。切欠した
円弧部分の中心角は60〜120度の範囲とすることが
好ましく、とりわけ70〜90度の範囲内にすることが
好ましい。こうして作られた異形管は、切欠部11の縁
が弱いので、補強のために窪みの内部に補強片14が付
設されている。この発明で用いる推進管はこのような異
形管の窪み13の中に切削し易い無機質の固体材料15
を充填して、外形を元の円形鋼管の形状としたものであ
る。
【0021】切削し易い無機質の材料としては、前述の
ベントナイトセメントモルタルのほか、色々なものを用
いることができる。例えば、石膏、珪藻土、粘土、AE
モルタル、発泡モルタルのような鉱物性材料を用いるこ
とができる。このような鉱物性材料は、これが残存して
もこれにセメントモルタルを加えると、モルタルとよく
馴染んで、全体が強固な固体となるために、完全に取り
除く必要がないために好都合である。ベントナイトセメ
ントモルタルとしては、体積比でセメント1に対して砂
3〜5、ベントナイト0.2〜1.0の割合で配合した
ものを用いることが好ましい。無機質材料は少量の有機
物を含んでいてもよい。
【0022】図3に示した推進管は、掘進機により前面
地盤を円形に掘削して、この推進管が入るだけの穴を掘
り、この穴内に押し込むことができる。こうして、この
推進管は推進工法によって容易に地盤中に埋設して第1
の埋設管とすることができる。このとき、推進管は、切
削し易い固体材料15を次に押し込まれる推進管の方に
向けて置かれる。
【0023】上述のようにして敷設された第1の埋設管
には、第2の推進管が図4に示したような関係に置かれ
る。図4において、第1の埋設管1の切削し易い材料部
分に食い込むように点線Xで示した円形に掘進機で前面
地盤を掘削する。このとき、点線Xで示した掘削部は、
埋設管1の切削し易い無機質の固体材料部分15へでき
るだけ大きく食い込むようにする。この掘削部は、第2
の推進管を収容するに足りるだけの大きさである。
【0024】こうして掘削した穴内に第2の推進管2を
入れる。このとき、第2の推進管は切削し易い無機質の
材料部分15が次に押し込まれる第3の推進管の方へ向
いているように置かれる。この状態で推進管2は推進さ
れる。すると、推進管1の切削され易い無機質の材料部
分へは、第2の推進管2の硬質材料部分、すなわち元の
円形管部分が当接することとなる。だから、推進管1と
2とは、推進管2の硬質材料部分が推進管1の切削し易
い無機質の材料部分内へ入り込んで、互いに密接した状
態となる。従って、2つの推進管1と2との間には土砂
が流れ込む余地は殆どない。
【0025】第2の推進管を敷設するような操作が繰り
返されて多数の推進管が互いに密接して次々と埋設され
る。こうして密接して埋設された管の間には、図4に示
したように、各管の軸と直交する方向に延びる鉄筋Y等
が通され、また切削し易い材料が充填されている窪み1
3内には超流動セメントモルタル又はセメントペースト
等が注入されて、埋設管の間の結合が強化される。さら
に硬質材料からなる管自体の内部にもモルタルが充填さ
れて埋設管自体も強化される。その結果、埋設管の群は
強固な土圧壁を構成することとなる。
【0026】推進管としては、図3及び図4に示した構
造のもの以外に、図5、図7、図9及び図10に示した
構造のものを用いることができる。図5に示した構造の
推進管3は、図3に示した推進管1に似ているが、図3
に示したものに比べると、管の外面に係止片16が余分
に設けられている。係止片16は、図6に示したよう
に、既に地盤中に押し込まれている埋設管1に隣接して
推進管3を押し込むとき、係止片16を埋設管1の窪み
の縁に係止させながら推進管3を推進させることができ
るので、推進管3の切削し易い無機質の固体材料部分1
5を一定の方向に向け、且つ推進管3を埋設管1に確実
に密接させながら推進するのに役立つ。
【0027】このとき、推進管3は、図5に示したよう
に窪み13の縁に沿って断面がL字状の長尺の脆弱材料
17を付設しておき、そのあとで切削し易い無機質の固
体材料15を充填することが好ましい。脆弱材料17と
してはプラスチック発泡体、とくにポリスチレン、フェ
ノール樹脂等の合成樹脂発泡体を用いることが好まし
い。このような脆弱材料は切削し易い固体材料15を切
削する際に容易に取り除くことができる。
【0028】また、図7に示した推進管4は、始発管と
して、この管から両側へ推進管を密接させて延ばして行
くのに使用される。推進管4は、横断面が円形の管にお
いて、互いに直径方向に対向する2つの円弧部分を切欠
