JP2003106456A - フッ素樹脂包みガスケット - Google Patents

フッ素樹脂包みガスケット

Info

Publication number
JP2003106456A
JP2003106456A JP2001303700A JP2001303700A JP2003106456A JP 2003106456 A JP2003106456 A JP 2003106456A JP 2001303700 A JP2001303700 A JP 2001303700A JP 2001303700 A JP2001303700 A JP 2001303700A JP 2003106456 A JP2003106456 A JP 2003106456A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluororesin
gasket
annular
jacket
sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001303700A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinya Nakagawa
川 慎 也 中
Takahito Nishida
田 隆 仁 西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Valqua Industries Ltd
Nihon Valqua Kogyo KK
Original Assignee
Nippon Valqua Industries Ltd
Nihon Valqua Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Valqua Industries Ltd, Nihon Valqua Kogyo KK filed Critical Nippon Valqua Industries Ltd
Priority to JP2001303700A priority Critical patent/JP2003106456A/ja
Publication of JP2003106456A publication Critical patent/JP2003106456A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gasket Seals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】フッ素樹脂外被の環状溝内に、環状中芯体
が嵌入されたフッ素樹脂包みガスケットであって、前記
フッ素樹脂外被の上下表面には、フッ素樹脂多孔質体シ
ートが被着されているフッ素樹脂包みガスケット。上記
フッ素樹脂外被には、接合部が存在する場合に特に好ま
しい。上記フッ素樹脂外被がポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)製であることが好ましい。上記フッ素樹
脂多孔質体がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
製であることが好ましい。上記フッ素樹脂多孔質体は、
スポット溶接にてフッ素樹脂外被に被着されていること
が好ましい。 【効果】気密特性に一層優れる。特にフッ素樹脂外被に
接合部が存在する場合に、フッ素樹脂包みガスケットの
気密性向上効果が顕著である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、フッ素樹脂包みガスケッ
トに関し、さらに詳しくは、フッ素樹脂包みガスケット
の表面にフッ素樹脂多孔質体シートが被着され、気密特
性に一層優れたフッ素樹脂包みガスケットに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】酸やアルカリ等の腐食性の強い流
体を扱う分野、汚染を嫌う分野例えば、化学、食品、医
薬等の分野では、配管用シール材として耐薬品性、耐汚
染性に優れた四フッ化エチレン樹脂(PTFE)ガスケ
ット、四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチ
レン共重合樹脂(PFA)ガスケットなどのフッ素樹脂
単体からなるガスケット、フッ素樹脂包みガスケット
(フッ素樹脂ジャケットガスケット)等が用いられてい
る。
【0003】フッ素樹脂単体からなるガスケットは、優
れた耐薬品性を有している反面、クリープや応力緩和が
大きいため、単体でガスケットとして用いる場合には、
フランジに溝部を設け、該溝部内にガスケットを配置
し、配管内側へのガスケット端部の膨出を阻止し、また
フッ素樹脂単体からなるガスケットには過大な応力負荷
を与えないなど応力負荷管理を行うことが必要であり、
また、高温時には応力緩和が著しいなど、使用上の制約
が多く、使用上問題がある。
【0004】一方、フッ素樹脂包みガスケットとして
は、例えば、図5中付番7で示すように、ジョイントシ
ート等の環状中芯体1をクッション材とし、この環状中
芯体1の外周を四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四
フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重
合樹脂(PFA)のような耐熱性、耐薬品性に優れた厚
さ0.5mm以下のフッ素樹脂フィルム2で被覆した構
造のものが挙げられる。
【0005】従って、この種のガスケットの多くは配管
のフランジ間を密封するガスケットとして従来使われ、
特に腐食性の強い薬液流体用、あるいは汚染を嫌う食品
産業用または純水用ガスケットとして広く使われてい
た。さらに使用目的によっては、図6中付番7Aで示す
フッ素樹脂包みガスケットのように、環状中芯体1が複
数の環状シート3,4、3を積層して構成されることが
ある。そしてこの環状シート3には、例えば、石綿系ま
たは非石綿系のジョイントシートが用いられ、環状シー
ト4には、例えば、石綿系または非石綿系のフェルトシ
ートが用いられていた。
【0006】このようなフッ素樹脂包みガスケットは、
中芯材を、通常、厚さ0.5mm以下のフッ素樹脂外被
で被覆してなる構造を有しているため、ガスケットとし
ての弾性や強度は主として中芯材に依存し、その結果、
前記フッ素樹脂単体からなるガスケットに比してクリー
プや応力緩和が小さくなるので、耐薬品性が求められる
用途で多用されている(なお、従来のフッ素樹脂包みガ
