JP2003082220A - 粉体スラリー組成物 - Google Patents

粉体スラリー組成物

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JP2003082220A JP2001272338A JP2001272338A JP2003082220A JP 2003082220 A JP2003082220 A JP 2003082220A JP 2001272338 A JP2001272338 A JP 2001272338A JP 2001272338 A JP2001272338 A JP 2001272338A JP 2003082220 A JP2003082220 A JP 2003082220A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 次の成分(A)、(B)及び(C): (A)フッ素系油剤 1〜25重量%、 (B)成分(A)と相溶しない油剤 20〜90重量%、 (C)表面張力が20〜50mN/mの粉体を撥水撥油化処理した粉体 10〜75重量% を含有し、動的粘弾性の歪み依存性測定において歪み幅
1〜100%に変曲点を有する粉体スラリー組成物。 【効果】 本発明の粉体スラリー組成物は、粉体がネッ
トワーク構造を構築して、スラリー中に分散し、粘弾性
を有し、分散安定性に優れ、また振盪すると容易に再分
散する。また化粧料とした場合、皮膚への塗布がしやす
く、化粧効果の持続性に優れ、また使用感にも優れ、保
存安定性もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素系油剤と他
の油剤とを均一に混合した粉体スラリー組成物及び化粧
料に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素系油剤は撥水撥油性、潤滑特性を
有し、かつ化学的に安定なため化粧品、塗料、医薬品な
ど幅広い分野で用いられている。特に、化粧品において
は汗や皮脂による化粧崩れを防止する目的でフッ素系油
剤が配合される場合が多い(特開昭63-107911、特開平2
-295912)。しかし、これらフッ素系油剤は、炭化水素
油、シリコーン油、エステル油、エーテル油等のその他
の化粧用油剤との相溶性が悪いために、両者を均一に配
合することは難しい。そのため、多くの場合フッ素系界
面活性剤、有機フッ素化炭化水素化合物、非イオン界面
活性剤等を添加することにより均一な組成物を調製して
きた(特開昭62-223105、特開昭63-2916、特開平4-1005
34、特開平4-224506、特開平4-187617、特開平6-17980
9、特開平7-17831、特開平7-33622、特開平7-27792
7)。しかしながら、界面活性剤の添加は、フッ素系油
剤の特性である撥水撥油性を低下させる傾向があり好ま
しくない。特に、メイクアップ化粧料においてはその影
響は顕著である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フッ
素系油剤の特性である撥水撥油性を低下することなく、
フッ素系油剤と、炭化水素油、シリコーン油等の油剤と
を均一に混合した粉体スラリー組成物を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、粉体表面に
フッ素系油剤と親和性の高い部分と他の油剤と親和性の
高い部分が混在する特定の粉体を、フッ素系油剤及び他
の油剤との混合物に加えると、該粉体がフッ素系油剤に
より造粒し、他の油剤中に分散したスラリーが得られる
ことを見出した。さらに、該スラリーは長時間静置する
と次第に沈澱・分離するが、振盪すると容易に再分散す
ることを見出した。
【0005】本発明は、次の成分(A)、(B)及び
(C): (A)フッ素系油剤 1〜25重量%、 (B)成分(A)と相溶しない油剤 20〜90重量%、 (C)表面張力が20〜50mN/mの粉体を撥水撥油化処理した粉体 10〜75重量% を含有し、動的粘弾性の歪み依存性測定において歪み幅
1〜100%に変曲点を有する粉体スラリー組成物を提
供するものである。また、本発明は、次の成分(D)、
(E)及び(F): (D)フッ素系油剤 20〜90重量%、 (E)成分(D)と相溶しない油剤 1〜25重量%、 (F)表面張力が20mN/m未満の粉体を撥水親油化処理した粉体 10〜75重量% を含有し、動的粘弾性の歪み依存性測定において歪み幅
