JP2003091510A - 指紋認証システム、電子機器及び指紋認証方法 - Google Patents

指紋認証システム、電子機器及び指紋認証方法

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JP2003091510A
JP2003091510A JP2001285161A JP2001285161A JP2003091510A JP 2003091510 A JP2003091510 A JP 2003091510A JP 2001285161 A JP2001285161 A JP 2001285161A JP 2001285161 A JP2001285161 A JP 2001285161A JP 2003091510 A JP2003091510 A JP 2003091510A
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Hiroyasu Yamada
裕康 山田
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 認証者以外の複数の代理人が指紋認証装置に
指紋を登録することで、認証者と同じように利用するこ
とができる指紋認証システム及び電子機器を提供する。 【解決手段】 指紋読取手段62と、記憶手段64と、
指紋登録手段61aと、指紋照合手段61aと、認証デ
ータ出力手段61aと、第一の通信手段67とを有する
携帯型指紋照合装置6を備えるとともに、第二の通信手
段75と、判別手段73と、制御手段71とを有する動
作認証装置7を備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、指紋認証システ
ム、電子機器及び指紋認証方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インターネット/イントラネット/エクス
トラネットと、ネットワーク・コンピューティングが拡
大するにつれ、セキュリティ対策もより高度化が求めら
れている。また、なりすましやハッカーといった社外か
らの脅威だけでなく、社内や協業企業グループ内におけ
る重要データへのアクセス制限なども視野に入れたセキ
ュリティ対策が必要になっている。また、日常生活にお
いても近年の犯罪数の増加から、より高度なセキュリテ
ィシステムの需要が高まっている。そこで、ますます欠
かせないのが、バイオメトリクス(生体計測)技術を駆使
した本人認証の仕組みである。バイオメトリクス技術に
は、顔認証、指紋認証、声紋認証、サイン認証などがあ
げられる。
【0003】なかでも、指紋認証を用いるメリットはそ
の信頼性、受け入れられやすさ、そして利便性にある。
指紋認識デバイスで指紋を読みとるのにかかる時間と労
力は微々たるものである。また、多くの研究によって、
認識情報に指紋を用いるのが、あらゆるバイオメトリク
ス技術の中でもっともユーザーの精神的抵抗が少ないと
報告されている。指紋認証は、指紋の模様に含まれる、
それぞれ固有の特徴点 (隆線の端点や分岐点)から読み
取った照合データを基に、本人か他人かを高精度に識別
する認証方式である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の指紋
認証においては、本人が認証を必要とする時間及び場所
に居合わせる必要があり、鍵のように、第三者に貸与す
ることが困難であるという問題点があった。ここで、携
帯電話、インターネットの普及により、例えば、代理人
に認証現場に行かせ、インターネットの認証サーバーを
経由して認証装置を解除してもらい、代理人が解除され
た装置を用いることは現在のインターネット技術で可能
である。
【0005】しかし、上述の場合には、認証装置は認証
サーバに接続できる大掛かりなものである必要がある。
また、認証の不正コピー利用防止の観点から、本人認証
による解除はリアルタイムになされなければならない。
例えば、代理人が深夜に解除して欲しい場合には、認証
者はその時間に起きて認証サーバへ接続する作業をしな
ければならない。すなわち、認証者は、時間に拘束され
ることになる。
【0006】したがって、車の鍵を預けて他人に車を利
用させたり、取ってきてもらう場合や、家に忘れ物をし
て誰かに代わりに家に入って忘れ物を取ってきてもらう
といった場合に、現在の指紋認証の技術では十分に対応
できない。とはいえ、パスワードで解除する方法では、
セキュリティレベルが低下してしまうし、擬似指を預け
て解除する指紋認証装置では、セキュリティレベルが低
く、指紋認証を使用する意味がなくなってしまう。
【0007】一方、指紋認証を鍵代わりに使用する場合
に、指紋認証装置自体を携帯できる小型なものとし、本
人の指紋と指紋認証装置とを組み合わせたものを鍵とし
て機能させることが考えられる。また、この際に、施錠
装置や各種装置へのアクセスを考慮すると、指紋認証装
置が通信機能を持っていることが好ましい。この場合
に、現在普及している携帯電話やPHS等の移動体通信
システムの携帯端末に指紋認証装置を組み込むことが考
えられる。指紋認証方式には概ね光学方式と静電容量方
式があり、光学方式はプリズムに接触させた指からの反
射光を読み出すものであり、静電容量方式は指の凹凸に
応じたキャパシタ及び抵抗の差を読み出すものである
が、光学方式のプリズムは嵩高い立体構造のために薄型
化が困難であり、また静電容量方式は、読み取り装置の
下方にシリコン基板からなる駆動回路が設けられた薄型
構造が提案されているが、シリコン基板が可視光に対し
不透明なために、いずれも携帯端末の表示パネル等とは
重ねずに専用の箇所に配置しなければならなかった。
【0008】また、指紋認証装置は、指から指紋を読み
取るセンサを露出させた状態に設ける必要があるが、携
帯端末は、全体が薄く小型で、その正面には、ディスプ
レイ、テンキー等の各種操作キーが配置されており、指
の第一関節より先の部分と同程度の面積を必要とするセ
ンサを設置するスペースを確保することが難しい。すな
わち、携帯端末の正面に、指紋読取用のセンサを配置す
ると、携帯端末の正面の面積が大きくなってしまう。ま
た、前記センサを携帯端末の背面に配置すると、表示パ
ネルや操作キー等が正面にあるので、携帯端末を裏返し
て正面と背面とを切り替えて指紋の読取動作と、それに
伴うキー操作を行う必要が生じたり、操作位置が裏側と
なって見えない状態で、指紋の読取操作もしくはキー操
作を行うことになり、操作性が悪いという問題が発生す
る可能性がある。
【0009】また、携帯端末は、小型軽量化が進められ
ており、腕時計型の携帯端末も開発されている。このよ
うな腕時計型端末では、正面側に指紋読取用のセンサを
配置することがほとんど不可能であり、かつ、装着時に
背面側は腕に接しているので、背面に前記センサを設け
るものとすれば、指紋の読み取りに際し、腕時計型の携
帯端末を腕から外さなければならず、極めて操作性の悪
いものとなる。また、指紋認証すべき人が多数いる場合
に、多数の指紋認証データと、今回読み取られたデータ
とを照合する必要があるが、この場合には、照合に長い
時間がかかる。
【0010】そこで、本発明の課題は、認証者以外の複
数の代理人が指紋認証装置に指紋を登録することで、認
証者と同じように利用することができる指紋認証システ
ム、電子機器及び指紋認証方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、指紋を読み取り、指紋情報
として出力する指紋読取手段62と、該指紋読取手段か
ら出力された指紋情報を記憶する記憶手段64と、該指
紋読取手段から出力された指紋情報を照合用指紋情報と
して前記記憶手段に記憶させる指紋登録手段61aと、
該指紋読取手段で読み取られた指紋情報と、前記照合用
指紋情報とが同一の指紋に基づくか否かを照合して判断
する指紋照合手段61aと、該指紋照合手段が、前記指
紋情報と前記照合用指紋情報とが同じ指紋に基づくと判
断した場合に、指紋情報と異なる特定の認証データを出
力する認証データ出力手段61aと、該認証データ出力
手段から出力された認証データを送信する第一の通信手
段67とを有する携帯型指紋照合装置6を備えるととも
に、前記認証データを受信する第二の通信手段75と、
前記認証データが正規の認証データか否かを判別する判
別手段73と、任意の装置に接続され、前記判別手段の
判別結果に基づいて、前記任意の装置の動作を制御する
制御手段76とを有する動作認証装置7を備えたことを
特徴とする。
【0012】請求項1記載の発明によれば、携帯型指紋
照合装置において、照合用の指紋情報の記憶手段への登
録と、登録された照合用指紋情報と、指紋読取手段で読
み取られた指紋の照合とが全て携帯型指紋照合装置で行
われ、それに基づいて認証データが動作認証装置に送信
される。一方、任意の装置の動作を制御する動作認証装
置において、携帯型指紋照合装置から送信された認証デ
ータが正規の認証データと判断された場合に、任意の装
置の動作が制御される。
【0013】従来、携帯型指紋照合装置から読み取った
指紋情報を動作認証装置に送り、動作認証装置で指紋の
照合を行うものとした場合には、前記任意の装置の操作
を行う可能性がある全ての人の指紋情報を照合用指紋情
報として登録して、この照合用指紋情報と携帯型指紋照
合装置から送信された指紋情報とを照合することにな
り、照合すべき指紋情報が多くなることから、指紋の照
合に時間がかかることになるが、動作認証装置で登録さ
れた情報は指紋情報と異なる特定の認証データであり、
送信の度に逐一指紋情報を照合する必要がなく、特定の
認証データは指紋情報よりも簡易なデータとすることが
可能であるので従来のような指紋照合よりも短時間で認
証データの照合を処理することが可能である。また動作
認証装置には指紋情報が登録されていないので、動作認
証装置から指紋情報の漏洩がなく、セキュリティを向上
することができる。なお、ここで言及された所有者は、
携帯型指紋照合装置の真の所有者でなくともよく、実質
的に携帯型指紋照合装置の主たる使用者であればよい。
【0014】そして、携帯型指紋照合装置で指紋の認証
を行うものは、基本的に携帯型指紋照合装置の所有者一
人であり、後述するように代理人に貸与するような場合
には、所有者と代理人との極めて少人数である。従っ
て、記憶手段に登録されているのは、一人もしくは少人
数の照合用指紋情報であり、読み取られた指紋情報と照
合される照合用指紋情報の数が少ないので、短時間で指
紋の照合を行うことができる。
【0015】また、携帯型指紋照合装置において、照合
用指紋情報の記憶手段への登録が可能なことから、例え
ば、携帯型指紋照合装置の所有者以外の第三者に代理人
として任意の装置の操作を依頼する場合に、予め、代理
人の指紋情報を指紋照合用データに登録し、かつ、携帯
型指紋照合装置を貸与させて、代理人が任意の装置を操
作する際に、携帯型指紋照合装置で代理人の指紋を照合
させれば、携帯型指紋照合装置から正規の認証データが
動作認証装置に送信され、その時間に所有者が指紋の認
証を行わなくても、代理人が任意の装置を動作させるこ
とができる。したがって、従来の鍵の貸し借りと同様の
利便性を実現できるとともに、セキュリティレベルの高
い指紋認証システムを構築できる。
【0016】請求項2記載の発明は、前記指紋登録手段
が前記携帯端末の所有者を登録する所有者モードと、前
記所有者の代理人を登録する代理人モードとを有し、前
記所有者モードで登録された所有者照合用指紋情報と、
前記代理人モードで登録された代理人照合用指紋情報と
の二種類以上の照合用指紋情報を前記記憶手段に登録可
能とされ、前記指紋照合手段が、前記読取手段で読み取
られた指紋情報と前記所有者照合用指紋情報とが同一の
指紋に基づくとみなした場合に、前記認証データ出力手
段は前記認証データを出力し、前記指紋照合手段が、前
記読取手段で読み取られた指紋情報と前記代理人照合用
指紋情報とが同一の指紋に基づくとみなした場合に、前
記認証データ出力手段は、前記認証データ或いは前記代
理人の情報を含んだ認証データを出力することを特徴と
する。
【0017】請求項2記載の発明によれば、携帯型指紋
照合装置の所有者と、上述のように所有者に代わって任