スケットの一般的な使用条件は、最高使用温度が200
℃程度であり、最高圧力が20kgf/cm2程度であ
る。)。
【0007】これら図5、図6中の被覆フィルム2は、
その内径側断面が「く」字形状を有しているが、このよ
うな被覆フィルム2は、円筒状フッ素樹脂成形体を輪切
りにした後、その外径側から内径側に向かって切り込み
を入れることにより作製されている。従って、該被覆フ
ィルムには、その半径方向に接合部は通常存在せず、被
覆フィルム2の上下面は滑らかであり、このよう被覆フ
ィルム2を用いた図5,図6に示すようなフッ素樹脂包
みガスケットはシール性に優れており一般的に用いられ
ている。
【0008】しかしながら被覆フィルム2は、円筒状フ
ッ素樹脂成形体を輪切りにしてリング状に形成されると
いう製法上の制約から、該円筒の径以下の寸法となり、
また円筒状フッ素樹脂成形体の作製上の技術的、コスト
的制限から、製作可能な寸法は、一般的に外径で300
mm程度までのものに限られる。また、フッ素樹脂包み
ガスケットには、図7中付番7Bで示すように、環状中
芯体1と、該中芯体1を被覆する被覆フィルム2とから
なり、該被覆フィルム2は、その内径側断面が「コ」字
形状を有しているものが挙げられる。
【0009】この被覆フィルム2は、円筒状フッ素樹脂
成形体を厚肉に輪切りにした後、その外径側から内径側
に向かって「コ」字状に切削することにより作製されて
おり、従って、該被覆フィルムには、その半径方向に接
合部は通常存在せず、上下面は滑らかであり、このよう
被覆フィルム2を用いた図7に示すようなフッ素樹脂包
みガスケット7Bはシール性に優れている。
【0010】しかしながら、該被覆フィルムはこのよう
に切削して得られており、上記図5、図6中の被覆フィ
ルムと同様に、円筒状フッ素樹脂成形体の作製上の技術
的、コスト的制限から、製作可能な寸法は、一般的に外
径300mm程度までのものに限られ、また上記図5,
図6に示すフッ素樹脂包みガスケットよりも製造上コス
ト高となってしまう。
【0011】また、フッ素樹脂包みガスケットには、図
8あるいは図9に示すように、環状中芯体1と、該中芯
体1を被覆する被覆フィルム2とからなり、環状中芯体
が1層(図8)または複数層(図9)から構成され、該
被覆フィルム2は、その内径側断面が「C」字形状を有
しているものが挙げられる。このような被覆フィルム2
は、円筒状フッ素樹脂成形体の外周面に切削刃を当てが
い「大根の桂剥き」のように、外周面から渦巻き状にし
て内周面に向かって切削(スカイビング)加工し、得ら
れた長尺のフッ素樹脂シートを所望の長さに切断し、得
られた帯状フッ素樹脂成形体シートの長手方向両端部同
士を互いに熱融着して円筒状フィルムにした後、その一
方端を拡開させながら外方に向かって断面「C」字状に
滑らかなカーブを描くように折り返す(曲付する:くせ
づけする)ことにより作製されている。
【0012】従って、前述の図5〜図7に示すフッ素樹
脂包みガスケットのように製造可能な寸法は制限を受け
ず、大口径のものを製作可能である。一方、該被覆フィ
ルムには、その半径方向に接合部(溶接部)81が1カ
所以上存在し、該接合部81表面には凹凸や段差が生じ
ており、このよう被覆フィルム2を用いた図8あるいは
図9に示すようなフッ素樹脂包みガスケット7C、7D
では該接合部81でシール性能が低下するという問題点
がある。
【0013】そこでこのような接合部でのシール性能低
下に対して、従来では、該接合部にガスケットペースト
を塗布して該接合部の凹凸や段差を埋め(目詰め)、シ
ール性を高める方法が採られているが、ペースト塗布に
は工数が掛かり、またペーストが該接合部から管体内に
流入して管体内部流体を汚染する恐れもあり、根本的な
解決策とは云えない。
【0014】ところで、PTFEジャケットガスケット
等のフッ素樹脂ライニングガスケットは、耐食部用ガス
ケットとして、グラスライニング機器(例:リアクタ
ー、配管等)に用いられることが多い。しかしながら、
ライニング面にうねりが生じることがあり、ライニング
面のうねりはシール性低下の原因となる。もし、ライニ
ング面が小径であれば、ライニングしたシール面を研磨
するなど再加工して、ライニング面のうねりをある程度
解消することもできるが、大口径(例:口径が50cm
以上)になると再加工は技術的にもコスト的にも困難に
なる。
【0015】そこで対応策として、うねりによる隙間の
大きい部位に対して、中芯材とPTFEジャケットの間
に別途中芯材を差し込むなどの対策も採られているが、
応急対応措置的なものであり、シール性の改善効果は十
分でない。
【0016】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、特に良好なシ
ール特性を有するフッ素樹脂包みガスケットを提供する
ことを目的としている。また本発明は、ガラスライニン
グ機器のうねりのあるライニングが施されたシール面に
対しても良好なシール性を発揮できるようなフッ素樹脂
包みガスケットを提供することを目的としている。
【0017】また本発明は、凹凸あるいは段差のある接
合部を有するフッ素樹脂外被を備えたフッ素樹脂包みガ
スケットであるにも拘わらず、良好なシール特性を有す
るフッ素樹脂包みガスケットを提供することを目的とし
ている。
【0018】
【発明の概要】本発明に係るフッ素樹脂包みガスケット
は、フッ素樹脂外被の環状溝内に、環状中芯体が嵌入さ
れたフッ素樹脂包みガスケットであって、前記フッ素樹
脂外被の上下表面には、フッ素樹脂多孔質体シートが被
着されていることを特徴としている。
【0019】本発明においては、上記フッ素樹脂外被に
は、凹凸あるいは段差のあるような接合部が存在してい
る場合に、好適に適用できる。本発明においては、上記
フッ素樹脂外被がポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)製であることが好ましい。また、上記フッ素樹脂多
孔質体がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製で
あることが好ましい。
【0020】また上記フッ素樹脂多孔質体は、スポット
溶接にてフッ素樹脂外被に被着されていることが好まし
い。本発明に係る上記フッ素樹脂包みガスケットは、特
に良好なシール性を有しており、該フッ素樹脂包みガス
ケットを構成するフッ素樹脂外被に凹凸や段差のある接
合部が存在しているような場合にも、気密性に著しく優
れている。
