JP2003092080A - 高圧放電ランプおよび照明装置 - Google Patents

高圧放電ランプおよび照明装置

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JP2003092080A
JP2003092080A JP2001284842A JP2001284842A JP2003092080A JP 2003092080 A JP2003092080 A JP 2003092080A JP 2001284842 A JP2001284842 A JP 2001284842A JP 2001284842 A JP2001284842 A JP 2001284842A JP 2003092080 A JP2003092080 A JP 2003092080A
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Japan
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small
diameter cylindrical
discharge vessel
translucent
discharge lamp
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JP2001284842A
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English (en)
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Seiji Ashida
誠司 芦田
Hisashi Honda
久司 本田
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】最冷部温度を所要値に確保するとともに、点灯
方向を変化させたときの色温度変化を抑制する透光性セ
ラミックス放電容器を備えた高圧放電ランプおよびこれ
を用いた照明装置を提供する。 【解決手段】放電空間を包囲する包囲部1aおよび包囲
部1aの両端に連通した小径筒部1bを備えて一体的に
成形されるとともに、包囲部1aと小径筒部1bとの境
界部の外面が連続した凹曲面CFで、かつ、内面が不連
続な変曲点DPを、それぞれ形成している透光性セラミ
ックス放電容器1と、透光性セラミックス放電容器1の
小径筒部1bの内面との間にわずかな隙間gを形成しな
がら小径筒部1b内に挿通されている一対の電極2、2
と、先端が電極2の基端部に接続され少なくとも中間部
が透光性放電容器1に封着された導入導体3と、放電媒
体とを具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透光性セラミック
ス放電容器を備えた高圧放電ランプおよびこれを用いた
照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、透光性セラミックス製の放電容器
を備えたメタルハライドランプが普及している。このメ
タルハライドランプは、従来の石英ガラス製の放電容器
を備えたメタルハライドランプに比べて、高効率、長寿
命といった特長の他、寿命中の色温度変化およびランプ
間の色ばらつきが少ないという特長がある。
【0003】従来の透光性セラミックス放電容器を備え
たメタルハライドランプなどの高圧放電ランプに使用さ
れている透光性セラミックス放電容器は、円筒状部分と
円盤状部分とパイプ状部分とを焼き嵌めしてなる構造
(従来技術1)のものが多い。なお、この場合、透光性
セラミックス放電容器は、円筒状部分と円盤状部分とが
放電空間を包囲する包囲部を、またパイプ状部分が小径
筒部を、それぞれ形成する。この構造の透光性セラミッ
クス放電容器を備えた高圧放電ランプは、点灯方向を変
えたときの色温度変化が少ない。これは最冷部温度の変
化が小さいからである。上述した従来の高圧放電ランプ
では、最冷部がパイプ状部分の一端部付近に形成され
る。この部分の温度は、電極からの伝導熱および輻射熱
と、透光性セラミックス放電容器の熱伝導量とのバラン
スにより決定される。そして、点灯方向を変えた場合、
電極からの伝導熱および輻射熱はほぼ一定であるが、透
光性セラミックス放電容器の熱伝導量が大きく変化す
る。すなわち、水平点灯時においてはアークが上方へ曲
がり、透光性セラミックス放電容器の上部壁面に接近す
ることで、その上部をより多く加熱する。しかし、透光
性セラミックス放電容器に用いる透光性アルミナなどの
セラミックスの熱伝導率は、石英ガラスのそれに比較し
て格段に高い。そのため、本来なら最冷部が形成される
小径筒部の端部への熱伝導量が増加し、最冷部温度が変
化して色温度が変化するところだが、透光性セラミック
ス放電容器の焼き嵌め部が熱抵抗となって、最冷部が形
成される小径筒部への熱伝達量をある程度制限してお
り、色温度変化を実用に支障のない程度に低減してい
て、これが点灯方向を変えたときの色温度の変化(すな
わち、点灯方向特性)が少ない理由である。
【0004】一方、特開平9−147803、同じく1
1−204086号公報などに見られるように、鋳込み
成形などにより一体的に成形された透光性セラミックス
放電容器も用いられている。(従来技術2) また、従
来技術2には、熱容量が比較的小さくなる傾向にある
が、包囲部と小径筒部との境界部の内外両面が緩やかな
連続した曲面に形成されているものと、内外両面が不連
続な変曲面に形成されているものとがある。
【0005】ところで、高圧放電ランプを高周波点灯す
る場合、音響共鳴を回避する必要があり、そのために
は、透光性セラミックス放電容器の音響共鳴モードを単
一化することが望ましい。そして、これを実現するため
には、透光性セラミックス放電容器の包囲部の内面を真
球形状にする必要がある。しかし、従来技術2におい
て、透光性セラミックス放電容器の包囲部をなるべく真
球に近い形状にしたものは、たとえば特開平9−147
803号公報に見られるように、包囲部と小径筒部との
境界部の内外両面に不連続な変曲点ができ、さらに点灯
中高温になる電極が変曲点の近傍に位置していることも
あって、上記変曲点に大きな熱応力が発生し、製造時に
小径筒部が折損したり、点灯中にクラックを生じたりし
やすくなるという問題があった。これに対して、従来技
術2において、包囲部と小径筒部との境界部の内外両面
を連続した曲面に形成にしたものは、機械的強度が向上
して上記の問題が改善される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術1に
おけるより、さらに色温度変化を小さくとの要望も高
い。また、従来技術1の焼き嵌め構造の透光性セラミッ
クス放電容器の場合、熱容量が比較的大きくなる傾向が
ある。したがって、ランプ電力が小さくなってくると、
高効率を確保するために必要な最冷部温度を確保できな
くなるという問題がある。
【0007】また、従来技術2において包囲部と小径筒
部との境界部の内外両面を連続した曲面に形成したもの
は、点灯方向特性の問題が解消されない。すなわち、包
囲部と小径筒部との境界部の内外両面が連続した曲面で
あると、点灯中の伝導熱および対流熱が最冷部に伝導し
やすくなるために、点灯方向特性が大きくなる。そこ
で、点灯方向特性を軽減するためには、金属ハロゲン化
物の封入量を多くすれば、点灯方向を変更したときの金
属ハロゲン化物の位置が変化しにくくなるので、効果的
である。しかし、今度は、金属ハロゲン化物に混入しや
すいHOなどの不純物が増加するために、寿命中のラ
ンプ特性が著しく低下する虞がある。
【0008】さらに、導電性金属線からなり、反対側の
電極と導電位に接続したコイルからなる始動補助導体を
小径筒部に巻装して、始動性を改善した高圧放電ランプ
が開発された。この場合、当該始動補助導体とこれによ
り包囲される電極との間に静電容量が形成される。そし
て、この静電容量を通じて先駆微小放電が発生して始動
を促進する。したがって、上記静電容量は、グロー・ア
ーク転移時間を適正な値(0.5〜3秒)にするのに有
効である。すなわち、始動時に上記コイルと小径筒部内
