JP2003093328A - 内視鏡挿入方向検出方法及び内視鏡挿入方向検出装置 - Google Patents
内視鏡挿入方向検出方法及び内視鏡挿入方向検出装置Info
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Abstract
も挿入方向を検出する。 【解決手段】 ステップS1で入力される内視鏡画像の
RGB画像の中で、R画像を取得する。ステップS2で
R画像上にM個(Mは1以上の整数)のサンプリング画
素を設定する。ステップS3で各サンプリング画素の明
暗勾配方向を得るための勾配ベクトルの算出を行う。ス
テップS4で管腔方向検出を行う。ステップS5で得ら
れた管腔方向に対応する方向を挿入方向として矢印情報
を画像に重畳し、表示装置に表示の上、ステップS1に
戻り次のフレームに対し一連の処理を繰り返す。
Description
出方法及び挿入方向検出装置に係り、特に医療分野にお
ける大腸及び工業分野におけるパイプ配管のように管腔
構造を有する対象の観察及び検査に対する内視鏡挿入方
向検出方法及び内視鏡挿入方向検出装置に関する。
入部を挿入することにより、体腔内臓器を観察したり、
必要に応じチャンネル内に挿通した処置具を用いて各種
治療処置のできる医療用内視鏡が広く利用されている。
また、工業分野においても建造物の配管等の内部腐食状
態の観察等に工業用内視鏡が用いられている。
おいては、操作者である医師や技術者が内視鏡象を観察
しながら、進行方向を判断している。
難易度が高く、非常に熟練を要するものとなっている
が、その原因としては大腸の形状の複雑さ、管腔の狭
さ、さらにはそれらの個人差があげられる。また、挿入
は確実かつ慎重に行う必要があるため、経験の浅い医師
には非常に負担がかかるものとなっている。
に向けて行われるが、常に内視鏡装置の視野内に管腔方
向が存在しているとは限らず、大腸の屈曲する部位(シ
グモイド、肝湾曲、牌湾曲等)や腸壁・襞(ひだ、fo
ld)に対する近接時等においては、操作者である医師
の経験及び知識に基づき挿入方向を判断する必要があ
る。
検査経験を積み、様々な判断要素を用いて挿入方向を決
定して行く。
ていない医師にとってはどのような情報を用いてどのよ
うに判断するかという知識や経験が乏しく、管腔を再度
視野にとらえるために内視鏡を引き戻す操作等が必要と
なり、検査時間の遅延や患者の苦痛等が発生する原因と
なっていた。
も、配管を構成するパイプの複雑な屈曲等の理由によ
り、挿入における操作者への負担が大きくなっていた。
10384及び特許2680111が開示されている
が、これらは画像視野内に存在する管腔を検出すること
を主眼としたものであり、視野内から管腔が外れた場合
等において挿入方向を検出するという効果は得られなか
った。
あり、第1の目的は画像視野内から管腔が外れた場合等
においても挿入方向を検出することのできる内視鏡挿入
方向検出方法の提供である。
基づき操作者に挿入方向情報を提示することによりスム
ーズな内視鏡検査を実現することのできる内視鏡挿入方
向検出装置の提供である。
ける粘膜表面の過近接時等、挿入方向検出が困難となっ
た場合に操作者に適切な操作を促すことのできる内視鏡
挿入方向検出方法の提供である。
の内視鏡挿入方向検出方法は、内視鏡画像を入力する第
1のステップと、前記内視鏡画像における明暗変化の方
向を検出する第2のステップと、前記検出結果に基づき
内視鏡の挿入方向に関する情報を生成する第3のステッ
プとを備えて構成される。
検出方法は、内視鏡の挿入方向の候補となる挿入侯補方
向を設定する第1のステップと、内視鏡画像を入力する
第2のステップと、前記内視鏡画像における明暗変化の
方向を検出する第3のステップと、前記複数の挿入候補
方向及び前記明暗変化の方向の類似性を評価する第4の
ステップと、前記評価結果に基づき内視鏡の挿入方向を
決定する第5のステップとを備えて構成される。
検出方法は、内視鏡画像を入力する第1のステップと、
前記内視鏡画像において高い濃度値を有する画素を抽出
する第2のステップと、前記抽出画素の分布の状態を近
似する近似式を生成する第3のステップと、前記近似結
果に基づき内視鏡の挿入方向を決定する第4のステップ
とを備えて構成される。
向検出方法は、内視鏡画像を入力する第1のステップ
と、前記内視鏡画像において高い濃度値を有する画素を
抽出する第2のステップと、前記抽出画素の組み合せに
基づく方向を生成する第3のステップと、前記生成され
た方向に基づき内視鏡の挿入方向を決定する第4のステ
ップとを備えて構成される。
向検出方法は、内視鏡画像を入力する第1のステップ
と、前記内視鏡画像において高い画素値を有する画素を
抽出する第2のステップと、前記抽出画素の分布の状態
を近似する近似式を生成する第3のステップと、前記抽
出画素の分布の状態と前記近似結果との差異を評価する
第4のステップと、前記抽出画素の分布の状態に基づき
内視鏡の挿入方向を決定する第5のステップと、前記決
定された挿入方向に関する情報を生成する第6のステッ
プとからなる内視鏡挿入方向検出方法であって、前記近
似結果との差異の評価において近似結果が十分でない場
合においては前記挿入方向の決定または前記情報の生成
の少なくともいずれかを行わないように構成される。
向検出方法は、内視鏡画像を時系列的に入力する第1の
ステップと、前記時系列的に入力された複数の内視鏡画
像間における動き方向を検出する第2のステップと、前
記第1の検出ステップの検出結果に基づき内視鏡挿入方
向を決定する第3のステップとを備えて構成される。
向検出方法は、内視鏡画像を入力する第1のステップ
と、前記内視鏡画像に基づき内視鏡の挿入方向を検出す
る第2のステップと前記検出された挿入方向に関する情
報を生成する第3のステップと備え、前記挿入方向を検
出するための検出アルゴリズムを複数備えるとともに、
前記内視鏡画像に応じて前記検出アルゴリズムを選択適
用するように構成される。
向検出装置は、内視鏡画像を入力する内視鏡画像入力手
段と、前記内視鏡画像から内視鏡の挿入方向を検出する
ための複数の検出アルゴリズムを備える挿入方向検出手
段と、前記検出された挿入方向に基づく挿入補助情報を
生成する挿入補助情報生成手段とを備えた内視鏡挿入方
向検出装置であって、前記挿入方向検出手段が適用する
検出アルゴリズムを前記内視鏡画像に基づき変更する検
出アルゴリズム変更手段を備えて構成される。
向検出方法は、内視鏡画像を入力する第1のステップ
と、前記内視鏡画像から前記内視鏡が観察対象に対し過
近接状態にあることを検出する第2のステップと、前記
検出結果に基づき内視鏡操作に関する情報を生成する第
3のステップとを備えて構成される。
の実施の形態について述べる。
入に対する挿入方向の検出に関して説明するが、工業分
野における配管等、管状の挿入対象に対して同様の処理
を適用することが可能である。一般にパイプ等は体腔内
臓器である大腸に比べ、剛性体であること、拍動等によ
