JP2003088941A - 高燐鋼板製造装置及び高燐鋼板製造方法 - Google Patents

高燐鋼板製造装置及び高燐鋼板製造方法

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JP2003088941A JP2001280468A JP2001280468A JP2003088941A JP 2003088941 A JP2003088941 A JP 2003088941A JP 2001280468 A JP2001280468 A JP 2001280468A JP 2001280468 A JP2001280468 A JP 2001280468A JP 2003088941 A JP2003088941 A JP 2003088941A
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英明 高谷
Osamu Umezawa
修 梅澤
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耕一 平田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】冷間圧延する際に割れが発生し難い高燐鋼の熱
延鋼板を製造すること。 【解決手段】高燐鋼の溶湯11を50K毎秒以上の冷却
速度で鋳造ストリップ12に鋳造するドラムキャスタ4
と、鋳造ストリップ14を熱延ストリップ15に熱間圧
延する熱間圧延機6とを具備している。熱間圧延機6
は、鋳造ストリップ14と接触して熱間圧延する2つの
ワークロール31、32を備え、ワークロール31、3
2の回転軸41、42と幅方向Dとのなすクロス角θ、
θ′は、2度以上である。この鋳造は結晶粒界に燐が偏
析することを防止し、この熱間圧延は、熱延ストリップ
15の幅方向剪断歪み量εを0.2以上にし、熱延ス
トリップ15を冷間圧延する際の割れを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高燐鋼板製造装置
及び高燐鋼板製造方法に関し、特に、燐(P)を0.0
1質量%以上含有する高燐鋼の薄板を製造する場合に利
用される高燐鋼板製造装置及び高燐鋼板製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】普通鋼は、鉄が主成分であり、炭素0.
01〜0.15質量%、ケイ素0.15〜0.30質量
%、マンガン0.6〜1.5質量%、燐0.005質量
%程度および硫黄0.005質量%程度を含有してい
る。この普通鋼の熱延鋼板(ホットコイル)は、一般的
に、溶解・精錬された溶湯(溶融金属)からスラブが鋳
造され、そのスラブが熱間圧延されて製造される。
【0003】溶湯からストリップに直接に鋳造するスト
リップキャスティングが開発されている。そのストリッ
プキャスティングは、溶湯の歩留まりの向上を図り、粗
熱間圧延を省略して、普通鋼のホットコイルの製造コス
トを低減する。そのストリップキャスティングを実行す
る装置としては、平行な軸で回転する2個のロールの表
面で溶湯を冷却し、そのロールの表面の間隔が最も狭く
なる点で凝固した金属を圧着して厚みが数mmのストリ
ップ(金属薄板)を製造するドラムキャスタが例示され
る。
【0004】図12は、ドラムキャスタが適用された公
知の熱延鋼板製造装置を示している。その熱延鋼板製造
装置101は、取鍋102、タンディッシュ103、ド
ラムキャスタ104、保温炉105、熱間圧延機10
6、冷却装置107およびコイラ108を備えている。
【0005】取鍋102は、炉から供給される高燐鋼の
溶湯(溶融金属)111を受けタンディッシュ103に
運搬し、タンディッシュ103に溶湯112として供給
する容器である。炉としては、高炉、電炉、転炉が例示
される。タンディッシュ103は、取鍋102から供給
された溶湯111をドラムキャスタ104に供給するた
めに使用される漏斗である。タンディッシュ103は、
ドラムキャスタ104に供給される溶湯112の流量を
調節し、溶湯111を貯留することにより溶湯112の
温度を調節する。
【0006】ドラムキャスタ104は、回転する2個の
ロールの表面で溶湯112を冷却して凝固させ、ロール
表面間隔が最も狭くなる点で圧着して数mmの厚みの鋳
造ストリップ(金属薄板)113を製造する装置であ
る。
【0007】保温炉105は、鋳造ストリップ113を
所定の温度未満にならないように保温し、または、鋳造
ストリップ113を所定の温度以上に加熱する。保温炉
