JP2003096035A - アルカノールアミンの製造方法 - Google Patents

アルカノールアミンの製造方法

Info

Publication number
JP2003096035A
JP2003096035A JP2001297496A JP2001297496A JP2003096035A JP 2003096035 A JP2003096035 A JP 2003096035A JP 2001297496 A JP2001297496 A JP 2001297496A JP 2001297496 A JP2001297496 A JP 2001297496A JP 2003096035 A JP2003096035 A JP 2003096035A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ammonia
liquid
water
alkanolamine
tower
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001297496A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4163405B2 (ja
Inventor
Koji Takeda
浩治 武田
Shiro Morishita
史朗 森下
Hideaki Tsuneki
英昭 常木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2001297496A priority Critical patent/JP4163405B2/ja
Priority to US09/999,352 priority patent/US6566556B2/en
Publication of JP2003096035A publication Critical patent/JP2003096035A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4163405B2 publication Critical patent/JP4163405B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体触媒を用いて液体アンモニアを原料とす
るジアルカノールアミン選択製造法において、設備費・
用役費を抑えて効率よくアルカノールアミンを製造する
方法を提供する。 【解決手段】 加圧下で反応液から一旦アンモニアの6
0%以上を液体アンモニアとして回収した後、放散・水
吸収を経てアンモニアをアンモニア水として回収するこ
とによって、高価な冷凍機や圧縮機を不要とし、その用
役費も削減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体触媒を用いて
アンモニアとアルキレンオキシドとを反応させてアルカ
ノールアミンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルキレンオキシドをアンモニアでアミ
ノ化してアルカノールアミンを製造する方法としては、
工業的にはエチレンオキシド(C24O)とアンモニア
(NH3)水(20〜40質量%のアンモニア濃度)とを
反応させてエタノールアミンを製造する方法が行われて
いる。エタノールアミンとしては、モノエタノールアミ
ン(NH2CH2CH2−OH)、ジエタノールアミン
(NH(CH2CH2−OH)2)、トリエタノールアミ
ン(N(CH2CH2−OH)3)の3種類の混合物が生
成するが、これらのなかでトリエタノールアミンの需要
が減退しているので、トリエタノールアミンの生成を抑
えることが求められている。そのため、通常、アンモニ
アとエチレンオキシドとのモル比を3〜5程度とアンモ
ニア大過剰にして反応を行うが、それでもトリエタノー
ルアミンの選択率は10〜20質量%ないしはそれ以上
であり、ジエタノールアミンの選択率も40質量%以下
である。本書では、アンモニア水を用いるアルカノール
アミンの製造方法を、アンモニア水法アルカノールアミ
ン製造方法ともいう。
【0003】一方、アンモニア水を用いない、すなわ
ち、水が存在しない系では、アルキレンオキシドとアン
モニアとはほとんど反応しない。したがって、このよう
な反応には、触媒の存在が不可欠であり、イオン交換樹
