JP2003103177A - 複合金属シアン化物錯体触媒及びその製造方法 - Google Patents

複合金属シアン化物錯体触媒及びその製造方法

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JP2003103177A JP2001299522A JP2001299522A JP2003103177A JP 2003103177 A JP2003103177 A JP 2003103177A JP 2001299522 A JP2001299522 A JP 2001299522A JP 2001299522 A JP2001299522 A JP 2001299522A JP 2003103177 A JP2003103177 A JP 2003103177A
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賢伯 豊田
Shigeru Igai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高い触媒活性を有する複合金属シ
アン化物錯体触媒(以下、DMC触媒という)及びそれ
を安定に製造するための製造方法を提供する。 【解決手段】 ハロゲン化金属塩とシアン化遷移金属化
合物とを反応させて得られる反応生成物に、有機配位子
を配位させるDMC触媒の製造方法であって、原料とな
るハロゲン化金属塩、及びシアノ化遷移金属化合物の反
応溶媒として実質的に水を含まない有機溶媒を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合金属シアン化
物錯体触媒、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、ポリウレタンエラストマー、
接着剤、塗料、発泡剤等の原料であるポリエーテルポリ
オールは、活性水素を持つ開始剤を用いてエチレンオキ
シド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを重
合して製造されてきた。アルキレンオキシドの代表的な
重合触媒としては、アルカリ金属(アニオン重合)、B
3エーテラート(カチオン重合)、複合金属シアン化
物錯体触媒(以下、DMC触媒という)(配位重合)が
よく知られている。これらの触媒のうち、DMC触媒
は、前二者に比べて重合活性が高く、ジオキサン誘導体
等の環状エーテル化合物が副生せず、また、不飽和結合
を持つモノオールを副生する反応が少なく、高分子量の
ポリオールの製造が可能である。
【0003】このDMC触媒の製造方法としては、ハロ
ゲン化金属塩水溶液とシアン化遷移金属化合物水溶液と
を反応させ、水に不溶性の反応生成沈殿物を得て、これ
を濾過、洗浄、乾燥、粉砕して製造する方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、反応溶
媒として水を使用する従来の製造方法によると、最終的
に得られるDMC触媒中に水分が残存する。DMC触媒
において、水分は触媒活性を阻害する触媒毒であり、D
MC触媒中の水分含有量は、その触媒活性に大きな影響
を与える。さらに、DMC触媒の製造工程において、微
量の水分含有量を制御することは非常に困難なため、製
造されるDMC触媒の触媒活性がばらつくという問題が
あった。そこで本発明は、前記問題を解決し、高い触媒
活性を有するDMC触媒、及びそれを安定に製造するた
めの製造方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ハロゲン化金
属塩とシアン化遷移金属化合物とを反応させて得られる
反応生成物に、有機配位子を配位させるDMC触媒の製
造方法であって、原料となるハロゲン化金属塩、及びシ
アノ化遷移金属化合物の反応溶媒として、実質的に水を
含まない有機溶媒を用いることを特徴とするDMC触媒
の製造方法を提供する。また、上記有機溶媒は、アルコ
ール、エーテル、アミド、ニトリル、ケトン、アルデヒ
ド、スルフィドであることが好ましい。また、上記ハロ
ゲン化金属塩は、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛であ
ることが好ましい。また、上記有機配位子は、tert
−ブチルアルコールであることが好ましい。また、本発
明は、上記DMC触媒の製造方法により製造されること
を特徴とするDMC触媒を提供する。本発明のDMC触
媒は、従来の水系での製造とは異なり、非水系の有機溶
媒系で製造されるため、基本的な骨格が違うものとなっ
ていると考えられる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のDMC触媒は、反応溶媒
として有機溶媒を用い、ハロゲン化金属塩とシアン化遷
移金属化合物とを反応させて得られる反応生成物に、有