る対象の動きがないことから挿入方向の検出における条
件は緩いため、良好な効果を得ることができる。
おいては挿入方向の検出に基づく操作者への内視鏡挿入
補助情報提示を主な目的としているが、内視鏡操作の自
動化との組み合わせによる自動挿入への応用が当然可能
である。この場合は検出した挿入方向に進行するように
内視鏡自動操作を制御する。
発明の第1の実施の形態に係わり、図1は内視鏡装置の
全体構成を示す構成図、図2は図1の内視鏡の挿入を説
明するための説明図、図3は図1の挿入方向検出装置の
構成を示す構成図、図4は図3の挿入方向検出装置の表
示装置における挿入方向の表示を説明する図、図5は図
3の挿入方向検出装置における挿入方向判断対象となる
内視鏡像の例を示す第1の説明図、図6は図3の挿入方
向検出装置における挿入方向判断対象となる内視鏡像の
例を示す第2の説明図、図7は図1の内視鏡の挿入状態
を説明する図、図8は図3の挿入方向検出装置における
挿入方向検出処理を説明するためのフローチャート、図
9は図8の処理での管腔方向検出におけるサンプリング
画素の設定を説明するための説明図、図10は図8の処
理での勾配ベクトル算出のための空間微分処理を説明す
る図、図11は図8の処理での勾配ベクトルに基づく管
腔方向検出を説明するための第1の説明図、図12は図
8の処理での勾配ベクトルに基づく管腔方向検出を説明
するための第2の説明図、図13は図8の処理でのサン
プリング画素の他の設定を説明するための説明図、図1
4は図8の処理における領域分割を用いた処理を説明す
る図、図15は図8の処理における画像最外周を管腔方
向と関連付けるための分割を説明するための説明図、図
16は図8の処理におけるベクトルの射影に関する説明
図である。
像視野内から管腔が外れた場合等において明暗の勾配方
向に基づき管腔方向を決定する挿入方向検出手法と、該
手法による処理結果に基づき操作者に挿入方向情報を提
示することによりスムーズな内視鏡検査を実現すること
が可能となる挿入方向検出装置について説明する。
ける内視鏡装置について説明する。図1において、本実
施の形態の内視鏡装置は、内視鏡1と、制御装置6と、
観察用モニタ9と、挿入方向を検出及び表示する挿入方
向検出装置12と、A/D変換器11を備えている。
挿入部3とを備えるとともに、挿入部3の先端に図示し
ない固体撮像素子(CCD)及び照射光を発するライト
ガイド端を備え、ライトガイド制御装置8とコネクタ5
を介して接続される。
イバと映像信号及び各種制御情報を送受信するためのユ
ニバーサルコード4とを備えており、挿入部3を大腸1
3に挿入することで体腔内の画像情報を得る。
射光を発生するための光源部7と、内視鏡1から入力さ
れる映像信号に対する信号処理を行うための映像信号処
理回路8とを備えている。
像情報は、アナログRGB信号として観察モニタ9に入
力されるとともに、A/D変換機11を介してディジタ
ル化され、挿入方向検出装置12に入力される。
て、大腸検査を例に説明する。内視鏡1による大腸検査
では、図2に示すように、内視鏡1の細長で可僥性を有
する挿入部3を大腸13に挿入することにより、体腔内
の観察を行うようになっている。挿入においては、操作
者である医師は操作部2に備えられた図示しないアング
ルノブ(挿入部3に内蔵されたワイヤ等を介し内視鏡先
端を上下・左右に湾曲させるための操作部)による先端
の湾曲操作、挿入部3の押し引き及び捻り等の手技を駆
使し、肛門から最深部である回盲部(小腸と大腸の連結
する部位)までの観察を行う。
挿入方向検出装置12の構成について説明する。
は、A/D変換器11より入力されるRGB画像信号に
対し挿入方向検出に関わる一連の処理を実行するための
コンピュータ20と、挿入方向検出結果を表示するため
の表示装置21とを備えている。
を行うためのメインプログラム26を記憶した記憶装置
25と、メインプログラム26を用いた挿入方向検出処
理を実行するためのCPU(中央処理装置)23及びメ
インメモリ24と、A/D変換器11及び記憶装置25
及び表示装置21とCPU23との間での各入出力を制
御するためのI/O制御回路22とを備えている。
おける挿入方向検出にともなう一連の処理を実行するプ
ログラムであるとともに、I/O制御回路22に対する
A/D変換器11からの画像信号の取得要求、表示装置
21への挿入方向検出処理結果表示要求等を行うように
なっている。
像はA/D変換器11によりRGB各プレーンが0から
255の値をとる8bitに量子化され、その画像サイ
ズは水平及び垂直方向に対して各々ISX及びISYである
ものとする。また、以降の説明においては、内視鏡画像
を構成する画素の位置について画像左上端点を(0、
0)、右下端点を (ISX-1、ISY-1)とした座標系に
基づき表示する。
1における挿入方向検出結果表示例について説明する。
伸びている方向に向けて内視鏡を挿入する。このような
場合、常に画像の視野内に管腔を捉えながら、確実かつ
安全に挿入して行く必要がある。しかしながら、後述す
る様々な理由により視野内から管腔が外れることが多々
あり、また、経験の浅い医師にはどの方向に管腔が存在
するかを判断することが困難にである状況が頻繁に発生
する。このような場合、視野内に管腔が入るよう一度内
視鏡1を後退(引き抜く操作:以下、PullBack
操作と称する)させる必要があり、検査時間の遅延等の
原因となっている。
2は、内視鏡画像中に明確な管腔が存在しない場合にお
いて挿入方向を画像処理手法の適用により検出し、検査
を行う医師に対して挿入方向情報を提示することで、ス
ムーズな内視鏡検査を実現する。
すように、内視鏡画像上に45°ごとの8方向のいずれ
かの矢印を重畳表示する。内視鏡検査を実施する医師は
重畳された矢印の方向に内視鏡が進むように、アングル
操作、押し引き、捻じり等の操作を行うことにより管腔
を視野内に捉えることが可能となる。
上、挿入方向を8方向のいずれかとするが、22.5°
ごとの16方向等より細分化して表示することも可能で
あり、検査を実施する医師の熟練度や必要に応じて適宜
設定することができる。
手法について説明する。
く、非常に熟練を要するものとなっているが、その原因
としては大腸の形状の複雑さ、管腔の狭さ、さらにはそ
れらの個人差があげられる。また、挿入は確実かつ慎重
に行う必要があるため、経験の浅い医師には非常に負担
がかかるものとなっている。内視鏡の挿入は基本的に管
腔の伸びる方向に向けて行われるが、常に内視鏡装置の
視野内に管腔方向が存在しているとは限らず、大腸の屈
曲する部位(シグモイド、肝湾曲、牌湾曲等)や腸壁・
襞(ひだ、fold)に対する内視鏡の過接近等におい
ては操作者である医師の経験及び知識に基づき挿入方向
を判断する必要がある。このような条件下において、医
師は多くの検査経験を積み、様々な判断要素を用いて挿
入方向を決定して行く。
おいては、視野内に存在する明瞭な管腔から、直進方向