脂、モレキュラーシーブ、シリカアルミナ、酸活性化粘
土、希土類元素を耐熱性担体に担持した触媒などが提案
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特許3154984号
公報には、トリアルカノールアミンの生成を抑え、ジア
ルカノールアミンを選択的に製造する触媒が開示されて
いる。また、ヨーロッパ公開特許104363号公報お
よび1104752号公報には、反応のスタートアップ
方法、触媒の充填方法、反応装置、触媒の再生方法が開
示されている。しかし、アンモニアの回収系を含むプロ
セスについては何ら記載されていない。
【0005】液体アンモニアとアルキレンオキシドとを
反応させてアルカノールアミンを製造する際に、過剰の
アンモニアを用いるため、未反応のアンモニアを回収す
る必要がある。液体アンモニアとして回収するためには
アンモニア回収塔内を加圧する必要があり、その際、回
収塔のボトム液中のアンモニア濃度は4〜20質量%程
度と高くなってしまう。したがって、ボトム液から一段
の蒸留塔でアンモニアを回収することができない。さら
に、アルカノールアミンの変質を抑えるためには、蒸留
塔のボトム温度はできるだけ低く抑える必要がある。ボ
トム温度は、例えば、300℃以下、さらに好ましくは
250℃以下に抑える必要があり、その条件下でボトム
液からアンモニアを除去するには、蒸留塔内を減圧にす
る必要が生ずる。その際、蒸留塔の塔頂でアンモニアを
回収するためには、冷凍機を用いて非常に低温にする
か、あるいは圧縮機を用いて圧縮して液体アンモニアに
する必要があり、そのため設備が大きくなって建設費が
かさむうえ、用役費もかかるという問題が生じる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
点を解消することを目的とするものであり、アンモニア
回収方法として冷凍機を用いて低温にするか、あるいは
圧縮機を用いて圧縮する代わりに水を吸収剤とする方法
を提案するものである。
【0007】すなわち、固体触媒を用いて液体アンモニ
アとアルキレンオキシドとを反応させてアルカノールア
ミンを製造する際に、次の工程を含むことを特徴とする
アルカノールアミンの製造方法: a)反応器出口のアンモニアおよびアルカノールアミン
を含有する反応液をアンモニア回収塔で該反応液の含有
アンモニアの60質量%以上を液体アンモニアとして、残
分をボトム液として回収する工程、 b)前記ボトム液をアンモニア放散塔へ供給し、アンモ
ニアを放散する工程、および c)前記放散されたアンモニアをアンモニア吸収塔へ導
き、水で吸収してアンモニア水として回収する工程。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に使用される原料のアルキ
レンオキシドは、次の式(1):
【0009】
【化1】
【0010】(ただし、式中、R1,R2,R3およびR4
は各々独立して水素原子、メチル基又はエチル基を表
す。)で表されるアルキレンオキシドが好ましく、エチ
レンオキシド、プロピレンオキシドなどの2〜4個の炭
素原子を有するアルキレンオキシドが例示される。これ
らの原料に対応してアルカノールアミンが得られる。
【0011】アルカノールアミンの具体例として、次の
式(2):
【0012】
【化2】
【0013】(ただし、式中、 R1,R2,R3およびR
4は式(1)と同じである)で表されるモノアルカノー
ルアミン、次の式(3):
【0014】
【化3】
【0015】(ただし、式中、 R1,R2,R3およびR
4は式(1)と同じである)で表されるジアルカノール
アミン;トリアルカノールアミンなどが例示される。
【0016】反応は液体アンモニアとアルキレンオキシ
ドとを原料として、加圧系固定床反応器を用いて行う。
図1は反応器が1基で反応液のリサイクルを行わないア
ルカノールアミン製造プロセスの代表的なフローシート
を示す。図1において、液体アンモニアタンク2から液
体アンモニアを予熱器3を介して反応器4に、アルキレ
ンオキシドタンク1からアルキレンオキシドを反応器4
にそれぞれ供給する。アルキレンオキシドに対するアン
モニアの添加量は、特に制限されるものではないが、ア
ルキレンオキシド1モルに対し、通常、アンモニア2〜
30モルの範囲である。予熱器3の温度は、原料を反応
に先立って熱して反応温度への到達を早めることを目的