105は、その保温・加熱された鋳造ストリップ114
を熱間圧延機6に供給する。
【0008】熱間圧延機106は、鋳造ストリップ11
4に圧縮塑性変形を与え、1〜4.76mm厚の熱延ス
トリップ115に延伸成形する設備である。
【0009】冷却装置107は、熱延ストリップ115
より低温の冷却流体をストリップ113に接触させて冷
却し、冷却された熱延ストリップ116を製造する装置
である。この冷却流体は、水または空気である。コイラ
108は、熱延ストリップ116を巻き取る装置であ
る。
【0010】燐を大量に含有している鉄鉱石から生成さ
れる溶銑は、燐を大量に(0.01質量%以上)含有し
ている。このような鉄鉱石としては、ヨーロッパ産の鉄
鉱石が例示される。燐を大量に含有する鉄鋼材料は、鋳
造する際に結晶粒界に燐(または燐化合物)が析出し、
熱間圧延する際に割れやすいという欠点がある。このた
め、精錬時に溶湯から燐を除去する脱燐が実行されてい
る。大量の燐を除去する脱燐には一般的にフッ化カルシ
ウムが使用され、このとき生成されるスラグには有害な
フッ化物が含有し、そのスラグの廃棄には環境を汚染さ
せないための特殊な処理が必要である。そこで、フッ化
カルシウムによる脱燐を実行しない熱延鋼板の製造方法
が望まれている。
【0011】一方、強度または耐食性を向上させるため
に、0.01質量%以上の燐が積極的に添加された高燐
鋼が知られている。このような高燐鋼は、鋳造する際
に、結晶粒界に燐が析出し、熱間圧延する際に割れやす
いという欠点がある。そこで、圧延する際に割れ難い高
燐鋼の熱延鋼板の製造方法が望まれている。
【0012】結晶粒径を細かくすることにより介在物の
偏析を防ぎ、鋳造された鋼板を割れ難くする金属薄板製
造方法が知られている。特公平4−60741号公報に
示されている公知の金属薄板製造方法は、ドラムキャス
タにより鋳造された金属薄板を、一度A変態点以下の
温度に自然冷却したあと、再度インラインにてA変態
点以上の温度に加熱・保持し、次いでガス又は水あるい
は気水混合物で冷却している。このような金属薄板製造
方法では、金属組織が微細化された薄板鋳片を得ること
ができ、次工程の冷間圧延工程および焼鈍工程における
冷間圧延率および焼鈍温度の低下を図ることができる。
【0013】フェライト粒界に一旦偏析した燐(燐化合
物)は、拡散しにくく、このような金属薄板製造方法で
もその燐の偏析は軽減されない。ストリップキャスティ
ングを適用し、かつ、燐の偏析を軽減する熱延鋼板の製
造方法が望まれている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、冷間
圧延する際に割れが発生し難い高燐鋼の熱延鋼板を製造
する高燐鋼板製造装置及び高燐鋼板製造方法を提供する
ことにある。本発明の他の課題は、熱間圧延する際に割
れが発生し難い高燐鋼の鋼板を鋳造する高燐鋼板製造装
置及び高燐鋼板製造方法を提供することにある。本発明
のさらに他の課題は、燐の偏析が小さい高燐鋼の熱延鋼
板を製造する高燐鋼板製造装置及び高燐鋼板製造方法を
提供することにある。本発明のさらに他の課題は、高燐
鋼の熱延鋼板の機械的性質を向上させる高燐鋼板製造装
置及び高燐鋼板製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】以下に、[発明の実施の
形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決す
るための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特
許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載と
の対応関係を明らかにするために付加されたものであ
り、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的
範囲の解釈に用いてはならない。
【0016】本発明による高燐鋼板製造装置(1)は、
燐を0.01質量%以上含有する高燐鋼の溶湯(11)
を50K毎秒以上の冷却速度で鋳造ストリップ(12)
に鋳造するドラムキャスタ(4)を具備している。鋳造
ストリップ(12)は、板厚が1mm〜10mmの鋼帯
である。鋳造ストリップ(12)の任意の局所の冷却速
度は、50K毎秒以上であり、その冷却速度は、たとえ
ば、鋳造ストリップ(12)のデンドライト2次アーム
間隔に基づいて導出される。ドラムキャスタ(4)は、
たとえば、鋳造速度を制御することにより、鋳造ストリ
ップ(13)の冷却速度を制御する。このような鋳造は