【0021】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るフッ素樹脂包
みガスケットについて、図面に示す好ましい実施態様を
参照しつつ具体的に説明する。なお、本明細書および添
付図面では、同一部材には、同一符号を付している。図
1は、本発明の一実施態様に係るフッ素樹脂包みガスケ
ットの要部断面を含む部分斜視図である。
【0022】図1に示す第1のフッ素樹脂包みガスケッ
ト10は、環状中芯体14と、この環状中芯体14が装
着されるフッ素樹脂外被12と、該フッ素樹脂外被12
の上下表面12Y,12Xに被着されるフッ素樹脂多孔
質体シート80b,80aとを有している。そしてこの
フッ素樹脂外被12は凹凸状、段差などを有する接合部
(溶接部)81を該フッ素樹脂外被12の半径方向に1
カ所以上有している。
【0023】また該フッ素樹脂外被12の環状溝19内
に、複数、特に3層の環状部材18a,16,18bを
順次積層してなる上記環状中芯体14が嵌入されてい
る。ここで、このフッ素樹脂外被12および、該外被1
2の環状溝19内に積層してなる環状中芯体14として
は、本願出願人が、特開2000−104832号公報
にて開示したと同様のものが好ましい。
【0024】以下、第1のフッ素樹脂包みガスケット1
0を構成する各部材について詳説する。 <フッ素樹脂多孔質体シート>フッ素樹脂多孔質体シー
ト80a,80bは、フッ素樹脂包みガスケット10と
フランジ面とが当接する部位であるフッ素樹脂外被12
の上下両面12Y,12Xに被着されているが、該フッ
素樹脂多孔質体シート80a,80bとしては、従来よ
り公知の材質のものを用いることができ、例えば、変性
ポリテトラフルオロエチレン(特公平3−39105号
公報参照)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フ
ッ化エチレン-パーフロロアルキルビニルエーテル共重
合樹脂(PFA)、四フッ化エチレン-六フッ化プロピ
レン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン-六フッ
化プロピレン-パーフロロアルキルビニルエーテル共重
合樹脂(EPE)、四フッ化エチレン-エチレン共重合
樹脂(ETEE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)
などのフッ素樹脂で構成されているものが挙げられる。
【0025】これらのフッ素樹脂は1種または2種以上
組み合わせて用いることができる。その好ましい態様で
は、フッ素樹脂多孔質体シート80a,80bは、PT
FE(ポリテトラフルオロエチレン、四フッ化エチレン
樹脂とも言う。)製であることが耐薬品性などの点から
望ましい。このようにフッ素樹脂多孔質体シート80
a,80bがPTFE製である場合、例えば、特公昭4
2−13560号公報に記載されているように、液状潤
滑剤を含む未焼結のPTFE樹脂混和物を押出または圧
延または両者を含む方法にて成形した後、未焼結状態に
て少なくとも一方向に延伸した状態でPTFEの溶融温
度である約327℃以上の温度で加熱することにより製
造されたもの(連続気泡)を用いることができ、必要に
よりさらに延伸されていてもよい。
【0026】このように十分な弾性を有し、溶接部81
の凹凸等を吸収できる限り、フッ素樹脂多孔質体シート
80a,80b中の気泡(孔)は、連続気泡であっても
よく、独立気泡であってもよい。本発明では、フッ素樹
脂多孔質体シート80a,80bとしては、下記フッ素
樹脂外被12との被着性(溶接性)の点を考慮すると、
フッ素樹脂外被12と同種の材質で構成されることが望
ましく、下記フッ素樹脂外被12が、PTFE製の場合
には、フッ素樹脂多孔質体シート80a,80bもPT
FE製であることが好ましい。
【0027】このようなフッ素樹脂多孔質体シート80
a,80bの気孔率は、通常、10〜70%、好ましく
は20〜40%であり、密度は通常、0.7〜2.1g
/cm3、好ましくは1.2〜1.7g/cm3である。
また該フッ素樹脂多孔質体シート80a,80bの厚み
は、用いられるフッ素樹脂外被12の溶接部81の凹凸
や段差の程度等にも依るが、通常、0.5〜3mm、好
ましくは1〜2mm厚である。また、溶接部の凹凸や段
差の値(厚み方向の幅)の通常1〜20倍、好ましくは
3〜10倍となるように該フッ素樹脂多孔質体シート8
0a,80bの厚みを選択することが好ましい。
【0028】フッ素樹脂多孔質体シート80a,80b
の気孔率、密度、厚みなどがこのような範囲にあると、
フランジ同士を所定の力で締め付けることにより、該フ
ッ素樹脂多孔質体シート80a,80bがフッ素樹脂外
被12の溶接部81の凹凸、段差などを良好に密閉・カ
バーして、該溶接部での気密性を良好に保持でき、溶接
部81を通じた内部流体の漏出などを良好に防止でき
る。
【0029】また、このフッ素樹脂多孔質体シート80
a,80bは、下記フッ素樹脂外被12に被着されてい
るが、被着の態様としては、図1に付番S1で示すよう
に、フッ素樹脂外被12の上下面12Y、12Xにスポ
ット溶接にて所定間隔離間するように、ドット(点)状
に溶接されていてもよく、ライン状、クロス状(図2中
S2参照)、網目状、破線、丸、四角、面積をもったド
ット状またはライン状等(図示せず)に溶接されていて
もよい。このように、フッ素樹脂外被12とフッ素樹脂
多孔質体シート80a,80bとが接触面の一部(例:
接触面積の0.1〜80%、好ましくは10〜50%の
面積となるように溶接)でのみ均一分散して溶接され、
接触面の全面では溶接されていないことにより、フッ素
樹脂多孔質体シート80a,80bの多孔性に基づく弾
力性、溶接部81の凹凸、段差およびフランジ面への追
従性などが良好に発揮される。
【0030】ここで、もしフッ素樹脂多孔質体シート8
0a,80bの全面がフッ素樹脂外被12と溶接される
と、フッ素樹脂多孔質体シート80a,80bの孔は、
溶接時の溶融により消失し、フッ素樹脂多孔質体シート
の弾力性はなくなり、フッ素樹脂外被12の溶接部(接
合部)81からの液漏れの恐れなどを効率よく防止でき
なくなってしまう。 <フッ素樹脂外被>まずフッ素樹脂外被12は、主とし
てガスケットの耐薬品性向上に寄与し、多孔性か否かの
点での差異はあるが、上記フッ素樹脂多孔質体シート8
0a,80bを構成する樹脂と同様の樹脂を用いること
ができる。その好ましい態様では、フッ素樹脂多孔質体
シート80a,80bと同種の樹脂であることが望まし
