JP2003088147A - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JP2003088147A
JP2003088147A JP2001271862A JP2001271862A JP2003088147A JP 2003088147 A JP2003088147 A JP 2003088147A JP 2001271862 A JP2001271862 A JP 2001271862A JP 2001271862 A JP2001271862 A JP 2001271862A JP 2003088147 A JP2003088147 A JP 2003088147A
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ultrasonic motor
vibration
rotor
piezoelectric element
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JP2001271862A
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Yukihiro Matsushita
幸弘 松下
Motoyasu Yano
元康 谷野
Masafumi Ishikawa
雅史 石川
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Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波モータの異音の発生を防ぐとともにエ
ネルギー変換効率を高くする。 【解決手段】 超音波モータ11はステータ12とロー
タ13とによって構成され、ステータ12は第1及び第
2圧電素子16,17が上側及び下側ステータブロック
14,15に挟まれた状態でボルトにより締結されて構
成されている。そして、下側ステータブロック14には
外周に固定用フランジ部25が設けられ、その軸線方向
の厚みT1は、同フランジ部25の固有値が、超音波モ
ータ11に印加される高周波電圧の駆動周波数範囲と重
ならないようにして決定されている。この状態で、前記
第1及び第2圧電素子16,17に超音波モータ11の
駆動周波数範囲の高周波電圧が印加されると、上側ステ
ータブロック14の上端面に設けられた摩擦材23が複
合振動を起こし、ロータ13が一方向に回転する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波モータに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の超音波モータとしては、図13に
示すような定在波型(いわゆるボルト締めランジュバン
型)のものがある。この超音波モータ41は、ステータ
42とロータ43とを備えている。ステータ42は、ブ
ロック44,45、圧電素子46,47、電極板48,
49、及び図示しないボルトから構成されている。各部
材44〜49は、図13に示すように略円柱状に積層さ
れて、両ブロック44,45がその内部で軸方向に挿通
するボルトにて締め付けられることにより連結固定され
ている。
【0003】このステータ42の下部外周、即ち下側の
ブロック45の外周には、縦振動に基づいて捩り振動を
発生するスリット45aが形成されている。ロータ43
は、略円筒状に形成され、図示しない加圧機構によりス
テータ42の上面、即ちブロック44の上端面44aに
回転可能に加圧接触されている。このロータ43の外周
には、縦振動に基づいて捩り振動を発生するスリット4
3aが形成されている。
【0004】この超音波モータ41では、電極板48,
49に、高周波電圧が印加されると、圧電素子46,4
7にて縦振動が発生される。すると、ブロック45のス
リット45aにて捩り振動が発生される。このとき、高
周波電圧の周波数fとステータ42(ブロック44の上
端面44a)の振動速度vとの関係は図14に示すよう
になる。図14では、ブロック44の上端面44aの径
方向の振動速度vrを実線で示し、捩り振動速度vθを
2点鎖線で示し、縦振動速度vzを破線で示している。
【0005】図14に示すように、高周波電圧の周波数
fがf1付近のとき、その捩り振動速度vθ及び縦振動
速度vzの値が大きな値となっていることがわかる。そ
して、この周波数f1付近においては、ステータ42の
縦振動成分による浮力と捩り振動成分による推進力にて
ロータ43が一方向に回転するようになる。又、このと
きのステータ42の形状は、有限要素法(FEM:Fini
te Element Method )を利用して特定すると図15に示
すようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
超音波モータ41は、ステータ42の回転力を保持する
ため図13に示すような固定部51を備えている。この
固定部51は、図示しないハウジングにキー溝や、ね
じ、かしめ等により結合され、ステータ42の回転力を
保持する。
【0007】そして、図13に示すような固定部51を
備えた超音波モータ41に、高周波電圧を印加すると、
高周波電圧の周波数fとこの固定部51における振動速
度vとの関係は図16に示すようになる。図16に示す
ように、高周波電圧の周波数fがf2付近のとき、固定
部51の径方向の振動速度vr、捩り振動速度vθ、縦
振動速度vzの値が大きくなる。又、周波数f2におけ
る固定部51の形状はFEMを利用して特定すると図1
7に示すようになり、固定部51に大きな振動が生じて
いることがわかる。
【0008】そして、この固定部51に大きな振動を生
ずる周波数f2は、前記ステータ42のロータ43が回
転する時の周波数f1(図14参照)とはほぼ同じ周波
数となっている。これは、超音波モータ41を駆動させ
るための高周波電圧の最適な周波数範囲と、固定部51
の固有値とが一致しているためである。
【0009】そして、周波数f1と周波数f2とが重な
っていることは、ステータ42の振動に加えて固定部5
1にも振動が発生することを意味しており、超音波モー
タ41のロータ43の回転の効率低下や、異音発生等の
問題の原因となっている。
【0010】また、前記ステータ42のロータ43が回
転する時の周波数f1と前記圧電素子46,47の径方
向の伸縮振動に関する共振周波数とが重なることがあ