し、各切欠部内に隔壁42を付設して両側に窪み43を
形成するとともに、各窪み43内に補強片44を付設し
て異形管とし、さらに各窪み43内に切削し易い固体材
料45を充填して、外形を元の円形管状としたものであ
る。
【0029】図8は、窪みを3個持った異形管を用いた
この発明に係る推進管5を始発管として、これから三方
向に土圧壁を延ばして行くこの発明方法の実施態様を示
している。推進管5は、1つの円形管において、1つの
直径方向と、これに直交する1つの半径方向に位置する
3個の円弧を切欠し、各切欠の内部に隔壁52を付設し
て窪みを形成し、その窪みの中に切削し易い無機質の固
体材料55を充填して、外形を元の円形管状としたもの
である。図8では三方向に推進管3を接続するために材
料55が切削されている。
【0030】図9は、この発明に係るさらに別の推進管
の横断面を示している。図9において、推進管6は横断
面が円形の管の一部を管軸方向に貫通して窪ませたコン
クリート製の異形管であって、内部に鉄筋61を含み、
窪み内には切削し易い固体材料65を充填して、初めは
外形を元の円形管状としたものであったが、図9では推
進管7と接続するために材料65の大部分が切削されて
いる。また、推進管6は窪みの両側に断面が奥広の係止
溝67を備えている。
【0031】図9の推進管7は、推進管6に似ている
が、推進管6に比べると突条78を余分に備えている。
突条78は、隣接する推進管6の係止溝67に嵌まり込
み、推進管6に対する推進管7の位置を固定するのに役
立っている。なお、推進管7では、係止溝77の入口を
剥がし易い材料79で塞いでいるが、材料79は切削し
易い無機質の固体材料75を窪み内に充填するとき、固
体材料75が係止溝77内へ進入するのを防ぐととも
に、その後材料75に跨って前面地盤を円形に掘削する
ときには、材料79がすぐに剥離又は消失して、係止溝
77内に隣接する推進管の突条が容易に進入できる状態
となるのに役立っている。
【0032】図10は、この発明に係る他の推進管8の
横断面を示している。図10に示された推進管8は、図
5に示された推進管3に似ているが、窪み13内に充填
する無機質の固体材料として、組成の異なる2種類の材
料を用いている点で推進管3と大きく異なっている。す
なわち、推進管8は、これに隣接して第2の推進管を埋
設する際に、切削によって生じる境界面19を予め決定
しておいて、境界面19より奥の部分には切削し易さに
関係のない材料、望ましくは切削し難い材料151を充
填し、境界面19より表面寄りの部分には切削し易い材
料15を充填して、元の円形管状としたものである。ま
た、上記奥の部分には、スタッド筋18を固定して材料
151が窪み13内に確実に残るようにしてもよい。こ
うして、切削し易い固体材料の切削を容易にしている。
材料151としてはコンクリートを使用することが好ま
しい。
【0033】推進管1ないし4を用いて構成された土圧
壁の断面が図11に示されている。この発明によって構
成された土圧壁は、その内部を掘削して地下に空洞9を
作るのに利用される。空洞9は、図に示すように、トン
ネル、道路排水用ダクトとして利用することができる。
とくに、この工法は既に構築された鉄道線路の下や、河
川の下にトンネルや道路などの構築物を作るのに利用で
きる。
【0034】
【発明の効果】この発明によれば、管として横断面が円
形管の円周の一部を窪ませ、窪みを管軸方向に貫通して
存在させた異形管を用い、異形管の窪み内に切削し易い
無機質の固体材料を予め充填して外形を元の円形管状と
してなる管を推進管とし、前面地盤を円形に掘削して推
進管を収容する穴を掘り、穴内に推進管を押し込んで第
1の埋設管を敷設するので、第1の埋設管は困難なく敷
設することができる。次いで、第1の埋設管の切削し易
い無機質の材料部分に跨って円形に前面地盤を掘削し
て、推進管を収容する穴を掘るので、穴は第1の埋設管
内に食い込んで形成されている。このため、推進管を推
進する過程では推進管がその外面を埋設管の切削し易い
無機質の固体材料部分内に進入させて、埋設管に密接し
て推進されるので、両管は一部で重なり合って両管の間
には隙間がなく、従ってその間へ大量の土砂の流入する
恐れがない。従って、地盤表面は沈下するおそれが全く
ない。しかも、切削し易い固体材料部分を掘削するか
ら、この推進は容易である。その上に、こうして作られ
た埋設管の間では、あとで埋設された管が先に埋設され
た管の側面へ大きく食い込んでいるから、隣接する管の
間の結合が強固となっている。
