JP2003105620A - 産業用安全帽の帽体およびその製造方法 - Google Patents

産業用安全帽の帽体およびその製造方法

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glass
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Abstract

(57)【要約】 【課題】国家検定規格(衝撃吸収性、耐貫通性、耐電圧
性)を満たし、使用区分ごとに選択する必要がなく、か
つ長時間の使用も負担にならない軽量化された産業用安
全帽、およびこれを射出成形により生産性よく製造し得
る方法の提供。 【解決手段】質量平均繊維長が0.6mm以上で、かつ
最大繊維長が50mmであるガラス繊維と、熱可塑性樹
脂とから形成される安全帽の帽体。この帽体を有する安
全帽。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量でかつ機械的
強度に優れ、JISで規定される飛来・落下用、墜落時
保護用、電気用のいずれにも適した産業用安全帽、その
帽体および帽体を効率的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】産業用安全帽は、使用区分により、飛来
・落下用、墜落時保護用、電気用に分類される。JIS
T8131では、飛来・落下用をA、墜落時保護用を
B、電気用をEとコードし、A、B、AB、AE、AB
Eとし、各使用区分での耐貫通性、衝撃吸収性、耐電圧
性、耐水性、難燃性の試験方法および強度を規定してい
る。労働省告示66号(昭50.9.8制定)同39号
(平3.6.5制定)、同109号(平11.10.1
改正)には保護帽の検定規格が定められている。これら
各規格のうちでも、安全性を規定する耐貫通性、衝撃吸
収性、耐電圧性はとりわけ重要である。
【0003】上記産業用安全帽(保安帽、保護帽の呼称
も含め以下安全帽という)は、JIS T8131の構
成名称に従えば、図1に示すように帽体1、着装体(ハ
ンモック2、ヘッドバンド3、環ひも4)、衝撃吸収ラ
イナ5、あごひも6、つば7(形状によりひさし)から
なる。安全帽は、その着用必要性から軽量であることが
望まれ、その検討が続けられている。安全帽の軽量化
は、構成の主要部分である帽体1を軽量化することが最
も効率的であり、このため帽体1は通常プラスチック製
とされる。従来実用化されているプラスチック製帽体と
しては、ポリカーボネート製、ABS樹脂製、またはガ
ラス繊維強化熱硬化性樹脂製が知られている。
【0004】しかしながらこれらの材料により安全帽の
規格を満たしつつさらなる軽量化を図ることは困難であ
る。たとえば上記の樹脂自体高強度を有するポリカーボ
ネートまたはABS樹脂を用いても、耐貫通性、衝撃吸
収性の規格を満たすために肉厚に設計する必要があり、
軽量化には限度がある。特にABS樹脂は、ポリカーボ
ネートほど高強度ではないため、厚肉として強度を出す
必要があり、ABS樹脂製帽体の軽量化には限界があ
る。上記従来のいずれであっても、350g程度の軽量
化が限度である。またポリカーボネート製帽体は、耐薬
品性に劣るため、拭き取り洗浄などの薬剤を取り扱う作
業環境では、機械的特性が低下するおそれがある。ガラ
ス繊維強化熱硬化性樹脂製の帽体は、耐電圧性が低く、
前記JIS T8131に規定される電気用試験(使用
電圧700V以下)の規格を満たさないため電気用
(E)には使用できない。また該帽体は、予めガラスマ
ットで帽体形状を形成し、そこに熱硬化性樹脂を流し込
み製作されるため、製造工程が複雑で、製造時間が長い
という製造上の課題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このため労働省告示に
よる保護帽の国家検定規格(衝撃吸収性、耐貫通性、耐
電圧性)を満たし、JIS T8131に規定されるす
べての使用区分で使用しうる安全帽であって、使用区分
ごとに選択する必要がなく、かつ長時間の使用も負担に
ならない一層軽量化された安全帽、およびこれを射出成
形により生産性よく製造し得る方法を提供することを目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、射出成形法
によって上記のような安全帽の帽体を製造すべく検討し
たところ、予め熱可塑性樹脂をガラス繊維に含浸させ、