り、ステータ42が周波数f1で振動すると、圧電素子
46,47が径方向に共振を生じることがある。この共
振は、ステータ42の振動のロスの原因となり、超音波
モータ41のロータ43の回転の効率低下の原因となっ
ている。
【0011】さらに、ステータ42の周波数f1と圧電
素子46,47の共振周波数との差がわずかであると、
うなりが発生することがあり、超音波モータ41の異音
発生の原因となっている。
【0012】本発明の目的は、静粛であるとともにエネ
ルギー変換効率の高い超音波モータを提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、下側ステータブロック
と上側ステータブロックとの間に圧電素子を挟持した状
態にてボルトによって締結され、高周波電圧の印加によ
り振動が発生するステータと、前記ステータに摺動可能
に圧接され、前記ステータの振動に基づいて軸線を中心
に回転するロータとを備える超音波モータにおいて、前
記ステータは前記ロータの回転力を保持するための固定
部を備え、その固定部は、前記超音波モータを駆動する
ことが可能な前記高周波電圧の駆動周波数帯域と異なる
固有値を有する形状で設けられることを要旨とする。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の超音波モータにおいて、前記固定部は、前記ステータ
の外周にフランジ状に設けられ、前記高周波電圧の駆動
周波数帯域と異なる固有値を有するように前記軸線方向
の厚み、又は径方向の長さが特定された形状で設けられ
ることを要旨とする。
【0015】請求項3に記載の発明は、下側ステータブ
ロックと上側ステータブロックとの間に圧電素子を挟持
した状態にてボルトによって締結され、高周波電圧の印
加により振動が発生するステータと、前記ステータに摺
動可能に圧接され、前記ステータの振動に基づいて軸線
を中心に回転するロータとを備える超音波モータにおい
て、前記ステータは前記ロータの回転力を保持するため
の固定部を備え、その固定部は、前記超音波モータを駆
動することが可能な前記高周波電圧の駆動周波数帯域よ
り高い固有値を有する形状で設けられることを要旨とす
る。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の超音波モータにおいて、前記固定部は、前記ステータ
の外周に設けられる複数の突起体であることを要旨とす
る。請求項5に記載の発明は、圧電素子を有し、同圧電
素子に高周波電圧が印加されることによって振動が発生
するステータと、前記ステータに摺動可能に圧接され、
前記ステータの振動に基づいて軸線を中心に回転するロ
ータとを備える超音波モータにおいて、前記ロータが回
転するときの前記ステータの振動に関する駆動可能周波
数と、前記圧電素子の少なくとも径方向の伸縮振動もし
くは曲げ振動に関する共振周波数とが一致することがな
いように前記ステータの形状を特定したことを要旨とす
る。
【0017】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の超音波モータにおいて、前記ステータの前記駆動可能
周波数と、前記圧電素子の前記共振周波数との差がうな
りを生じることがないように前記ステータの形状を特定
したことを要旨とする。
【0018】請求項7に記載の発明は、請求項5又は6
に記載の超音波モータにおいて、前記ステータの形状
は、前記ステータの軸線方向の全長を変化させることに
より特定したことを要旨とする。
【0019】請求項8に記載の発明は、請求項5又は6
に記載の超音波モータにおいて、前記ステータの形状
は、前記圧電素子の少なくとも外径もしくは内径の大き
さを変化させることにより特定したことを要旨とする。
【0020】請求項9に記載の発明は、請求項5〜8の
いずれか1つに記載の超音波モータにおいて、前記超音
波モータは、定在波型の超音波モータであることを要旨
とする。
【0021】請求項10に記載の発明は、請求項5〜8
のいずれか1つに記載の超音波モータにおいて、前記超
音波モータは、進行波型の超音波モータであることを要
旨とする。
【0022】(作用)請求項1及び3に記載の発明によ
れば、固定部の形状を、その固有値が超音波モータに印
加される高周波電圧の駆動周波数帯域と異なるように定
め、超音波モータの駆動時に固定部の振動がロータの回
転に影響を与えないようにした。
【0023】従って、ステータの振動のエネルギーをロ
ータの回転のエネルギーに変換する際のエネルギー変換
効率が良好となるとともに、固定部の振動による異音の
発生が抑制される。また、エネルギー変換効率の向上に
より小さなサイズでも大きな駆動力を発生することがで
きるので超音波モータを小型化することができる。
【0024】請求項2に記載の発明によれば、固定部の
形状を、フランジ状とし、その固定部の固有値が超音波
モータに印加される高周波電圧の駆動周波数帯域と異な
るように、フランジ状の固定部の軸線方向における厚
み、又は径方向の長さを定めるようにした。そして、超
音波モータの駆動時に固定部の振動がロータの回転に影
響を与えないようにした。
【0025】従って、フランジ状の固定部の軸線方向に
おける厚み、又は径方向の長さを変更することによっ
て、固定部の固有値が超音波モータに印加される高周波
電圧の駆動周波数帯域と異なるように容易に定めること
できる。
【0026】請求項4に記載の発明によれば、ステータ
の外周に複数の突起体を設け、突起体の固有値が超音波
モータに印加される高周波電圧の駆動周波数帯域より高
くなるようにした。
【0027】従って、超音波モータの駆動時に突起体の
振動がロータの回転に影響を与えないようにすることが
できる。請求項5に記載の発明によれば、ロータが回転
する時のステータの振動に関する駆動可能周波数と、圧
電素子の少なくとも径方向の伸縮振動もしくは曲げ振動
に関する共振周波数とが一致しないようにステータの形
状を特定するようにした。
【0028】従って、超音波モータの駆動時に圧電素子
が少なくとも径方向もしくは曲げ方向に共振することが
なく、ステータの振動にロスが生じないので、超音波モ
ータの駆動の効率が向上する。
【0029】請求項6に記載の発明によれば、ロータが
回転する時のステータの振動に関する駆動可能周波数
と、圧電素子の少なくとも径方向もしくは曲げ方向の振
動に関する共振周波数との差がうなりを生じることがな
いようにステータの形状を特定するようにした。