に挿入を継続するものと判断できる。一方、図6に示す
内視鏡像においては、視野内に管腔は存在しないため何
らかの情報に基づき挿入方向、すなわち管腔の存在する
方向を判断することとなる。
ない場合等において挿入方向を決定するための技術とし
て、明暗勾配(Gradientと呼ばれる)方向を用
いた方向検出方法について説明する。
の判断要素の一つとして、画像中の明暗変化方向があげ
られる。例えば大腸13と内視鏡の挿入部3の先端との
位置関係が図7のような場合、内視鏡先端に近い位置か
ら遠くなる位置にかけて大域的な明暗の変化が生ずる。
挿入方向は内視鏡先端から遠い方向となることより、画
像中の明部から暗部への変化方向の検知に基づき、挿入
方向を検出することが可能となる。
る一連の処理の流れを示す。ここではA/D変換器11
を経由して入力される内視鏡画像信号の各フレームに対
して処理を適用する。
内視鏡画像のRGB画像の中で、R画像を取得する。本
実施の形態においてはR画像を用いた処理について説明
するが、G、B画像あるいは輝度画像(=0.3R+
0.6G+0.1B)等を用いて同様の処理を適用する
ことも可能である。
個(Mは1以上の整数)のサンプリング画素を設定す
る。サンプリング画素は画像全体をサンプルするように
定める。サンプリング画素の設定例を図9に示す。
画素の明暗勾配方向を得るための勾配ベクトルの算出を
行う。本実施の形態においては、勾配ベクトルの算出手
法として空間微分処理を使用する。図10は空間微分処
理を用いた勾配ベクトル算出方法を説明するための説明
図である。
素Pを中心とする大きさN×N(図10ではN=5)の
近傍画素を抽出し、その水平、垂直及び対角方向端に位
置する画素をA、B、C、D、E、F、G、Hとする。
これらの画素の値より、水平及び水平方向の各空間微分
値SX及びSYを、以下のように求める。
E、F、G、Hは各画素の濃度値を表すものとする。
ルV(下線はVがベクトルであることを表す)は
は以下のように算出することができる。
画素についてVi(i=1、2、…、M)として算出す
る。
検出を行う。本実施の形態における管腔方向検出の処理
内容について、図11及び12を用いて説明する。
像外周上の点をQk(k=1、2、…、8)とし、画像
サイズISX×ISYに対する各々の座標を図11のように
定める。Qkの座標を(qx、qy)、サンプリング画素
Piの座標を(px、py)とすると、QkとPiとを結ぶ
ベクトルQkは
向に存在することから、サンプリング画素Piの明暗勾
配Viの逆方向ベクトルV’θi(式(5)により算出さ
れる勾配方向は暗から明の方向を表すので反転させる)
に最も近いQkが管腔方向となる。
いて式(7)より求める。ここでφikはV’θiとQkの
なす角である。
の大きさを示す。
り、点Qkの方向に管腔が存在する場合、すなわち勾配
方向がQkの方向に近い場合0に近づく(単位は”
度”)。
についてφikを算出し、以下の誤差評価値を最小とする
kを求めることにより、明暗勾配が明から暗に変化する
最も確実な方向を得ることができる。
方向を挿入方向として、図4に示した矢印情報を画像に
重畳し、表示装置21に表示の上、ステップS1に戻り
次のフレームに対し一連の処理を繰り返す。
した近傍領域の大きさを決定するNについてN=5とし
たが、より大きな値(例えばN=17等)を用いて大域
的な明暗勾配を検出することも可能である。さらに、各
サンプル画素からの勾配ベクトル算出に先立ち、前処理
として低減通過フィルタリング(いわゆるぼけマスク)
を適用することにより、ノイズや血管等の粘膜構造によ
る影響を除外し、挿入方向検出精度の向上を図ることが
できる。
たなす角φikの大きさの総和を用いたが、φikに関する
他の関数に置きかえることは当熱可能である。
勾配ベクトル算出のための近傍画素A〜Hに対し、ハレ
ーションによる影響を除去し、誤検出の防止を図るため
の閏値処理を行うこともできる。具体的には、A〜H及
びPを含む大きさN×Nの局所領域に含まれる各画素に
対し、閏値THL(例えばTHL=250とする)との
比較を行い、いずれかの画素がTHLを超えるようであ
ればサンプル画素Pの位置を変更する、あるいは挿入方
向検出に使用しないようにする。
明暗勾配がないことを示すので、挿入方向検出には使用
しないようにする。具体的には該当するViについて、
式(7)に代えて、すべてのkに対しφikをφi1=φi2
=・・・=φiK=0とすればよい(大きさ|Vi|=0
のサンプリング画素は式(8)の結果に寄与しなくな
る)。
においては明暗変化の勾配ベクトルVの方向(角度)V
θを用いたが、内視鏡画像においては明暗変化の大きさ
が大きい方向に管腔が存在する確率が高いことから、さ
らに大きさ|V|の利用を図ることができる。具体的に
は、M個のサンプリング画索について算出したVi(1
≦i≦M)について、大きさの最大値max|Vi|を
求める。次いで、すべてのViに対し
えるi番目の勾配ベクトルViについてαi=1となり、
その他(ただし、|Vi|≠0)では0<αi≦1の値を
とる。αiを重み係数として利用するため式(8)を
に示すように画像全体に均等に設定する例について説明
したが、例えば図13に示すように、画像中央部付近を
除き、管腔方向に向かう明暗変化情報をより多く含む画
像周辺部のみに設定してもよい。
割し、各領域に対応する方向について以下の処理に基づ
き挿入方向を検出してもよい。図14においては画像周
辺部の分割領域にサンプリング画素を設定する。これら
の分割領域は、図11及び図15の設定に基づき、1つ
の領域が1つの方向に対応している(画像中央部は除
く)。
垂直方向の長さの3等分割に基づき設定される画像最外
周上の点であり、U1−U3、U1−U2、U2−U4、U3
−U5、U4−U6、U5−U7、U7−U8及びU6−U8の
組み合せにより決定される最外周上の区間が、それぞれ
図11におけるQ1、Q2、・・・、Q7及びQ8の示す各
方向と対応する。
化の大きさが最大の領域を検出し、対応する方向を挿入
方向と決定する。具体的には領域k(1≦k≦K)内の
Mk個のサンプリング画素について、方向ベクトルの各
領域kに対応する点Qkに向かう方向への射影の大きさ
(図16に例を示す)の総和
のξ(k)を与えるkに対応する方向を挿入方向とす
る。
の形態における挿入方向検出手法と、該手法による処理
結果に基づき操作者に挿入方向情報を提示する挿入方向
検出装置によれば、内視鏡検査に熟練していない操作者
に対する挿入補助情報の提供が可能となり、スムーズな
内視鏡検査を実現することが可能となる。
本発明の第2の実施の形態に係わり、図17は円弧形状
を有するハレーションを説明する図、図18は図17の
ハレーションに対応した挿入方向検出処理を説明するた
めのフローチャート、図19は図18の処理での細線化
処理を説明する図、図20は図18の処理でのサンプリ
ングを説明する図、図21は図18の処理でのハレーシ
