JP2003098892A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置

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JP2003098892A
JP2003098892A JP2001287493A JP2001287493A JP2003098892A JP 2003098892 A JP2003098892 A JP 2003098892A JP 2001287493 A JP2001287493 A JP 2001287493A JP 2001287493 A JP2001287493 A JP 2001287493A JP 2003098892 A JP2003098892 A JP 2003098892A
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heater
fixing
fixing device
capacitor
temperature
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JP2001287493A
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English (en)
Inventor
Atsushi Nakato
淳 中藤
Takashi Fujita
貴史 藤田
Satohiko Baba
聡彦 馬場
Kiyoshi Oshima
清 大嶋
Shigeo Kurotaka
重夫 黒高
Hisashi Kikuchi
尚志 菊地
Jun Yura
純 由良
Hirokazu Ikegami
廣和 池上
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、立ち上がり時間の短縮を図ると温
度制御が不能になった時に安全性に問題があるという課
題を解決しようとするものである。 【解決手段】この発明は、商用電源16から電力供給を
受ける第1ヒータ3と、立ち上がり時にコンデンサ17
から電力供給を受ける第2ヒータ4とを有し、コンデン
サ17の静電容量と最高使用電圧は定着部材1及び/又
は加熱部材2が定着可能温度から記録媒体7の発火温度
に達する間にコンデンサ17の電気エネルギーの大部分
が消費されるような静電容量と最高使用電圧としたもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状の記録媒
体上に形成されているトナー画像を該記録媒体に定着さ
せる定着装置、及び複写機、プリンタ、ファクシミリな
どの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、複写機、プリンタ、ファクシミ
リなどの画像形成装置では、定着ローラに加圧ローラを
圧接した定着装置が多く用いられている。この定着装置
では、定着ローラ及び加圧ローラの少なくとも一方は熱
源としての定着ヒータにより加熱される加熱ローラと
し、温度検知素子により加熱ローラの表面温度が検知さ
れる。一般的には定着ヒータはハロゲンランプを用いた
ハロゲンヒータが使用されている。
【0003】電源回路はCPU(中央演算装置)からの
制御信号に従って商用電源からハロゲンヒータへの通電
を制御し、CPUは温度検知素子からの温度検知信号に
よって加熱ローラの表面温度が予め設定された温度にな
るように制御信号を電源回路へ出力する。また、サーモ
スタットや温度ヒューズ等の安全装置は、電源回路に直
列に挿入されて加熱ローラ表面に近接して配設され、加
熱ローラ表面温度が所定の限界温度を越えた場合のみハ
ロゲンヒータへの給電を遮断する。画像形成装置の画像
記録部でトナー画像が転写された転写紙などのシート状
記録媒体は、定着装置の入口ガイドで案内されて回転中
の定着ローラ及び加圧ローラのニップ部で挟持搬送さ
れ、そこでトナー画像が加熱溶融されて定着される。
【0004】近年の環境規制、環境保護意識の高まりか
ら、各種の画像形成装置は、不使用時には定着装置の定
着ヒータへの通電を遮断し、必要な時のみ定着ヒータへ
通電して、消費電力を低減することが行われている。こ
のような省エネルギー型の画像形成装置では、画像形成
時に、電源投入後に定着ローラの表面温度が即座に設定
温度まて達する必要があるが、通常は1本乃至複数本の
定着ヒータに同時に商用電源からの電力を供給している
ので、定着ヒータに投入する電力に一定の制限があっ
た。その上、定着ヒータがハロゲンヒータである場合、
立ち上がりまでに時間がかかった。
【0005】このことの対策としては、従来のハロゲン
ヒータで定着ローラを加熱する方式では、肉厚を1mm
以下にする定着ローラ基体の薄肉化が行われている。こ
の定着ローラ基体の薄肉化により、定着ローラの熱容量
を軽減し、電源投入後に定着ローラを急速に設定温度ま
で立ち上げることができる。
【0006】しかしながら、この定着ローラ基体の薄肉
化には、いくつかの問題がある。定着ローラ基体の薄肉
化は、定着ローラ基体の機械的強度が著しく低下し、定
着ローラのつぶれ、たわみなどの変形が生じやすくな
る。また、定着ローラの肉厚を小さくするほど技術的に
加工の難易度が上がり、高度な加工精度が要求されるこ
とにより、コスト高につながることにもなる。このよう
に、定着ローラ基体の薄肉化だけで高速な立ち上がりを
実現することには限界がある。
【0007】このような問題を解決するために、定着ロ
ーラ基体の低熱容量化による消費電力ロスの低減とは逆
に、定着ヒータへの投入電力を商用電源から得られる電
力以上に上乗せたものとし、立ち上がりを高速化すると
いう定着装置が提案されている。
【0008】例えば、特開平3−36579号公報に
は、ヒータ駆動手段を介して電力の供給を受けることに
よって発熱するヒータを有する定着装置用の加熱装置に
おいて、上記ヒータ駆動手段は、充電可能な蓄電池と、
商用電源に接続されて該蓄電池を充電する充電器とを備
え、上記ヒータは、商用電源から電力の供給を受ける主
ヒータと、上記蓄電池から電力の供給を受ける補助のヒ
ータを有しており、上記蓄電池は、上記充電器と充電回
路を形成するような接続形態、または、上記補助のヒー
タと放電回路を形成する接続形態のいずれかに切換可能
に配設されていることを特徴とする定着装置用の加熱装
置が記載されている。この定着装置用の加熱装置では、
蓄電池の放電回路が形成されるような接続形態によっ
て、立ち上がり時間の短縮が図られる。
【0009】実開昭63 −150967号公報には、
電子写真プロセスによって転写紙上に転写された可視像
を加熱手段により定着させる定着装置において、交流電
源によって駆動される第1のヒータと、充電手段によっ
て充電されるバッテリーにより駆動される第2のヒータ
とを設けたことを特徴とする定着装置が記載されてい
る。
【0010】特開平3−5779号公報には、メインヒ
ータ及びサブヒータを内蔵した加圧ローラを有する熱定
着装置を備えた作像装置であって、前記メインヒータの
加熱を行うメイン電源と、メイン電源のオン・オフを切
換える第1の切換手段と、前記サブヒータの加熱を行う
蓄電池と、蓄電池の充電を行う充電手段と、蓄電池とサ
ブヒータとの接続及び蓄電池と充電手段との接続を切換
える第2の切換手段と、前記加圧ローラの温度を検知す
る温度検出手段と、この温度検出手段の検出結果に基づ
き、前記第1、第2の切換手段の制御を行う制御手段と
を具備し、前記メイン電源により加熱される前記加熱ロ
ーラの温度が定着性に関連付けた基準温度に迄低下する
と、前記蓄電池を介して前記サブヒータの加熱を行う一
方、基準温度より高くなると、サブヒータの加熱を停止
するようにしたことを特徴とする作像装置が記載されて
いる。
【0011】特開2000−98799号公報には、電
力の供給を受けることによって発熱するヒータと、この
ヒータに電力を供給するヒータ駆動手段とを有する定着
装置用加熱装置において、上記ヒータ駆動手段は、充電
可能な蓄電池と、商用電源から給電され前記蓄電池を充
電する充電器とを備え、前記ヒータは商用電源から電力
の供給を受ける主ヒータと、前記蓄電池から電力の供給
を受ける補助ヒータとを有し、前記蓄電池の充電を前記
主ヒータの消灯時に行うことを特徴とする定着装置用加
熱装置が記載されている。
【0012】特開2000−315567号公報には、
