JP2003098735A - トナーの製造方法及びこれに用いる分散機 - Google Patents

トナーの製造方法及びこれに用いる分散機

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体媒体中に少なくとも着色剤を分散させる
工程を含むトナー製造において、不純物の混入を防止
し、着色剤等の分散がより均質で、画像濃度が良好なト
ナーを効率良く、かつ安定的に製造する。 【解決手段】 液体媒体中に少なくとも着色剤を分散さ
せる分散工程を含むトナーの製造方法において、供給口
及び排出口を有するケーシングに固体状の着色剤及び液
体媒体を含む混合物と砥粒とを収容し、ケーシングに収
容された混合物及び砥粒をケーシング内に回転自在に設
けられている攪拌手段により攪拌し、ケーシング内で混
合物と砥粒とを分離手段によって分離し、分離した混合
物を再度ケーシングに供給する工程によって液体媒体に
着色剤を分散させ、攪拌時に砥粒と接触するケーシング
の内面、攪拌手段の表面、及び分離手段の表面における
一部又は全部が、少なくとも炭化クロムを含有するクロ
ム合金のめっきでコーティングされているケーシング、
攪拌手段及び分離手段を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法、又はトナージェット方式記録法の
如き画像形成方法に用いられるトナーの製造方法、及び
これに用いる分散機に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法は、米国特許第2,297,
691号明細書等に記載されている如く、多数の方法が
知られており、一般には光導電性物質を利用し、種々の
手段で感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像を
トナーを用いて現像し、必要に応じて紙等の転写部材に
トナー画像を転写した後、加熱、圧力、或いは溶剤蒸気
等により定着し複写物を得る方法が広く知られている。
また、トナーを用いて現像する方法、或いはトナー画像
を定着する方法としては、従来各種の方法が提案され、
それぞれの画像形成プロセスに適した方法が採用されて
いる。
【0003】従来、これらの目的に用いるトナーとして
は、一般に熱可塑性樹脂中に染・顔料からなる着色剤を
溶融混合し、均一に分散した後、溶融混練物を冷却固化
させ、微粉砕装置、分級機により所望の粒径を有するト
ナーを製造する粉砕法が知られている。
【0004】この製造方法はかなり優れたトナーを製造
し得るが、ある種の制限、即ちトナー用材料の選択範囲
に制限がある。例えば粉砕法でトナーを製造する場合で
は、樹脂着色剤分散体が十分に脆く、経済的に可能な製
造装置で微粉砕し得るものでなくてはならない。ところ
がこういった要求を満たすために樹脂着色剤分散体を脆
くすると、実際に高速で微粉砕した場合に、形成された
粒子の粒径範囲が広くなり易く、特に比較的大きな割合
の微粒子がこれに含まれるという問題が生ずる。さら
に、このように脆性の高い材料は、複写機等現像用に使
用する際、さらなる微粉砕ないしは粉化を受け易い。
【0005】また、この方法では、着色剤等の固体微粒
子を樹脂中へ完全に均一に分散することは困難であり、
その分散の度合いによっては、カブリの増大、画像濃度
の低下や混色性・透明性の不良の原因となるので、分散
に注意を払わなければならない。また、破断面に着色剤
が露出することにより、現像特性の変動を引き起こす場
合もある。
【0006】一方、これら粉砕法によるトナーの問題点
を克服するため、特公昭36−10231号公報、同4
3−10799号公報及び同51−14895号公報等
により懸濁重合法によるトナーを初めとして、各種重合
法トナーやその製造方法が提案されている。例えば、懸
濁重合法においては、重合性単量体に着色剤を分散させ
て微粒状着色剤単量体混合物を得た後、重合開始剤さら
に必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、その他添加剤を均
一に溶解又は分散せしめて単量体組成物とした後、この
単量体組成物を分散安定剤を含有する連続相、例えば水
相中に適当な撹拌機を用いて分散し、同時に重合反応を
行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得る。
【0007】この方法では粉砕工程が全く含まれないた
め、トナーに脆性が必要ではなく、樹脂として軟質の材
料を使用することができ、また、粒子表面への着色剤の
露出等が生ぜず、均一な摩擦帯電性を有するトナーが得
られるという利点がある。また、得られるトナーの粒度
分布が比較的シャープなことから、分級工程を省略する
ことができ、又は分級したとしても、高収率でトナーが
得られる。また、離型剤として低軟化点物質を多量にト
ナー中に内包化することができることから、得られるト
ナーが耐オフセット性に優れるという利点がある。
【0008】前述した重合法によるトナーの製造におい
ては、粒子状の着色剤を液状の重合性単量体に十分に分
散させることが重要であり、重合性単量体を液体媒体と
して、これに着色剤を分散させる分散工程が一般に行わ
れる。また、このような分散工程に用いられる分散機と
して種々の装置が知られている。
【0009】従来、前記の微粒状着色剤単量体混合物を
得るには特開平10−207122号公報に記載されて
いる攪拌型メディア型分散機が用いられてきた。しかし
ながら、このような攪拌型メディア型分散機は、使用し
続けるうちに該分散機とメディア(砥粒)が接触する接
触面が磨耗し、分散能力が低下したり、磨耗物が微粒状
着色剤単量体混合物に混入することにより、トナー品質
へ悪影響を及ぼすという問題が生じていた。接触面とは
すなわち攪拌型メディア型分散機の攪拌ロータ及び分散
機ケーシングの内周面等であり、表面が磨耗すれば交換
を余儀なくされていた。
【0010】特に近年、該攪拌型メディア分散機の効率
を向上させるため、小さい粒径のメディア、詳しくは粒
径が5mm以下のメディアを使用することが多い。この
ような小さい粒径を有するメディアを使用すると分散機
の効率は格段に向上するが、弊害として前記した接触面
の磨耗も早くなる。接触面の磨耗に伴い、磨耗物の製品
へのコンタミ防止や微粒状着色剤単量体混合物の安定生
産が困難となり、攪拌ロータ及び分散機ケーシングの寿
命が短く、交換頻度が増え、製品のコストアップとなっ
ていた。
【0011】そこで攪拌ロータ及び分散機ケーシングの
表面の耐磨耗性を向上させるために、母材を焼入れした
り、浸炭処理、窒化処理したりすることを行ったが、硬
化層が薄く、高温で処理するために歪みが生じたりする
などの問題があり、また表面硬さもさほど高くはなく、
例えば該攪拌型メディア分散機を使用して重合トナーを
製造するための微粒状着色剤単量体混合物を得る際の耐
磨耗性としては不十分なものであった。
【0012】また、攪拌ロータ及び分散機ケーシングの
母材表面にセラミックス材料を溶射被膜することも行っ
たが、被膜層が剥離しやすく、耐磨耗性として不十分で
あった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のごとき問題を解決した静電荷像現像用トナーの製造方
法を提供することにあり、詳しくは、液体媒体中に少な
くとも着色剤を分散させる工程を含む静電荷像現像用ト
ナー製造において、不純物の混入を防止し、着色剤等の
分散がより均質で、画像濃度が良好なトナーを効率良
く、かつ安定的に製造することにある。
【0014】また、本発明のさらなる目的は、高温高湿
環境下及び低温低湿環境下においても良好な現像性、転
写性を有し、カブリや飛び散りの少ないトナーを製造す
ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した従
来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、メディア型
攪拌分散機内のメディアが接触する接触面への表面処理
と耐磨耗性、分散能力、トナーの品質に関連があること
を知見して、トナーの製造方法及びこれに用いる分散機
を発明するに至った。
【0016】すなわち本発明は、液体媒体中に少なくと
も着色剤を分散させる分散工程を含むトナーの製造方法
において、分散工程は、供給口及び排出口を有するケー
シングに供給口から供給した固体状の着色剤及び液体媒
体を含む混合物と砥粒とを収容し、ケーシングに収容さ
れた混合物及び砥粒をケーシング内に回転自在に設けら
れている攪拌手段により攪拌し、ケーシング内で混合物
と砥粒とを分離手段によって分離し、分離した混合物を
排出口から排出する工程であり、攪拌時に砥粒と接触す
るケーシングの内面、攪拌手段の表面、及び分離手段の
表面は、その一部又は全部が少なくとも炭化クロムを含
有するクロム合金のめっきでコーティングされているこ
とを特徴とするトナーの製造方法である。
【0017】また本発明は、砥粒を介在させて固体粒子
を液体媒体に分散させる分散機本体と、固体粒子及び液
体媒体を含む混合物を分散機本体に供給する供給系と、
混合物を分散機本体から排出する排出系とを有する分散
機において、分散機本体は、供給系と接続される供給口
及び排出系と接続される排出口を有し、砥粒及び混合物
を収容するケーシングと、このケーシング内に回転自在
に設けられケーシング内に収容された砥粒及び混合物を
攪拌する攪拌手段と、ケーシング内で混合物と砥粒とを
分離する分離手段とを有し、攪拌時に砥粒と接触するケ
ーシングの内面、攪拌手段の表面、及び分離手段の表面
は、その一部又は全部が少なくとも炭化クロムを含有す
るクロム合金のめっきでコーティングされていることを
特徴とする分散機を提供する。
【0018】本発明では、攪拌時に砥粒と接触するケー
シングの内面、攪拌手段の表面、及び分離手段の表面
は、表面硬さがビッカース硬さで900乃至1300で
あることが好ましく、また、砥粒の直径が0.1mmか
ら5mmであることが好ましく、また、砥粒の材質がジ
ルコニア又はチタニアであることが好ましく、また、ク
ロム合金のめっきの厚さが20乃至300μmであるこ
とが好ましい。
【0019】また本発明におけるトナーの製造方法で
は、攪拌手段の先端部の周速が3m/sから40m/s
であることが好ましく、また、液体媒体が重合性単量体
であることが好ましく、また、ケーシング内の混合物の
温度を10乃至40℃に調整することが好ましい。
【0020】また本発明におけるトナーの製造方法で
は、前記ケーシング内から排出口を介して排出された混