意の装置を動作させる代理人とを別々に記憶手段に登録
することができる。
【0018】請求項3記載の発明は、前記代理人の有効
期間を示す期間データ、有効回数を示す回数データのう
ちの少なくとも一方を設定する設定手段61aと、前記
指紋照合手段が前記読取手段で読み取られた指紋情報と
前記代理人照合用指紋情報と照合して同一の指紋に基づ
くと判断したときの時刻と、前記代理人が前記動作認証
装置に前記認証データを送信する回数と、のうちの少な
くとも一方の計測を行う計測手段61dと、を備え、前
記計測手段に計測された時刻が前記設定手段で設定され
た期間データの期間以外であった場合、或いは前記計測
手段に計測された前記認証データを送信した回数が既に
前記設定手段の有効回数に達している場合に、前記指紋
照合手段が前記読取手段で読み取られた指紋情報と前記
代理人照合用指紋情報と照合して同一の指紋に基づくと
判断しても、前記認証データ出力手段が前記認証データ
の出力を停止するか或いは前記第一の通信手段が前記認
証データの送信を停止することを特徴とする。
【0019】請求項3記載の発明によれば、代理人が任
意の装置を操作可能な期間や回数を制限することができ
る。従って、代理人は所有者が認めた期間もしくは回数
しか任意の装置を操作することができなくなり、代理人
の携帯型指紋照合装置の濫用を防止することができる。
なお前記携帯端末は、前記認証データを暗号化する暗号
化手段61aを備え、前記通信手段が暗号化された認証
データを送信し、前記操作認証装置は、前記通信手段に
受信される暗号化された認証手段を復号化する復号化手
段71aを備えるようにしてもよい。上述のごとく構成
にすれば、認証データは、暗号化手段により暗号化され
た状態で通信され、受信した時点で復号化手段により復
号化されるため、第三者が認証データを傍受しても前記
任意の装置を操作することができず、セキュリティレベ
ルを維持することができる。なお、この場合に、認証デ
ータが同じでも複数回暗号化される際に、異なる暗号と
なる必要がある。
【0020】請求項4記載の発明は、前記携帯型指紋照
合装置に前記代理人モードで前記代理人の指紋情報を予
め登録されていれば、前記動作認証装置に前記代理人用
の認証データを登録していなくても、前記指紋照合手段
が前記読取手段で読み取られた指紋情報と前記代理人照
合用指紋情報とを照合して同一の指紋に基づくと判断す
ることにより前記携帯型指紋照合装置から送信された認
証データ或いは前記代理人の情報を含んだ認証データに
したがって前記動作認証装置の前記制御手段が前記任意
の装置の動作を制御することを特徴とする。
【0021】請求項4記載の発明によれば、動作認証装
置に代理人用の認証データを登録していなくても、任意
の装置の動作を制御することが可能となる。
【0022】請求項5記載の発明は、ディスプレイを備
えた電子機器Wにおいて、指紋を読み取る指紋読取手段
を備えるとともに、前記指紋読取手段が、該指紋読取手
段を透過して前記ディスプレイの表示を認識可能な透明
性を有するとともに、前記ディスプレイ上に該ディスプ
レイと重なるように配置されていることを特徴とする。
【0023】請求項5記載の発明によれば、指紋読取手
段は、高い透明性を有しているため、重ねて設置しても
ディスプレイの視認性を妨げることはないので、指紋読
取手段をディスプレイ上に重ねて設けることができる。
そのため、電子機器の背面に指紋読取手段を設けたり、
小型の電子機器に指紋読取手段を設けるために、電子機
器のサイズを大きくしたりする必要がなく、腕時計のよ
うな小さい電子機器にも設置できる。
【0024】請求項6記載の発明は、前記指紋読取手段
が、光学的に指紋を読み取るセンサデバイスとして、ダ
ブルゲートトランジスタを有することを特徴とする。
【0025】請求項6記載の発明によれば、ダブルゲー
トトランジスタは、透明ではないが非常に小さく形成す
ることができ、かつ、ダブルゲートトランジスタの周囲
を透明にすることができるため、指紋読取手段全体とし
て見れば透明性が高く、ディスプレイの視認性を妨げる
ことがない。
【0026】請求項7記載の発明は、動作認証装置7の
ロックを解除する電子機器6において、読み取った指紋
と予め登録された認証者の指紋とが互いに同一の指紋に
基づくと判断すると、ロックを解除するためのパスワー
ドを前記動作認証装置に送信する第1ロック解除信号送
信手段67と、読み取った指紋と予め登録された代理人
の指紋とが互いに同一の指紋に基づくと判断すると、前
記認証者のパスワード或いは前記代理人の情報を含んだ
前記認証者のパスワードを前記動作認証装置に送信する
第2ロック解除信号送信手段67と、を備えていること
を特徴とする。
【0027】請求項9記載の発明は、動作認証装置7の
ロックを解除する指紋認証方法において、読み取った指
紋情報を予め登録された認証者の指紋情報と比較して同
一の指紋であるとみなせると判定すると、ロックを解除
するための認証者のパスワードを前記動作認証装置に送
信する指紋照合装置6が、読み取った指紋情報を予め登
録された代理人の指紋情報と比較して同一の指紋である
とみなせると判定すると、前記認証者のパスワード或い
は前記代理人の指紋以外の情報を含んだ認証者のパスワ
ードを前記動作認証装置に送信することを特徴とする。
【0028】請求項7、9に記載の発明によれば、動作
認証装置に代理人用の認証データを登録していなくて
も、代理人が任意の装置の動作を制御することが可能と
なる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を
図1〜図15を参照して詳細に説明する。本発明の指紋
認証システムSは、図1に示すように、送信側の携帯型
指紋照合装置6と、受信側の動作認証装置7とから構成
されている。
【0030】携帯型指紋照合装置6には、図2のブロッ
ク図に示すように、装置の制御を司る制御部61と、指
紋情報を読み取る指紋情報読取部62と、時刻を表示す
る液晶表示部63と、認証者(本人又は所有者)及び代
理人の指紋情報が登録されている指紋情報登録記憶部6
4と、通信に用いるパスワードが登録されているパスワ
ード登録記憶部65と、指紋情報読取部62で読み取ら
れた指紋情報と指紋情報登録記憶部64で登録された指
紋情報とが一致するかどうか判定する指紋判定部66
と、暗号化されたパスワードを動作認証装置7へ送信す
る通信部67とが備えられている。また、携帯型指紋照
合装置6は、腕時計としての形状を有し、腕時計として
の機能を有する。
【0031】制御部61は、CPU61a、ROM61
b、RAM61c、時計部61dを備えてなるマイクロ
コンピュータを主体として構成されており、指紋情報読
取部62で読取られた指紋情報を、指紋情報登録記憶部
64に照合用指紋情報として登録したり、指紋情報読取
部62で読み取られた指紋情報と、指紋情報記憶部64
に記憶された照合用指紋情報と照合したり、読み取られ
た指紋情報と、照合用指紋情報とが一致した場合に、パ
スワード登録記憶部65からパスワードを読み出し、こ
のパスワードを暗号化したり、暗号化されたパスワード
を通信部67に出力したり、通信部67から暗号化され
たパスワード信号をロックされた機器に出力する処理を
行うものである。
【0032】指紋情報読取部62は、接触した指紋を光
学的に読み取り、指紋の形状を数値化された情報に変換
して取得する箇所である。指紋情報読取部62には、図
3、4に示すように、光学的に指紋を読み取るフォトセ
ンサ部10と、該フォトセンサ部10を作動させる作動
信号を供給する各種ドライバ回路部(トップゲートドラ
イバ11,ボトムゲートドライバ12,ドレインドライ
バ13)と、図6に示すように、バックライト32及び
導光板59とが備えられている。
【0033】フォトセンサ部10は、図3に示すよう
に、前述した指紋認証装置6の液晶表示部63上に重ね
て露出した状態で、配置されている。また、フォトセン
サ部10は、図4に示すように、マトリクス状に配置さ
れた複数のダブルゲートトランジスタ10a(以下、D
G−TFT10aという)により構成されている。
【0034】図5に示すように、各DG−TFT10a
には、ボトムゲート電極21と、ボトムゲート絶縁膜2
2と、半導体層23と、ブロック絶縁膜24a,24b
と、不純物層25a,25b,26と、ソース電極27
a,27bと、ドレイン電極28と、トップゲート絶縁
膜29と、トップゲート電極30と、保護絶縁膜31と
が備えられている。
【0035】ボトムゲート電極22は、絶縁性基板20
上に形成されている。絶縁性基板20は、可視光に対し
て透過性を有するとともに絶縁性を有する。ボトムゲー
ト電極21及び絶縁性基板20を被覆するようにして、
ボトムゲート絶縁膜22がボトムゲート電極21及び絶
縁性基板20上に設けられている。ボトムゲート電極2
1に対向するようにして、半導体層23がボトムゲート
絶縁膜22上に設けられている。この半導体層23はア
モルファスシリコンまたはポリシリコン等からなり、こ
の半導体層23に対して可視光が入射されると、半導体
層23には電子−正孔対が発生するようになっている。
【0036】半導体層23には、ブロック絶縁膜24
a,24bが、互いに離れて並列に配設されている。不
純物層25aは半導体層23のチャネル長方向の一端部
に設けられており、他端部に不純物層25bが設けられ
ている。ブロック絶縁膜24aとブロック絶縁膜24b
との間において、不純物層26が半導体層23の中央上
に設けられており、この不純物層26は不純物層25
a、25bから離れている。そして、不純物層25a,
25b,26及びブロック絶縁膜24a,24bによっ
て、半導体層23は覆われるようになっている。平面視
して、不純物層25aの一部はブロック絶縁膜24a上
の一部に重なっており、不純物層25bはブロック絶縁
膜24b上の一部に重なっている。また、不純物層25
a,25b,26は、n型の不純物イオンがドープされ
たアモルファスシリコンからなる。
【0037】不純物層25a上にソース電極27aが設
けられており、不純物層25b上にソース電極27bが
設けられており、不純物層26上にドレイン電極28が
設けられている。平面視して、ソース電極27aはブロ
ック絶縁膜24a上の一部に重なっており、ソース電極
27bはブロック絶縁膜24b上の一部に重なってお
り、ドレイン電極28はブロック絶縁膜24a,24b
上の一部に重なっている。また、ソース電極27a,2
7b、ドレイン電極28は互いに離れている。トップゲ
ート絶縁膜29は、ボトムゲート絶縁膜22、ブロック
絶縁膜24a,24b、ソース電極27a,27b及び
ドレイン電極28を覆うように形成されている。トップ
ゲート絶縁膜29上には、半導体層23に対向配置され
たトップゲート電極30が設けられている。トップゲー
ト絶縁膜29及びトップゲート電極30上に、保護絶縁
膜31が設けられている。
【0038】以上のDG−TFT10aは、次のような
第一及び第二のダブルゲート型フォトセンサが絶縁性基
板20上に並列に配置されてなる構成となっている。す
なわち、第一のダブルゲート型フォトセンサは、半導体
層23、ブロック絶縁膜24a、ソース電極27a、ド
レイン電極28、トップゲート絶縁膜29及びトップゲ
ート電極30で構成される光キャリア蓄積部と、半導体
層23、ソース電極27a、ドレイン電極28、ボトム
ゲート絶縁膜22及びボトムゲート電極21で構成され
る下部MOSトランジスタとを備えており、半導体層2
3は、光キャリア蓄積部の光生成領域及びMOSトラン
ジスタのチャネル領域として機能している。一方、第二
のダブルゲート型フォトセンサは、半導体層23、ブロ
ック絶縁膜24a、ソース電極27b、ドレイン電極2
8、トップゲート絶縁膜29及びトップゲート電極30
で構成される光キャリア蓄積部と、半導体層23、ソー
ス電極27b、ドレイン電極28、ボトムゲート絶縁膜
22、ボトムゲート電極21で構成されるMOSトラン
ジスタとを備えており、半導体層23は、光キャリア蓄
積部の光生成領域及びMOSトランジスタのチャネル領
域として機能している。
【0039】そして、DG−TFT10aにおいて、図
4及び図5に示すように、トップゲート電極30はトッ