ガラス繊維を樹脂で濡らしておけば、射出成形品中に長
い繊維長のガラス繊維を残存させることができること、
さらに最終的な射出成形品中の質量平均繊維長を0.6
mm以上とすれば、薄肉で高強度の帽体を得ることがで
き、上記規格を満たす安全帽を軽量化しうることを見出
した。またこのような射出成形品は、質量平均繊維長2
mm以上のガラス繊維に、予め熱可塑性樹脂を含浸させ
たペレットを用いれば得られることを見出して、本発明
を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明では、質量平均繊維長が
0.6mm以上で、かつ最大繊維長が50mmであるガ
ラス繊維と、熱可塑性樹脂とからなる帽体を有する産業
用安全帽の帽体を提供する。上記帽体は、射出成形品で
あることが望ましく、射出圧縮成形品でもよい。上記帽
体中のガラス繊維含量は、通常10〜70質量%であ
る。上記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン、ポリアミド
およびポリウレタンからなる群より選ばれる少なくとも
一種である。本発明の安全帽は、上記のような帽体を有
する。
【0008】本発明に係る産業用安全帽の帽体の製造方
法は、熱可塑性樹脂と質量平均繊維長2mm以上のガラ
ス繊維とを含み、該熱可塑性樹脂が該ガラス繊維に含浸
されてなる繊維強化樹脂ペレットを射出成形することを
特徴としている。
【0009】なお従来、熱可塑性樹脂にガラス繊維を含
ませた強化樹脂射出成形品が知られている。射出成形用
の熱可塑性樹脂を繊維で強化する際には、通常、質量平
均繊維長さ(重量平均繊維長さ)0.3mm以下のガラ
ス繊維が用いられ、このような短繊維で強化された熱可
塑性樹脂はガラス短繊維強化材と称されている。ガラス
短繊維強化材を用いた射出成形品は、衝撃吸収性があま
り高くならず、規格を満たす安全帽を得るためにはある
程度の厚みが必要であり、薄肉化して軽量化することは
困難である。たとえば従来の安全帽帽体材料であるポリ
カーボネートおよびABS樹脂などのようにそれ自体高
強度の樹脂にガラス繊維を混入しても必ずしも衝撃吸収
性が高まるとはいえず、むしろ衝撃強度が低下するなど
所望に反する特性となる場合もある。ここにゴム成分な
どの衝撃緩和剤を添加して衝撃特性を向上させた場合に
は、機械的強度および曲げ弾性率が低下し、耐圧迫特性
は低下してしまう。
【0010】また射出成形は、シリンダー内で加熱され
可塑化された成形材料を、インライインスクリュの回転
により溶融混練しながら射出口に送り、金型内に射出す
る方法である。このようなシリンダー内では、混練によ
る剪断と、ガラス同士の擦れ合いによりガラス繊維は折
損・破壊してしまうので、繊維長の長いガラス繊維を用
いても成形品中での繊維長は短くなってしまい、繊維に
よる強化効果が得られにくい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明をより具体的に説明す
る。図1にJIS T8131に準拠した産業用安全帽
の構成を示す。安全帽は、帽体1、着装体(ハンモック
2、ヘッドバンド3、環ひも4)、衝撃吸収ライナ5、
あごひも6、つば7(形状にひさし)から構成される。
本発明で提供される帽体1は、質量平均繊維長が0.6
mm以上で、かつ最大繊維長が50mmであるガラス繊
維と、熱可塑性樹脂とから形成される。この帽体1は、
射出成形品であることが望ましい。射出圧縮成形品でも
よい。帽体1のサイズは、JIS T8131に準拠し
て適宜に設計でき、そのデザインなども発明の目的を損
なわない範囲で適宜に変更することは可能である。
【0012】上記熱可塑性樹脂、たとえばポリオレフィ
ン、ポリアミド、ポリスチレン、アクリル樹脂、ABS
樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、熱可塑性ポリ
ウレタンなどを広く用いることができる。これらのうち
でも、ポリプロピレン、ポリアミドまたはポリウレタン
を用いることが好ましい。
【0013】ポリプロピレンは、ホモポリプロピレンで
も共重合ポリプロピレンでもよく、また共重合ポリプロ
ピレンはブロック共重合体でもランダム共重合体でもよ
い。ガラス繊維との接着性をもたせるために無水マレイ
ン酸などで変性されたポリプロピレンが好ましい。ポリ
プロピレンとして使用されるもののすべてが変性ポリプ
ロピレンであってもよく、未変性ポリプロピレンと変性
ポリプロピレンとを併用してもよい。本発明では、メル