結晶粒界に燐が偏析することを防止し、鋳造ストリップ
(12)の結晶粒界の燐の濃度は小さく、圧延により割
れ難い。
【0017】高燐鋼板製造装置(1)は、鋳造ストリッ
プ(14)を熱延ストリップ(15)に熱間圧延する熱
間圧延機(6)を更に具備している。鋳造ストリップ
(14)の熱間圧延による幅方向(D)の増分(ΔW)
を熱延ストリップ(15)の厚さ(r′)で割った商で
ある幅方向剪断歪み量(ε)は、0.2以上である。
その幅方向剪断歪み量(ε)を増加させることによ
り、相当歪みεは容易に増加させることができ、幅方
向剪断歪み量(ε)が0.2以上になるように熱間圧
延することにより、熱延ストリップ(15)は、最終組
織のフェライト粒径が2μm以下に微細化し、等軸化さ
れ、冷間圧延する際に割れが発生し難い。
【0018】熱間圧延機(6)は、鋳造ストリップ(1
4)と接触して熱間圧延する2つのワークロール(3
1、32)を備え、ワークロール(31、32)の回転
軸(41、42)と幅方向(D)とのなすクロス角
(θ、θ′)は、2度以上である。このような熱間圧延
機は、容易に鋳造ストリップの幅方向剪断歪み量
(ε)を0.2以上にすることができる。
【0019】熱間圧延機は、圧下率が30%以上で熱間
圧延する。このような熱間圧延は、熱延ストリップ(1
5)のフェライト粒径を微細化し、組織を等軸化するこ
とができる。
【0020】熱間圧延機(6)は、温度が高燐鋼のAr
変態点以上で鋳造ストリップ(14)を熱間圧延す
る。鋳造ストリップ(14)は、ワークロール(31、
32)との接触により冷却される。接触時間を短くする
ことにより、圧延温度が高燐鋼のAr変態点未満にな
ることを防止する。熱間圧延機(6)は、ワークロール
(31、32)の径を小さくし、または、圧延速度を速
くすることにより、接触時間を短くする。Ar変態点
以上で熱間圧延することは、析出したフェライト粒も微
細化することができる。
【0021】高燐鋼板製造装置(1)は、鋳造ストリッ
プ(14)の温度をAr変態点以上に保温する保温炉
(5)を更に具備している。保温炉(5)は、熱間圧延
前の鋳造ストリップ(14)の温度をAr変態点以上
に保持し、または、加熱する。Ar変態点以上では、
鋳造ストリップ(14)の組織がほとんどオーステナイ
ト相である。このような鋳造ストリップ(14)は、熱
間圧延されると、結晶粒径が均一に微細化し好ましい。
鋳造ストリップ(14)は、Ar変態点未満であると
きにフェライト相が析出し、熱間圧延する際にフェライ
ト相が選択的に変形され、結晶粒径にバラツキが発生
し、冷間圧延する際に割れに例示される悪影響を及ぼ
す。
【0022】本発明による高燐鋼板製造方法は、燐を
0.01質量%以上含有する高燐鋼の溶湯(12)を調
製するステップと、溶湯(12)を50K毎秒以上の冷
却速度で鋳造ストリップ(13)に鋳造するステップと
を具備している。鋳造ストリップ(12)は、板厚が1
mm〜10mmの鋼帯である。鋳造ストリップ(12)
の任意の局所の冷却速度は、50K毎秒以上であり、そ
の冷却速度は、たとえば、鋳造ストリップ(12)のデ
ンドライト2次アーム間隔に基づいて導出される。ドラ
ムキャスタ(4)は、たとえば、鋳造速度を制御するこ
とにより、鋳造ストリップ(13)の冷却速度を制御す
る。このような鋳造は結晶粒界に燐が偏析することを防
止し、鋳造ストリップ(12)の結晶粒界の燐の濃度は
小さく、圧延により割れ難い。
【0023】本発明による高燐鋼板製造方法は、鋳造ス
トリップ(13)を熱延ストリップ(15)に熱間圧延
するステップを更に具備している。鋳造ストリップ(1
3)の熱間圧延による幅方向(D)の増分(ΔW)を熱
延ストリップ(15)の厚さ(r′)で割った商である
幅方向剪断歪み量(ε)は、0.2以上である。その
幅方向剪断歪み量(ε)を増加させることにより、相
当歪みεは容易に増加させることができ、幅方向剪断
歪み量(ε)が0.2以上になるように熱間圧延する
ことにより、熱延ストリップ(15)は、最終組織のフ
ェライト粒径が2μm以下に微細化し、等軸化され、冷
間圧延する際に割れが発生し難い。
【0024】熱間圧延するステップは、鋳造ストリップ
(13)と接触して圧延する2つのワークロール(3
1、32)により実行され、ワークロール(31、3
2)の回転軸(41、42)と幅方向(D)とのなす角
であるクロス角(θ、θ′)は、2度以上である。この
ような熱間圧延機は、容易に鋳造ストリップの幅方向剪
断歪み量(ε)を0.2以上にすることができる。
【0025】その熱間圧延の圧下率は、30%以上であ
る。このような熱間圧延は、熱延ストリップ(15)の