い。特に、その好ましい態様では、フッ素樹脂多孔質体
シート80a,80bと、フッ素樹脂外被12とが共
に、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン、四フッ化
エチレン樹脂とも言う。)製であることが耐薬品性、接
着性などの点から望ましい。 <環状部材>このフッ素樹脂包みガスケット10におい
ては、前記環状中芯体14は、主としてガスケットの弾
性や強度向上を受け持ち、上述したように複数の環状シ
ート(環状部材)18a,16,18bを積層して構成
されている。この環状中芯体14を構成する環状部材1
8a,16,18bのうち外被12と密接する環状部材
18a,18bは、有機繊維、無機繊維、無機粉体およ
びバインダーを含んでいる。
【0031】この環状部材18a,18b中に含まれる
無機粉体は、図1に示すように該環状部材中に一様に分
散していてもよく、環状部材の外被側表面に偏在してい
てもよい(図示せず)。特に、含まれる無機粉体が、図
1に示すように該環状部材中に一様に分散していると繊
維表面に無機粉体が付着することで有機繊維−有機繊
維、有機繊維−無機繊維、無機繊維−無機繊維など繊維
の付着力が向上し、圧壊特性に優れたガスケットが得ら
れるという効果が得られる。また環状部材の外被側表面
に偏在しているとフッ素樹脂外被と環状部材との付着力
が向上し、外被のクリープをおさえてシール特性に優れ
たガスケットが得られる。なお、図2において、付番2
7a、28aは、有機繊維、無機繊維およびバインダー
からなるフェルト層を示し、付番27b、28bは、主
に無機粉体およびバインダーからなる無機粉体層を示
す。このようなフェルト層27aと無機粉体層27bと
が積層されて環状部材27が形成され、フェルト層28
aと無機粉体層28bとが積層されて環状部材28が形
成されている。
【0032】なお、これら環状部材では、環状部材の外
被12側表面11b、13bから環状シート16側に向
かって層の厚み方向に連続的に無機粉体含量が低下して
いてもよい。環状シート(環状部材)16は、ゴム板、
コルク板、ジョイントシート材から構成され、好ましく
はジョイントシート材にて構成されている。ジョイント
シート材としては、特に限定されず、例えば、(i)アラ
ミド繊維とゴムからなるもの、(ii)図1の環状部材18
a、18b等と同様に、アラミド繊維等の有機繊維と、
無機繊維と無機粉体とゴム等のバインダーとからなり、
その組成比が前記図1の環状部材18a、18b等とは
異なるもの等が挙げられる。
【0033】以下、環状部材18a,18bについて詳
説する。この環状部材18a,18bには、上記のよう
に有機繊維、無機繊維、無機粉体およびバインダーが含
まれている。有機繊維としては、200℃で100時間
の加熱後も初期の50%以上の強度を有している有機繊
維(耐熱性有機繊維)が好ましい。このような耐熱性有
機繊維としては、例えば、アラミド繊維、カーボン繊
維、テフロン(R)繊維等が挙げられ、これらの有機繊
維は1種または2種以上組み合わせて用いることができ
る。これら有機繊維のうちでも、特にフィブリル化可能
でありパルプ形状(分岐形状)になる繊維が望ましい。
【0034】無機繊維としては、ガラス繊維、ジルコニ
ア繊維、セラミックス繊維、ロックウールなど従来より
公知のものを広く使用可能であり、これらの無機繊維は
1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
これら無機繊維のうちでも比較的繊維径が小さく(繊維
径が20μm以下、好ましくは0.1〜5μm)、しか
も繊維長が0.01mm以上、好ましくは0.1〜10
mmのものが望ましく、このように繊維径が比較的小さ
く、繊維長が上記範囲にあるような望ましい無機繊維と
しては、ロックウールが挙げられる。
【0035】無機粉体としては、タルク、クレー、酸化
チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウ
ム、ケイ酸、二酸化珪素、炭酸カルシウム、炭酸ナトリ
ウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウムが挙げら
れ、これら無機粉体は1種または2種以上組み合わせて
用いることができる。これらの無機粉体のうちでは、硫
酸バリウムが好ましい。上記無機粉体のうちでも、その
平均粒径が通常1.5μm以下、好ましくは0.5μm
以下、さらに好ましくは0.2μm以下のものが望まし
い。このような粒子径の無機粉体を用いると、無機粉体
の表面エネルギーを利用して繊維間の付着性を強め環状
部材(フェルト材)強度を向上させることができ、環状
部材に適度の柔軟性と緻密性とを付与でき、シール特性
と圧壊特性を向上させることが可能となるため好まし
い。
【0036】バインダーとしては、特に限定されず従来
より公知のものを広く使用でき、天然ゴム、NBRなど
のゴム系バインダー;アクリル樹脂等の樹脂系のバイン
ダー;などが挙げられ、好ましくはアクリル樹脂が用い
られる。このような環状部材18a,18bには、上記
有機繊維は通常5〜40重量%、好ましくは、10〜4
0重量%の量で、無機繊維は通常20〜85重量%、好
ましくは、30〜70重量%の量で、無機粉体は通常1
0重量%以上、好ましくは30重量%以上の量で、およ
びバインダーは残部量(但し、各環状部材重量を100
重量%とする。)で含まれていることが望ましい。
【0037】上記量で有機繊維が含まれていると、得ら
れるガスケットは、高温での応力緩和が適度の範囲にあ
り、高温時の気密性も良好に保持され、常温での破壊強
度に優れる傾向があり、また上記量で無機繊維が含まれ
ていると、該無機繊維の繊維径が比較的大きく(例:繊
維径5〜10μmφ)、また剛直であっても、得られる
ガスケットは、高温での応力緩和が小さくなり、柔軟性
の低下も少なく、高温での気密特性に優れる傾向があ
る。
【0038】また無機粉体が上記量で環状部材中に一様
に分散して含まれていると、無機繊維と有機繊維、有機
繊維同士あるいは、無機繊維同士の付着力を高めること
ができ、無機繊維と有機繊維との両者を配合したことに
よる環状部材の強度をより効果的に高めることができ、
また繊維間の密着強度を高めることができるため、得ら
れるガスケットは、該ガスケットを構成する環状部材1
8a,18bの強度(フェルト部強度)が高くなり、応
力緩和を小さくでき、高温時におけるガスケットのシー
ル性能を安定化させることができ、また、該環状部材
(フェルト材)18a,18bの表面層11b、13b