プゲートライン(以下、TGLという)に、ボトムゲー
ト電極21はボトムゲートライン(以下、BGLとい
う)に、ドレイン電極28はドレインライン(以下、D
Lという)に、ソース電極27a,27bは接地された
グラウンドライン(以下、GLという)にそれぞれ接続
されている。
【0040】なお、図4〜図6において、ブロック絶縁
膜24a,24b、トップゲート絶縁膜29、トップゲ
ート電極30上に設けられた保護絶縁膜31は、窒化シ
リコン等の透光性の絶縁膜からなり、また、トップゲー
ト電極30及びTGLはITO(Indium-Tin-Oxide)等
の透光性の導電性材料からなり、ともに可視光に対し高
い透過率を示す。一方、ソース電極27a,27b、ド
レイン電極28、ボトムゲート電極21及びBGLは、
クロム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択さ
れた可視光の透過を遮断する材質により構成されてい
る。なお、保護絶縁膜31は、図3に示す液晶表示部6
3上に外部に露出した状態で配置され、指先の凸部が接
触する箇所となる。
【0041】また、図6に示すように、絶縁性基板20
の下方には、バックライト32が設けられている。バッ
クライト32は、平面形状の導光板59とその側方に配
置された蛍光管37とから構成されている。
【0042】上述したフォトセンサ部10は、液晶表示
部63上にマトリクス状にDG−TFT10aが配置さ
れる状態になっている。なお、図3においては、DG−
TFT10aを大きくデフォルメして図示している。そ
して、指紋照合時に帯電した指先が接触すると、指先を
介して放電されるとともに、指の容量による電圧変化又
は電流変化を後述するコントローラ14が検知し、フォ
トセンス、すなわち指紋読取処理するためにバックライ
ト32を発光するとともに制御信号Tcntをトップゲ
ートドライバ11に、制御信号Bcntをボトムゲート
ドライバ12に、制御信号Dcntをドレインドライバ
13に、送信する。コントローラ14は、指特有のキャ
パシタによる電気的変位を読み取り制御信号Tcnt、
制御信号Bcnt、制御信号Dcntを出力することが
可能であるのみならず指以外の指とは異なるキャパシタ
の被検体が接触した場合の電気的変位を読み取り、被検
体が指でないことを認証して制御信号Tcnt、制御信号
Bcnt、制御信号Dcntを出力しないようにするこ
とが可能である。静電気除去電極33間に電流が流れ、
静電気除去電極33に接続された後述するコントローラ
によりこの電流が検知され、フォトセンス、すなわち指
紋読取処理が行われるようになっている。
【0043】ここで、図4に示すように、トップゲート
ドライバ11は、フォトセンサ部10のTGLに接続さ
れ、駆動信号を各TGLに順次選択的に出力するシフト
レジスタであって、コントローラ14から出力される制
御信号群Tcntに応じて、複数のTGLに適宜リセッ
ト電圧(+25〔V〕)又はキャリア蓄積電圧(−15
〔V〕)を印加するものである。ボトムゲートドライバ
12は、フォトセンサ部10のBGLに接続され、駆動
信号を各BGLに順次選択的に出力するシフトレジスタ
であって、コントローラ14から出力される制御信号群
Bcntに応じて複数のBGLに適宜チャネル形成用電
圧(+10〔V〕)又はチャネル非形成用電圧(±0
〔V〕)を印加するものである。ドレインドライバ13
は、フォトセンサ部10のDLに接続され、コントロー
ラ14から出力される制御信号群Dcntに応じて全て
のDLに基準電圧(+10〔V〕)を印加することで、
電荷をプリチャージさせる。そして、ドレインドライバ
13は、プリチャージ後の所定期間において、各ダブル
ゲートトランジスタ10aでの入射された光量に応じて
変位するDL電圧又は各DG−TFT10aのソース−
ドレイン間を流れるドレイン電流を検知し、データ信号
DATAとしてコントローラ14に出力するものであ
る。
【0044】コントローラ14は、制御信号群Tcn
t,Bcntによってそれぞれトップゲートドライバ1
1,ボトムゲートドライバ12を制御して、両ドライバ
から行毎に所定のタイミングで所定レベルの信号を出力
させる。これにより、フォトセンサ部10の各行を順次
リセット状態、フォトセンス状態、読み出し状態とさせ
る。コントローラ14は、また、制御信号群Dcntに
よりドレインドライバ13にDLの電位変化を読み出さ
せ、データ信号DATAとして順次取り込んでいくもの
である。
【0045】次に、フォトセンスについて詳細に説明す
ると、フォトセンサ部10を構成するDG−TFT10
aはトップゲート電極30に印加されている電圧が+2
5〔V〕で、ボトムゲート電極21に印加されている電
圧が±0〔V〕であると、トップゲート電極30と半導
体層23との間に配置される窒化シリコンからなるトッ
プゲート絶縁膜29と半導体層23とに蓄積されている
正孔が吐出され、リセット状態とされる。DG−TFT
10aは、ソース電極27a,27bとドレイン電極2
8間が±0〔V〕、トップゲート電極30に印加されて
いる電圧が−15〔V〕、ボトムゲート電極30に印加
されている電圧が±0〔V〕の場合、半導体層23への
光の入射によって発生した正孔−電子対のうちの正孔が
半導体層23及びトップゲート絶縁膜29に蓄積される
フォトセンス状態となる。この所定期間に蓄積される正
孔の量は光量に依存している。
【0046】フォトセンス状態において、バックライト
32がDG−TFT10aに向け光を照射するが、この
ままではDG−TFT10aの半導体層23の下方に位
置するボトムゲート電極21が遮光するので、半導体層
23には充分なキャリアが生成されない。このとき、D
G−TFT10a上方の保護絶縁膜31上に指先を載置
すると、指紋の紋様に沿った指先の凹部の直下にあたる
半導体層23には、保護絶縁膜31等で反射された光が
あまり入射されない。
【0047】このように光の入射量が少なくて充分な量
の正孔が半導体層23に蓄積されずに、トップゲート電
極30に印加されている電圧が−15〔V〕で、ボトム
ゲート電極に印加されている電圧が+10〔V〕となる
と、トップゲート電極30の電界により半導体層内に空
乏層が広がり、nチャネルがピンチオフされ、半導体層
23が高抵抗となる。一方、フォトセンス状態におい
て、指先の凸部の直下にあたるDG−TFT10aの半
導体層23には、保護絶縁膜31や指の表皮内で散乱し
て反射された光が入射されるとともに、充分な量の正孔
が半導体層内に蓄積された状態で、このような電圧が印
加された場合は、蓄積されている正孔がトップゲート電
極30に引き寄せられて保持されることにより、この正
孔の電荷がトップゲート電極30の電界を緩和するの
で、半導体層23のボトムゲート電極21側にnチャネ
ルが形成され、半導体層23が低抵抗となる。これらの
読み出し状態における半導体層23の抵抗値の違いが、
DLの電位の変化となって現れる。
【0048】さらに上述したフォトセンスに関して、フ
ォトセンサ部10を構成するDG−TFT10aの駆動
原理について、図8(a)〜(f)の模式図を参照して
説明する。
【0049】DG−TFT10aの半導体層23のチャ
ネル形成領域は、不純物層25a、26間及び不純物層
25b、26間のブロック絶縁膜24a,24bの下に
発生するため、チャネル長はブロック絶縁膜24a,2
4bのチャネル長方向の長さに等しい。したがって、図
8(a)に示すように、ボトムゲート電極21(BG)
に印加されている電圧が±0〔V〕であるときは、トッ
プゲート電極30(TG)に印加されている電圧が+2
5〔V〕であっても、ソース、ドレイン電極27a,2
7b,28の真下の半導体層23では、トップゲート電
極30(TG)に印加されている電圧でなく、ソース、
ドレイン電極27a,27b,28の印加電圧に、より
強く影響されるので半導体層23にはチャネル長方向に
連続したnチャネルが形成されず、ドレイン電極28
(D)に+10〔V〕の電圧が印加されても、ドレイン
電極28(D)とソース電極27a,27b(S)との
間に電流は流れない。また、この状態では、後述するよ
うに半導体層23及び半導体層23のチャネル領域直上
のブロック絶縁膜24a,24bに蓄積された正孔が同
じ極性のトップゲート電極30(TG)の電圧により反
発し、吐出される。以下、この状態をリセット状態とい
う。
【0050】図8(b)に示すように、トップゲート電
極30(TG)に印加されている電圧が−15〔V〕で
あり、ボトムゲート電極21(BG)に印加されている
電圧が±0〔V〕であるときは、半導体層23にはnチ
ャネルが形成されず、ドレイン電極28(D)に+10
〔V〕の電圧が印加されても、ドレイン電極28(D)
とソース電極27a,27b(S)との間に電流は流れ
ない。
【0051】このように、半導体層23のチャネル領域
の両端とトップゲート電極30(TG)との間にそれぞ
れドレイン電極28(D)とソース電極27a,27b
(S)が配置されているため、チャネル領域の両端は、
ドレイン電極28(D)とソース電極27a,27b
(S)との電界に影響されるため、トップゲート電極3
0(TG)のみの電界では連続したチャネルを形成する
ことができない。従って、ボトムゲート電極21(B
G)に印加されている電圧が±0〔V〕である場合に
は、トップゲート電極30(TG)に印加されている電
圧の如何に関わらず、半導体層23にnチャネルが形成
されることはない。
【0052】図8(c)に示すように、トップゲート電
極30(TG)に印加されている電圧が+25〔V〕で
あり、ボトムゲート電極21(BG)に印加されている
電圧が+10(V)であるときは、半導体層23のボト
ムゲート電極(BG)21側にnチャネルが形成され
る。これにより、半導体層23が低抵抗化し、ドレイン
電極28に+10〔V〕の電圧が印加されると、ドレイ
ン電極28(D)とソース電極27a,27b(S)と
の間に電流が流れる。
【0053】図8(d)に示すように、後述するように
半導体層23内に十分な量の正孔が蓄積されず、トップ
ゲート電極30(TG)に印加されている電圧が−15
〔V〕であると、ボトムゲート電極21(BG)に印加
されている電圧が+10〔V〕であっても、半導体層2
3の内部に空乏層が広がり、nチャネルがピンチオフさ
れて、半導体層23が高抵抗化する。このため、ドレイ
ン電極28に+10〔V〕の電圧が印加されても、ドレ
イン電極28(D)とソース電極27a,27b(S)
との間に電流が流れない。以下、この状態を第1の読み
出し状態という。
【0054】半導体層23には入射された励起光の光量
に応じて正孔−電子対が生じる。このとき図8(e)に
示すように、トップゲート電極30(TG)に印加され
ている電圧が−15〔V〕であり、ボトムゲート電極2
1(BG)に印加されている電圧が±0〔V〕である
と、電子−正孔対のうち正極性の正孔が半導体層23及
び半導体層23のチャネル領域直上のブロック絶縁膜2
4a,24bに蓄積される。以下、上述したリセット状
態となり、後述する読み出し状態となるまでにおけるこ
の状態をフォトセンス状態という。なお、こうしてトッ
プゲート電極30(TG)の電界に応じて半導体層23
内に蓄積された正孔は、リセット状態となるまで半導体
層23から吐出されることはない。
【0055】図8(f)に示すように、トップゲート電
極30(TG)に印加されている電圧が−15〔V〕で
あり、ボトムゲート電極21(BG)に印加されている
電圧が+10(V)であっても、半導体層23内に正孔
が蓄積されている場合には、蓄積されている正孔が負電
圧の印加されているトップゲート電極30(TG)に引
き寄せられて保持され、トップゲート電極30(TG)
に印加されている負電圧が半導体層23に及ぼす影響を
緩和する方向に働く。このため、半導体層23のボトム
ゲート電極21(BG)側にnチャネルが形成され、半
導体層23が低抵抗化して、ドレイン電極28に+10
(V)の電圧が供給されると、ドレイン電極28(D)
とソース電極27a,27b(S)との間に電流が流れ
る。以下、この状態を第2の読み出し状態という。
【0056】ここで、トップゲートドライバ11,ボト
ムゲートドライバ12,ドレインドライバ13を備える