フェライト粒径を微細化し、組織を等軸化することがで
きる。
【0026】熱間圧延するステップは、温度が高燐鋼の
Ar変態点以上で実行される。鋳造ストリップ(1
4)は、ワークロール(31、32)との接触により冷
却される。接触時間を短くすることにより、圧延温度が
高燐鋼のAr変態点未満になることを防止する。熱間
圧延機(6)は、ワークロール(31、32)の径を小
さくし、または、圧延速度を速くすることにより、接触
時間を短くする。Ar変態点以上で熱間圧延すること
は、析出したフェライト粒も微細化することができる。
【0027】鋳造ストリップ(13)の温度をAr
態点以上に保温するステップを更に具備している。熱間
圧延前の鋳造ストリップ(14)は、温度をAr変態
点以上に保持され、または、加熱される。Ar変態点
以上では、鋳造ストリップ(14)の組織がほとんどオ
ーステナイト相である。このような鋳造ストリップ(1
4)は、熱間圧延されると、結晶粒径が均一に微細化し
好ましい。鋳造ストリップ(14)は、Ar変態点未
満であるときにフェライト相が析出し、熱間圧延する際
にフェライト相が選択的に変形され、結晶粒径にバラツ
キが発生し、冷間圧延する際に割れに例示される悪影響
を及ぼす。
【0028】
【発明の実施の形態】添付された図面を参照して、本発
明による高燐鋼板製造装置の実施の形態を説明する。そ
の高燐鋼板製造装置1は、図1に示されているように、
取鍋2、タンディッシュ3、ドラムキャスタ4、保温炉
5、熱間圧延機6、冷却装置7およびコイラ8を備えて
いる。
【0029】取鍋2は、炉から供給される高燐鋼の溶湯
(溶融金属)11を受けタンディッシュ3に運搬して供
給する容器である。炉としては、高炉、電炉、転炉が例
示される。高燐鋼とは、燐を0.01質量%以上含有し
た鋼である。タンディッシュ3は、取鍋2から供給され
た溶湯11をドラムキャスタ4に供給するために使用さ
れる漏斗である。ドラムキャスタ4に供給される溶湯1
2は、タンディッシュ3が溶湯11を貯留することによ
り温度が調節され、ドラムキャスタ4に供給される流量
が調節される。
【0030】ドラムキャスタ4は、回転する2個の鋳造
ロールの表面で溶湯12を冷却して凝固させ、ロール表
面間隔が最も狭くなる点で圧着して数mmの厚みの鋳造
ストリップ(金属薄板)13を製造する装置である。
【0031】保温炉5は、鋳造ストリップ13を所定の
温度未満にならないように保温し、または、鋳造ストリ
ップ13を所定の温度以上に加熱する。保温炉5は、そ
の保温・加熱された鋳造ストリップ14を熱間圧延機6
に供給する。
【0032】熱間圧延機6は、鋳造ストリップ14に圧
縮塑性変形を与え、1〜4.76mm厚の熱延ストリッ
プ15に延伸成形する設備である。
【0033】冷却装置7は、熱延ストリップ15より低
温の冷却流体をストリップ13に接触させて冷却し、冷
却された熱延ストリップ16を製造する装置である。こ
の冷却流体は、水または空気である。コイラ8は、熱延
ストリップ16を巻き取る装置である。
【0034】図2は、ドラムキャスタ4を詳細に示して
いる。ドラムキャスタ4は、2個の鋳造ロール21、2
2と、2個の固定せき23、24とを有している。鋳造
ロール21、22は、径が互いに等しい円柱を形成し、
それぞれ軸25、26を有している。軸25と軸26
は、1つの水平面に含まれ、かつ、互いに平行に並列し
ている。鋳造ロール21、22は、銅材または銅合金の
いずれかにより形成され、円柱の側面の表面29がニッ
ケル(Ni)によりメッキされ、内部に冷却水が通過す
る水冷機構を内蔵している。そのメッキは、溶湯12の
冷却速度を増加させ、溶湯12による鋳造ロール21、
22の摩耗を防止する。2個の固定せき23、24は、
鋳造ロール21、22の両端(底面)部分に配置され、
耐火材から形成されている。すなわち、ドラムキャスタ
4は、鋳造ロール21、22と固定せきで形成される空
間27に溶湯12が注湯されたときに、鋳造ロール2
1、22の間隙以外から溶湯13が漏れないように形成
されている。
【0035】鋳造ロール21、22の内部の水冷機構に
冷却水の注入され、鋳造ロール21、22の表面が冷却
され、空間27に溶湯12が注湯される。鋳造ロール2
1、22は、等しい回転速度で方向Aに駆動され、冷却
され凝固した鋳片部分28を圧着して鋳造ストリップ1
3を生成する。
【0036】ドラムキャスタ4は、冷却水の流量と鋳造
ロール21、22の回転速度とを制御することにより、
鋳造ストリップ13の内部の冷却速度を制御することが
できる。すなわち、冷却水の流量を増加することによ