ョンの形状に対する円弧近似を説明するための説明図、
図22は図18の処理での近似のための円弧中心の探索
範囲を説明するための説明図、図23は図18の処理で
の管腔方向の決定方法を説明するための説明図、図24
は図18の処理での膨張処理を説明する図、図25は図
18の処理でのハレーションが複数存在する場合の処理
内容を説明するための説明図である。
ほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の
構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
像視野内から管腔が外れた場合等において、粘膜表面等
の反射により発生するハレーションの形状特徴を用いて
管腔方向を決定する挿入方向検出手法と、該手法による
処理結果に基づき操作者に挿入方向情報を提示すること
によりスムーズな内視鏡検査を実現することが可能とな
る挿入方向検出装置について説明する。
した粘膜表面等の強い鏡面反射により、CCDからの出
力信号が飽和あるいは周辺に比して明らかに大となる現
象が発生し、一般にハレーションとして知られている。
管腔形状を有する大腸等に対する内視鏡観察像において
は、このようなハレーションが円弧の形状を形成する場
合がある。
は、図17のような円弧状のハレーションが発生する。
熟練した医師は、円弧の中心方向が管腔方向と一致する
ことから、円弧状ハレーションを挿入の補助情報として
利用しており、図17の例においては画像視野の右方向
に挿入を進める。
適用により、画像内に発生したハレーションが円弧形状
を形成しているかどうかを判定し、形成している場合に
は円弧の中心方向を推定し、挿入方向情報とする。
方向検出装置の構成は第1の実施の形態と同様であり、
メインプログラム26の内容が異なるものであるため、
メインプログラム26において実行する画像処理内容の
詳細について説明する。
26における挿入方向検出処理を説明するためのフロー
チヤートである。ステップS11において、第1の実施
の形態の説明における図8に示したステップS1と同様
に、入力される内視鏡画像のRGB画像の中で、R画像
を取得する。同様の処理をG、B画像あるいは輝度画像
等を用いて同様の処理を適用することも可能である。
R画像の各面素に対する閾値を用いた2値化処理によ
り、ハレーション画素を抽出する。具体的には、座標
(x、y)(0≦x<ISX、0≦y<ISY)における画
素の値r(x、y)に基づき、2値画像Hを作成する。
Hにおける各面素h(x、y)の値は
るか、若干の余裕を見てTHL=240等、適宜設定を
変更する。これは、画素の値としては最大値の255に
達していなくても視覚上ハレーションと認識される場合
があることへの対応となる。
ションは常に円弧形状を構成するとは限らないため、挿
入方向検出に利用可能であるかどうかを判定する必要が
あることから、2値画像Hを用いたハレーションの円弧
形状判定処理を行う。
ションを近似するための円を、中心及び半径をパラメー
タとして変更することにより探索的に決定し、処理対象
であるハレーションの形状と方程式により規定される円
弧との誤差を評価する。
処理として公知の細線化処理(小分岐等が発生する場合
はさらに縮退処理を加える)を適用する。図19にハレ
ーションに対する細線化処理結果例を示す(図19にお
いては黒色が画素値1に対応している)。
ピュータ画像処理入門P.75-P83、田村秀行監修、日本工
業技術センター編、総研出版発行、星雲社発売」に開示
されている。
るh(x、y)について、サンプリングを行う。サンプ
リングはハレーションの両端点及びその延長画素数にお
いて中点となる画素を決定後、ほぼ等間隔となるように
NS個のh(x、y)を抽出する。以下、抽出後のNs
個のh(x、y)を新たにhj(xj、yj)、1≦j≦
Nsとして説明する。図20にサンプリングの例を示
す。このサンプリングは計算時間の短縮のためのもので
あり、CPU23の性能が十分であれば省略できる。
した画素hj(xj、yj)について、以下に示す一連の
処理によりハレーションが円弧形状を形成しているかど
うかを判定する。
径の探索範囲を設定する。図21に示すように、h1
(x1、y1)、hNs/2(xNs/2、yNs/2)及びhNs(x
Ns、yNs)により構成される三角形PQRを定め、Qか
ら辺PRに直交する半直線τを求める。次に、図22に
示すように、τ上でPS1=QS1、RS2=QS2となる
点S1及びS2を求める。S1及びS2の中点S(座標を
(xs、ys)とする)を中心とし、半径r=s/2の円
内(ここで、sはS1S2の長さ)を中心の探索範囲と定
め、K個の中心候補点Ckを設定する(1≦K、1≦k
≦K)。中心候補点Ckを中心とする円の半径rkはCk
に基づき決定し、rk=CkQと定める。 Ckの座標を
(cxk、cyk)とすると、円Ckに対するNs個のhj
(xj、yj)との誤差評価値は、
し、その最小値であるmin(ε(k))と、円弧形状
と認識できるか否かを判定するための閾値THEとを比
較し、
満たした場合はステップS15に進み、満たさない場合
はステップS11に戻り次のフレームに対する処理を実
行するための分岐判定を行う。
定する。管腔方向はハレーション形状を近似する円弧の
中心方向に存在することから、min(ε(k))を与
える円Ckの中心Ckと図21における点Qとを結ぶ半直
線τkを図23のように定め(直線の方程式は2点の座
標により容易に求まるため詳細な説明は省略する)、画
像最外周との交点Tを求める。画像最外周の4辺につい
ては、図15に示したように水平・垂直方向の長さをそ
れぞれ3等分(ISX/3、ISY/3)し、図4に示した
8方向に対応付け、交点Tがいずれに位置するかに基づ
き挿入方向を決定する。図23においては交点Tは左下
方向(図11におけるQ6の方向)となる。
態におけるステップS5と同様にして、得られた入方向
を示す矢印情報を画像に重畳し、表示装置21に表示の
上、ステップS11に戻り次のフレームに対し一連の処
理を繰り返す。
の形態における挿入方向検出手法と、該手法による処理
結果に基づき操作者に挿入方向情報を提示する挿入方向
検出装置によれば、内視鏡検査に熟練していない操作者
に対する挿入補助情報の提供が可能となり、スムーズな
内視鏡検査を実現することが可能となる。
出に適切であるか否かを判定するため、誤った挿入方向
補助情報を表示することがない。
4(a)に示すように、複雑な外周形状となる場合があ
り、細線化処理適用後に不要な分岐等を多く発生する原
因となる。このような場合は公知の膨張処理を適用する
ことで、図24(b)に示すように外周形状を滑らかに
してから細線化処理を適用する(膨張処理及び細線化処
理については、例えば「コンピュータ画像処理入門P.75
-P83、田村秀行監修、日本工業技術センター編、総研出
版発行、星雲社発売」に開示されている)。
弧の中心Ckを決定したが、Hough(ハフ)変換等