ドライバ回路部は、基本構成として複数のTFT(Thin
Film Transistor)を備えている。各TFTは、いずれ
もnチャネルMOS型の電界効果トランジスタで構成さ
れ、ゲート絶縁膜に窒化シリコンを用い、半導体層にア
モルファスシリコンを用いている。上記各TFTは、D
G−TFT10aとともに同じ製造プロセス中に製造さ
れ、概ねDG−TFT10aと同じ構造である。具体的
には、図5に示すDG−TFT10aの断面構造を参照
して説明すると、上述したドライバ回路部は、トップゲ
ート電極30が積層されていないトランジスタ群34を
備えている。トランジスタ群34の各トランジスタは、
基本構造は概ね同じであるが、後述するようにその機能
により寸法、形状が異なるように設計されている。
【0057】ここで、上述したトップゲートドライバ1
1及びボトムゲートドライバ12(図4参照)につい
て、詳細に説明する。なお、トップゲートドライバ11
及びボトムゲートドライバ12は、図9に示すシフトレ
ジスタが適用されたものである。フォトセンサ部10に
配設されたDG−TFT10aの行数(TGL、BGL
の数)をnとすると、トップゲートドライバ11及びボ
トムゲートドライバ12は、図9に示すように、ゲート
信号を出力するn個の段RS(1)〜RS(n)と、段
RS(n)等を制御するためのダミー段RS(n+1)
及びダミー段RS(n+2)とから構成される。なお、
図9に示すシフトレジスタは、nが2以上の偶数である
場合の構成を示すものである。また、段RS(1)は一
段目、段RS(2)は二段目、…、段RS(n)はn段
目、段RS(n+1)はn+1段目、段RS(n+2)
はn+2段目をそれぞれ示すものである。
【0058】一番目の段RS(1)には、コントローラ
14からのスタート信号Dstが入力される。図9に示
すシフトレジスタがトップゲートドライバ11である場
合、スタート信号Dstのハイレベルは+25〔V〕で
あり、スタート信号Dstのローレベルは−15〔V〕
である。一方、図9に示すシフトレジスタがボトムゲー
トドライバ12である場合、スタート信号Dstのハイ
レベルは+10〔V〕であり、スタート信号Dstのロ
ーレベルは−15〔V〕である。
【0059】また、二番目以降の段RS(2)〜段RS
(n)には、それぞれの前段RS(1)〜段RS(n−
1)からの出力信号OUT(1)〜OUT(n−1)が
入力信号として入力される。図9に示すシフトレジスタ
がトップゲートドライバ11である場合、各段の出力信
号OUT(1)〜出力信号OUT(n)が、対応する1
〜n行目のTGLに出力される。一方、図9に示すシフ
トレジスタがボトムゲートドライバ12である場合、各
段の出力信号OUT(1)〜出力信号OUT(n)が、
対応する1〜n行目のBGLに出力される。
【0060】さらに、段RS(n+2)以外の段RS
(1)〜段RS(n+1)には、それぞれの後段RS
(2)〜段RS(n+2)からの出力信号OUT(2)
〜OUT(n+2)がリセット信号として入力される。
段RS(n+2)には、コントローラ14からのリセッ
ト信号Dentが入力される。図9に示すシフトレジス
タがトップゲートドライバ11である場合、リセット信
号Dentのハイレベルは+25〔V〕であり、リセッ
ト信号Dentのローレベルは−15〔V〕である。一
方、図9に示すシフトレジスタがボトムゲートドライバ
12である場合、リセット信号Dentのハイレベルは
+10〔V〕であり、リセット信号Dentのローレベ
ルは−15〔V〕である。
【0061】各段RS(k)(kは1〜n+2の任意の
整数)には、コントローラ14から基準電圧Vssが印
加される。図9に示すシフトレジスタがトップゲートド
ライバ11である場合、基準電圧Vssのレベルは−1
5〔V〕である。一方、図9に示すシフトレジスタがボ
トムゲートドライバ12である場合、基準電圧Vssの
レベルは±0〔V〕である。また各段RS(k)には、
コントローラ14から定電圧Vddが印加される。図9
に示すシフトレジスタがトップゲートドライバ11であ
る場合、定電圧Vddのレベルは+25〔V〕である。
一方、図9に示すシフトレジスタがボトムゲートドライ
バ12である場合、定電圧Vddのレベルは+10
〔V〕である。
【0062】奇数番目の段RS(k)には、コントロー
ラ14からのクロック信号CK1が入力される。また、
偶数番目の段RS(k)には、クロック信号CK2が入
力される。クロック信号CK1,CK2はそれぞれ、シ
フトレジスタの出力信号をシフトしていくタイムスロッ
トのうちの所定期間、タイムスロット毎に交互にハイレ
ベルとなる。すなわち、一のタイムスロットのうちの所
定の間クロック信号CK1がハイレベルとなった場合、
そのタイムスロットの間ではクロック信号CK2がロー
レベルとなり、次のタイムスロットの間ではクロック信
号CK1がローレベルであるとともに所定期間の間クロ
ック信号CK2がハイレベルとなる。
【0063】図9に示すシフトレジスタがトップゲート
ドライバ11である場合、クロック信号CK1,CK2
は、ハイレベルが+25〔V〕、ローレベルが−15
〔V〕である。一方、図8に示すシフトレジスタがボト
ムゲートドライバ12である場合、ハイレベルが+10
〔V〕、ローレベルが±0〔V〕である。
【0064】そして、図9に示すように、トップゲート
ドライバ11及びボトムゲートドライバ12を構成する
上述したシフトレジスタの各段RS(k)は、基本構成
として、トランジスタ群34である六つのTFT41〜
46を備えている。なお、TFT41〜46は、いずれ
もnチャネルMOS型の電界効果トランジスタであり、
ゲート絶縁膜に窒化シリコンが用いられ、半導体層にア
モルファスシリコンが用いられている。
【0065】図9及び図10に示すように、一番目の段
RS(1)のゲート電極及びドレイン電極には、スター
ト信号Dstが入力されている。一番目の段RS(1)
以外の各段RS(k)のTFT41のゲート電極及びド
レイン電極は、前段RS(k−1)のTFT45のソー
ス電極に接続され、TFT41のソース電極は、TFT
44のゲート電極、TFT42のドレイン電極及びTF
T43のゲート電極に接続されている。各段RS(k)
のTFT41のソース電極、TFT44のゲート電極、
TFT42のドレイン電極、TFT43のゲート電極に
接続される配線には、この配線自体に関係するTFT4
1〜44の寄生容量やこの配線自体によって、電荷を蓄
積するための容量Ca(k)が形成される。
【0066】TFT43のドレイン電極は、TFT46
のソース電極及びTFT45のゲート電極に接続され、
TFT42のソース電極及びTFT43のソース電極に
は基準電圧Vssが印加されている。そして、TFT4
6のゲート電極及びドレイン電極には、定電圧Vddが
印加されている。また、奇数段のTFT44のドレイン
電極にはクロック信号CK1が入力され、偶数段のTF
T44のドレイン電極にはクロック信号CK2が入力さ
れている。各段のTFT44のソース電極は、TFT4
5のドレイン電極に接続され、TFT45のソース電極
には、基準電圧Vssが印加されている。TFT42の
ゲート電極には、次段からの出力信号OUT(k+1)
が入力されている。
【0067】次に、各段RS(k)に備えられているT
FT41〜46の機能を説明する。TFT41のゲート
電極及びドレイン電極には、前段RS(k−1)からの
出力信号OUT(k−1)が入力されているか(この場
合、kは2〜n+2)、或いは、コントローラ14から
スタート信号Dstが入力されている(この場合、kは
1)。出力信号OUT(k−1)又はスタート信号Ds
tがハイレベルになった場合に、TFT41はオン状態
となり、ドレイン電極からソース電極に電流が流れ、T
FT41はハイレベルの出力信号OUT(k−1)また
はスタート信号Dstをソース電極に出力するようにな
っている。ここで、TFT42がオフ状態である場合に
は、TFT41のソース電極から出力されたハイレベル
の出力信号OUT(k−1)またはスタート信号Dst
により、容量Ca(k)が蓄積されるようになってい
る。一方、出力信号OUT(k−1)又はスタート信号
Dstがローレベルになった場合に、TFT41はオフ
状態となり、TFT41のドレイン電極〜ソース電極に
電流が流れないようになっている。
【0068】TFT46のゲート電極及びドレイン電極
には、定電圧Vddが印加されている。これにより、T
FT46は常にオン状態となっており、TFT46のド
レイン電極〜ソース電極に電流が流れ、TFT46は略
定電圧Vddレベルの信号をソース電極に出力するよう
になっている。TFT46は、定電圧Vddを分圧する
負荷としての機能を有する。
【0069】TFT43は、容量Ca(k)に電荷が蓄
積されていないときにオフ状態となり、TFT46から
出力された定電圧Vddレベルの信号によって容量Cb
(k)が蓄積するようになっている。一方、TFT43
は、容量Ca(k)に電荷が蓄積されているときにオン
状態となり、TFT43のドレイン電極〜ソース電極に
電流が流れることにより、TFT43は容量Cb(k)
に蓄積された電荷を排出するようになっている。
【0070】TFT45は、容量Cb(k)に電荷が蓄
積されていないときにオフ状態となり、容量Cb(k)
に電荷が蓄積されているときにオン状態となる。TFT
44は、容量Ca(k)に電荷が蓄積されているときに
オン状態となり、容量Ca(k)に電荷が蓄積されてい
ないときにオフ状態となる。従って、TFT45がオフ
状態のときにはTFT44はオン状態となり、TFT4
5がオン状態のときにはTFT44はオフ状態となるよ
うになっている。
【0071】TFT45のソース電極には、基準電圧V
ssが印加されている。オン状態となったTFT45
は、基準電圧Vssレベル(ローレベル)の信号を、ド
レイン電極から当該段RS(k)の出力信号OUT
(k)として出力するようになっている。オフ状態とな
ったTFT45は、TFT44のソース電極から出力さ
れた信号のレベルを当該段RS(k)の出力信号OUT
(k)として出力するようになっている。
【0072】TFT44のドレイン電極には、クロック
信号CK1又はCK2が入力されている。TFT44が
オフ状態である場合には、TFT44は、ドレイン電極
に入力されたクロック信号CK1又はCK2の出力を遮
断するようになっている。TFT44がオン状態である
場合に、TFT44は、ローレベルのクロック信号CK
1又はCK2をソース電極に出力するようになってい
る。ここで、TFT44がオン状態である場合には、T
FT45がオフ状態であるから、ローレベルのクロック
信号CK1又はCK2が当該段RS(k)の出力信号O
UT(k)として出力される。一方、TFT44がオン
状態である場合に、ハイレベルのクロック信号CK1又
はCK2がドレイン電極に入力されると、ゲート電極及
びソース電極並びにそれらの間のゲート絶縁膜からなる
寄生容量に電荷が蓄積される。すなわち、ブートストラ
ップ効果によって、容量Ca(k)の電位が上昇して、
容量Ca(k)の電位がゲート飽和電圧にまで達する
と、TFT44のソース−ドレイン電流が飽和するよう
になっている。これにより、オン状態のTFT44は、
ハイレベルのクロック信号CK1又はCK2と略同電位
となる信号を、ソース電極に出力するようになってい
る。ここで、TFT44がオン状態である場合には、T
FT45がオフ状態であるから、ハイレベルのクロック
信号CK1又はCK2が、当該段RS(k)の出力信号
OUT(k)として出力される。
【0073】TFT42のゲート電極には、次の段RS
(k+1)(この場合、kは1〜n+1)の出力信号O
UT(k+1)が入力される。TFT42は、ゲート電
極に入力される出力信号OUT(k+1)がハイレベル
の場合にオン状態となり、容量Ca(k)に蓄積された
電荷を排出するようになっている。
【0074】なお、ダミー段RS(n+2)のTFT4
2においては、リセット信号Dendが、コントローラ
14からTFT42のゲート電極に入力されるが、次の
走査での三番目の出力信号OUT(3)を代用してもよ
い。
【0075】次に、上述したトップゲートドライバ11