1〜100%に変曲点を有する粉体スラリー組成物を提
供するものである。
【0006】本発明において、粉体スラリーとは、粉体
がフッ素系油剤によって造粒され、その粉体造粒物がネ
ットワーク状に連なり高次構造を構築しているものであ
る。本発明の粉体スラリー組成物は、増粘剤、ゲル化剤
等を含有していないにもかかわらず、粘弾性を有する粉
体スラリー組成物である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用する成分(A)のフ
ッ素系油剤としては、25℃で液体のものであって、例
えばパーフルオロデカリン、パーフルオロアダマンタ
ン、パーフルオロブチルテトラハイドロフラン、パーフ
ルオロオクタン、パーフルオロノナン、パーフルオロペ
ンタン、パーフルオロデカン、パーフルオロドデカン、
フッ素変性シリコーン、次の一般式(1)
【0008】
【化1】
【0009】〔式中、R1、R3、R4及びR5は同一又は
異なって、フッ素原子、パーフルオロアルキル基又はパ
ーフルオロアルキルオキシ基を示し、R2はフッ素原子
又はパーフルオロアルキル基を示し、s、t及びuは分
子量が500〜100,000となる0以上の数を示
す。ただし、s=t=u=0となることはない。また、
ここでカッコ内に示される各パーフルオロ基はこの順に
並んでいる必要はなく、またランダム重合でもブロック
重合でもかまわない。〕で表わされるパーフルオロポリ
エーテル、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。
【0010】フッ素変性シリコーンとしては、例えば下
記一般式(2)〜(5)で表わされる構造単位の1以上
と、下記一般式(6)で表わされる構造単位とを有する
ものを挙げることができる。
【0011】
【化2】
【0012】〔式中、Rf及びRf′は、同一又は異なっ
ていてもよく、炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のパー
フルオロアルキル基又は次式:H(CF2b−(bは1
〜20の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロア
ルキル基を示し;R6、R9及びR10は、同一又は異なっ
ていてもよく、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の
脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜10の脂環式若しくは
芳香族炭化水素基を示し;R7は、水素原子、炭素数1
〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、炭素
数5〜10の脂環式若しくは芳香族炭化水素基、炭素数
1〜20のパーフルオロアルキル基又は次式:H(CF
2c−(cは1〜20の整数を示す)で表わされるω−
H−パーフルオロアルキル基を示し;R8は、炭素数2
〜6の2価の炭化水素基を示し;X及びYは、単結合、
−CO−又は炭素数1〜6の2価の炭化水素基を示し;
vは2〜16の数を示し、w及びpはそれぞれ1〜16
の数を示し、qは1〜200の数を示し、zは0〜5の
数を示し、aは0〜200の数を示す〕
【0013】一般式(2)〜(6)で表わされる構造単
位において、Rf及びRf′で示されるパーフルオロアル
キル基としては、例えば、CF3−、C25−、C49
−、C613−、C817−、C1021−、H(CF22
−、H(CF24−、H(CF26−、H(CF2
8−、(C37)C(CF32−等を挙げることができ
る。また、H(CF2b−におけるbとしては、6〜2
0の整数が好ましい。
【0014】R6、R9及びR10で示される炭化水素基と
しては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基等の直鎖アルキル基;イソプロ
ピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル
基、1−エチルプロピル基、2−エチルヘキシル基等の
分岐鎖アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル
基等の環状アルキル基;フェニルナフチル基等の芳香族
炭化水素基等を挙げることができる。また、R8で示さ
れる2価の炭化水素基としては、炭素数2〜4の直鎖又
は分岐鎖のアルキレン基が好ましく、特にエチレン基、
プロピレン基が好ましい。
【0015】このような構造単位を有するフッ素変性シ
リコーンとしては、例えば、下記一般式(7);
【0016】
【化3】
【0017】〔式中、Z1及びZ2は、少なくとも一方は
一般式(2)、(3)、(4)及び(5)から選ばれる
構造単位を示し、残余は単結合を示し、a、R9及びR
10は前記と同じ意味を示す〕で表わされるもの、又は下
記一般式(8);
【0018】
【化4】
【0019】〔式中、Z3は、一般式(2)、(3)、
(4)及び(5)から選ばれる構造単位を示し、R11
炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素
基又は炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族の炭化水
素基を示し、dは0〜200の数を示し、a、R9及び
10は前記と同じ意味を示す〕で表わされるものを挙げ
ることができる。
【0020】更に、フッ素変性シリコーンの好ましい例
としては、一般式(3)及び一般式(6)で表わされる
構造単位を有する、特開平5−247214号公報に記
載された重合度2〜200のフッ素変性シリコーンや、
市販品であるFSL−300(旭硝子社製)、X−22
−819、X−22−820、X−22−821、X−
22−822及びFL−100(以上、信越化学工業社
製)、FS1265(東レ・ダウコーニングシリコーン
社製)等を挙げることができる。
【0021】パーフルオロポリエーテルとしては、次の
一般式(9)
【0022】
【化5】
【0023】〔式中、f及びgは分子量が500〜10
0,000となる数を示し、f/gは0.2〜2であ
る〕で表わされるFOMBLIN HC−04(平均分
子量1,500)、同HC−25(同3,200)及び同HC−R
(同6,600)(以上、アウジモント社製)や、次の一般
式(10)
【0024】
【化6】
【0025】〔式中、hは4〜500の数を示す〕で表
わされるデムナムS−20(重量平均分子量2,500)、
同S−65(同4,500)、同S−100(同5,600)及び
同S−200(同8,400)(以上、ダイキン工業社製)
などの市販品が挙げられる。
【0026】成分(A)としては、フッ素変性シリコー
ン、パーフルオロポリエーテルが好ましく、特にパーフ
ルオロポリエーテルが、撥水撥油性が高く、化粧崩れが
起きにくい点及び皮膚に塗布するときの使用感に優れる
点で特に好ましい。
【0027】成分(A)は、2種以上を併用してもよ
い。本発明の粉体スラリー組成物中には、成分(A)は
1〜25重量%(以下単に%と記載する)含有するが、
好ましくは5〜20%、特に5〜15%含有するのが、
化粧効果の持続性と仕上がりの点で好ましい。
【0028】本発明で使用する成分(B)は、成分
(A)と相溶しない油剤である。ここで相溶しないと
は、成分(A)と成分(B)を混合しただけでは均一溶
液とならないことをいう。
【0029】成分(B)は、液体油、固体脂のいずれで
もよく、固体脂の場合は、溶解、溶融させて用いる。成
分(B)の具体例としては、例えば油脂、ロウ、炭化水
素油、エステル油、エーテル油、高級アルコール、高級
脂肪酸、シリコーン油等が挙げられる。油脂としては、
例えばヒマシ油、オリーブ油、アボガド油、パーム油、
カカオ油等;ロウとしては、例えば木ロウ、ラノリン、
ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等;炭化
水素油としては例えばペトロラクタム、流動パラフィ
ン、固形パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリン
ワックス、スクワラン等;エステル油としては、例えば
ステアリン酸ブチルエステル、ミリスチン酸オクチルド
デシルエステル、ミリスチン酸イソプロピルエステル、
ラノリン脂肪酸イソプロピルエステル、ステアリン酸ブ
チルエステル、ラノリン酸ヘキシルエステル、オレイン
酸オレイルエステル、アジピン酸ジイソプロピルエステ
ル、セバチン酸ジイソプロピルエステル等;エーテル油
としては、ポリオキシエチレン等;高級アルコールとし
