JP2003106743A - 冷蔵庫の除霜用ガラス管ヒータ - Google Patents

冷蔵庫の除霜用ガラス管ヒータ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可燃性冷媒を使用した冷蔵庫に組込んで使用
しても、安全に使用できる除霜用ガラス管ヒータを提供
する。 【解決手段】 圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器を冷
媒管で環状につなぐと共に、内部に可燃性冷媒を充填し
た冷媒回路を備え、断熱箱体に形成された貯蔵室を冷却
するために前記蒸発器を使用する冷蔵庫に組込まれ、前
記蒸発器に付着した霜を溶かすためにこの蒸発器の近傍
に配置される冷蔵庫の除霜用ガラス管ヒータにおいて、
このガラス管ヒータを30メッシュ以上の金網で囲んだ
ので、可燃性冷媒が漏れて、ガラス管ヒータに触れるよ
うなことがあっても、燃焼がこの金網とガラス管ヒータ
の表面との間で起こって炎が金網外に伝播しにくいの
で、冷蔵庫への延焼を起きにくくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸発器近傍に配置
される冷蔵庫の除霜用ガラス管ヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の冷蔵庫の除霜用ガラス管ヒータと
しては、例えば、実開昭62−40793号公報に記載
されたものがある。この公報に記載されたものは、ガラ
ス管ヒータのガラス管が割れたときに、その内部のヒー
タ線が冷蔵庫の内部部材に触れないように、ガラス管の
一部を密着して覆う金網を設けた構成のものである。
【0003】また、可燃性冷媒を用いた冷凍機器の爆発
防止装置が、特開平11−125482号公報に記載さ
れている。この公報に記載された爆発防止装置は、リレ
ーや火花を発生する恐れのある部品や制御部を、メッシ
ュ部材で覆い、このメッシュ部材のメッシュ間隔を可燃
性冷媒の消炎距離以下としたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の冷蔵庫の記載さ
れた前者公報では、可燃性冷媒を用いたものを想定して
いないので、開示された構造のガラス管ヒータを用いた
だけでは、可燃性冷媒が漏れた場合、延焼を防止できる
かどうか疑問である。
【0005】また、前述の爆発防止装置の記載された後
者公報では、セパレート型エアコンの室外機の爆発防止
を目的としており、可燃性冷媒を使用した冷蔵庫におけ
る爆発防止の技術のヒントにはなるものの、具体的構成
が全く異なり、ガラス管ヒータに漏れた可燃性冷媒が触
れて爆発する危険性を解消するためのものではない。
【0006】この発明は、可燃性冷媒を使用した冷蔵庫
に組込んで使用しても、安全に使用できる除霜用ガラス
管ヒータを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器を冷媒管で環状
につなぐと共に、内部に可燃性冷媒を充填した冷媒回路
を備え、断熱箱体に形成された貯蔵室を冷却するために
前記蒸発器を使用する冷蔵庫に組込まれ、前記蒸発器に
付着した霜を溶かすためにこの蒸発器の近傍に配置され
る冷蔵庫の除霜用ガラス管ヒータにおいて、このガラス
管ヒータを30メッシュ以上の金網で囲んだものであ
る。また、前記可燃性冷媒を炭化水素系可燃性冷媒とし
たものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図に沿って
説明する。図4はガラス管ヒータの説明図、図5はガラ
ス管ヒータの各寸法を示す断面図である。
【0009】図4に示すようにガラス管ヒータ31は、
ガラス管32、脱臭触媒33、ガラス管両端に取付けら
れるシリコーンゴム製のキャップ34、キャップの両端
から導出されている配線35、ガラス管32表面から間
隔C離してこのガラス管32の前面を囲む金網36で構
成されている。尚、この図4には、金網の一部を切り欠
いて示しており、各寸法や、金網に隠れた構成が判るよ