【0030】従って、超音波モータの駆動時に圧電素子
の共振に基づくうなりの発生を抑制することができる。
請求項7に記載の発明によれば、ステータの軸線方向の
全長を変化させて、ロータが回転する時のステータの振
動に関する駆動可能周波数を変化させ、同駆動可能周波
数と圧電素子の共振周波数との差を調節するようにし
た。
【0031】従って、ステータの駆動可能周波数を容易
に変化させることができ、ステータの振動のロスと異音
の発生を防ぐことができる。請求項8に記載の発明によ
れば、圧電素子の少なくとも外径及び内径のうちいずれ
か1つの大きさを変化させて、圧電素子の共振周波数を
変化させ、ロータが回転する時のステータの振動に関す
る駆動可能周波数と圧電素子の共振周波数との差を調節
するようにした。
【0032】従って、圧電素子の共振周波数を容易に変
化させることができ、ステータの振動のロスと異音の発
生を防ぐことができる。請求項9に記載の発明によれ
ば、定在波型の超音波モータにおいて、ステータの駆動
可能周波数と圧電素子の共振周波数との差を調節するよ
うにした。
【0033】従って、定在波型の超音波モータにおい
て、ステータの振動のロスと異音の発生を防ぐことがで
きる。請求項10に記載の発明によれば、進行波型の超
音波モータにおいて、ステータの駆動可能周波数と圧電
素子の共振周波数との差を調節するようにした。
【0034】従って、進行波型の超音波モータにおい
て、ステータの振動のロスと異音の発生を防ぐことがで
きる。
【0035】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
具体化した第1実施形態を図1〜図3に従って説明す
る。図1及び図2は第1実施形態における超音波モータ
11の斜視図及び断面図を示す。
【0036】図1及び図2に示すように、超音波モータ
11は、ステータ12とロータ13とを備えている。ス
テータ12は、上側ステータブロック14、下側ステー
タブロック15、第1及び第2圧電素子16,17、第
1及び第2電極板18,19、締結部材としてのボルト
21(図2参照)、及び絶縁カラー22(図2参照)を
備えている。そして、ステータ12は、同第1及び第2
電極板18,19の間に高周波電圧が印加されることに
よって複合振動を発生し、ロータ13を一方向に回転さ
せるものである。
【0037】上側及び下側ステータブロック14,15
は、導電性金属よりなり、本実施形態ではアルミ合金に
て形成されている。上側ステータブロック14は、略円
筒状に形成され、その内周面には、雌ネジ14aが形成
され、上端面には薄肉の摩擦材23が貼付されている。
【0038】下側ステータブロック15は、内外径が上
側ステータブロック14と同じ略円筒状に形成されてい
る。下側ステータブロック15の内周面(図2中、破線
で示す)には、雌ネジ15aが形成されている。又、同
下側ステータブロック15の上部外周には、励起される
縦振動に基づいて捩り振動を発生するスリット24が形
成されている。このスリット24は、周方向に複数形成
され、それぞれ軸線方向に対して傾斜している。又、下
側ステータブロック15の軸線方向中央の前記スリット
24の下側には、径方向外側に延びる固定部としての固
定用フランジ部25が形成されている。
【0039】ところで、同固定用フランジ部25は、径
方向の長さとしての外径D1と従来のフランジ部の外径
D2(図13参照)とが同一時には、前記第1及び第2
圧電素子16,17に印加される高周波電圧の周波数f
に対して、図3の実線で示すような固有値特性を有する
よう、軸線方向の厚みT1が決定されている。そして、
この厚みT1は、従来のフランジ部の厚みT2(図13
参照)に比較して大きくなっている。そして、図3で
は、超音波モータ11を駆動させることが可能な高周波
電圧の駆動周波数帯域Rを破線で示しているが、固定用
フランジ部25の固有値は同駆動周波数帯域Rと重なっ
ていない。すなわち、固定用フランジ部25の振動が、
超音波モータ11の駆動のための振動に影響を与えるこ
とがないよう、固定用フランジ部25の厚みT1が決定
されている。
【0040】第1及び第2圧電素子16,17は円板状
に形成され、その中心部に貫通孔がそれぞれ形成されて
いる。この第1及び第2圧電素子16,17の内径は、
上側及び下側ステータブロック14,15の内径より大
きく設定されている。
【0041】第1及び第2電極板18,19は円板状に
形成され、その中心部には貫通孔がそれぞれ形成されて
いる。この第1及び第2電極板18,19の内径は、第
1及び第2圧電素子16,17の内径と同じに設定され
ている。
【0042】ボルト21は、その外周に雄ネジ21aが
形成された略円柱形状のものであって、前記雌ネジ14
a,15aに螺合可能とされている。絶縁カラー22
は、絶縁性樹脂にて円筒状に形成されている。この絶縁
カラー22は、その外径が前記第1及び第2圧電素子1
6,17、第1及び第2電極板18,19の内径と同じ
に設定され、その内径がボルト21の雄ネジ21aの外
径と同じ(ボルト21を内嵌可能)に設定されている。
【0043】そして、第1及び第2圧電素子16,17
と第1及び第2電極板18,19とを挟んだ上側及び下
側ステータブロック14,15は、その内部を軸線方向
に挿通するボルト21により締結される。詳述すると、
下側ステータブロック15、第2電極板19、第2圧電
素子17、第1電極板18、第1圧電素子16、上側ス
テータブロック14は、この順で積層されている。そし
て、その内部に挿通されるボルト21(雄ネジ21a)
が上側及び下側ステータブロック14,15の雌ネジ1
4a,15aに螺合されることで締結されている。尚、
このとき、第1及び第2圧電素子16,17は、分極方
向がそれぞれ互いに上下逆になるように積層される。
又、このとき、第1及び第2圧電素子16,17、第1
及び第2電極板18,19の内周面と、ボルト21の雄
ネジ21aの外周面との間には、絶縁カラー22が介在
される。従って、第1及び第2圧電素子16,17、第
1及び第2電極板18,19の内周面と、ボルト21の
外周面とは電気的に絶縁状態とされる。又、このとき、
第2電極板19は、下側ステータブロック15及びボル
ト21を介して上側ステータブロック14と電気的に接
続状態となる。
【0044】ロータ13は、前記上側及び下側ステータ
ブロック14,15と外径が同じ略円筒状に形成され、
図示しない加圧機構によりステータ12の上面、即ち上