に挿通されている電極との間に上記静電容量を通じて先
駆微小放電が発生して、始動が補助される。しかし、微
小放電が発生した際に、透光性セラミックス放電容器の
包囲部と小径筒部との境界部に熱衝撃が加わり、当該境
界部にクラックが生じやすいという問題がある。
【0009】さらにまた、透光性セラミックス放電容器
の一対の小径筒部に始動補助導体をそれぞれ配設するこ
とにより、始動性が一層改善されると期待される。この
場合、始動補助導体のコイルの巻数を等しくしたとして
も、実際は一対の電極におけるグロー・アーク転移時間
は異なり、そのために短い方のグロー放電時間において
は、グロー・アーク転移に必要な電力が短時間で電極に
投入されるため、電極が過剰に加熱されて電極材料の蒸
発が増加し、その結果透光性セラミックス放電容器の黒
化を生じるという問題がある。
【0010】本発明は、透光性セラミックス放電容器を
備え、最冷部温度を所要値に確保するとともに、点灯方
向を変化させたときの色温度変化を抑制した高圧放電ラ
ンプおよびこれを用いた照明装置を提供することを目的
とする。
【0011】本発明は、加えて透光性セラミックス放電
容器の音響共鳴モードを単一化して、音響共鳴を回避し
やすくするとともに、透光性セラミックス放電容器の包
囲部と小径筒部との境界部に熱応力によるクラックが生
じにくい高圧放電ランプおよびこれを用いた照明装置を
提供することを他の目的とする。
【0012】本発明は、加えて小径筒部に始動補助用の
コイルを配設していることによって生じる先駆微小放電
による熱衝撃でクラックが発生しにくい高圧放電ランプ
およびこれを用いた照明装置を提供することをさらに他
の目的とする。
【0013】本発明は、加えて小径筒部に始動補助用の
コイルを配設していることによって生じやすい透光性セ
ラミックス放電容器の黒化を抑制した高圧放電ランプお
よびこれを用いた照明装置を提供することをさらに他の
目的とする。
【0014】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の高圧放
電ランプは、放電空間を包囲する包囲部および包囲部の
両端に連通した小径筒部を備えて一体的に成形されると
ともに、包囲部と小径筒部との境界部の外面が連続した
凹曲面で、かつ、内面が不連続な変曲点を、それぞれ形
成している透光性セラミックス放電容器と;透光性セラ
ミックス放電容器の小径筒部に挿通されているとともに
先端が透光性放電容器の包囲部に臨んでいる一対の電極
と;先端が電極の基端部に接続され、少なくとも中間部
が透光性放電容器に封着され、基端が透光性放電容器か
ら外部に露出した導入導体と;透光性セラミックス放電
容器内に封入された放電媒体と;を具備していることを
特徴としている。
【0015】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。本発明の高圧放電ランプは、上記のように透光性セ
ラミックス放電容器、一対の電極、導入導体および放電
媒体を構成要素としている。以下、構成要素ごとに説明
する。
【0016】<透光性セラミックス放電容器について>
「透光性セラミックス放電容器」とは、単結晶の金属酸
化物たとえばサファイヤと、多結晶の金属酸化物たとえ
ば半透明の気密性アルミニウム酸化物、イットリウム−
アルミニウム−ガーネット(YAG)、イットリウム酸
化物(YOX)と、多結晶非酸化物たとえばアルミニウ
ム窒化物(AlN)のような光透過性および耐熱性を備
えた材料からなる放電容器を意味する。なお、「透光
性」とは、放電によって発生した光を透過して外部に導
出できる程度に光透過性であることをいい、透明ばかり
でなく、光拡散性であってもよい。そして、少なくとも
包囲部が透光性を備えていればよく、要すれば小径筒部
は遮光性であってもよい。
【0017】また、透光性セラミックス放電容器は、放
電空間を包囲する包囲部と包囲部の端部に連通して配設
された小径筒部とを備えている。そして、包囲部と小径
筒部とは、一体的な成形により一体化されている。した
がって、焼き嵌めによる材料断面の不均質構造がない。
包囲部は、その内部に放電空間を包囲するために、包囲
部の内面を連続的な曲面に形成することが許容される。
さらに、包囲部内部の主要部を球状の中空にすることが
できる。「球状」とは、音響共鳴周波数が単一モードに
なることから好ましくは真球状であるが、要すれば楕円
球状などであってもよい。なお、包囲部の「主要部」と
は、小径筒部と接している側の端部近傍を除いた残余の
大部分であって、放電による発光が主として透過する部
分をいう。
【0018】次に、小径筒部は、その内部に後述する電
極および電極に接続する導入導体が挿通し、電極の周囲
にキャピラリーと称するわずかな隙間を形成して、その
内部に最冷部が形成されるとともに、透光性セラミック
ス放電容器を封止するのに寄与する。なお、熱容量をな
るべく小さくするため、小径筒部の内径は1mm以下、
好適には0.8mm以下であるのが望ましい。また、小
径筒部の断面は、好ましくはほぼ円形である。
【0019】ところで、本発明の構成上の特徴は、上述
した構成の透光性セラミックス放電容器において、その
包囲部と小径筒部との境界部の外面が連続した凹曲面
で、かつ、内面が不連続な変曲点を、それぞれ形成して
いることである。上記凹曲面の程度については特段限定
されない。しかし、凹曲面の曲率半径をrとし、包囲部
の最大内径をRとしたとき、下式を満足していると、一
層効果的である。
【0020】0.1≦r/R≦1.5 なお、r/Rが0.1未満であると、機械的強度が低下
し、製造時に小径筒部が折損しやすいばかりでなく、寿
命中のヒートサイクルにより小径筒部にクラックが発生
しやすくなる。また、r/Rが1.5を超えると、放電
媒体の水銀などのランプ電圧形成媒体を効率よく冷却さ
れにくくなるために、製造時に不具合が生じやすくな
る。
【0021】さらに、透光性セラミックス放電容器の包
囲部の内径と全長Lとの関係が下式を満足するように設
定することにより、所望のランプ特性を維持しながら透
光性セラミックス放電容器のリーク発生を抑制すること
ができる。
【0022】0.1<R/L<0.3 なお、R/Lが0.1未満であると、最冷部温度を所要
値に維持することが困難になるので、発光効率が低下
し、所望の発光色が得られなくなる。また、R/Lが
0.3を超えると、透光性セラミックス放電容器のシー
ル部にリークが発生しやすくなる。
【0023】また、透光性セラミックス放電容器の全長
Lは、投入されるランプ電力Wとの関係があり、W/L
が下式を満足するように設定することにより、良好な高
圧放電ランプを得ることができる。
【0024】0.5<L/W<1.8 なお、L/Wが0.5未満であると、透光性セラミック
ス放電容器のシール部にリークが発生しやすくなる。ま
た、L/Wが1.8を超えると、最冷部温度を維持する
ことが困難になる。
【0025】さらに、本発明において、透光性セラミッ
クス放電容器の全長および内容積は特に制限されない。
しかし、ランプ電力が10〜50W程度、さらに好適に
は10〜30Wの小形の高圧放電ランプを得ようとする
ならば、全長は、一般的には35mm以下、好適には1
0〜30mmであるのがよい。また、内容積は、0.1
0cc以下、好適には0.01〜0.08ccであるの
がよい。
【0026】さらにまた、透光性セラミックス放電容器
の点灯中の外表面における最高温度が1000〜120
0℃になるように設計されているのが好ましい。
【0027】<一対の電極について>一対の電極は、透
光性セラミックス放電容器の小径筒部の内面との間にわ
ずかな隙間を形成しながら小径筒部内に挿通されている
とともに、先端が透光性放電容器の包囲部に臨んでい
る。また、電極は、タングステン、レニウム、ドープド
タングステン、タングステン−レニウム合金、モリブデ
ン、サーメットなどの導電性にして、かつ、耐火性の物
質を単体で、または適宜組み合わせて用いて形成するこ
とができる。さらに、電極は、好ましくは細長い電極軸
部および電極軸部の先端部に配設される電極主部から構
成することができる。この場合、電極主部は、電極軸の
先端に配設されて主として陰極およびまたは陽極として