及びボトムゲートドライバ12の動作について図11を
参照して説明する。図中、1つのT分の期間が一選択期
間である。なお、トップゲートドライバ11とボトムゲ
ートドライバ12とは、実質的には信号の入力タイミン
グと基準電圧Vssのレベルが異なり、これに合わせて
出力信号の出力タイミングとレベルとが異なるだけなの
で、ボトムゲートドライバ12については、トップゲー
トドライバ11と異なる部分だけを説明することとす
る。
【0076】図11に示すように、タイミングT0にお
いて、ハイレベル(+25〔V〕)のスタート信号Ds
tがコントローラ14から一番目の段RS(1)に入力
される。スタート信号Dstは、一水平期間が終了する
タイミングT1までの所定期間においてハイレベルのま
まとなっている。
【0077】タイミングT0では、TFT41がオン状
態となり、TFT41のドレイン電極に入力されたハイ
レベルの入力信号(スタート信号Dst)がソース電極
から出力される。TFT42がオフ状態となっているた
め、TFT41のソース電極から出力されたハイレベル
の入力信号によって、容量Ca(1)に電荷が蓄積され
る。容量Ca(1)に電荷が蓄積されることによって、
容量Ca(1)の電位が上昇し、TFT43,44がそ
れぞれオン状態となる。そして、ハイレベルのスタート
信号Dstが入力されている期間はオン状態のTFT4
4のドレイン電極にローレベル(−15〔V〕)のクロ
ック信号CK1が入力され、このローレベルのクロック
信号CK1が当該段RS(1)の出力信号OUT(1)
として出力される。
【0078】タイミングT0後タイミングT1の前に、
スタート信号Dstがローレベルとなり、TFT43,
44がオフ状態となる。なお、この場合、容量Ca
(1)には電荷が蓄積されている。TFT44がオフ状
態となることによって、TFT46のソース電極に定電
圧Vddレベル(+25〔V〕)の信号が出力され、容
量Cb(1)に電荷が蓄積される。容量Cb(1)に電
荷が蓄積されることによって、TFT45がオン状態と
なり、これにより、基準電圧Vssレベル(−15
〔V〕)の信号が当該段RS(1)の出力信号OUT
(1)として出力される。
【0079】次に、タイミングT1でクロック信号CK
1がハイレベル(+25〔V〕)になる。すると、TF
T44のゲート電極及びソース電極並びにそれらの間の
ゲート絶縁膜からなる寄生容量がチャージアップされ
る。すなわち、容量Ca(1)がチャージアップされ、
ブートストラップ効果によって容量Ca(1)の電位が
ゲート飽和電圧に達すると、TFT44のドレイン電極
とソース電極との間に流れる電流が飽和する。これによ
り、当該段RS(1)から出力される出力信号OUT
(1)は、クロック信号CK1と略同電位の+25
〔V〕となり、ハイレベルである。なお、クロック信号
CK1がハイレベルである期間は、TFT44の寄生容
量がチャージアップされることにより、容量Ca(1)
の電位も略+45〔V〕にまで達する。
【0080】次に、タイミングT1後タイミングT2の
前に、クロック信号CK1がローレベル(−15
〔V〕)になる。これにより、出力信号OUT(1)の
レベルも略−15〔V〕となる。また、TFT44の寄
生容量へチャージされた電荷が放出され、容量Ca
(1)の電位が低下する。
【0081】また、タイミングT1からT2までの所定
期間、一番目の段RS(1)から出力されているハイレ
ベルの出力信号OUT(1)は、二番目の段RS(2)
のTFT41のゲート電極及びドレイン電極に入力され
ている。これにより、一番目の段RS(1)にハイレベ
ルのスタート信号Dstが入力された場合と同様に、二
番目の段RS(2)の容量Ca(2)に電荷が蓄積され
る。タイミングT1からT2までの一部の間、二番目の
段RS(2)においては、TFT44がオン状態、TF
T45がオフ状態となる。そして、ハイレベルの入力信
号(出力信号OUT(1))が入力されている期間は、
オン状態のTFT44のドレイン電極にローレベル(−
15〔V〕)のクロック信号CK2が入力され、このロ
ーレベルのクロック信号CK2が当該段RS(2)の出
力信号OUT(2)として出力される。
【0082】次に、タイミングT2になると、クロック
信号CK2がハイレベル(+25〔V〕)になる。する
と、段RS(2)のTFT44のゲート電極及びソース
電極並びにそれらの間のゲート絶縁膜からなる寄生容量
がチャージアップされる。すなわち、容量Ca(2)が
チャージアップされ、ブートストラップ効果によって容
量Ca(2)の電位がゲート飽和電圧に達すると、TF
T44のドレイン電極とソース電極との間に流れる電流
が飽和する。これにより、当該段RS(2)から出力さ
れる出力信号OUT(2)は、クロック信号CK2と略
同電位の+25〔V〕となり、ハイレベルである。な
お、クロック信号CK2がハイレベルである期間は、T
FT44の寄生容量がチャージアップされることによ
り、容量Ca(2)の電位も略+45〔V〕にまで達す
る。
【0083】また、タイミングT2後タイミングT3前
において、ハイレベルの出力信号OUT(2)が、一番
目の段RS(1)のTFT42のゲート電極に入力され
る。これにより、段RS(1)の容量Ca(1)の電位
は基準電圧Vssとなる。
【0084】次に、タイミングT2後タイミングT3の
前に、クロック信号CK2がローレベル(−15
〔V〕)になる。これにより、出力信号OUT(2)の
レベルも略−15〔V〕となる。また、TFT44の寄
生容量へチャージされた電荷が放出され、容量Ca
(2)の電位が低下する。
【0085】以下同様に、次のタイミングT1までの間
で、一走査期間Q以内に、各段の出力信号OUT(1)
〜OUT(n)が順次ハイレベルとなる。すなわち、ハ
イレベルの出力信号の出力される段が順次次の段にシフ
トしていくようになっている。ハイレベルの出力信号O
UT(1)〜OUT(n)は、次段にシフトされても逓
減することがない。そして、一走査期間Q後に再びスタ
ート信号Dstがハイレベルとなり、以降の段RS
(1)〜段RS(n)で上述の動作が繰り返されるよう
になっている。
【0086】なお、TGLの最終段RS(n)におい
て、ハイレベルの出力信号OUT(n)が次段のダミー
RS(n+1)に出力された後も、容量Ca(n)の電
位はハイレベルのままである。そして、ハイレベルの出
力信号OUT(n)が次段RS(n+1)に出力される
と、ダミー段RS(n+1)の出力信号OUT(n+
1)により、最終段RS(n)のTFT42がオン状態
となり、容量Ca(n)の電位は基準電圧Vssにな
る。同様に、ダミー段RS(n+2)の出力信号OUT
(n+2)により、ダミー段RS(n+1)のTFT4
2がオン状態となり、容量Ca(n+1)の電位は基準
電圧Vssになる。そして、ハイレベルのリセット信号
Dentがダミー段RS(n+2)のTFT42に入力
されることにより、ダミー段RS(n+2)の電位は、
ハイレベルから基準電圧Vssになる。
【0087】また、ボトムゲートドライバ12の動作
は、トップゲートドライバ11の動作とほぼ同じである
が、コントローラ14から入力されるクロック信号CK
1,CK2のハイレベルが+10〔V〕であるため、各
段RS(k)(この場合、kは1〜n)の出力信号ou
t(k)のハイレベルはほぼ+10〔V〕であり、この
際の容量Ca(k)のレベルは+18〔V〕程度であ
る。ボトムゲートドライバ12のクロック信号CK1,
CK2がハイレベルとなっている期間は、トップゲート
ドライバ11のクロック信号CK1,CK2がハイレベ
ルとなっている期間より短い。
【0088】なお、上記のシフトレジスタを適用したト
ップゲートドライバ11及びボトムゲートドライバ12
は、コントローラ14からの制御信号群Tcnt,Bc
ntに従って、TGL,BGLを順次選択して所定の電
圧を印加するものである。この制御信号群Tcnt,B
cntに、上記したクロック信号CK1,CK2、スタ
ート信号Dst、リセット信号Dend、定電圧Vdd
及び基準電圧Vssが含まれる。
【0089】液晶表示部63は、時刻等を表示するとと
もに、指紋情報読取部62を配置する箇所である。液晶
表示部63は、ガラス板からなり上部に位置する第1の
電極基板51と、同様の材質からなり下部に位置する第
2の電極基板52とが封止材53によって接合され、こ
れらの内部に液晶材54が封入されている。この第1及
び第2の電極基板51、52の相対向する内面には電極
55、56がそれぞれ形成されている。また、第1及び
第2の電極基板51、52の外面には第1の偏光板5
7、第2の偏光板58がそれぞれ積層状態で接合されて
いる。このような液晶表示部63は第1の偏光板57が
上方、すなわち時計ガラス側に位置し、第2の偏光板5
8が下方、すなわち文字板側に位置するように、時計ケ
ースの開口部内に配置される。
【0090】このような構成の液晶表示部63におい
て、時計ガラス側の第1の偏光板57は高透過率で、且
つ高偏光率の偏光板が使用される一方、文字板側の第2
の偏光板58は高透過率で、第1の偏光板57の偏光率
よりも低い偏光率の偏光板が使用されている。すなわ
ち、第1及び第2の偏光板57、58はいずれも高透過
率となっているため、光線を透過させる場合、液晶表示
部63によって吸収、散乱される光線の量が少なく、光
線の透過量が多くなる。このため液晶表示部63を透明
とした状態で下方の文字板の時刻を視認するとき、文字
板が液晶表示部63を通して明るく見え、その視認が容
易となる。
【0091】また、携帯型指紋照合装置6におけるフォ
トセンサ部10及び液晶表示部63の断面構造を図6に
示す。液晶表示部63上には、フォトセンサ部10が配
置されるとともに、液晶表示部63の背面には図示しな
い反射板が備えられており、液晶表示部63の前面から
入射した光を反射させて表示を明確にしている(反射
形)。ここでのバックライト32は指紋を認証するため
だけに用いられる。なお、図7に示すように、バックラ
イト32を液晶表示部63の背面に配置し、背面から光
を入射させる方法(透過形)を用いることも可能であ
る。その際、バックライト32は、指紋を認証するため
だけではなく、表示を明確にするのにも用いられてい
る。なお、DG−TFT10aを用いたフォトセンサ部
10は非常に薄く、かつ、DG−TFT10aのソース
電極、ドレイン電極及びボトムゲート電極21と一部の
配線(BGL)を除いて透明な部材からなるので、全体
として透明であり、液晶表示部63上に重ねて配置して
も、液晶表示部63に表示される時刻などの視認性を低
下させることがなく、時刻表示と指紋認証と通信機能と
を兼ね備えた腕時計Wを提供することができる。
【0092】指紋情報登録記憶部64は、EEPROM
等の不揮発性メモリからなり、登録された指紋情報を記
憶しておく部分であり、指紋情報読取部62に読み取ら
れた指紋情報が登録された指紋に対応するかどうかを照
合する際に、指紋情報登録記憶部64内の指紋情報が用
いられる。パスワード登録記憶部65は、EEPROM
等の不揮発性メモリからなり、読み取られた指紋が認証
された際に通信に用いられるパスワードが登録されてい
る部分である。なお、パスワードは、制御部61内のC
PU61aによって時刻情報とともに暗号化され、通信
部67を介して受信側の動作認証装置7へ送信される。
【0093】指紋判定部66は、指紋情報読取部62で
読み取られた指紋情報が携帯型指紋照合装置6の指紋情
報登録記憶部64で認証者として登録された指紋情報と
一致するか判定する。
【0094】通信部67は、bluetoothやIrDAの規格に
基づいてパスワード登録記憶部65に登録されたパスワ
ード信号を無線で送信したり、受信できるようにしても
よく、また有線により送受信できるようにしてもよい。
【0095】次に、指紋認証装置6において、認証者
(本人又は所有者)または代理人の指紋を読み取る際の
動作を説明する。認証者または代理人は、まず、図3に
示すように、指先を液晶表示部63に接触させる。この
とき、指先が電荷を帯びた状態でも、液晶表示部63は
アースに接続されているので、静電気によりフォトセン
サ部10が損傷したり、誤作動したりすることはない。
また、指先が、フォトセンサ部10に接触すると、指の