トフローレート(MFR:JIS K7210に準拠し
て、200℃、49.03MPa(5 kgf/cm2 )荷重下
で測定)10〜250g/10min のポリプロピレンが好
ましく用いられる。
【0014】ポリアミドとしては、ナイロン6TM、ナイ
ロン6,6 TM、ナイロン4,6 TM、ナイロン12TMなど
の商品名で知られているポリアミドおよび芳香族ポリア
ミドなどを用いることができる。
【0015】熱可塑性ポリウレタンとしては、芳香族成
分を含むものが好ましく、たとえば引張強度(ASTM
D638)が50MPa程度の高強度のものが好まし
い。その一例として、下記のような物性を有するものが
好ましい。 比重 1.19 引張強度(ASTM D638) 50MPa、 引張伸率 160%、 引張弾性率(ASTM D790) 1500MPa、 熱変形温度(1.82MPa) 80℃ アイゾット衝撃強度(Izod) 1200J/m (ASTM D256、3.2mm厚、ノッチ付) 上記のような熱可塑性ポリウレタンとして、アイソプラ
スト(Isoplast)2510(商品名:Dow Plastic 社製)な
どの市販品を使用することができる。本発明の帽体は、
熱可塑性樹脂は30〜90質量%、好ましくは50〜8
5質量%の量で含有していることが望ましい。
【0016】また本発明の帽体は、質量平均繊維長が
0.6mm以上で、かつ最大繊維長が50mmであるガ
ラス繊維を含む。ここで、ガラス繊維の質量平均繊維長
は、下記式より算出される。 Lw=Σ(wi×Li)/Σwi wi:個々のガラス繊維質量 Li:個々のガラス繊維長さ 具体的には、成形品またはペレットを焼成し、樹脂分を
除去した後に、無作為に抽出したガラス繊維400本の
繊維長を測定する。より具体的には、測定視野1cm×
1cmを30〜40倍に顕微鏡で拡大し、長さを定規で
測り、測定本数が合計400本に到達するまで測定視野
をスライドさせ測定した。個々のガラス繊維質量wi
は、下記式により算出する。 wi=(ガラス繊維に使用されたガラスの密度)×(ガ
ラス繊維長)×(ガラス繊維の半径)2 ×π
【0017】本発明の帽体では、ガラス繊維の質量平均
繊維長が0.6mm以上であれば、長繊維の絡み合いに
よる衝撃特性、機械的特性の強化効果が顕著に得られる
が、この繊維長が長いほど強化効果の向上が見られ、通
常、質量平均繊維長は1mm以上、さらに1.5mm以
上であることが好ましい。なお射出成形では、成形性の
面から極端に長い繊維は使用できないため、成形品での
繊維長は最大でも上記50mm程度となる。最大繊維長
は、好ましくは25mmであり、さらに好ましくは15
mmである。
【0018】ガラス繊維の材質類は、一般的に用いられ
るガラス繊維でよく、特に限定されない。たとえばE−
ガラス、AR−ガラス、T−ガラス、D−ガラス、S−
ガラス、C−ガラス、R−ガラスなどを例示することが
できる。
【0019】本発明に係る産業用安全帽は、上記のよう
なガラス繊維を10〜70質量%、好ましくは15〜5
0質量%の量で含有していることが望ましい。ガラス繊
維含量が10質量%未満では、機械的特性の向上効果が
得られにくく、また70質量%より大きくなると射出成
形時に流動性の低下を招き、充填不良を起こしやすくな
る傾向がある。また本発明では、後述するようにガラス
繊維に樹脂を含浸させてなる射出成形ペレットを用いる
ことが好ましいが、ガラス繊維量が多いと、このペレッ
トの製造速度が遅くなり、経済的に不利となる。また本
発明に係る産業用安全帽の帽体は、熱可塑性樹脂および
ガラス繊維に加えて、本発明の目的を損なわない範囲で
あれば他の成分を任意に含有していてもよい。
【0020】上記のような本発明の帽体は、労働省検定
規格のJISで規定される飛来・落下用、墜落時保護用
の貫通性試験、衝撃吸収性試験および電気用試験に合格
することができ、いずれの使用区分にも適した安全帽を
構成することができる。またこのような特性を達成しつ
つ、薄肉化も可能であり、安全帽の軽量化を実現するこ
とができる。具体的に本発明の帽体は350g以下とす
ることが可能であり、好ましくは340g以下、より好
ましくは330g以下である。したがって本発明ではこ
のような帽体を有する軽量安全帽も提供することができ
る。
【0021】上記のような帽体は、上記した熱可塑性樹
脂と、質量平均繊維長2mm以上のガラス繊維とを含む
繊維強化樹脂ペレットを射出成形することにより製造す