合物を供給口から再びケーシング内に供給することが好
ましい。
【0021】また本発明における分散機では、混合物の
温度を調整する温度調整手段を有することが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は、砥粒の存在下で着色剤
等の固体粒子を重合性単量体等の液体媒体に分散させる
にあたり、分散系において砥粒等が接触する面の一部又
は全部に、後述するクロム合金めっきを施して耐磨耗性
を向上させ、少なくとも前述した課題を解決するもので
ある。まず本発明における分散機について説明する。
【0023】本発明の分散機は、砥粒を介在させて固体
粒子を液体媒体に分散させる分散機本体と、固体粒子及
び液体媒体の混合物を分散機本体に供給する供給系と、
混合物を分散機本体から排出する排出系とを有し、より
好ましくはさらに、排出系の混合物の一部又は全部を供
給系へ供給する循環系とを有する。
【0024】前記供給系は、少なくとも着色剤等の固体
粒子と重合性単量体等の液体媒体とを混合する構成と、
これによる混合物を分散機本体へ供給する構成とによっ
て構成することができる。また循環系から供給される混
合物を一時的に収容する構成を有することが、分散機本
体への混合物の供給速度を制御する上で好ましい。
【0025】このような供給系としては、固体粒子と液
体媒体とを混合する攪拌槽と、ポンプ等の送液手段と、
攪拌槽、送液手段及び前記分散機本体を接続する管とを
有する構成が好ましくは挙げられる。上記攪拌槽は、固
体粒子と液体媒体との混合状態を維持できる程度の攪拌
が行えるものであれば良い。また供給系には、混合物の
温度を調整するための冷却器等の温度調整手段を有する
ことが好ましい。
【0026】本発明の分散機では、供給系に限らず、温
度調整手段を様々な部分に適用できるが、本発明では分
散によって混合物の温度が上昇しやすいこと、及び液体
媒体に重合性単量体を用いる場合では温度上昇は好まし
くないこと等の観点から、温度調整手段としては通常、
冷却手段が用いられる。
【0027】前記排出系は、分散機本体から排出された
混合物を次段に供給する構成によって構成することがで
きる。また前記循環系は、少なくとも排出系から供給系
へ混合物の流路を形成する構成によって構成することが
できる。このような構成としては、排出系と供給系とを
接続する管と、排出系、次段への流路、及び供給系への
流路を切り換える三方弁等の切り換え手段とを有する構
成が挙げられる。
【0028】前記循環系と供給系との接続は、排出系の
混合物を再び分散機本体に供給できる位置であれば特に
限定されず、例えば供給系にポンプ等の送液手段を設け
る場合では、送液手段の上流側に管を接続することで循
環系を構成しても良いが、供給系に前記攪拌槽を設ける
場合では、混合物における固体粒子の分散状態を維持す
る観点から、前記循環系は、排出系と前記攪拌槽とを接
続することが好ましい。
【0029】なお供給系、排出系、及び循環系には、混
合物の状態を保つため、あるいは混合物の状態を検出す
るためなどの種々の手段を任意に設けることができる。
このような手段としては、例えば混合物の温度を調整す
るための冷却器や、温度計、圧力計、安全弁、バルブ等
が挙げられる。
【0030】前記分散機本体は、供給系と接続される供
給口及び排出口と接続される排出口とを有し、砥粒及び
混合物を収容するケーシングと、このケーシング内に回
転自在に設けられケーシング内に収容された砥粒及び混
合物を攪拌する攪拌手段と、ケーシング内で混合物を砥
粒とを分離する分離手段とを有する。
【0031】前記ケーシングは、攪拌手段や分離手段の
種類や形状等に応じて種々の形態を取り得、その形状に
ついては特に限定されないが、所定の軸について回転対
称な形状であることが好ましい。なお、供給口及び排出
口は、用いられる攪拌手段の種類や分離手段の種類に応
じて適当な位置に設けることが好ましい。
【0032】前記攪拌手段は、ケーシング内の砥粒及び
混合物を攪拌するものであれば特に限定されないが、回
転によって生じる遠心力によって混合物を流動させ、か
つ砥粒同士、及び砥粒とケーシング、あるいは砥粒と分
離手段との間に剪断を生じさせるものであることが、攪
拌手段の長寿命化や、固体粒子の細密な分散を行う上で
好ましい。
【0033】前記分離手段は、ケーシング内で砥粒と混
合物とを分離するものであれば特に限定されない。この
ような分離手段としては、例えば砥粒の粒径よりも小さ
な隙間を有し、必要に応じて前記排出口に接続される混
合物用通路を有するものが好ましくは用いられる。この
ような分離手段としては、例えばスペーサーを介して重
ねられた複数枚の板状部材で構成される分離手段が挙げ
られる。
【0034】前述したケーシング、攪拌手段、及び分離
手段を有する分散機本体としては、例えばOBミル(O
RIVER BATLLE社製)などがあげられるが、
これに特定するものではなく、他の例としてはコボール
ミル(神鋼パンテック社製)、ダイヤモンドファインミ
ル(三菱重工業社製)、SCミル、ハンディミル、アト
ライター(三井鉱山社製)、アペックスミル(コトブキ
技研社製)、スーパミル(井上製作所社製)、DEFビ
ーズミル(DRAISWERKE、INC製)、ダイノ
ーミル(シンマルエンタープライゼス社製)等を挙げる
ことができる。
【0035】本発明の分散機は、攪拌時に砥粒と接触す
るケーシングの内面、攪拌手段の表面、及び分離手段の
表面は、その一部又は全部が少なくとも炭化クロムを含
有するクロム合金のめっきでコーティングされているこ
とを特徴とする。
【0036】前記コーティングは、分散機本体の形態等
に応じて適当な箇所に行うことができ、例えばケーシン
グと攪拌手段のみをコーティングしても良いし、攪拌手
段と分離手段のみをコーティングしても良いし、又はケ
ーシング、攪拌手段、及び分離手段の表面のうち、攪拌
によって砥粒の流れを強く受ける部分のみをコーティン
グしても良い。
【0037】一般に分散機本体内の攪拌手段や分散機ケ
ーシング等の母材には、SUS440Cなどが用いられ
ることが多い。これらの母材表面を上記クロム合金でコ
ーティングすることにより、表面硬さが大きく、耐磨耗
性が高くなり、長寿命の攪拌ロータや分散機ケーシング
になる。ここで、クロム合金に存在する、分子間結合力
の強い炭化クロム(Cr236)が母材表面との密着性
を高め、剥離やクラックといった現象の発生頻度を極力
少なくすることができる。
【0038】また前記クロム合金には他の金属元素等を
含有するものであっても良く、このような他元素として
は、例えばFe、Ga、Pd、Sb等が挙げられる。
【0039】本発明において、炭化クロムを含有するク
ロム合金の母材表面へのコーティングは「めっき」によ
り形成される。めっき処理によれば、焼き入れに見られ
る熱的影響も受けることがなく、表面を均一かつ滑らか
に仕上げ、摩擦係数を小さくして耐磨耗性を向上させる
ことが可能となる。めっき処理した後、攪拌手段やケー
シング表面の表面粗さを整えるために、バフ研磨の如き
研磨処理やショットブラストの如きブラスト処理を施し
ても良い。
【0040】後述するトナーの製造に本発明の分散機を
適用する場合では、前記攪拌手段やケーシングの表面硬
さは、ビッカース硬さで900乃至1300であること
が好ましい。更に好ましい表面硬さはビッカース硬さで
950乃至1250であり、特に好ましくはビッカース
硬さで970〜1230である。本発明における表面硬
さは、例えば島津製作所、ダイナミック微小硬度計DV
H−200を用いて測定することができ、荷重0.49
03Nを30秒間保持する条件で測定することが好まし
い。
【0041】表面硬さがビッカース硬さで900乃至1
300の範囲であることにより、ケーシング内で砥粒と
接触する接触面の磨耗量を極力少なくすることができ、
攪拌手段やケーシング等の交換頻度を少なくすることが
できる。上記表面硬さが900未満では耐磨耗性が低下
しやすく、上記表面硬さが1300を超える場合には表
面が硬すぎて脆くなるため剥離・クラックが生じやすく
なり、攪拌手段やケーシングの交換頻度が増加してしま
う傾向にある。
【0042】しかしながら、炭化クロムを含有するクロ
ム合金めっきでコーティングされた攪拌手段やケーシン
グ等を有する分散機によっても、例えば材質がジルコニ
アの砥粒を用い、カーボンブラックの如き硬い顔料を粉
砕、分散を続けるうちに、従来の耐磨耗処理を施した攪
拌手段やケーシング等よりは程度が軽いが、砥粒との接
触面の微小な磨耗又は剥離が発生する可能性は完全には
否定できない。
【0043】このような事態に対応するために、磨耗又
は剥離しためっき成分を除去し、露出した攪拌手段やケ
ーシング等の母材表面に、前記のめっきで再度コーティ
ングして分散に再度用いることが好ましい。このような
方法によれば攪拌手段やケーシング等の母体は損傷する
ことなく使用し続けることができ、有効に資源を利用す
ることができる。
【0044】上記の炭化クロム含有クロム合金めっき層
の厚さは20乃至300μmであることが好ましく、3
0〜200μmであることが更に好ましい。めっき厚が
20μm未満では耐磨耗性向上効果が十分に発揮され
ず、300μmを超える場合にはコーティング処理が困
難になり、コーティングコストが増大する。このような
炭化クロムを含有するクロム合金めっきとしては、ダイ
クロン(日本コーティング社等)めっき/コーティング
が挙げられる。
【0045】また、分散の際に発熱を起こすと単量体組
成物に影響を与えやすいので、循環システムのライン中
に冷却手段として熱交換機を設置して熱交換を行いなが
ら運転してもよい。その際、液体媒体と固体粒子との混
合物の温度は、10〜40℃(更に好ましくは15〜3
5℃)に調整するのが好ましい。
【0046】また、本発明の分散機において、着色剤等
の分散性向上の点、砥粒のハンドリング性から、砥粒の
直径は0.1mmから5mmであることが好ましい。砥
粒の直径が0.1mmよりも小さいと分離手段による円
滑かつ安定した分離が困難であり、5mmより大きな砥
粒を使用すると着色剤の分散性が非常に悪化して好まし
くない。
【0047】また、本発明では、着色剤等の分散性や砥
粒の磨耗、装置自体の安定的な運転の点で、攪拌手段先
端部の周速を5m/sから40m/sの範囲で用いるこ
とが好ましく、さらに、7m/sから30m/sの範囲
で用いることがより好ましい。なお攪拌手段先端部の周
速とは、回転自在な攪拌手段の回転軸から最も離れた部
分の回転速度をいう。
【0048】また本発明では、分散機に使用される砥粒
の材質としては、例えば、ガラス、スチール、クロム合