側ステータブロック14(摩擦材23)の上端面に摺動
回転可能に加圧接触されている。このロータ13の外周
には、励起される縦振動に基づいて捩り振動を発生する
スリット13aが周方向に複数形成されている。このス
リット13aは、それぞれ軸線方向に対して傾斜してい
る。
【0045】このように構成された超音波モータでは、
第1及び第2電極板18,19間に、周波数f1(図1
4参照)の高周波電圧が印加されると、第1及び第2圧
電素子16,17にて縦振動が発生される。すると、該
振動に基づいてステータ12のスリット24にて捩じり
振動が発生される。このとき、ステータ12の上面、即
ち上側ステータブロック14の上端面(摩擦材23)の
振動は、大きな捩り振動と縦振動とが合成された複合振
動となっている。すると、ステータ12の縦振動成分に
よる浮力と捩り振動成分による推進力にてロータ13が
一方向に回転する。
【0046】又、前記周波数f1は、図3に示す駆動周
波数帯域Rの範囲内あるため、固定用フランジ部25の
固有値とは重なっておらず、超音波モータ11の駆動へ
の固定用フランジ部25の振動の影響が抑制される。従
って、ロータ13をバランスよく高効率で回転させるこ
とができる。
【0047】以上詳述したように、第1実施形態によれ
ば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)第1実施形態では、固定用フランジ部25の軸線
方向における厚みT1を、固定用フランジ部25の固有
値が超音波モータ11に印加される高周波電圧の駆動周
波数帯域Rと異なるように決定し、超音波モータ11の
駆動時に固定用フランジ部25の振動がロータ13の回
転に影響を与えないようにした。
【0048】従って、固定用フランジ部25の軸線方向
における厚みT1を変更することによって、固定用フラ
ンジ部25の固有値は容易に変更され、超音波モータ1
1の駆動時に固定用フランジ部25の振動がロータ13
の回転に影響を与えないようにすることができる。その
結果、ステータ12の振動のエネルギーがロータ13の
回転のエネルギーに変換される際のエネルギー変換効率
が向上するとともに、固定用フランジ部25の振動によ
る騒音の発生が抑制される。またエネルギー変換効率の
向上により小さなサイズでも大きな駆動力を発生するこ
とができるので、超音波モータ11を小型化することが
できる。
【0049】(2)第1実施形態では、固定用フランジ
部25の軸線方向における厚みT1を、固定用フランジ
部25の固有値が超音波モータ11に印加される高周波
電圧の駆動周波数帯域Rと一致する従来の厚みT2より
厚くするようにした。
【0050】従って、固定用フランジ部25の強度を損
なうことなく超音波モータ11の駆動時に固定用フラン
ジ部25の振動がロータ13の回転に影響を与えないよ
うにすることができる。
【0051】(第2実施形態)以下、本発明を具体化し
た第2実施形態を図4及び図5に従って説明する。な
お、第2実施形態は、第1実施形態の固定部の形状を変
更したのみの構成であるため、同様の部分についてはそ
の詳細な説明を省略する。
【0052】図4は、第2実施形態におけるステータ1
2の斜視図を示す。図4に示すように、ステータ12の
下側ステータブロック15の軸線方向中央には、第1実
施形態の固定用フランジ部25の代わりに、固定部とし
ての突起体31を設ける。この突起体31は、下側ステ
ータブロック15の外周に周方向に沿って湾曲した略直
方体形状で複数形成され、軸線を中心に等角度間隔に設
けられている。
【0053】図5に示すように、同突起体31は、前記
第1及び第2圧電素子16,17に印加される高周波電
圧の周波数fに対して、図5の実線で示すような固有値
特性を有する。そして、図5では、超音波モータ11の
駆動させることが可能な高周波電圧の駆動周波数帯域R
を破線で示しているが、突起体31の固有値は同駆動周
波数帯域Rより高くなっている。すなわち、突起体31
の振動が、超音波モータ11の駆動のための振動に影響
が与えることがない。従って、ロータ13をバランスよ
く高効率で回転させることができる。
【0054】以上詳述したように、第2実施形態によれ
ば、下記の効果が得られるようになる。 (1)ステータ12の下側ステータブロック15の外周
に周方向に複数形成される突起体31を設け、突起体3
1の固有値を超音波モータ11の駆動周波数帯域Rより
高くなるようにした。
【0055】従って、超音波モータ11の駆動時に突起
体31の振動がロータ13の回転に影響を与えないよう
にすることができる。その結果、ステータ12の振動の
エネルギーがロータ13の回転のエネルギーに変換され
る際のエネルギー変換効率が向上し、突起体31の振動
による騒音の発生が抑制される。また、エネルギー変換
効率の向上により小さなサイズでも大きな駆動力を発生
することができるので、超音波モータ11を小型化する
ことができる。
【0056】(第3実施形態)以下、本発明を具体化し
た第3実施形態を図6〜図9に従って説明する。なお、
第3実施形態は、第1実施形態のステータの構成を変更
したのみの構成であるため、同様の部分についてはその
詳細な説明を省略する。
【0057】図6は、第3実施形態における超音波モー
タ11の断面図を示す。図6に示すように、超音波モー
タ11は、第1実施形態及び第2実施形態と同様に定在
波型である。この超音波モータ11はステータ32を備
え、ステータ32は、第1実施形態と同様に、上側ステ
ータブロック32a、下側ステータブロック32b、第
1及び第2圧電素子32c,32d、第1及び第2電極
板32e,32f、締結部材としてのボルト32g、及
び絶縁カラー32hを備えている。そして、第1及び第
2電極板32e,32fに加えて、第3電極板32iを
備えている。第3電極板32iは第1及び第2電極板3
2e,32fと同じ形状に形成されている。
【0058】そして、この第3電極板32iは、ステー
タ32の上側ステータブロック32aと第1圧電素子3
2cとの間に配置され、その内部に挿通されるボルト3
2gによって固定されている。尚、このとき、第3電極
板32iの内周面と、ボルト32gの外周面との間に
は、絶縁カラー32hが介在されている。従って、第3
電極板32iの内周面と、ボルト32gの外周面とは電
気的に絶縁状態とされる。
【0059】また、ステータ32の下側ステータブロッ
ク32bは、第1実施形態と同様に、フランジ部32j