に存在する無機粉体によって、フェルト材18a,18
bとフッ素樹脂外被12の摩擦抵抗が大きくなるため、
ガスケットの圧壊強度が向上する傾向がある。
【0039】<環状部材の製造>このような無機粉体が
一様に分散した環状部材18a,18bを製造するに
は、従来より公知の方法を利用することができ、例え
ば、それぞれ上記量の有機繊維、無機繊維、無機粉体お
よび未加硫バインダーを配合し、水に分散させ、多段に
抄き上げた後、100℃〜200℃の熱ロールで乾燥さ
せる抄紙工程によって製造できる。
【0040】また図2に示すように、無機粉体が環状部
材27の外被22a側すなわち27b、環状部材28の
外被22b側すなわち28bにのみ偏在した環状部材を
製造するには、従来より公知の方法を利用することがで
き、例えば、それぞれ上記量の有機繊維、無機繊維およ
び未加硫バインダーを配合し、上記の抄紙工程と同様の
工程により抄紙した後、水に分散させた無機粉体を吹き
付け散布することによって製造できる。
【0041】<ガスケットの製造>また図1に示すよう
なフッ素樹脂包みガスケット10を製造するには、下記
のようにすればよい。環状シート16の両面に環状部材
18a,18bを例えば樹脂やゴムを主剤とする接着剤
を用いて張り合わせ、環状中芯体14を形成する。さら
に、この環状中芯体14の表面(特に内周面及び上下両
面)を、図1に示すように、フッ素樹脂外被12にて被
覆する。
【0042】このフッ素樹脂外被12は、所定サイズの
フッ素樹脂シートを複数枚その長手方向両端部同士を溶
接して円筒状にし、次いで円筒の軸方向中央部で外方に
滑らかな局面を描きつつ折り返すように断面C字状に曲
付けして得られる。次いで、このようにフッ素樹脂外被
12にて被覆したのち、該フッ素樹脂外被12の上下両
表面12Y、12Xに、フッ素樹脂多孔質体シート80
a,80bをスポット溶接するなど、前述したような方
法で部分的に被着させれば、所望のフッ素樹脂包みガス
ケット10が得られる。
【0043】このようなフッ素樹脂包みガスケット10
では、初期締め付け時に、荷重が過剰に負荷された場合
にも、環状中芯材が圧壊することがない。すなわち、初
期締め付けが過剰になった場合に、フッ素樹脂外被12
の破壊の前に中芯材14がクリープ現象を起こすことも
なく、ガスケット応力が適度に保持されるために、ガス
ケットが本来有しているシール性能が良好に発揮され
る。
【0044】また、このようなフッ素樹脂包みガスケッ
ト10では、フッ素樹脂外被12の接合部81に凹凸、
段差などが存在していても、その表面には、弾力性に富
むフッ素樹脂多孔質体シート80a,80bがスポット
溶接などにて被着されているから、フランジを所望の締
め付け力で締め付けることにより、フッ素樹脂多孔質体
シート80a,80bの弾力性が発揮される結果、フッ
素樹脂外被12に接合部81を有しているにも拘わら
ず、シール性に優れ、缶体内液の漏出が良好に防止でき
る。
【0045】また、このようなガスケット10は、後述
する図4に示すような、環状中芯体44が1層の環状シ
ート(環状部材)48のみから構成されており、図1の
ジョイントシート層16を有しないものに比して、特に
圧壊強度の点で優れている。本発明に係るフッ素樹脂包
みガスケットは、上述した実施態様に限定されるもので
はなく、種々に改変することができる。例えば、フッ素
樹脂外被の内径側断面形状は、コ字状であってもよい
(図示せず)。
【0046】また、図3において付番32で示すよう
に、フッ素樹脂外被の断面形状は、内径側端部6が断面
C字状であり、外径側端部35bが封止され、袋状とな
っていてもよい。このようなフッ素樹脂包みガスケット
30は、図1に示すフッ素樹脂包みガスケット10の外
径側端部15b開口部をも封止した構造のものであり、
このようなフッ素樹脂包みガスケット30では、外部の
流体が該ガスケット30の環状中芯体34内に浸入する
のを防止でき、環状部材34が濡れることによる強度低
下を防止することができるため好ましい。
【0047】このように、フッ素樹脂包みガスケットの
形状は、図1の形状に限らず、外径側の開口部を封鎖し
た図3の構造のものであってもよい。上記説明では、何
れも環状中芯体が複数(3層)の環状部材にて構成され
ている態様を示したが、本発明に係るフッ素樹脂包みガ
スケットは、上記態様に限定されず、その環状中芯体
は、例えば、図4に示すように1層(1枚)の環状部材
48から構成されていてもよい。すなわち、図4には、
図1に示す3層構成の環状中芯体14に代えて、1枚の
環状部材48からなる環状中芯体44がフッ素樹脂外被
42の環状溝49内に嵌入された態様が示されている。
このような環状部材(環状中芯体)では、その外被側表
裏面に硫酸バリウムに代表される無機粉体が偏在してい
てもよい(図示せず)。
【0048】これら環状部材48の材料は、前記図1等
における環状部材18a、18b等とその厚みの点を除
いて同一である。以上詳述したように、本発明の好まし
い態様では、フッ素樹脂包みガスケットの環状中芯材を
構成する環状部材は、有機繊維、非石綿系無機繊維、無
機粉体(好ましくは硫酸バリウム)、およびバインダー
を含んでなっているため、環境への安全性に優れ、圧壊
特性に優れている。該環状部材を環状中芯材用の構成材
として1枚(1層)以上組み込んだ本発明のフッ素樹脂
包みガスケットでは、常温で使用する場合には勿論のこ
と、高温(200℃程度)で使用する場合にも応力緩和
がほとんど増加せず、適度の柔軟性を有し、気密性が良
好に保持され、高温での使用にも耐えることができる。
【0049】しかも、フッ素樹脂外被12の表面42
Y、42Xには、フッ素樹脂多孔質体シート80a,8
0bが被着されているため、フッ素樹脂外被12の接合
部81からの缶体内への缶体外部流体の流入や缶体内部
流体がフランジを介して外部へ流出(漏出)する恐れを
著しく低減できる。これに対して非石綿フェルト材を中
芯材として使用した従来の非石綿系フッ素樹脂包みガス
ケットにおいては、圧壊現象が顕著であった。
【0050】この圧壊現象は、初期締め付けが過剰にな
った場合に生じ、フッ素樹脂外被の破壊の前に中芯材が
クリープ現象を起こし、ガスケット応力が極端に低下し
てしまうために、ガスケットが本来有しているシール性
能を発揮できなくなってしまう現象である。このような
圧壊現象が起こる原因は、本願出願人が既に特開200
0−104832号公報の「0050」〜「0051」
欄に詳説した通りであり、省略する。
【0051】上記説明においては、主として、フッ素樹