金、アルミナ、ジルコニア、ジルコン、チタニア等が挙
げられる。上述した砥粒の材質の中でも、耐磨耗性の点
からジルコニア、チタニアがより好ましい。
【0049】以下、本発明の分散機の具体例を示す。本
発明の分散機の一例として、図1乃至図4を示す。図1
は本発明の分散機における全体構成の一例を示し、図2
は本発明に用いる分散機本体の側面図を示し、図3は図
1中のA−A’断面図、図4は分散機本体内部の概略図
である。
【0050】本発明の分散機は、図1に示すように、重
合性単量体等の液体媒体及び着色剤の混合物を収容する
ホールディングタンク8と、循環ポンプ10と、分散機
本体と、冷却手段11と、三方バルブ20とを有してお
り、これらは前記混合物の流路を形成するパイプによっ
て接続されている。三方バルブ20の一方は冷却手段1
1と接続されており、他の一方はホールディングタンク
8と接続されており、さらに他の一方は次段と接続され
ている。またバルブや温度計、圧力計等が適所に配置さ
れている。
【0051】なお、ホールディングタンク8から分散機
本体までのパイプ及びポンプは本発明でいうところの供
給系を形成し、分散機本体から三方バルブ20までのパ
イプ等は本発明でいうところの排出系を形成し、三方バ
ルブ20からホールディングタンク8までのパイプは本
発明でいうところの循環系を形成している。
【0052】ホールディングタンク8は、液体媒体と着
色剤を混合し、これらの分散状態を維持するためのもの
であり、外側には冷却水導入口16及び冷却水排出口1
7を有するジャケット18を有し、内側には攪拌モータ
13に接続されている攪拌翼を有し、上記混合物の攪拌
及び温度調整が可能な構成とされている。
【0053】分散機本体は、図2に示されるように、分
散機本体における攪拌動力や冷却水の生成及び循環を行
うための各種手段が収納されている分散機本体用ユニッ
ト1と、分散機本体用ユニット1に支持されているケー
シング2とを有している。
【0054】ケーシング2は、図3に示されるように、
原料投入口7と排出口9とを有しており、外側には冷却
水導入口21と冷却水排出口22とを有するジャケット
6が形成されており、攪拌手段である攪拌ロータ3と分
離手段であるピラミッドスクリーン4とを収容してい
る。攪拌ロータ3は、冷却水導入口21及び冷却水排出
口22を有するジャケット6が内部に形成されている。
ピラミッドスクリーン4は、円盤及びリング板状部材を
所定の間隔を有して重ねた構成を有しており、円盤は最
も径が小さく、リング板状部材は円盤から離れるにした
がい径が大きくなり、リング板状部材の環の内側には、
上記間隔を通過した流体を通し排出口9に接続されてい
る通路が形成されている。
【0055】なおケーシング2の内壁、攪拌ロータ3の
表面、及びピラミッドスクリーン4の表面には、炭化ク
ロムを含有するクロム合金のめっきでコーティングされ
ている。
【0056】まず重合性単量体等の液体媒体と着色剤と
をホールディングタンク8に収容し、攪拌によって混合
する。得られた液状単量体混合物は、循環ポンプ10を
介して原料投入口7より供給される。一方でケーシング
2内には砥粒5が予め収容されている。なお三方バルブ
20は、次段への流路を塞ぎ、排出系と循環系を接続す
るようにバルブの向きを調整されている。
【0057】攪拌ロータ3が回転している状態では、攪
拌ローター3の回転による遠心力によって砥粒5同士の
せん断力及び砥粒5とケーシング2とのせん断力が生じ
て砥粒がケーシング内壁側で層を形成し、この状態で、
原料投入口7から液状単量体混合物をケーシング2内に
投入すると、液状単量体混合物は形成された砥粒層を通
過し、液状単量体混合物中の着色剤は確実に微分散され
る。また、ケーシング2及び攪拌ロータ3に形成された
ジャケット6に冷却水を循環させ、液状単量体混合物の
発熱を抑制する。
【0058】液状単量体混合物は、ピラミッドスクリー
ン4で砥粒5と分離されてから排出口9より排出され、
冷却手段11を経由してホールディングタンク8へ戻
る。ホールディングタンク8内の単量体混合物は、分散
機本体とホールディングタンク8との間の循環を繰り返
し、均一にかつ効率よく微粒状着色剤の重合性単量体へ
の分散が行われる。十分な分散が行われたら、循環系を
塞ぎ、排出系と次段への流路とを接続するように三方バ
ルブ20の向きを変えて、分散物を次段へ送る。
【0059】また本発明の分散機としては、例えば図6
から図11に示されるような分散機が挙げられる。この
分散機は、全体構成としては前述した分散機本体が異な
る以外は同じ構造である。
【0060】この分散機の分散機本体は、図8及び図9
に示されるように、液体供給口36及び液体排出口37
を有するケーシング32と、駆動軸51に接続されケー
シング32内に収容されている攪拌ロータ33と、ケー
シング32内に収容され攪拌ロータ33の外周面及びケ
ーシング32の内周面の間に周設されている分離手段で
あるセパレータ34とを有している。液体供給口36は
ケーシング32の端面中心部に設けられており、液体排
出口37はケーシング32周面に設けられている。
【0061】攪拌ロータ33は、図10に示されるよう
に、円盤部と、この円盤部の中心に立設し駆動軸51の
先端が挿入、固定される円筒状の接続部と、円盤部の外
縁部から立設し周面を形成する外周部とを有する。外周
部には外向きに複数の突起が設けられており、また円盤
部と外周部には複数の貫通口が設けられている。
【0062】セパレータ34は、図11に示されるよう
に、リング状の板状部材を、スペーサーを介して重ね、
板状部材間にスリット34aを形成した構成とされてい
る。なお攪拌ロータ33の表面及びセパレータ34の表
面には、炭化クロムを含有するクロム合金のめっきでコ
ーティングされている。
【0063】この分散機本体も、攪拌ロータ33が回転
している状態では、攪拌ローター3の回転による遠心力
によって砥粒がセパレータ34の内周側で層を形成し、
また砥粒5同士のせん断力及び砥粒5とセパレータ34
とのせん断力が生じる。
【0064】この状態で、液体供給口36から液状単量
体混合物をケーシング32内に投入すると、液状単量体
混合物は、攪拌ロータ33の前記外周部に形成された貫
通口を通過し、さらに砥粒層を通過し、液状単量体混合
物中の着色剤は確実に微分散される。セパレータ34で
分離された液状単量体混合物は、遠心力によって液体排
出口37より排出される。
【0065】また本発明の分散機としては、例えば図1
2に示されるような分散機が挙げられる。この分散機
は、全体構成としては前述した分散機本体が異なる以外
は、基本的には同様に構成されている。
【0066】この分散機の分散機本体は、本体ケーシン
グ121と、本体ケーシング121内に収容され回転自
在なアジテータシャフト124及びこれに設けられる複
数のアジテータディスク128を有する攪拌手段と、図
示しない分離手段とを有している。本体ケーシング12
1には、一端側に原料投入口122が形成されており、
他端側に排出口123が形成されている。
【0067】アジテータディスク128は、円盤形状に
形成されており、循環ポンプ126により、本体ケーシ
ング121内に供給された流体を原料投入口122側か
ら排出口123側へ送るように構成されている。なお本
体ケーシング121の内壁、アジテータディスク128
及びアジテータシャフト124の表面、及び前記分離手
段の表面には、炭化クロムを含有するクロム合金のめっ
きでコーティングされている。
【0068】この分散機本体も、アジテータシャフト1
24の回転により、砥粒125同士のせん断力及び砥粒
125と本体ケーシング121内壁とのせん断力が生じ
て砥粒の層が形成され、液状単量体混合物中の着色剤は
確実に微分散される。分離手段で分離された液状単量体
混合物は排出口123から排出される。
【0069】本発明のトナーの製造方法は、液体媒体中
に少なくとも着色剤を分散させる分散工程を含み、この
分散工程は、液体媒体中の混合物を砥粒の存在下で液体
媒体中に分散させ、より好ましくはさらに液体媒体と着
色剤の混合物を砥粒の存在する分散系に循環させるにあ
たり、前記分散系において砥粒と接触する面の一部又は
全部が、炭化クロムを含有するクロム合金のめっきでコ
ーティングされていることを特徴とする。
【0070】上記分散工程は、トナーの製造において、
重合性単量体中に着色剤を分散させる場合に好適に用い
られるが、必要に応じて他の粒子状材料を併せて分散さ
せる工程であっても良い。このような分散工程を適用で
きるトナーの製造方法としては、例えば特公昭36−1
0231号公報、特開昭59−53856号公報、特開
昭59−61842号公報に述べられている、懸濁重合
方法を用いて直接トナーを生成する方法が挙げられる。
本発明においては、一旦得られた粒子に更に単量体を吸
着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめる、所謂シ
ード重合方法も本発明に好適に利用することができる。
【0071】本発明のトナーの製造方法をより具体的に
説明する。液体媒体中(例えば重合性単量体)に着色剤
を少なくとも加え、上記の如き分散機により分散せしめ
た後、低軟化点物質からなる離型剤その他の添加剤等、
従来より知られている種々の材料から適当なものを加
え、分散安定剤を含有する水相中に、通常の撹拌機又は
クリアミキサー、ホモジナイザー、ホモミキサー、フィ
ルミックス、超音波分散機等によって均一に分散せしめ
る。好ましくは単量体液滴が所望のトナーサイズを有す
るように攪拌速度、時間を調整し、造粒する。その後は
分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、かつ粒
子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
【0072】この時の攪拌翼としては容器内全体を均一
に攪拌できる装置であれば使用可能であるが、一般的な
パドル翼、三枚後退翼、アンカー翼、より好ましくはフ
ルゾーン翼(神鋼パンテック社製)、マックスブレンド
翼(住友重機械工業社製)、サンメラー翼(三菱重工業
社製)、Hi−Fミキサー翼(総研化学社製)、ベンド
リーフ翼(八光産業社製)が用いられる。
【0073】重合開始剤は分散機により分散せしめた後
であればどの時点で加えてもよく、具体的には分散安定
剤を含有する水相中で、造粒せしめる直前や、水相中に
造粒途中、及び水相中で造粒終了後のいずれでも良い。
重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度