【0035】この発明方法では、切削し易い無機質の材
料としてベントナイトモルタルのような鉱物性材料を使
用すると、推進管を埋設したのち、切削し易い固体材料
が残っていてもコンクリートとの馴染みがよいから切削
し易い固体材料を完全に除去する必要がなく、この上に
超流動性セメントモルタル又はペーストを流し込むこと
により、隣接した埋設管を強固に固定することができ
る。従って、土圧壁の構成が容易となる。
【0036】また、この発明に係る土圧壁構成用推進管
は、上述のようにして土圧壁を構成するための材料とし
て役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】土圧壁を構成するのに用いられた従来の異形管
の横断面である。
【図2】図1に示した異形管を用いて土圧壁を構成する
従来法を示した斜視図である。
【図3】この発明に係る推進管の一部切欠斜視図であ
る。
【図4】図3に示した推進管を地盤中に押し込んで敷設
した埋設管の一部切欠斜視図である。
【図5】この発明に係る他の推進管の断面図である。
【図6】図5に示した推進管を地盤中に埋設したときの
埋設管の断面図である。
【図7】この発明に係る別の推進管の断面図である。
【図8】図5に示した推進管等を別様に埋設したときの
埋設管の断面図である。
【図9】この発明に係るさらに別の推進管からなる埋設
管の断面図である。
【図10】この発明に係るさらに他の推進管の断面図で
ある。
【図11】この発明方法によって構成された土圧壁の使
用状態断面図である。
【符号の説明】
a 円弧部分 b 隔壁 c 窪み d 補強片 e サイド管 Y 鉄筋 1 異形管 2、3、4、5、6、7、8 推進管、埋設管 9 空洞 11 円周の一部、切欠部 12、42、52 隔壁 13、43 窪み 14、44 補強片 15、45、55、65、75 切削し易い無機質の
固体材料 16 係止片 17 脆弱材料 18 スタッド筋 19 境界面 61 鉄筋 67、77 係止溝 78 突条 79 剥がし易い材料

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の管を次々と互いに密接させて地盤
    中に埋め込み、土圧壁を構成する方法において、管とし
    て横断面が円形管の円周の一部を窪ませ、窪みを管軸方
    向に貫通して存在させた硬質材料製の異形管を用い、異
    形管の窪み内に切削し易い無機質の固体材料を予め充填
    成形して、外形を元の円形管状としてなる管を推進管と
    し、前面地盤を円形に掘削して推進管を収容する穴を掘
    り、穴内に推進管を押し込んで第1の埋設管を敷設し、
    次いで第1の埋設管の切削し易い無機質の固体材料部分
    に跨って円形に前面地盤を掘削して、推進管を収容する
    穴を掘り、穴内に第2の推進管を入れ、第2の推進管の
    切削し易い無機質の固体材料部分を次に敷設する推進管
    の方へ向けて、第2の推進管を地盤内に押し込み、第1
    の埋設管に密接して第2の埋設管を敷設し、その後もこ
    れを繰り返して次々と推進管を地盤中に埋設して土圧壁
    を構成することを特徴とする、土圧壁の構成方法。
  2. 【請求項2】 円形管の円周の一部を窪ませ、窪みを管
    軸方向に貫通して存在させてなる硬質材料製の異形管に
    おいて、あらかじめ窪み内に切削し易い無機質の固体材
    料を充填成形して外形を元の円形管状としたことを特徴
    とする、土圧壁構成用推進管。
  3. 【請求項3】 窪み内に隣接する異形管の硬質材料部分
    が進入してくる境界面を予め決定しておき、境界面より
    奥に切削し易さに関係のない無機質の固体材料を充填
    し、境界面より表面側に切削し易い無機質の固体材料を
    充填したことを特徴とする、請求項2に記載の土圧壁構
    成用推進管。
  4. 【請求項4】 窪み内の境界面より奥にスタッド筋を付
    設したことを特徴とする、請求項3に記載の土圧壁構成
    用推進管。
  5. 【請求項5】 異形管の窪みと反対方向の外面上に、さ
    らに係止片を付設したことを特徴とする、請求項2−4
    の何れか1つの項に記載の土圧壁構成用推進管。
  6. 【請求項6】 硬質材料として鉄筋を含んだコンクリー
    トを用いたことを特徴とする、請求項2−5の何れか1
    つの項に記載の土圧壁構成用推進管。
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