機配位子を配位させることによって製造される。なお、
本明細書では、反応溶媒としての「有機溶媒」と、DM
C触媒に取り込まれ、触媒活性の発現に必要な「有機配
位子」とは区別される。ただし、本発明における有機溶
媒は、有機配位子と同じものであってもよい。また、上
記有機溶媒は、最終的にはDMC触媒に残らないように
するために、上記有機配位子より低沸点であることが好
ましい。
【0007】本発明に用いられる反応溶媒は水ではな
く、ハロゲン化金属塩、及びシアン化遷移金属化合物を
溶解する実質的に水を含まない有機溶媒であり、その具
体例としては、ジエチルエーテル、メタノール、エタノ
ール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メチ
ル−2−プロパノール(tert−ブチルアルコー
ル)、ジオキサン、アセトアルデヒド、アセトン、N,
N−ジメチルアセトアミド、アセトアミド、アセトニト
リル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフ
ィド、ジエチルスルフィド等が挙げられる。これらの中
でも、原料の溶解性等の理由により、ジエチルエーテ
ル、メタノール、エタノール、N,N−ジメチルアセト
アミドが好ましい。
【0008】本発明において、原料となるハロゲン化金
属塩としては、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、フッ
化亜鉛、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、フッ化鉄、塩化マ
グネシウム、塩化アルミニウム、塩化カドミウム、臭化
カドミウム、ヨウ化カドミウム、塩化マンガン、臭化マン
ガン、ヨウ化マンガン等の上述した有機溶媒に可溶なハ
ロゲン化金属塩が挙げられる。これらの中でも、特に塩
化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛が好ましい。上記ハロゲ
ン化金属塩は、有機溶媒に溶解したハロゲン化金属塩溶
液として用いる。
【0009】本発明において、原料となるシアン化遷移
金属化合物としては、H3Co(CN)6、H3Fe(C
N)6、(NH43Co(CN)6、(NH43Fe(C
N) 6、[(CH3CH24N]3Co(CN)6、[(CH
3CH24N]3Fe(CN) 6、Li3Co(CN)6
Li3Fe(CN)6、Mg3[Co(CN)62等が挙
げられ、ハロゲン化金属塩と同様に、有機溶媒に可溶な
ものが用いられる。シアン化遷移金属化合物は、有機溶
媒に溶解したシアン化遷移金属化合物溶液として用い
る。このシアン化遷移金属化合物と上記ハロゲン化金属
塩の溶液濃度としては、飽和濃度以下であることが好ま
しく、飽和濃度を超えた条件で反応を行うと、溶液の混
合状態が不均一になり、結晶性のシアン化複金属化合物
が得られない。
【0010】このように、本発明は有機溶媒を反応溶媒
として用い、ハロゲン化金属塩とシアン化遷移金属化合
物とを反応させる。この反応は、ハロゲン化金属塩溶液
にシアン化遷移金属化合物溶液を滴下する、又はシアン
化遷移金属化合物溶液にハロゲン化金属塩溶液を滴下す
ることによって行うことが好ましい。本発明において、
使用するハロゲン化金属塩とシアン化遷移金属化合物の
モル相対比(ハロゲン化金属塩/シアン化遷移金属化合
物)は、12/1〜1.6/1であることが好ましい。
また、この反応の温度条件としては、5〜150℃であ
り、反応時間は、5分以上であることが好ましい。そし
て、上記反応の反応生成物として、DMC触媒の触媒骨
格となる、不溶性のシアン化複金属化合物が得られる。
【0011】このようにして得られたシアン化複金属化
合物は、使用した有機溶媒が有機配位子となり、それ単
独でも触媒活性を示す場合があるが、さらに反応生成物
に他の有機配位子を配位させて、触媒活性を向上させる
こともできる。本発明に用いられる有機配位子として
は、実質的に水を含まないものを用い、アルコール、エ
ーテル、ケトン、エステル、アミン、アミド等、これま
で複合金属シアノ化物錯体触媒の合成において、公知の
電子供与体すべてを用いることができる。具体例として
は、tert−ブチルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、iso−ブチルアルコール、tert−ペンチルア
ルコール、iso−ペンチルアルコール、N,N−ジメ
チルアセトアミド、エチレングリコールジメチルエーテ
ル(グライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエ
ーテル(トリグライム)、エチレングリコールモノte
rt−ブチルエーテル、iso−プロピルアルコール、
及びジオキサンから選ばれる1種、若しくは2種以上の
化合物が挙げられるが、その中でも、触媒の寿命を著し