キャパシタが加わることによりフォトセンサ部10で変
位する電圧又は電流をコントローラ14が検知する。そ
して、コントローラ14は、フォトセンスを開始するよ
うに制御信号群Tcnt,Bcnt,Dcntをそれぞ
れトップゲートドライバ11、ボトムゲートドライバ1
2,ドレインドライバ13に供給するとともに、バック
ライト32に発光信号を供給する。これに応じてバック
ライト32が発光し、トップゲートドライバ11、ボト
ムゲートドライバ12,ドレインドライバ13は、フォ
トセンサ部10の各DG−TFT10aに適宜信号を出
力し、行毎にフォトセンスする。
【0096】ここで、図4を参照して、フォトセンスに
ついて説明すると、バックライト32から照射される照
射光は、ボトムゲート電極21により、直接、半導体層
23には入射されず、保護絶縁膜31に向かって進行す
る。指先の凸部は、保護絶縁膜31に接触しており、指
先に当たった照射光は乱反射し、凸部の直下に配置され
たDG−TFT10aの半導体層23に入射され、半導
体層23で光量に応じて電子−正孔対が生成される。一
方、指先の凹部は、保護絶縁膜31に接触していないの
で乱反射が起こらず、その直下のDG−TFT10aの
半導体層23に、充分なキャリアが生成される程の光が
入射されることはない。
【0097】DG−TFT10aは、生成された電子−
正孔対のうちの正孔を、トップゲート電極30に印加さ
れたキャリア蓄積電圧(−15〔V〕)により、半導体
層23及びトップゲート絶縁膜29に蓄積させ、この正
孔による電荷がキャリア蓄積電圧の影響を緩和させる。
一定時間経過後、ボトムゲート電極21の電位は、チャ
ネル非形成電圧(0〔V〕)からチャネル形成電圧(+
10〔V〕)に変わると、蓄積された正孔の量が多い
程、言い換えると、入射された光の量が多い程、DG−
TFT10aでドレイン電流値が大きくなり、DLの電
位の変位も大きくなる。そして、ドレインドライバ13
は、DLの電位を行毎に読み取り、データ信号DATA
に変換してコントローラ14に出力し、その結果、認証
者または代理人の指紋情報が読み取られるようになって
いる。
【0098】上述した指紋情報を読み取る動作におい
て、フォトセンサ部10に備えられているDG−TFT
10aの具体的な動作について、図12(a)〜(i)
に示す模式図を参照して説明する。なお、以下の説明に
おいて、1Tの期間は、図11に示す1T分の一選択期
間と同じ長さを有するものとする。また、説明を簡単に
するため、フォトセンサ部10に配置されているDG−
TFT10aのうち、最初の三行のみを考えることとす
る。
【0099】まず、タイミングT1からT2までの1T
の期間において、図12(a)に示すように、トップゲ
ートドライバ11は、一行目のTGLに+25〔V〕を
印加し、二、三行目(他の全行)のTGLに−15
〔V〕を印加する。すなわち、トップゲートドライバ1
1の段RS(1)からハイレベルの出力信号が出力さ
れ、段RS(2),RS(3)からローレベルの出力信
号が出力される。一方、ボトムゲートドライバ12は、
すべてのBGLに0〔V〕を印加する。すなわち、ボト
ムゲートドライバ12の段RS(1)〜RS(3)から
ローレベルの出力信号が出力される。この期間におい
て、一行目のDG−TFT10aがリセット状態(図8
(a)参照)となり、二、三行目のDG−TFT10a
が前の垂直期間での読み出し状態を終了した状態(フォ
トセンスに影響しない状態)となる。
【0100】次に、タイミングT2からT3までの1T
の期間において、図12(b)に示すように、ハイレベ
ルの出力信号がトップゲートドライバ11の段RS
(2)にシフトして、トップゲートドライバ11は、二
行目のTGLに+25〔V〕を印加し、他のTGLに−
15〔V〕を印加する。一方、ボトムゲートドライバ1
2は、すべてのBGLに0〔V〕を印加する。この期間
において、一行目のDG−TFT10aがフォトセンス
状態(図8(e)参照)となり、二行目のDG−TFT
10aがリセット状態(図8(a)参照)となり、三行
目のDG−TFT10aが前の垂直期間での読み出し状
態を終了した状態(フォトセンスに影響しない状態)と
なる。
【0101】次に、タイミングT3からT4までの1T
の期間において、図12(c)に示すように、ハイレベ
ルの出力信号がトップゲートドライバ11の段RS
(3)にシフトして、トップゲートドライバ4は、三行
目のTGLに+25〔V〕を印加し、他のTGLに−1
5〔V〕を印加する。一方、ボトムゲートドライバ12
は、すべてのBGLに0〔V〕を印加する。この期間に
おいて、一、二行目のDG−TFT10aがフォトセン
ス状態(図8(e)参照)となり、三行目のDG−TF
T10aがリセット状態(図8(a)参照)となる。
【0102】次に、タイミングT4からT4.5までの
0.5Tの期間において、図12(d)に示すように、
トップゲートドライバ11は、すべてのTGLに−15
〔V〕を印加する。一方、ボトムゲートドライバ12
は、すべてのBGLに0〔V〕を印加する。また、ドレ
インドライバ13は、すべてのDLに+10〔V〕を印
加する。この期間において、すべての行のDG−TFT
10aがフォトセンス状態(図8(e)参照)となる。
【0103】次に、タイミングT4.5からT5までの
0.5Tの期間において、図12(e)に示すように、
トップゲートドライバ11は、すべてのTGLに−15
〔V〕を印加する。一方、ボトムゲートドライバ5は、
一行目のBGLに+10〔V〕を印加し、他のBGLに
0〔V〕を印加する。すなわち、ボトムゲートドライバ
12の段RS(1)からハイレベルの出力信号が出力さ
れ、段RS(2),RS(3)からローレベルの出力信
号が出力される。この期間において、一行目のDG−T
FT10aが第一または第二の読み出し状態(図8
(d)又は(f)参照)となり、二、三行目のDG−T
FT10aがフォトセンス状態(図8(e)参照)のま
まとなる。
【0104】ここで、一行目のDG−TFT10aで
は、フォトセンス状態となっていたタイミングT2から
T4.5までの期間で十分な光が半導体層23に照射さ
れていると、第二の読み出し状態(図8(f)参照)と
なって半導体層23内にnチャネルが形成されるため、
対応するDL上の電荷がディスチャージされる。一方、
タイミングT2からT4.5までの期間で十分な光が半
導体層23に照射されていないと、第一の読み出し状態
(図8(d)参照)となって半導体層23内のnチャネ
ルがピンチオフされるため、対応するDL上の電荷はデ
ィスチャージされない。ドレインドライバ13は、タイ
ミングT4.5からT5までの期間で各DL上の電位を
読み出して、データ信号DATAに変換し、一行目のD
G−TFT10aが検出したデータとしてコントローラ
14に供給する。
【0105】次に、タイミングT5からT5.5までの
0.5Tの期間において、図12(f)に示すように、
トップゲートドライバ11は、すべてのTGLに−15
〔V〕を印加する。一方、ボトムゲートドライバ12
は、すべてのBGLに0〔V〕を印加する。また、ドレ
インドライバ13は、すべてのDLに+10〔V〕を印
加する。この期間において、一行目のDG−TFT10
aが読み出しを終了した状態となり、二、三行目のDG
−TFT10aがフォトセンス状態(図8(e)参照)
となる。なお、タイミングT5からT5.5の間では、
ボトムゲートドライバ12の段RS(1)のハイレベル
の出力信号が段RS(2)に入力されるが、段RS
(2)に入力されるクロック信号CK2がハイレベルに
なっていないため、二行目のBGLが0〔V〕に印加さ
れている。
【0106】次に、タイミングT5.5からT6までの
0.5Tの期間において、図12(g)に示すように、
トップゲートドライバ11は、すべてのTGLに−15
〔V〕を印加する。一方、ハイレベルの出力信号がボト
ムゲートドライバ12の段RS(2)にシフトして、ボ
トムゲートドライバ12は、二行目のBGLに+10
〔V〕を印加し、他のBGLに0〔V〕を印加する。こ
の期間において、一行目のDG−TFT10aが読み出
しを終了した状態となり、二行目のDG−TFT10a
が第一または第二の読み出し状態(図8(d)または
(f)参照)となり、三行目のDG−TFT10aがフ
ォトセンス状態(図8(e)参照)となる。
【0107】ここで、二行目のDG−TFT10aで
は、フォトセンス状態となっていたタイミングT3から
T5.5までの期間で十分な光が半導体層23に照射さ
れていると、第二の読み出し状態(図8(f)参照)と
なって半導体層23内にnチャネルが形成されるため、
対応するDL上の電荷がディスチャージされる。一方、
タイミングT3からT5.5までの期間で十分な光が半
導体層23に照射されていないと、第一の読み出し状態
(図8(d)参照)となって半導体層23内のnチャネ
ルがピンチオフされるため、対応するDL上の電荷はデ
ィスチャージされない。ドレインドライバ13は、タイ
ミングT5.5からT6までの期間で各DL上の電位を
読み出して、データ信号DATAに変換し、二行目のD
G−TFT10aが検出したデータとしてコントローラ
14に供給する。
【0108】次に、タイミングT6からT6.5までの
0.5Tの期間において、図12(h)に示すように、
トップゲートドライバ11は、すべてのTGLに−15
〔V〕を印加する。一方、ボトムゲートドライバ12
は、すべてのBGLに0〔V〕を印加する。また、ドレ
インドライバ13は、すべてのDLに+10〔V〕を印
加する。この期間において、一、二行目のDG−TFT
10aが読み出しを終了した状態となり、三行目のDG
−TFT10aがフォトセンス状態(図8(e)参照)
となる。
【0109】次に、タイミングT6.5からT7までの
0.5Tの期間において、図12(i)に示すように、
トップゲートドライバ11は、すべてのTGLに−15
〔V〕を印加する。一方、ハイレベルの出力信号がボト
ムゲートドライバ12の段RS(3)にシフトして、ボ
トムゲートドライバ12は、三行目のBGLに+10
〔V〕を印加し、他のBGLに0〔V〕を印加する。こ
の期間において、一、二行目のDG−TFT10aが読
み出しを終了した状態となり、三行目のDG−TFT1
0aが第一または第二の読み出し状態(図8(d)また
は(f)参照)となる。
【0110】ここで、三行目のダブルゲートトランジス
タ7では、フォトセンス状態となっていたタイミングT
4からT6.5までの期間で十分な光が半導体層23に
照射されていると、第二の読み出し状態(図8(f)参
照)となって半導体層23内にnチャネルが形成される
ため、対応するDL上の電荷がディスチャージされる。
一方、タイミングT4からT6.5までの期間で十分な
光が半導体層23に照射されていないと、第一の読み出
し状態(図8(d)参照)となって半導体層23内のn
チャネルがピンチオフされるため、対応するDL上の電
荷はディスチャージされない。ドレインドライバ13
は、タイミングT6.5からT7までの期間で各DL上
の電位を読み出して、データ信号DATAに変換し、三
行目のDG−TFT10aが検出したデータとしてコン
トローラ14に供給する。
【0111】こうしてドレインドライバ13から行毎に
供給されたデータ信号DATAに対して、コントローラ
14が所定の処理を行うことで、認証者または代理人の
指先の指紋情報が読み取られるようになっている。
【0112】動作認証装置7には、図13に示すよう
に、装置の制御を司る制御部71と、複数の認証者のパ
スワードが登録されているパスワード登録記憶部72
と、携帯型指紋照合装置6から送られてきた暗号化され
たパスワードを受信する通信部75と、通信部75で受
信後に復号化されたパスワードがパスワード登録記憶部
72で登録されているパスワードと一致するかどうか判
定するパスワード判定部73と、パスワード判定部73
で受信されたパスワードと登録されているパスワードが
一致した場合に扉の施錠の解除や、サーバ等のコンピュ
ータへのアクセスロックの解除を行い、そして解除後に
再び扉が閉まったり、コンピュータの使用終了後に、自
動的に再び侵入禁止のための施錠やアクセス拒否を行う
ロック部76とが備えられている。なお、パスワード登