り、鋳造ロール21、22は速く冷却され、鋳造ロール
21、22に接触した溶湯12も速く冷却される。鋳造
ロール21、22の回転速度を速くしたとき、溶湯12
と鋳造ロール21、22との接触時間が短くなり、溶湯
12が凝固した鋳片部分28の厚さが薄くなる。鋳片部
分28の鋳造ロール側の部分は、鋳片部分28の熱伝導
の抵抗の分だけ溶湯12側の部分より冷却速度が速い。
このようにして溶湯12の凝固の冷却速度を制御するこ
とができる。なお、鋳造ロール21、22の径を小さく
して接触時間を短くしても同様に冷却速度を制御するこ
とができる。
【0037】図3は、熱間圧延機6を詳細に示してい
る。熱間圧延機6は、4段の熱間圧延機であり、2個の
ワークロール31、32と2個のバックアップロール3
3、34とから形成されている。ワークロール31、3
2は、鋳造ストリップ14を挟んで回転して圧縮塑性変
形させ、熱延ストリップ15に延伸成形する。バックア
ップロール33、34は、それぞれワークロール31、
32を支持し、ワークロール31、32が熱間圧延の反
作用により撓むことを防止している。
【0038】熱間圧延機6は、さらに、図示されていな
い圧下機構とモータとを備えている。圧下機構は、ワー
クロール31、32の間隙を設定して、熱間圧延の圧下
率を制御する。モータは、ワークロール31、32を回
転駆動し、回転速度を変化することにより、圧延速度を
制御する。
【0039】ここで、鋳造ストリップ14がワークロー
ル31、32により圧縮される方向は厚さ方向Bと定義
され、延伸される方向は圧延方向C(図4参照)と定義
される。このとき、ワークロール31、32の回転軸は
各々厚さ方向Bに垂直であり、圧延方向Cは厚さ方向B
に垂直である。さらに、厚さ方向Bに垂直であり、か
つ、圧延方向Cに垂直である方向は、幅方向Dと定義さ
れる。
【0040】ワークロール31の回転軸41は、図4に
示されているように、幅方向Dと非平行である。すなわ
ち、回転軸41と幅方向Dとのなす角であるクロス角θ
は、次式: 2°≦θ<90° により表現される。ワークロール32の回転軸42は、
同様に、幅方向Dと非平行であり、回転軸41と幅方向
Dとのなす角であるクロス角θ′は、次式: 2°≦θ′<90° により表現される。このとき、クロス角θは、クロス角
θ′に概ね等しい。さらに、回転軸41と回転軸42と
のなす角θ″は、次式: θ″=θ+θ′ により表現される。このような熱間圧延機6は、熱延ス
トリップ15に幅方向の剪断歪みを与える。
【0041】鋳造ストリップ14は、ワークロール3
1、32と接触する際に、ワークロール31、32と熱
交換されて、冷却される。熱間圧延機6は、回転速度を
速くし、ワークロール31、32の径を小さくして鋳造
ストリップ14とワークロール31、32との接触時間
を短くしている。このような圧延は、鋳造ストリップ1
4の熱延温度が高燐鋼のAr変態点以下にならない。
【0042】なお、熱間圧延機6は、さらに、ワークロ
ール31、32の回転軸を熱延ストリップの幅方向に任
意の角度に互いに独立してずらすことができ、熱延スト
リップ15の通過位置を制御し、熱延ストリップ15の
板厚を制御することができる。
【0043】本発明による高燐鋼板製造方法の実施の形
態を説明する。まず、高燐鋼の溶湯11が炉により調製
される。取鍋2は、その溶湯11を炉からタンディッシ
ュ3に輸送する。タンディッシュ3は、さらに、溶湯1
2を貯留し、溶湯12の温度が過熱度40度程度になっ
た時点で溶湯12をドラムキャスタ4に注湯する。過熱
度とは、高燐鋼の融点との差を示している。
【0044】ドラムキャスタ4は、溶湯12を冷却して
凝固させ、数mmの厚みの鋳造ストリップ13を製造す
る。このとき、ドラムキャスタ4は、溶湯12を50K
毎秒以上の冷却速度で冷却して凝固させる。
【0045】冷却速度は、鋳造ストリップ13、14の
デンドライト2次アーム間隔に基づいて導出される。平
均冷却速度Vは、図5のグラフに示されているように、
デンドライト2次アーム間隔dの関数を形成している。
すなわち、平均冷却速度Vが既知の試料に基づいて、デ
ンドライト2次アーム間隔dと平均冷却速度Vとの関数
を導出し、その関数に基づいて鋳造ストリップ13の冷
却速度を導出する。このような冷却速度の導出は、周知
である。
【0046】一般的に溶湯12を冷却して凝固させる
と、結晶粒界に燐が偏析する。溶湯12を50K毎秒以
上の冷却速度で急冷凝固させることにより、燐は結晶粒
界に拡散する前に結晶粒中に固溶し、燐の偏析の程度を
小さくすることができる。急冷凝固は、さらに、結晶粒
