JP2003098148A - 空燃比センサ素子 - Google Patents

空燃比センサ素子

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JP2003098148A JP2001294745A JP2001294745A JP2003098148A JP 2003098148 A JP2003098148 A JP 2003098148A JP 2001294745 A JP2001294745 A JP 2001294745A JP 2001294745 A JP2001294745 A JP 2001294745A JP 2003098148 A JP2003098148 A JP 2003098148A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】拡散律速を担う多孔質筒体にガス拡散孔を介し
てスピネルなどの溶射層を形成する材料が付着すること
を防ぎ、安定したポンピング電流が得られ、製造歩留り
の高い空燃比センサ素子を得る。 【解決手段】固体電解質基体の対向する位置に電極対
3、4を形成してなるセンシング部と、測定電極4の外
面に空間部5を介して配設された固体電解質層8と、固
体電解質層8に形成されたガス拡散孔11と、空間部5
内における拡散孔の周囲に形成された多孔質筒体16
と、固体電解質層8の外表面におけるガス拡散孔11の
周囲に形成されたセラミック溶射層34とを具備してな
り、ガス拡散孔11の外面側の内径xを多孔質筒体の内
径yよりも小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の内燃機
関における空気と燃料の比率を制御するための空燃比セ
ンサ素子に関するものであり、具体的には発熱体とセン
サ部が一体化されてなり、製造歩留りの高い発熱体を一
体化した空燃比センサ素子に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】現在、自動車等の内燃機関においては、
排出ガス中の酸素濃度を検出して、その検出値に基づい
て内燃機関に供給する空気および燃料供給量を制御する
ことにより、内燃機関からの有害物質、例えばCO、H
C、NOxを低減させる方法が採用されている。
【0003】この検出素子として、主として酸素イオン
導電性を有するジルコニアを主分とする固体電解質から
なり、一端が封止された円筒型基体の外面および内面に
それぞれ一対の電極層が形成された固体電解質型の酸素
センサ素子が用いられている。
【0004】このような酸素センサにおいて、一般に、
空気と燃料の比率が1付近の制御に用いられる、いわゆ
る理論空燃比センサ素子(λセンサ)では、外側の測定
電極の表面に保護層となる多孔質層が設けられており、
所定温度で円筒型基体両側に発生する酸素濃度差を検出
し、エンジン吸気系の空燃比の制御が行われている。
【0005】一方、広範囲の空燃比を制御するために用
いられている、いわゆる広域空燃比センサ素子(A/F
センサ)は、測定電極の表面に微細な細孔を有するガス
拡散律速層となるセラミック多孔質層を設け、固体電解
質からなる基体に一対の電極に通じて印加電圧を加え、
その際得られる限界電流値を測定して空燃比を直接制御
するものである。
【0006】上記広域空燃比センサ素子はガス拡散孔を
有し、検出ガスはこのガス拡散孔を通して、前記拡散律
速層を経由して測定電極に導かれる。また、素子の外表
面におけるガス拡散孔の周りはその付近に設けられる電
極の保護、および発生熱応力の緩和のために主にスピネ
ルからなり厚みが30〜150μmの保護層が設けられ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ス
ピネルなどからなる保護層を溶射等によって形成すると
きに、前記センサ素子の長軸方向に対して、前記ガス拡
散孔が垂直方向に備えられている場合、ガス拡散孔内に
溶射材料が浸入し、拡散律速層表面に付着し、検出ガス
の導入が妨げられ、ポンピング電流が低下、およびばら
つくという問題があった。
【0008】これを避けるために、溶射前にガス拡散孔
に異物を詰め、溶射後に異物を取り除くなどの方法が考
えられたが、作業工程が増加するために時間を要し、ま
た溶射材料を取り除く際に拡散律速層を傷つけ、ポンピ
ング電流がばらつくという問題があった。
【0009】従って、本発明は、上記拡散律速層にガス
拡散孔を介してスピネルなどの保護層を形成するセラミ
ック材料が付着することを防ぎ、ばらつき等が無く安定
したポンピング電流が得られる、製造歩留りの高い空燃