録記憶部72は、携帯型指紋照合装置6に備えられてい
るものと同様の構成であるため、説明を省略する。
【0113】制御部71は、CPU71a、ROM71
b、RAM71c、時計部71dを備えてなるマイクロ
コンピュータを主体として構成されており、携帯型指紋
照合装置6から暗号化されたパスワードが通信部75を
介して入力された場合に、このパスワードを復号化し、
復号化されたパスワードと、パスワード登録記憶部72
に記憶されたパスワードとを比較して、一致するパスワ
ードが有る場合に、ロック部76のロック及びロックの
解除を制御するものである。ロック部76には、電気錠
等が備えられており、パスワードの照合結果に基づい
て、ロックの解除あるいは再ロックを行うものである。
【0114】次に、図1(a)を参照して、上述した携
帯型指紋照合装置6と動作認証装置7とからなる本発明
の指紋認証システムSの動作について説明する。指紋認
証システムSを認証者が利用する場合は、携帯型指紋照
合装置6から動作認証装置7にパスワード登録を行う。
まず認証者の液晶表示部63に指紋登録申請メニューを
表示させ、認証者が携帯型指紋照合装置6の指紋情報読
取部62のフォトセンサ部10に指紋を入力して認証者
の指紋情報を指紋情報登録記憶部64に登録させる。ま
た、この指紋情報に基づいて暗号化されたパスワードが
生成されパスワード登録記憶部65に登録される。そし
てこの暗号化されたパスワードを通信部67から動作認
証装置7に送信する。このとき動作認証装置7ではパス
ワード登録モードに設定されており、受信されたパスワ
ードを復号化し、パスワード登録記憶部72に登録す
る。
【0115】代理人の携帯型指紋照合装置6への指紋情
報の登録の際には、図1(b)に示すように、認証者は
携帯型指紋照合装置6に代理人の指紋を読み取らせ、携
帯型指紋照合装置6に代理人登録許可の設定を行う。こ
の登録の際には、認証者(携帯型指紋照合装置6の所有
者)に無断で代理人が携帯型指紋照合装置6に登録する
ことを防止するために、液晶表示部62に代理人の指紋
登録申請メニューを表示させ、まず認証者が自ら携帯型
指紋照合装置6の指紋情報読取部62のフォトセンサ部
10に指紋を入力して代理人登録を許可申請を行う。指
紋判定部66では、指紋情報読取部62で読み取られた
指紋情報が携帯型指紋照合装置6の指紋情報登録記憶部
64で認証者として登録された指紋情報と一致するか判
定する。
【0116】指紋判定部66で一致すると判定されれ
ば、代理人の指紋登録が可能となり、引き続いて、認証
者が携帯型指紋照合装置6のスイッチを操作し、代理人
の指紋登録メニューを表示させる。そして、認証者は、
代理人の名前もしくはその代替となる記号、代理人がロ
ック部76を解除する使用上限回数、代理人がロック部
76の解除できる使用可能期間などの代理人の初期情報
のデータを入力した後、代理人に携帯型指紋照合装置6
の表示画面上に備えられたフォトセンサ部10上に指紋
を接触させ、指紋情報読取部62で指紋を読み取らせて
代理人の指紋を指紋情報記憶部65に登録させる。これ
で代理人の指紋の登録は完了する。なお、代理人の使用
上限回数及び使用可能期間の登録は、そのうちの何れか
のみを選択的に登録するだけでもよい。
【0117】登録後、代理人がロック部76を解除する
ために代理人の指紋を指紋情報読取部62で読み取らせ
ると、読み取られた指紋情報が指紋情報登録記憶部64
で代理人認証者として登録された指紋情報と一致するか
どうか指紋判定部66が判定するが、この判定結果がで
た時刻を時計部61dが計測し、計測時刻が使用可能期
間内でなければ、CPU61aは、パスワード登録記憶
部65からパスワードを引き出すことを拒否するか、引
き出されたパスワードを通信部67から送信することを
拒否するので、携帯型指紋照合装置6による動作認証装
置7のロック解除は不可能となる。
【0118】また前回までの代理人のパスワードの送信
回数が既に使用回数上限に達していれば、CPU61a
は上述のような動作拒否を行うように設定してもよく、
さらには、計測時刻が使用可能期間であっても使用回数
上限に達していれば動作拒否を行うように設定してもよ
い。
【0119】したがって、受信側に備えられているロッ
ク部76を解錠するためには、判定結果がでた時刻が使
用可能期間内であるか、判定結果がでた時刻が使用可能
期間内であって且つ前回までの代理人のパスワードの送
信回数がまだ使用回数上限に達していないか、前回まで
の代理人のパスワードの送信回数がまだ使用回数上限に
達していないか、のいずれでなければならない。
【0120】そして、図1(c)に示すように、認証者
または代理人は、登録された携帯型指紋照合装置6の液
晶表示部63上に備えられたフォトセンサ部10上に指
先を接触させる。指紋は、フォトセンサ部10で指紋情
報として読み取られる。指紋情報は、指紋判定部66で
指紋情報登録記憶部64に記憶されている指紋情報と照
合、比較される。読み取られた指紋情報に対応する指紋
情報が登録されていなければ、携帯型指紋照合装置6の
表示画面上に「認証されていません」、「使用不可」な
どのメッセージが表示される。逆に、読み取られた指紋
情報に対応する指紋情報が登録されていれば、パスワー
ド登録記憶部65から認証者であれば認証者のパスワー
ド、代理人であれば、認証者のパスワードもしくは認証
者により認証された代理人情報、つまり代理人の名前も
しくはその代替となる記号、この携帯型指紋照合装置6
での代理人によるパスワード送信が何回目であるか、こ
の携帯型指紋照合装置6での代理人によるパスワード送
信の時刻の少なくとも何れか1つからなる情報を含んだ
認証者のパスワードがCPU71aへ読み出される。C
PU71aでは、入力されたパスワードと可能であれば
時計部61dから送られてきた時刻情報とをあらかじめ
設定された周知の手順によって暗号化された暗号化パス
ワードが作成される。暗号化パスワードは、通信部67
を介して動作認証装置7へ送信される。
【0121】暗号化パスワードは、動作認証装置7の通
信部75にて受信され、CPU71aにて処理される。
CPU71aでは、受信した暗号化パスワードはあらか
じめ設定された周知の手順によってもとのパスワードに
復号化される。復号化されたパスワードは、パスワード
判定部73で受信側のパスワード登録記憶部72に記憶
されているパスワードとCPU71aにて照合、比較さ
れ、認証者のパスワードと一致するパスワードがあれ
ば、或いは認証者が認証した代理人情報を含んだ認証者
のパスワードのうちの認証者のパスワードと一致するパ
スワードがあれば、ロック部76の施錠を解錠する仕組
みとなっている。ここで代理人の指紋登録を動作認証装
置7に予め行わなくても認証者のパスワードが予め動作
認証装置7に登録されていれば、この登録されたパスワ
ードにより代理人はロック部76の施錠の解除やコンピ
ュータへのアクセスを許可される。ただし代理人が上述
の作業を行う際には認証者のパスワードの送信とともに
代理人の個人情報(代理人名若しくはその代替記号、認
証者のパスワード送信時刻、認証者のパスワード送信回
数の少なくとも何れか)が認証装置7に登録される。こ
こで認証者のパスワード送信時刻、認証者のパスワード
送信回数については、認証装置7内に時刻及び回数を計
測する手段があれば、認証者のパスワードに代理人情報
を含ませる必要はない。
【0122】なお、上述の実施の形態では、認証者から
貸与された携帯型指紋照合装置6を用いて代理人が認証
信号を送信する方法であるが、代理人が同様の携帯型指
紋照合装置6を所有していれば、下記のように個人照合
することができる。まず代理人の携帯型指紋照合装置6
をパスワード受信モードに設定して、代理人の名前もし
くはその代替となる記号、代理人がロック部76を解除
する使用上限回数、代理人がロック部76の解除可能期
間などを入力した後、代理人が代理人の携帯型指紋照合
装置6に上述のように自らの指紋を指紋情報登録記憶部
64に登録させる。その後、認証者の携帯型指紋照合装
置6の通信部67から認証者の暗号化パスワードを代理
人への携帯型指紋照合装置6の通信部67に送信する
と、この暗号化パスワードが代理人の携帯型指紋照合装
置6のパスワード登録記憶部65に登録され、上記使用
上限回数、解除可能期間に限り認証者の暗号化パスワー
ドを送信可能とする。
【0123】ここで、代理人の携帯型指紋照合装置6の
パスワード送信モードに設定し、動作認証装置7の近辺
で、代理人が自分の指紋を代理人の携帯型指紋照合装置
6の指紋情報読取部62に読み取らせると、代理人の携
帯型指紋照合装置6のパスワード登録記憶部65に登録
された認証者の暗号化パスワードや代理人情報信号を通
信部67を介して送信され、動作認証装置7の通信部で
受信された暗号化パスワードを復号化し、パスワード登
録記憶部72に登録された認証者のパスワードと一致す
るかどうかパスワード判定部73で判定を行った後、ロ
ック部76が解除し、解錠やコンピュータ等へのアクセ
スを許可を行う。ただし、動作認証装置7には、代理人
が認証者のパスワードを送信したこと及びその時刻が記
憶される。
【0124】或いは認証者の携帯型指紋照合装置6から
指紋照合のプログラムを代理人の携帯型指紋照合装置6
にコピーすることにより、本システムの実現が可能であ
る。具体的には、プログラムがコピーされた代理人の携
帯型指紋照合装置6にて、認証者の指紋照合、代理人登
録を行えばよい。認証者の立ち会いのもとで代理人が指
紋情報を登録しておけば、セキュリティレベルは低下し
ない。
【0125】次に、図14,図15を参照して、上述の
指紋認証システムSを採用したセキュリティシステムに
ついて説明する。例えば、図14に示すように、家族3
人(P1,P2,P3)は、それぞれ上記携帯型指紋照
合装置6を携帯しており、P1及びP2は家の外に、P
3は家の中にいるものとする。P1の携帯型指紋照合装
置6(腕時計W)の液晶表示部63(表示画面)には、
下側に時刻、上側の左に曜日、右に腕時計Wの所有者の
名称(この例ではP1)及び所有者の在宅/不在を示す
表示(この例ではin/out)が示されている。
【0126】そして、P1が家の外側から携帯型指紋照
合装置6のフォトセンサ部10に指を載せると、フォト
センサ部10は、指紋を検知し、パスワードを信号認証
ドアに送信する。家屋に取り付けられた信号認証ドア
は、信号送信者があらかじめ登録された人であるかどう
かをパスワードから判断し、その判断結果に基づいて施
錠を解除するかどうかを決定する。施錠が解除されてP
1が家の中に入り、ドアが閉まると、オートロック機構
により施錠されるとともに、信号認証ドアから施錠完了
信号が送信され、受信した携帯型指紋照合装置6の表示
画面は、図14に示すように、「out」から「in」
に表示が変わる。
【0127】また、P1が家の中にいる場合、P1が携
帯型指紋照合装置6のフォトセンサ部10に指を載せる
とフォトセンサ部10は、指紋を検知し、パスワードを
信号認証ドアに送信する。信号認証ドアは、信号送信者
があらかじめ登録された人であるかどうかをパスワード
から判断し、その判断結果に基づいて施錠を解除するか
どうかを決定する。施錠が解除されてP1が家の外へ出
て、ドアが閉まると、オートロック機構により施錠され
るとともに、信号認証ドアから施錠完了信号が送信さ
れ、受信した携帯型指紋照合装置6の表示画面は「i
n」から「out」に表示が変わる。また、各人P1,
P2,P3は、図15に示すように、表示画面を切り替
えることで、他の人が在宅か不在かを知ることができ
る。
【0128】なお、上述したように、携帯型指紋照合装
置6に代理人登録をしておけば、携帯型指紋照合装置6
の認証者がその場を離れることができなくても、携帯型
指紋照合装置6を代理人に預けるだけで代理人は自由に
家を出入りすることができる。
【0129】なお、この際、家族全員が家の中におり、
全員の表示画面が「in」にもかかわらず、何らかの理
由で外側からドアが開くと、信号認証ドアから回線網を
通して自動的に警備会社に通報されるようになってい
る。
【0130】なお、本発明は上記実施の形態に限られる
ものではない。例えば、携帯型指紋照合装置は腕時計に
限らず、ノート型パソコンや携帯電話や電子手帳などの