ては、例えばステアリルアルコール、オレイルアルコー
ル等;高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベ
ヘニン酸、ラノリン脂肪酸等;シリコーン油としては、
例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシ
ロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルハイ
ドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。
【0030】成分(B)としては、炭化水素、エーテル
油、エステル油、シリコーン油が好ましく、特にシリコ
ーン油が化粧料の使用感の点で好ましい。
【0031】シリコーン油としては、ジメチルポリシロ
キサン、メチルシクロポリシロキサンが好ましい。
【0032】成分(B)は、2種以上を併用してもよ
い。本発明の粉体スラリー組成物中には、成分(B)は
2〜95%含有するが、皮膚に塗布したときの感触及び
保存安定性の点で好ましくは20〜80%、特に50〜
60%含有するのが好ましい。
【0033】本発明のスラリー組成物の第1の態様にお
いては、粉体がフッ素系油剤(A)を介して造粒され、
(A)と相溶しない油剤(B)内に、高次ネットワーク
構造を形成する。その場合、撥水親油性粉体を基材とし
てその表面に、適度な撥水撥油処理を行い、粉体表面を
(A)及び(B)両方の油剤に対して親和性の高い部分
を混在させることによって、フッ素系油剤(A)を介し
て粉体(C)が造粒され、(A)と相溶しない油剤
(B)相中に高次ネットワーク構造が得られる。本発明
の成分(C)の基材としては、シリコーン樹脂、ナイロ
ン樹脂、アクリル酸樹脂、ポリエチレン樹脂、ウレタン
樹脂等の樹脂粉体、界面活性剤多価金属塩、アミノ酸系
粉体等の有機粉体等が挙げられる。
【0034】シリコーン樹脂の具体例としては、表面張
力が20mN/mであるトスパール105、120、13
0、145、3120、200B(以上、東芝シリコー
ン社製)等、X−52−590E(信越シリコーン社
製)、トレフィルE−506(東レ・ダウコーニング社
製)等が挙げられる。
【0035】ナイロン樹脂の具体例としては、表面張力
が32〜49mN/mのナイロンSP500(東レ社製)、
ダイアミドT430P61、メタルカラーWNP−60
9B(以上、ダイセル化学社製)、ナイロンパウダーH
K−5000(シオノケミカル社製)、オルガノール1
002、2002(以上、エレファクトケム(elfactoc
hem)社製)等が挙げられる。
【0036】アクリル樹脂としては、表面張力が30〜
40mN/mのマイクロスフェアM503(マツモト油脂社
製)、ガンツバール(ガンツ化成社製)、テクノポリマ
ーMB−2、モオリテックスPM−2700M(以上、
積水化成社製)、MP1400(綜研化学社製)等が挙
げられる。
【0037】ポリエチレン樹脂としては、表面張力が3
0〜40mN/mのフロービーズ、SF−H(製鉄化学社
製)等が挙げられる。ウレタン樹脂としては、表面張力
が36〜39mN/mのプラスチックパウダーD800(松
本工業社製)等が挙げられる。
【0038】界面活性剤多価金属塩としては、表面張力
が30〜40mN/mのモノアルキルリン酸亜鉛塩、アルキ
ルベンゼンスルホン酸カルシウム塩、アシルタウリンカ
ルシウム塩、アルキル硫酸エステルカルシウム塩等(例
えば、特開平4-18011、特開平3-294210)が挙げられ
る。
【0039】アミノ酸系粉体としては、表面張力が30
〜40mN/mのN−アシルリジン(特開昭60-67406)、α
−アミノ脂肪酸(特開昭62-4211)、アミホープLL
(味の素社製)等が挙げられる。
【0040】なお、粉体の表面張力は、接触角法(日本
化学会編「新実験化学講座18 界面とコロイド」、P10
4、丸善(株)1977年発行)にて測定されたものであ
る。粉体をペレット状に成形し、20℃で表面にヨウ化
メチル(γ=50.8 mN/m、20℃)を滴下し、接触角θを
測定(例えば、協和界面科学:CA−X型接触角測定装
置)し、次式により表面張力δ(mN/m、20℃)を算出す
る。
【0041】γ=12.7(1+cosθ)2
【0042】粉体の平均粒子径は、レーザー回折/散乱
法で測定し、0.01〜100μm、好ましくは0.1