ることができる。本発明で用いられる繊維強化樹脂ペレ
ットでは、熱可塑性樹脂がガラス繊維に含浸されてい
る。熱可塑性樹脂をガラス繊維に含浸させて(濡らし
て)射出成形に供すると、混練時のガラス同士の擦れ合
いを低減でき、またガラス繊維間に存在する樹脂が剪断
エネルギーを吸収してガラス繊維の折損を抑制できると
ともに、均質に分散しやすくなるので、長い繊維長のガ
ラス繊維が均質に絡み合った成形品が得られる。
【0022】ペレットの組成は、所望する成形品組成と
実質的に同じであり、上記した成形品中のガラス繊維お
よび熱可塑性樹脂含量に応じて適宜選択することができ
る。ペレット中のガラス繊維長さは、通常、質量平均繊
維長2mm以上であれば最終的に製品中の質量平均繊維
長0.6mmを確保することができる。ペレットのガラ
ス繊維の質量平均繊維長は、好ましくは5mm以上であ
り、さらに好ましくは7mm以上である。またその上限
は射出成形性の面から通常150mm程度までが好まし
く、より好ましくは50mm程度であり、さらに好まし
くは30mm程度である。
【0023】ガラス繊維の直径は、円形相当で5〜35
μm程度が好ましく、さらに好ましくは9〜20μm程
度である。円形以外の断面形状では、その断面積が円形
面積に相当していればよい。なお直径が5μmよりも小
さくなると同一ガラス含量であっても、相対的にガラス
繊維数が増加するため樹脂が含浸しくにくなり、一方3
5μmを超えて大きい繊維は成形品の表面外観を悪化さ
せる傾向がある。
【0024】また本発明では、ペレット中のガラス繊維
は、実質的に同一長さを有し、かつ同方向に配置してい
ることが望ましい。上記のような形態のペレットは、そ
の製造方法は特に問われないが、ガラス繊維束に熱可塑
性樹脂を含浸させた後、所望のガラス繊維長さに相当す
る長さに切断して得ることができる。
【0025】このガラス繊維束としては、具体的に、引
抜き法で使用可能な連続したガラス繊維束、例えば、数
千〜数万本のガラスフィラメントを集めた束をコイル状
に巻き取ったガラスロービングなどを用いることができ
る。
【0026】ガラス繊維束に熱可塑性樹脂を含浸させる
に先立って、カップリング剤を含む表面処理剤で表面処
理すれば、ガラス繊維束中への樹脂の含浸が良好にな
り、さらにはガラス繊維と樹脂との接着が良好になり、
成形品の強度も向上するので好ましい。カップリング剤
としては、アミノシラン、エポキシシラン、アミドシラ
ン、アジドシラン、アクリルシランなどのシランカップ
リング剤、チタネート系カップリング剤またはこれらの
混合物が利用できる。これらのうちでも、アミノシラン
およびエポキシシランが好ましく、特にアミノシランカ
ップリング剤が好ましい。表面処理剤にはカップリング
剤に加え、界面活性剤、帯電防止剤などが含まれていて
もよい。
【0027】熱可塑性樹脂をガラス繊維束に含浸する方
法は、特に限定されないがたとえば(1) 熱可塑性樹脂の
エマルジョンをガラス繊維束に含浸し、付着後、乾燥さ
せる方法、(2) 熱可塑性樹脂の粉末懸濁液をガラス繊維
束に付着させ、乾燥後加熱溶融含浸させる方法、(3) ガ
ラス繊維束を帯電させて、熱可塑性樹脂粉末を付着させ
た後、加熱溶融含浸させる方法、(4) 溶媒に溶解した熱
可塑性樹脂をガラス繊維束に含浸後、溶媒を除去する方
法、(5) 熱可塑性樹脂の連続繊維とガラスの連続繊維の
混合繊維を加熱し、溶融した樹脂をガラス繊維束に含浸
させる方法、(6) 加熱溶融した熱可塑性樹脂を、バー、
ロール、ダイス上でガラス繊維束を開繊させながら含浸
させ、引抜く方法(引抜き法)などが挙げられる。これ
らのうちでも(6) の方法は、装置およびプロセス面で簡
便である。
【0028】また熱可塑性樹脂含浸時に、導電性材料、
酸化防止剤、耐光安定剤、難燃剤などの添加剤、マイ
カ、タルク、チタン酸ウイスカー、ウオラストナイト、
ガラスフレーク、ガラスビーズなどの補強材を適宜に添
加してもよい。これらはどこで添加してもよい。
【0029】熱可塑性樹脂を含浸させたガラス繊維束
は、乾燥または冷却し、所望の長さに切断する。切断さ
れたペレット長さはペレットの質量平均長さで定義さ
れ、上記のように実質的に所望の質量平均繊維長さに相
当する。また上記のような方法によりペレットを製造す
ると、ガラス繊維の径とペレット長さの選択によりアス
ペクト比を容易に調製することができる。
【0030】成形方法としては、特に限定されないが、
低圧射出成形、射出圧縮成形などの射出成形方法が生産