径を微細化し、結晶粒界の体積を大きくする。この結
果、結晶粒界に偏析する燐の濃度を小さくすることがで
きる。
【0047】保温炉5は、鋳造ストリップ13を高燐鋼
のAr変態点未満にならないように保温し、または、
加熱する。保温炉5は、その保温・加熱された鋳造スト
リップ14を熱間圧延機6に供給する。
【0048】熱間圧延機6は、鋳造ストリップ14を熱
延ストリップ15に熱間圧延する。図6と図7は、圧縮
歪みとフェライト粒径との関係を示し、圧延温度とフェ
ライト粒径との関係を示している。図6と図7とのグラ
フの作成に使用された供試材は、歪み速度が毎秒10で
熱間圧延され、その後10K毎秒の冷却速度で冷却され
た試料である。
【0049】その圧縮歪みcは、熱間圧延前の鋳造スト
リップ14の厚さrと、熱間圧延後の熱延ストリップ1
5の厚さr′とを用いて、次式:
【数1】 により表現される。たとえば、圧縮歪みcは、圧下率5
0%のときに約0.693であり、圧下率30%のとき
に約0.36である。逆に、圧下率は、圧縮歪みcが1
であるときに約63%であり、圧縮歪みcが2であると
きに約86%である。
【0050】その供試材は、圧延温度が873K、92
3K、973K、1023K、1073Kでそれぞれ熱
間圧延されている。Ar変態点は試料の組成などによ
り異なり、このグラフの作成に使用された供試材のAr
変態点は概ね923Kである。
【0051】図6のグラフは、供試材のオーステナイト
粒径の平均が17μmであるときの圧縮歪みとフェライ
ト粒径との関係、および、圧延温度とフェライト粒径と
の関係を示している。図6のグラフは、圧縮歪みcが
0.36以上であるときにフェライト粒径fの変化がよ
り大きいことを示している。圧縮歪みcが0.36以上
であることは、圧下率が30%以上であることに対応し
ている。図6のグラフは、さらに、圧延温度がAr
態点未満であるときにフェライト粒径fがほとんど変化
しないことを示している。
【0052】図7のグラフは、供試材のオーステナイト
粒径の平均が300μmであるときの圧縮歪みとフェラ
イト粒径との関係、および、圧延温度とフェライト粒径
との関係を示している。図7のグラフは、圧延温度が9
23K未満であるときにフェライト粒径fが圧縮歪みc
に対してほとんど変化しないことを示している。
【0053】図8は、鋳造ストリップ14を圧延方向C
に垂直な平面で切断した断面を示している。その断面
は、概ね長方形を形成している。鋳造ストリップ14の
厚さrはその長方形の厚さ方向Bに延びる辺の長さを示
し、幅Wはその長方形の幅方向Dに延びる辺の長さを示
している。
【0054】図9は、熱延ストリップ15を圧延方向C
に垂直な平面で切断した断面を示している。その断面
は、概ね平行四辺形を形成している。熱延ストリップ1
5の幅W′はその平行四辺形の幅方向Dの幅を示し、厚
さr′はその平行四辺形の厚さ方向Bの高さを示してい
る。熱間圧延による幅方向Bの増分ΔWは、熱延ストリ
ップ15の幅W′と鋳造ストリップ14の幅Wとの差で
あり、次式: ΔW=W′−W により表現される。一般の熱間圧延(クロス角θ、θ′
が0°)では、ストリップは幅方向Dに延伸されない
で、増分ΔWの値は0である。
【0055】クロス角θ、θ′が2°以上であるワーク
ロール31、32により熱間圧延された熱延ストリップ
15は幅方向Dに剪断歪みが発生する。その剪断歪みの
指標である幅方向剪断歪み量εは、鋳造ストリップ1
4が熱延ストリップ15に熱間圧延された幅方向の増分
ΔWを熱延ストリップ15の厚さr′で割った商であ
り、次式: ε=ΔW/r′ により表現される。
【0056】クロス角θ、θ′が2°以上であるワーク
ロール31、32により圧下率30%以上に熱間圧延さ
れた熱延ストリップ15の幅方向剪断歪み量εは、
0.2以上である。逆に、熱延ストリップ15に0.2
以上の幅方向剪断歪み量εを与えるには、クロス角
θ、θ′が2°以上であるワークロール31、32によ
り圧下率30%以上の熱間圧延をする必要がある。
【0057】図10のグラフは、熱間圧延する際のワー
クロール31、32のクロス角θ、θ′と熱延ストリッ
プ15の剪断歪み・相当歪みとの関係を示している。そ
の熱間圧延の条件は、ワークロール31、32のロール
径が600mmであり、ワークロール31、32と鋳造
ストリップ14との摩擦係数が0.3であり、圧下率が
50%である。供試材は、板厚3.0mmの鋳造ストリ
ップ14であり、この熱間圧延により板厚1.5mmの
熱延ストリップ15に延伸成形される。
【0058】物体内の任意の点における歪みは、方向に