うに図示している。また、このキャップ34と金網36
との間から空気が連通しないように、キャップ34と金
網36との隙間は断熱性のパテなどで埋められている
(図示せず)。
【0010】Aは金網36の外径、Bはガラス管32の
外径で、図4や図5に示すように、ガラス管35から間
隔Cをあけて金網36で覆っている。この金網36の線
材の寸法(線径)を無視すると、A−Bが2Cとなる。
【0011】金網36は、JISで規定するSUS30
4で、線材の線径0.18mm(φ0.18)を用い、
また、この金網36は60メッシュ(1インチあたり6
0本の線材がある網)のものを用いているので、開口率
は約33%となる。しかし、30メッシュのものを用い
た場合は開口率が62%となる。
【0012】本出願人は、このガラス管ヒータ31を用
いて、各種実験を行った。次に、その実験結果について
説明する。 実験1:ガラス管ヒータの表面温度に関する実験 図4や図5に示すように、金網36として、前述のよう
にJISで規定されたSUS304、60メッシュ、線
径φ0.18のものを、金網外径20mm(φ20)の
筒状に形成し、ガラス管32の外径10.5mm(φ1
0.5)を、間隔Cをあけて覆った(以下、試料Aとい
う)。
【0013】また、比較のための試料Bとして、図4、
図5に示すものから金網36を取外したガラス管ヒータ
を使用した(図示せず)。
【0014】これらの試料A、Bを冷蔵庫に組み込ん
で、各温度や時間を測定した結果を次の表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】この表1から判るように、試料Bのガラス
管表面温度は約370℃程度であり、試料Aのガラス管
表面温度は約470℃程度で、金網表面温度は230℃
前後であった。すなわち、試料Aのガラス管表面温度が
約470℃程度と、試料Bに比べて100℃ほど上昇す
るものの、ガラス管の見かけ上の表面温度である(試料
Aの)金網表面温度を230℃前後と、試料Bのガラス
管表面温度の約370℃程度より約140℃低下させる
ことができた。
【0017】この実験の結果から判るように、金網を被
覆することによって、温度降下が現れる理由は次のよう
に考えられる。
【0018】ガラス管32と金網36との間では対流が
起こらず、輻射効果によって熱は放出される。一方、金
網36と外部空気との間では、金網36近傍において対
流が存在する。この対流は、金網36外部表面近傍にお
いて、一定幅の温度境界層を形成し、金網36表面の密
度は境界層外側の流体の密度よりも小さい。これにより
浮力を生じ、加熱された流体を上方へ移動させる。ま
た、新規の侵入ガスも金網36の冷却効果を促進する。
これらの対流効果、輻射効果、及び新規の侵入ガスの相
乗効果によって、金網36表面の温度降下は現れるもの
と考えられる。
【0019】また、表1から判るように、冷却器(蒸発
器)到達温度温度や、冷凍室到達温度、冷蔵室到達温度
は、試料Aと試料Bとで大きな差異が無く、金網による
悪い影響はほとんど無いと考えられる。
【0020】尚、冷却器(蒸発器)での着霜量を、試料
Aと試料Bとで、同じにしようとしたものの、同じには
できなかったので、そのままの実測値を表に記載した。
試料Aでは着霜量が310ccのとき除霜時間が50分
で、試料Bでは着霜量が290ccのとき除霜時間が5
2分となり、金網のある試料Aの方が除霜時間が短くな
る傾向が表1から読みとれる。これは、金網が放熱器の
働きをし、ヒータの熱が蒸発器に効率よく伝わるからで
あると考えられる。
【0021】次に、実験2〜実験8について説明する。
これらの実験2〜8では、前述の図4、図5に示すもの
を、冷蔵庫などに組み込んだ状態で、金網のメッシュ、
金網被覆直径A、漏れた炭化水素系冷媒(可燃性冷媒)
として使用するイソブタン濃度、ヒータ31への印加電
圧や印加時間等を変えて、実験を行った。尚、ガラス管
32の外径Bは図4、図5に示すものと同じもの(試料
A)を用いており、変えていない。
【0022】実験2:火花による着火実験 可燃性冷媒として、イソブタンを用い、濃度を3.4V