作用する部分であり、電極の先端部を構成する。また、
電極主部は、その表面積を大きくして放熱を良好にする
ために、必要に応じてタングステン、レニウムなどのコ
イルを巻装することができる。
【0028】次に、電極は、上述のように、その先端部
が、包囲部内を臨む位置にあるが、「包囲部内を臨む」
とは、包囲部内に位置している態様と、包囲部内に連通
している小径筒部内に位置している態様とを含む概念で
ある。
【0029】また、電極の中間部は、透光性放電容器の
小径筒部の内面との間になるべく均一なわずかな隙間す
なわちキャピラリーを形成するために、一定の太さであ
ることが望ましい。さらに、電極の中間部に純タングス
テン、レニウム、タングステンーレニウム合金またはド
ープドタングステンのコイルを巻装することが許容され
る。これにより、電極が小径筒部に対してセンタリング
しやすくなる。
【0030】さらに、電極の基端部は、透光性放電容器
に対して所要の相対的な位置に固定するとともに、外部
から電流を導入するために機能する導入導体の先端に溶
接などにより固着されることによって電気的および機械
的に支持される。なお、溶接に際して熱的に緩衝するな
どの目的のために、モリブデン、サーメットなどの部材
を後述する導入導体の先端部に配設して電極の基端との
間に当該部材を介在させることができる。
【0031】<導入導体について>導入導体は、電極間
に電圧を印加するとともに、電極に電流を供給し、か
つ、透光性セラミックス放電容器を封止するために機能
する導体で、先端が電極の基端部に接続し、少なくとも
中間部が透光性セラミックス放電容器の小径筒部に封着
され、かつ、基端が透光性放電容器の外部に露出してい
る。なお、「透光性放電容器の外部に露出している」と
は、透光性放電容器から外部へ突出していてもよいし、
また突出していなくてもよいが、外部から給電できる程
度に外部に臨んでいることを意味する。
【0032】また、導入導体は、その熱膨張係数が透光
性セラミックスのそれと近似している導電性金属である
ニオブ、タンタル、チタン、ジルコニウム、ハフニウム
およびバナジウムなどを用いることができる。透光性セ
ラミックス放電容器の材料にアルミナセラミックスなど
のアルミニウム酸化物を用いる場合、ニオブおよびタン
タルは、平均熱膨張係数がアルミニウム酸化物とほぼ同
一であるから、封止に好適である。イットリウム酸化物
およびYAGの場合も差が少ない。窒化アルミニウムを
透光性セラミックス放電容器に用いる場合には、導入導
体にジルコニウムを用いるとよい。また、導入導体に用
いる上記の金属は、水素、酸素透過性を有しているの
で、所望により透光性セラミックス放電容器の内部に残
存している不純ガスを排出するのに寄与させることもで
きる。なお、導入導体は、これを支持することにより、
高圧放電ランプ全体を支持するのに利用してもよい。
【0033】さらに、導入導体をニオブなどの封着性金
属の棒状体、パイプ状体やコイル状体などによって構成
することができる。この場合、ニオブなどは酸化性が強
いので、高圧放電ランプを大気に通じた状態で点灯する
場合には、耐酸化性の導体を導入導体にさらに接続する
とともに、導入導体が大気に接触しないようにたとえば
シールなどによって被覆する必要がある。
【0034】<放電媒体について>放電媒体は、発光金
属のハロゲン化物、ランプ電圧形成媒体および希ガスを
たとえば以下の組み合わせで用いることができる。な
お、発光金属のハロゲン化物は、可視光を発光する発光
金属のハロゲン化物である。ランプ電圧形成媒体には、
水銀またはハロゲン化物を主体的に用いることができ
る。水銀は、下記の3.の場合に発光金属としても寄与
する。ランプ電圧形成媒体としてのハロゲン化物は、点
灯中の蒸気圧が相対的に大きくて、可視域の発光が比較
的少ない金属、たとえばAl、Fe、Zn、Sb、Mn
などのハロゲン化物が好適である。希ガスは、始動ガス
および緩衝ガスとして作用する。希ガスとしては、キセ
ノン、アルゴン、クリプトン、ネオンなどを単体でまた
は混合して用いることができる。なお、本発明におい
て、「高圧放電」とは、イオン化媒体の点灯中の圧力が
大気圧以上になる放電をいい、いわゆる超高圧放電を含
む概念である。
【0035】1.発光金属のハロゲン化物+水銀+希ガ
ス:いわゆるメタルハライドランプの構成である。
【0036】2.発光金属のハロゲン化物+ランプ電圧
形成媒体としてのハロゲン化物+希ガス:環境負荷の大
きな水銀を用いないいわゆる水銀レスのメタルハライド
ランプの構成である。
【0037】3.水銀+希ガス:いわゆる高圧水銀ラン
プの構成である。
【0038】4.希ガス:希ガスとしてXeを用いる
と、いわゆるキセノンランプの構成である。
【0039】次に、発光金属のハロゲン化物は、ハロゲ
ンとしてよう素、臭素、塩素またはフッ素のいずれか一
種または複数種を用いることができる。発光金属の金属
ハロゲン化物は、発光色、平均演色評価数Raおよび発
光効率などについて所望の発光特性を備えた可視光の放
射を得るため、さらには透光性セラミックス放電容器の
サイズおよび入力電力に応じて、既知の金属ハロゲン化
物の中から任意所望に選択することができる。たとえ
ば、ナトリウムNa、リチウムLi、スカンジウムS
c、タリウムTlおよび希土類金属からなるグループの
中から選択された一種または複数種のハロゲン化物を用
いることができる。
【0040】<その他の構成について>本発明におい
て、必須構成要件ではないが、所望により以下の構成の
一部または全部を具備することができる。
【0041】(1)セラミックス封止用コンパウンドの
シールについて 先端に電極を配設した導入導体を透光性セラミックス放
電容器の小径筒部に挿入し、透光性セラミックス放電容
器と導入導体とを封着して透光性セラミックス放電容器
を封止するために、セラミックス封止用コンパウンドの
シールを用いることができる。そして、セラミックス封
止用コンパウンドのシールを用いて封止するには、小径
筒部の端面において導入導体および小径筒部の間に施与
され、加熱により溶融して小径筒部と導入導体との間に
浸透し、冷却により固化して両者間を気密にシールす
る。このシールにより導入導体は所定の位置に固着され
る。
【0042】小径筒部内に挿入されている導入導体は、
上記シールによって完全に被覆されていることが望まし
い。さらに、シールを導入導体に固着している細長い電
極の基端部をもわずかな距離、好適には0.2〜3mm
にわたって被覆するように構成すれば、導入導体がハロ
ゲン化物などの放電媒体によって腐食されにくくなる。
【0043】(2)始動補助導体について 透光性セラミックス放電容器の包囲部の内径を大きくす
るとともに、これに対応して電極間距離を大きくする
と、高圧放電ランプの始動電圧が上昇する傾向があるの
で、必要に応じて始動補助導体を配設することにより、
始動電圧を低減することができる。始動補助導体は、少
なくとも一方の電極が挿通している小径筒部の外周に配
設されるとともに、始動補助導体によって包囲されてい
る電極と放電空間を介して対向している他方の電極と同
電位になるように接続されている金属製コイルによって
構成することができる。
【0044】(3)外管について 本発明の高圧放電ランプは、透光性セラミックス放電容
器が大気中に露出した状態で点灯するように構成するこ
とができる。しかし、要すれば、透光性セラミックス放
電容器を外管内に気密に収納することができる。なお、
外管の内面を高圧放電ランプの発光部を焦点とする反射
面とすることにより、指向性を備えた高圧放電ランプを
得ることができる。
【0045】(4)反射鏡について 本発明の高圧放電ランプを反射鏡と一体化することがで
きる。この場合、透光性セラミックス放電容器を内部に
収納する外管の内面に反射鏡を形成してもよいし、高圧
放電ランプを別設の反射鏡内に組み付けてもよい。ま
た、外管を用いないで反射鏡を付設してもよい。
【0046】(5)導入導体の直径と電極の直径との関
係について 導入導体の直径をφs(mm)とし、電極の直径をφe
(mm)としたときに下式を満足させると効果的であ
る。
【0047】0.2≦φe/φs≦0.6 すなわち、セラミックス封止用コンパウンドのシールの