比センサ素子を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
について検討した結果、固体電解質基体の内面および外
面の互いに対向する位置に基準電極と測定電極からなる
電極対を形成してなるセンシング部と、前記測定電極の
外面に空間部を介して配設された固体電解質層と、前記
固体電解質層に形成されたガス拡散孔と、前記空間部内
における前記拡散孔の周囲に形成された多孔質筒体と、
前記固体電解質層の外表面におけるガス拡散孔の周囲に
形成されたセラミック保護層とを具備してなる空燃比セ
ンサ素子において、前記ガス拡散孔の外面側の内径が前
記多孔質筒体の内径よりも小さくすることによって、上
記の問題が解決され、目的の素子を歩留まりよく製造で
きることを見出し本発明に至った。
【0011】なお、かかる空燃比センサ素子において
は、前記ガス拡散孔の外面側の内径が0.2mm以上で
あることがガス拡散孔の性能上、望ましい。また、前記
ガス拡散孔の外面側の内径と、前記多孔質筒体の内径と
の差が0.2mm以上であることが本発明の効果を発揮
する上で望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の空燃比センサ素子
の基本構造一例を図1の概略斜視図、図2に示す図1の
空燃比センサ素子におけるX−X断面図をもとに説明す
る。
【0013】図1乃至2の空燃比センサ素子1によれ
ば、酸素イオン導電性を有するセラミックスからなる、
固体電解質の円筒型基体2(以下、円筒管2という。)
を具備しており、その内面および外面の互いに対向する
位置には、センサ素子を構成するための第1の電極対が
形成されている。具体的には、円筒管2の内面に、空気
などの基準ガスと接触される基準電極3が形成され、ま
た円筒管2の基準電極3と対向する外面には、排気ガス
などの被測定ガスと接触する測定電極4が形成されてお
り、センシング部を形成している。
【0014】そして、この測定電極4の上面には、空間
部5を介して、酸素イオン導電性を有する固体電解質層
8が形成されており、この固体電解質層8の空間部5側
の内面と、それに対向する固体電解質層8の空間部5の
外面にはポンピング電極として内側電極9と外側電極1
0からなる第2の電極対が形成されており、ポンピング
部を形成している。
【0015】また、ポンピング部を形成している第2の
電極対9、10を具備する固体電解質層8には、被測定
ガスとなる排気ガスを取りこむための小さなガス拡散孔
11が形成されている。
【0016】また、空間部5内には、ガス拡散孔11を
経由して空間部5内に導入された被測定ガスの拡散を律
速させるために、多孔質筒体16が設けられている。
【0017】そして、センサ素子の外表面には、被測定
ガスと接触する3つの電極4、9、10が被毒すること
を防止する、センサ素子自体の耐熱性を高める、センサ
素子を保温するなどの目的のために、溶射などによって
形成されたセラミック溶射層34が形成されている。
【0018】本発明によれば、ガス拡散孔11の外面側
の内径xが多孔質筒体16の内径yよりも小さいことが
重要であり、これにより、セラミック溶射層34を形成
する場合に、溶射材料が前記多孔質筒体16の内面に付
着することを防ぐことができる結果、多孔質筒体16に
よる拡散律速性を阻害することがなく、安定したポンピ
ング電流を得ることができる。
【0019】なお、このガス拡散孔11の外面側の内径
xは、0.2mm以上、特に0.3mm以上、さらには
0.5mm以上であることが望ましい。このガス拡散孔
11の内径が0.2mmよりも小さいと、溶射材料によ
ってガス拡散孔11が詰まりやすくなるためである。
【0020】特に、ガス拡散孔11の外面側の内径x
と、多孔質筒体16の内径yとの差y−xが0.2mm
以上、特に0.3mm以上であることが効果的である。
【0021】この多孔質筒体16の材質としては、上記
の固体電解質材料と同じ材料が用いられる他、アルミ
ナ、スピネル等が用いられる。なお、この多孔質筒体1
6は、ガス拡散孔11を通過した排気ガスが、直接、測
定電極4や内側電極9に触れないようにする保護する機
能も併せ持っている。
【0022】本発明において用いられるセラミック固体
電解質は、ZrO2を含有するセラミックスからなり、
安定化剤として、Y23およびYb23、Sc23、S
23、Nd23、Dy23等の希土類酸化物を酸化物
換算で1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%含有
する部分安定化ZrO2あるいは安定化ZrO2が用いら
れている。
【0023】さらに、焼結性を改善する目的で、上記Z
rO2に対して、Al23やSiO2を添加含有させるこ