よってその大きさが異なっている。互いに直交する3つ
の方向の単位長さ当たりの変位は、それぞれ直交座標系
の各歪み成分ε、ε、εとして与えられる。相当
歪みεは、各歪み成分ε、ε、εを用いて次
式:
【数2】 により表現される。相当ひずみεは、任意の変形状態
に対する歪みの大きさを定義する。
【0059】図10のグラフは、クロス角θ、θ′が大
きいほど幅方向剪断歪み量が大きくなることを示し、ク
ロス角θ、θ′が大きいほど相当歪みεが大きくなる
ことを示している。
【0060】相当歪みεが十分である熱延ストリップ
15は、最終組織のフェライト粒径が2μm以下に微細
化し、等軸化され、冷間圧延する際に割れが発生し難
い。幅方向Dの剪断歪みを与える熱間圧延は、厚さ方向
Bの圧縮歪みのみを与える熱間圧延より、相当歪みε
をより大きく増加させる。
【0061】図11は、本発明による高燐鋼板製造方法
により生産された高燐鋼板(熱延ストリップ16)であ
る実施例の引っ張り強度を示している。その実施例は、
炭素(C):0.1質量%、ケイ素(Si):0.15
質量%、マンガン(Mn):硫黄(S):0.01質量
%、燐(P):0.2、残部鉄(Fe)の高燐鋼の溶湯
が調製され、本発明による高燐鋼板製造装置1によりス
トリップに鋳造、熱延された。この高燐鋼は、Ar
態点が950℃である。ドラムキャスタ4には、直径が
1200mmであり、ロール幅が1200mmであり、
鋳造速度が60m毎分である鋳造ロール21、22が使
用された。高燐鋼の溶湯は、過熱度40K以上でドラム
キャスタ4に注湯された。鋳片は、内部の冷却速度が5
5K毎秒であり、厚さrが3mmである。
【0062】熱間圧延機6には、ロール径が300mm
であり、クロス角θ、θ′が2°以上であるワークロー
ル31、32が使用された。その鋳片は、熱間圧延機6
により圧延速度が60m毎分であり、圧下量が1.5m
m以上(すなわち、圧下率50%以上)である熱間圧延
が実施され、実施例である熱間ストリップ16が製造さ
れた。その実施例は、幅方向剪断歪み量が0.24であ
った。
【0063】その実施例と比較するための比較例が製造
された。その比較例は、実施例と同様に、炭素(C):
0.1質量%、ケイ素(Si):0.15質量%、マン
ガン(Mn):硫黄(S):0.01質量%、燐
(P):0.2、残部鉄(Fe)の高燐鋼の溶湯が調製
され、本発明による高燐鋼板製造装置1によりストリッ
プに鋳造、熱延された。この高燐鋼は、Ar変態点が
950℃である。ドラムキャスタ4には、直径が120
0mmであり、ロール幅が1200mmであり、鋳造速
度が60m毎分である鋳造ロール21、22が使用され
た。高燐鋼の溶湯は、過熱度40K以上でドラムキャス
タ4に注湯された。鋳片は、内部の冷却速度が55K毎
秒であり、厚さrが3mmである。
【0064】熱間圧延機6には、ロール径が300mm
であり、クロス角θ、θ′が0°であるワークロール3
1、32が使用された。その鋳片は、熱間圧延機6によ
り圧延速度が60m毎分であり、圧下量が1.5mm以
上(すなわち、圧下率50%以上)である熱間圧延が実
施され、比較例である熱間ストリップ16が製造され
た。その実施例は、幅方向剪断歪み量が0であった。
【0065】図11のグラフは、実施例の引っ張り強度
が500MPaであり、伸びが25%であることを示
し、比較例の引っ張り強度が450MPaであり、伸び
が2%であることを示している。この結果は、実施例が
冷間圧延される際に割れが発生しないことを示し、比較
例が高燐鋼板に特有の脆化特性を有し冷間圧延される際
に割れが発生する可能性があることを示している。
【0066】
【発明の効果】本発明による高燐鋼板製造装置及び高燐
鋼板製造方法は、冷間圧延する際に割れが発生し難い高
燐鋼の熱延鋼板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による高燐鋼板製造装置の実施
の形態を示すブロック図である。
【図2】図2は、ドラムキャスタを示す断面図である。
【図3】図3は、熱間圧延機を示す平面図である。
【図4】図4は、ワークロールを示す平面図である。
【図5】図5は、デンドライト2次アーム間隔と平均冷
却速度との関係を示すグラフである。
【図6】図6は、オーステナイト粒径が17μmである
ときの圧縮歪みとフェライト粒径との関係を示すグラフ
である。
【図7】図7は、オーステナイト粒径が300μmであ
るときの圧縮歪みとフェライト粒径との関係を示すグラ
フである。
【図8】図8は、鋳造ストリップを示す断面図である。
【図9】図9は、熱延ストリップを示す断面図である。