温度を低減してシールがハロゲン化物によって腐食する
のを防止するとともに、わずかな隙間の温度を高くして
発光効率を高めるためには、一方では導入導体をなるべ
く太くしてその熱抵抗を減らしながら、他方では電極の
熱抵抗を大きくするのがよい。なお、直径比φe/φs
が0.2未満では電極が細くなりすぎる。また、0.6
を超えると、シールの温度およびわずかな隙間の温度を
所要の値に維持することが困難になる。
【0048】(6)透光性セラミックス放電容器の内容
積と直線透過率の関係について 透光性セラミックス放電容器の内容積を0.1cc以
下、好適には0.07cc以下にするとともに、中空部
の平均直線透過率を10%以上好適には30%以上にす
ることができる。ただし、直線透過率は、波長550n
mにおいて測定したものとする。また、「平均直線透過
率」とは、対象部分に対して異なる5個所の位置におい
て測定した直線透過率データを相加平均して求めた値を
いう。さらに、透光性セラミックス放電容器の内容積
は、当該容器を水中に入れて内部に水が充満してから、
両方の小径筒部の開口端を封鎖して水中から取り出し、
内部の水を軽量して、測定する。
【0049】内容積が上記のように小さい透光性セラミ
ックス放電容器の場合、その包囲部の平均直線透過率が
10%以上であると、組み合わせる光学系たとえば反射
鏡との光学的効率(器具効率)を高くできるとともに、
透光性セラミックス放電容器のクラックが生じにくい。
【0050】(7)ランプ電力について 本発明は、ランプ電力10〜50W程度の小形メタルハ
ライドランプに好適である。しかし、より好適には10
〜30Wである。また、管壁負荷は、15〜45W/c
の範囲が好適である。
【0051】<本発明の作用について>本発明において
は、前述の構成を備えていることにより、透光性セラミ
ックス放電容器の包囲部と小径筒部との境界部の内面が
不連続な変曲点を形成しているため、当該部分が肉厚に
なることと合わせて境界部の熱容量が大きくなり、その
結果、放電空間と最冷部との間の熱隔離が行なわれる。
このため、ハロゲン化物の移動が低減するので、小径筒
部に形成される最冷部の温度が安定する。これにより、
高圧放電ランプの点灯方向特性が改善される。その結
果、点灯方向に対する最大色温度変化を±150K以内
にすることもできる。
【0052】請求項2の発明の高圧放電ランプは、請求
項1記載の高圧放電ランプにおいて、透光性セラミック
ス放電容器は、包囲部の内面がほぼ真球形状であること
を特徴としている。
【0053】本発明においては、透光性セラミックス放
電容器の包囲部と小径筒部との境界部が不連続な変曲点
を形成していることにより、包囲部をほぼ真球形状に構
成することが可能になり、その結果、音響的共鳴周波数
が単一化される。なお、「ほぼ真球形状」とは、実質的
に真球形状であることをいい、多少の製造上の変形程度
は許容される。一般に、高圧放電ランプを高周波点灯す
る場合、その動作周波数を音響的共鳴周波数の基本周波
数に対する2次と3次の高調波の間に存在する周波数帯
に設定しているが、本発明によれば、上記周波数帯域が
たとえば9ないし10kHzとなり、2kHz程度帯域
幅が拡大するので、高周波点灯回路の設計が容易にな
る。
【0054】請求項3の発明の高圧放電ランプは、請求
項1または2記載の高圧放電ランプにおいて、透光性セ
ラミックス放電容器の小径筒部の周囲に配設されて小径
筒部の内部に挿通する電極を包囲するとともに、対向電
極と同電位にされた始動補助導体を具備していることを
特徴としている。
【0055】本発明において、「対向電極」とは、小径筒
部を介して始動補助導体により包囲されている方の電極
と放電空間を経由して対向している電極をいう。また、
始動補助導体は、一対の電極の両方または一方に対して
配設することができる。始動補助導体を対向電極と同電
位にするには、たとえば導体を介して始動補助導体を対
向電極に接続すればよい。
【0056】始動補助導体は、第1の電極が挿通してい
る一方の小径筒部の外周に巻装されるとともに、一端が
第2の電極と同電位になるように接続されている第1の
金属製コイルと、第2の電極が挿通している他方の小径
筒部の外周に巻装されるとともに、一端が第1の電極と
同電位になるように接続されている第2の金属製コイル
とによって構成することができる。
【0057】また、始動補助導体は、その端部が透光性
セラミックス放電容器の包囲部と小径筒部との境界部に
接近してように、これを配設すると効果的である。さら
に、始動補助導体は、金属製コイル、導電性被膜などに
よって形成することができる。
【0058】始動補助導体の好適な構成を以下に示す。
実施に際しては、下記項目の一または複数を組み合わせ
ることができる。
【0059】1 金属製コイルの巻き数を4ターン以上
にする。
【0060】2 金属製コイルの巻きピッチを100〜
500%にする。
【0061】3 金属製コイルの長さをLSA1とし、
小径筒部の長さをLSA2としたとき、LSA1/L
SA2を0.3〜1.0にする。(図3を参照) そうして、本発明においては、透光性セラミックス放電
容器の包囲部と小径筒部との境界部の内面が不連続な変
曲点で、かつ、外面が連続的な凹曲面に、それぞれ形成
されている結果、前述のように小径筒部の機械的強度が
向上するので、小径筒部に配設した始動補助導体および
電極間の先駆微小放電による熱応力で小径筒部の付け根
部分すなわち上記境界部近傍にクラックを生じるような
不具合の発生が低減する。もちろん、始動補助導体の配
設により、高圧放電ランプの始動特性が向上するのはい
うまでもない。
【0062】請求項4の発明の高圧放電ランプは、請求
項1ないし3のいずれか一記載の高圧放電ランプにおい
て、金属コイルからなり、透光性セラミックス放電容器
の一対の小径筒部に巻装されて小径筒部の内部に挿通す
る電極を包囲するとともに、対向電極と同電位で、か
つ、互いに非対称構造になっている一対の始動補助導体
を具備していることを特徴としている。
【0063】本発明において、一対の始動補助導体が
「非対称構造である」とは、始動補助機能が等しくない
ように構造が非対称になっていることを意味する。始動
補助機能が等しくないためには、たとえば始動補助導体
と、この導体が小径筒部を介して包囲する電極との間に
形成される静電容量が異なっていることにより実現する
ことができる。この静電容量は、始動補助導体および電
極の間の距離、小径筒部の比誘電率、ならびに始動補助
導体およびこれと対向する電極の間の実効的な面積のい
ずれか一または複数を変化することにより変化するが、
後者を変化させるのが最も容易である。また、始動補助
導体およびこれと対向する電極の間の実効的な面積は、
始動補助導体の実効的な面積を変えることで容易に変え
ることができる。たとえば、金属コイルからなる始動補
助導体の場合には、コイルのターン数、コイルの導体径
またはコイルピッチを変えることで静電容量を変化させ
ることができる。
【0064】ところで、始動時に生じる一対の電極にお
ける好適なグロー・アーク転移時間は、たとえば0.5
〜3秒程度であるが、これが好適な時間より短いと、グ
ロー・アーク転移に必要な電力が短時間のうちに投入さ
れるため、電極が過剰に加熱されてタングステンなどの
構成材料の蒸発が増加し、透光性セラミックス放電容器
の黒化を生じる。このような現象は、温度の高い方の小
径筒部内に保持される放電媒体が少なくて、その小径筒
部内に挿通する電極に投入されるグロー電力が小径筒部
内に発生する先駆微放電の際に、放電媒体が蒸発するエ
ネルギーとして消費されないことによって生じる。
【0065】これに対して、本発明によれば、点灯中上
になる小径筒部のように、温度が高くなる小径筒部に配
設される始動補助導体を静電容量が大きくなるように反
対側の始動補助導体に対して非対称構造にすることがで
きる。
【0066】そうして、上記のように非対称化した指導
補助導体とこれにより包囲される電極との間の静電容量
が大きくなり、これに伴い始動時における先駆微放電電
流が相対的に大きくなる。その結果、放電媒体の蒸発に
消費されるエネルギーが増加し、その分電極の加熱が抑