とするものであり、通常、20℃〜100℃の範囲が好
ましい。反応は断熱反応である。触媒としてはジアルカ
ノールアミン選択的製造触媒として、希土類を担持した
ゼオライト触媒などの公知の触媒を用いることが好まし
い。反応温度は常温〜200℃、反応圧は8〜15MP
a程度が好ましい。このとき、LHSV(液空間速度)
は、反応温度、触媒の種類や使用量によるが、通常、
0.5〜100hr-1の範囲である。反応器4は固定床
反応器であり、通常、反応液体をアップフローで流す。
【0017】反応器4から出る反応生成物は圧力制御弁
7を経てアンモニア回収塔5に送る。アンモニア回収塔
5において、塔頂から冷却器8にアンモニアを導き、液
体アンモニアとしてタンク6に回収するとともに、ボト
ム液としてアンモニア、アルカノールアミンを混合物と
して得る。この回収工程で、反応液中に含まれるアンモ
ニアの60〜98質量%、好ましくは70〜96質量
%、さらに好ましくは80〜95質量%を液体アンモニ
アとしてタンク6に回収する。この工程でのアンモニア
回収率が低いと、次にアンモニア回収系で吸収回収する
アンモニア量が増大し、アンモニア水が大量に発生す
る。このアンモニア水の用途が十分ある場合はよいが、
後述するように、従来のアンモニア水法アルカノールア
ミン製造工程の原料とする場合は、生産量見合いのアン
モニア水以上が発生することは好ましくないので、でき
るだけ回収することがよい。液体アンモニアを60〜9
8質量%回収することにより、反応液中に含まれるアン
モニア吸収回収工程でアンモニア水となるアンモニア量
が、アンモニア水法アルカノールアミン製造法の原料ア
ンモニア水として過不足なくできるという効果が得られ
る。通常、冷却器8の冷媒には常温の冷却水を用いるた
め、アンモニア回収塔5の操作圧は1〜3MPa程度の
加圧下で操作する。このためアンモニア回収塔5のボト
ムから得られるボトム液中には4〜20質量%程度のア
ンモニアが含まれている。
【0018】図2は反応器を複数設置し、アルキレンオ
キシドを分割供給する例を示すアルカノールアミン製造
プロセスの代表的なフローシートを示す。図1に記載さ
れた方法よりもアルキレンオキシド/アンモニアの比率
を高め、ジアルカノールアミンの生産量を増加させるこ
とができる。アルキレンオキシドの分割比率は目的生成
物の比率によって、適宜選択することができる。例え
ば、分割比率は、質量で、1:1:1である。反応器へは
得られた反応液の一部をリサイクルしてもよい。ジアル
カノールアミン選択性に優れた触媒を用いれば、反応液
をリサイクルすることによって反応器1基でもジアルカ
ノールアミンの生産量を増加させることができる。これ
以外については、図1に記載の方法と同じものを採用で
きる。
【0019】図3は反応液の一部をそのまま反応器へリ
サイクルする例を示すアルカノールアミン製造プロセス
の代表的なフローシートを示す。反応器への反応液のリ
サイクルは、通常、全反応液量の5〜90容量%の範囲
である。ここで、反応液とはアンモニアとアルキレンオ
キシドとの反応で得られる生成物であり、通常、液体ア
ンモニア;モノアルカノールアミン、ジアルカノールア
ミンおよびトリアルカノールアミンの混合物であるアル
カノールアミンを含んでおり、代表例として反応器出口
組成のままのもの、少量のアンモニアを含むアルカノー
ルアミンを挙げることができる。これ以外については、
図1に記載の方法と同じものを採用できる。
【0020】図4は大部分のアンモニアを分離した後の
少量のアンモニアを含む反応液の一部を反応器へリサイ
クルする例を示すアルカノールアミン製造プロセスの代
表的なフローシートを示す。なお、精製したモノアルカ
ノールアミンをリサイクルすることができる。これ以外
については、図1に記載の方法と同じものを採用でき
る。
【0021】図5はアンモニア回収塔のボトム液中に存
在するアンモニアをアンモニア水として回収する方法を
示す模式図である。図5において、アンモニアを含むボ
トム液をアンモニア放散塔301に供給する。アンモニ
ア放散塔301としては、通常、蒸留塔を用いる。この
とき、水を含有する溶液を添加することが好ましい。溶
液としては、水以外にアルカノールアミンが含まれてい
てもよい。アンモニア水法アルカノールアミン製造法の
反応液が好適である。具体的には、図6に記載の反応器
413の出口液が用いられる。溶液中の水の割合は、溶