加熱部と主電源装置と補助電源装置とを有し、加熱部は
発熱体を有し主電源装置と補助電源装置から供給される
電力により発熱する加熱装置において、補助電源装置と
してコンデンサを用いることを特徴とする加熱装置が記
載されている。
【0013】特開2000−66926号公報には、ト
ナー像担持体上のトナー像を加熱して前記トナー像担持
体に定着させる定着手段と、この定着手段にエネルギー
を供給する主電源と、前記定着手段に補助的なエネルギ
ーの供給を行う補助電源とを有する画像形成装置におい
て、前記補助電源は画像形成装置本体に対して着脱可能
であることを特徴とする画像形成装置が記載されてい
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】一般的に立ち上がり時
間が著しく短縮された定着装置においては、故障によっ
て温度制御が不能になったときに想定される定着ヒータ
暴走(温度暴走)時の安全性が問題となる。商用電源か
ら一定の連続的なエネルギー供給を受ける従来の定着装
置では、万一、温度制御が不能になった場合には、温度
がそのまま上昇を続けてしまう。温度上昇があまりに急
であれば、安全装置であるサーモスタットや温度ヒュー
ズの追従性によっては応答が間に合わず、サーモスタッ
トや温度ヒューズが動作する前にシート状記録媒体が発
火する等の危険が生じるおそれがある。
【0015】特開平3−36579号公報記載の定着装
置用の加熱装置では、このような問題に触れておらず、
蓄電池から放出されるエネルギーの限定などがなされて
いないので、温度制御が故障によって不能になった場
合、安全装置が動作するまでの間に定着ヒータへの過剰
な量のエネルギー供給が続いてしまう可能性を残してお
り、上記問題を回避することはできない。また、急速な
立ち上がりを狙った様々な定着装置が提案されている
が、これらの定着装置でも、同様な問題が生じる可能性
が充分に考えられるが、上記問題を回避するための充分
な手段は示されていない。
【0016】本発明は、ヒータ暴走時の安全性を確保す
ることができ、かつ、立ち上がり時間の短縮を図ること
ができる定着装置及び画像形成装置を提供することを目
的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、シート状の記録媒体上に形
成されているトナー画像を該記録媒体に定着させる定着
装置において、電力の供給を受けることによって発熱す
る熱源と、この熱源によって加熱される定着部材及び/
又は加熱部材と、前記熱源に電力を供給する駆動手段と
を有し、この駆動手段は、充電可能なコンデンサと、商
用電源から給電され前記コンデンサを充電する充電器と
を備え、前記熱源は、商用電源から電力供給を受ける第
1ヒータと、立ち上がり時に前記コンデンサから電力供
給を受ける第2ヒータとを含む少なくとも2本のヒータ
を有し、前記コンデンサの静電容量と最高使用電圧は前
記定着部材及び/又は前記加熱部材が定着可能温度から
前記記録媒体の発火温度に達する間に前記コンデンサの
電気エネルギーの大部分が消費されるような静電容量と
最高使用電圧としたものである。
【0018】請求項2に係る発明は、シート状の記録媒
体上に形成されているトナー画像を該記録媒体に定着さ
せる定着装置において、電力の供給を受けることによっ
て発熱する熱源と、この熱源によって加熱される定着部
材及び/又は加熱部材と、前記熱源に電力を供給する駆
動手段とを有し、この駆動手段は、充電可能なコンデン
サと、商用電源から給電され前記コンデンサを充電する
充電器とを備え、前記熱源は、商用電源から電力供給を
受ける第1ヒータと、立ち上がり時に前記コンデンサか
ら電力供給を受ける第2ヒータとを含む少なくとも2本
のヒータを有し、前記定着部材及び/又は前記加熱部材
の熱容量をc、前記第2ヒータの効率をα、前記第1ヒ
ータの電力をW、前記定着部材及び/又は前記加熱部
材が定着可能温度から前記記録媒体の発火温度に到達す
るまでの時間をtとしたとき、前記コンデンサの静電
容量Cと最高使用電圧Vは、
【0019】
【数5】
【0020】を満足する静電容量と最高使用電圧とした
ものである。
【0021】請求項3に係る発明は、請求項2記載の定
着装置において、前記コンデンサの静電容量Cと最高使
用電圧Vは、定着温度をT、環境温度をT、立ち上
がり時間をtとしたとき、
【0022】
【数6】
【0023】を満足する静電容量と最高使用電圧とした
ものである。
【0024】請求項4に係る発明は、シート状の記録媒
体上に形成されているトナー画像を該記録媒体に定着さ
せる定着装置において、電力の供給を受けることによっ
て発熱する熱源と、この熱源によって加熱される定着部
材及び/又は加熱部材と、前記熱源に電力を供給する駆
動手段とを有し、この駆動手段は、充電可能なコンデン
サと、商用電源から給電され前記コンデンサを充電する
充電器とを備え、前記熱源は、商用電源から電力供給を
受ける第1ヒータと、立ち上がり時に前記コンデンサか
ら電力供給を受ける第2ヒータとを含む少なくとも2本
のヒータを有し、前記定着部材及び/又は前記加熱部材
の熱容量をc、前記第2ヒータの効率をα、前記第1ヒ
ータの電力をW、定着温度をT、環境温度をT
立ち上がり時間をtとしたとき、前記コンデンサの静
電容量Cと最高使用電圧Vは、
【0025】
【数7】
【0026】を満足する静電容量と最高使用電圧とし、
かつ、前記定着部材及び/又は前記加熱部材が定着可能
温度から前記記録媒体の発火温度に達する間に前記コン
デンサの電気エネルギーの大部分が消費されるような静
電容量と最高使用電圧としたものである。
【0027】請求項5に係る発明は、請求項1〜4のい
ずれか1つに記載の定着装置において、前記定着部材も
しくは前記加熱部材の熱容量をc、前記第2ヒータの効
率をα、前記第1ヒータの電力をW、定着温度を
、環境温度をT、立ち上がり時間をtとしたと
き、前記コンデンサの静電容量Cと最高使用電圧Vは、
【0028】
【数8】
【0029】を満足する静電容量と最高使用電圧とした
ものである。
【0030】請求項6に係る発明は、請求項1〜5のい
ずれか1つに記載の定着装置において、c<55[J/
K]であるものである。
【0031】請求項7に係る発明は、請求項1〜6のい
ずれか1つに記載の定着装置において、立ち上がり時間
が電源投入から当該定着装置への記録媒体の到達ま
での最短時間以内であるものである。
【0032】請求項8に係る発明は、請求項1〜7のい
ずれか1つに記載の定着装置において、少なくとも前記
第2ヒータが面状発熱抵抗体であるものである。
【0033】請求項9に係る発明は、請求項1〜7のい
ずれか1つに記載の定着装置において、少なくとも前記
第2ヒータが定着部材自体であり、この定着部材自体が
面状発熱抵抗体であるものである。
【0034】請求項10に係る発明は、請求項1〜7の
いずれか1つに記載の定着装置において、少なくとも前
記第2ヒータはガラス管内に電熱線を有する輻射ヒータ
であるものである。
【0035】請求項11に係る発明は、請求項10記載
の定着装置において、少なくとも前記第2ヒータはガラ
ス管内のガスがクリプトンもしくはキセノンを主成分と
する輻射ヒータであるものである。
【0036】請求項12に係る発明は、請求項10また
は11記載の定着装置において、少なくとも前記第2ヒ
ータは輻射ヒータでフィラメントの定常時における色温
度が2500K以上であるものである。
【0037】請求項13に係る発明は、請求項10、1
1または12記載の定着装置において、少なくとも前記
第2ヒータは輻射ヒータで前記ガラス管内に封入される
ガスの全圧が1気圧より大きいものである。
【0038】請求項14に係る発明は、トナー画像をシ
ート状記録媒体上に形成し、この記録媒体上のトナー画
像を定着装置で定着させる画像形成装置において、前記
定着装置として請求項1〜13のいずれか1つに記載の
定着装置を用いたものである。
【0039】
【発明の実施の形態】図2は本発明の第1の実施形態に
おける定着装置の概略を示す。この第1の実施形態にお
ける定着装置では、定着部材としての定着ローラ1にシ
リコンゴム等の弾性部材からなる加圧部材としての加圧
ローラ2が図示しない加圧手段により一定の加圧力で押
し当てられている。定着部材と加圧部材は、一般的にロ
ーラであることが多いので、図2には定着ローラ1及び
加圧ローラ2として示したが、いずれか一方又は両方が