制され、黒化が低減する。
【0067】請求項5の発明の照明装置は、照明装置本
体と;照明装置本体に支持された請求項1ないし4のい
ずれか一記載の高圧放電ランプと;高圧放電ランプを点
灯する点灯回路と;を具備していることを特徴としてい
る。
【0068】本発明において、「照明装置」とは、高圧
放電ランプの発光を何らかの目的で用いるあらゆる装置
を含む広い概念である。たとえば、電球形高圧放電ラン
プ、照明器具、移動体用前照灯、光ファイバー用光源装
置、画像投射装置、光化学装置、指紋判別装置などに適
用することができる。なお、「照明装置本体」とは、上
記照明装置から高圧放電ランプおよび点灯回路を除いた
残余の部分をいう。
【0069】また、「電球形高圧放電ランプ」とは、高
圧放電ランプと、その高周波点灯回路とを一体化し、さ
らに受電用の口金を付設してなり、口金に適応するラン
プソケットに装着することにより、白熱電球を点灯する
ような感覚で使用することができるように構成した照明
装置を意味する。電球形高圧放電ランプを構成する場
合、高圧放電ランプの発光を所望の配光特性が得られる
ように、集光するための反射鏡を備えることができる。
さらに、高圧放電ランプの高い輝度を低減するために、
光拡散性のグローブまたはカバーを備えることができ
る。さらにまた、口金は、所望の仕様のものを用いるこ
とができる。したがって、在来の光源ランプとの代替を
図る目的の場合には、在来の光源ランプの口金と同じ口
金を採用すればよい。
【0070】点灯回路は、交流および直流点灯のいずれ
であってもよい。また、交流点灯の場合、高周波および
低周波のいずれであってもよい。しかし、本発明に用い
る高圧放電ランプは、その透光性セラミックス放電容器
が包囲部と小径筒部とが一体的に成形されていて、包囲
部の真球度が高いものに好適であるから、音響的共鳴現
象による影響を回避しやすいので、5〜200kHz程
度の周波数範囲の高周波点灯に好適である。高周波発生
手段には、たとえばインバータを用いることができる。
なお、インバータは、ハーフブリッジ形インバータ、フ
ルブリッジ形インバータなど種々の回路方式のものを用
いることができる。限流インピーダンスは、インダクタ
ンス、キャパシタンスおよび抵抗のいずれか一種または
複数種の組み合わせを用いることができるが、実用上イ
ンダクタンスが好適である。インダクタンスは、インダ
クタ、漏洩トランスなどを用いることができる。そし
て、限流インダクタンスおよびコンデンサの共振回路を
備えた負荷回路を形成することにより、2次開放電圧か
ら2次短絡電流まで連続した負荷特性を備えた点灯回路
の構成にすることにより、高周波点灯の場合に、点灯回
路の小形、かつ、軽量化を図ることができるので、特に
好適である。
【0071】これに対して、低周波点灯の場合、点灯回
路は、昇圧チョッパまたは降圧チョッパと、その直流出
力電圧を電源として作動するフルブリッジ形インバータ
とを主体とする回路構成を用いると好適である。なお、
この構成においては、チョッパのインダクタが限流イン
ダクタンスとして作用するので、見かけ上の限流インピ
ーダンスが不要になる。
【0072】また、直流点灯の場合、点灯回路は、昇圧
チョッパまたは降圧チョッパの出力端に降圧放電ランプ
を接続する回路構成が、点灯回路のより一層の小形、か
つ、軽量化を図ることができるので、好適である。
【0073】なお、点灯回路は、照明装置本体に配設さ
れていてもよいし、照明装置本体から離間した位置、た
とえば天井裏に配設されていてもよいよい。
【0074】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0075】図1および図2は、本発明の高圧放電ラン
プの第1の実施形態を示し、図1は縦断面図、図2は同
じく透光性セラミックス放電容器の断面を模式的に示す
説明図である。各図において、1は透光性セラミックス
放電容器、2は電極、3は導入導体、4はシールであ
る。透光性セラミックス放電容器1の内部には、放電媒
体が封入される。以下、各構成要素について詳細に説明
する。
【0076】<透光性セラミックス放電容器1について
>透光性セラミックス放電容器1は、包囲部1aおよび
小径筒部1bから構成されているとともに、その全体が
一体成形により形成されている。包囲部1aは、その内
部に放電空間を包囲する空洞1a1を有している。小径
筒部1bは、その内部に貫通孔1b1を有している。そ
して、包囲部1aと小径筒部1bとの境界部の外面が連
続した凹曲面DF、同じく内面が不連続な変曲点DPと
なっている。なお、包囲部1aの内面は、真球形状をな
し、また外面は紡錘状をなしている。そして、小径筒部
1bが紡錘の巻取り軸棒のような形状をなしている。
【0077】<一対の電極2、2について>一対の電極
2、2は、それぞれ軸部2a、第1のコイル部2bおよ
び第2のコイル部2cを備え、全体として細長い棒状を
なしている。第1のコイル部2bは、軸部2aの先端に
巻装されている。第2のコイル部2cは、軸部2aの基
端部近傍に巻装されている。そして、電極2は、その先
端が包囲部1a内に突出して放電空間を包囲する空洞1
a1内に臨んで小径筒部1bの貫通孔1b1内に挿通さ
れ、貫通孔1b1および電極2の間にわずかな隙間gが
形成されている。
【0078】<導入導体3について>導入導体3は、ニ
オブからなり、棒状をなしていて、先端が電極2の軸部
2aの基端部に溶接され、少なくとも中間が後述するシ
ール4を介して透光性セラミックス放電容器1の小径筒
部1bに封着され、かつ、基端が透光性セラミックス放
電容器1の外部へ突出している。
【0079】<シール4について>シール4は、セラミ
ックス封止用コンパウンドを溶融し、固化することによ
り、透光性セラミックス放電容器1の小径筒部1bおよ
び導入導体3の間に介在して透光性セラミックス放電容
器1を気密に封止するとともに、導入導体3を封着し、
かつ、透光性セラミックス放電容器1の内部に露出しな
いように被覆している。また、この封止により、電極2
を所定の位置に固定している。
【0080】シール4を形成するには、セラミックス封
止用コンパウンドを小径筒部1bの端面において、導入
導体3の貫通孔1b1から外部に突出している部分の周
りに施与し、加熱溶融させて導入導体3および貫通孔1
b1の内面の間に形成される隙間に進入させて小径筒部
1b内に挿入されている導入導体3全体を被覆するとと
もに、さらに電極2の基端部をも被覆し、冷却により固
化させる。
【0081】<放電媒体について>放電媒体は、希ガス
たとえばネオンおよびアルゴンを含む始動ガスおよびバ
ッファガス、発光金属の金属ハロゲン化物、ならびにバ
ッファガスを供給する水銀からなり、透光性セラミック
ス放電容器1内に封入されている。
【実施例1】透光性セラミックス放電容器1:透光性ア
ルミナセラミックスからなり、全長23mm、包囲部の
最大外径6mm、最大内径R=5mm、小径筒部の外径
1.7mm、内径0.7mm、包囲部1aと小径筒部1
bとの境界部の外面の凹曲面CFの曲率半径r=4mm 電極2:ドープドタングステンからなり、軸部2aが上
側の電極で直径0.25mm、同じく下側で直径0.2
mm、長さ5.8mm、第1のコイル部2bが直径0.
135mmのドープドタングステン線の密巻4ターン、
第2のコイル部2cが0.25mmのドープドタングス
テン線の密巻4ターン 導入導体3:ニオブ、直径0.64mm わずかな隙間g:0.225mm 放電媒体:始動ガスおよびバッファガスとしてNe3%
+Arが約27kPa、他に適量の水銀および発光金属
としてNa、Tl、Dyのヨウ化物(発光金属のハロゲ
ン化物は、点灯中にその全てが蒸発しないで、余剰分が
わずかな隙間g内に滞留する程度の量封入している。) ランプ電力:20W 全光束:1800lm、発光効率:90lm/W 色温度:3500K 定格寿命:8000h
【実施例2】透光性セラミックス放電容器1:透光性ア
ルミナセラミックスからなり、全長31.6mm、包囲
部の最大外径 mm、最大内径5.0mm、小径筒部
の外径1.7mm、内径0.7mm、包囲部1aと小径
筒部1bとの境界部の外面Boの凹曲面の曲率半径4.