液100質量部に対し、通常、10〜90質量部の範囲
である。さらに、水を含有する溶液の添加量は、ボトム
液100質量部に対し、通常、10〜80質量部、好ま
しくは20〜70質量部の範囲が望ましい。水を含有す
る溶液を添加することにより、アンモニア放散塔のボト
ム温度を下げ、生成物中のアンモニアをほぼ除去できる
からである。蒸留塔の運転条件は、通常、操作圧力50
〜400kPa、ボトム温度100℃〜250℃の範囲
である。アンモニア放散塔301のボトムからアルカノ
ールアミンを回収するとともに、塔頂からのアンモニア
と水は冷却器303を経てアンモニア吸収塔302に送
る。アンモニア吸収塔302としては、通常、充填塔を
用いる。その運転条件としては、通常、操作圧力50〜
400kPa、ボトム温度20℃〜60℃の範囲であ
る。アンモニア吸収塔302において、塔頂から水をフ
ラッシュしてボトムからアンモニア水を回収する。
【0022】固体触媒を用いるアルカノールアミンの製
造方法では、反応に使われずに生成物中に含まれるアン
モニアは液体アンモニアとして回収することにより、原
料の液体アンモニアとして再利用することができる。生
成物中のアンモニアを液体として回収するためには、通
常、多段階のアンモニア・回収工程が必要となる。例え
ば、アンモニアを含むボトム液を常圧蒸留塔に供給し、
塔頂からアンモニアを得て冷凍機で冷却したブラインを
用いる冷却器によって液化して液体アンモニアを得ると
ともに、ボトムから残留物を得る。得られた残留物を減
圧蒸留塔に供給する。ここで、減圧するために減圧機が
必要である。このように、冷凍機や圧縮機のような高価
な設備が必要である。これに対し、本発明ではボトム液
に含まれるアンモニアをアンモニア水として回収してお
り、冷凍機や圧縮機のような高価な設備を必要とせず、
かつ、それらの用役費もかからず、低コストな方法であ
るといえる。
【0023】アンモニア回収塔のボトム液中のアンモニ
アはアンモニア水として回収される。このアンモニア水
を有効に利用できれば、非常に優れた回収方法となる。
【0024】以下、アルキレンオキシドとしてエチレン
オキシドを例にとって説明するが、本発明はこれに限定
されるものではない。
【0025】従来のアンモニア水を原料とする製造方法
(製法Aとする)において、トリエタノールアミンの生
成を抑えながら、ジエタノールアミンを多く製造するこ
とは不可能である。このため、先に述べたジエタノール
アミン生成の選択性の高い触媒を用い、アンモニア水の
代わりに液体アンモニアを原料とする方法(製法Bとす
る)が提案されているが、製法Aの製造装置をすでに保
有している場合、製法Bの装置を増設する際に本発明の
方法を用いれば、先に述べた製法Bで回収されるアンモ
ニア水は製法Aの原料として用いることができ非常に有
利となる。
【0026】この場合、製法Bのアンモニア回収塔のボ
トム液と、製法Aの反応器からの水を含んだ反応液とを
混合して、製法Aのアンモニア放散塔に供給することが
好ましい。
【0027】図6はアルキレンオキシドとしてエチレン
オキシド(=EO)を用いた本発明のアルカノールアミ
ン製造方法の代表的なフローシートを示す図面である。
【0028】図6の上部ブロックAには図4に記載の方
法を用いたフローを、下部左のブロックBには従来のア
ンモニア水を原料とするプロセスと下部中央のブロック
Cにアンモニア回収系、さらには下部右のブロックDに
エタノールアミン精製系を示す。
【0029】原料液体アンモニアタンク402および回
収液体アンモニアタンク404からからそれぞれ高圧ポ
ンプによって液体アンモニアを、原料予熱器411を経
て反応器412に供給する。一方、エチレンオキシドタ
ンク401から高圧ポンプによってEOを反応器412
に供給する。反応器412は圧力制御弁414によって
8〜15MPa程度に制御されている。制御弁414を
出た反応生成物は、1〜3MPa程度に制御されたアン
モニア回収塔421の中段に送られる。アンモニア回収
塔421の塔頂から出たアンモニアは冷却器(冷媒は通
常の冷却水)415で冷却され、液体アンモニアタンク
404に回収される。一方、アンモニア回収塔412の
ボトム液はエタノールアミン混合物と4〜20質量%の
アンモニアを含んでいる。このボトム液は製法Aのアン
モニア放散塔422へ送られる。このボトム液の一部は