脂外被に接合部81が存在する場合について述べたが、
本発明は係る態様に限定されず、フッ素樹脂外被に接合
部を有しない、従来例として図5〜図7に挙げたような
フッ素樹脂包みガスケットであっても、これらのフッ素
樹脂外被の表面にフッ素樹脂多孔質体シート80a,8
0bを、上記と同様にスポット溶接等の方法で設けるこ
とにより、相手面がガラスライニングされ波打ったよう
なフランジ面などであっても、良好に密接し、優れたシ
ール性を発揮できる。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、フッ素樹脂包みガスケ
ットを構成するフッ素樹脂外被に接合部を有しているか
否かに拘わらず、該フッ素樹脂外被の表面にフッ素樹脂
多孔質体シートを被着させているので、気密性に著しく
優れたフッ素樹脂包みガスケットが提供される。
【0053】特に、フッ素樹脂外被に接合部が存在して
いるようなフッ素樹脂包みガスケット(例:外径が30
0mmを超える大きな寸法を有し、外被接合箇所が何カ
所にもなるようなフッ素樹脂包みガスケット)では、気
密性が著しく向上する。また本発明によれば、ガラスラ
イニング機器のうねりのあるライニングが施されたシー
ル面に対しても良好なシール性を発揮できるようなフッ
素樹脂包みガスケットが提供される。
【0054】また、フッ素樹脂包みガスケットが、上記
のようにフッ素樹脂外被の表面にフッ素樹脂多孔質体シ
ートを有し、しかもフッ素樹脂外被の環状溝内に、特開
2000−104832号公報に開示されているよう
な、単層または複数の環状部材を積層してなる環状中芯
体が嵌入されたフッ素樹脂包みガスケットであって、前
記環状中芯体を構成する少なくとも1層の環状部材が、
有機繊維、無機繊維、無機粉体およびバインダーを含む
ことを特徴とするフッ素樹脂包みガスケットでは、上記
特性(気密性の著しい向上)に加えて、常温での圧壊特
性と高温下の気密特性にバランス良く優れたフッ素樹脂
包みガスケットが提供される。とくに、該フッ素樹脂外
被に接合部を有する場合には、これらの効果は顕著であ
り、特に気密性は向上する。
【0055】本発明に係る上記フッ素樹脂包みガスケッ
トにおいて、外被材料として、変性PTFEや、不安定
末端基量が低減されており−CF3末端基のみからなる
PFA樹脂などを用いることで、フッ素樹脂包みガスケ
ットにおいては外被破壊強度が向上するだけでなく、中
芯材の圧壊強度も向上し、ガスケット締め付け時の過剰
締め付けに対する安全性も改善されており、しかも、高
温の管体内部流体の流通、遮断の繰り返し等に伴う圧力
サイクルに対する耐屈曲性や高温下でのシール保持特性
も著しく改善される。
【0056】特に環状中芯材表面(フェルト面)に無機
粉体、好ましくは硫酸バリウムが偏在しているフッ素樹
脂包みガスケットでは、高温時における、気密性能が高
くなる。
【0057】
【実施例】以下、本発明について実施例に基づき、さら
に具体的に説明するが、本発明はかかる実施例により何
ら限定されるものではない。 <圧壊応力(乾燥時)の測定法>試料ガスケットをフラ
ンジ間に装着し、ガスケット応力が10MPaとなるよ
うに油圧式圧縮試験機で荷重を負荷し5分間荷重を保持
した。その後ガスケットを取り出し、中芯材の表面に微
少な亀裂が発生していないかを目視によって確認した。
その後ガスケット応力を5MPaごとに上げていき、中
芯表面に微少亀裂が発生するまでガスケット応力を上げ
ながら上記確認試験を繰り返した。
【0058】<圧壊応力(湿潤時)の測定法>湿潤時の
圧壊測定は、ガスケットをあらかじめ24時間水中に浸
漬しておくほかは、乾燥時の圧壊測定と同じである。
【0059】
【実施例1】外被材料として一般的に用いられるPTF
E(商品名「ポリフロンM12」、ダイキン工業
(株))を使用し、中芯材として下記3層構成の非石綿
中芯を使用し、フッ素樹脂多孔質体シートとして、商品
名「サブミック−F」(日本バルカー工業(株)製、1
mm(厚)、気孔率:30%、密度:1.5g/c
3、幅:外被のシール面接触幅の50%、スポット溶
接)を使用して、ガスケット寸法:「JIS 10K 1
00A」のフッ素樹脂包みガスケットを製造した(図
1)。
【0060】各層の厚さは以下の通り。 2枚のフッ素樹脂多孔質体シート:1mm厚、 外被:0.4mm厚、中芯:環状部材/ジョイントシー
ト/環状部材=0.8mm/0.8mm/0.8mmの
3層構成、中芯全体の厚み2.4mm。 (イ)2枚の環状部材:耐熱性有機繊維(アラミド繊
維、商品名「コーネックス」(帝人(株)製) 無機繊維(ロックウール、商品名「エスファイバー繊
維」(新日鐵化学(株)製) 無機粉末(硫酸バリウム、平均粒径0.1〜0.2μ
m) バインダー(NBRラテックス) ///の配合比(重量部)=20/50/26
/4 (ロ)ジョイントシート(アラミド繊維10重量%/ゴム
40重量%/無機充填剤50重量%、厚み0.8mm) 上記フッ素樹脂包みガスケットを複数個作成した。
【0061】フッ素樹脂包みガスケットを、フランジ
(フランジ材質:「SUS 304」、フランジ表面粗
さ:Rmax18〜25μm)に取り付け、種々のガス
ケット面圧を印加して各面圧毎に5分間保持した後に取
り出し、中芯材の表面に微少な亀裂が発生した面圧をも
って、中芯圧壊面圧とした。得られたフッ素樹脂包みガ
スケットの中芯圧壊面圧は、乾燥時1.0MPa、湿潤
時100MPaとなった。
【0062】結果を併せて表1に示す。また、上記と同
様のフランジにこのフッ素樹脂包みガスケットを取り付
け、ガスケット面圧25MPaにおける気密内圧(20
0℃で100時間加熱後、窒素ガスを加圧して測定)を
石鹸水法により確認したところ、3.5MPaとなっ
た。
【0063】
【実施例2】外被材料として変性PTFE(商品名「ポ
リフロンM−112」、ダイキン工業(株))を使用し
た以外は実施例1と同様にしてフッ素樹脂包みガスケッ
トを製造した。その結果、実施例2で得られたフッ素樹
脂包みガスケットの中芯圧壊面圧は、乾燥時120MP
a、湿潤時110MPaとなった。また、気密内圧は、
3.0MPaとなった。
【0064】結果を併せて表1に示す。
【0065】
【実施例3】実施例1において、配合組成を表1に示す
ようにロックウール65重量部、セピオライト31重量
部、バインダー4重量部に代えた以外は、実施例1と同
様にしてフッ素樹脂包みガスケットを作成した。得られ
たフッ素樹脂包みガスケットの圧壊応力(乾燥時)は、
90MPa、圧壊応力(湿潤時)は80MPaとなっ
た。