の形状抽出手法の適用も可能である。
複数のハレーションが存在した場合は、図25(b)に
示すように細線化後の各ハレーションの端点hk及びhk
+1の連結したものとして本実施の形態に示した一連の処
理を適用すればよい。連結の可否の判定については、例
えば端点hkの座標に基づき、hk+1がhkを中心とする
半径rhk(rhkは適宜定める。例えばrhk=20とす
る)の円領域内に存在するかどうかにより判定すること
ができる。
本発明の第3の実施の形態に係わり、図26は挿入方向
検出処理を説明するためのフローチャート、図27は図
26の処理での管腔方向の決定方法を説明するための説
明図、図28は図26の処理での円弧形状判定を説明す
るための説明図である。
ほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の
構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
像視野内から管腔が外れた場合等において、本発明の第
2の実施の形態に示したハレーションの形状特徴を利用
した挿入方向検出の他の手法及び該手法による処理結果
に基づき操作者に挿入方向情報を提示することによりス
ムーズな内視鏡検査を実現することが可能となる挿入方
向検出装置について説明する。
方向検出装置の構成は第1の実施の形態と同様であり、
メインプログラム26の内容が異なるものであるため、
メインプログラム26において実行する画像処理内容の
詳細について説明する。
26における挿入方向検出処理を説明するためのフロー
チャートである。ステップS21において、第1の実施
の形態の説明における図8に示したステップS1と同様
に、入力される内視鏡画像のRGB画像の中で、R画像
を取得する。同様の処理をG、B画像あるいは輝度画像
等を用いて同様の処理を適用することも可能である。
態において示したステップS12と同様の処理の適用に
より、ハレーション画素を抽出し、2値画像Hを作成す
る。
態におけるステップS13と同様に、図19及び図20
を用いて説明した、ハレーション画像Hに対する細線化
処理の適用によりh(x、y)の生成及びサンプリング
を行う。サンプリングはハレーションの両端点及びほぼ
等間隔となるようにNs個のh(x、y)を抽出する。
以下、抽出後のNs個のh(x、y)を新たにhj(x
j、yj)、1≦j≦Nsとして説明する。
(xj、yj)からNs−1通りの画素の組(h1(x1、
y1)、h2(x2、y2))、(h2(x2、y2)、h3
(x3、y3))、・・・・・、(hNs-2(xNs-2、yNs
-2)、hNs-1(xNs-1、yNs-1))、(hNs-1(xNs-
1、yNs-1)、hNs(xNs、yNs))の各々を結ぶ線分
に対する垂直二等分線L(k)を求める。ここで、1≦
k≦Ns−1である。
例を示す。得られたL(k)は、hj(xj、yj)が正
しく円弧上に存在している場合には円弧の中心Cで交わ
る。したがって、Cの位置を図4に示した8方向と対応
付けることにより、管腔方向候補を定めることができ
る。また、L(k)が一点で交わらない場合において
は、図28に示すように複数の交点により構成される閉
領域R内の画素の重心CRを求め、中心Cに代用する。
重心CRの座標(Xc、Yc)は
びyriはR内のi番目の画素の水平及び垂直方向におけ
る座標である。
管腔方向候補が信頼できるものであるか、すなわちハレ
ーションが円弧形状を形成しているものとしてよいか否
かを判定する。具体的には図28に示した閉領域Rの面
積(画素数)Raを閾値THRと比較し、Ra≦THR
ならば円弧形状であり、信頼できるものと判定する。R
a>THRであれば、円弧形状ではないため信頼できな
いものと判定する。
における判定結果により管腔方向候補が信頼できるもの
である場合はステップS26に進み、そうでない場合は
ステップS21に戻り次のフレームに対する処理を実行
するための分岐判定を行う。
態におけるステップS5と同様にして、得られた入方向
を示す矢印情報を画像に重畳し、表示装置21に表示の
上、ステップS21に戻り次のフレームに対し一連の処
理を繰り返す。
の形態における挿入方向検出手法と、該手法による処理
結果に基づき操作者に挿入方向情報を提示する挿入方向
検出装置によれば、内視鏡検査に熟練していない操作者
に対する挿入補助情報の提供が可能となり、スムーズな
内視鏡検査を実現することが可能となる。また、ハレー
ションの形状が管腔方向の検出に適切であるか否かを判
定するため、誤った挿入方向補助情報を表示することが
ない。
での管腔方向候補の推定にL(k)の交点座標に基づく
処理を適用したが、図15に示したように場合分けされ
た画像最外周とL(k)との交点を求め、最も多くのL
(k)と交わる方向を管腔方向候補と定めることも可能
である。
本発明の第4の実施の形態に係わり、図29は挿入方向
検出処理を説明するためのフローチャート、図30は図
29の処理での管腔方向の決定方法を説明するための第
1の説明図、図31は図29の処理での管腔方向の決定
方法を説明するための第2の説明図、図32は図29の
処理での管腔方向の決定方法を説明するための第3の説
明図、図33は図29の処理での管腔方向の決定方法を
説明するための第4の説明図である。
ほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の
構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
像視野内から管腔が外れた場合等において、視野内に管
腔が存在していた状態からの視野の時系列的な移動状態
に基づき管腔方向を決定する挿入方向検出手法と、該手
法による処理結果に基づき操作者に挿入方向情報を提示
することによりスムーズな内視鏡検査を実現することが
可能となる挿入方向検出装置について説明する。
26における挿入方向検出処理を説明するためのフロー
チヤートである。ステップS31において、第1の実施
の形態の説明における図8に示したステップS1と同様
に、入力される内視鏡画像のRGB画像の中で、R画像
を取得する。同様の処理をG、B画像あるいは輝度画像
等を用いて同様の処理を適用することも可能である。
ステップS32においては、視野内に存在する管腔検出
のため、閾値処理THDを用いた2値化による暗部画素
の抽出を行う。具体的には、座標(x、y)(0≦x<
ISX、0≦y<ISY)における画素の値r(x、y)に
基づき、2値画像Dを作成する。Dにおける各画素d
(x、y)の値は
20と設定する。
いて値1を有する画素、すなわち抽出した暗部画素の数
Ndを算出する。
が存在していると判断するのに十分な暗部画素数が得ら
れているか否かを判定するため、ステップS33で求め
たNdと閾値THCとの比較を行う。THCは本実施の
形態においては全画素数の10%であるものとして
うでなければステップS37に進む。