ol%(体積%)、5.0Vol%と変え、着火実験を
行った。ガス濃度が爆発範囲内であったので、点火と同
時に着火爆発した。
【0023】実験3:点火装置を20メッシュの金網で
被覆し、火花による着火爆発実験金属被覆直径Aを20
mm、30mm、50mmと変えて実験を行った。何れ
の場合も、着火爆発が起こったが、金網外に炎が出るよ
うな、外部への伝播は起こらなかった。
【0024】前述の実験2は金網のないガラス管ヒータ
を、実験3は金網を被覆したガラス管ヒータを用いた実
験であり、金網を被覆することによって、着火伝播が起
こらなくなった理由は次のように考えられる。
【0025】上述した温度境界層が一種の流体壁となっ
て、可燃性領域と不燃性領域とを分断し、新規のガスが
金網内に侵入できにくい状況を作っている。すなわち、
可燃性ガスが金網表面に近づくことにより、加熱されて
温度が徐々に上昇するが、その対流が非常に遅いために
ある領域で不活性ガス(一酸化炭素や水蒸気)の壁が作
られるため、着火伝播が起こらないようになったと考え
られる。
【0026】ただし、金網内部で着火した直後では、温
度境界層の壁が崩れると同時に、金網内部が一瞬負圧と
なり、新規の外部ガスが金網内部に侵入する。このこと
は、後述する実験9の結果である図6で示されており、
ガス濃度の減少から推測できる。
【0027】実験4:ガラス管のヒータのニクロム線を
むきだしにした場合の着火爆発実験ガラス管のヒータの
ニクロム線をむきだしにし、ヒータへの印加電圧、印加
時間を種々変えて実験を行った。実験の詳細は省略する
が、今回の実験では電圧120V以上で着火爆発した。
【0028】実験5:ガラス管ヒータの中央部のガラス
を一部破損させた場合の着火爆発実験 冷蔵庫の内部でガラス管が割れたことを想定し、ガラス
管ヒータの中央部のガラス管35を一部破損させて、ヒ
ータへの印加電圧、印加時間を種々変えて実験を行っ
た。実験の詳細は省略するが、実験4と同様に、今回の
実験では電圧120V以上で着火爆発した。
【0029】実験6:ガラス管ヒータの中央部のガラス
を一部破損させて、ガラス管ヒータ全体を20メッシュ
の金網で被覆させた場合の着火爆発実験 金網被覆直径Aを20mm、30mm、50mmと変え
て、着火爆発実験を行った。A=20mm、30mmの
場合では、着火爆発が起こった。A=50mmの場合で
は、着火爆発が起こる場合と、起こらない場合とがあっ
た。
【0030】実験7:ガラス管ヒータの中央部のガラス
管35を一部破損させて、ガラス管ヒータ全体を30メ
ッシュの金網で被覆させた場合の着火爆発実験 金網被覆直径Aを20mm、30mm、50mmと変え
て、着火爆発実験を行った。この場合、何れにおいて
も、着火爆発は起こらなかった。
【0031】実験8:ガラス管ヒータの中央部のガラス
管35を一部破損させて、ガラス管ヒータ全体を60メ
ッシュの金網で被覆させた場合の着火爆発実験 金網被覆直径Aを20mm、30mm、50mmと変え
て、着火爆発実験を行った。この場合、何れにおいて
も、着火爆発は起こらなかった。これら実験2〜8の結
果を次の表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】実験2〜実験8のまとめ 火花着火とヒータ着火の違いについて説明すると、火花
着火の場合には、発火エネルギの作用速度が大きい、ま
たは、瞬間的なエネルギが強いのに対して、ヒータ着火
の場合は、発火エネルギの反応速度が小さい、または、
瞬間的なエネルギは小さいが、連続的である。
【0034】このような特性から、火花着火の場合(実
験2、3)には、表2で示されている20メッシュの金
網で着火源を覆うことで、充分金網が抵抗となり、着火
伝播が起こらない。ただし、今回の実験から、着火源と
金網との距離が近づきすぎると、着火伝播が起こること
が判った。すなわち、火花着火の場合には、金網容積は
ある程度大きい方がよいことが明らかになった。
【0035】これに対して、ヒータ着火の場合には、上