とができるが、多量に含有させると、高温におけるクリ
ープ特性が悪くなることから、Al23およびSiO2
の添加量は総量で5重量%以下、特に2重量%以下であ
ることが望ましい。
【0024】一方、発熱体6を埋設するセラミック絶縁
層7としては、アルミナ、スピネル、フォルステライ
ト、ジルコニア、ガラス等のセラミック材料が好適に用
いられる。さらに、セラミック絶縁層7としてガラス絶
縁層にはガラスを用いることができるが、この場合は耐
熱性の観点から、BaO、PbO、SrO、CaO、C
dOのうちの少なくとも1種を5重量%以上含有するガ
ラスであり、特に結晶化ガラスであることが望ましい。
【0025】また、このセラミック絶縁層7は、相対密
度が80%以上、開気孔率が5%以下の緻密質なセラミ
ックスによって構成されていることが望ましい。これ
は、セラミック絶縁層7が緻密質であることにより絶縁
層の強度が高くなる結果、酸素センサ素子自体の機械的
な強度を高めることができるためである。
【0026】また、上記セラミック絶縁層7の内部に埋
設される発熱体6としては、白金、ロジウム、パラジウ
ム、ルテニウムの群から選ばれる1種の金属、または2
種以上の合金からなることが望ましく、特に、セラミッ
ク絶縁層7との同時焼結性の点で、そのセラミック絶縁
層7の焼成温度よりも融点の高い金属または合金を選択
することが望ましい。
【0027】また、発熱体6中には上記の金属の他に焼
結防止とセラミック絶縁層7との接着力を高める観点か
らアルミナ、スピネル、アルミナ/シリカの化合物、フ
ォルステライトあるいは上述の電解質となり得るジルコ
ニア等を体積比率で10〜80%、特に30〜50%の
範囲で混合することが望ましい。
【0028】空間部5を閉塞する固体電解質層8は、空
間部5を覆うように、セラミック絶縁層7表面に形成さ
れている。この固体電解質層8は、円筒管2と同様に、
酸素イオン導電性を有する前記円筒管2を構成する固体
電解質と同様な材質によって構成される。特に、この固
体電解質層8は、円筒管2を構成する固体電解質と同一
の材質からなることが望ましい。
【0029】また、セラミック絶縁層7の外表面に形成
された固体電解質層8は、発熱体6からの熱の放散を防
止する。また、セラミック絶縁層7の上下面に同様の固
体電解質が形成されることになる結果、固体電解質から
なる円筒管2とセラミック絶縁層7間の熱膨張差や焼成
収縮差等に起因する応力を緩和させ、熱応力をできる限
り小さくする作用もなす。
【0030】なお、発熱体6は、円筒管2や空間部5上
部の固体電解質層8および第2の電極対9、10に対し
て直接接することなく、セラミック絶縁層7内に埋設さ
れていることが必要であって、発熱体6と円筒管2およ
び固体電解質層8との間のセラミック絶縁層7の厚みは
少なくとも2μm以上、好ましくは5μm以上であるこ
とが望ましい。
【0031】空間部5の形状としては、特に限定するも
のではないが、円筒管2の外面に形成する上で、円筒管
2の長手方向の長さが長い長方形状あるいは楕円形状で
あることが好ましいが、空間部5が長方形状の場合は、
その角部は緩やかな曲面によって形成することによって
空間部5の角部への熱応力の集中を緩和することができ
る。また、空間部の高さとしては10〜50μm、特に
20〜30μmが優れる。
【0032】また、第1の電極対3、4、第2の電極対
9、10を形成する各電極は、いずれも白金、ロジウ
ム、パラジウム、ルテニウムおよび金の群から選ばれる
1種、または2種以上の合金、特に白金が好適に用いら
れる。また、センサ動作時の電極中の金属の粒成長を防
止する目的と、応答性に係わる金属粒子と固体電解質と
ガスとの、いわゆる3相界面の接点を増大する目的で、
上述の円筒管2または固体電解質層8を構成する固体電
解質成分を1〜50体積%、特に10〜30体積%の割
合で上記電極中に混合することが望ましい。
【0033】なお、第1の電極3、4のうち、円筒管2
の内面に形成される基準電極3は、測定電極4の前記空
間部5に露出する部分に対向する内面部分に形成されて
いればよく、測定電極4の露出部面積よりも大きい面
積、例えば、円筒管2の内面全面に形成されていてもよ
い。
【0034】センサ素子の外表面に形成されるセラミッ
ク溶射層34は、ジルコニア、アルミナ、マグネシアお
よびスピネルの群から選ばれる少なくとも1種からなる
開気孔率が10〜40%の多孔質体からなり、その厚み
は10〜200μm、特に50〜150μmであること
が好適である。
【0035】さらには、空間部5内には、上記の電極
4、9、10を保護する役目と、空間部5の強度を高め
るために、多孔質筒体16よりも気孔率の大きい多孔質
体を充填することも可能である。