する管腔により抽出されたNd個の暗部画素について、
その重心Rを求める。図30に重心Rの例を示す。図3
0(a)に示す原画像(R画像)に対し、閏値処理によ
る暗部画素抽出を行い図30(b)の斜線部の管腔領域
を得、重心Rを求める。
ムに対する重心Rとの位置変化に基づきRの移動ベクト
ルの推定を行う。以下、図31を用いて説明する。図3
1において、F1、F2及びF3は時系列的に入力される
画像のフレームを示す。フレームF1において得られた
管腔暗部領域の重心位置をR1、その座標を(xr1、yr
1)とする。同様にフレームF2において得られた重心位
置をR2、その座標を(xr2、yr2)とすると、視野内
における管腔の移動を追跡する移動ベクトルv1は
移動ベクトルv2を求める。以降、重心位置Ri及び移動
ベクトルvi(iは1以上の整数)を記憶することによ
り、図32のように管腔の重心位置を追跡することがで
きる。
ては、ステップS34からステップS37に進み、管腔
方向の推定を行う。
り、Fi+1において視野から外れた場合、直前の移動ベ
クトルviの方向に管腔が存在する。したがって、移動
ベクトルviの方向に最も近い方向を挿入方向とするこ
とで、管腔を視野内に入れることが可能となる。例え
ば、図32におけるF5に示す状態にある場合には図1
1におけるQ8に対応する右下方向とする。riに最も近
い方向を決定するには、第1の実施の形態に示した式
(7)に類するなす角の評価を行う。
形態におけるステップS5と同様にして、得られた挿入
方向を示す矢印情報を画像に重畳し、表示装置21に表
示の上、ステップS21に戻り次のフレームに対し一連
の処理を繰り返す。
の形態における挿入方向検出手法と、該手法による処理
結果に基づき操作者に挿入方向情報を提示する挿入方向
検出装置によれば、視野の時系列的な移動状態に基づい
て、画像視野内から管腔が外れた場合等の管腔方向を検
出し、操作者に挿入方向情報を提示することができるた
め、内視鏡検査に熟練していない操作者に対する挿入補
助情報の提供が可能となり、スムーズな内視鏡検査を実
現することが可能となる。
Ndのカウントにあたり、管腔領域以外の例えば画像辺
縁郎等照明むらにより暗部として抽出された画素を除外
するための前処理として、ラベリング及び収縮・膨張処
理を適用し、微小な抽出画素領域を除去してもよい。
ンピュータ画像処理入門P.75-P83、田村秀行監修、日本
工業技術センター編、総研出版発行、星雲社発売」に開
示されている。
本発明の第5の実施の形態に係わり、図34は挿入方向
検出処理を説明するためのフローチャート、図35は図
34の処理での移動ベクトルに基づく管腔方向検出が不
適と判定される場合を説明するための説明図、図36は
図34の処理での挿入方向検出が不適あるいは不能であ
る場合の結果表示を説明するための説明図である。
ほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の
構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
理対象とする内視鏡画像に応じて最適な挿入方向検出手
法を選択的に適用することにより精度向上を図ることが
できる挿入方向検出手法と挿入方向検出装置に関する。
いては、画像視野内の明暗勾配、ハレーションの形状特
徴及び視野移動追跡に基づく各種の管腔方向検出手法に
ついて説明した。一方、内視鏡画像において現れる観察
シーンは多種多様であり、これらの検出手法を有効に利
用するには各々の観察シーンに応じて適切に用いること
が重要となる。
る挿入方向検出手法及び挿入方向検出装置について説明
する。
出装置12の動作を説明するためのフローチャートであ
る。
態の説明における図8に示したステップS1と同様に、
入力される内視鏡画像のRGB画像の中で、R画像を取
得する。同様の処理をG、B画像あるいは輝度画像等を
用いて同様の処理を適用することも可能である。
視鏡画像が視野内の管腔もしくは管腔方向の検出を行う
ことが可能であるか否かについての判定を行う。大腸内
視鏡検査においては、粘膜への過近接状態により焦点が
外れるとともに画像全体が赤一色となるシーンが発生す
る(内視鏡医の間では「赤玉」と呼ぱれている)。
することは不適切であり(第4の実施の形態において示
した移動ベクトル追跡を用いた手法により検出可能であ
るが、確実な挿入状態の確保に対する配慮を優先するべ
きである)、視野内に管腔が入るよう一度内視鏡1を後
退(Pull Back操作)させる必要がある。
体の平均値、標準偏差のとり得る範囲から判定すること
ができる。また、G画像を併用し、画像全体のR/G等
の色調の平均値、標準偏差から判定してもよい。
ると判定された場合はステップS53へ、そうでない場
合はステップS43に進む。
る管腔の検出を行う。ここでは第4の実施の形態におい
て図29のステップS32及びS33に示した一連の暗
部画素抽出に基づく処理の適用により管腔検出を行う。
ステップS34と同様に検出結果に対する判定を行い、
視野内に管腔が存在すると判定された場合にはステップ
S45に進み、第4の実施の形態におけるステップS3
5及びS36と同様の処理により移動ベクトル算出を行
いステップS41に戻る。
れた場合にはステップS46に進む。 ステップS46
においては、第1の実施の形態における図8のステップ
S2、S3及びS4を用いて説明した一連の処理による
明暗勾配に基づく管腔方向の検出を適用し、ステップS
47に進む。
6における明暗勾配に基づく管腔方向の検出が成功した
かどうかを判定する。ここでは、式(8)に示した誤差
評価式において最小値min(ε(k))及びその次に
小となる値smin(ε(k))(管腔方向候補として
第2位)の比min(ε(k))/smin(ε
(k))を閾値THGと比較する。min(ε(k))
>smin(ε(k))であり、比min(ε(k))
/smin(ε(k))の値が小であるほど検出結果の
信頼性が高いことに対応する。閾値THGは0≦THG
≦1であり、ここではTHG=0.5であるものとす
る。min(ε(k))/smin(ε(k))≦TH
Gであれば検出成功と判定し、ステップS52へ、そう
でなければステップS48に進む。
3の実施の形態において説明したハレーションの形状特
徴に基づく管腔方向検出処理を適用する。具体的には図
18のステップS12ないしS15または図26のステ
ップS22ないしS25を用いて説明した一連の処理を
適用し、ステップS49に進む。
の形状特徴による検出が成功したか否かに基づく分岐を
行う。ここでの判定はステップS14またはS25にお
けるハレーションが円弧を形成しているか否かに基づく
ものと同様である。成功と判定されていればステップS
52へ、そうでなければステップS50に進む。
形態において説明した移動ベクトルに基づく管腔方向検
出処理を適用する。具体的には図29のステップS37