〜30μm、特に0.1〜10μmであるのが好ましい。
【0043】成分(C)の粉体の撥水撥油化処理剤とし
ては、ポリフルオロアルキルリン酸エステルジエタノー
ルアミン塩等のパーフルオロアルキル基を有する高分
子、フルオロアルキルジ(オキシエチル)アミンリン酸
塩エステル、フッ素変性シリコーン、フッ素ポリエーテ
ル共変性シリコーン等が挙げられる。
【0044】フッ素変性シリコーンとしては、前記成分
(A)で挙げられたフッ素変性シリコーンや特開平6−
184312に記載のものが挙げられる。
【0045】フッ素ポリエーテル共変性シリコーンとし
ては、例えば特開平7−126126号記載のパーフル
オロアルキル基及びポリオキシアルキレン基を側鎖に持
つシリコーンであって、次式
【0046】
【化7】
【0047】(式中、r1、r2、r3は整数であって、
r1=0〜500、r2=1〜500、r3=1〜500
であり、R12は同種又は異種の非置換又は置換の炭素数
1〜20のアルキル基又はアリール基、R13は炭素数1
〜10のフッ素置換アルキル基であり、R14は−Ck
2kO(C24O)l(C36O)m16で示されるポリオキ
シアルキレン基であり、R15はR12又はR13又はR14
いずれかであり、R16は水素原子又は炭素数1〜5のア
ルキル基又はアセチル基であり、p、q、kは整数であ
って、l=0〜100、m=0〜100、l+mは1以
上であり、k=2〜6である。)で表わされる化合物が
例示される。
【0048】これらの撥水撥油化処理剤のうち、ポリフ
ルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩等
が好ましい。
【0049】表面張力が20〜50mN/mの粉体の撥水撥
油化処理法としては、特開昭62−250074記載の
方法が挙げられる。この際、粉体と撥水撥油化処理剤の
重量比率は、粉体/撥水撥油化処理剤の値が、100/
1〜100/7、好ましくは100/2〜100/7、
特に100/3〜100/5であるのが好ましい。
【0050】成分(C)の表面張力が20〜50mN/mの
粉体を撥水撥油化処理した粉体としては、粉体/撥水撥
油化処理剤が100/5の比率でポリフルオロアルキル
リン酸エステルジエタノールアミン塩で処理したシリコ
ーン樹脂及びナイロン樹脂等が好ましい。
【0051】成分(C)は、2種以上を併用してもよ
い。本発明の粉体スラリー組成物中には、成分(C)は
10〜75%含有するが、組成物の保存安定性及び皮膚
に塗布したときの使用感の点で好ましくは15〜60
%、特に20〜40%含有するのが好ましい。
【0052】本発明で、動的粘弾性の歪み依存性測定に
おいて歪み幅1〜100%に変曲点を有するとは、複素
弾性率G*の対数(log10G*)と歪み幅γの対数(log
10γ)の比log10G*/log10γが50%以上変動する点が
存在することをいう。動的粘弾性の歪み依存性測定は、
Rheometrics社RFS-II液体粘弾性測定装置を用い、以下
の条件で行うものとする。測定温度:25℃、Frequenc
y:0.1Hz、歪み幅:0.1-400%、Euqipment:C
one plate 25mm 0.1rad、Sample volume:0.4
1mL、Delay:300s。
【0053】次に、本発明のスラリー組成物の第2の態
様について説明する。第2番目の本発明の粉体スラリー
組成物で使用する成分(D)のフッ素系油剤は、前記成
分(A)で挙げられるたと同じフッ素系油剤が使用され
る。成分(D)は、本発明の粉体スラリー組成物中に2
0〜95%含有するが、皮膚に塗布したときの感触及び
保存安定性の点で好ましくは30〜70%、特に35〜
60%含有するのが好ましい。
【0054】第2番目の本発明の粉体スラリー組成物で
使用する成分(E)の成分(D)と相溶しない油剤とし
ては、前記成分(B)で挙げられたと同じ油剤が使用さ
れる。成分(E)は、本発明の粉体スラリー組成物中に
1〜25%含有するが、好ましくは5〜20%、特に5
〜15%含有するのが、化粧効果の持続性と仕上がりの
点で好ましい。
【0055】本発明のスラリー組成物の第2の態様にお
いては、粉体がフッ素系油剤と相溶しない油剤(E)を
介して造粒され、フッ素系油剤(D)内に、高次ネット
ワーク構造を形成する。その場合、撥水撥油性粉体を基
材としてその表面に、適度な撥水親油処理を行い、粉体