く長くできるという理由から、tert−ブチルアルコ
ールが特に好ましく用いられる。
【0012】ハロゲン化金属塩が配位したシアン化複金
属化合物に、有機配位子を配位させる方法の一つとし
て、有機配位子とハロゲン化金属塩が配位したシアン化
複金属化合物とを混合して熟成させる。例えば、上記反
応生成物を含む溶液中に、有機配位子及び有機溶媒を添
加し、攪拌する。この際、有機配位子の添加量として
は、70質量%以下が好ましく、熟成温度は、10〜1
25℃、より好ましくは30〜80℃である。また、熟
成時間は、特に制限はないが15分以上が好ましく、工
業的には2〜3時間を上限とすることが好ましい。
【0013】熟成により得られたスラリーをろ過や遠心
分離等の方法で固体分離することにより、活性なDMC
触媒の形成に必要な有機配位子、金属塩以外の不要な化
合物は除去され、DMC触媒を含むケーキが得られる。
次に、ケーキを有機溶媒または有機配位子含有溶液で1
〜2回洗浄し、上記のように固体分離する。洗浄に使用
する溶液中の有機配位子は、熟成で用いた有機配位子と
は異なるものでもよい。ここで、有機配位子の濃度は、
70質量%以下であることが好ましい。このように、有
機配位子含有溶液で洗浄、固体分離することによって、
ケーキに含まれる不要物を除き、かつ洗浄によって洗い
流されてしまう触媒活性に必要な有機配位子を補うこと
ができる。
【0014】また、必要に応じて有機配位子含有溶液で
洗浄、固体分離後、得られるケーキに、有機配位子を添
加、攪拌し、再び固体分離することができる。このよう
に、有機配位子、有機溶媒の添加と固体分離を繰り返し
行うことで、流れ落ちてしまう触媒活性に必要な有機配
位子を補いつつ、不要物を洗い流し、より高品質なDM
C触媒を製造できる。乾燥方法としては、減圧状態での
乾燥方法が挙げられる。また、乾燥温度としては、0〜
150℃で行うのが好ましい。乾燥後、公知の方法によ
って粉砕して、本発明のDMC触媒が得られる。本発明
の製造方法によれば、反応溶媒として水を使用しないた
めに、高活性のDMC触媒を安定に製造することができ
る。
【0015】本発明のDMC触媒を用いたポリエーテル
ポリオールの製造例としては、DMC触媒の存在下、開
始剤である水酸基数2以上のポリヒドロキシ化合物に、
炭素数3以上のアルキレンオキシドを含むアルキレンオ
キシドを開環重合させて、ポリエーテルポリオールを製
造できる。また、ポリエーテルモノオールを製造する場
合は、開始剤としてモノヒドロキシ化合物に、炭素数3
以上のアルキレンオキシドを含むアルキレンオキシドを
開環重合させて製造できる。アルキレンオキシドは、炭
素数3以上のアルキレンオキシドを含むことが好まし
い。炭素数3以上のアルキレンオキシドとしては、プロ
ピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−
ブチレンオキシド、エピクロロヒドリン等が挙げられ
る。これらは2種以上併用することができ、その場合、
それらを混合して反応させ、順次反応させることができ
る。特に好ましいアルキレンオキシドは、プロピレンオ
キシドである。
【0016】開始剤として使用できるモノヒドロキシ化
合物、又は水酸基数2以上のポリヒドロキシ化合物の具
体例として下記のものが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。メタノール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、2−エチルヘキサノール、
1−オクタデカノール、アリルアルコール、オレイルア
ルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、ジグリセリン、ソルビトール、デキストロー
ス、メチルグルコシド、シュークロース、ビスフェノー
ルA等である。また、これら開始剤のアルキレンオキシ
ド付加物も同様に開始剤として使用できる。
【0017】ポリエーテルポリオールは、本発明のDM
C触媒の存在下、開始剤であるヒドロキシ化合物を添加
し、アルキレンオキシドを徐々に加えながら重合反応を
行うことにより製造できる。重合の反応温度としては、
30〜180℃が好ましく、より好ましくは90〜13
0℃である。DMC触媒の使用量に特に制限はないが、
使用するヒドロキシ化合物に対して、通常1〜5000
ppm、好ましくは10〜1000ppm、より好まし
くは10〜300ppmである。また、DMC触媒の反
応系への導入は、初めに一括して導入してもよいし、順
次分割して導入してもよい。反応終了後のポリエーテル
ポリオールはそのまま使用してもよいし、公知の各種の
方法で、触媒を除去することもできる。
【0018】本発明のDMC触媒は、高活性で、触媒寿
命が長いので、微量でポリエーテルポリオール又はポリ
エーテルモノオールを製造できる。また、副反応が抑え