と同様の処理の適用により、以前のフレームにおいて視
野内に存在した管腔の移動方向に基づく検出を行い、ス
テップS51に進む。
における管腔方向の検出が成功したか否かを判定する。
例えば***の変更や拍動による影響等により大腸の形状
変化、調光による光量の変化による暗部の増加、あるい
は急激なアングル操作等による連続するフレームのレー
ト(通常1/30秒)を超える視野変化等により移動ベ
クトルが誤検出される場合がある。このような場合、例
えば図35に示すように、移動ベクトルviは視野中央
部にあるにも関わらず、管腔は移動ベクトルからは推定
できない方向の視野外に存在することとなる。そこで、
図35に示すように、画像中央部付近に検出除外領域を
定め、移動ベクトルviがこの範囲内にあるときは検出
を行わないものと判定する。
よる管腔方向検出が成功と判定されていればステップS
52へ、そうでなければステップS53に進む。
向、ハレーションの形状特徴または移動ベクトルに基づ
く検出のいずれかにより得られた管腔方向の検出結果に
基づき、第1の実施の形態におけるステップS5と同様
にして、得られた挿入方向を示す矢印情報を画像に重畳
し、表示装置21に表示の上、ステップS41に戻り次
のフレームに対し一連の処理を繰り返す。
る画像が管腔方向の検出が不能であることから移動ベク
トルの追跡を中止するための初期化(それまでの移動ベ
クトル情報の破棄)を適用し、ステップS53に進む。
度後退させ管腔を視野内に確保する等の安全かつ確実な
挿入手技を医師に促すため、表示装置21に図36に示
す「Pull Back」等のメッセージを表示しステ
ップS41に戻り、一連の処理を繰り返す。
施の形態における挿入方向検出手法の適用及び該手法を
用いた挿入方向検出装置によれば、処理対象とする内視
鏡画像に応じて最適な挿入方向検出手法を選択的に適用
することによりスムーズな内視鏡検査を実現することが
可能となる。
像視野内から管腔が外れた場合等においても挿入方向を
検出することのできる内視鏡挿入方向検出方法を提供す
ることができる。
挿入方向情報を提示することによりスムーズな内視鏡検
査を実現することのできる内視鏡挿入方向検出装置を提
供することができる。
過近接時等、挿入方向検出が困難となった場合に操作者
に適切な操作を促すことのできる内視鏡挿入方向検出方
法を提供することができる。
全体構成を示す構成図
入方向の表示を説明する図
対象となる内視鏡像の例を示す第1の説明図
対象となる内視鏡像の例を示す第2の説明図
処理を説明するためのフローチャート
ング画素の設定を説明するための説明図
間微分処理を説明する図
向検出を説明するための第1の説明図
向検出を説明するための第2の説明図
を説明するための説明図
説明する図
関連付けるための分割を説明するための説明図
説明図
有するハレーションを説明する図
出処理を説明するためのフローチャート
る円弧近似を説明するための説明図
索範囲を説明するための説明図
するための説明図
る場合の処理内容を説明するための説明図
出処理を説明するためのフローチャート
するための説明図
めの説明図
出処理を説明するためのフローチャート
するための第1の説明図
するための第2の説明図
するための第3の説明図
するための第4の説明図
出処理を説明するためのフローチャート
方向検出が不適と判定される場合を説明するための説明
図
は不能である場合の結果表示を説明するための説明図
Claims (34)
- 【請求項1】 内視鏡画像を入力する第1のステップ
と、 前記内視鏡画像における明暗変化の方向を検出する第2
のステップと、 前記検出結果に基づき内視鏡の挿入方向に関する情報を
生成する第3のステップとを備えたことを特徴とする内
視鏡挿入方向検出方法。 - 【請求項2】 前記内視鏡画像上にサンプリング画素を
設定する第4のステップをさらに備え、 前記明暗変化の方向を前記サンプリング画素において検
出することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡挿入方
向検出方法。 - 【請求項3】 前記明暗変化の方向を空間微分により検
出することを特徴とする請求項1または2に記載の内視
鏡挿入方向検出方法。 - 【請求項4】 内視鏡の挿入方向の候補となる挿入侯補
方向を設定する第1のステップと、 内視鏡画像を入力する第2のステップと、 前記内視鏡画像における明暗変化の方向を検出する第3
のステップと、 前記複数の挿入候補方向及び前記明暗変化の方向の類似
性を評価する第4のステップと、 前記評価結果に基づき内視鏡の挿入方向を決定する第5
のステップとを備えたことを特徴とする内視鏡挿入方向
検出方法。 - 【請求項5】 前記内視鏡画像上にサンプリング画素を
設定する第6のステップと、 前記明暗変化の方向をN個(Nは整数)の前記サンプリ
ング画素から検出し、第1のベクトルVn(1≦n≦
N)で表し K個(Kは整数)の前記挿入候補方向を第
6のステップで設定された前記サンプリング画素の各々
の位置を基準とする第2のベクトルUk(1≦k≦K)
で表し、前記複数の挿入候補方向及び前記明暗変化の方
向との類似性を評価する第7のステップとをさらに備
え、 前記第7のステップにおいて、前記第1のベクトルVn
及び前記第2のベクトルUkのなす角を評価することを
特徴とする請求項4に記載の内視鏡挿入方向検出方法。 - 【請求項6】 前記評価は前記第1のベクトルVn及び
前記第2のベクトルUkの差異に関する評価値εkを算出
するとともに、 前記第5のステップにおいて、前記評価値εkが最良と
なる前記第2のベクトルUkを与える挿入候補方向を内
視鏡挿入方向とすることを特徴とする請求項5に記載の
内視鏡挿入方向検出方法。 - 【請求項7】 前記評価値εkは、前記サンプリング画
素の前記第1のベクトルVn及び前記第2のベクトルUk
のなす角の和またはなす角に基づく関数値であるととも
に、 前記第5のステップにおいて、前記評価値εkが最良と
なる前記第2のベクトルUkを与える挿入候補方向を内
視鏡挿入方向とすることを特徴とする請求項6に記載の
内視鏡挿入方向検出方法。 - 【請求項8】 前記明暗変化の方向を空間微分により検
出することを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1
つに記載の内視鏡挿入方向検出方法。 - 【請求項9】 内視鏡画像を入力する第1のステップ
と、 前記内視鏡画像において高い濃度値を有する画素を抽出
する第2のステップと、 前記抽出画素の分布の状態を近似する近似式を生成する
第3のステップと、 前記近似結果に基づき内視鏡の挿入方向を決定する第4
のステップとを備えたことを特徴とする内視鏡挿入方向
検出方法。 - 【請求項10】 前記第3のステップにおいて、前記抽
出画素の分布の状態を曲線近似することを特徴とする請
求項9に記載の内視鏡挿入方向検出方法。 - 【請求項11】 前記抽出画素の分布の状態と前記近似