ローラに限らずに無端ベルトなどを使用することもあ
る。
【0040】この定着装置は電力の供給を受けることに
よって発熱する熱源としての第1ヒータ3及び第2ヒー
タ4を有し、この第1ヒータ3及び第2ヒータ4は例え
ば定着ローラ1の内側に配置されて定着ローラ1を内側
から加熱する。定着ローラ1及び加圧ローラ2は図示し
ない駆動機構により回転駆動される。温度センサ5は、
定着ローラ1(もしくは加圧ローラ2)の表面に当接さ
れ、定着ローラ1の表面温度(定着温度)を検知する。
トナー6を担持した転写紙等のシート状記録媒体7は、
定着ローラ1と加圧ローラ2とのニップ部を通過する際
に、定着ローラ1と加圧ローラ2による加熱及び加圧で
トナー6が定着される。
【0041】定着部材として無端状の定着ベルトを用い
る場合には、図3に示すように、定着ベルト8は少なく
とも2本の支持ローラ9、10に張架され、加圧手段と
しての加圧ローラ2が図示しない加圧手段により一定の
加圧力で定着ベルト8に押し当てられる。第1ヒータ3
及び第2ヒータ4は、定着ベルト8及び加圧ローラ2を
加熱する任意の位置に設けられるが、これに限定される
ものではない。例えば、図3に示すように、支持ローラ
9は、加熱ローラからなり、その内部に配置された第1
ヒータ3で加熱されることにより定着ベルト8を加熱す
る。加圧ローラ2の表面には補助加熱ローラ11が当接
され、この補助加熱ローラ11は内側に配置された第2
ヒータ4により加熱されることで加圧ローラ2を加熱す
る。また、第2ヒータ4は、加圧ローラ2の内部に配置
してもよいし、第1ヒータと同じ支持ローラ9又は10
の内部に配置してもよい。
【0042】支持ローラ10は、駆動ローラとし、図示
しない駆動機構により回転駆動されることで定着ベルト
8を回転させる。トナー6を担持した転写紙等のシート
状記録媒体7は、定着ベルト8と加圧ローラ2とのニッ
プ部を通過する際に、定着ベルト8と加圧ローラ2によ
る加熱及び加圧でトナー6が定着される。温度センサ5
は定着ベルト8の表面温度を支持ローラ10上で検知す
る。
【0043】また、定着部材として定着ローラ1を用い
た場合にも、図4に示すように加圧ローラ2の外側に補
助加熱ローラ11を当接させ、この補助加熱ローラ11
をその内側に配置された第2ヒータ4により加熱して補
助加熱ローラ11により加圧ローラ2を加熱するように
してもよい。
【0044】図1は第1の実施形態における図2に示す
ような構成(又は図3もしくは図4に示すような構成)
の定着装置の回路構成を示す。温度センサ5からの検知
信号は入力回路12を経て制御手段としてのCPU13
に取り込まれ、CPU13は温度センサ5からの検知信
号に基づいて定着ローラ1(もしくは定着ベルト8)の
表面温度(定着温度)が設定温度に維持されるようにド
ライバ14を介して第1ヒータ3への通電を制御すると
ともに、スイッチ15を介して第2ヒータ4への通電を
制御する。
【0045】第1ヒータ3はドライバ14を介して商用
電源16に接続され、ドライバ14はCPU13により
制御されて商用電源16から第1ヒータ3への通電を制
御する。CPU13は待機時であるか使用時であるかに
よってスイッチ15を切り換えることにより蓄電装置と
してのコンデンサ17を充電器18側と第2ヒータ4側
に切り換える。コンデンサ17は、急速な充放電が可能
な大容量コンデンサ、特にメンテナンスフリーである電
気二重層コンデンサであることが望まれる。
【0046】待機時には、スイッチ15がコンデンサ1
7を充電器18側に切り換え、充電器18が商用電源1
6からの交流電力を直流電力に変換してコンデンサ17
に印加することによりコンデンサ17を充電する。定着
装置の使用時には、スイッチ15がコンデンサ17を第
2ヒータ4側に切り換え、コンデンサ17から第2ヒー
タ4に放電されて第2ヒータ4が直流電流により駆動さ
れる。
【0047】したがって、立ち上がり時には、第1ヒー
タ3が商用電源16からドライバ14を通して流れる交
流電流により駆動されて第2ヒータ4がコンデンサ17
から流れる直流電流により駆動され、定着ローラ1の表
面温度が設定温度まで急速に上昇する。立ち上がり後
は、CPU13はドライバ14を介して第1ヒータ3へ
の通電を定着ローラ1の表面温度が設定温度に維持され
るように制御し、スイッチ15によりコンデンサ17を
第2ヒータ4側に切り換えたままとする。
【0048】この第1の実施形態では、定着装置の立ち
上がり時間短縮を補助する第2ヒータ4への給電は急速
な充放電が可能なコンデンサ17により行われる。定着
温度暴走時、すなわちCPU13などの温度制御部の故
障などによって引き起こされる異常加熱時には、コンデ
ンサ17に残っている電荷が徐々に少なくなっていくの
で、定着ローラ1の温度上昇は原理的に次第に緩やかに
なるように抑えることができる。具体的には、定着ロー
ラ1の表面温度(定着温度)が転写紙等のシート状記録
媒体7の発火温度500℃に達する間にコンデンサ17
の電気エネルギーをできるだけ多く使い切ることができ
れば、定着温度暴走時の危険性を低く抑えることができ
る。
【0049】定着装置に供給される電力と定着装置の温
度の変化を図9に示す。Pは定着装置に供給される電力
で、Tは定着装置の温度である。Pは第1ヒータ3への
供給電力と第2ヒータ4への供給電力の合計であり、P
に囲まれた範囲E、Eはそれぞれ第1ヒータ3への
電気エネルギー、第2ヒータ4への電気エネルギーを示
す。商用電源16から第1ヒータ3へ給電される電力W
は図9に示すように一定であり、コンデンサ17から
第2ヒータ4へ給電される電力は時間の経過に伴い低下
する。図9より、0秒にヒータ3、4がオンしてからt
秒が経過した後に環境温度である室温からTがΔT[de
g]上昇したとき、次のような式(1)が成り立つ。
【0050】cΔT=α(E+E)・・・(1) ここで、cはヒータ3、4により加熱される定着部材と
しての定着ローラ1もしくは加熱部材(定着ベルト8、
加熱ローラ9など)の熱容量、ΔTは定着部材としての
定着ローラ1もしくは加熱部材(定着ベルト8、加熱ロ
ーラ9など)が室温からt秒間に上昇した上昇温度、α
はヒータ3、4で加熱される定着部材としての定着ロー
ラ1もしくは加熱部材(定着ベルト8、加熱ローラ9な
ど)の効率であって経験的に求められる比率(通常0.7
〜0.8程度)である。(1)式よりt秒間にヒータ3、
4がオンしたままで定着部材としての定着ローラ1もし
くは加熱部材(定着ベルト8、加熱ローラ9など)が室
温から転写紙等のシート状記録媒体7の発火温度、例え
ば500℃に達するとすると、室温を25℃としたと
き、次の(2)式が成り立つ。
【0051】
【数9】
【0052】t秒間におけるコンデンサ17に蓄えら
れた電気エネルギーの消費効率をβとすると、次の
(3)式が成り立つ。
【0053】
【数10】
【0054】よって、次の(4)式が成り立つ。
【0055】
【数11】
【0056】ヒータ3、4がオンしたままで定着部材と
しての定着ローラ1もしくは加熱部材(定着ベルト8、
加熱ローラ9など)が室温から転写紙等のシート状記録
媒体7の発火温度500℃に達するまでの間にコンデン
サ17の電気エネルギーをできるだけ多く使い切ること
ができれば、定着温度暴走時の危険性を低く抑えること
ができるので、ヒータ3、4がオンしたままで定着部材
としての定着ローラ1もしくは加熱部材(定着ベルト
8、加熱ローラ9など)が室温から転写紙等のシート状
記録媒体7の発火温度500℃に達するまでの間にコン
デンサ17の電気エネルギーの大部分、例えば90%以
上の放電が完了していることが望ましい。この場合は、
0.9≦β≦1となる。ただし、定着温度暴走時の危険
性を十分に低く抑えることが可能であるならば、ヒータ
3、4がオンしたままで定着部材としての定着ローラ1
もしくは加熱部材(定着ベルト8、加熱ローラ9など)
が室温から転写紙等のシート状記録媒体7の発火温度5
00℃に達するまでの間にコンデンサ17の電気エネル
ギーの90%未満の放電が完了するようにしてもよい。
【0057】そこで、本実施形態では、コンデンサ17
の静電容量と最高使用電圧は定着部材としての定着ロー
ラ1もしくは加熱部材(定着ベルト8、加熱ローラ9な
ど)が定着可能温度から記録媒体7の発火温度に達する
間にコンデンサ17の電気エネルギーの大部分が消費さ
れるような静電容量と最高使用電圧とする。例えば0.