に設定して重合を行うのが良い。また、重合反応後半に
昇温しても良く、更に、トナー定着時の臭いの原因等と
なる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するため
に反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去し
ても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・濾
過及び乾燥してトナー粒子を製造する。例えば懸濁重合
法においては、通常単量体系100質量部に対して水3
00〜3000質量部を分散媒として使用するのが好ま
しい。
【0074】本発明においては、定着性の観点から多量
の低軟化点物質をトナーに含有せしめる場合があり、こ
のような場合では、必然的に低軟化点物質を外殻樹脂中
に内包化せしめる必要がある。
【0075】例えば懸濁重合法によりトナー粒子を得る
方法において低軟化点物質を内包化せしめる具体的方法
としては、水系媒体中での材料の極性を主要単量体より
低軟化点物質の方を小さく設定し、更に少量の極性の大
きな樹脂又は単量体を添加せしめることで低軟化点物質
を外殻樹脂で被覆した、所謂コア−シェル構造を有する
トナーを得ることができる。
【0076】トナーの粒度分布制御や粒径の制御は、難
水溶性の無機塩や保護コロイド作用をする分散剤の種類
や添加量を変える方法や、用いる装置の機械的条件、例
えば重合性単量体組成物粒子を得る分散ローターの周
速、パス回数、撹拌羽根形状等の撹拌条件や容器形状、
又は水溶液中での固形分濃度等を制御することにより所
定の粒度分布を持ったトナーを得ることができる。
【0077】本発明においてトナーの断層面を測定する
具体的方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中にト
ナーを十分分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日
間硬化させ、得られた硬化物を四三酸化ルテニウム、必
要により四三酸化オスミウムを併用し染色を施した後、
ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサ
ンプルを切り出し、透過電子顕微鏡(TEM)を用いト
ナーの断層形態を測定する方法が挙げられる。
【0078】上記測定においては、用いる低軟化点物質
と外殻を構成する樹脂との、若干の結晶化度の違いを利
用して、材料間のコントラストを付けるため四三酸化ル
テニウム染色法を用いることが好ましい。代表的な一例
を図5に示す。なお、後述する実施例で得られたトナー
粒子は、明らかに低軟化点物質が外殻樹脂で内包化され
ていることが、上記の測定によって観測された。
【0079】本発明のトナーの製造方法では、液体媒体
として重合性単量体を用いる場合があるが、このような
場合に使用できる重合性単量体としては、スチレン、o
(m−、p−)−メチルスチレン、m(p−)−エチル
スチレンの如きスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メ
タ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸
ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル
系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン、
(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸アミド等のビニ
ル系単量体が好ましく用いられる。
【0080】これらは、単独又は一般的には出版物ポリ
マーハンドブック第2版III−P139〜192(J
ohn Wiley&Sons社製)記載の理論ガラス
温度(Tg)が、40〜75℃を示すように単量体を適
宜混合し用いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満
の場合には、トナーの保存安定性や現像剤の耐久安定性
の面から問題を生じることがあり、一方75℃を超える
場合は定着点の上昇をもたらし、特にフルカラートナー
の場合においては各色トナーの混色が不十分となり色再
現性に乏しく、さらにOHP画像の透明性を著しく低下
させやすく、高画質の面から好ましくない。
【0081】本発明に用いられる低軟化点物質として
は、ASTM D3418−8に準拠し測定された主体
極大ピーク値が40〜90℃を示す化合物が好ましい。
極大ピークが40℃未満であると低軟化点物質の自己凝
集力が弱くなり、結果として耐高温オフセット性が弱く
なりフルカラー画像形成トナーには好ましくない。一
方、極大ピークが、90℃を超えると定着温度が高くな
り、定着画像表面を適度に平滑化せしめることが困難と
なり混色性の点から好ましくない。
【0082】更に直接重合法によりトナーを得る場合に
おいては、水系で重合性単量体組成物の粒子を得(造
粒)、重合を行うため極大ピーク値の温度が高いと、主
に造粒中に低軟化点物質が析出してきて懸濁系を阻害す
るため好ましくない。
【0083】上記低軟化点物質の、極大ピーク値の温度
の測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7を
用いる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融
点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を
用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い対照用
に空パンをセットし、昇温速度10℃/min.で測定
を行う。
【0084】低融点物質としては、具体的にはパラフィ
ンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャート
ロピッシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、エ
ステルワックス及びこれらの誘導体又はこれらのグラフ
ト/ブロック化合物等を利用することができる。
【0085】また、低軟化点物質はトナー中へ5〜30
質量%添加することが好ましい。仮に5質量%未満の添
加では十分なトナーの定着性が得られず、30質量%を
超える場合は、造粒時にトナー粒子同士の合一が起き易
く、粒度分布の広いトナーが生成し易く、本発明には不
適当である。
【0086】本発明においては、外殻樹脂中に低軟化点
物質を内包化せしめるため外殻樹脂の他に更に極性樹脂
を添加せしめることが特に好ましい。本発明に用いられ
る極性樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸の
共重合体、マレイン酸共重合体、飽和ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。該極性樹脂
は、外殻樹脂又は単量体と反応しうる不飽和基を分子中
に含まないものが特に好ましい。不飽和基を有する極性
樹脂を含む場合においては、外殻樹脂層を形成する単量
体と架橋反応が起きフルカラー用トナーとしては、極め
て高分子量になり四色トナーの混色には不利となり好ま
しくない。
【0087】本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤
としてはカーボンブラック、磁性体等が用いられる。
【0088】磁性体を着色剤として用いて磁性トナーを
製造する場合は、以下に挙げるような磁性体を使用する
ことができる。この場合、磁性トナーに含まれる磁性体
としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの
如き酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe、
Co、Niのような金属、或いは、これらの金属とA
l、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、S
b、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、
Vのような金属との合金、及びこれらの混合物等が挙げ
られる。
【0089】具体的には、磁性体としては、四三酸化鉄
(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄亜
鉛(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5
12)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガド
リニウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe
24)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル
(NiFe24)、酸化鉄ニオジム(NdFe23)、
酸化鉄バリウム(BaFe 1219)、酸化鉄マグネシウ
ム(MgFe24)、酸化鉄ランタン(LaFe
3)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル
粉(Ni)等が挙げられる。上述した磁性体を単独で或
いは二種以上組み合わせて使用する。
【0090】これら磁性体の形状としては、八面体、六
面体、球状、針状、鱗片状などがあるが、八面体、六面
体、球状等の異方性の少ないものが好ましい。
【0091】黒色着色剤として磁性体を用いた場合に
は、他の着色剤と異なり、樹脂100質量部に対し40
〜150質量部添加して用いられ、磁性体表面が疎水化
処理されていることが好ましい。
【0092】カラー用としては、以下のイエロー、マゼ
ンタ、及びシアン着色剤を用いることができる。
【0093】イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合
物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、
アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代
表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピ
グメントイエロー12、13、14、15、17、6
2、74、83、93、94、95、109、110、
111、128、129、147、168等が好適に用
いられる。
【0094】マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合
物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キ
ナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール
化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合
物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.
I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、4
8;2、48;3、48;4、57;1、81;1、1
22、144、146、166、169、177、18
4、185、202、206、220、221、254
が特に好ましい。
【0095】シアン着色剤としては、銅フタロシアニン
化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染
料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.
ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、
15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に
利用できる。
【0096】これらの着色剤は、単独又は混合し、さら
には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色
剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、ト
ナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加
量は、樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して
用いられる。
【0097】本発明では、トナーの帯電性を制御するた
めに荷電制御剤をトナー材料に用いても良い。本発明に
用いられる荷電制御剤としては、公知のものが利用でき
るが、無色でトナーの帯電スピードが速く、かつ一定の
帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。更
に本発明において直接重合方法を用いる場合には、重合
阻害性がなく、水系への可溶化物のない荷電制御剤が特
に好ましい。
【0098】具体的な化合物としては、ネガ系としてサ
リチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の金属化合物、
スルホン酸、カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、
ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリークス
アレーン等が利用でき、ポジ系として四級アンモニウム
塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合
物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が好まし
く用いられる。
【0099】該荷電制御剤は樹脂100質量部に対し
0.5〜10質量部が好ましい。しかしながら、本発明
において荷電制御剤の添加は必須ではなく、二成分現像
方法を用いた場合においてはキャリヤーとの摩擦帯電を
利用することによって、非磁性一成分ブレードコーティ
ング現像方法を用いた場合においてもブレード部材やス
リーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用することによっ
てトナーの帯電性を制御することが可能であり、トナー
中に必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
【0100】本発明に用いられる重合開始剤としては、
例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボ
ニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,
4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニト
リル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペ
ルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソ
プロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオ
キシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラ
ウロイルペルオキシド、t−ブチルパーオキシルジエチ
ルヘキサネート等の過酸化物系重合開始剤が挙げられ
る。
【0101】該重合開始剤の添加量は、目的とする重合
度により変化するが、一般的には単量体に対し0.5〜
20質量%添加され用いられる。重合開始剤の種類は、
重合方法により若干異なるが、10時間半減期温度を参
考に、単独又は混合し利用される。
【0102】また本発明では、重合度を制御するため公
知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用
いることも可能である。
【0103】本発明において、特に分散剤を用いた懸濁
重合を利用する場合に用いる分散剤としては、無機化合
物として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、
リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸
カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、ア
ルミナ等が挙げられる。また有機化合物としては、ポリ
ビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチ
ルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、
カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアク
リル酸及びその塩、デンプン等を水相に分散させて使用
できる。これら安定化剤は、重合性単量体100質量部
に対して0.2〜20質量部を使用することが好まし
い。
【0104】これら安定化剤の中で、無機化合物を用い
る場合、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい
粒子を得るために、分散媒中にて該無機化合物を生成さ
せても良い。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高撹
拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウ
ム水溶液を混合すると良い。
【0105】また、これら安定化剤の微細な分散の為
に、0.001〜0.1質量部の界面活性剤を使用して
もよい。これは上記分散安定化剤の所期の作用を促進す
る為のものであり、その具体例としては、ドデシルベン
ゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペ
ンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、
オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステア
リン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が挙げられ
る。
【0106】本発明においては、長時間連続運転を行っ
ても分散機内の磨耗がごく少なく、またコンタミも少な
いことから、安定的に微粒状着色剤が微細にかつ均一に
液体媒体中(例えば重合性単量体中)に分散される結
果、重量平均流径が4乃至10μm(より好適には4乃
至9μm)であり、個数分布における変動係数35%以
下(より好適には30%以下)の粒度分布のシャープな
小粒径トナーを効率良く、かつ安定的に生成し得る。
【0107】なお、トナーの粒度分布は種々の方法によ
って測定できるが、本発明においてはコールターカウン
ターを用いて行うことが好ましい。
【0108】測定装置としてはコールターカウンターマ
ルチサイザーI型あるいはII型あるいはIIe型(コール
ター社製)を用い、個数平均分布、体積平均分布を出力
するインターフェイス(日科機製)及び一般的なパーソ
ナルコンピューターを接続し、特級又は1級塩化ナトリ
ウムを用いて1%NaCl水溶液を電解液として調製す
る。
【0109】測定法としては前記電解水溶液100〜1
50ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアル
キルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、さら
に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解
液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記
コールターカウンターマルチサイザーII型により、アパ
チャーとして100μmアパチャーを用いて、個数を基
準として2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して、そ
れから各種値を求める。
【0110】また上記個数分布における変動係数は下記
式から算出される。
【数1】変動係数(%)=[S/D1]×100 [式中、Sはトナー粒子の個数分布における標準偏差を
示し、D1はトナー粒子の個数平均径(μm)を示
す。]
【0111】
【実施例】<実施例1>図1乃至図4に示す分散機を使
用して分散工程を行った。分散工程において、ホールデ