反応器411へ循環使用する。
【0030】一方、従来のアンモニア水を原料とするア
ルカノールアミンを製造する方法は、従来公知の方法で
行うことができる。例えば、アンモニア水タンク403
からアンモニア水が、原料アルキレンオキシドタンク4
01からEOが反応器413へ送られる。使用するアン
モニアとEOとの比率によって、得られるモノ−、ジ
−、トリエタノールアミンの比率が変化するので、目的
に応じて適宜設定することができる。例えば、EOの1
モルに対し、〜40モルまでのアンモニアが例示でき
る。反応は、通常、常圧〜16MPaの圧力で、反応温
度は常温〜150℃の範囲で、多管式反応器で行われ
る。アンモニア/水/エタノールアミンを含む反応液
は、前記アンモニア回収塔421のボトム液とともに、
アンモニア放散塔422の中段へ送られる。アンモニア
放散塔422の塔頂からは水とアンモニアが放散され、
アンモニア吸収塔423の中段へ送られ、水で吸収回収
されて、このアンモニア水は反応原料として用いられ
る。一方、アンモニア放散塔422のボトム液には水と
エタノールアミンが含まれる。
【0031】アンモニア放散塔422のボトム液は脱水
塔424に供給し、塔頂から水を除去し、他方ボトム液
をモノエタノールアミン(MEA)精製塔425、ジエ
タノールアミン(DEA)精製塔426、トリエタノー
ルアミン(TEA)精製塔427へと順じ送り、それぞ
れの製品を得る。なお、エタノールアミン混合物はそれ
ぞれ公知の減圧蒸留塔を用いて分離することが好まし
い。
【0032】図6において、ブロックAの場所で図4に
記載の方法の代わりに、図1、図2又は図3に記載の方
法も上記同様に採用することができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0034】(実施例1)図6に記載のアルカノールア
ミンの製造方法に準じて、下記のように、エタノールア
ミンを製造した。
【0035】内容積7Lの反応器412(ステンレス鋼
製、内径67mm、長さ2m)にランタン担持ZSM−
5ゼオライトビーズ(Si/Al原子比=28、La担
持量:1質量%、ビーズ径0.7〜1.0mm)6Lを
充填した。
【0036】一方、反応器412の上流側に、電気ヒー
タを設置した管状予熱器411(予熱部の内径200m
m、長さ1m、直径5mmの充填物)を設け、予熱部を
電気ヒータで加熱した。
【0037】次に、上記予熱器411に、高圧ポンプを
用いて、液体アンモニアとエタノールアミン(反応初期
は反応器出口想定組成の模擬液、定常状態ではアンモニ
ア回収塔421のボトム液)を一定速度で連続的に送り
込んだ。これにより、アンモニア原料タンク402内の
アンモニアと、EO原料タンク401内のEOとを混合
・加熱し、反応器412に供給した。反応器412は、
保温のため図示しない加熱器(電気ヒータ)でわずかに
加熱し、放熱で失われる熱量を供給することで、実質的
に断熱状態とした。反応圧を12MPaに制御した。そ
して、EOとアンモニアとを連続的に反応させた。
【0038】入口温度は40℃、反応圧は反応器出口の
制御弁で10MPaに一定に制御した。反応器出口で触
媒層の温度は150℃となっていた。反応器412出口
にはアンモニア回収塔421を設け、圧力2MPaで運
転し、大部分のアンモニアを分離し、容器404に蓄え
た。
【0039】定常状態の原料流量は、アンモニア回収塔
421のボトム液を3.14kg/hrで、リサイクル
アンモニアとフレッシュなアンモニアを合計6.4kg
/hrで、EOは2.36kg/hrの速度で反応器4
12へ送り込んだ。この反応液のエタノールアミン組成
は、MEA/DEA/TEAの質量比で32.9/5
6.7/10.5であった。
【0040】アンモニア回収塔421のボトム液は、循
環量と同じ3.14kg/hrをアンモニア放散塔42
2へ送る。ボトム液のアンモニア含有量は7質量%であ
り、アンモニア回収塔421で反応液中のアンモニアの
93%は液体アンモニアとして回収され、タンク404
に貯蔵された。
【0041】アンモニア放散塔422へは、前記ボトム
液とともに、アンモニア水を原料とする従来法で製造し
た反応液も送られる。ここでは、模擬液として質量比で
MEA/DEA/TEA/NH3/H2O=12/11/
8/23/46の溶液を3.55kg/hrで送り込ん
だ。アンモニア放散塔422は操作圧力0.2MPa、