が備えられており、このフランジ部32jの固有値が、
超音波モータ11を駆動させることが可能な高周波電圧
の駆動周波数帯域Rと重ならないように構成するように
しても勿論よい。
【0060】そして、以上のように構成された第3実施
形態のステータ32は、径方向の大きさが、第1実施形
態のステータ12と同じ大きさとなっている。また、ス
テータ32の軸線方向の全長L2は、第1実施形態にお
けるステータ12が、第1及び第2電極板18,19に
加えて、同じ形状の第3電極板を備えた場合の軸線方向
の全長の1.15倍となっている。
【0061】なお、図2に示すように、第1実施形態に
おけるステータ12の軸線方向の全長をL1、第1及び
第2電極板18,19の軸線方向の厚みをT3とする
と、第1実施形態におけるステータ12が、第1及び第
2電極板18,19と同じ形状の第3電極板を有した時
における軸線方向の全長は、L1+T3となる。従っ
て、第3実施形態のステータ32の軸線方向の全長L2
は、L1+T3の1.15倍となっている。
【0062】そして、本実施形態においては、本実施形
態の上側ステータブロック32aと第1実施形態の上側
ステータブロック14との軸線方向の長さを相違させる
ことによって、ステータ32の軸線方向の全長L2がL
1+T3の1.15倍となるようにしている。また、ボ
ルト32gの軸線方向の全長は前記上側ステータブロッ
ク32aの軸線方向の長さの変化に伴って変化される。
そして、上側ステータブロック32a以外にステータ3
2を構成しているもの、すなわち、下側ステータブロッ
ク32b、第1及び第2圧電素子32c,32d、第
1,第2及び第3電極板32e,32f,32iについ
ては、第1実施形態からその軸線方向の長さを変化させ
ないようにしている。
【0063】そして、以上のように構成された本実施形
態のステータ32は、図7の実線で示すような共振周波
数の特性を有することがFEM解析により求められてい
る。そして、この図7に示す駆動可能周波数としての周
波数F1の高周波電圧が、第1,第2及び第3電極板3
2e,32f,32i間に印加されると、ステータ32
の上面に複合振動が発生し、ロータ13がCW回転(時
計回りの回転)を行う。また、第1,第2及び第3電極
板32e,32f,32iの間に、駆動可能周波数とし
ての周波数F2の高周波電圧が印加されると、ロータ1
3がCCW回転(反時計回りの回転)を行う。
【0064】また、ステータ32の第1及び第2圧電素
子32c,32dは、本実施形態の形状においては、径
方向への伸縮振動に関して、図7の破線で示すような5
9.5kHzの共振周波数F3を有していることが実験
的に求められている。尚、この第1及び第2圧電素子3
2c,32dの径方向への伸縮振動は、ロータ13を駆
動させるための縦振動と異なり、ステータ32の振動に
ロスを生じるので、ロータ13の駆動に不必要な振動で
ある。
【0065】そして、前記周波数F1及び周波数F2
と、共振周波数F3(59.5kHz)との差は大きな
値となっており、ステータ32が振動してロータ13が
駆動する時に、第1及び第2圧電素子32c,32dは
径方向に共振していないことがわかる。そして、ステー
タ32に振動のロスが生じることがなく、ロータ13は
効率よく回転する。
【0066】また、本実施形態のステータ32に対し
て、全長L2をL1+T3とした場合のステータ32
は、図8の実線で示すような共振周波数の特性を有する
ことがFEM解析により求められている。そして、この
図8に示す駆動可能周波数としての周波数F4の高周波
電圧がステータ32に印加されると、ロータ13がCW
回転を行い、駆動可能周波数としての周波数F5の高周
波電圧が印加されると、ロータ13がCCW回転を行
う。
【0067】そして、このときの第1及び第2圧電素子
32c,32dの共振周波数F3は、図8の破線で示す
ように、本実施形態のステータ32の第1及び第2圧電
素子32c,32dと同じ59.5kHzである。そし
て、前記周波数F4及び周波数F5と共振周波数F3と
の差はわずかである。詳しくは、周波数F4は57.3
kHz、周波数F5は61.3kHzとなっており、共
振周波数F3との差は、それぞれ、2.2kHz、1.
8kHzとなっている。このように、周波数の差がわず
かであると、ロータ13を駆動させる時に、第1及び第
2圧電素子32c,32dに径方向の伸縮振動が生じて
しまい、ステータ32の振動にロスが生じる。
【0068】また、図9は、ステータ32の周波数F5
の振動と、第1及び第2圧電素子32c、32dの共振
周波数F3の振動とが加わることによって生じるうなり
の様子を示している。このように、ステータ32の周波
数F4、F5と、共振周波数F3との差がわずかである
と、ステータ32にうなりが生じてしまい、異音の発生
の原因となる。
【0069】従って、ステータ32の全長L2がL1+
T3であると、第1及び第2圧電素子32c,32dの
径方向の共振がステータ32の振動に対する不必要な振
動となり、ステータ32の振動にロスが生じるととも
に、うなりによる異音を発生させるようになる。それに
対し、本実施形態のステータ32では、全長L2をL1
+T3の1.15倍にすることにより、不必要な振動
や、うなりが発生せず、ロータ13は効率よく回転す
る。このように、ステータ32の全長L2を変更するこ
とによりステータ32の共振周波数の特性を容易に変化
させることが可能となっており、ステータ32の振動の
ロスや異音の発生を容易に防ぐことができる。
【0070】以上詳述したように、第3実施形態によれ
ば、下記の効果が得られるようになる。 (1)ロータ13が回転する時のステータ32の周波数
F1及び周波数F2と、第1及び第2圧電素子32c,
32dの径方向の伸縮振動に関する共振周波数F3とが
一致しないようにステータ32の軸線方向の全長L2を
特定するようにした。
【0071】従って、超音波モータ11の駆動時に第1
及び第2圧電素子32c、32dが径方向に共振するこ
とがなく、ステータ32の振動にロスが生じないので、
超音波モータ11の駆動の効率が向上する。
【0072】(2)ロータ13が回転する時のステータ
32の周波数F1及び周波数F2と、第1及び第2圧電
素子32c,32dの径方向の伸縮振動に関する共振周
波数F3との差がうなりを生じることがないようにステ
ータ32の軸線方向の全長L2を特定するようにした。
【0073】従って、超音波モータ11の駆動時に第1