外出時に携帯できるモバイル装置にフォトセンサを備え
つけても良い。動作認証装置の制御手段により制御され
る任意の装置は、家屋に取り付けられた信号認証ドアや
サーバ等のコンピュータに限らず、車のドア、門等のよ
うに特定の個人に制限されたものであればよい。また液
晶表示部63の代替としてエレクトロルミネッセンス装
置や、フィールドエミッションデバイス、プラズマディ
スプレイデバイス等の表示装置を用いてもよい。
【0131】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、動作認証
装置で登録された情報は指紋情報と異なる特定の認証デ
ータであり、送信の度に逐一指紋情報を照合する必要が
なく、特定の認証データは指紋情報よりも簡易なデータ
とすることが可能であるので従来のような指紋照合より
も短時間で認証データの照合を処理することが可能であ
る。また動作認証装置には指紋情報が登録されていない
ので、動作認証装置から指紋情報の漏洩がなく、セキュ
リティを向上することができる。そして記憶手段に登録
されているのは、一人もしくは少人数の照合用指紋情報
であり、読み取られた指紋情報と照合される照合用指紋
情報の数が少ないので、短時間で指紋の照合を行うこと
ができる。また、携帯型指紋照合装置において、照合用
指紋情報の記憶手段への登録が可能なことから、所有者
が指紋の認証を行わなくても、代理人が任意の装置を動
作させることができる。したがって、従来の鍵の貸し借
りと同様の利便性を実現できるとともに、セキュリティ
レベルの高い指紋認証システムを構築できる。
【0132】請求項2記載の発明によれば、携帯型指紋
照合装置の所有者と、上述のように所有者に代わって任
意の装置を動作させる代理人とを別々に記憶手段に登録
することができる。従って、所有者の指紋が認証された
場合と、代理人の指紋が認証された場合とで、異なる処
理を行うことが可能となり、所有者の権限に対して代理
人の権限を制限することが可能となる。
【0133】請求項3記載の発明によれば、代理人が任
意の装置を操作可能な期間や回数を制限することができ
る。従って、代理人は所有者が認めた期間もしくは回数
しか任意の装置を操作することができなくなり、代理人
の携帯型指紋照合装置の悪用を防止することができる。
【0134】請求項4記載の発明によれば、動作認証装
置に代理人用の認証データを登録していなくても、任意
の装置の動作を制御することが可能となる。
【0135】請求項5記載の発明によれば、指紋読取手
段は、高い透明性を有しているため、重ねて設置しても
ディスプレイの視認性を妨げることはないので、指紋読
取手段をディスプレイ上に重ねて設けることができる。
そのため、電子機器の背面に指紋読取手段を設けたり、
小型の電子機器に指紋読取手段を設けるために、電子機
器のサイズを大きくしたりする必要がなく、腕時計のよ
うな小さい電子機器にも設置できる。
【0136】請求項6記載の発明によれば、ダブルゲー
トトランジスタは、透明ではないが非常に小さく形成す
ることができ、かつ、ダブルゲートトランジスタの周囲
を透明にすることができるため、指紋読取手段全体とし
て見れば透明性が高く、ディスプレイの視認性を妨げる
ことがない。
【0137】請求項7、9に記載の発明によれば、動作
認証装置に代理人用の認証データを登録していなくて
も、代理人が任意の装置の動作を制御することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の指紋認証システムを説明
するための図である。
【図2】上記実施の形態の携帯型指紋照合装置を説明す
るためのブロック図である。
【図3】上記携帯型指紋照合装置を説明するための図で
ある。
【図4】上記携帯型指紋照合装置の指紋情報読取部の回
路構成を説明するための図である。
【図5】上記携帯型指紋照合装置の指紋情報読取部のフ
ォトセンサ部のダブルゲートトランジスタを説明するた
めの図である。
【図6】上記携帯型指紋照合装置のフォトセンサ部及び
液晶表示部の構成を説明するための図である。
【図7】上記携帯型指紋照合装置のフォトセンサ部及び
液晶表示部の構成の変形例を説明するための図である。
【図8】上記フォトセンサ部を構成するダブルゲートト
ランジスタの動作原理を説明するための模式図である。
【図9】上記実施の形態のドライバ回路部を構成するト
ップゲートドライバまたはボトムゲートドライバの全体
構成を説明するための図である。
【図10】上記トップゲートドライバまたはボトムゲー
トドライバの各段の回路構成を説明するための図であ
る。
【図11】上記トップゲートドライバまたはボトムゲー
トドライバの動作を説明するためのタイミングチャート
である。
【図12】上記携帯型指紋照合装置において、認証者ま
たは代理人の指紋読取動作を説明するための図である。
【図13】上記実施の形態の動作認証装置を説明するた
めのブロック図である。
【図14】上記指紋認証システムを用いたセキュリティ
システムを説明するための図である。
【図15】上記指紋認証システムを用いたセキュリティ
システムを説明するための図である。
【符号の説明】
6 携帯型指紋照合装置 61a CPU 61d 時計部 62 指紋情報読取部 63 液晶表示部 64 指紋情報登録記憶部 67 通信部 7 動作認証装置 71a CPU 76 ロック部 S 指紋認証システム W 電子機器(腕時計)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】指紋を読み取り、指紋情報として出力する
    指紋読取手段と、 該指紋読取手段から出力された指紋情報を記憶する記憶
    手段と、 該指紋読取手段から出力された指紋情報を照合用指紋情
    報として前記記憶手段に記憶させる指紋登録手段と、 該指紋読取手段で読み取られた指紋情報と、前記照合用
    指紋情報とが同一の指紋に基づくか否かを照合して判断
    する指紋照合手段と、 該指紋照合手段が、前記指紋情報と前記照合用指紋情報
    とが同じ指紋に基づくと判断した場合に、前記指紋情報
    と異なる特定の認証データを出力する認証データ出力手
    段と、 該認証データ出力手段から出力された認証データを送信
    する第一の通信手段とを有する携帯型指紋照合装置を備
    えるとともに、 前記認証データを受信する第二の通信手段と、 前記認証データが正規の認証データか否かを判別する判
    別手段と、 任意の装置に接続され、前記判別手段の判別結果に基づ
    いて、前記任意の装置の動作を制御する制御手段とを有
    する動作認証装置を備えたことを特徴とする指紋認証シ
    ステム。
  2. 【請求項2】前記指紋登録手段が前記携帯端末の所有者
    を登録する所有者モードと、前記所有者の代理人を登録
    する代理人モードとを有し、前記所有者モードで登録さ
    れた所有者照合用指紋情報と、前記代理人モードで登録
    された代理人照合用指紋情報との二種類以上の照合用指
    紋情報を前記記憶手段に登録可能とされ、 前記指紋照合手段が、前記読取手段で読み取られた指紋
    情報と前記所有者照合用指紋情報とが同一の指紋に基づ
    くとみなした場合に、前記認証データ出力手段は前記認
    証データを出力し、 前記指紋照合手段が、前記読取手段で読み取られた指紋
    情報と前記代理人照合用指紋情報とが同一の指紋に基づ
    くとみなした場合に、前記認証データ出力手段は、前記
    認証データ或いは前記代理人の情報を含んだ認証データ
    を出力することを特徴とする請求項1記載の指紋認証シ
    ステム。
  3. 【請求項3】前記代理人の有効期間を示す期間データ、
    有効回数を示す回数データのうちの少なくとも一方を設
    定する設定手段と、 前記指紋照合手段が前記読取手段で読み取られた指紋情
    報と前記代理人照合用指紋情報と照合して同一の指紋に
    基づくと判断したときの時刻と、前記代理人が前記動作
    認証装置に前記認証データを送信する回数と、のうちの
    少なくとも一方の計測を行う計測手段と、を備え、 前記計測手段に計測された時刻が前記設定手段で設定さ
    れた期間データの期間以外であった場合、或いは前記計
    測手段に計測された前記認証データを送信した回数が既
    に前記設定手段の有効回数に達している場合に、前記指
    紋照合手段が前記読取手段で読み取られた指紋情報と前
    記代理人照合用指紋情報と照合して同一の指紋に基づく
    と判断しても、前記認証データ出力手段が前記認証デー
    タの出力を停止するか或いは前記第一の通信手段が前記
    認証データの送信を停止することを特徴とする請求項2
    記載の指紋認証システム。
  4. 【請求項4】前記携帯型指紋照合装置に前記代理人モー
    ドで前記代理人の指紋情報を予め登録されていれば、前
    記動作認証装置に前記代理人用の認証データを登録して
    いなくても、前記指紋照合手段が前記読取手段で読み取
    られた指紋情報と前記代理人照合用指紋情報とを照合し
    て同一の指紋に基づくと判断することにより前記携帯型
    指紋照合装置から送信された認証データ或いは前記代理
    人の情報を含んだ認証データにしたがって前記動作認証
    装置の前記制御手段が前記任意の装置の動作を制御する
    ことを特徴とする請求項2記載の指紋認証システム。
  5. 【請求項5】ディスプレイを備えた電子機器において、 指紋を読み取る指紋読取手段を備えるとともに、 前記指紋読取手段が、該指紋読取手段を透過して前記デ
    ィスプレイの表示を認識可能な透明性を有するととも
    に、前記ディスプレイ上に該ディスプレイと重なるよう
    に配置されていることを特徴とする電子機器。
  6. 【請求項6】前記指紋読取手段が、光学的に指紋を読み
    取るセンサデバイスとして、ダブルゲートトランジスタ
    を有することを特徴とする請求項5記載の電子機器。
  7. 【請求項7】動作認証装置のロックを解除する電子機器
    において、 読み取った指紋と予め登録された認証者の指紋とが互い
    に同一の指紋に基づくと判断すると、ロックを解除する
    ためのパスワードを前記動作認証装置に送信する第1ロ
    ック解除信号送信手段と、 読み取った指紋と予め登録された代理人の指紋とが互い
    に同一の指紋に基づくと判断すると、前記認証者のパス
    ワード或いは前記代理人の情報を含んだ前記認証者のパ
    スワードを前記動作認証装置に送信する第2ロック解除
    信号送信手段と、を備えていることを特徴とする電子機
    器。
  8. 【請求項8】前記代理人が前記動作認証装置のロックを
    解除することができる解除する使用上限回数、或いは前
    記代理人が前記動作認証装置のロックを解除することが
    できる使用可能期間が設定されていることを特徴とする
    請求項7記載の電子機器。
  9. 【請求項9】動作認証装置のロックを解除する指紋認証
    方法において、 読み取った指紋情報を予め登録された認証者の指紋情報
    と比較して同一の指紋であるとみなせると判定すると、
    ロックを解除するための認証者のパスワードを前記動作
    認証装置に送信する指紋照合装置が、読み取った指紋情
    報を予め登録された代理人の指紋情報と比較して同一の
    指紋であるとみなせると判定すると、前記認証者のパス
    ワード或いは前記代理人の指紋以外の情報を含んだ認証
    者のパスワードを前記動作認証装置に送信することを特
    徴とする指紋認証方法。
  10. 【請求項10】前記代理人の指紋以外の情報は、前記代
    理人の名前もしくはその代替となる記号、前記指紋照合
    装置での前記代理人によるパスワード送信が何回目であ
    るか、前記指紋照合装置での前記代理人によるパスワー
    ド送信の時刻の少なくとも何れか1つからなる情報であ
    ることを特徴とする請求項9記載の指紋認証方法。
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