られ、低い不飽和度を有する比較的高分子量のポリエー
テルポリオール又はポリエーテルモノオールを製造でき
る。さらに、本発明のDMC触媒を用いた場合、従来の
触媒に比べ、重合反応が開始されるまでの誘導期が短縮
されるため、工業的に有益である。
【0019】本発明のDMC触媒を用いて製造される、
ポリエーテルポリオールの水酸基価は、特に限定されな
いが、通常2〜70mgKOH/gであり、その不飽和
度は0.003〜0.01meq/gである。この低不
飽和度のポリエーテルポリオールを用いて、弾性ポリウ
レタンフォームを製造すると、硬度の低下、反発弾性の
低下、圧縮永久歪みの悪化、フォーム形成時のキュア性
の低下などの問題を改善できる。また、ポリウレタンエ
ラストマーの製造に使用するポリエーテルポリオールの
不飽和度は、0.010meq/g以下であることが好
ましい。不飽和度が0.010meq/g以下の場合、
硬化速度が速く、ポリウレタンエラストマーに伸びや強
度などの優れた物性を与えることができる。これは、ポ
リエーテルポリオール中に含有される不飽和モノオール
の量が少ないために、実質的な官能基数が多いためと考
えられる。
【0020】本発明のDMC触媒を用いて、上記方法に
より得られたポリエーテルモノオール及びポリエーテル
ポリオールは、ポリウレタンの原料以外に、界面活性
剤、潤滑油などの用途にも使用できる。また、ポリマー
微粒子を含むポリマー分散ポリエーテルポリオールとし
ても使用できる。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例および比較例により具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。な
お、例1および例2は実施例、例3は比較例、例4〜6
は評価例である。
【0022】DMC触媒の製造 (例1)200mlのフラスコ中、臭化亜鉛を6.2
g、メタノールを10g含む40℃に保温された溶液
に、ヘキサシアノコバルト酸H3Co(CN)6を1g、
メタノールを30g含む溶液を30分かけて滴下した。
その間、反応溶液をポリテトラフルオロエチレン性の攪
拌羽根で充分に攪拌した。その間、tert−ブチルア
ルコールを30g、メタノール30gを添加し、50℃
で60分間攪拌を継続した。その後、減圧下で濾過を行
い固体分離した。次いで、この固体をtert−ブチル
アルコールを12g、メタノール28g含む溶液中に分
散させ、室温で30分間攪拌後、減圧下で濾過を行い固
体分離した。次いで、この固体をtert−ブチルアル
コール40g中に分散させ、室温で30分間攪拌後、減
圧下で濾過を行い固体分離した。次いで、この固体を真
空下50℃で3時間乾燥し、粉砕を行い、DMC触媒A
を得た。
【0023】(例2)200mlのフラスコ中、塩化亜
鉛を2.36g、N,N−ジメチルアセトアミドを10
g含む40℃に保温された溶液に、ヘキサシアノコバル
ト酸H3Co(CN)6を0.7g、N,N−ジメチルア
セトアミドの30gを含む溶液を30分かけて滴下し
た。その間、反応溶液をポリテトラフルオロエチレン性
の攪拌羽根で充分に攪拌した。その後、tert−ブチ
ルアルコールを40g、N,N−ジメチルアセトアミド
60gを添加し、50℃で60分間攪拌を継続した。そ
の後、減圧下で濾過を行い固体分離した。次いで、この
固体をtert−ブチルアルコールを35g、N,N−
ジメチルアセトアミド80g含む溶液中に分散させ、室
温で30分間攪拌後、減圧下で濾過を行い固体分離し
た。次いで、この固体をtert−ブチルアルコール5
0g中に分散させ、室温で30分間攪拌後、減圧下で濾
過を行い固体分離した。次いで、この固体を真空下50
℃で4時間乾燥し、粉砕を行い、DMC触媒Bを得た。
【0024】(例3)500mlのフラスコ中、塩化亜
鉛を10.2g含む40℃に保温された100mlの水
溶液に、カリウムヘキサシアノコバルテートK3Co
(CN)6を4.2g含む75ml水溶液を30分かけ
て滴下した。その間、反応溶液をポリテトラフルオロエ
チレン性の攪拌羽根で充分に攪拌した。その後、ter
t−ブチルアルコールを80gおよび水80gを添加
し、70℃で60分間攪拌を継続した。その後、減圧下
で濾過を行い固体分離した。次いで、この固体をter
t−ブチルアルコールを40g、水80gの混合物に分
散させ、室温で30分間攪拌後、減圧下で濾過を行い固
体分離した。次いで、この固体をtert−ブチルアル
コール100g中に分散させ、室温で30分間攪拌後、
減圧下で濾過を行い固体分離した。次いで、この固体を
真空下50℃で3時間乾燥し、粉砕を行い、DMC触媒
Cを得た。
【0025】ポリエーテルポリオール製造における触媒
活性の評価 触媒活性として、反応開始時の誘導期とポリエーテルポ
リオールの分子量分布を評価した。DMC触媒を用いた
開環重合反応の初期段階においては、アルキレンオキシ
ドを加えると直ちに反応が始まるのではなく、例えば数