【0066】また、上記と同様のフランジにこのフッ素
樹脂包みガスケットを取り付け、ガスケット面圧25M
Paにおける気密内圧(200℃で100時間加熱後、
窒素ガスを加圧して測定)を石鹸水法により確認したと
ころ、3.5MPaとなった。結果を併せて表1に示
す。
【0067】
【実施例4】実施例1において、配合組成を表1に示す
ように石綿繊維80重量部、セピオライト16重量部、
バインダー4重量部に代えた以外は、実施例1と同様に
してフッ素樹脂包みガスケットを作成した。得られたフ
ッ素樹脂包みガスケットの圧壊応力(乾燥時)は、10
0MPa、圧壊応力(湿潤時)は90MPaとなった。
【0068】また、上記と同様のフランジにこのフッ素
樹脂包みガスケットを取り付け、ガスケット面圧25M
Paにおける気密内圧(200℃で100時間加熱後、
窒素ガスを加圧して測定)を石鹸水法により確認したと
ころ、3.5MPaとなった。結果を併せて表1に示
す。
【0069】
【比較例1〜2】実施例1〜2において、フッ素樹脂多
孔質体シートを設けなかった以外は、そえれぞれ実施例
1〜2と同様とし、上記と同様の項目について測定し
た。結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施態様に係るフッ素樹脂
包みガスケットの要部断面を含む部分斜視図である。
【図2】図2は、本発明の他の実施態様に係るフッ素樹
脂包みガスケットの要部断面を含む部分斜視図である。
【図3】図3は、本発明の他の実施態様に係るフッ素樹
脂包みガスケットの要部断面を含む部分斜視図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施態様に係るフッ素樹
脂包みガスケットの断面図である。
【図5】図5は、従来例に係るフッ素樹脂包みガスケッ
トの断面図である。
【図6】図6は、従来例に係るフッ素樹脂包みガスケッ
トの要部断面を含む部分斜視図である。
【図7】図7は、従来例に係るフッ素樹脂包みガスケッ
トの要部断面を含む部分斜視図である。
【図8】図8は、従来例に係るフッ素樹脂包みガスケッ
トの要部断面を含む部分斜視図である。
【図9】図9は、従来例に係るフッ素樹脂包みガスケッ
トの要部断面を含む部分斜視図である。
【符号の説明】
1、1A・・・・・環状中芯体 2・・・・・フッ素樹脂外被 3a、3c・・・・・環状部材(下面側環状部材) 3b、3d・・・・・環状部材(上面側環状部材) 4・・・・・環状シート 5・・・・・環状溝奥部 6・・・・・環状溝奥部の鋭角部 6c・・・・・環状溝奥部の最奥部 7、7A、7B、7C、7D・・・・・従来のフッ素樹
脂包みガスケット 10、20、30、40・・・・・本発明の1例に係る
フッ素樹脂包みガスケット 11a、21a、31a・・・・・環状部材の上部外被
側面(表面) 11b、21b、31b、41b・・・・・環状部材の
下部外被側面(表面) 12、22、32、42・・・・・フッ素樹脂外被 12a、22a、32a、42a・・・・・下側フッ素
樹脂外被(下部外被) 12b、22b、32b、42b・・・・・上側フッ素
樹脂外被(上部外被) 12X、22X、32X・・・・・下側フッ素樹脂外被
の下面 12Y、22Y、32Y・・・・・上側フッ素樹脂外被
の上面 13a、23a、33a、43a・・・・・環状部材あ
るいは環状中芯体の外被側面(表面) 13b、23b、33b、43b・・・・・環状部材あ
るいは環状中芯体の外被側面(表面) 14、24、34、44・・・・・環状中芯体 16、26、36・・・・・環状シート(ジョイントシ
ート) 27・・・・・無機粉体が外被側表面に偏在した環状部
材 27a、28a・・・・・有機繊維、無機繊維およびバ
インダーを主成分とする層 28・・・・・無機粉体が外被側表面に偏在した環状部
材 27b、28b・・・・・無機粉体(硫酸バリウム)と
バインダーを主成分とする層 18a、38a・・・・・環状部材(下面側環状部材) 18b、38b・・・・・環状部材(上面側環状部材) 19、29、39、49・・・・・環状溝 55a・・・・・フッ素樹脂外被の内径側端部 15b、25b、35b、45b・・・・・フッ素樹脂
外被あるいはガスケットの外径側端部 S1、S2、S3・・・・・被着部(溶接部) 80・・・・・フッ素樹脂多孔質体シート 80a・・・・・下側フッ素樹脂多孔質体シート 80b・・・・・上側フッ素樹脂多孔質体シート 81・・・・・溶接部(接合部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 田 隆 仁 奈良県五條市住川町テクノパーク・なら工 業団地5−2 日本バルカー工業株式会社 奈良工場内 Fターム(参考) 3J040 BA01 FA07 HA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素樹脂外被の環状溝内に、環状中芯体
    が嵌入されたフッ素樹脂包みガスケットであって、前記
    フッ素樹脂外被の上下表面には、フッ素樹脂多孔質体シ
    ートが被着されていることを特徴とするフッ素樹脂包み
    ガスケット。
  2. 【請求項2】上記フッ素樹脂外被には、接合部が存在す
    る請求項1に記載のフッ素樹脂包みガスケット。
  3. 【請求項3】上記フッ素樹脂外被がポリテトラフルオロ
    エチレン(PTFE)製である請求項1〜2の何れかに
    記載のフッ素樹脂包みガスケット。
  4. 【請求項4】上記フッ素樹脂多孔質体がポリテトラフル
    オロエチレン(PTFE)製である請求項1〜3の何れ
    かに記載のフッ素樹脂包みガスケット。
  5. 【請求項5】上記フッ素樹脂多孔質体は、スポット溶接
    にてフッ素樹脂外被に被着されていることを特徴とする
    請求項1〜4の何れかに記載のフッ素樹脂包みガスケッ
    ト。
JP2001303700A 2001-09-28 2001-09-28 フッ素樹脂包みガスケット Withdrawn JP2003106456A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001303700A JP2003106456A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 フッ素樹脂包みガスケット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001303700A JP2003106456A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 フッ素樹脂包みガスケット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003106456A true JP2003106456A (ja) 2003-04-09