及び第2圧電素子32c,32dの振動に基づくうなり
の発生を抑制することができる。 (第4実施形態)以下、本発明を具体化した第4実施形
態を図10に従って説明する。図10は、第4実施形態
における超音波モータ33の断面図を示す。本実施形態
の超音波モータ33は進行波型であり、ハウジング34
は基台34aとカバー34bとからなり、基台34aと
カバー34bにそれぞれ設けた軸受け34c,34dに
より、回転軸35が回転可能に支持される。
【0074】基台34aには、略円盤状のステータ36
がネジ36aにより締め付け固定される。ステータ36
の外周部には、後述するロータ37に振動を伝達する振
動伝達部36bが設けられる。又、ステータ36の外周
下部にはベースリング36cが備えられ、ベースリング
36cの下面には圧電素子36dが接合される。
【0075】ステータ36の上面には、略円盤状のロー
タ37が配設され、同ロータ37は前記振動伝達部36
bに当接するライニング材37aを備えている。ロータ
37の中央部に前記回転軸35に形成された4面取り形
状の嵌合部35aが嵌挿する嵌挿孔37cが形成され
る。そして、ロータ37は、回転軸35に対して軸線方
向に移動可能に、かつ相対回転不能に連結される。つま
り、ロータ37と回転軸35は一体に回転するようにな
っている。
【0076】また、ロータ37の上面には、略円盤状の
円盤部37dが配設され、回転軸35に対して軸線方向
に移動可能に、かつ相対回転不能に連結されている。そ
して、円盤部37dの上面は、略円錐台状の皿ばね37
eと円盤上のプレート37fとからなる加圧付勢部材3
7gにより加圧される。このようにして、ロータ37は
前記ステータ36に所定の圧接力で圧接される。
【0077】このように構成された超音波モータ33で
は、圧電素子36dに高周波駆動電圧が印加されると該
圧電素子36dが振動し、圧電素子36dの振動がベー
スリング36cを介してステータ36の振動伝達部36
bにおいて進行波振動になる。そして、この進行波振動
に基づいてロータ37が回転し、回転軸35が回転する
ようになっている。
【0078】ところで、以上のように構成された超音波
モータ33のステータ36の共振周波数の特性は、第3
実施形態のステータ32と同様に、軸線方向の全長L3
(図10参照)を変更することによって容易に変更する
ことが可能となっている。
【0079】また、本実施形態においても、超音波モー
タ33における圧電素子36dの径方向の共振は、ステ
ータ36の振動のロスと、うなりの発生の原因となる。
従って、本実施形態においては、第3実施形態と同様
に、ステータ36の軸線方向の全長L3を調節すること
によって、ロータ37を駆動するときのステータ36の
振動に関する周波数と、圧電素子36dの径方向の共振
周波数との差を大きくするようにしている。
【0080】尚、本実施形態においては、ステータ36
のベースリング36cの軸線方向の長さL4を変更する
ことによって、全長L3を調節するようにする。そし
て、ベースリング36c以外にステータ36を構成して
いる、振動伝達部36b及び圧電素子36dについて
は、軸線方向の長さを変化させないようにしている。
【0081】その結果、ステータ32には振動のロスが
生じず、ロータ37が効率よく回転するとともに、うな
りによる異音の発生が防がれている。以上詳述したよう
に、第4実施形態によれば、下記の効果が得られるよう
になる。
【0082】(1)ロータ37が回転する時のステータ
36の周波数と、圧電素子36dの径方向の伸縮振動に
関する共振周波数とが一致しないようにステータ36の
軸線方向の全長L3を特定するようにした。
【0083】従って、超音波モータ33の駆動時に圧電
素子36dが径方向に共振することがなく、ステータ3
6の振動にロスが生じないので、超音波モータ33の駆
動の効率が向上する。
【0084】(2)ロータ37が回転する時のステータ
36の周波数と、圧電素子36dの径方向の伸縮振動に
関する共振周波数との差がうなりを生じることがないよ
うにステータ32の軸線方向の全長L3を特定するよう
にした。
【0085】従って、超音波モータ33の駆動時に圧電
素子36dの振動に基づくうなりの発生を抑制すること
ができる。なお、上記実施形態は以下のように変更して
もよい。
【0086】・上記第1実施形態においては、固定部と
して、固定用フランジ部25を設けたが、超音波モータ
11に印加される高周波電圧の駆動周波数帯域Rと異な
る固有値を有する形状であれば、その他の形状でもよ
い。例えば、固定用フランジ部25にボルト孔や溝、面
取り等が形成されていてもよいし、固定用フランジ部2
5の外周が円形ではなく多角形形状であってもよい。
【0087】・上記第1実施形態においては、固定部と
しての固定用フランジ部25の厚みT1は、従来の厚み
T2に比較して厚くなるように構成したが、薄くなるよ
うにしてもよい。又、固定用フランジ部25の径方向の
長さとしての外径D1を従来の外径D2に比較して小さ
くしたり、大きくしたりして、固定用フランジ部25の
固有値を変更し、固定用フランジ部25の振動が、ロー
タ13の回転に影響を与えないようにしても良い。
【0088】・上記第2実施形態においては、固定部と
して、略直方体形状の突起体31を設けたが、超音波モ
ータ11に印加される高周波電圧の駆動周波数帯域Rよ
り高い固有値を有する形状であれば、その他の形状でも
よい。例えば、突起体31にボルト孔や溝、面取り等が
形成されていてもよい。
【0089】・上記第2実施形態においては、固定部と
しての突起体31を下側ステータブロック15の外周に
周方向に複数形成し、軸線を中心に等角度間隔に設ける
ようにしたが、等角度間隔に設けないようにしてもよ
い。
【0090】・上記第3実施形態においては、ステータ
32の軸線方向の全長L2がL1+T3の1.15倍と
なるようにしたが、ステータ32が、第1及び第2圧電
素子32c,32dの共振周波数F3と大きく差のある
周波数F1,F2を有するようになれば、その他の倍率
でもよい。
【0091】・上記第3実施形態においては、上側ステ
ータブロック32aの軸線方向の長さを調節することに
よって、ステータ32の軸線方向の全長L2がL1+T
3の1.15倍になるようにした。しかし、下側ステー
タブロック32bのみの軸線方向の長さを調節するよう
にしてもよいし、第1及び第2圧電素子32c,32d
のみの軸線方向の長さを調節するようにしてもよい。ま