0mm 電極2:ドープドタングステンからなり、軸部2aが上
側の電極で直径0.2mm、長さ2.5mm、第1のコ
イル部2bが直径0.16mmのドープドタングステン
線の密巻4ターン、第2のコイル部2cが0.13mm
のドープドタングステン線の密巻70ターン、電極間距
離3.5mm 導入導体3:ニオブ、直径0.64mm 放電媒体:始動ガスおよびバッファガスとしてNe3%
+Arが約13kPa、水銀約2mg、および発光金属
としてNa、Tl、Dyのヨウ化物=2.0mg ランプ電力:21W 全光束:1800lm、発光効率:90lm/W 色温度:3000K 定格寿命:8000h 以下、図3および図4を参照して本発明の他の実施形態
について説明する。なお、図中、図1および図2と同一
部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0082】図3は、本発明の高圧放電ランプの第2の
実施形態を示す一部透視正面図である。本実施形態は、
始動補助導体SAC1、SAC2などを備えた2重管構
造である点で異なる。すなわち、高圧放電ランプは、発
光管IB、第1および第2の接続導体CC1、CC2、
ブリッジ導体BC、第1および第2の始動補助導体SA
C1、SAC2、外管OB、ゲッタGT、外部接続導体
OCT1、OCT2、ならびに口金Bからなる。
【0083】発光管IBは、図1に示す高圧放電ランプ
と同一の構造である。なお、金属ハロゲン化物および水
銀は蒸発する分より過剰に封入されているので、その一
部が安定点灯時にわずかな隙間g内に液相状態で滞留す
る。そして、液相状態の放電媒体の界面は、最冷部を形
成する。
【0084】第1および第2の接続導体CC1、CC2
は、それぞれモリブデン線からなり、外管OB内の軸方
向に発光管IBを挟んでほぼ平行に延在している。そし
て、第1の接続導体CC1は、その先端が上部の電極2
の給電導体3に接続しているとともに、中間が透光性セ
ラミックス放電容器1の軸方向に対してほぼ平行に、か
つ、離間して延在している。第2の接続導体CC2は、
ブリッジ導体BCを介して下部の電極2の給電導体3に
接続している。
【0085】始動補助導体SAC1、SAC2は、それ
ぞれ直径0.3mmのモリブデン線により形成した金属
製コイルからなる。ターン数は、始動補助導体SAC1
が8ターン、始動補助導体SAC2が4ターンである。
そして、それぞれ小径筒部1bの外周の包囲部1a側に
近接して、すなわち包囲部1aと小径筒部1bとの境界
部側に巻装されている。すなわち、一方の始動補助導体
SAC1は、上部の小径筒部1bに巻装され、かつ、第
2の接続導体CC2に図のゲッタGTの背方で接続され
ることによって、下部にある反対側の電極2と同電位に
なっている。また、他方の始動補助導体SAC2は、下
部の小径筒部1bに巻装され、かつ、第1の接続導体C
C1に接続されることによって、図において上部にある
反対側の電極2と同電位になっている。
【0086】外管OBは、硬質ガラス製のT形バルブか
らなり、基端にピンチシール部psが、先端に排気チッ
プオフ部tが、それぞれ形成され、内部が排気されて
1.3×10−2Pa程度の低真空状態になっている。
ピンチシール部psは、T形バルブの開口端を加熱して
軟化状態のときにピンチし、第1および第2の接続導体
CC1、CC2と外部接続導体OCT1、OCT2とを
溶接したモリブデンの封着金属箔MFを内部に気密に埋
設して形成する。排気チップオフ部tは、外管OBを封
止した後に外管OBの内部を排気して排気管(図示しな
い。)を封し切った跡である。
【0087】ゲッタGTは、ZrAl合金からなり、第
2の接続導体CC1の上端に溶接により支持されてい
る。
【0088】外部接続導体OCT1、OCT2は、接続
導体CC1、CC2を一体に延長して、外管OBのピン
チシール部psを気密に貫通させて外部に導出すること
により、構成されている。
【0089】口金Bは、E11形ねじ口金導体b1およ
びセラミックス基体b2からなる。E11形ねじ口金導
体b1は、一対の外部接続導体OCT1、OCT2を所
要に接続している。セラミックス基体b2は、その内部
を透視した形で表示しているが、実際はセラミックス成
形により形成されていて、E11形ねじ口金導体b1を
支持するとともに、外管OBのピンチシール部psを受
け入れて無機質接着剤(図示しない。)によって固着し
ている。
【0090】そうして、本実施形態の高圧放電ランプ
は、ハロゲン電球と同様な外形構造を備えているので、
ハロゲン電球用のダウンライトやスポットライトなどの
照明装置に代替可能な光源として好適である。
【0091】図4および図5は、本発明の高圧放電ラン
プの第3の実施形態および照明装置の第1の実施形態と
しての電球形高圧放電ランプ装置を示し、図4は一部断
面正面図、図5はハーフブリッジ形高周波インバータを
主体とする高周波点灯回路である。高圧放電ランプ12
としての本実施形態は、図3と比較した場合に口金Bを
備えていない点で異なる。また、照明装置としての本実
施形態は、高圧放電ランプ12、台座13、反射鏡1
4、高周波点灯回路15、基体16および口金17を備
えた電球形高圧放電ランプとして特徴付けされている。
以下、電球形高圧放電ランプの各構成要素について説明
する。
【0092】〔高圧放電ランプ12について〕高圧放電
ランプ12は、図3に示す第2の実施形態に類似してい
るが、口金がなく、外部接続端子OCT1、OCT2が
外管OBのピンチシール部psから図において上方へ突
出して、高周波点灯回路15に直接接続している。
【0093】〔台座13について〕台座13は、耐熱性
合成樹脂を成形して形成され、中心部に装着孔13a、
図において上部外周縁に取付部13b、また下部外周縁
に中空のコップ状のスカート部13cを備えている。装
着孔13aは、高圧放電ランプ12および反射鏡14を
装着するためのもので、そこに挿入された高圧放電ラン
プ12のピンチシール部psおよび後述する反射鏡14
の縁部14aを同心にして無機質接着剤19を介して固
定している。取付部13bは、後述する基体16の開口
端に固着される。スカート部13cは、反射鏡14の周
囲を包囲して保護するとともに、外観を整えている。
【0094】〔反射鏡14について〕反射鏡14は、高
圧放電ランプ12の周囲に配設されているとともに、高
圧放電ランプ12の少なくとも発光部すなわち包囲部1
aを包囲している。そして、反射鏡14は、台座13に
固定されている。本実施形態においては、前記したよう
に、高圧放電ランプ12と一緒に固定されている。ま
た、反射鏡14は、ガラス成形により臥せ椀状に成形さ
れ、同時に頂部の円筒状の縁部14aを一体に形成して
いるとともに、内面にアルミニウム蒸着膜からなる反射
面14bを形成している。なお、この縁部14aは、台
座13の装着孔13aに挿入され、無機接着剤BCで台
座13に固定されている。さらに、反射鏡13の開口部
に前面ガラス14cが配設されている。前面14bは、
透明ガラスを成形して製作され、低融点フリットガラス
18で反射鏡14に気密に封着されている。さらにま
た、反射鏡14および前面ガラス14bにより形成され
ている内部空間には、不活性ガスとして窒素が封入され
ている。
【0095】〔高周波点灯回路15について〕高周波点
灯回路15は、配線基板15aの図10において主とし
て上側に実装され、また配線基板15aの下面から高圧
放電ランプ12の外部接続端子OCT1,OCT2を受
け入れて、配線基板15aと所要に接続している。
【0096】〔基体16について〕基体16は、杯状を
なしていて、その基部に後述する口金17が装着され、
また開口縁に周段部16aが形成されている。また、基
体16の内部には、点灯回路手段15が収納されてい
る。さらに、開口縁の周段部16aに台座13の周段部
13cを嵌合して、接着剤によって固着している。な
お、基体16の適所または台座との嵌合部に空気抜きや
放熱のための孔隙を必要に応じて形成する。
【0097】〔口金17について〕口金17は、E26
形の口金からなり、基体16の基部に装着されている。
【0098】次に、高周波点灯回路15の回路構成を図
11を参照して説明する。
【0099】図11において、高周波点灯回路15は、
交流電源AS、過電流ヒューズf、ノイズフィルタN
F、整流化直流電源RD、高周波インバータHFI、負
荷回路LCからなる。以下、構成要素ごとに説明する。
【0100】交流電源ASは、商用100V電源であ
る。