述の特性から、20メッシュの金網では抵抗としての、
役割にはならず、炎が金網36外に伝播してしまう。従
って、着火源がヒータの場合には、金網36のメッシュ
の値は大きい方がよく、また、被覆容積(外径A)は、
冷蔵庫に組み込むことを考慮すると、ある程度小さい方
がよい。ちなみに今回の実験結果から、ガラス管ヒータ
を被覆する金網の外径Aは、20mm程度あれば、充分
であることが明らかになった。
【0036】すなわち、ガラス管ヒータを用いること
は、火花が飛ぶようなことはほとんど考えられないので
ヒータ着火だけを考えれば良い。上記のまとめと、実験
6〜8のまとめとを次の表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】この表3から判るように、使用する金網は
30〜60メッシュ、金網の外径Aは20mm(この場
合Cは4.7mm)〜50m(Cは19.8mm)が良
く、この寸法のものがベストモードのガラス管ヒータと
言える。
【0039】また、出願人は、実験9として、ガス(イ
ソブタン)濃度が時間の経過に伴って、どのように変化
するか調べた。
【0040】金網の材料を燐青銅、60メッシュのもの
を使用し、ガス濃度とガラス管ヒータへの印加電圧を変
えて、実験を行った。
【0041】金網内部で着火すると、そのつど実験装置
内部でのガス濃度が減少する。減少の度合いは、図6に
示すように、ヒータ電圧が高いほど、金網内部で着火す
る頻度が多いため、濃度減少も大きい。また、金網内部
で着火が起こらない場合には、濃度の減少は見られな
い。このことは、金網近傍では、温度境界層によって覆
われていて、金属内部と外部の間では新規のガスの出入
りが起こりにくいが、金網内部で着火が起こった直後
は、わずかに負圧となり、そのとき金網外部近郊の温度
境界層が崩れ、金網外部のガスの温度が着火温度に達す
るまで、金網外部は、安定した温度境界層を形成する。
【0042】このように、極めて希であるが可燃性冷媒
が漏れてガラス管ヒータに接触した場合は、ガラス管と
金網との間で可燃性冷媒が安全に燃え、可燃性冷媒が徐
々に減少し、より安全性の増すように雰囲気が自動的に
制御されると考えられる。
【0043】また、本出願人は実験10として、ガラス
管ヒータや金網の各部分の温度がどのくらいの温度であ
るかを測定した。実験結果として図7に示すように、金
網のメッシュの値が大きいほど、すなわち、網の穴が小
さいほどヒータ各部の温度が高くなっている。これは、
網目の大小が抵抗となって、金網外部に流れ出る熱輻射
の放出量を変えることになると同時に、エネルギーの放
出量が、金網外部に形成される渦の大きさを左右させ
る。すなわち、図8のスケッチ図で示されるように、メ
ッシュの値が大きいほど、金網36の外側に生成される
渦の大きさが小さく、安定した渦が形成されるためエネ
ルギー放出量を抑える効果は大きい。但し、図示しない
がヒータの電圧上昇を早めると、20メッシュの場合に
は、エネルギーの放出量が強いため、渦の形成が乱れや
すく、熱交換されないエネルギーによって着火伝播が起
こった。このため、20メッシュ以下の金網の使用は不
適であると考えられる。
【0044】また、本出願人は実験11として、30メ
ッシュの金網を用い、イソブタン濃度3.4Vol%の
雰囲気下で、ガラス管を一部損傷させた状態で、ガラス
管ヒータに印加する電圧を徐々に上げて、金網、ガラス
管、ニクロム線の各温度を測定した。
【0045】測定結果として図9に示すように、「+」
で示したニクロム線温度や「□」で示したガラス管上部
表面温度に比べて、網掛けの「○」で示した金網上部表
面温度や、網掛けの「△」で示した金網下部表面温度
は、何れも下がっている。例えば、200secのとき
ニクロム線温度は約400℃、金網上部表面温度は約2
00℃、金網下部表面温度は約150℃と、大幅に温度
が低くなっている。これは前述した対流効果によるもの
と考えられる。
【0046】また、270〜280sec付近、つま
り、ニクロム線温度が約420〜430℃付近で、金網
やガラス管の温度が急激に上昇しているが、これは、イ