十分程度の誘導期を経た後、急激に反応が進む。誘導期
が短ければポリエーテルポリオールの生産性が向上す
る。
【0026】(例4)攪拌機付きステンレス鋼製5Lの
耐圧反応槽中に、開始剤としてグリセリンにプロピレン
オキシド(以下、POという)を付加して得られた分子
量1000のポリオキシレントリオール1470gを投
入するとともに、DMC触媒A0.14gを投入した。
窒素置換後120℃に昇温し、POの147gを投入し
てスポット反応させるとともに、反応槽内の圧力と温度
の経時変化を測定した。PO投入後、約30分間経過し
た後に反応槽内の圧力が減少し始めるとともに、温度が
上昇し始めた。これは、120℃の反応槽内で気体とし
て存在していたPOが開始剤に付加する反応が生じたた
めである。反応槽内の圧力の減少と、反応熱による反応
槽内の温度上昇があったことにより、反応開始までの誘
導期が約30分間であったことが認められた。次いで、
さらに全量で3140gのPOを投入した。こうして得
られたポリエーテルポリオールの水酸基価は56mgK
OH/gであり、ゲル浸透クロマトグラフィで測定した
ポリスチレン換算の分子量分布(Mw/Mn)は1.08
であった。
【0027】(例5)例4において、DMC触媒Aに代
えて、DMC触媒B0.14gを用いた以外は同様にし
た。その結果、反応開始までの誘導期が約30分間であ
った。また、得られたポリエーテルポリオールの水酸基
価は56mgKOH/gであり、分子量分布は1.08
であった。
【0028】(例6)例4において、DMC触媒Aに代
えて、水を用いた従来法により製造されたDMC触媒C
0.14gを用いた以外は同様にした。その結果、反応
開始までの誘導期が約90分間であった。また、得られ
たポリエーテルポリオールの水酸基価は56mgKOH
/gであり、分子量分布は1.13であった。
【0029】
【発明の効果】本発明のDMC触媒の製造方法によれ
ば、反応溶媒として水を使用しないために、高活性のD
MC触媒を安定に製造することができる。したがって、
触媒活性にばらつきがない、高品質なDMC触媒を提供
でき工業的に有益である。また、本発明の製造方法は、
重金属を含む廃水が発生しない、使用した有機配位子の
蒸留再使用が可能である等の長所を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA06 AA08 BA28A BB08C BB17C BC04A BC04C BC10A BC10C BC16A BC16C BC28B BC35A BC35B BC35C BC36A BC36C BC62A BC62C BC66A BC66C BC67A BC67B BC67C BD12C BD13C BD14C BE06A BE06B BE43A BE43B CB46 FA01 FB77 FC02 FC10 4J005 AA04 BB02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化金属塩とシアン化遷移金属化
    合物とを反応させて得られる反応生成物に、有機配位子
    を配位させる複合金属シアン化物錯体触媒の製造方法で
    あって、 原料となるハロゲン化金属塩、及びシアン化遷移金属化
    合物の反応溶媒として、実質的に水を含まない有機溶媒
    を用いることを特徴とする複合金属シアン化物錯体触媒
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記有機溶媒が、アルコール、エーテ
    ル、アミド、ニトリル、ケトン、アルデヒド、スルフィ
    ドであることを特徴とする請求項1記載の複合金属シア
    ン化物錯体触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化金属塩が、塩化亜鉛、臭化亜
    鉛、ヨウ化亜鉛であることを特徴とする請求項1又は2
    記載の複合金属シアン化物錯体触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 有機配位子がtert−ブチルアルコー
    ルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の複合金属シアン化物錯体触媒の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の複合金
    属シアン化物錯体触媒の製造方法により、製造されるこ
    とを特徴とする複合金属シアン化物錯体触媒。
JP2001299522A 2001-09-28 2001-09-28 複合金属シアン化物錯体触媒及びその製造方法 Withdrawn JP2003103177A (ja)

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