性の面から好ましい。なお上記のような形態であれば市
販のペレットを用いることもできる。上記のような樹脂
ペレットを用いて、射出成形品中のガラス繊維を質量平
均繊維長をコントロールするには、たとえばスクリュ形
状の選択あるいはスクリュ背圧、スクリュ回転数、押出
速度の調整など、種々の条件を適宜に調整して得ること
ができる。スクリュとしては、たとえば特開平11−3
4131号公報に記載されるような形状のものを用いる
ことができる。
【0031】射出成形では、JIS T8131(産業
用安全帽)規格に応じた帽体を容易に成形することがで
きるが、金型選択によりその厚みも所望のものを得るこ
とができる。また製品仕上げも成形後にゲート処理を行
う程度でよい。
【0032】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 (実施例1)バー、ロール、ダイス上でガラス繊維束を
開繊させながら、加熱溶融した表1に示すポリプロピレ
ン(MFR:60g/10min ))を含浸させ、樹脂の充
分に含浸したガラス繊維を引抜き、これを冷却後、ペレ
ット長が12mmとなるように切断し、長繊維強化熱可
塑性樹脂を得た。なお引抜き時のダイス穴径を調整する
ことにより、樹脂量を制御して製造したペレット(商品
名Verton MFX7008:米国LNPエンジニアリングプラス
チック社製)(ガラス繊維含有量40質量%、質量平均
繊維長12mm)を使用した。
【0033】上記ペレットを用いて、図1示すような形
状の帽体1を射出成形した。労働省規格(飛来・落下物
用および電気用)を満たすポリカーボネート用の金型を
使用し、射出成形した。成形品中の最大繊維長、質量平
均繊維長は成形品を焼成後、前記方法により顕微鏡観察
して求めた。成形品中の最大繊維長は12mm、質量平
均繊維長は2.4mmであった。
【0034】<試験>上記で得られた安全帽(帽体)に
ついて、JIS T8131に準拠して、墜落時保護用
試験(貫通性試験および高温(50℃)、低温(−10
℃)、浸せき(水25℃)での衝撃吸収性試験)を行な
った。結果を表1に示す。またJIS T8131に準
拠して行なった、飛来・落下用試験(貫通性試験および
高温(50℃)、低温(−10℃)、浸せき(水25
℃)での衝撃吸収性試験)、電気用試験(耐電圧試験2
0kVに1分間耐えること)についても合格であった
(労働省規格に達した)。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明では、軽量でかつ機械的強度に優
れ、国家検定規格に合格する産業用安全帽の帽体および
産業用安全帽を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の産業用安全帽(JIS T8131
準拠)の構成図である。
【符号の説明】 1…帽体 2…ハンモック 3…ヘッドバンド 4…環ひも 5…衝撃吸収ライナ 6…あごひも 7…つば

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】質量平均繊維長が0.6mm以上で、かつ
    最大繊維長が50mmであるガラス繊維と、熱可塑性樹
    脂とからなる産業用安全帽の帽体。
  2. 【請求項2】射出成形品であることを特徴とする請求項
    1に記載の帽体。
  3. 【請求項3】前記帽体中のガラス繊維含量が10〜70
    質量%である請求項1または2に記載の帽体。
  4. 【請求項4】前記熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン、ポ
    リアミドおよびポリウレタンからなる群より選ばれる少
    なくとも一種である請求項1〜3のいずれかに記載の帽
    体。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の帽体を有
    する産業用安全帽。
  6. 【請求項6】熱可塑性樹脂と、質量平均繊維長2mm以
    上のガラス繊維とを含み、該熱可塑性樹脂が該ガラス繊
    維に含浸されてなる繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを射
    出成形する請求項1〜4のいずれかに記載の産業用安全
    帽の帽体の製造方法。
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