【図10】図10は、ワークロールのクロス角と剪断歪
み・相当歪みとの関係を示すグラフである。
【図11】図11は、実施例と比較例との引っ張り強度
を示すグラフである。
【図12】図12は、公知の熱延鋼板製造装置の実施の
形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…高燐鋼板製造装置 2…取鍋 3…タンディッシュ 4…ドラムキャスタ 5…保温炉 6…熱間圧延機 7…冷却装置 8…コイラ 11、12…溶湯 13、14…鋳造ストリップ 15、16…熱延ストリップ 21、22…鋳造ロール 23、24…固定せき 25、26…軸 27…空間 28…鋳片部分 29…表面 A…回転方向 31、32…ワークロール 33、34…バックアップロール B…厚さ方向 C…圧延方向 D…幅方向 41、42…回転軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高谷 英明 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 梅澤 修 茨城県つくば市千現一丁目2番1号 独立 行政法人物質・材料研究機構内 (72)発明者 平田 耕一 茨城県つくば市千現一丁目2番1号 独立 行政法人物質・材料研究機構内 Fターム(参考) 4E002 AA07 BC05 BD02 BD08 CB10 4E004 DA13 NB07 NC01 SE01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燐を0.01質量%以上含有する高燐鋼
    の溶湯を50K毎秒以上の冷却速度で鋳造ストリップに
    鋳造するドラムキャスタを具備する高燐鋼板製造装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記鋳造ストリップを熱延ストリップに熱間圧延する熱
    間圧延機を更に具備し、 前記鋳造ストリップの前記熱間圧延による幅方向の増分
    を前記熱延ストリップの厚さで割った商である幅方向剪
    断歪み量は、0.2以上である高燐鋼板製造装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記熱間圧延機は、前記鋳造ストリップと接触して圧延
    する2つのワークロールを備え、 前記ワークロールの回転軸と前記幅方向とのなす角であ
    るクロス角は、2度以上である高燐鋼板製造装置。
  4. 【請求項4】請求項2〜請求項3のいずれかにおいて、 前記熱間圧延機は、圧下率が30%以上で熱間圧延する
    高燐鋼板製造装置。
  5. 【請求項5】請求項2〜請求項4のいずれかにおいて、 前記熱間圧延機は、温度が前記高燐鋼のAr変態点以
    上で前記鋳造ストリップを熱間圧延する高燐鋼板製造装
    置。
  6. 【請求項6】請求項2〜請求項5のいずれかにおいて、 前記鋳造ストリップの温度をAr変態点以上に保温す
    る保温炉を更に具備する高燐鋼板製造装置。
  7. 【請求項7】 燐を0.01質量%以上含有する高燐鋼
    の溶湯を調製するステップと、 前記溶湯を50K毎秒以上の冷却速度で鋳造ストリップ
    に鋳造するステップとを具備する高燐鋼板製造方法。
  8. 【請求項8】請求項7において、 前記鋳造ストリップを熱延ストリップに熱間圧延するス
    テップを更に具備し、 前記鋳造ストリップの前記熱間圧延による幅方向の増分
    を前記熱延ストリップの厚さで割った商である幅方向剪
    断歪み量は、0.2以上である高燐鋼板製造方法。
  9. 【請求項9】請求項8において、 前記熱間圧延するステップは、前記鋳造ストリップと接
    触して圧延する2つのワークロールにより実行され、 前記ワークロールの回転軸と前記幅方向とのなす角であ
    るクロス角は、2度以上である高燐鋼板製造方法。
  10. 【請求項10】請求項8〜請求項9のいずれかにおい
    て、 前記熱間圧延の圧下率は、30%以上である高燐鋼板製
    造方法。
  11. 【請求項11】請求項8〜請求項10のいずれかにおい
    て、 前記熱間圧延するステップは、温度が前記高燐鋼のAr
    変態点以上で実行される高燐鋼板製造方法。
  12. 【請求項12】請求項8〜請求項11のいずれかにおい
    て、 前記鋳造ストリップの温度をAr変態点以上に保温す
    るステップを更に具備する高燐鋼板製造方法。
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