【0101】過電流ヒューズfは、配線基板に一体に形
成したパターンヒューズであり、過電流が流れた際に溶
断して回路が焼損しないように保護する。
【0102】ノイズフィルタNFは、インダクタL1お
よびコンデンサC1からなり、高周波インバータの動作
に伴って発生する高周波を電源側に流出しないように除
去する。
【0103】整流化直流電源RDは、ブリッジ形整流回
路BRおよび平滑コンデンサC2からなり、ブリッジ形
整流化色BRの交流入力端がノイズフィルタNFおよび
過電流ヒューズfを介して交流電源Aに接続し、また直
流出力端が平滑コンデンサC2の両端に接続していて、
平滑化直流を供給する。
【0104】高周波インバータHFIは、ハーフブリッ
ジ形インバータからなり、第1および第2のスイッチン
グ手段Q1、Q2、ゲートドライブ回路GD、始動回路
STおよびゲート保護回路GPを備えて構成されてい
る。第1のスイッチング手段Q1は、Nチャンネル形M
OSFETからなり、そのドレインが平滑コンデンサC
2のプラス側に接続している。第2のスイッチング手段
Q2は、Pチャンネル形MOSFETからなり、そのソ
ースが第1のスイッチング手段Q1のソースに接続し、
ドレインが平滑コンデンサC2のマイナス側に接続して
いる。したがって、第1および第2のスイッチング手段
Q1、Q2は、順方向に直列接続されて、その両端が整
流化直流電源RDの出力端間に接続していることにな
る。
【0105】ゲートドライブ回路GDは、帰還回路FB
C、直列共振回路SOCおよびゲート電圧出力回路GO
からなる。帰還手段FBCは、後述する限流インダクタ
L2に磁気結合している補助巻線からなる。直列共振回
路SOCは、インダクタL3およびコンデンサC3の直
列回路からなり、その両端は帰還手段FBCに接続して
いる。ゲート電圧出力手段GOは、直列共振回路SOC
のコンデンサC3の両端に現れる共振電圧をコンデンサ
C4を介して取り出すように構成されている。そして、
コンデンサC4の一端は、コンデンサC3とインダクタ
L3との接続点に接続し、コンデンサC4の他端は第1
および第2のスイッチング手段Q1、Q2のそれぞれの
ゲートに接続している。さらに、コンデンサC3の他端
が第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のソー
スに接続している。その結果、コンデンサC3の両端に
現れた共振電圧は、ゲート電圧出力回路GOを介して第
1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のゲート・
ソース間に印加される。
【0106】始動回路STは、抵抗器R1、R2、R3
からなる。抵抗器R2は、その一端が平滑コンデンサC
2のプラス側に接続し、他端が第1のスイッチング手段
Q1のゲートに接続しているとともに、抵抗器R2の一
端およびゲートドライブ回路GDのゲート電圧出力回路
GOのゲート側の出力端すなわちコンデンサC4の他端
に接続している。抵抗器R2の他端は、直列共振回路S
OCのインダクタL3および帰還回路FBCの接続点に
接続している。抵抗器R3は、その一端が第1および第
2のスイッチング手段Q1、Q2の接続点すなわちそれ
ぞれのソースおよびゲート電圧出力回路GOのソース側
に接続し、他端が平滑コンデンサC2のマイナス側に接
続している。
【0107】ゲート保護回路GPは、一対のツェナーダ
イオードを逆直列接続してなり、ゲート電圧出力回路G
Oに並列接続している。
【0108】負荷回路LCは、高圧放電ランプ12、限
流インダクタL2および直流カットコンデンサC5の直
列回路と、高圧放電ランプ12に並列接続した共振コン
デンサC6とからなり、一端が第1および第2のスイッ
チング手段Q1、Q2の接続点に、他端が第2のスイッ
チング手段Q2のドレインに接続している。限流インダ
クタL2と共振コンデンサC6とは、直列共振回路を形
成する。なお、直流カットコンデンサC5は、容量が大
きいので、直列共振に大きくは影響しない。
【0109】Q2のドレイン・ソース間に接続されたコ
ンデンサC7は、第2のスイッチング手段Q2のスイッ
チング中の負荷を軽減する。
【0110】次に、回路動作について説明する。
【0111】交流電源ASを投入すると、整流化直流電
源RDにより平滑化された直流電圧が平滑コンデンサC
2の両端に現れる。そして、直列接続された第1および
第2のスイッチング手段Q1、Q2の両ドレイン間に直
流電圧が印加される。しかし、両スイッチング手段Q
1、Q2は、ゲート電圧が印加されてないので、オフし
ている。
【0112】上記直流電圧は、同時に始動回路STにも
印加されるので、抵抗器R2の両端には主として抵抗器
R1、R2、R3の抵抗値の案分比に応じた電圧が現れ
る。そして、抵抗器R2の端子電圧は、第1および第2
のスイッチング手段Q1、Q2のゲート・ソース間に正
極性の電圧として印加される。
【0113】その結果、第1のスイッチング手段Q1
は、スレッシュホールド電圧を超えるように設定されて
いるため、オンする。これに対して、第2のスイッチン
グ手段Q2のゲート・ソース間に印加される電圧は、所
要のゲート電圧とは逆極性であるため、オフ状態のまま
である。
【0114】第1のスイッチング手段Q1がオンする
と、整流化直流電源RDから第1のスイッチング手段Q
1を介して負荷回路LCに電流が流れる。これにより限
流インダクタL2および共振コンデンサC6の直列共振
回路が共振して共振コンデンサC6の端子間に高い共振
電圧が現れ、高圧放電ランプHPLに印加される。
【0115】一方、限流インダクタL2に電流が流れた
ことにより、磁気結合している帰還回路FBCに電圧が
誘起される。これにより直列共振回路SOCが直列共振
して、コンデンサC3には昇圧された負電圧が発生する
ので、ゲート保護回路GPにより一定電圧にクリップさ
れ、ゲート電圧出力回路GOを介して第1および第2の
スイッチング手段Q1、Q2のゲート・ソース間に印加
される。
【0116】これにより、第2のスイッチング手段Q2
はスレッシュホールド電圧を超えるため、オンする。
【0117】これに対して、今までオンしていた第1の
スイッチング手段Q1は、ゲート電圧が逆極性になるの
で、オフする。
【0118】第2のスイッチング手段Q2がオンする
と、負荷回路LCの限流インダクタL2に蓄積されてい
る電磁エネルギーおよびコンデンサC6の電荷が放出さ
れて、限流インダクタL2から第2のスイッチング手段
Q2を介して負荷回路LC内を逆方向に電流が流れ、コ
ンデンサC6の両端には極性が反転した共振による高い
電圧が現れ、高圧放電ランプHPLに印加される。以
後、以上説明した動作を繰り返す。高周波インバータH
FIの動作周波数は45kHzであり、高圧放電ランプ
12は音響的共鳴現象を生じることなく良好に始動し、
点灯した。
【0119】次に、上記実施形態のランプ仕様について
説明する。 外径:50mm、全長:110mm 口金:E26 定格電圧:100V 消費電力:23W 最大光度:4200cd ビームの開き:28° ビーム光束:780lm 定格寿命:8000h 図6は、本発明の照明装置の第2の実施形態としてのス
ポットライトを示す一部中央断面正面図である。本実施
形態のスポットライトは、スポットライト本体11、高
圧放電ランプ12および高周波点灯回路からなる。な
お、高周波点灯回路は、別置きであり、図示を省略して
いる。
【0120】スポットライト本体11は、主として天井
取付部11a、アーム11b、本体ケース11c、ラン
プソケット11d、反射鏡11e、遮光筒11fおよび
前面ガラス11gを備えている。天井取付部11aは、
天井に取り付けられてスポットライトを吊持するととも
に、たとえば天井裏などに別置きに配設される点灯回路
手段(図示しない。)に接続して、ここから受電する。
アーム11bは、基端が天井取付部11aに固定されて
いる。本体ケース11cは、前面が開口した容器状をな
し、アーム11bの先端に垂直面内において俯仰自在に
枢着されている。なお、図中の2点鎖線は、本体ケース
11cを基準にしたときのアーム11bの俯仰調節可能
な範囲を説明している。ランプソケット11dは、E1
1形口金用に適合するもので、本体ケース11c内に配
設されている。反射鏡11eは、ランプソケット11d
の前方に位置して本体ケース11cに配設されている。
遮光筒11fは、反射鏡11eの開口端の中央部に配設
されている。前面ガラス11gは、本体ケース11cの
開口端に配設されている。