ィングタンク8内に、スチレン単量体170質量部、微
粒状マゼンタ着色剤(C.I.ピグメントレッド12
2、個数平均粒径0.05μm以下)10質量部、及び
負荷電制御剤(ジアルキルサリチル酸の金属化合物)3
質量部を導入し、攪拌モータ13で攪拌羽根を回転し、
微粒状マゼンタ着色剤を含有しているスチレン単量体混
合物を調製した。
【0112】その際、ジャケット18に冷却水を冷却水
導入口16から導入し、冷却水排出口17から排出する
ことにより、スチレン単量体混合物の液温を約20℃に
調整した。
【0113】調整されたスチレン単量体混合物を循環ポ
ンプ10により、球形の砥粒(直径0.3mmのジルコ
ニア球形粒子)が1.76×10-33充填されている
分散機本体に導入した。なお分散機本体の攪拌ロータ及
びケーシング内面は、炭化クロムを含有したクロム合金
めっきでコーティングした(めっき厚150μm、表面
硬さ(ビッカース硬度:HV)1050、製品名:ダイ
クロンメッキ/コーティング)。
【0114】分散機本体はケーシング2内に攪拌ロータ
3を有し(攪拌ロータ径=210mm)、攪拌ロータ3
は分散機が有するモーター(図示せず)によって駆動さ
れ、周速16m/secで攪拌ロータ3を回転させなが
ら、原料投入口7からスチレン単量体混合物を導入し
た。スチレン単量体混合物のケーシング2内への導入量
を2.4×10-23/hとなるように循環ポンプ10
によって調整した。その際、ケーシング内の内圧は30
kPaであった。
【0115】原料投入口7から導入されたスチレン単量
体混合物は攪拌ロータ3の回転による遠心力によって形
成された砥粒層を通過し、砥粒5のせん断力により、微
粒状着色剤は微細化され、スチレン単量体混合物に分散
された。その後、液状単量体混合物は、ピラミッドスク
リーン4で砥粒5と分離されてから排出口9より排出さ
れ、バルブ19、温度計12、冷却手段11を経由して
ホールディングタンク8へ戻る。ホールディングタンク
8内の単量体混合物は、分散機本体とホールディングタ
ンク8との間の循環を繰り返しながら、均一にかつ効率
よく微粒状着色剤の重合性単量体への分散が行われる。
【0116】排出口9から排出されたスチレン単量体混
合物は、温度計12で測定すると温度30℃なので、冷
却水が冷却水導入口14から導入され、冷却水排出口1
5から排出している冷却手段11及びジャケット6(冷
却水導入口21、冷却水排出口22)によりスチレン単
量体混合物を温度20℃に調整した。微粒状着色剤をス
チレン単量体混合物に60分間かけて分散工程において
分散し、微粒状着色剤が微細に均一に分散された微粒状
着色剤単量体混合物を、三方バルブ20を操作して次工
程に搬送した(これを一回の分散とする)。本実施例の
分散条件を表1に示す。
【0117】また、分散液中の微粒状着色剤の分散状態
については、分散液のグロス(光沢度)を測定すること
により測定した。分散液のグロスは、分散液をアート紙
に均一に塗布し、十分に乾燥した後測定した。すなわち
微粒状着色剤が良好に分散すると塗布表面に平滑さとつ
やが生まれグロス値が高くなる。逆に微粒状着色剤の分
散が不良な場合、塗布表面に凹凸が残り、くすむことか
らグロス値が低くなる。グロス(光沢度)の測定には、
日本電色社製VG−10型光沢度計を用いた。
【0118】測定にあたっては、まず定電圧装置により
6Vにセットし、次いで投光角度、受光角度をそれぞれ
60°に合わせ、0点調整及び標準板を用い、標準設定
の後に試料台の上に白紙を3枚重ね、その上に前記塗布
試料を置き、測定を行い、表示部に示される数値を%単
位で読みとった。結果を表2に示す。
【0119】評価基準としてはグロス値が40%以上で
あると良好な分散性を示し、35%以上40%未満では
若干画像に問題があるものの実用上問題がない分散性、
35%未満では画像に与える影響がかなり激しく製品上
好ましくない分散性を示す。
【0120】また、上記した分散工程を60回繰り返し
た後、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行った
が、磨耗等の異常は認められなかった。
【0121】次工程においては、上記分散工程で得られ
た各回ごとの微粒状着色剤単量体混合物に、n−ブチル
アクリレート単量体30質量部、極性樹脂(飽和ポリエ
ステル樹脂=テレフタル酸とプロピレンオキサイド変性
ビスフェノールAとの縮重合したポリエステル樹脂、酸
価13mgKOH/g、メインピーク分子量7000)
20質量部、及びエステルワックス25質量部を添加
し、温度60℃で混合し、さらに、重合開始剤として
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)10質量部を添加して、重合性単量体組成物を調製
した。
【0122】一方、各回ごとに高速攪拌装置TK−ホモ
ミキサーを備えた四つ口容器中にイオン交換水710質
量部と0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液450
質量部を添加してTK−ホモミキサーの回転数を200
rpsに調整し、加温せしめた。そして各回ごとに1.
0モル/リットルCaCl2水溶液68質量部を添加し
微小な難水溶性分散剤Ca3(PO42を含む分散媒体
系を調製した。
【0123】温度60℃に加温した重合性単量体組成物
268質量部を温度60℃に加温した媒体系へ投入し、
各回ごとにTK−ホモミキサーを200rpsで回転さ
せながら13分間造粒した。その後高速攪拌器からプロ
ペラ攪拌羽根に攪拌器を変え、60℃で5時間反応させ
た後、液温80℃とし、10時間反応させた。
【0124】重合終了後、各毎工程のスラリーを一部分
サンプリングし、更に洗浄乾燥せしめ、得られたマゼン
タトナーの物性を測定した。前述のように60回の分散
工程を行ったうちの、2回目、10回目、30回目、6
0回目の重合性単量体組成物粒子を用いたマゼンタトナ
ーの重量平均粒径を、コールターカウンターを用い測定
してその造粒性を確認した。
【0125】重合性単量体組成物粒子の安定性の指標と
なる造粒性については、前記したコールターカウンター
で測定された個数変動係数により調べた。すなわち個数
変動係数が35%未満であると良好な造粒性を示し、3
5%以上40%未満では若干画像に問題があるものの実
用上問題がない造粒性を示し、40%以上では画像に与
える影響がかなり激しく製品上好ましくない造粒性を示
す。結果を表2に示す。
【0126】また上記マゼンタトナーは、TEM観察の
結果、図5に示すような低軟化点物質であるエステルワ
ックスが外殻樹脂で覆われた構造を示していた。
【0127】各回ごとに得られたトナー100質量部に
対して、BET法による比表面積が200m2/gであ
る疎水性シリカ0.7質量部を外添してマゼンタトナー
を調製した。マゼンタトナー7質量部に対し、アクリル
コートされた磁性フェライトキャリア93質量部を混合
し、二成分現像剤とした。
【0128】各回ごとに得られた二成分現像剤の中から
2回目、10回目、30回目、60回目に得られた現像
剤を、市販の普通紙カラー複写機(カラーレーザー複写
機500、キヤノン製)にて、現像コントラストを30
0Vに設定し、23℃/65%下で画出しを行った。得
られた画像はマクベスRD918型でSPIフィルター
を使用して反射濃度測定を行った(以後の画像濃度測定
方法も同様)。結果を表2に示す。
【0129】評価基準としてはマクベス濃度値が1.2
以上であると良好な画像濃度を示し、1.0以上1.2
未満では若干画像に問題があるものの実用上問題がない
画像濃度、1.0未満では画像に与える影響がかなり激
しく製品上好ましくない画像濃度を示す。
【0130】<実施例2>直径0.5mmの砥粒(材質
ジルコニア)1.76×10-33を充填して用いた以
外は、実施例1と全く同様の操作を行った。その際、ケ
ーシング内の内圧は25kPaであった。本実施例の分
散条件を表1に示す。また得られたトナーの個数変動係
数を表2に示す。この現像剤及び外添トナーを用いて、
実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行った。結果
を表2に示す。また、分散液の分散性及び造粒工程にお
ける造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行っ
た。結果を表2に示す。
【0131】また、TEM観察の結果、図5に示すよう
な低軟化点物質であるエステルワックスが外殻樹脂で覆
われた構造を示していた。また、60回の分散操作終了
後、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが、
磨耗等の異常は認められなかった。
【0132】<実施例3>直径2mmの砥粒(材質ジル
コニア)1.76×10-33を充填して用いた以外
は、実施例1と全く同様の操作を行った。その際、ケー
シング内の内圧は20kPaであった。本実施例の分散
条件を表1に示す。また得られたトナーの個数変動係数
を表2に示す。この現像剤及び外添トナーを用いて、実
施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行った。結果を
表2に示す。また、分散液の分散性及び造粒工程におけ
る造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行っ
た。結果を表2に示す。
【0133】また、TEM観察の結果、図5に示すよう
な低軟化点物質であるエステルワックスが外殻樹脂で覆
われた構造を示していた。また、60回の分散操作終了
後、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが、
磨耗等の異常は認められなかった。
【0134】<実施例4>ロータ回転数を周速23m/
sとした以外は、実施例1と全く同様の操作を行った。
その際、ケーシング内の内圧は40kPaであった。本
実施例の分散条件を表1に示す。また得られたトナーの
個数変動係数を表2に示す。この現像剤及び外添トナー
を用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行
った。結果を表2に示す。また、分散液の分散性及び造
粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で
評価を行った。結果を表2に示す。
【0135】また、TEM観察の結果、図5に示すよう
な低軟化点物質であるエステルワックスが外殻樹脂で覆