ボトム温度150℃で操作し、塔頂から水とアンモニア
を放散させた。ボトム組成は質量比でMEA/DEA/
TEA/H2O=30/40/14/16であった。塔
頂から放散させた水とアンモニアは冷却水で冷却後、ア
ンモニア吸収塔423へ導入した。操作圧は0.2MP
a、ボトム温度40℃、塔頂から供給する水は0.5k
g/hrで運転して、アンモニアをアンモニア水として
回収した。このアンモニア水は従来のアンモニア水法の
原料として使用する。
【0042】このように、液体アンモニアを原料とする
アルカノールアミンの製造方法において、回収されたア
ンモニア水は製法Aにおいて、有効に活用することがで
きた。
【0043】(実施例2)実施例1において、ブロック
Aの方法を図2に記載の複数の反応器を有する系に変更
した。実際の操作は反応器を3基用いず、1基の反応器
で模擬的に3基の反応器に相当する反応を行う。用いた
触媒及び反応器は実施例1と同じである。反応のリサイ
クルは行わない。温度、圧力は同じとした。
【0044】1基目:原料流量は、リサイクルアンモニ
アとフレッシュなアンモニアを合計8kg/hrで、E
Oは2kg/hrの速度で反応器へ送り込んだ。得られ
た反応液のエタノールアミン組成は、MEA/DEA/
TEAの質量比で61.5/37.0/1.5であっ
た。
【0045】2基目:1基目の反応液にEOを追加する
ことになる。エタノールアミンを1基目の出口組成と同
じくした模擬液を準備し、リサイクルアンモニアとフレ
ッシュなアンモニアを合計7.4kg、EOは2kg/
hr、エタノールアミン2.6kg/hrの速度で反応
器へ送り込んだ。この反応液のエタノールアミン組成
は、MEA/DEA/TEAの質量比で44.2/5
1.8/4.0であった。
【0046】3基目:2基目の反応液にEOを追加する
ことになる。エタノールアミンを2基目の出口組成と同
じくした模擬液を準備し、リサイクルアンモニアとフレ
ッシュなアンモニアを合計6.93kg/hr、EOは
2kg/hr、エタノールアミン5.1kg/hrの速
度で反応器へ送り込んだ。この反応液のエタノールアミ
ン組成は、MEA/DEA/TEAの質量比で33.8
/59.4/6.8であった。
【0047】アンモニア回収塔のボトム液は7.48k
g/hrをアンモニア放散塔422へ送る。アンモニア
含有量は7.1質量%であり、アンモニア回収塔で反応
液のアンモニアの91%が回収された。
【0048】アンモニア放散塔422へはアンモニア水
を原料とする従来法で製造した反応液も送り、混合され
る。ここでは、模擬液として質量比でMEA/DEA/
TEA/NH3/H2O=12/11/8/23/46の
溶液を9.58kg/hrの速度で送り込んだ。アンモ
ニア放散塔422は操作圧力0.2MPa、ボトム温度
150℃で操作し、塔頂から水とアンモニアを放散させ
た。ボトム組成は質量比でMEA/DEA/TEA/H
2O=35.6/38.8/9.6/16となる。塔頂
から放散させた水とアンモニアは冷却水で冷却後アンモ
ニア吸収塔423へ導入する。操作圧は0.2MPa、
ボトム温度40℃、塔頂から供給する水は1.5kg/
hrで運転して、アンモニアをアンモニア水として回収
した。このアンモニア水は従来の原料として使用する。
【0049】
【発明の効果】液体アンモニアとアルキレンオキシドと
を反応させてアルカノールアミンを製造する際に、アン
モニアを含む反応液、例えば4〜20質量%含む反応液か
らアンモニア除去/回収する工程の冷凍機や圧縮機とい
った高価な設備を必要とせず、かつ、それらの用役費も
節減することができ、安価に効率よくアルカノールアミ
ンを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、反応器を1基とするアルカノールアミン製
造プロセスの概略フローシートである。
【図2】は、反応器を3基とするアルカノールアミン製
造プロセスの概略フローシートである。
【図3】は、反応器を1基とし、反応液をリサイクルす
るアルカノールアミン製造プロセスの概略フローシート
である。
【図4】は、反応器を1基とし、アンモニアを一部分離
した反応液をリサイクルするアルカノールアミン製造プ
ロセスの概略フローシートである。
【図5】は、本発明におけるアンモニア回収系の一例を
示すフローシートである。
【図6】は、本発明によるアルカノールアミン製造プロ