【0036】さらに、図1、図2の空燃比センサ素子に
おいては、A/Fセンサについて説明したが、固体電解
質層8の内外表面に電極9、10を形成しない以外は、
全く同じ構造とすることも可能である。
【0037】次に、本発明の空燃比センサ素子の製造方
法について、図1、2の空燃比センサ素子の製造方法を
例にして、図3をもとに説明する。 (1)まず、図3に示すように、円筒管2を形成するた
めに、一端が封止された中空の円筒管素体20を作製す
る。この円筒管素体20は、ジルコニア等の酸素イオン
導電性を有するセラミック固体電解質粉末に対して、適
宜、成形用有機バインダーを添加して押出成形や、静水
圧成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知
の方法により作製される。 (2)そして、図3のように上記固体電解質からなる円
筒管素体20の内面に、基準電極3となる電極パターン
21を例えば、白金を含有する導電性ペーストを円筒管
素体20内部に充填して排出して内面全面に塗布形成す
る。このようにしてセンサ素体Aを作製する。 (3)次に、図3に示すように、円筒管20を形成する
固体電解質のスラリーを用いてグリーンシート22を形
成し、このグリーンシート22の測定電極4を形成しな
い領域に、アルミナなどの絶縁性スラリーを塗布して絶
縁層23aを形成した後、リードパターンを含む発熱体
パターン25を印刷形成し、再度、絶縁性スラリーを塗
布形成して絶縁層23bを形成して発熱体パターン25
を絶縁層23a、23b内に埋設させる。そして、その
絶縁層23a、23bを形成していない開口26を含む
絶縁層23b表面にグリーンシート22を形成した固体
電解質スラリーを塗布して開口26内に固体電解質体2
7を充填する。
【0038】そして、固体電解質体27の表面に測定電
極パターン28を形成し、さらに多孔質筒体29をセラ
ミックスラリー塗布や、予め成形した円筒体を配置する
等によって形成する。このときの円筒体の内径は、焼成
後の内径が後述するガス拡散孔よりも大きくなるように
設計されている。このようにしてヒータ素体Bを形成す
る。
【0039】さらに、固体電解質グリーンシート33に
ガス導入孔32を形成した後、その両面にポンピング用
の電極パターン30、31を印刷塗布してポンピング素
体Cを形成する。このときのグリーシート33に形成し
たガス導入孔の32の半径は焼成後に前記円筒体29の
内径より小さくなるようにし、かつ0.2mm以上にな
るようにする。
【0040】そして、これらヒータ素体B、ポンピング
素体Cをセンサ素体Aの表面に、上記のようにして作製
した積層体のグリーンシート22側をセンサ素体Aの表
面に巻き付け処理した後、同時焼成することによって形
成することができる。
【0041】焼成は、例えば、固体電解質としてジルコ
ニア、セラミック絶縁層としてアルミナを用いた場合に
は、アルゴンガス等の不活性雰囲気中あるいは大気中で
1300〜1700℃で1〜10時間程度焼成すればよ
い。
【0042】なお、上記の製造方法では、固体電解質グ
リーンシート22の表面にスラリー塗布によって発熱体
パターン25を埋設したセラミック絶縁層23a、23
bを形成したが、固体電解質グリーンシート22を用い
ることなく、セラミック絶縁層23a、23bをグリー
ンシートの積層体によって形成することも可能である。
【0043】また、上記の製造方法においては、開口2
6内に固体電解質体27を充填形成する際に、セラミッ
ク絶縁層23bの表面まで被覆したが、開口26のみで
も問題はない。
【0044】以上のようにして作製したセンサ素子A本
体の外表面に、溶射法によって、ジルコニア、アルミ
ナ、マグネシアおよびスピネルの群から選ばれる少なく
とも1種からなるセラミック材料を10〜200μmの
厚みで被覆することによって本発明の空燃比センサ素子
を形成することができる。
【0045】
【実施例】まず、5モル%Y23含有のジルコニア粉末
にポリビニルアルコール溶液を添加してスラリーを作製
し、押出成形により焼結後、外径が約4mm、内径が1
mmになるように一端が封じた円筒管素体を作製し、こ
の成形体の内部全面に白金ペーストを塗布して基準電極
を形成してセンサ素体Aを作製した。
【0046】また、5モル%Y23含有のジルコニア粉
末にアクリル系バインダーとトルエン溶液を加えてスラ
リーを作製し、ドクターブレード法により厚みが約20
0μmのジルコニアグリーンシートを作製した。
【0047】その後、このジルコニアグリーンシートの
測定電極を形成しない領域表面に、アルミナ粉末を含む
スラリーをスクリーン印刷で焼成後に約10μmの厚み
になるように塗布後、白金ペーストを用いて焼成後の厚