ソブタンに着火があったためである。また、急激な上昇
後はやや温度が下がり、徐々に温度が上昇しているの
は、着火による金網外への伝播のないことを示してお
り、しかも、目視によっても金網外への伝播のないこと
が確認されている。
【0047】このように、ガラス管ヒータを金網で囲む
事で、着火伝播が起こらない理由について、熱輻射と対
流と熱伝導の相乗効果によって金網が冷やされ、消火作
用が働き、伝播が起こらないためと考えられる。
【0048】更に、本出願人は実験12として、ガラス
管ヒータに金網を密着させて巻き付けた場合の金網、ガ
ラス管、ニクロム線の各温度を測定した。測定結果とし
て図10に示すものは、金網をガラス管に密着させたも
のであるが、金網のメッシュのため、密着している線材
と、密着していない線材とがあり、線材には剛性がある
ので密着させようとしても完全には密着せず、平均して
約1mm程度、ガラス管から間隔があるものと考えられ
る。図10に示すように、金網と、ガラス管との間に対
流が起こらないため、ニクロム線の温度に近い温度にな
る。このため、金網の温度を下げるためには、この金網
をガラス管から間隔をあけて配置する必要があると考え
られる。
【0049】
【実施例】次に、このガラス管ヒータ31を冷蔵庫に組
み込んだ実施例について説明する。冷蔵庫に組み込んだ
ガラス管ヒータ31は、金網が60メッシュ(開口率3
3%)、間隔Aが20mmのもの、つまり実験1の試料
Aと同一のものを用いている。
【0050】図1は本発明の冷蔵庫の正面図、図2は同
冷蔵庫の要部を示す断面図、図3は同冷蔵庫の冷媒回路
図である。図1に示す1は本発明の冷蔵庫で、その断熱
箱体2を仕切りで仕切ることにより、上から、約3℃に
制御される冷蔵室(貯蔵室)3、約5℃に制御される野
菜室(貯蔵室)4、約−20℃に制御され、製氷皿ある
いは自動製氷機が配置される製氷室(貯蔵室)5、冷蔵
室や冷凍室に切替えて使用される切替室(貯蔵室)6、
約−20℃に制御される冷凍室(貯蔵室)7が形成され
ている。また、冷蔵室3の下部は約0〜−1℃に制御さ
れる氷温室(図示せず)が形成されている。また、8、
9、10、11、12はこれらの室の開口を開閉するた
めの扉である。
【0051】図2に示す13は冷凍室用蒸発器で、内部
で液冷媒が蒸発することによりこの蒸発器を通る空気を
冷却するものである。14はこの蒸発器に庫内の空気を
循環させるための送風機、31は前述したガラス管ヒー
タ(除霜用ガラス管ヒータ)で、蒸発器14の霜を溶か
す働きと同時に、庫内空気内の臭気を分解するためのも
ので、蒸発器13の下方に配置されている。15は水滴
防止部材で、ガラス管ヒータ31の上方に配置されてい
る。16は冷媒圧縮機、17は冷凍室用のダクト、18
は切換室11と冷蔵室12とを仕切る仕切りである。
【0052】図3に示す19は凝縮器、20は三方弁
(切換弁)で、この三方弁は通路をACへの通路を連通
させるか、ABへの通路を連通させるか切換えるもの
で、その流路を切換えるためにステッピングモータを用
いている。21は減圧装置として機能するキャピラリー
チューブ、22は冷蔵室用蒸発器である。
【0053】これら冷媒圧縮機16、凝縮器19、三方
弁20、キャピラリーチューブ21、冷蔵室用蒸発器2
2、冷凍室用蒸発器13とを冷媒管で環状に接続して、
冷媒回路を構成している。また、23はキャピラリーチ
ューブ21及び冷蔵室用蒸発器22をバイパスするため
のバイパス管路で、減圧装置として機能するキャピラリ
ーチューブ24を備えている。そして、この冷媒回路に
は、可燃性冷媒としてイソブタンが充填されている。
【0054】このように構成された冷蔵庫1では、その
冷凍室用蒸発器13を除霜するため、あるいは、庫内の
空気中の臭気を除去するためにガラス管ヒータ31に通
電される。
【0055】そして、何らかの原因で可燃性冷媒が漏
れ、ガラス管ヒータ31が高温となっているとき(通電
時、あるいは通電停止直後)に可燃性冷媒が触れること
が、極めて希ではあるが考えられる。そして、可燃性ガ