表面の(D)及び(E)両方の油剤に対して親和性の高
い部分を混在させることによって、(D)と相溶しない
油剤(E)介して粉体(F)が造粒され、フッ素系油剤
(D)中に高次ネットワーク構造が得られる。本発明の
成分(F)の基材としては、四フッ化エチレン樹脂等が
挙げられる。
【0056】四フッ化エチレン樹脂としては、表面張力
17mN/mのルブロンL−2、10(ダイキン工業社製)
等が挙げられる。
【0057】これらの粉体としては、平均粒子径が、
0.01〜100μm、好ましくは0.1〜30μm、特
に0.1〜10μmであるのが好ましい。
【0058】表面張力が20mN/m未満の粉体の撥水親油
化処理剤としては、シリコーン、アルキルシリル化剤、
親油性高分子、金属石鹸等が挙げられる。
【0059】シリコーンとしては、ジメチルポリシロキ
サン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフ
ェニルポリシロキサン、メチルビニルポリシロキサン等
が挙げられる。
【0060】アルキルシリル化剤としては、アルキルシ
ラン、アルキルクロロシラン、ジアルキルジクロロシラ
ンが挙げられる。
【0061】親油性高分子としては、ポリエチレン、ポ
リスチレン、アクリル及びその誘導体、ポリアミド、ポ
リイソブチレン、純塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテ
ート、エチレンビニルアセテート共重合物、芳香族炭化
水素樹脂等が挙げられる。
【0062】金属石鹸としては、ラウリル酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘ
ニン酸等の炭素数10〜24の脂肪酸のアルミニウム、
マグネシウム、カルシウム、亜鉛等の塩が挙げられる。
【0063】これら撥水親油化処理剤のうち、ジメチル
ポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン
等が好ましい。
【0064】表面張力が20mN/m未満の粉体の撥水親油
化処理法としては、特開昭63−250311記載の焼
き付け法が挙げられる。この際、粉体と撥水親油化処理
剤の重量比率は、粉体/撥水親油化処理剤の値が、10
0/1〜100/7、好ましくは100/2〜100/
7、特に100/3〜100/5であるのが好ましい。
【0065】本発明において成分(C)の撥水親油化処
理した粉体としては、粉体/撥水親油化処理剤及び10
0/5の比率でメチルハイドロジェンポリシロキサンで
処理したフッ素系樹脂等が特に好ましい。
【0066】成分(F)は2種以上を併用してもよい。
成分(F)は、本発明の粉体スラリー組成物中に10〜
75%含有するが、乳化物の保存安定性及び皮膚に塗布
したときの使用感の点で好ましくは20〜45%、特に
25〜40%含有するのが好ましい。
【0067】本発明のこれらの2種の粉体スラリー組成
物は、化粧料とするのが好ましく、その際これらの成分
の他に、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カ
チオン性界面活性剤等の界面活性剤、無機及び有機顔
料、有機染料等の色剤、防腐剤、酸化防止剤、色素、増
粘剤、pH調整剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血行促
進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤等を適宜含
有させることができる。
【0068】本発明のこれらの2種の粉体スラリー組成
物は、通常の乳化組成物と同様の方法に従って製造する
ことができる。
【0069】本発明の粉体スラリー組成物を化粧料とす
る場合は、アイシャドー、ファンデーション、化粧下
地、化粧水、乳液等とすると、フッ素系油剤による撥水
撥油性が十分に発揮され、汗や皮脂による化粧崩れが起
きにくい、化粧効果が長時間持続する点で好ましい。
【0070】
【実施例】実施例1、比較例1〜4 表1に示す組成の粉体スラリー組成物を、次法に従って
調製した。 調製法:F相中に粉体を添加、ディスパーで混合した
後、撹拌しながらO相成分を添加、更に水相を添加して
目的物を得た。得られた組成物の顕微鏡観察を行い、ネ
ットワーク構造を構築しているものに○印、そうでない
ものに×印を付けた。更に、図1に実施例1の動的粘弾