結果との差異を評価する第5のステップをさらに備えた
ことを特徴とする請求項9または10に記載の内視鏡挿
入方向検出方法。 - 【請求項12】 前記第3のステップにおいて、前記抽
出画素の分布の状態を、中心座標及び半径をパラメータ
とする円弧として近似するとともに、前記評価は近似に
おいて最小の誤差を与える円弧を決定し、前記挿入方向
決定においては前記決定された円弧の中心方向を内視鏡
の挿入方向とすることを特徴とする請求項11に記載の
内視鏡挿入方向検出方法。 - 【請求項13】 内視鏡の挿入方向の候補となる複数の
挿入候補方向を設定する第6のステップをさらに備え、
前記円弧の中心方向に最も近い前記挿入候補方向を内視
鏡の挿入方向とすることを特徴とする請求項12に記載
の内視鏡挿入方向検出方法。 - 【請求項14】 前記抽出は閾値処理によることを特徴
とする請求項9ないしまたは13に記載の内視鏡挿入方
向検出方法。 - 【請求項15】 内視鏡画像を入力する第1のステップ
と、 前記内視鏡画像において高い濃度値を有する画素を抽出
する第2のステップと、前記抽出画素の組み合せに基づ
く方向を生成する第3のステップと、 前記生成された方向に基づき内視鏡の挿入方向を決定す
る第4のステップとを備えたことを特徴とする内視鏡挿
入方向検出方法。 - 【請求項16】 前記第3のステップにおいて、前記抽
出画素から2点を組み合せるとともに、前記組み合わせ
た2点を通る円の中心方向を生成することを特徴とする
請求項15に記載の内視鏡挿入方向検出方法。 - 【請求項17】 前記方向を前記抽出画素の組み合わせ
を変更することにより複数生成するとともに、前記複数
の方向の集積状態を評価する第5のステップをさらに備
え、 前記評価結果に基づき内視鏡の挿入方向を決定すること
を特徴とする請求項15または16に記載の内視鏡挿入
方向検出方法。 - 【請求項18】 内視鏡の挿入方向の候補となる複数の
挿入候補方向を設定する第6のステップをさらに備え、 前記生成した方向に最も近い前記挿入候補方向を内視鏡
の挿入方向とすることを特徴とする請求項15ないしま
たは17のいずれか1つに記載の内視鏡挿入方向検出方
法。 - 【請求項19】 前記抽出は閾値処理によることを特徴
とする請求項15ないしまたは18のいずれか1つに記
載の内視鏡挿入方向検出方法。 - 【請求項20】 内視鏡画像を入力する第1のステップ
と、 前記内視鏡画像において高い画素値を有する画素を抽出
する第2のステップと、 前記抽出画素の分布の状態を近似する近似式を生成する
第3のステップと、 前記抽出画素の分布の状態と前記近似結果との差異を評
価する第4のステップと、 前記抽出画素の分布の状態に基づき内視鏡の挿入方向を
決定する第5のステップと、 前記決定された挿入方向に関する情報を生成する第6の
ステップとからなる内視鏡挿入方向検出方法であって、 前記近似結果との差異の評価において近似結果が十分で
ない場合においては前記挿入方向の決定または前記情報
の生成の少なくともいずれかを行わないことを特徴とす
る内視鏡挿入方向検出方法。 - 【請求項21】 前記近似式は円弧形状を近似するもの
であるとともに、前記評価は前記抽出画素の分布の状態
及び前記近似式による近似結果の誤差に対する評価であ
ることを特徴とする請求項20に記載の内視鏡挿入方向
検出方法。 - 【請求項22】 前記抽出画素の分布の状態及び前記近
似式による近似結果の誤差を閾値により評価することを
特徴とする請求項21に記載の内視鏡挿入方向検出方
法。 - 【請求項23】 前記近似式は円の方程式であることを
特徴とする請求項21に記載の内視鏡挿入方向検出方
法。 - 【請求項24】 内視鏡画像を時系列的に入力する第1
のステップと、 前記時系列的に入力された複数の内視鏡画像間における
動き方向を検出する第2のステップと、 前記第2のステップの検出結果に基づき内視鏡挿入方向
を決定する第3のステップとを備えたことを特徴とする
内視鏡挿入方向検出方法。 - 【請求項25】 前記内視鏡画像から管形状の延長方向
を検出する第4のステップをさらに備え、 前記第2のステップが前記第4のステップによる管形状
の延長方向検出結果に基づき動き方向を決定し、前記第
4のステップにおいて前記延長方向が検出されない場合
に前記内視鏡挿入方向を決定することを特徴とする請求
項24に記載の内視鏡挿入方向検出方法。 - 【請求項26】 前記内視鏡画像において低い濃度値を
有する画素を抽出する第5のステップとをさらに備え、 前記第4のステップが前記抽出画素の分布に基づき管形
状の延長方向を検出するとともに、少なくとも1画素を
動き方向を決定するための基準点と定め、 前記第2のステップが前記基準点の移動に基づく動き方
向を検出することを特徴とする請求項25に記載の内視
鏡挿入方向検出方法。 - 【請求項27】 前記抽出が閾値処理によることを特徴
とする請求項26に記載の内視鏡挿入方向検出方法。 - 【請求項28】 前記第4のステップが動きベクトルに
基づく動き方向を検出することを特徴とする請求項26
または27に記載の内視鏡挿入方向検出方法。 - 【請求項29】 内視鏡画像を入力する第1のステップ
と、前記内視鏡画像に基づき内視鏡の挿入方向を検出す
る第2のステップと前記検出された挿入方向に関する情
報を生成する第3のステップと備え、 前記挿入方向を検出するための検出アルゴリズムを複数
備えるとともに、前記内視鏡画像に応じて前記検出アル
ゴリズムを選択適用することを特徴とする内視鏡挿入方
向検出方法。 - 【請求項30】 内視鏡画像を入力する内視鏡画像入力
手段と、前記内視鏡画像から内視鏡の挿入方向を検出す
るための複数の検出アルゴリズムを備える挿入方向検出
手段と、前記検出された挿入方向に基づく挿入補助情報
を生成する挿入補助情報生成手段とを備えた内視鏡挿入
方向検出装置であって、 前記挿入方向検出手段が適用する検出アルゴリズムを前
記内視鏡画像に基づき変更する検出アルゴリズム変更手
段とを備えたことを特徴とする内視鏡挿入方向検出装
置。 - 【請求項31】 前記挿入補助情報を表示する表示手段
を備えたことを特徴とする請求項30に記載の内視鏡挿
入方向検出装置。 - 【請求項32】 内視鏡画像を入力する第1のステップ
と、 前記内視鏡画像から前記内視鏡が観察対象に対し過近接
状態にあることを検出する第2のステップと、 前記検出結果に基づき内視鏡操作に関する情報を生成す
る第3のステップとを備えたことを特徴とする内視鏡挿
入方向検出方法。 - 【請求項33】 前記検出は前記内視鏡画像の色調及び
画素値の統計量の少なくともいずれかに基づくものであ
ることを特徴とする請求項32に記載の内視鏡挿入方向
検出方法。 - 【請求項34】 前記生成する情報は内視鏡の後退を促
すものであることを特徴とする請求項32または33に
記載の内視鏡挿入方向検出方法。
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