た、第1,第2及び第3電極板32e、32f、32i
のみの軸線方向の長さを調節するようにしてもよい。
【0092】また、上側ステータブロック32a、下側
ステータブロック32b、第1及び第2圧電素子32
c,32d、第1,第2及び第3電極板32e,32
f,32iの全てについて軸線方向の長さを調節するよ
うにしてもよい。
【0093】さらに、軸線方向の長さを調節するものの
組み合わせとして、上側ステータブロック32aと下側
ステータブロック32bのみ、上側ステータブロック3
2aと第1及び第2圧電素子32c,32dのみ、上側
ステータブロック32aと第1,第2及び第3電極板3
2e,32f,32iのみとしてもよい。また、その他
の組み合わせとして、下側ステータブロック32bと第
1及び第2圧電素子32c,32dのみ、下側ステータ
ブロック32bと第1,第2及び第3電極板32e,3
2f,32iのみ、第1及び第2圧電素子32c,32
dと第1,第2及び第3電極板32e,32f,32i
のみとしてもよい。
【0094】さらに、また、上側ステータブロック32
a、下側ステータブロック32b、第1及び第2圧電素
子32c,32d、第1,第2及び第3電極板32e,
32f,32iのうち、いずれか1つを除いた残りの全
てについて軸線方向の長さを調節するようにしてもよ
い。
【0095】・上記第3実施形態においては、ステータ
32の軸線方向の全長L2を調節することにより、ロー
タ13を駆動する時のステータ32の周波数F1及び周
波数F2と第1及び第2圧電素子32c,32dの径方
向の共振周波数F3との差が大きくなるようにした。し
かし、図11に示すように、第1圧電素子32cの外径
d1と内径d2によって求められる平均径rを調節する
ことにより、共振周波数F3を変化させ、周波数F1及
びF2と共振周波数F3との差を大きくするようにして
もよい。尚、図11には、第1圧電素子32cのみを示
しているが、第2圧電素子32dは第1圧電素子32c
と同じ形状であり、同様にして共振周波数F3が変化す
る。
【0096】尚、平均径rは以下のようにして求められ
る。 r=(d1+d2)/2 ・上記第3実施形態においては、第1及び第2圧電素子
32c,32dの径方向の共振周波数F3と、ステータ
32の周波数F1,F2との差が大きくなるようにし
た。しかし、これに限定するものではなく、FEM解析
により特定された図12に示された第1圧電素子32c
の形状のように、第1及び第2圧電素子32c,32d
の曲げ振動に関する共振周波数と、ステータ32の周波
数F1,F2との差が大きくなるようにしても良い。
【0097】このようにすれば、第1及び第2圧電素子
32c,32dの径方向の共振だけでなく曲げ方向の共
振を抑制することができ、更なるロータ13の回転の効
率向上と、うなりによる異音の発生の防止が可能とな
る。
【0098】・上記第4実施形態においては、ステータ
36のベースリング36cの軸線方向の長さL4を変更
することによってステータ36の共振周波数の特性を変
更するようにした。しかし、振動伝達部36b、圧電素
子36dのいずれか1つのみの軸線方向の長さを調節す
るようにしてもよい。また、ベースリング36c、振動
伝達部36b、圧電素子36dの全てについて軸線方向
の長さを調節するようにしてもよい。
【0099】さらにまた、軸線方向の長さを調節するも
のの組み合わせとして、ベースリング36cと振動伝達
部36bのみ、ベースリング36cと圧電素子36dの
み、振動伝達部36bと圧電素子36dのみとしてもよ
い。
【0100】・上記第4実施形態においては、ステータ
36の軸線方向の全長L3を調節することにより、ロー
タ37を駆動する時のステータ36の周波数と圧電素子
36dの径方向の共振周波数との差が大きくなるように
した。しかし、圧電素子36dの外径と内径によって求
められる平均径を調節することにより、圧電素子36d
の径方向の共振周波数を変化させ、ステータ36の周波
数と圧電素子の共振周波数との差を大きくするようにし
てもよい。
【0101】・上記第4実施形態においては、圧電素子
36dの径方向の共振周波数とステータ36の周波数と
の差が大きくなるようにした。しかし、これに限定する
ものではなく、圧電素子36dの曲げ振動に関する共振
周波数と、ステータ36の周波数との差が大きくするよ
うにしても良い。
【0102】このようにすれば、圧電素子36dの径方
向の共振だけでなく曲げ方向の共振を抑制することがで
き、更なるロータ37の回転の効率向上と、うなりによ
る異音の発生の防止が可能となる。
【0103】・上記第3実施形態では定在波型の超音波
モータ11に具体化し、第4実施形態では進行波型の超
音波モータ33に具体化するようにした。しかしこれら
に限定されるものではなく、リニア型超音波アクチュエ
ータ、筒型の屈曲振動を利用した超音波モータ等、圧電
素子に電圧を印加することにより発生する振動を利用し
た超音波モータに具体化するようにしてもよい。そし
て、第3実施形態及び第4実施形態と同様に、これら超
音波モータの駆動の時に、ステータの振動の周波数と、
圧電素子の共振周波数との差が大きくなるようにし、駆
動の効率を向上させるとともに異音の発生を防ぐように
する。
【0104】次に上記実施形態及び別例から把握できる
技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記
する。 (1)請求項2に記載の超音波モータにおいて、前記軸
線方向の厚みは、前記超音波モータの駆動周波数帯域と
重なる前記固有値を有する時の前記固定部の厚みより大
きいことを特徴とする超音波モータ。
【0105】従って、この(1)に記載の発明によれ
ば、固定部の強度を損なうことなく、前記超音波モータ
の駆動時に固定部の振動がロータの回転に影響を与えな
いようにすることができる。
【0106】
【発明の効果】以上、詳述したように、請求項1〜10
に記載の発明によれば、静粛であるとともにエネルギー
変換効率の高い超音波モータを提供することができる。
【0107】加えて、
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態における超音波モータの斜視図
である。
【図2】 同じく、超音波モータの断面図である。
【図3】 同じく、固定部としての固定用フランジ部の
固有値を示す特性図である。
【図4】 第2実施形態におけるステータの斜視図であ
る。