9≦β≦1とする場合には、第2ヒータ4で加熱される
定着部材としての定着ローラ1もしくは加熱部材(定着
ベルト8、加熱ローラ9など)の熱容量をc、ヒータ
3、4の効率をα、第1ヒータ3の電力をW、定着部
材としての定着ローラ1もしくは加熱部材(定着ベルト
8、加熱ローラ9など)が定着可能温度から記録媒体7
の発火温度に到達するまでの時間をtとしたとき、コ
ンデンサ17の静電容量Cと最高使用電圧Vは、
【0058】
【数12】
【0059】を満足する静電容量と最高使用電圧とす
る。なお、安全装置の構成や応答性によっては、転写紙
等のシート状記録媒体7の発火に対する危険温度の見積
もりが異なることがあることは周知の事実である。その
ため、例えば安全性の面から許容される定着装置の温度
が400℃となる場合は(5)式の変形である以下の
(6)式で決定される。
【0060】
【数13】
【0061】従って、第1の実施形態は、故障時に定着
温度Tの制御が効かない場合の温度Tの上昇カーブが図
9に示すように設定温度到達後には従来の定着装置に比
べて緩やかになる。一方、通常使用時における定着温度
到達までの温度上昇はコンデンサ17から第2ヒータ4
への通電により急激にすることができる。このため、故
障などにより温度Tの制御が不能な状態に陥った場合に
おける安全性の面で従来の立ち上がり時間が著しく短縮
されたどの方式の定着装置よりも有利である。
【0062】省エネルギーの観点では、待機時にはヒー
タへの通電を停止し、使用時には室温から定着設定温度
まで即座に定着装置の温度を上昇させる必要がある。こ
の第1の実施形態における定着装置では、商用電源16
からの供給電力の限界以上の電力を立ち上がり時に一時
的に投入するため(コンデンサ17の電気エネルギーの
大部分を立ち上がり時に一時的に投入するため)、ヒー
タ暴走時(温度制御不能時)の安全性を確保しつつ、立
ち上がり時間の短縮及び省エネルギー化を図ることがで
きる。
【0063】図5は第1の実施形態の全体を示す。図示
しない駆動部により矢印方向に回転される像担持体とし
てのドラム状感光体101の周りには、帯電手段10
2、クリーニング手段103、感光体101上の静電潜
像を顕像化する現像手段としての現像スリーブ105を
含む現像部107、及び転写手段106が配置されてい
る。
【0064】感光体101は、帯電手段102により一
様に帯電された後に書き込み手段(露光手段)としての
レーザ光学系140からのレーザ光Lで露光されて静電
潜像が形成され、現像部107により静電潜像が現像さ
れてトナー画像となる。この感光体101上のトナー画
像は後述のように用紙Pへ転写され、感光体101はト
ナー画像転写後にクリーニング手段103によりクリー
ニングされる。したがって、帯電手段102、レーザ光
学系140、現像部107は感光体101上にトナー画
像を形成する画像形成手段を構成している。
【0065】装置下部には矢印a方向に着脱可能な給紙
カセット110を有する給紙装置が設けられている。給
紙カセット110内に収容された用紙P(上記シート状
記録媒体7)は、中板111で支えられ、図示しないス
プリングの力によってアーム112を介して給紙ローラ
113に押し付けられている。給紙ローラ113が回転
することによって給紙カセット110内の最上紙は、図
示しない制御部から指令が発せられて給紙ローラ113
が回転することによって給紙され、分離パッド114で
重送を防止されながら下流側のレジストローラ対115
まで搬送される。
【0066】装置右側には操作面が配置されており、操
作パネル130が外装部131の上部前面(図5の装置
右上側)で突き出ている。また、給紙トレイ132がピ
ン133により回動可能に取り付けられ、給紙トレイ1
32内の最上位の用紙からなるシート状記録媒体は給紙
ローラにより給紙されて分離パッドで重送を防止されな
がら下流側のレジストローラ対115まで搬送される。
給紙カセット110、132内の用紙はいずれか一方が
選択的に給紙される。
【0067】レジストローラ対115は、給紙カセット
110 、132のいずれか一方から搬送されてきた用
紙Pを感光体101上の画像(トナー画像)と同期する
ようにタイミングをとって転写手段106に向けて送り
出す。転写手段106はレジストローラ対115から送
られてきた用紙Pへ感光体101上のトナー画像を転写
させ、このトナー画像の転写された用紙Pは定着装置1
16に搬送される。定着装置116は、上述した定着装
置が用いられ、用紙P上のトナー画像を加熱及び加圧に
より用紙Pに定着させる。
【0068】定着装置116からの定着済みの用紙P
は、排紙ローラ対120によって画像面を下にして排紙
口121より排紙トレイ122上に排出されてスタック
される。排紙口121より排出される用紙のサイズに対
応するため、排紙ストッパ125は矢印b方向にスライ
ド可能となっている。図中左側に配置されたケース13
4 内には、電源回路135やプリント板136(エン
ジンドライバーボード)等の電装・制御装置が収納さ
れ、コントローラボード137も収納されている。排紙
トレイ122を構成しているカバー138は、回動支点
139を中心に開放可能となっている。
【0069】この第1の実施形態の定着装置116によ
れば、電力の供給を受けることによって発熱する熱源と
しての第1ヒータ3及び第2ヒータ4と、この第1ヒー
タ3及び第2ヒータ4によって加熱される定着部材とし
ての定着ローラ1(及び/又は加熱部材としての加熱ロ
ーラ9)と、第1ヒータ3及び第2ヒータ4に電力を供
給する駆動手段とを有し、この駆動手段は、急速な充放
電が可能なコンデンサ17と、商用電源16から給電さ
れコンデンサ17を充電する充電器18とを備え、熱源
3、4は、商用電源16から電力供給を受ける第1ヒー
タ3と、立ち上がり時にコンデンサ17から電力供給を
受ける第2ヒータ4とを含む少なくとも2本のヒータを
有し、コンデンサ17の静電容量と最高使用電圧は定着
部材としての定着ローラ1(及び/又は加熱部材として
の加熱ローラ9)が定着可能温度から記録媒体7の発火
温度に達する間にコンデンサ17の電気エネルギーの大
部分が消費されるような静電容量と最高使用電圧とした
ので、商用電源からの交流電力の供給を受ける第1ヒー
タと、立ち上がり時のみコンデンサからの直流電力の供
給を受ける第2ヒータとを併用することによって、商用
電源からの供給電力の限界以上の電力を立ち上がり時に
一時的に熱源に投入することができ、定着装置の昇温時
間を短縮することができる。しかも、第2ヒータへの電
力供給はコンデンサから行うので、コンデンサに蓄電さ
れたエネルギーをほとんど使い切れば、ヒータ暴走時で
も必要以上に温度上昇が加速されることはなく、ヒータ
暴走時の安全性を確保することができる。
【0070】また、第1の実施形態によれば、電力の供
給を受けることによって発熱する熱源としての第1ヒー
タ3及び第2ヒータ4と、この第1ヒータ3及び第2ヒ
ータ4によって加熱される定着部材としての定着ローラ
1(及び/又は加熱部材としての加熱ローラ9)と、第
1ヒータ3及び第2ヒータ4に電力を供給する駆動手段
とを有し、この駆動手段は、急速な充放電が可能なコン
デンサ17と、商用電源16から給電されコンデンサ1
7を充電する充電器18とを備え、熱源3、4は、商用
電源16から電力供給を受ける第1ヒータ3と、立ち上
がり時にコンデンサ17から電力供給を受ける第2ヒー
タ4とを含む少なくとも2本のヒータを有し、コンデン
サ17の静電容量Cと最高使用電圧Vは、
【0071】
【数14】
【0072】を満足する静電容量と最高使用電圧とした
ので、商用電源からの交流電力の供給を受ける第1ヒー
タと、立ち上がり時のみコンデンサからの直流電力の供
給を受ける第2ヒータとを併用することによって、商用
電源からの供給電力の限界以上の電力を立ち上がり時に
一時的に熱源に投入することができ、定着装置の昇温時
間を短縮することができる。しかも、第2ヒータへの電
力供給をコンデンサから行うことにより、コンデンサに
蓄電されたエネルギーをほとんど使い切れば、ヒータ暴
走時でも必要以上に温度上昇が加速されることはなく、
ヒータ暴走時の安全性を確保することができる。
【0073】また、第1の実施形態によれば、上記定着
装置116を用いたので、画像形成装置全体の高速な立
ち上がりを実現しつつ、ヒータ暴走時の安全性を確保す
ることができる。
【0074】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。立ち上がり時までの定着装置に供給される電力
と定着装置の温度の変化を図10に示す。図10におい
て、Pは定着装置に供給される電力、Tは定着装置の温
度である。Pは第1ヒータ3への供給電力と第2ヒータ
4への供給電力の合計であり、Pに囲まれた範囲E
はそれぞれ第1ヒータ3に供給される電気エネルギ
ー、第2ヒータ4に供給される電気エネルギーを示す。
商用電源16から第2ヒータ4に給電される電力W
図10に示すように一定であり、コンデンサ17から第
1ヒータ3に給電される電力は時間の経過に伴う電圧低
下とともに低下する。
【0075】この立ち上がりまでの0秒(電源投入によ
りヒータ3、4がオンした時点)からt秒の間には、上
述した式(1)が成り立つ。
【0076】電源投入からt秒が経過した後に定着装
置は室温Tから定着温度Tに達し、その後に温度制
御が開始されるので、(1)式より
【0077】
【数15】
【0078】となる。第2ヒータ4への供給エネルギー
はコンデンサ17の電気エネルギーであり、第1ヒータ
3への供給エネルギーWは一定であるので、
【0079】
【数16】
【0080】となる。ここで、βは0秒から立ち上がり
時までの間にコンデンサ17の電気エネルギーが消費さ
れる効率である。コンデンサ17の電気エネルギーが立
ち上がり時までに第2ヒータ4ですべて熱エネルギーに
変換され、それらを使い切ってしまう場合はβ=1であ
る。図10のP1はβ=1の場合であってコンデンサ17
の放電時間が立ち上がり時間に対して早すぎる場合であ
り、図10のPはβ=1の場合であってコンデンサ1
7としてエネルギー容量の小さい従来タイプの電解コン
デンサを用いた場合である。これらの場合は立ち上がり
時間に第2ヒータ4へ供給する電気エネルギーが小さい
ので、第2ヒータ4は立ち上がりを補助するための熱源
としては不充分であり定着装置の昇温時間短縮(立ち上
がり時間短縮)に有効ではなくなる。よって、β<1で
ある必要があるので、(9)式より
【0081】
【数17】
【0082】となる。そこで、第2の実施形態では、上
記第1の実施形態において、コンデンサ17には図11
に示すように(5)(10)式より求められる範囲の総
エネルギー量を蓄えられる大きな容量を有するコンデン
サ17aが用いられ、このコンデンサ17aの静電容量
Cと最高使用電圧Vは(5)(10)式を満足する静電
容量と最高使用電圧とした。
【0083】このように、第2の実施形態の定着装置に
よれば、上記第1の実施形態の定着装置において、コン
デンサ17は静電容量Cと最高使用電圧Vを、(10)
式を満足する静電容量と最高使用電圧としたコンデンサ
17aであるので、温度制御が不能になったヒータ暴走
時の安全性を改善しつつ、コンデンサに蓄えられたエネ
ルギーを立ち上がり短縮に有効に寄与させることができ
る。
【0084】また、第2の実施形態の定着装置によれ
ば、上記第1の実施形態の定着装置において、コンデン
サ17は静電容量Cと最高使用電圧Vを、(10)式を
満足する静電容量と最高使用電圧とし、かつ、定着ロー
ラ1(もしくは加熱部材としての加熱ローラ9)が定着
可能温度から記録媒体7の発火温度に達する間にコンデ
ンサ17の電気エネルギーの大部分が消費されるような
静電容量と最高使用電圧としたコンデンサ17aである
ので、温度制御が不能になったヒータ暴走時の安全性を
改善しつつ、コンデンサに蓄えられたエネルギーを立ち
上がり短縮に有効に寄与させることができる。
【0085】次に、本発明の第3の実施形態について説
明する。この第3の実施形態は、上記第1の実施形態ま
たは第2の実施形態において、コンデンサ17または1
7aは図12に示すように以下の(11)、(12)式
に示されるような充電された総エネルギー量の90%の
放電が定着装置116の立ち上がり時間以内に完了する
エネルギー容量及び放電特性を有するコンデンサ17b
を用いたものである。
【0086】
【数18】
【0087】このようにコンデンサ17bのエネルギー
容量及び放電特性を規定したことによって、定着装置1
16の立ち上がり時におけるコンデンサ17bから第2
ヒータ4へのエネルギー供給が概ね定着装置116の立
ち上がり時間以内に終了し、立ち上がり時に定着装置1
16の温度制御が不能となった場合の安全性に有利とな
る。さらに、定着装置116の立ち上がり後は自動的に
第2ヒータ4へのエネルギー供給が激減するので、記録
媒体7の発火を避けるための第2ヒータ4の特別な制御
が不要であるというメリットがある。
【0088】この第3の実施形態の定着装置によれば、
上記第1の実施形態または第2の実施形態の定着装置に
おいて、コンデンサ17bの静電容量Cと最高使用電圧
Vは(11)、(12)式を満足する静電容量と最高使
用電圧としたので、第2ヒータの駆動時間を概ね立ち上
がり時間以内とすることができ、立ち上がり時に温度制
御が不能になった場合の安全性に有利となる。
【0089】次に、本発明の第4の実施形態について説
明する。この第4の実施形態では、上記第1の実施形態
乃至第3の実施形態のいずれかにおいて、定着装置11
6は、加熱部材の熱容量cを55[J/K]以下とした
ものである。ここに、加熱部材とは、図2のようなロー
ラ定着方式では定着ローラ1が定着部材兼ねた加熱部材
である。また、加熱部材は、図3のようなベルト定着方
式では支持ローラ9が加熱部材であり、さらに補助加熱
ローラ11が配置される場合には加熱部材の熱容量とは
加熱部材自体の熱容量と補助加熱ローラ11の熱容量と
の合計となる。
【0090】充放電時間が早くて短時間に大電流を流す
ことができるコンデンサを定着装置の立ち上がり時の供
給電源に用いる場合には、定着装置(供給電源を除く)
の立ち上がり時間が早くなければ上記コンデンサ17、
17aまたは17bの使用による立ち上がり時間短縮効
果を十分に活かすことができないため、ある一定の熱容
量より大きい加熱部材を有する定着装置には効果が激減
してしまう。
【0091】第4の実施形態において、上記熱容量の規
定(熱容量が55[J/K]以下であるという規定)を
満たす加熱部材、例えば定着ローラ1としては、直径3
0mmで肉厚が0.4mmのAl製のローラがあるが、この
ローラを1200Wのハロゲンヒータで加熱して175
℃までの立ち上がり時間を測定したところ、10秒以下
という結果が得られている。
【0092】一方、本画像形成装置の電源を入れてから
記録媒体が定着装置に到達するまでの時間は、画像形成
モードを設定するためのスイッチや画像形成動作を開始
させるスタートスイッチなどを含む操作部のスイッチの
操作タイミング(電源を投入してからスタートスイッチ
を押すまでの時間)により変化するが、制御系のセルフ
チェック、記録媒体の搬送にかかる時間を含めて、最短
で5、6秒である。よって、定着装置の理想的な立ち上
がり時間としては、電源を入れてから記録媒体7が定着
装置116に到達するまでの最短時間である6秒以内が
必要である。本実施形態のコンデンサ17、17aまた
は17bを用いれば、上記Al製ローラ(熱容量が55
[J/K]以下であるローラ)を定着ローラ1として用
いたことで、立ち上がり時間6秒以内を達成することが
できる。
【0093】このように、第4の実施形態の定着装置に
よれば、上記第1の実施形態乃至第3の実施形態の定着
装置のいずれかにおいて、c<55[J/K]であるの
で、コンデンサの使用による立ち上がり時間短縮効果を
十分に活かすことができる。
【0094】次に、本発明の第5の実施形態について説
明する。この第5の実施形態は、上記第1の実施形態乃
至第4の実施形態のいずれかにおいて、定着装置116
(第1ヒータ3及び第2ヒータ4に電力を供給する供
給電源を除く)の立ち上がり時間tを、当該画像形成
装置の電源投入から記録媒体Pの定着装置116への到
達までの最短時間(いわゆる通紙時間の最短値)以内と
したものである。
【0095】当該画像形成装置の電源投入から記録媒体
Pの定着装置116への到達までの時間は画像形成モー
ドを設定するためのスイッチや画像形成動作を開始させ
るスタートスイッチなどを含む操作部のスイッチの操作
タイミング(電源を投入してからスタートスイッチを押
すまでの時間)により変化するが、定着装置116(第
1ヒータ3及び第2ヒータ4に電力を供給する供給電源
を除く)の立ち上がり時間tを、当該画像形成装置の
電源投入から記録媒体Pの定着装置116への到達まで
の最短時間(いわゆる通紙時間の最短値)以内としたこ
とにより、当該画像形成装置の電源を投入してから最初
の記録媒体Pが定着装置116へ到達した時には定着装
置116が立上っていることになる。
【0096】充放電時間が早くて短時間に大電流を流す
ことができるコンデンサを定着装置の立ち上がり時の供
給電源に用いる場合には、定着装置(供給電源を除く)
の立ち上がり時間が早くなければコンデンサ17、17
aまたは17bの使用による立ち上がり時間短縮効果を
十分に活かすことができないが、本実施形態では上述の
ように定着装置(供給電源を除く)の立ち上がり時間t
を早くしたことにより、コンデンサ17、17aまた
は17bの使用による立ち上がり時間短縮効果を十分に
活かすことができる。
【0097】このように、第5の実施形態の定着装置に
よれば、上記第1の実施形態乃至第4の実施形態のいず
れかの定着装置において、立ち上がり時間tが電源投
入から定着装置116への記録媒体の到達までの最短時
間以内であるので、立ち上がり時に第2ヒータにコンデ
ンサから電力供給を行うことにより立ち上がり時間を短
縮するという効果を十分に活用することが可能となる。
【0098】図6は本発明の第6の実施形態における定
着装置を示す。この第6の実施形態は、上記第1の実施
形態〜第5の実施形態のいずれかにおいて、定着部材と
しての定着ローラ1の内面(もしくは外面)に電気絶縁
層19を形成し、その上に発熱抵抗体20の通電パター
ンを形成し、この電気絶縁層19及び発熱抵抗体20か
らなる面状発熱抵抗体を第2ヒータ4としたものであ
る。発熱抵抗体20は、図示しない給電部材を備え、立
ち上がり時にはコンデンサ17、17aまたは17bか
らスイッチ15及び上記給電部材を介して電力供給を受
けて発熱する。
【0099】ここに、発熱抵抗体の供給電源に商用電源
を用いた場合には、発熱抵抗体の抵抗をある程度高くす
る必要があり、発熱抵抗体は複雑な通電パターンを設計
しなければならない。しかしながら、第2ヒータ4は供
給電源として直流の低電圧を出力するコンデンサ17、
17aまたは17bを用いるので、発熱抵抗体20の抵
抗を高くする必要がなく、発熱抵抗体20の通電パター
ンの複雑化を避けることができる。
【0100】なお、発熱抵抗体20は2系統設け、これ
らを第1ヒータ3及び第2ヒータ4としてもよい。さら
に、図3 、図4に示す定着装置において、補助加熱ロ
ーラ11の表面に電気絶縁層19及び発熱抵抗体20の
通電パターンを形成して第2ヒータ4とする構成も可能
である。
【0101】この第6の実施形態の定着装置によれば、
上記第1の実施形態〜第5の実施形態のいずれかの定着
装置において、少なくとも第2 ヒータ4が面状発熱抵
抗体20であるので、この面状発熱抵抗体の抵抗を高く
する必要がなく、面状発熱抵抗体の通電パターンの複雑
化を避けることができる。
【0102】図7は本発明の第7の実施形態における定
着装置を示す。この第7の実施形態は、上記第1の実施
形態〜第5の実施形態のいずれかにおいて、定着ローラ
1の代りに定着ローラ21を用い、この定着ローラ21
自体を面状発熱抵抗体とすることで、定着ローラ21自
体を第2ヒータ4としたものである。なお、第2ヒータ
4は、定着ローラ21又は定着ベルト8を加熱するもの
であっても、加圧ローラ2を加熱するものであってもよ
く、定着ベルト8又は加圧ローラ2を面状発熱抵抗体と
してもよい。
【0103】この定着ローラ21は、図示しない給電部
材を備え、立ち上がり時には図13に示すようにコンデ
ンサ17c(17、17aまたは17b)からスイッチ
15及び上記給電部材を介して電力供給を受けて発熱す
る。第2ヒータ4は、図7では定着ローラ21である
が、図8に示すように面状発熱抵抗体からなる導電性の
無端状定着ベルト22 であってもよい。この場合、定
着ベルト22は少なくとも2本の支持ローラ9、10に
張架され、加圧ローラ2が図示しない加圧手段により一
定の加圧力で定着ベルト22に押し当てられる。支持ロ
ーラ9は、加熱ローラからなり、内部に配置された第1
ヒータ3により加熱されることにより定着ベルト22を
加熱する。定着ベルト22が張架された支持ローラ群の
うちの2本の支持ローラは、定着ベルト22へ電力供給
を行う上記給電部材とする。
【0104】支持ローラ10は、駆動ローラとし、図示
しない駆動機構により回転駆動されることで定着ベルト
22を回転させる。トナー6を担持した転写紙等のシー
ト状記録媒体7は、定着ベルト22と加圧ローラ2との
ニップ部を通過する際に、定着ベルト22と加圧ローラ
2による加熱及び加圧でトナー6が定着される。温度セ
ンサ5は定着ベルト22の表面温度を支持ローラ10上
で検知する。
【0105】この第7の実施形態の定着装置によれば、
上記第1の実施形態乃至第5の実施形態のいずれかの定
着装置において、少なくとも第2ヒータ4は定着部材と
しての定着ローラ1もしくは定着ベルト22または加圧
部材としての加圧ローラ2自体であり、この部材が面状
発熱抵抗体であるので、この部材を基体として該基体に
絶縁層、発熱抵抗層を積層する場合に比べて、絶縁層が
不要になる分、層構成が単純になり、熱容量が低減する
という効果がある。
【0106】本発明の第8の実施形態は、上記第1の実
施形態〜第5の実施形態のいずれかにおいて、少なくと
も第2ヒータ4として図14に示すようにガラス管4a
内に電熱線4bを有する輻射ヒータを用いたものであ
る。
【0107】この第8の実施形態の定着装置によれば、
上記第1の実施形態〜第5の実施形態のいずれかの定着
装置において、少なくとも第2ヒータ4はガラス管4a
内に電熱線4bを有する輻射ヒータであるので、熱源と
して従来最も良く使われているガラス管内に電熱線を有
する輻射ヒータを第2ヒータに用いることによって、コ
ストを抑え、信頼性を高めることができるという効果を
得ることができる。第2ヒータはハロゲンヒータであれ
ば、最も信頼性が高い。
【0108】本発明の第9の実施形態では、上記第8の
実施形態において、少なくとも第2ヒータ4は、図15
に示すようにガラス管4a内に電熱線4bを有する輻射
ヒータであって、ガラス管4a内のガス4cがクリプト
ンまたはキセノンを主成分とするものである。
【0109】定着装置の熱源に輻射ヒータを用いる場
合、立ち上がり時に輻射ヒータに供給される電気エネル
ギーは、定着部材を加熱するだけでなく、輻射ヒータの
フィラメントやガラス管を加熱するのに費やされる。ガ
ラス管の加熱は完全にエネルギーのロスであるが、この
ロスの割合は、定着装置の立ち上がりが急速になるほど
大きなものとなり、無視できなくなる。
【0110】そこで、このロスを抑え、輻射ヒータ自身
の通電初期の立ち上がり応答性が高い定着装置は、立ち
上がりが早くなる。特に、上記第2ヒータ4は、供給さ
れる総エネルギー量とエネルギー供給時間が限られてい
るので、上記ロスが小さいヒータでなければ、限られた
エネルギーを無駄に消費してしまうだけで、上記実施形
態の効果を十分に発揮することができない。輻射ヒータ
は、ガラス管内のガスがクリプトンまたはキセノンを主
成分とするものであれば、ガラス管内の封入ガスの対流
による熱ロスを低減することができ、立ち上がりが短縮
されたヒータとなる。
【0111】このように、第9の実施形態の定着装置に
よれば、上記第8の実施形態の定着装置において、少な
くとも第2ヒータ4はガラス管4a内のガス4cがクリ
プトンもしくはキセノンを主成分とする輻射ヒータであ
るので、第2ヒータの立ち上がりを短縮して熱ロスを低
減することができる。
【0112】本発明の第10の実施形態では、上記第8
の実施形態または第9の実施形態において、少なくとも
第2ヒータ4は、図14又は図15に示すようにガラス
管4a内に電熱線4bを有する輻射ヒータで、フィラメ
ントの定常時における色温度が2500K以上であるも
のを用いる。
【0113】輻射ヒータは、フィラメントを細線化する
ことによって色温度を上げることができ、立ち上がり時
間を短縮したヒータとすることができる。一般的に輻射
ヒータはフィラメントの細線化により寿命が低下する
が、特に第2ヒータは立ち上がり時に駆動されるために
総駆動時間が短くなるので、寿命には余裕が生じ、フィ
ラメントの細線化による寿命低下の影響は少なくて済
む。
【0114】また、輻射ヒータの通電初期の立ち上がり
応答性が高くなければ、その分の熱ロスを発生させてし
まう。第2ヒータは、フィラメントの定常時における色
温度が従来よりも高い温度(2500K以上)、すなわ
ち細線化したフィラメントであることにより、立ち上が
りを短縮したヒータとなる。
【0115】このように、第10の実施形態の定着装置
によれば、上記第8の実施形態または第9の実施形態の
定着装置において、少なくとも第2ヒータ4は輻射ヒー
タで、フィラメントの定常時における色温度が2500
K 以上であるので、第2ヒータの立ち上がりを短縮す
ることができる。
【0116】本発明の第11の実施形態では、上記第8
の実施形態〜第10の実施形態のいずれかにおいて、少
なくとも第2ヒータ4は、図14又は図15に示すよう
にガラス管4a内に電熱線4bを有する輻射ヒータで、
ガラス管14a内に封入されるガスの全圧が1気圧より
大きいものを用いる。
【0117】輻射ヒータは、ガラス管内に封入されるガ
スの全圧が1気圧より大きければ、封入ガスの対流によ
る熱ロスを低減することができ、立ち上がり時間を短縮
したヒータとなる。しかも、輻射ヒータは、フィラメン
トの蒸発を抑える効果により、長寿命化を図ることがで
きる。さらに、輻射ヒータは、フィラメントの細線化と
組み合わせれば、立ち上がり時間短縮の効果がより大き
くなるだけでなく、フィラメントの細線化による寿命の
低下を軽減することができる。
【0118】このように、第11の実施形態の定着装置
によれば、上記第8の実施形態〜第10の実施形態のい
ずれかの定着装置において、少なくとも第2ヒータ4
は、輻射ヒータで、ガラス管内に封入されるガスの全圧
が1気圧より大きいので、立ち上がり時間短縮の効果が
より大きくなるだけでなく、寿命を延ばすことができ
る。
【0119】
【発明の効果】以上のように請求項1に係る発明によれ
ば、商用電源からの交流電力の供給を受ける第1ヒータ
と、立ち上がり時のみコンデンサからの直流電力の供給
を受ける第2ヒータとを併用することによって、商用電
源からの供給電力の限界以上の電力を立ち上がり時に一
時的に熱源に投入することができ、定着装置の昇温時間
を短縮することができる。しかも、第2ヒータへの電力
供給はコンデンサから行うので、コンデンサに蓄電され
たエネルギーをほとんど使い切れば、ヒータ暴走時でも
必要以上に温度上昇が加速されることはなく、ヒータ暴
走時の安全性を確保することができる。
【0120】請求項2に係る発明によれば、商用電源か
らの交流電力の供給を受ける第1ヒータと、立ち上がり
時のみコンデンサからの直流電力の供給を受ける第2ヒ
ータとを併用することによって、商用電源からの供給電
力の限界以上の電力を立ち上がり時に一時的に熱源に投
入することができ、定着装置の昇温時間を短縮すること
ができる。しかも、第2ヒータへの電力供給はコンデン
サから行うので、コンデンサに蓄電されたエネルギーを
ほとんど使い切れば、ヒータ暴走時でも必要以上に温度
上昇が加速されることはなく、ヒータ暴走時の安全性を
確保することができる。
【0121】請求項3に係る発明によれば、温度制御が
不能になったヒータ暴走時の安全性を改善しつつ、コン
デンサに蓄えられたエネルギーを立ち上がり短縮に有効
に寄与させることができる。請求項4に係る発明によれ
ば、温度制御が不能になったヒータ暴走時の安全性を改
善しつつ、コンデンサに蓄えられたエネルギーを立ち上
がり短縮に有効に寄与させることができる。
【0122】請求項5に係る発明によれば、第2ヒータ
の駆動時間を概ね立ち上がり時間以内とすることがで
き、立ち上がり時に温度制御が不能になった場合の安全
性に有利となる。請求項6に係る発明によれば、コンデ
ンサの使用による立ち上がり時間短縮効果を十分に活か
すことができる。
【0123】請求項7に係る発明によれば、立ち上がり
時に第2ヒータにコンデンサから電力供給を行うことに
より立ち上がり時間を短縮するという効果を十分に活用
することが可能となる。請求項8に係る発明によれば、
面状発熱抵抗体の抵抗を高くする必要がなく、面状発熱
抵抗体の通電パターンの複雑化を避けることができる。
【0124】請求項9に係る発明によれば、定着部材も
しくは加圧部材を基体として該基体に絶縁層、発熱抵抗
層を積層する場合に比べて、絶縁層が不要になる分、層
構成が単純になり、熱容量が低減するという効果があ
る。請求項10に係る発明によれば、熱源として従来最
も良く使われているガラス管内に電熱線を有する輻射ヒ
ータを第2ヒータに用いることによって、コストを抑
え、信頼性を高めることができるという効果を得ること
ができる。
【0125】請求項11に係る発明によれば、第2ヒー
タの立ち上がりを短縮して熱ロスを低減することができ
る。請求項12に係る発明によれば、第2ヒータの立ち
上がりを短縮することができる。請求項13に係る発明
によれば、立ち上がり時間短縮の効果がより大きくなる
だけでなく、寿命を延ばすことができる。請求項14に
係る発明によれば、画像形成装置全体の高速な立ち上が
りを実現しつつ、ヒータ暴走時の安全性を確保すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における定着装置の回
路構成を示すブロック図である。
【図2】同第1の実施形態における定着装置の概略を示
す断面図である。
【図3】同第1の実施形態において定着部材として無端
ベルトを用いる場合の定着装置を示す断面図である。
【図4】同第1の実施形態において定着ローラ及び補助
加熱ローラを用いる場合の定着装置を示す断面図であ
る。
【図5】同第1の実施形態の全体を示す断面図である。
【図6】本発明の第6の実施形態における定着装置を示
す断面図である。
【図7】本発明の第7の実施形態における定着装置を示
す断面図である。
【図8】同第7の実施形態において定着部材として無端
ベルトを用いる場合の定着装置を示す断面図である。
【図9】上記第1の実施形態における定着装置の温度上
昇カーブを示す特性図である。
【図10】本発明の第2の実施形態において立ち上がり
時までの定着装置に供給される電力と定着装置の温度の
変化を示す特性図である。
【図11】同第2の実施形態における定着装置の回路構
成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施形態における定着装置の
回路構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第7の実施形態における定着装置の
回路構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第8の実施形態における定着装置の
第2ヒータを示す正面図である。
【図15】本発明の第9の実施形態における定着装置の
第2ヒータを示す正面図である。
【符号の説明】
1 定着ローラ 2 加圧ローラ 3 第1ヒータ 4 第2ヒータ 4a ガラス管 4b 電熱線 4c ガス 5 温度センサ 8 定着ベルト 12 入力回路 13 CPU 14 ドライバ 15 スイッチ 16 商用電源 17、17a、17b コンデンサ 18 充電装置 19 電気絶縁層 20 発熱抵抗体 21 定着部材兼第2 ヒータ 22 面状発熱抵抗体からなる導電性定着ベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 聡彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 大嶋 清 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 黒高 重夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 菊地 尚志 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 由良 純 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 池上 廣和 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H033 AA30 AA42 BA11 BA25 BA30 BA35 BB01 BB18 BB19 BB28 CA07 CA44 3K058 AA02 AA11 BA18 DA02 DA25