【0121】高圧放電ランプ12は、図3に示すのと同
様な仕様である。そして、高圧放電ランプ12は、その
口金Bをランプソケット11dに装着することにより、
スポットライト本体11に取り付けられている。また、
高圧放電ランプ12が取り付けられている状態で遮光筒
11fが外管OB先端からの光を遮光して、グレアを防
止する。
【0122】図7は、本発明の高圧放電ランプの第4の
実施形態および照明装置の第3の実施形態としてのスポ
ットライトを示す正面図である。図において、21は照
明器具本体、22は高圧放電ランプである。
【0123】照明器具本体21は、基台21a、支柱2
1bおよび灯体21cを備えている。
【0124】基台21aは、天井に直付けまたはライテ
ィングダクトを介して天井に吊り下げるように構成さ
れ、内部に高周波点灯回路(図示しない。)を収納して
いる。支柱21bは、基台21aから垂下して灯体21
cを支持している。内部に高周波点灯回路から灯体21
cに接続する絶縁被覆導線(図示しない。)を収容して
いる。灯体21cは、内部にランプソケット(図示しな
い。)を収納している。
【0125】高圧放電ランプ22は、高圧放電ランプ本
体22a、反射鏡付ガラスバルブ22bおよび口金22
cを備えている。高圧放電ランプ本体22aは、図3に
示すのと類似している。反射鏡付ガラスバルブ22b
は、R形ガラスバルブの前面を除く内面にアルミニウム
蒸着反射面22b1を形成することによって構成されて
いる。口金22cは、口金導体およびセラミックス基体
22c2から構成されている。口金導体は、E26形で
あり、灯体21cの内部に配設されているランされてい
るとともに、高圧放電ランプ本体22aおよび反射鏡付
ガラスバルブ2プソケットに装着されている。セラミッ
クス基体22c2は、口金導体と一体化2bの基部を同
心関係に受け入れて無機接着剤により固着している。
【0126】そうして、灯体21cのランプソケットに
高圧放電ランプ22の口金22cを装着すれば、高圧放
電ランプ22が高輝度で点灯し、反射鏡付ガラスバルブ
22bのアルミニウム蒸着反射面22b1により集光さ
れるので、所望のシャープな配光特性を得て被照体を良
好に照明することができる。したがって、本実施形態の
高圧放電ランプ22は、従来の反射鏡付水銀ランプを用
いるスポットライトなどにおいて、反射鏡付水銀ランプ
と代替するのに好適である。
【0127】
【発明の効果】請求項1ないし4の各発明によれば、放
電空間を包囲する包囲部および包囲部の両端に連通した
小径筒部を備えて一体的に成形されるとともに、包囲部
と小径筒部との境界部の外面が連続した凹曲面で、か
つ、内面が不連続な変曲点を、それぞれ形成している透
光性セラミックス放電容器と、透光性セラミックス放電
容器の小径筒部の内面との間にわずかな隙間を形成しな
がら小径筒部内に挿通されている一対の電極と、先端が
電極の基端部に接続され少なくとも中間部が透光性放電
容器に封着された導入導体と、放電媒体とを具備してい
ることにより、上記境界部の熱容量が大きくなり、放電
空間と最冷部との間の熱隔離が行なわれ、ハロゲン化物
の移動が低減するので、小径筒部に形成される最冷部の
温度が安定して、点灯方向特性が改善される高圧放電ラ
ンプを提供することができる。
【0128】請求項2の発明によれば、加えて透光性セ
ラミックス放電容器は、包囲部の内面がほぼ真球形状で
あることにより、音響的共鳴周波数が単一化されて、音
響的共鳴現象を回避した周波数帯域が拡大するので、高
周波点灯回路の設計が容易になる高圧放電ランプを提供
することができる。
【0129】請求項3の発明によれば、加えて透光性セ
ラミックス放電容器の小径筒部の周囲に配設されて小径
筒部の内部に挿通する電極を包囲するとともに、対向電
極と同電位にされた始動補助導体を具備していることに
より、小径筒部の機械的強度が向上するので、始動補助
導体および電極間の先駆微小放電による熱応力で小径筒
部の付け根部分すなわち上記境界部近傍にクラックを生
じるような不具合が低減する高圧放電ランプを提供する
ことができる。
【0130】請求項4の発明によれば、加えて透光性セ
ラミックス放電容器の一対の小径筒部の周囲に配設され
て小径筒部の内部に挿通する電極を包囲するとともに、
対向電極と同電位で、かつ、互いに非対称構造になって
いる一対の始動補助導体を具備していることにより、非
対称化した始動補助導体および電極の間の静電容量が大
きくなり、始動時における先駆微放電電流が相対的に大
きくなる結果、放電媒体の蒸発に消費されるエネルギー
が増加し、その分電極の加熱が抑制され、黒化が低減す
る高圧放電ランプを提供することができる。
【0131】請求項5の発明によれば、請求項1ないし
4の効果を有する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高圧放電ランプの第1の実施形態を示
す縦断面図
【図2】同じく透光性セラミックス放電容器の断面を模
式的に示す説明図
【図3】本発明の高圧放電ランプの第2の実施形態を示
す一部透視正面図
【図4】本発明の高圧放電ランプの第3の実施形態およ
び照明装置の第1の実施形態としての電球形高圧放電ラ
ンプ装置を示す一部断面正面図
【図5】ハーフブリッジ形高周波インバータを主体とす
る高周波点灯回路
【図6】本発明の照明装置の第2の実施形態としてのス
ポットライトを示す一部中央断面正面図
【図7】本発明の高圧放電ランプの第4の実施形態およ
び照明装置の第3の実施形態としてのスポットライトを
示す正面図
【符号の説明】
1…透光性セラミックス放電容器 1a…包囲部 1a1…空洞 1b…小径筒部 1b1…貫通孔 2…電極 2a…軸部 2b…第1のコイル部 2c…第2のコイル部 3…導入導体 4…シール部 CF…凹曲面 DP…変曲点 g…わずかな隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 41/24 H05B 41/24 L // F21Y 101:00 F21Y 101:00 Fターム(参考) 3K014 AA01 EA00 3K072 AA11 BA03 BB01 GA02 GB12 5C039 BA07 BB23 5C043 AA05 AA06 AA14 AA20 CC03 CD01 DD03 DD04 EA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放電空間を包囲する包囲部および包囲部の
    両端に連通した小径筒部を備えて一体的に成形されると
    ともに、包囲部と小径筒部との境界部の外面が連続した
    凹曲面で、かつ、内面が不連続な変曲点を、それぞれ形
    成している透光性セラミックス放電容器と;透光性セラ
    ミックス放電容器の小径筒部に挿通されているとともに
    先端が透光性放電容器の包囲部に臨んでいる一対の電極
    と;先端が電極の基端部に接続され、少なくとも中間部
    が透光性放電容器に封着され、基端が透光性放電容器か
    ら外部に露出した導入導体と;透光性セラミックス放電
    容器内に封入された放電媒体と;を具備していることを
    特徴とする高圧放電ランプ。
  2. 【請求項2】透光性セラミックス放電容器は、包囲部の
    内面がほぼ真球形状であることを特徴とする請求項1記
    載の高圧放電ランプ。
  3. 【請求項3】透光性セラミックス放電容器の小径筒部の
    周囲に配設にされて小径筒部の内部に挿通する電極を包
    囲するとともに、対向電極と同電位にされた始動補助導
    体を具備していることを特徴とする請求項1または2記
    載の高圧放電ランプ。
  4. 【請求項4】透光性セラミックス放電容器の一対の小径
    筒部の周囲に配設されて小径筒部の内部に挿通する電極
    を包囲するとともに、対向電極と同電位で、かつ、互い
    に非対称構造になっている一対の始動補助導体を具備し
    ていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一
    記載の高圧放電ランプ。
  5. 【請求項5】照明装置本体と;照明装置本体に支持され
    た請求項1ないし4のいずれか一記載の高圧放電ランプ
    と;高圧放電ランプを付勢する点灯回路と;を具備して
    いることを特徴とする照明装置。
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