性の歪み依存性の測定結果を示す。歪み幅約10%のと
ころに、変曲点があらわれた。
【0071】
【表1】
【0072】実施例2、比較例5〜8 表2に示す組成の粉体スラリー組成物を、次法に従って
調製した。 調製法:O相中に粉体を添加、ディスパーで混合した
後、撹拌しながらF相成分を添加、更に水相を添加して
目的物を得た。得られた組成物の顕微鏡観察を行い、ネ
ットワーク構造を構築しているものに○印、そうでない
ものに×印を付けた。
【0073】
【表2】
【0074】実施例1、及び2の組成は、顕微鏡観察の
結果ネットワーク構造を構築し、安定であった(図
2)。
【0075】実施例3、比較例9〜10 表3に示すリキッドファンデーションを次法に従って調
製した。 調製法:O相中に、粉体及びその他の成分を添加し、デ
ィスパーで混合した後、撹拌しながらF相成分、水相を
準じ添加して目的物を得た。
【0076】
【表3】
【0077】実施例4 表4に示すリキッドファンデーションを次法に従って調
製した。 調製法:F相中に、粉体及びその他の成分を添加し、デ
ィスパーで混合した後、撹拌しながらO相成分、水相を
準じ添加して目的物を得た。
【0078】
【表4】
【0079】評価法 パネル5名が、各リキッドファンデーションを使用し
て、次の評価基準に従って、塗布のしやすさ、化粧持ち
を判断した結果を総合評価した。 ◎:良い ○:やや良い △:どちらともいえない ×:やや悪い ××:悪い
【0080】本発明のリキッドファンデーションは、ネ
ットワーク構造を構築し、安定であって、塗布しやす
さ、化粧持ちが極めて優れていた。
【0081】
【発明の効果】本発明の粉体スラリー組成物は、粉体が
ネットワーク構造を構築して、スラリー中に分散し、粘
弾性を有し、分散安定性に優れ、また振盪すると容易に
再分散する。また化粧料とした場合、皮膚への塗布がし
やすく、化粧効果の持続性に優れ、また使用感にも優
れ、保存安定性もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の動的粘弾性の歪み依存性測定結果を
示す図である。
【図2】実施例1の顕微鏡観察を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 83/08 C08L 83/08 Fターム(参考) 4F070 AA52 AC15 AC79 AC92 CB02 CB15 4J002 BB03Y BD12Y BG00Y CF00X CH00X CH02W CK02Y CL00Y CP03X CP03Y CP08W EA007 EB066 EN118 FB26Y FB268 GB00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(A)、(B)及び(C): (A)フッ素系油剤 1〜25重量%、 (B)成分(A)と相溶しない油剤 20〜90重量%、 (C)表面張力が20〜50mN/mの粉体を撥水撥油化処理した粉体 10〜75重量% を含有し、動的粘弾性の歪み依存性測定において歪み幅
    1〜100%に変曲点を有する粉体スラリー組成物。
  2. 【請求項2】 粉体スラリー組成物が化粧料である請求
    項1記載の粉体スラリー組成物。
  3. 【請求項3】 成分(A)がパーフルオロポリエーテ
    ル、成分(B)がシリコーン油及び成分(C)が樹脂粉
    体又は有機粉体をフッ素化合物で表面処理した粉体であ
    る請求項1又は2記載の粉体スラリー組成物。
  4. 【請求項4】 次の成分(D)、(E)及び(F): (D)フッ素系油剤 20〜90重量%、 (E)成分(D)と相溶しない油剤 1〜25重量%、 (F)表面張力が20mN/m未満の粉体を撥水親油化処理した粉体 10〜75重量% を含有し、動的粘弾性の歪み依存性測定において歪み幅
    1〜100%に変曲点を有する粉体スラリー組成物。
  5. 【請求項5】 粉体スラリー組成物が化粧料である請求
    項1記載の粉体スラリー組成物。
  6. 【請求項6】 成分(D)がパーフルオロポリエーテ
    ル、成分(E)がシリコーン油及び成分(F)がフッ素
    樹脂をシリコーン樹脂で表面処理した粉体である請求項
    4又は5記載の粉体スラリー組成物。
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