Family

ID=19123746

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001303700A Withdrawn JP2003106456A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 フッ素樹脂包みガスケット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003106456A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007301946A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Japan Gore Tex Inc 積層型膨張黒鉛シート及び積層型ガスケット
JP2008238828A (ja) * 2008-06-11 2008-10-09 Nippon Valqua Ind Ltd 充填材入りフッ素樹脂シート
US7455301B2 (en) 2006-03-02 2008-11-25 Virginia Sealing Products, Inc. Seamless corrugated insert gasket and method of forming the same
JP2010106958A (ja) * 2008-10-30 2010-05-13 Nippon Pillar Packing Co Ltd ガスケット
JP6196721B1 (ja) * 2016-10-07 2017-09-13 ジャパンマテックス株式会社 グラスライニング機器用ガスケット及びその製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7455301B2 (en) 2006-03-02 2008-11-25 Virginia Sealing Products, Inc. Seamless corrugated insert gasket and method of forming the same
US8066843B2 (en) 2006-03-02 2011-11-29 Virginia Sealing Products, Inc. Seamless corrugated insert gasket and method of forming the same
JP2007301946A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Japan Gore Tex Inc 積層型膨張黒鉛シート及び積層型ガスケット
JP2008238828A (ja) * 2008-06-11 2008-10-09 Nippon Valqua Ind Ltd 充填材入りフッ素樹脂シート
JP2010106958A (ja) * 2008-10-30 2010-05-13 Nippon Pillar Packing Co Ltd ガスケット
CN101725711A (zh) * 2008-10-30 2010-06-09 日本皮拉工业株式会社 垫片
JP6196721B1 (ja) * 2016-10-07 2017-09-13 ジャパンマテックス株式会社 グラスライニング機器用ガスケット及びその製造方法
JP2018059616A (ja) * 2016-10-07 2018-04-12 ジャパンマテックス株式会社 グラスライニング機器用ガスケット及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5015932B2 (ja) 低シール応力のePTFEガスケット材料
US4900629A (en) High compressibility gasket material
US5551706A (en) Composite gasket for sealing flanges and method for making and using same
JP2011257006A (ja) 低圧シールガスケット
JP4570897B2 (ja) フランジ継手用ガスケット
JPH07165470A (ja) 膨張黒鉛製シール素材およびその製造方法ならびにガスケット用シート
JP5155771B2 (ja) フッ素樹脂包みガスケット
US20050121859A1 (en) Gasket of non-rounded shape with installation aids
KR101463361B1 (ko) 낮은 누출율의 복합 개스킷
JP2003106456A (ja) フッ素樹脂包みガスケット
US20030003290A1 (en) Sealing material in the form of tape, and production thereof
JPH04331876A (ja) ジャケットガスケット
JP2005337401A (ja) フッ素樹脂包みガスケット
JP7235774B2 (ja) 密封用の層状複合体
JP2009007050A (ja) 長寿命化フッ素樹脂ライニングタンクおよびその製造方法
KR100291176B1 (ko) 나선형가스킷용충전재료및나선형가스킷
JP2003120815A (ja) 矩形シール材
CA2558739C (en) Low stress to seal expanded ptfe gasket tape
WO2001027501A1 (en) Low stress to seal form-in-place gasket
JP2000104832A (ja) フッ素樹脂包みガスケット
JP2007051257A (ja) シール材及びその製造方法
EP2147236B1 (fr) Joint d'etancheite anti-feu
JP6154427B2 (ja) ガスケット及びガスケットの製造方法
JP3291204B2 (ja) うず巻形ガスケット
JP2004245286A (ja) 接触面積が低減されたガスケット

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081202