われた構造を示していた。また、60回の分散操作終了
後、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが、
磨耗等の異常は認められなかった。
【0136】<実施例5>ロータ回転数を周速10m/
sとした以外は、実施例1と全く同様の操作を行った。
その際、ケーシング内の内圧は20kPaであった。本
実施例の分散条件を表1に示す。また得られたトナーの
個数変動係数を表2に示す。この現像剤及び外添トナー
を用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行
った。結果を表2に示す。また、分散液の分散性及び造
粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で
評価を行った。結果を表2に示す。
【0137】また、TEM観察の結果、図5に示すよう
な低軟化点物質であるエステルワックスが外殻樹脂で覆
われた構造を示していた。また、60回の分散操作終了
後、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが、
磨耗等の異常は認められなかった。
【0138】<実施例6>砥粒の材質をチタニアに変更
した以外は、実施例1と全く同様の操作を行った。その
際、ケーシング内の内圧は30kPaであった。本実施
例の分散条件を表1に示す。また得られたトナーの個数
変動係数を表2に示す。この現像剤及び外添トナーを用
いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行っ
た。結果を表2に示す。また、分散液の分散性及び造粒
工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評
価を行った。結果を表2に示す。
【0139】また、TEM観察の結果、図5に示すよう
な低軟化点物質であるエステルワックスが外殻樹脂で覆
われた構造を示していた。また、60回の分散操作終了
後、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが、
磨耗等の異常は認められなかった。
【0140】<実施例7>初めに、めっきの厚さを20
μmに変更した以外は、実施例1と全く同様の操作を行
った。その際、ケーシング内の内圧は29kPaであっ
た。本実施例の分散条件を表1に示す。また得られたト
ナーの個数変動係数を表2に示す。この現像剤及び外添
トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測
定を行った。結果を表2に示す。また、分散液の分散性
及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の
方法で評価を行った。結果を表2に示す。
【0141】また、TEM観察の結果、図5に示すよう
な低軟化点物質であるエステルワックスが外殻樹脂で覆
われた構造を示していた。また、60回の分散操作終了
後、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが、
磨耗等の異常は認められなかった。
【0142】<実施例8>図6乃至図11に示す分散機
を使用して分散工程を行った。本実施例で用いた分散機
は、分散機本体における攪拌ロータ、ケーシング内面及
び円筒状セパレータに、炭化クロムを含有したクロム合
金めっきでコーティングした(めっき厚150μm、表
面硬さHV1050、製品名:ダイクロンメッキ/コー
ティング)。
【0143】本実施例の分散機において、ホールディン
グタンク38内に、実施例1と同様のスチレン単量体混
合物を調製した。その際、ジャケット48に冷却水を冷
却水導入口46から導入し、冷却水排出口47から排出
することにより、スチレン単量体混合物の液温を約20
℃に調整した。調整されたスチレン単量体混合物を循環
ポンプ40により、球形の砥粒(直径0.3mmのジル
コニア球形粒子)が1.6×10-33充填されている
分散機本体に導入した。
【0144】分散機本体はケーシング32内に攪拌ロー
タ33を有し(回転ロータ径A=196mm)、分散機
本体が有するモーターによって駆動される駆動軸51に
よって回転数16.7rps(周速10.3m/s)で
攪拌ロータ33を回転させ、この状態で、液体供給口3
6を中央部に有する第1の壁面からスチレン単量体混合
物を導入した。スチレン単量体混合物のケーシング32
内への導入量を0.9m3/hとなるように循環ポンプ
40によって調整した。その際、ケーシング内の内圧は
196.1kPaであった。
【0145】液体供給口36から導入されたスチレン単
量体混合物は、内室の中央部から攪拌ロータ33の回転
により生じる遠心力により、内室52の中央部からセパ
レータ34の方向へ搬送され、攪拌ロータ33の回転、
砥粒のせん断力及びセパレータ34上の流動している砥
粒の層の間を微粒状着色剤を含有しているスチレン単量
体混合物が通過することにより、微粒状着色剤は微細化
されスチレン単量体混合物に分散された。そして、スリ
ット34aを通って外室53へ、分散された微粒状着色
剤を有するスチレン単量体混合物は搬送され、側壁(第
2の壁面)に設けられている液体排出口37からスチレ
ン単量体混合物を排出し、バルブ49及び温度計42を
経由して冷却手段41を介してホールディングタンク3
8へ導入した。
【0146】液体排出口37から排出されたスチレン単
量体混合物は、温度計42で測定すると温度31℃なの
で、冷却水が冷却水導入口44から導入され、冷却水排
出口45から排出している冷却手段41によりスチレン
単量体混合物を温度20℃に調整した。微粒状着色剤を
スチレン単量体混合物に60分間かけて分散工程におい
て分散した。微粒状着色剤が微細に均一に分散されたス
チレン単量体混合物を、三方バルブ50を操作して次工
程に搬送した。
【0147】その後は実施例1と全く同様の操作を行っ
た。本実施例の分散条件を表1に示す。また得られたト
ナーの個数変動係数を表2に示す。この現像剤及び外添
トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測
定を行った。結果を表2に示す。また、分散液の分散性
及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の
方法で評価を行った。結果を表2に示す。
【0148】また、TEM観察の結果、図5に示すよう
な低軟化点物質であるエステルワックスが外殻樹脂で覆
われた構造を示していた。また、60回の分散操作終了
後、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが、
磨耗等の異常は認められなかった。
【0149】<実施例9>前記分散機を、図12に示す
ダイノーミルに変更して本実施例を行った。実施例1と
同様のスチレン単量体混合物を調製し、ホールディング
タンク127に投入されたスチレン単量体混合物は、循
環ポンプ126を介して原料投入口122より供給さ
れ、アジテータディスク128の回転力により運動を繰
り返す砥粒125の層を通過して分散が行われ、砥粒と
分離された後、排出口123より排出されてホールディ
ングタンク127に再び戻るという循環を繰り返すこと
で分散が行われる。
【0150】本実施例で用いたダイノーミルは、アジテ
ータディスク及びケーシング内面に、炭化クロムを含有
したクロム合金めっきでコーティングを行った(めっき
厚150μm、表面硬さHV1050、製品名:ダイク
ロンメッキ/コーティング)。
【0151】本実施例の分散機において0.5mmの砥
粒(材質ジルコニア)1.23×10-23を充填し、
ポンプを介して1m3/Hrで供給した。アジテータデ
ィスクの周速は、13m/sであり、60分間循環を行
った。分散した後は、実施例1と全く同様の操作を行っ
た。本実施例の分散条件を表1に示す。また得られたト
ナーの個数変動係数を表2に示す。この現像剤及び外添
トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測
定を行った。結果を表2に示す。また、分散液の分散性
及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の
方法で評価を行った。結果を表2に示す。
【0152】また、TEM観察の結果、図5に示すよう
な低軟化点物質であるエステルワックスが外殻樹脂で覆
われた構造を示していた。また、60回の分散操作終了
後、攪拌ロータ及びケーシングの目視検査を行ったが、
磨耗等の異常は認められなかった。
【0153】<比較例1>初めに、攪拌ロータ及びケー
シング内面を、ニッケルめっきでコーティングしたもの
を用いた(表面硬さHV500)以外は、実施例1と全
く同様の操作を行った。その際、ケーシング内の内圧は
30kPaであった。本比較例の分散条件を表1に示
す。また得られたトナーの個数変動係数を表2に示す。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の
条件下で画像濃度測定を行った。結果を表2に示す。ま
た、分散液の分散性及び造粒工程における造粒性の評価
を実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表2に
示す。
【0154】また、攪拌ロータ及びケーシングの目視検
査を行ったが30回の分散操作終了後までは、磨耗等の
異常は認められなかったが、60回目終了後の目視検査
では攪拌ロータ及びケーシングに磨耗が観察された。磨
耗部分は製品へコンタミしたものと考えられる。
【0155】<比較例2>初めに、攪拌ロータ及びケー
シング内面を、セラミックで溶射したものを用いた(表
面硬さHV1320)以外は、実施例1と全く同様の操
作を行った。その際、ケーシング内の内圧は30kPa
であった。本比較例の分散条件を表1に示す。また得ら
れたトナーの個数変動係数を表2に示す。この現像剤及
び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像
濃度測定を行った。結果を表2に示す。また、分散液の
分散性及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と
同様の方法で評価を行った。結果を表2に示す。
【0156】また、攪拌ロータ及びケーシングの目視検
査を行ったが10回の分散操作終了後までは、磨耗等の
異常は認められなかったが、30回目終了後の目視検査