【図5】 同じく、突起体の固有値を示す特性図であ
る。
【図6】 第3実施形態における超音波モータの断面図
である。
【図7】 同じく、ステータの周波数−共振周波数特性
図である。
【図8】 同じく、ステータの形状を変更したときの周
波数−共振周波数特性図である。
【図9】 同じく、ステータの形状を変更したときのう
なりを示す図である。
【図10】 第4実施形態における超音波モータの断面
図である。
【図11】 別例の圧電素子の斜視図である。
【図12】 別例の圧電素子の曲げ振動を説明するため
の説明図である。
【図13】 従来技術における超音波モータの斜視図で
ある。
【図14】 同じく、超音波モータの周波数―振動速度
特性図である。
【図15】 同じく、FEM解析にて特定したステータ
の形状の模式図である。
【図16】 同じく、固定部の周波数―振動速度特性図
である。
【図17】 同じく、FEM解析にて特定したステータ
の形状の模式図である。
【符号の説明】
D1…径方向の長さとしての外径、F1,F2,F4,
F5…駆動可能周波数としての周波数、F3…共振周波
数、T1…厚み、R…駆動周波数帯域、d1…外径、d
2…内径、L2,L3…全長、11,33…超音波モー
タ、12,32,36…ステータ、13,37…ロー
タ、14…上側ステータブロック、15…下側ステータ
ブロック、16,32c…圧電素子としての第1圧電素
子、17,32d…圧電素子としての第2圧電素子、2
1…ボルト、25…固定部としての固定用フランジ部、
31…突起体、36d・・・圧電素子。
フロントページの続き (72)発明者 石川 雅史 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ 株式 会社内 Fターム(参考) 5H680 AA06 AA08 AA18 BB03 BB04 BB16 CC02 CC03 CC06 CC07 DD14 DD23 DD27 DD37 DD39 DD53 DD55 DD85 DD88 DD95 EE03 EE10 FF04 FF26 FF33 GG25

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下側ステータブロックと上側ステータブ
    ロックとの間に圧電素子を挟持した状態にてボルトによ
    って締結され、高周波電圧の印加により振動が発生する
    ステータと、 前記ステータに摺動可能に圧接され、前記ステータの振
    動に基づいて軸線を中心に回転するロータとを備える超
    音波モータにおいて、 前記ステータは前記ロータの回転力を保持するための固
    定部を備え、その固定部は、前記超音波モータを駆動す
    ることが可能な前記高周波電圧の駆動周波数帯域と異な
    る固有値を有する形状で設けられることを特徴とする超
    音波モータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の超音波モータにおい
    て、前記固定部は、前記ステータの外周にフランジ状に
    設けられ、前記高周波電圧の駆動周波数帯域と異なる固
    有値を有するように前記軸線方向の厚み、又は径方向の
    長さが特定された形状で設けられることを特徴とする超
    音波モータ。
  3. 【請求項3】 下側ステータブロックと上側ステータブ
    ロックとの間に圧電素子を挟持した状態にてボルトによ
    って締結され、高周波電圧の印加により振動が発生する
    ステータと、 前記ステータに摺動可能に圧接され、前記ステータの振
    動に基づいて軸線を中心に回転するロータとを備える超
    音波モータにおいて、 前記ステータは前記ロータの回転力を保持するための固
    定部を備え、その固定部は、前記超音波モータを駆動す
    ることが可能な前記高周波電圧の駆動周波数帯域より高
    い固有値を有する形状で設けられることを特徴とする超
    音波モータ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の超音波モータにおい
    て、前記固定部は、前記ステータの外周に設けられる複
    数の突起体であることを特徴とする超音波モータ。
  5. 【請求項5】 圧電素子を有し、同圧電素子に高周波電
    圧が印加されることによって振動が発生するステータ
    と、 前記ステータに摺動可能に圧接され、前記ステータの振
    動に基づいて軸線を中心に回転するロータとを備える超
    音波モータにおいて、 前記ロータが回転するときの前記ステータの振動に関す
    る駆動可能周波数と、前記圧電素子の少なくとも径方向
    の伸縮振動もしくは曲げ振動に関する共振周波数とが一
    致することがないように前記ステータの形状を特定した
    ことを特徴とする超音波モータ。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の超音波モータにおい
    て、前記ステータの前記駆動可能周波数と、前記圧電素
    子の前記共振周波数との差がうなりを生じることがない
    ように前記ステータの形状を特定したことを特徴とする
    超音波モータ。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6に記載の超音波モータに
    おいて、前記ステータの形状は、前記ステータの軸線方
    向の全長を変化させることにより特定したことを特徴と
    する超音波モータ。
  8. 【請求項8】 請求項5又は6に記載の超音波モータに
    おいて、前記ステータの形状は、前記圧電素子の少なく
    とも外径もしくは内径の大きさを変化させることにより
    特定したことを特徴とする超音波モータ。
  9. 【請求項9】 請求項5〜8のいずれか1つに記載の超
    音波モータにおいて、前記超音波モータは、定在波型の
    超音波モータであることを特徴とする超音波モータ。
  10. 【請求項10】 請求項5〜8のいずれか1つに記載の
    超音波モータにおいて、前記超音波モータは、進行波型
    の超音波モータであることを特徴とする超音波モータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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