スが燃えることがあるとすれば、金網36のメッシュの
隙間を通ってガラス管35の表面に触れたときで、この
場合、前述の実験7、8から判るように、ガラス管35
の表面と金網36の間だけで燃焼が抑えられて着火伝播
が防止されるので、金網36外に炎が伝播し、冷蔵庫1
が延焼する恐れを、極力防止することができる。
【0056】この実施例では、可燃性冷媒の一例として
炭化水素系冷媒であるイソブタンを用いた例で説明した
が、これ以外の炭化水素(ハイドロカーボン)系冷媒
や、プロパンなどの可燃性冷媒を用いても構わない。
【0057】また、この実施例では、金網の線材の線径
を変えた例を説明していないが、線径を変え開口率を約
33〜62%に設定した金網を用いても良い。更に、開
口率を約33〜62%に設定したパンチングメタルを用
いても、ほぼ同様な効果を得ることができると考えられ
る。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、蒸発器に付着した霜を溶かすためにこの
蒸発器の近傍に配置される冷蔵庫の除霜用ガラス管ヒー
タにおいて、このガラス管ヒータを30メッシュ以上の
金網で囲んだので、可燃性冷媒が漏れてガラス管ヒータ
に触れたとしても、燃焼がガラス管ヒータの表面と金網
との間で抑えられ、炎が金網外に伝播するのが防止され
るため、冷蔵庫での延焼を起きにくくすることができ
る。
【0059】また、請求項2に記載の発明によれば、可
燃性冷媒を炭化水素系冷媒としたので、炭化水素系冷媒
が漏れてガラス管ヒータに触れても、ガラス管表面と網
との間で燃焼が抑えられ、炎が金網外に伝播するのが防
止されるため、冷蔵庫への延焼を起きにくくすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷蔵庫用除霜ヒータが組込まれる冷蔵
庫の正面図である。
【図2】同冷蔵庫の要部を示す断面図である。
【図3】同冷蔵庫の冷媒回路図である。
【図4】本発明の冷蔵庫用除霜ヒータ(ガラス管ヒー
タ)の説明図である。
【図5】同冷蔵庫用除霜ヒータの各寸法を示す断面図で
ある。
【図6】ガス濃度の減少の様子を示す線図である。
【図7】ガラス管や金網の各部の温度を示す説明図であ
る。
【図8】ガラス管及び金網の表面の様子を示すスケッチ
図である。
【図9】ガラス管と金網とニクロム線などの温度の測定
結果を示す線図である。
【図10】金網をガラス管ヒータに密着させた場合の各
温度の測定結果を示す線図である。
【符号の説明】
1 冷蔵庫 2 断熱箱体 8 冷蔵室(貯蔵室) 12 冷凍室(貯蔵室) 13 冷凍室用蒸発器(蒸発器) 16 圧縮機 19 凝縮器 21 キャピラリーチューブ(減圧装置) 22 冷蔵室用蒸発器(蒸発器) 31 ガラス管ヒータ(除霜用ガラス管ヒー
タ) 36 金網 C 間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K092 PP20 QA02 QB02 QB27 QB61 RC06 RD10 RD24 VV31 VV32 3L046 AA05 AA07 BA03 CA07 JA14 MA04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器を冷
    媒管で環状につなぐと共に、内部に可燃性冷媒を充填し
    た冷媒回路を備え、断熱箱体に形成された貯蔵室を冷却
    するために前記蒸発器を使用する冷蔵庫に組込まれ、前
    記蒸発器に付着した霜を溶かすためにこの蒸発器の近傍
    に配置される冷蔵庫の除霜用ガラス管ヒータにおいて、
    このガラス管ヒータを30メッシュ以上の金網で囲んだ
    ことを特徴とする冷蔵庫の除霜用ガラス管ヒータ。
  2. 【請求項2】 前記可燃性冷媒を炭化水素系冷媒とした
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫の除霜用ガラ
    ス管ヒータ。
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