みが10μmの発熱体パターンを印刷形成し、再度、発
熱体パターンが埋設されるように上記アルミナのスラリ
ーを塗布し、ジルコニアグリーンシートの表面に発熱体
を埋設したアルミナ絶縁層を形成した。
【0048】そして、ジルコニアグリーンシートのアル
ミナ絶縁層を形成していない電極形成領域に、5モル%
23含有のジルコニア粉末のスラリーを塗布、充填し
た後、その表面に、測定電極として前記電極ペーストを
塗布形成した。
【0049】なお、測定電極および基準電極の厚みは焼
成後に約10μmとなるように調整した。
【0050】次に、上記と同様にして作製した別のジル
コニアグリーンシートの両面に、内側電極、外側電極の
ポンピング電極対およびリード線を形成した後、片方の
電極表面に拡散律速を行う多孔質筒体となる8モル%Y
23含有のジルコニア粉末を厚み30μmとなるように
形成した。多孔質筒体の内径は表1が示す大きさとし
た。なお、内側電極と外側電極は実質的に同じ面積とし
た。また、このあとにガス拡散孔を多孔質筒体の中心と
一致するようにドリルにて開けた。ガス拡散孔の内径は
表1に示す。
【0051】そして、上記のセンサ素体Aの表面に、上
記ヒータ素体Bおよびポンピング素体Cを順次を巻き付
けて円筒状積層体を作製した。なお、巻き付けにあたっ
て素体間の接合には接着材としてアクリル系バインダを
用いた。その後、この円筒状積層体を1500℃、大気
中で2時間焼成して、センサ素子をそれぞれ50個づつ
完成させた。
【0052】作製した空燃比センサ素子の評価は、大気
中800℃でポンピング部の電極間に0.5Vを印加し
て空間内の酸素を大気中に汲み出し、ポンピング電流が
4mA〜5mAを示す素子を良品としてその割合(良品
率)を調べた。
【0053】
【表1】
【0054】表1より、本発明であるガス拡散孔の内径
が拡散律速を担う多孔質筒体の内径より小さい試料N
o.4、5、7、9、10、12、13、15、17で
は良品率が80%を超えることがわかる。これに対し
て、試料No.1、2、3、6、8、11、14、16
ではガス拡散孔の内径が多孔質筒体の内径と同じである
ために、溶射時に溶射粉が多孔質筒体の内壁に付着し、
被測定ガスの導入を妨げ、ポンピング電流が低下し、良
品率が低下した。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の空燃比セン
サ素子によれば、ガス拡散孔の外面側の内径を拡散律速
を担う多孔質筒体の内径よりも小さくすることによって
安定したポンピング電流が得られ、良好な空燃比センサ
素子を歩留まりよく提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空燃比センサ素子の一例を説明するた
めの概略斜視図である。
【図2】図1の空燃比センサ素子におけるX−X縦断面
図である。
【図3】本発明の空燃比センサ素子の製造方法を説明す
るための図であって、センサ素体を作製する工程を示す
図である。
【符号の説明】
1は空燃比センサ素子、2は円筒管、3は基準電極、4
は測定電極、5は空間部 6は発熱体、7はセラミック絶縁層、8は固体電解質
層、9は内側電極、10は外側電極、11はガス拡散
孔、12はリード電極、13は端子電極、16は多孔質
筒体、34はセラミック溶射層をそれぞれ示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質基体の内面および外面の互いに
    対向する位置に基準電極と測定電極からなる電極対を形
    成してなるセンシング部と、前記測定電極の外面に空間
    部を介して配設された固体電解質層と、前記固体電解質
    層に形成されたガス拡散孔と、前記空間部内における前
    記ガス拡散孔の周囲に形成された多孔質筒体と、前記固
    体電解質層の外表面におけるガス拡散孔の周囲に形成さ
    れたセラミック溶射層とを具備してなる空燃比センサ素
    子において、前記ガス拡散孔の外面側の内径が前記多孔
    質筒体の内径よりも小さいことを特徴とする空燃比セン
    サ素子。
  2. 【請求項2】前記ガス拡散孔の外面側の内径が0.2m
    m以上であることを特徴とする請求項1記載の空燃比セ
    ンサ素子。
  3. 【請求項3】前記ガス拡散孔の外面側の内径と、前記多
    孔質筒体の内径との差が0.2mm以上であることを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の空燃比センサ素
    子。
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