セスの一例を示す全体フローシートである。
【符号の説明】
1,11,21,31、401…原料アルキレンオキシ
ドタンク 2、12,22,32、402…原料アンモニアタンク 6、16,26,36、404…回収液体アンモニアタ
ンク 3,13,23,33、411…原料予熱器 4,14abc、24,34、412…反応器 7、17,27,37、414…制御弁 5,15,25,35、421アンモニア回収塔 301,422…アンモニア放散塔 302、423…アンモニア吸収塔 403…アンモニア水タンク 413…アンモニア水法反応器 8、18,28,38、303、415,416…冷却
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 常木 英昭 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AA04 AC41 AC52 AD18 BA08 BA71 BC40 BD31 BD40 BD51 BD84 BE14 DA12 DA35 4H039 CA60 CA71 CH70

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体触媒を用いて液体アンモニアとアル
    キレンオキシドとを反応させてアルカノールアミンを製
    造する際に、次の工程を含むことを特徴とするアルカノ
    ールアミンの製造方法:a)反応器出口のアンモニアお
    よびアルカノールアミンを含有する反応液をアン モニア回収塔で該反応液の含有アンモニアの60質量%以
    上を液体アンモニアとして、残分をボトム液として回収
    する工程、 b)前記ボトム液をアンモニア放散塔へ供給し、アンモ
    ニアを放散する工程、および c)前記放散されたアンモニアをアンモニア吸収塔へ導
    き、水で吸収してアンモニア水として回収する工程。
  2. 【請求項2】 前記ボトム液をアンモニア放散塔へ供給
    する際に、水を含有する溶液を添加することを特徴とす
    る請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記回収アンモニア水をアンモニア水法
    アルカノールアミン製造装置の供給原料とすることを特
    徴とする請求項1または2記載の方法。
JP2001297496A 2000-12-19 2001-09-27 アルカノールアミンの製造方法 Expired - Fee Related JP4163405B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001297496A JP4163405B2 (ja) 2001-09-27 2001-09-27 アルカノールアミンの製造方法
US09/999,352 US6566556B2 (en) 2000-12-19 2001-11-15 Method for production of alkanolamine and apparatus therefor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001297496A JP4163405B2 (ja) 2001-09-27 2001-09-27 アルカノールアミンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003096035A true JP2003096035A (ja) 2003-04-03
JP4163405B2 JP4163405B2 (ja) 2008-10-08

Family

ID=19118564

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001297496A Expired - Fee Related JP4163405B2 (ja) 2000-12-19 2001-09-27 アルカノールアミンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4163405B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107367802A (zh) * 2016-05-13 2017-11-21 Ntt电子股份有限公司 光模块