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状の記録媒体上に形成されているト
    ナー画像を該記録媒体に定着させる定着装置において、
    電力の供給を受けることによって発熱する熱源と、この
    熱源によって加熱される定着部材及び/又は加熱部材
    と、前記熱源に電力を供給する駆動手段とを有し、この
    駆動手段は、充電可能なコンデンサと、商用電源から給
    電され前記コンデンサを充電する充電器とを備え、前記
    熱源は、商用電源から電力供給を受ける第1ヒータと、
    立ち上がり時に前記コンデンサから電力供給を受ける第
    2ヒータとを含む少なくとも2本のヒータを有し、前記
    コンデンサの静電容量と最高使用電圧は前記定着部材及
    び/又は前記加熱部材が定着可能温度から前記記録媒体
    の発火温度に達する間に前記コンデンサの電気エネルギ
    ーの大部分が消費されるような静電容量と最高使用電圧
    としたことを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】シート状の記録媒体上に形成されているト
    ナー画像を該記録媒体に定着させる定着装置において、
    電力の供給を受けることによって発熱する熱源と、この
    熱源によって加熱される定着部材及び/又は加熱部材
    と、前記熱源に電力を供給する駆動手段とを有し、この
    駆動手段は、充電可能なコンデンサと、商用電源から給
    電され前記コンデンサを充電する充電器とを備え、前記
    熱源は、商用電源から電力供給を受ける第1ヒータと、
    立ち上がり時に前記コンデンサから電力供給を受ける第
    2ヒータとを含む少なくとも2本のヒータを有し、前記
    定着部材及び/又は前記加熱部材の熱容量をc、前記第
    2ヒータの効率をα、前記第1ヒータの電力をW、前
    記定着部材及び/又は前記加熱部材が定着可能温度から
    前記記録媒体の発火温度に到達するまでの時間をt
    したとき、前記コンデンサの静電容量Cと最高使用電圧
    Vは、 【数1】 を満足する静電容量と最高使用電圧としたことを特徴と
    する定着装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の定着装置において、前記コ
    ンデンサの静電容量Cと最高使用電圧Vは、定着温度を
    、環境温度をT、立ち上がり時間をtとしたと
    き、 【数2】 を満足する静電容量と最高使用電圧としたことを特徴と
    する定着装置。
  4. 【請求項4】シート状の記録媒体上に形成されているト
    ナー画像を該記録媒体に定着させる定着装置において、
    電力の供給を受けることによって発熱する熱源と、この
    熱源によって加熱される定着部材及び/又は加熱部材
    と、前記熱源に電力を供給する駆動手段とを有し、この
    駆動手段は、充電可能なコンデンサと、商用電源から給
    電され前記コンデンサを充電する充電器とを備え、前記
    熱源は、商用電源から電力供給を受ける第1ヒータと、
    立ち上がり時に前記コンデンサから電力供給を受ける第
    2ヒータとを含む少なくとも2本のヒータを有し、前記
    定着部材及び/又は前記加熱部材の熱容量をc、前記第
    2ヒータの効率をα、前記第1ヒータの電力をW、定
    着温度をT、環境温度をT、立ち上がり時間をt
    としたとき、前記コンデンサの静電容量Cと最高使用電
    圧Vは、 【数3】 を満足する静電容量と最高使用電圧とし、かつ、前記定
    着部材及び/又は前記加熱部材が定着可能温度から前記
    記録媒体の発火温度に達する間に前記コンデンサの電気
    エネルギーの大部分が消費されるような静電容量と最高
    使用電圧としたことを特徴とする定着装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1つに記載の定着
    装置において、前記定着部材及び/又は前記加熱部材の
    熱容量をc、前記第2ヒータの効率をα、前記第1ヒー
    タの電力をW、定着温度をT、環境温度をT、立
    ち上がり時間をtとしたとき、前記コンデンサの静電
    容量Cと最高使用電圧Vは、 【数4】 を満足する静電容量と最高使用電圧としたことを特徴と
    する定着装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1つに記載の定着
    装置において、c<55[J/K]であることを特徴と
    する定着装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1つに記載の定着
    装置において、立ち上がり時間tが電源投入から当該
    定着装置への記録媒体の到達までの最短時間以内である
    ことを特徴とする定着装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれか1つに記載の定着
    装置において、少なくとも前記第2ヒータが面状発熱抵
    抗体であることを特徴とする定着装置。
  9. 【請求項9】請求項1〜7のいずれか1つに記載の定着
    装置において、少なくとも前記第2ヒータが定着部材も
    しくは加圧部材自体であり、この定着部材もしくは加圧
    部材自体が面状発熱抵抗体であることを特徴とする定着
    装置。
  10. 【請求項10】請求項1〜7のいずれか1つに記載の定
    着装置において、少なくとも前記第2ヒータはガラス管
    内に電熱線を有する輻射ヒータであることを特徴とする
    定着装置。
  11. 【請求項11】請求項10記載の定着装置において、少
    なくとも前記第2ヒータはガラス管内のガスがクリプト
    ンもしくはキセノンを主成分とする輻射ヒータであるこ
    とを特徴とする定着装置。
  12. 【請求項12】請求項10または11記載の定着装置に
    おいて、少なくとも前記第2ヒータは輻射ヒータでフィ
    ラメントの定常時における色温度が2500K以上であ
    ることを特徴とする定着装置。
  13. 【請求項13】請求項10、11または12記載の定着
    装置において、少なくとも前記第2ヒータは輻射ヒータ
    で前記ガラス管内に封入されるガスの全圧が1気圧より
    大きいことを特徴とする定着装置。
  14. 【請求項14】トナー画像をシート状記録媒体上に形成
    し、この記録媒体上のトナー画像を定着装置で定着させ
    る画像形成装置において、前記定着装置として請求項1
    〜13のいずれか1つに記載の定着装置を用いたことを
    特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006078608A (ja) * 2004-09-08 2006-03-23 Ricoh Co Ltd 定着装置、及び画像形成装置
JP2009139674A (ja) * 2007-12-07 2009-06-25 Ricoh Co Ltd 定着装置、および画像形成装置

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