では攪拌ロータ及びケーシングに異常が観察され、セラ
ミックで溶射した部分は切削されていた。切削されたセ
ラミックは、製品内にコンタミしたと考えられる。
【0157】<比較例3>攪拌ロータ及びケーシング内
面にめっきを行わず、SUS440Cのまま用いた以外
は、実施例1と全く同様の操作を行った。その際、ケー
シング内の内圧は30kPaであった。本比較例の分散
条件を表1に示す。また得られたトナーの個数変動係数
を表2に示す。この現像剤及び外添トナーを用いて、実
施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行った。結果を
表2に示す。また、分散液の分散性及び造粒工程におけ
る造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行っ
た。結果を表2に示す。
【0158】また、攪拌ロータ及びケーシングの目視検
査を行ったが30回の分散操作終了後までは、磨耗等の
異常は認められなかったが、60回目終了後の目視検査
では攪拌ロータ及びケーシングに磨耗が観察された。磨
耗部分は製品へコンタミしたものと考えられる。
【0159】
【表1】
【0160】
【表2】
【0161】
【発明の効果】本発明によれば、砥粒を用いる分散機に
おいて、攪拌時に砥粒と接触するケーシングの内面、攪
拌手段の表面、及び分離手段の表面の一部又は全部を、
少なくとも炭化クロムを含有するクロム合金のめっきで
コーティングすることから、製品へ不純物のコンタミが
少なく、安定的に微粒状着色剤を液状単量体混合物へ均
一に分散できるので、着色力に優れ、粒度分布のよりシ
ャープな電子写真特性に優れる重合トナーを製造するこ
とができる。
【0162】また本発明では、攪拌時に砥粒と接触する
ケーシングの内面、攪拌手段の表面、及び分離手段の表
面は、表面硬さがビッカース硬さで900乃至1300
であると、分散機本体において砥粒と接触する面の磨耗
を防止し、このような面を有する部材の長寿命化を実現
し、かつ製品への不純物のコンタミを抑制する上でより
一層効果的である。
【0163】また本発明では、砥粒の直径が0.1mm
から5mmであると、液体媒体中での着色剤の分散性を
向上させる上でより一層効果的である。
【0164】また本発明では、砥粒の材質がジルコニア
又はチタニアであると、液体媒体中での着色剤の分散性
を向上させる上でより一層効果的である。
【0165】また本発明では、クロム合金のめっきの厚
さが20乃至300μmであると、耐磨耗性を十分に発
現し、かつ容易にコーティング処理を行う上でより一層
効果的である。
【0166】また本発明におけるトナーの製造方法で
は、攪拌手段の先端部の周速が3m/sから40m/s
であると、着色剤の良好な分散性を実現し、砥粒の磨耗
を抑制し、かつ分散機の安定した運転を行う上でより一
層効果的である。
【0167】また本発明におけるトナーの製造方法で
は、液体媒体が重合性単量体であると、トナーを製造す
る上でより好ましい。
【0168】また本発明におけるトナーの製造方法で
は、ケーシング内の混合物の温度を10乃至40℃に調
整すると、混合物への熱的影響を抑制する上でより一層
効果的である。
【0169】また本発明における分散機では、混合物の
温度を調整する温度調整手段を有すると、混合物への熱
的影響を抑制する上でより一層効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分散機における一実施の形態を示す全
体概略図である。
【図2】図1中の分散機本体を示す側面図である。
【図3】図1に示すA−A’線に沿うケーシングの断面
図である。
【図4】図1に示すケーシングの概略図である。
【図5】トナー粒子の断面を示す模式的説明図である。
【図6】本発明の分散機における他の実施の形態を示す
全体概略図である。
【図7】図6中の分散機本体を示す側面図である。
【図8】図6に示すA−A’線に沿うケーシングの断面
図である。
【図9】図7に示すB−B’線に沿うケーシングの断面
図である。
【図10】図6に示す分散機の攪拌ロータを示す斜視図
である。
【図11】図6に示す分散機の分離手段である円筒状セ
パレータを示す図である。
【図12】本発明の分散機における他の実施の形態を示
す全体概略図である。
【符号の説明】
1、31 分散機本体用ユニット 2、32 ケーシング 3、33 攪拌ロータ 4 ピラミッドスクリーン 5、125 砥粒 6、18、48 ジャケット 7、122 原料投入口 8、38、127 ホールディングタンク 9、123 排出口 10、40、126 循環ポンプ 11、41 冷却手段 12、42 温度計 13 攪拌モータ 14、16、21、44、46 冷却水導入口 15、17、22、45、47 冷却水排出口 19、49 バルブ 20、50 三方バルブ 34 セパレータ 34a スリット 36 液体供給口 37 液体排出口 51 駆動軸 52 内室 53 外室 121 本体ケーシング 124 アジテータシャフト 128 アジテータディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神田 仁志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AB02 AB03 AB06

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体媒体中に少なくとも着色剤を分散さ
    せる分散工程を含むトナーの製造方法において、 前記分散工程は、供給口及び排出口を有するケーシング
    に供給口から供給した固体状の着色剤及び液体媒体を含
    む混合物と砥粒とを収容し、ケーシングに収容された混
    合物及び砥粒をケーシング内に回転自在に設けられてい
    る攪拌手段により攪拌し、ケーシング内で混合物と砥粒
    とを分離手段によって分離し、分離した混合物を排出口
    から排出する工程であり、 攪拌時に砥粒と接触するケーシングの内面、攪拌手段の
    表面、及び分離手段の表面は、その一部又は全部が少な
    くとも炭化クロムを含有するクロム合金のめっきでコー
    ティングされていることを特徴とするトナーの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 攪拌時に砥粒と接触するケーシングの内
    面、攪拌手段の表面、及び分離手段の表面は、表面硬さ
    がビッカース硬さで900乃至1300であることを特
    徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記砥粒の直径が0.1mmから5mm
    である請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記砥粒の材質がジルコニア又はチタニ
    アであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一
    項に記載のトナーの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記攪拌手段の先端部の周速が3m/s
    から40m/sであることを特徴とする請求項1乃至4
    のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記クロム合金のめっきの厚さが20乃
    至300μmであることを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれか一項に記載のトナーの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記液体媒体が重合性単量体であること
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のト
    ナーの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記ケーシング内の混合物の温度を10
    乃至40℃に調整することを特徴とする請求項1乃至7
    のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ケーシング内から排出口を介して排
    出された混合物を供給口から再びケーシング内に供給す
    ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記
    載のトナーの製造方法。
  10. 【請求項10】 砥粒を介在させて固体粒子を液体媒体
    に分散させる分散機本体と、固体粒子及び液体媒体を含
    む混合物を前記分散機本体に供給する供給系と、前記混
    合物を前記分散機本体から排出する排出系とを有する分
    散機において、 前記分散機本体は、 前記供給系と接続される供給口及び前記排出系と接続さ
    れる排出口を有し、砥粒及び前記混合物を収容するケー
    シングと、 このケーシング内に回転自在に設けられケーシング内に
    収容された前記砥粒及び混合物を攪拌する攪拌手段と、 前記ケーシング内で前記混合物と前記砥粒とを分離する
    分離手段とを有し、 攪拌時に前記砥粒と接触する前記ケーシングの内面、前
    記攪拌手段の表面、及び前記分離手段の表面は、その一
    部又は全部が少なくとも炭化クロムを含有するクロム合
    金のめっきでコーティングされていることを特徴とする
    分散機。
  11. 【請求項11】 攪拌時に前記砥粒と接触する前記ケー
    シングの内面、前記攪拌手段の表面、及び前記分離手段
    の表面は、表面硬さがビッカース硬度で900乃至13
    00であることを特徴とする請求項10に記載の分散
    機。
  12. 【請求項12】 前記クロム合金のめっきは、厚さが2
    0乃至300μmであることを特徴とする請求項10に
    記載の分散機。
  13. 【請求項13】 前記砥粒は、粒径が0.1mmから5
    mmであることを特徴とする請求項10に記載の分散
    機。
  14. 【請求項14】 前記砥粒の材質がジルコニア又はチタ
    ニアであることを特徴とする請求項10に記載の分散
    機。
  15. 【請求項15】 前記混合物の温度を調整する温度調整
    手段を有することを特徴とする請求項10に記載の分散
    機。
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