CN112961062A (zh) * 2014-04-04 2021-06-15 沙特基础工业全球技术有限公司 最小化乙醇胺产物流股中的水含量

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112961062A (zh) * 2014-04-04 2021-06-15 沙特基础工业全球技术有限公司 最小化乙醇胺产物流股中的水含量
CN107367802A (zh) * 2016-05-13 2017-11-21 Ntt电子股份有限公司 光模块
CN107367802B (zh) * 2016-05-13 2019-10-11 Ntt电子股份有限公司 光模块
US10649147B2 (en) 2016-05-13 2020-05-12 Ntt Electronics Corporation Optical module

Also Published As

Publication number Publication date
JP4163405B2 (ja) 2008-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102239134B (zh) 由环氧乙烷和氨制造乙醇胺类和1,2-亚乙基胺类的方法及相关方法
KR100612922B1 (ko) 4-아미노 디페닐아민의 제조방법
CN103408428B (zh) 一种由工业合成气生产碳酸二甲酯的工艺
JP2001199913A (ja) エチレングリコールと炭酸エステルの併産方法
CN108033875B (zh) 一种连续生产二元醇醚的***及其方法
CN101434569B (zh) 一种由环己酮肟制备己内酰胺的方法及设备
CN101781219B (zh) 一种连续生产n-甲基二乙醇胺的方法
CN101830812A (zh) 一种连续化生产n-甲基单乙醇胺的工艺方法
EA033625B1 (ru) Производство карбамида с контролируемым содержанием биурета
CN1073434A (zh) 从1,3-丁二烯氧化流出物中回收3,4-环氧-1-丁烯
CN105330542A (zh) 草酸二甲酯的生产方法
KR20050004143A (ko) 4-아미노 디페닐아민의 제조방법
US6566556B2 (en) Method for production of alkanolamine and apparatus therefor
JP2004091484A (ja) シュウ酸ジアルキルの製法
JP4163405B2 (ja) アルカノールアミンの製造方法
JPH03133941A (ja) イソプロパノールの製造方法及び装置
CN102964246A (zh) 草酸二烷基酯或/和碳酸二烷基酯的制造方法及制造装置
JP4175166B2 (ja) 炭酸ジアルキルの製造方法
JP3975256B2 (ja) ジメチルカーボネートの製造方法
EP1219592A1 (en) Method for production of alkanolamine and apparatus therefor
JP3960525B2 (ja) ジメチルカーボネート及びエチレングリコールの製造方法
JP2022534527A (ja) ステップ円錐形の反応器を用いたジアルキルエーテル合成の強化方法
JPH11323357A (ja) 反応帯域に組み合わされる安定化蒸留物の抜き出しを含む蒸留帯域内での処理による炭化水素転換方法およびベンゼンの水素化におけるその使用法
CN104709907A (zh) 高浓度co气体中选择性脱除少量h2工艺及***
KR100566450B1 (ko) 방향족 아민의 연속 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040701

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080701

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080724

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130801

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees