JP2003081814A - 錠剤の製造方法 - Google Patents

錠剤の製造方法

Info

Publication number
JP2003081814A
JP2003081814A JP2002178053A JP2002178053A JP2003081814A JP 2003081814 A JP2003081814 A JP 2003081814A JP 2002178053 A JP2002178053 A JP 2002178053A JP 2002178053 A JP2002178053 A JP 2002178053A JP 2003081814 A JP2003081814 A JP 2003081814A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tablet
temperature
tableting
active substance
room temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002178053A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5138856B2 (ja
Inventor
Keiichi Yamamoto
圭一 山本
Yoshio Mizukami
喜雄 水上
Daisuke Izutsu
大介 井筒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP2002178053A priority Critical patent/JP5138856B2/ja
Publication of JP2003081814A publication Critical patent/JP2003081814A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5138856B2 publication Critical patent/JP5138856B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B30PRESSES
    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B11/00Presses specially adapted for forming shaped articles from material in particulate or plastic state, e.g. briquetting presses, tabletting presses
    • B30B11/02Presses specially adapted for forming shaped articles from material in particulate or plastic state, e.g. briquetting presses, tabletting presses using a ram exerting pressure on the material in a moulding space
    • B30B11/08Presses specially adapted for forming shaped articles from material in particulate or plastic state, e.g. briquetting presses, tabletting presses using a ram exerting pressure on the material in a moulding space co-operating with moulds carried by a turntable

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 被覆された粒体を含有する錠剤の製造におい
て、打錠時に粒体の被覆膜の一部が破壊されることを防
止する。 【解決手段】 酸に不安定な生理活性物質を含有する水
系腸溶性高分子被覆粒体を、室温を超える温度に加温し
て打錠することを特徴とする錠剤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、錠剤の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】人口の高齢化・生活環境の変化に伴い、
錠剤の特徴である取り扱いの便利さを保ちつつも、容易
に服用することができ、また水なしで手軽に何時、何処
でも随時服用することのできる口腔内崩壊型固形製剤の
開発が要望されている。一方、生理活性物質が苦味を呈
する物質である場合は、服薬遵守性の観点から、これを
被覆して苦味をマスキングすることが好ましい。また、
生理活性物質が酸によって分解されやすい物質である場
合は、これを被覆して、胃酸による分解を防止し、十分
に腸に到達させる必要がある。このような課題に対して
は通常コーティング錠剤やカプセル剤等が用いられてい
る。両者は相反する性質を有するものであるが、これら
の要求を同時に満たすものとして、従来から被覆された
細粒を含有する錠剤が開発されてきている。例えば、特
表平6−502194号公報(USP5,464,63
2)には有効物質が被覆された微粒子等の形状で存在す
ることを特徴とする急速崩壊性多粒子状錠剤が開示され
ている。また、特開2000−281564号公報には
被覆された細粒を錠中に含有する口腔内崩壊錠が開示さ
れている。しかし、被覆された粒体を含有する錠剤の製
造においては、打錠時に粒体の被覆膜の一部が破壊され
ることがあり、これにより上記の苦味のマスキングの効
果が低減したり、耐酸性が低下するといった問題があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、被覆された粒体を含有する錠剤の製造において、打
錠時に粒体の被覆膜の一部が破壊されることを防止する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、室温を超
える温度の被覆粒体を打錠することにより、粒体の被覆
膜の打錠時の破壊を低減できることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)生理活性物質
を含有する室温を超える温度の被覆粒体を打錠すること
を特徴とする錠剤の製造方法、(2)生理活性物質が、
酸に不安定な生理活性物質である上記(1)記載の製造
方法、(3)酸に不安定な生理活性物質がプロトンポン
プインヒビター(PPI)である上記(2)記載の製造
方法、(4)PPIがベンズイミダゾール系化合物また
はその塩である上記(1)記載の製造方法、(5)ベン
ズイミダゾール系化合物がランソプラゾールまたはその
光学活性体である上記(3)記載の製造方法、(6)被
覆粒体が腸溶性被覆された粒体である上記(1)記載の
製造方法、(7)腸溶性被覆層が水系腸溶性高分子基剤
を含有する上記(5)記載の製造方法、(8)水系腸溶
性高分子基剤がメタアクリル酸共重合体である上記
(6)記載の製造方法、(9)室温を超える温度が約2
5℃以上である上記(1)記載の製造方法、(10)室
温を超える温度が約25℃〜約50℃の温度である上記
(1)記載の製造方法、(11)室温を超える温度が約
25℃〜約40℃の温度である上記(1)記載の製造方
法、(12)錠剤が口腔内崩壊錠である上記(1)記載
の製造方法、(13)酸に不安定な生理活性物質を含有
し、約25℃〜約50℃に加温した腸溶性被覆粒体を打
錠することを特徴とする口腔内崩壊錠の製造方法、(1
4)打錠機を加温する上記(13)記載の製造方法、
(15)打錠機がロータリー式打錠機であり、そのロー
タリーターンテーブルを加温後に打錠する上記(14)
記載の製造方法、(16)生理活性物質を含有する被覆
粒体を、室温を超える温度に加温して打錠することを特
徴とする当該被覆粒体の被覆膜の破壊を減じる方法、
(17)生理活性物質を含有する被覆粒体を、室温を超
える温度に加温して打錠することを特徴とする当該被覆
粒体を含有する錠剤の耐酸率を低下させる方法、(1
8)生理活性物質を含有する被覆粒体を、室温を超える
温度に加温して打錠することを特徴とする錠剤の硬度を
向上させる方法、(19)生理活性物質を含有する組成
物を被覆層で被覆し、得られた被覆粒体に添加剤を添加
し、被覆粒体と添加剤との混合物を、室温を超える温度
に加温し、打錠して得られる錠剤、(20)生理活性物
質が、酸に不安定な生理活性物質である上記(19)記
載の錠剤、(21)酸に不安定な生理活性物質がベンズ
イミダゾール系化合物またはその塩のPPIである上記
(20)記載の錠剤、(22)ベンズイミダゾール系化
合物がランソプラゾールまたはその光学活性体である上
記(21)記載の錠剤、(23)上記(1)記載の方法
で得られる錠剤、(24)加温打錠により耐酸率が改善
された錠剤、(25)加温打錠により硬度が高められた
錠剤、(26)加温打錠により含有する被覆粒体の被覆
膜の破壊が減じられた錠剤、(27)耐酸率が約10%
以下であり、硬度が高められ、被覆粒体の被覆膜の破壊
が減じられている、被覆粒体を含有する錠剤、(28)
ランソプラゾールまたはその光学活性体を含有する腸溶
性被覆された、室温を超える温度に加温された粒体、
(29)腸溶性被覆層が水系腸溶性高分子基剤を含有す
る上記(28)記載の粒体、(30)水系腸溶性高分子
基剤がメタアクリル酸共重合体である上記(28)記載
の粒体、(31)室温を超える温度が約25℃以上であ
る上記(28)記載の粒体、(32)室温を超える温度
が約25℃〜約50℃の温度である上記(28)記載の
粒体、(33)室温を超える温度が約25℃〜約40℃
の温度である上記(30)記載の粒体、(34)酸に不
安定な生理活性物質を含有する腸溶性被覆された、室温
を超える温度に加温された粒体の耐酸性が改善された錠
剤製造のための使用、等を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる「被覆
粒体」とは、被覆の対象となる粒体を被覆剤で被覆した
ものを意味する。ここで、「被覆」とは、被覆される対
象(粒体)が完全に被覆されている場合に限らず、その
一部が露出している場合も包含する。該「粒体」が含有
する「生理活性物質」は、例えば味・臭気のマスキン
グ、腸溶化あるいは徐放化等の目的で被覆することが好
ましいものであれば、特に限定されるものではない。被
覆することが好ましいものとしては、例えば、苦味を呈
する生理活性物質や、酸に不安定な生理活性物質等が挙
げられる。
【0007】該「生理活性物質」としては、固形状、粉
状、結晶状、油状、溶液状など何れのものでもよく、例
えば滋養強壮保健薬、解熱鎮痛消炎薬、向精神薬、抗不
安薬、抗うつ薬、催眠鎮静薬、鎮痙薬、中枢神経作用
薬、脳代謝改善剤、脳循環改善剤、抗てんかん剤、交感
神経興奮剤、胃腸薬、制酸剤、抗潰瘍剤、鎮咳去痰剤、
鎮吐剤、呼吸促進剤、気管支拡張剤、抗アレルギー薬、
歯科口腔用薬、抗ヒスタミン剤、強心剤、不整脈用剤、
利尿薬、血圧降下剤、血管収縮薬、冠血管拡張薬、末梢
血管拡張薬、高脂血症用剤、利胆剤、抗生物質、化学療
法剤、糖尿病用剤、骨粗しょう症用剤、抗リウマチ薬、
骨格筋弛緩薬、鎮けい剤、ホルモン剤、アルカロイド系
麻薬、サルファ剤、痛風治療薬、血液凝固阻止剤、抗悪
性腫瘍剤、アルツハイマー病治療薬などから選ばれた1
種または2種以上の医薬成分が用いられる。これらの生
理活性物質は、いずれもフリー体であっても塩であって
もよい。また、ラセミ体であっても光学活性体であって
もよい。またはプロドラッグであってもよい。滋養強壮
保健薬としては、例えばビタミンA、ビタミンD、ビタ
ミンE(酢酸d−α−トコフェロールなど)、ビタミン
(ジベンゾイルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩
など)、ビタミンB2(酪酸リボフラビンなど)、ビタ
ミンB6(塩酸ピリドキシンなど)、ビタミンC(アス
コルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウムなど)、ビ
タミンB12(酢酸ヒドロキソコバラミン、シアノコバラ
ミンなど)のビタミン、カルシウム、マグネシウム、鉄
などのミネラル、タンパク、アミノ酸、オリゴ糖、生薬
などが挙げられる。解熱鎮痛消炎薬としては、例えばア
スピリン、アセトアミノフェン、エテンザミド、イブプ
ロフェン、塩酸ジフェンヒドラミン、dl-マレイン酸ク
ロルフェニラミン、リン酸ジヒドロコデイン、ノスカピ
ン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸フェニルプロパノー
ルアミン、カフェイン、無水カフェイン、セラペプター
ゼ、塩化リゾチーム、トルフェナム酸、メフェナム酸、
ジクロフェナクナトリウム、フルフェナム酸、サリチル
アミド、アミノピリン、ケトプロフェン、インドメタシ
ン、ブコローム、ペンタゾシンなどが挙げられる。向精
神薬としては、例えばクロルプロマジン、レセルピンな
どが挙げられる。抗不安薬としては、例えばアルプラゾ
ラム、クロルジアゼポキシド、ジアゼパムなどが挙げら
れる。抗うつ薬としては、例えばイミプラミン、塩酸マ
プロチリン、アンフェタミンなどが挙げられる。催眠鎮
静薬としては、例えばエスタゾラム、ニトラゼパム、ジ
アゼパム、ペルラピン、フェノバルビタールナトリウム
などが挙げられる。鎮痙薬には、例えば臭化水素酸スコ
ポラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸パパベリンな
どが挙げられる。
【0008】中枢神経作用薬としては、例えばシチコリ
ンなどが挙げられる。脳代謝改善剤としては、例えば塩
酸メクロフェニキセートなどが挙げられる。脳循環改善
剤としては、例えばビンポセチンなどが挙げられる。抗
てんかん剤としては、例えばフェニトイン、カルバマゼ
ピンなどが挙げられる。交感神経興奮剤としては、例え
ば塩酸イソプロテレノールなどが挙げられる。胃腸薬に
は、例えばジアスターゼ、含糖ペプシン、ロートエキ
ス、セルラーゼAP3、リパーゼAP、ケイヒ油などの
健胃消化剤、塩化ベルベリン、耐性乳酸菌、ビフィズス
菌などの整腸剤などが挙げられる。制酸剤としては、例
えば炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、メタケイ
酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、沈
降炭酸カルシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられ
る。抗潰瘍剤としては、例えばランソプラゾール、オメ
プラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾール等のベ
ンズイミダゾール系化合物またはその塩(それぞれの光
学活性体を含む)等のPPI、ファモチジン、シメチジ
ン、塩酸ラニチジン等のヒスタミンH受容体拮抗薬な
どが挙げられる。鎮咳去痰剤としては、例えば塩酸クロ
ペラスチン、臭化水素酸デキストロメトルファン、テオ
フィリン、グァヤコールスルホン酸カリウム、グアイフ
ェネシン、リン酸コデインなどが挙げられる。鎮吐剤と
しては、例えば塩酸ジフェニドール、メトクロプラミド
などが挙げられる。呼吸促進剤としては、例えば酒石酸
レバロルファンなどが挙げられる。気管支拡張剤として
は、例えばテオフィリン、硫酸サルブタモールなどが挙
げられる。抗アレルギー薬としては、アンレキサノク
ス、セラトロダストなどが挙げられる。歯科口腔用薬と
しては、例えばオキシテトラサイクリン、トリアムシノ
ロンアセトニド、塩酸クロルヘキシジン、リドカインな
どが挙げられる。抗ヒスタミン剤としては、例えば塩酸
ジフェンヒドラミン、プロメタジン、塩酸イソチペンジ
ル、dl-マレイン酸クロルフェニラミンなどが挙げられ
る。強心剤としては、例えばカフェイン、ジゴキシンな
どが挙げられる。不整脈用剤としては、例えば塩酸プロ
カインアミド、塩酸プロプラノロール、ピンドロールな
どが挙げられる。利尿薬としては、例えばイソソルピ
ド、フロセミド、HCTZなどのチアシド剤などが挙げ
られる。
【0009】血圧降下剤としては、例えば塩酸デラプリ
ル、カプトプリル、臭化ヘキサメトニウム、塩酸ヒドラ
ラジン、塩酸ラベタロール、塩酸マニジピン、カンデサ
ルタン シレキセチル、メチルドパ、ロサルタン、バル
サルタン、エポサルタン、イルベサルタン、タソサルタ
ン、テルミサルタンなどが挙げられる。血管収縮剤とし
ては、例えば塩酸フェニレフリンなどが挙げられる。冠
血管拡張剤としては、例えば塩酸カルボクロメン、モル
シドミン、塩酸ペラパミルなどが挙げられる。末梢血管
拡張薬としては、例えばシンナリジンなどが挙げられ
る。高脂血症用剤としては、例えばセリバスタチンナト
リウム、シンバスタチン、プラバスタチンナトリウムな
どが挙げられる。利胆剤としては、例えばデヒドロコー
ル酸、トレピプトンなどが挙げられる。抗生物質には、
例えばセファレキシン、セファクロル、アモキシシリ
ン、塩酸ピブメシリナム、塩酸セフォチアムヘキセチ
ル、セファドロキシル、セフィキシム、セフジトレンピ
ボキシル、セフテラムピボキシル、セフポドキシミプロ
キセチル、塩酸セフォチアム、塩酸セファゾプラン、塩
酸セフメノキシム、セフスロジンナトリウムなどのセフ
ェム系、アンピシリン、シクラシリン、スルベニシリン
ナトリウム、ナリジクス酸、エノキサシンなどの合成抗
菌剤、カルモナムナトリウムなどのモノバクタム系、ペ
ネム系およびカルバペネム系抗生物質などが挙げられ
る。化学療法剤としては、例えばスルファメチゾール、
塩酸スルファメチゾール、チアゾスルホンなどが挙げら
れる。糖尿病用剤としては、例えばトルブタミド、ボグ
リボース、塩酸ピオグリタゾン、グリベンクラミド、ト
ログリダゾン、マレイン酸ロジグリタゾン、アカルボー
ス、ミグリトール、エミグリテートなどが挙げられる。
骨粗しょう症用剤としては、例えばイプリフラボンなど
が挙げられる。骨格筋弛緩薬としては、メトカルバモー
ルなどが挙げられる。鎮けい剤としては、塩酸メクリジ
ン、ジメンヒドリナートなどが挙げられる。抗リウマチ
薬としては、メソトレキセート、ブシラミンなどが挙げ
られる。ホルモン剤としては、例えばリオチロニンナト
リウム、リン酸デキメタゾンナトリウム、プレドニゾロ
ン、オキセンドロン、酢酸リュープロレリンなどが挙げ
られる。アルカロイド系麻薬として、アヘン、塩酸モル
ヒネ、トコン、塩酸オキシコドン、塩酸アヘンアルカロ
イド、塩酸コカインなどが挙げられる。サルファ剤とし
ては、例えばスフファミン、スルフィソミジン、スルフ
ァメチゾールなどが挙げられる。痛風治療薬としては、
例えばアロプリノール、コルヒチンなどが挙げられる。
血液凝固阻止剤としては、例えばジクマロールが挙げら
れる。抗悪性腫瘍剤としては、例えば5−フルオロウラ
シル、ウラシル、マイトマイシンなどが挙げられる。ア
ルツハイマー病治療薬としては、例えばイデベノン、ビ
ンポセチンなどが挙げられる。
【0010】上記した医薬成分の中でも、滋養強壮保健
薬、解熱鎮痛消炎薬、催眠鎮静薬、中枢神経作用薬、胃
腸薬、抗潰瘍剤、鎮咳去痰剤、抗アレルギー薬、抗不整
脈薬、利尿薬、血圧降下剤、血管収縮薬、冠血管拡張
薬、抗高脂血症剤、糖尿病用剤、骨粗しょう症用剤、骨
格筋弛緩薬、鎮うん剤などが好適に用いられる。本発明
において、特に好適に用いられる医薬成分は、ランソプ
ラゾールなどの抗潰瘍剤;ボグリボース、塩酸ピオグリ
タゾンなどの糖尿病用剤;塩酸マニジピン、カンデサル
タン シレキセチルなどの血圧降下剤である。また、こ
れらの医薬成分は、本発明の速崩壊性固形製剤中に2種
類以上配合されていてもよい。医薬成分は、一般に医
療、食品分野などで用いられる希釈剤などによって希釈
されたものであってもよい。また医薬成分の苦味のマス
キングを目的として処理したものを用いてもよい。上記
した医薬成分は、例えば固形製剤100重量部に対して
0.01〜90重量部、好ましくは0.02〜50重量
部、さらに好ましくは0.05〜30重量部用いられ
る。
【0011】上記「酸に不安定な生理活性物質」として
は、酸性領域で不安定および/または酸により不活性と
なる化合物(特に医薬成分)が挙げられ、具体的には例
えば、PPIが挙げられる。PPIとしては、特に、抗
潰瘍作用を有するベンズイミダゾール系化合物またはそ
の塩(ラセミ化合物および光学活性体を含む)(例、ラ
ンソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾール、パ
ントプラゾール、ペルプラゾール、レミノプラゾール、
TU−199など)などが挙げられる。中でも好ましく
はランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾー
ル、パントプラゾール等、特に好ましくはランソプラゾ
ールおよびその光学活性体である。ランプラゾールの光
学活性体としては、R体が特に好ましい。PPIとして
は、この他にテナトプラゾールが挙げられる。
【0012】上記「粒体」は、生理活性物質の他に、下
記の一般製剤の製造に用いられる結合剤、滑沢剤、賦形
剤などを含有していてもよい。添加量は一般製剤の製造
に用いられる量である。生理活性物質が「酸に不安定な
生理活性物質」である場合、該生理活性物質を製剤中で
安定化するために、塩基性無機塩を粒体中に配合するこ
とが好ましい。該「塩基性無機塩」としては、例えば、
ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよび/またはカ
ルシウムの塩基性無機塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、重質
炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウムなど)が挙げられる。
【0013】上記「粒体」は、粒状の形態であれば特に
限定されるものではなく、核を有さないものであって
も、核を有するものでもあってもよい。また、粒体が核
を有するものである場合、核が生理活性物質を含有して
いてもよく、含有していなくてもよい。粒体の粒径は所
望する被覆粒体の粒径に応じて決定すればよい。粒径該
粒体はその形態に応じて、自体公知の方法またはその類
似の方法により製造すればよい。粒体が核を有さない場
合、自体公知の造粒法により製造できる。「造粒法」と
しては、転動造粒法(例、遠心転動造粒法)、流動造粒
法(例、転動流動層造粒、流動造粒等)、撹拌造粒法な
どが挙げられる。このうち、流動造粒法が好ましい。特
に好ましくは転動流動層造粒法である。該転動造粒法の
具体例としては、例えばフロイント社製の「CF装置」
などを用いる方法が挙げられる。該転動流動層造粒法の
具体例としては、例えば「スパイラフロー」、パウレッ
ク社製の「マルチプレックス」、不二パウダル社製の
「ニューマルメ」などを用いる方法が挙げられる。混合
液の噴霧方法は造粒装置の種類に応じて適当に選択で
き、例えば、トッププレー方式、ボトムスプレー方式、
タンジェンシャルスプレー方式などのいずれであっても
よい。このうち、タンジェンシャルスプレー方式が好ま
しい。
【0014】一方、核を有する粒体は、自体公知の方法
により核を生理活性物質などでコーティングすることに
より製造できる。例えば特開平5−092918号公報
に記載の製造法(コーティング方法)に従い、結晶セル
ロースおよび乳糖を含有する核に、酸に不安定な生理活
性物質と、必要に応じ、塩基性無機塩、結合剤、滑沢
剤、賦形剤、水溶性高分子など(以下、被覆層と略記す
ることもある)とを被覆すること等により製造できる。
【0015】該「核」の平均粒子径は、約40〜350
μm、好ましくは約50〜250μm、より好ましくは
約100〜250μm、特に好ましくは約100〜20
0μmである。このような平均粒子径を有する核として
は、50号(300μm)の篩を全通し、60号(250
μm)の篩に残留する粒子が全体の約5w/w%以下で
あり、かつ282号(53μm)の篩を通過する粒子が
全体の約10w/w%以下であるような粒子が含まれ
る。「核」の比容は5ml/g以下、好ましくは4ml
/g、より好ましくは3ml/g以下である。該「核」
としては、例えば、(1)結晶セルロースおよび乳糖の
球形造粒品、(2)結晶セルロースの150〜250μ
mの球形造粒品(旭化成(株)製、アビセルSP)、
(3)乳糖(9部)とαデンプン(1部)による50〜
250μmの撹拌造粒品、(4)特開昭61−2132
01号公報に記載の微結晶セルロース球形顆粒を分級し
た250μm以下の微粒、(5)スプレーチリングや溶
融造粒により球状に形成されたワックス類などの加工
品、(6)オイル成分のゼラチンビーズ品などの加工
品、(7)ケイ酸カルシウム、(8)デンプン、(9)
キチン、セルロースおよびキトサンなどの多孔性粒子、
(10)グラニュー糖、結晶乳糖、結晶セルロースまた
は塩化ナトリウムなどのバルク品およびそれらの製剤加
工品などが挙げられる。さらに、これらの核を、自体公
知の粉砕方法あるいは造粒方法により製造し、篩過して
所望の粒子径の粒子を調製してもよい。
【0016】該「結晶セルロースおよび乳糖の球形造粒
品」としては、例えば、(i)結晶セルロース(3部)
と乳糖(7部)とによる100〜200μmの球形造粒
品(例、ノンパレル105(70−140)(粒子径1
00〜200μm)、フロイント社製)、(ii)結晶セ
ルロース(3部)と乳糖(7部)とによる150〜25
0μmの球形造粒品(例、ノンパレルNP−7:3、フ
ロイント社製)、(iii)結晶セルロース(4.5部)
と乳糖(5.5部)とによる100〜200μmの球形
造粒品(例、ノンパレル105T(70−140)(粒
子径100〜200μm)、フロイント社製)など〕、
(iv)結晶セルロース(5部)と乳糖(5部)とによる
150〜250μmの球形造粒品〔例、ノンパレルNP
−5:5、フロイント社製)などが挙げられる。適度の
強度を保ちつつ溶解性にも優れた製剤を製造するために
は、該「核」として、好ましくは結晶セルロースと乳糖
による球形造粒品、より好ましくは結晶セルロースと乳
糖による球形造粒品で乳糖を約50重量%以上含有する
ものものが挙げられる。結晶セルロースを約20〜50
重量%、好ましくは約40〜50重量%および乳糖を約
50〜80重量%、好ましくは約50〜60重量%含有
するものが好ましい。本発明に用いられる核としては、
結晶セルロースおよび乳糖の球形造粒品が好ましく、さ
らに好ましくは、結晶セルロース(4.5部)と乳糖
(5.5部)とによる100〜200μmの球形造粒品
である。該「核」は、上記の医薬成分などの生理活性物
質を含んでいてもよいが、該生理活性物質を含む被覆層
により、その生理活性物質の放出性をコントロールでき
るので、核は生理活性物質を含んでいなくてもよい。該
「核」は、細粒状であってもよく、被覆のバラツキを小
さくするためには、できる限り均一な球状であることが
好ましい。
【0017】かくして得られた粒体を自体公知の方法に
より被覆剤で被覆することにより、「被覆粒体」が得ら
れる。該被覆剤としては、例えば、腸溶性ポリマー
(例、セルロースアセテートフタレート、酢酸フタル酸
セルロース、メタクリル酸(以下、メタアクリル酸と称
する)コポリマーL、メタアクリル酸コポリマーLD
(オイドラギット(Eudragit)L30D-55(商品名:レー
ム社製)、メタアクリル酸コポリマーS、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチル
セルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキ
シメチルエチルセルロース、コリコートMAE30DP
(商品名;BASF社製)、ポリキッドPA30(商品
名:三洋化成社製)など〕、カルボキシメチルエチルセ
ルロース、セラック、メタアクリル酸共重合体〔例え
ば、オイドラギットNE30D(商品名)、オイドラギ
ットRL30D(商品名)、オイドラギットRS30D
(商品名)など〕、クエン酸トリエチル、ポリエチレン
グリコール、アセチル化モノグリセリド、トリアセチ
ン、ヒマシ油等)、胃溶性ポリマー(例、ポリビニルア
セタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメ
タアクリレートコポリマー等)、水溶性ポリマー(例、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース等)、難溶性ポリマー(例、エチルセル
ロース、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーR
S、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合体
等)、ワックス等が挙げられる。これらは一種または二
種以上混合して使用してもよい。腸溶性被覆用の被覆剤
としては、セルロースアセテートフタレート(CAP)、
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(以
下、HP−55と記載する)、ヒドロキシメチルセルロ
ースアセテートサクシネート、メタアクリル酸共重合体
〔例えば、オイドラギットL30D−55、コリコート
MAE30DP、ポリキッドPA30など〕、カルボキ
シメチルエチルセルロース、セラックなどの水系腸溶性
高分子基剤を含有するものが好ましい。該水系腸溶性高
分子基剤として好ましくは、メタアクリル酸共重合体で
ある。
【0018】被覆層は複数の層から形成されていてもよ
い。例えば、粒体に、メタアクリル酸共重合体、ポリエ
チレングリコールを含有する腸溶性被覆層を被覆し、メ
タアクリル酸共重合体、クエン酸トリエチルを含有する
腸溶性被覆層を被覆し、さらに、メタアクリル酸共重合
体、ポリエチレングリコールを含有する腸溶性被覆層を
被覆する方法等が挙げられる。また、例えば、錠剤の強
度を向上させる目的で腸溶性被覆層をマンニトール等の
水溶性糖アルコールでオーバーコートしてもよい。
【0019】腸溶性被覆層としては、該生理活性物質を
含む組成物の表面全体を、10〜100μm、好ましく
は20〜70μm、より好ましくは30〜50μmの厚
みで覆う層であることが好ましい。従って、被覆粒体の
粒径が小さければ小さいほど、腸溶性被覆層が被覆粒体
全体に占める重量%が大きくなる。通常、腸溶性被覆層
は被覆粒体全体の20〜90重量%、好ましくは30〜
70重量%、より好ましくは50〜70重量%である。
【0020】被覆粒体の粒径は特に限定されないが、細
粒または顆粒が好ましく、口腔内速崩壊錠の場合、口中
でのザラツキ感や違和感を感じさせないためには、その
平均粒径は約400μm以下である。好ましい平均粒径
は200〜400μm、さらに好ましくは300〜40
0μmである。
【0021】該「被覆粒体」としては、特開2000−
281564号公報および特開2000−103731
号公報に記載の細粒が、特に好ましい。
【0022】本発明の錠剤の製造方法においては、被覆
粒体を単独で打錠してもよいが、好ましくは被覆粒体と
添加剤とを混合して打錠する。この時添加剤を予め造粒
して混合してもよい。該添加剤としては、一般製剤の製
造に用いられるものであればよく、その添加量は一般製
剤の製造に用いられる量である。該「添加剤」として
は、例えば水溶性糖アルコール、結晶セルロース、低置
換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが用いられ、さ
らに結合剤、酸味料、発泡剤、人口甘味料、香料、滑沢
剤、着色剤、安定化剤、賦形剤、崩壊剤なども用いられ
る。該「水溶性糖アルコール」は、糖アルコール1gを
水に加え、20℃において5分ごとに強く30秒間振り
混ぜて約30分以内に溶かす際に、必要な水の量が30
ml未満である糖アルコールを意味する。該「水溶性糖
アルコール」としては、例えばソルビトール、マンニト
ール、マルチトール、還元澱粉糖化物、キシリトール、
還元パラチノース、エリスリトールなどが挙げられ、こ
れらは、その2種以上を適宜の割合で混合して用いても
よい。該「水溶性糖アルコール」は、好ましくはマンニ
トール、キシリトール、エリスリトール、さらに好まし
くはマンニトール、エリスリトール、特に好ましくはマ
ンニトールが挙げられる。エリスリトールとしては、通
常ぶどう糖を原料として酵母等による発酵により生産さ
れ、粒度が50メッシュ以下のものが用いられる。該エ
リスリトールは、市販品〔日研化学(株)等〕として入
手することができる。該「水溶性糖アルコール」は、口
腔内崩壊剤の場合、十分な製剤強度および十分な口腔内
崩壊性を得るために、添加剤の合計100重量部に対し
て通常、約5〜97重量部、好ましくは約10〜90重
量部、より好ましくは約20〜80重量部用いられる。
マンニトールまたはエリスリトールの場合、添加剤の合
計100重量部に対して通常、約5〜90重量部、好ま
しくは約10〜80重量部、さらに好ましくは約20〜
80重量部、最も好ましくは、約50〜80重量部程度
含有させるとよい。
【0023】該「結晶セルロース」としては、α−セル
ロースを部分的に解重合して精製したものであればよ
い。また、微結晶セルロースと呼ばれているものも含ま
れる。該結晶セルロースとして具体的には例えば、セオ
ラスKG 801、アビセルPH 101、アビセルPH
102、アビセルPH 301、アビセルPH 30
2、アビセルRC−591(結晶セルロース・カルメロ
ースナトリウム)等が挙げられる。好ましくは高成形ア
ビセルと呼ばれているセオラスKG 801が挙げられ
る。これら結晶セルロースは単独に使用してもよいが、
二種以上併用することもできる。これら結晶セルロース
は市販品〔旭化成(株)製〕として入手することができ
る。該結晶セルロースは、添加剤の合計100重量部に
対して約3〜50重量部、好ましくは約5〜40重量
部、最も好ましくは、約5〜20重量部程度配合すれば
よい。
【0024】該「低置換度ヒドロキシプロピルセルロー
ス」とは、ヒドロキシプロピルセルロースにおけるヒド
ロキシプロポキシル基含量(以下、HPC基含量と略記
することもある)が約5.0〜9.9重量%である低置換
度ヒドロキシプロピルセルロース、なかでも、約5.0
〜7.0重量%である低置換度ヒドロキシプロピルセル
ロースおよび約7.0〜9.9重量%である低置換度ヒド
ロキシプロピルセルロース等を意味する。HPC基含量
が約7.0〜9.9%である該低置換度ヒドロキシプロピ
ルセルロースとしては、例えばLH−22、LH−32
およびこれらの混合物などが挙げられ、これらは市販品
〔信越化学(株)〕として入手できる。また、自体公知
の方法、例えば以下に述べる特公昭57−53100号
公報に記載の方法あるいはこれに準ずる方法により製造
することもできる。HPC基含量が約5.0〜7.0%で
ある該低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとして
は、例えば後述の参考例に記載のLH−23、LH−3
3およびこれらの混合物などが挙げられ、これらは自体
公知の方法、例えば特公昭57−53100号公報に記
載の方法あるいはこれに準ずる方法により製造すること
ができる。該「ヒドロキシプロポキシル基含量が5.0
〜7.0重量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロー
ス」の粒子径は、例えば平均粒子径として、約5〜60
μm、好ましくは約7〜50μm、より好ましくは約1
0〜40μmである。このような範囲のうち、粒子径の
比較的大きいL−HPC(例えば平均粒子径が約26〜
40μmのL−HPC)を用いれば、崩壊性の優れた製
剤を製造することができる。一方、粒子径の比較的小さ
いL−HPC(例えば平均粒子径が約10〜25μmの
L−HPC)を用いれば、製剤強度の優れた製剤を製造
することができる。従って、L−HPCの粒子径は、目
的とする製剤の特性に応じて適宜選択することができ
る。HPC基含量が5.0〜7.0重量%の低置換度ヒド
ロキシプロピルセルロース、HPC基含量が7.0〜9.
9%の該低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、口
腔内崩壊錠の場合、十分な口腔内崩壊性および十分な製
剤強度を得るために、添加剤の合計100重量部に対し
て通常、約3〜50重量部、好ましくは約5〜40重量
部、さらに好ましくは5〜20重量部用いられる。
【0025】該「結合剤」としては、例えばヒドロキシ
プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、結晶セルロース、αデンプン、ポリビニルピロリ
ドン、アラビアゴム末、ゼラチン、プルラン、低置換度
ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。該結
合剤として結晶セルロースを用いる場合、優れた口腔内
崩壊性を保持したままで、製剤強度のさらに大きい固形
製剤を得ることができる。該「酸味剤」としては、例え
ばクエン酸(無水クエン酸)、酒石酸、リンゴ酸などが
挙げられる。該「発泡剤」としては、例えば重曹などが
挙げられる。該「人口甘味料」としては、例えばサッカ
リンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパル
テーム、ステビア、ソーマチンなどが挙げられる。該
「香料」としては、合成物および天然物のいずれでもよ
く、例えばレモン、ライム、オレンジ、メントール、ス
トロベリーなどが挙げられる。該「滑沢剤」としては、
例えばステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステ
ル、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸な
どが挙げられる。該「着色剤」としては、例えば食用黄
色5号、食用赤色2号、食用青色2号などの食用色素;
食用レーキ色素、ベンガラなどが挙げられる。該「安定
化剤」としては、前述の塩基性無機塩などが挙げられ
る。該「賦形剤」としては、例えば乳糖、白糖、D−マ
ンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロー
ス、軽質無水ケイ酸、酸化チタンなどが挙げられる。
【0026】該「崩壊剤」としては、製剤分野で慣用さ
れる崩壊剤を用いることができ、例えば、(1)クロス
ポビドン、(2)クロスカルメロースナトリウム(FM
C−旭化成)、カルメロースカルシウム(五徳薬品)な
どスーパー崩壊剤と称される崩壊剤、(3)カルボキシ
メチルスターチナトリウム(例、松谷化学(株)製)、
(4)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(例、信
越化学(株)製)、(5)コーンスターチ等が挙げられ
る。特に好ましい崩壊剤としては、例えばクロスポビド
ンである。該「クロスポピドン」としては、ポリビニル
ポリピロリドン(PVPP)、1−ビニル−2−ピロリ
ジノンホモポリマーと称されているものも含め、1−エ
テニル−2−ピロリジノンホモポリマーという化学名を
有し架橋されている重合物のいずれであってもよく、具
体例としては、コリドンCL(BASF社製)、ポリプ
ラスドンXL(ISP社製)、ポリプラスドンXL−1
0(ISP社製)、ポリプラスドンINF−10(IS
P社製)などである。通常分子量は1,000,000
を超えている。これら崩壊剤は、単独使用のほかに、二
種以上併用することもできる。例えばクロスポビドン単
独、あるいはクロスポビドンと他の崩壊剤との併用が挙
げられる。このような崩壊剤は、口腔内崩壊錠の添加剤
の合計100重量部に対して、通常約1〜15重量部、
好ましくは約1〜10重量部程度含有させて、より好ま
しくは約3〜7重量部程度となるよう含有させる。
【0027】本発明の錠剤の製造方法は、室温を超える
温度の被覆粒体を打錠することに特徴を有する。本明細
書中、このように室温を超える温度に加熱した原料粉体
や粒体を打錠することを単に「加温打錠」と称すること
がある。本明細書中、「室温」とは、通常の錠剤の製造
において打錠を行う室内の温度をいい、その温度は通常
約20℃〜約23℃をいう。すなわち、「室温を超える
温度」とは、この温度を超える温度をいい、好ましくは
下限が約25℃であればよい。該温度は使用する被覆
剤、原料粉体や粒体等によって異なるが、通常、好まし
くは約25℃〜約50℃、さらに好ましくは約25℃〜
約40℃である。該温度は、所望する錠剤の品質に応じ
て変更することができる。例えば、本発明の製造方法で
得られた錠剤の耐酸率が目的の数値を上回る場合は、被
覆粒体の温度をより高くすればよい。
【0028】被覆粒体の温度を、室温を超える温度にす
る方法は、特に限定されない。例えば、非接触式の赤外
線ヒータや温風、或いは接触式の抵抗ヒータ等により、
被覆粒体を直接的に加温してもよく、あるいは、打錠機
全体ないし被覆粒体が接触する打錠機の部分(例、ロー
タリー式打錠機のターンテーブル(回転盤))を加温す
る、打錠機を小室に設置して小室を加温する、あるいは
打錠用臼杵および粒体供給部を部分的に覆う小室を加温
する等の方法で被覆粒体を間接的に加温してもよい。小
室の加温は、例えば、温かい空気を送風して行うことが
できる。また、被覆粒体と打錠機またはその部分、ある
いは被覆粒体と設置した小室の両方を加温してもよい。
打錠に付す被覆粒体あるいは打錠機の一部または全体を
を加温する場合、被覆粒体が直接接する部分(例えば、
回転盤、杵)は非接触的に加温するのが一般に好ましい
が、直接接しない部分については、接触式の抵抗ヒータ
などによる加温も効果的である。直接接しない部分と
は、回転盤裏面、上杵ホルダーあるいは下杵ホルダー等
を意味する。また、予め打錠機を空運転することによっ
て、打錠機を加温してもよい。さらに、打錠機を連続運
転することにより、打錠機の温度が上がるとともに外部
温度の影響を受けるのであれば、打錠機あるいはそれら
を設置する小室に適宜センサーを設け、上記温度に調整
することが好ましい。このような錠剤の製造装置として
は、打錠時における被覆粒体の温度を所定の温度に維持
する温度制御部を備えた錠剤の製造装置はいずれも用い
られるが、例えば下記のような装置が好適である。添付
図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。図
1は本発明に係る錠剤打錠装置の一実施形態であるロー
タリ式打錠機1を概略構成を示す。ただし、本発明の錠
剤打錠装置は、このロータリ式打錠機に限定されるもの
でない。打錠機1は、透明板材を組み合わせて構成され
た打錠室(ハウジング)2を有する。打錠室2には、モ
ータ3に駆動連結された垂直回転軸4が配置されてい
る。回転軸4は、ターンテーブル5を支持しており、モ
ータ3の駆動に基づいて回転軸4とターンテーブル5が
一定速度で所定の方向に回転するようにしてある。
【0029】ターンテーブル5には、回転軸4を中心と
する所定半径の円周上に一定の間隔をあけて、ターンテ
ーブル5を貫通し且つ回転軸4と平行に伸びる複数の打
錠セル(臼)6が形成されている。各打錠セル6の下方
には、この打錠セル6の内径とほぼ同一の外径の上端部
分を有する下部打錠ロッド(杵)7が配置されている。
各下部打錠ロッド7は回転軸4の回転と共に回転する昇
降機構(図示せず)に支持されており、ターンテーブル
5が一回転する間、回転位置に応じて、またモータ3の
駆動に基づいて、最も下降した位置(ロッド上端部分が
打錠セル内で最も下降している位置)と最も上昇した位
置(ロッド上端部分が打錠セルの上方に突出した位置)
との間を移動するようにしてある。
【0030】各打錠セル6の上方には、上部打錠ロッド
(杵)8が配置されている。各上部打錠ロッド8は、回
転軸4の回転と共に回転する昇降機構(図示せず)に支
持されており、ターンテーブル5が一回転する間、回転
位置に応じて、またモータ3の駆動に基づいて、最も下
降した位置(ロッド下端部分が打錠セル内で最も下降し
ている位置)と最も上昇した位置(ロッド下端部分が打
錠セルの上方に退避した位置)との間を移動するように
してある。また、各上部打錠ロッド8の下端部分は打錠
セル6の内径とほぼ同一の外径を有し、打錠セル6の中
で、下部打錠ロッド7の上端部分と協働して打錠用粉末
を上下から加圧して錠剤を成形できるようにしてある。
【0031】打錠機1はさらに、各打錠セル6に打錠用
粉末を供給し充填するために、粉末供給装置9を備えて
いる。この粉末供給装置9は、例えば、ターンテーブル
5上に粉末を落下供給する粉末供給用ホッパ10と、こ
のホッパ10からターンテーブル5に供給された打錠用
粉末を各打錠セル6に案内するフィーダ11を備えてい
る。
【0032】以上の構成を供えた打錠機1によれば、打
錠用粉末は、ホッパ11からターンテーブル5上に落下
供給される。ターンテーブル5上の粉末は、このターン
テーブル5の回転に基づき、フィーダ11によって各打
錠セル6に導かれる。打錠セル6に粉末が充填される
間、下部打錠ロッド7は最も下降した位置にあり、これ
により所定量の粉末が各打錠セル6に充填される。次
に、所定量の粉末が充填された打錠セル6に対し、その
上方から上部打錠ロッド8の下端部分が挿入される。同
時に、下部打錠ロッド7が上昇する。その結果、打錠セ
ル6内の粉末は、下部打錠ロッド7と上部打錠ロッド8
との間で圧縮されて錠剤に成形される。錠剤成形後、上
部打錠ロッド8は打錠セル6からその上方に退避する。
そして、成形された錠剤は、下部打錠ロッド7の上昇に
よって打錠セル6から押し出され、ターンテーブル5の
外周に設けたトレイ(図示せず)に回収される。
【0033】つぎに、打錠機1の加温装置について説明
する。加温装置12は、打錠機1による錠剤の製造前ま
たは製造中、打錠用粉末(主薬細粒と賦形剤粉末の混合
末)を所定温度または所定温度範囲に保つものである。
そのために、本実施の形態において、加温装置12は、
温風加熱器13と、放射加熱器(接触式および非接触式
の加熱器)14とを備えている。温風加熱器13は、温
風発生源15と、この温風発生源15で生成された温風
を打錠室2に案内する断熱給気ダクト16と、打錠室2
の空気を外部に導くための排気ダクト17を備えてい
る。一方、放射加熱器14は、打錠室2の内部、特にタ
ーンテーブル5の近傍に該ターンテーブルと非接触に配
置された一つまたは複数の非接触式ヒータ(例えば、赤
外線ヒータ18a)と、ターンテーブル5の下面または
外周面に接触して設けた接触式ヒータ(例えば、抵抗ヒ
ータ18b)を有する。これら非接触式ヒータ18aお
よび接触式ヒータ18bは着脱可能とし、不要時には打
錠室2から取り出すことができるようにするのが好まし
い。
【0034】加温装置12を制御するために、打錠室2
には複数の温度検出器19(19a〜19e)が配置さ
れている。温度検出器19の配置位置としては、例え
ば、ターンテーブル5、ホッパ10、給気ダクト16、
排気ダクト17の表面またはそれらの近傍の一ヵ所以上
が好ましい。しかし、打錠用粉末の温度またはターンテ
ーブル5の温度を直接的または間接的に検出し得る限
り、温度検出器の配置場所は特定の場所に限定されるも
のでない。
【0035】図2に示すように、加温装置12を制御す
る加温制御部20は、上記した温風発生源15、非接触
式赤外線ヒータ18aまたは接触式抵抗ヒータ18bな
どの加温装置12、複数の温度検出器19、打錠機駆動
モータ制御部21、電源スイッチ22と電気的に接続さ
れている。
【0036】このように構成された加温制御部20は、
図3に示すプログラムに基づいて動作する。なお、この
プログラムは、打錠機1の全体を管理するメインプログ
ラムのサブルーチンであって、メインプログラムでタイ
マ設定される一定時間ごとに繰返し実行される。具体的
に、加温制御部20は、まず電源スイッチ22がオンさ
れているか否かを判断する(ST1)。電源スイッチ2
2がオフされている場合、プログラムは待機する。電源
スイッチ22がオンされると、温度検出器19の検出温
度tが所定の基準温度αを超えているか否か判断する
(ST2)。
【0037】基準温度αは温度検出器19の検出部位
(対象)に応じて異なり、各センサに応じて設定するこ
とができる。例えば、温度検出器19が打錠室2の雰囲
気温度(室温)を検出する場合、基準温度αは例えば2
5℃に設定される。しかし、基準温度はその値に限定さ
れるものでなく、例えば約25℃〜約50℃の範囲の適
当な値に設定することができる。一方、温度検出器19
がターンテーブル5の表面温度または打錠用粉末が接触
する部位の温度を検出する場合、基準温度は約30℃〜
約40℃の任意の値に設定する。
【0038】検出温度tが基準温度以下の場合、加温装
置12をオンし(ST3)、打錠機駆動モータ制御部2
1を介してモータ3の駆動を禁止する(ST4)。その
結果、打錠前の打錠用粉末の温度が基準温度以上になる
まで、打錠装置は待機することになる。一方、加温装置
12によって打錠粉末が十分に加温されて検出温度tが
基準温度を越えると、加温装置12はオフし(ST
5)、打錠機駆動モータ制御部21を介してモータ3の
駆動を許可する(ST6)。なお、打錠中もセンサの出
力をもとに温度制御してもよいが、打錠中は装置内で発
生する熱によって打錠用粉末の温度が所定の基準温度以
上に維持できる場合、打錠開始後の下限温度制御は不要
である。
【0039】室温を超える温度の被覆粒体を打錠する事
を除けば、本発明の錠剤は、製剤分野における慣用の方
法により製造される。例えば、被覆粒体、所望により添
加剤および水と混合し、打錠し、さらに所望により乾燥
する方法が挙げられる。「混合」は、一般に用いられる
混合方法、例えば混合、練合、造粒などにより行われ
る。該「混合」は、例えばバーチカルグラニュレーター
VG10(パウレック社製)、万能練合機(畑鉄工所
製)、流動層造粒機LAB−1、FD−3S(パウレッ
ク社製)、V型混合機、タンブラー混合機などの装置を
用いて行われる。
【0040】「打錠」は、単発錠剤機(菊水製作所
製)、ロータリー式打錠機(菊水製作所製)などを用
い、1〜80kN/cm、5〜50kN/cm、好
ましくは15〜40kN/cmの圧力で打錠すること
により行われる。また、ロータリー式打錠機の場合、通
常の回転数、例えば、3〜120min−1、好ましく
は3〜80min−1、より好ましくは5〜60min
−1で打錠すればよい。「乾燥」は、例えば真空乾燥、
流動層乾燥など製剤一般の乾燥に用いられる何れの方法
によってもよい。
【0041】かくして得られる本発明の錠剤は、被覆粒
体の被覆膜の破壊が減じられている。例えば、酸に不安
定な生理活性物質を被覆粒体に含む錠剤の場合、ロータ
リー式打錠機を用いて通常の圧力および回転数で製造さ
れた錠剤であっても、酸性溶液中での溶出率、すなわち
耐酸率が低減される。用いる被覆剤にもよるが、通常約
10%以下に、さらには約7%以下に低減できる。用い
る成分にもよるが、さらに好適な耐酸率は約5%以下、
より好ましくは約3%以下である。最も好ましくは、約
1%以下にすることも可能である。ここで、耐酸率と
は、日局溶出試験法第2法により0.1N HCl 50
0mL(75rpm)で、1時間溶出試験し、溶出液を
採取し、0.45μmのメンブランフィルターでろ過し
た後、吸光度を測定し、0.1N HClへの薬物の溶
出率を算出することにより求められる。また、本発明の
加温打錠した錠剤は、室温の粉体や粒体を打錠した錠剤
と比べて硬度が向上している。このような錠剤として
は、被覆粒体を原料として用いる場合のみならず、通常
の粉体や粒体を用いた場合も、向上した硬度の錠剤が得
られる。ここで、錠剤の硬度とは、錠剤の硬さを示す度
合であるが、通常、錠剤の直径方向に圧縮して破壊する
ときの圧縮力をいう。硬度は、錠剤の大きさや打錠圧に
もよるが、本発明によれば通常の打錠圧であっても約1
0〜300Nの硬度が達成できる。上記した被覆粒体を
加温打錠に付した場合、耐酸率と硬度が共に改善された
錠剤が得られる。例えば、通常約10〜200N、好ま
しくは約15〜80Nの硬度が達成できる。例えば、最
も低硬度の錠剤に属する直径9mmの腸溶性被覆粒体を
含有する口腔内崩壊錠の場合、本発明によれば、通常の
打錠圧で約10〜50N、好ましくは約15〜40N、
より好ましくは20〜35Nの硬度が得られる。したが
って、所望の耐酸率、被覆膜の強度および硬度を維持す
るために、圧力を上げたり回転数を下げたりする必要が
なく、生産効率を下げることなく所望の特性の錠剤を製
造することができる。
【0042】本発明の製造方法で得られる錠剤は、通常
の錠剤と同様に服用することが出来る。例えば、口腔内
崩壊錠の場合、水なしで咀嚼等して嚥下する事などによ
り服用すればよい。また、該錠剤の投与量は、医薬成
分、投与対象、疾患の種類等により異なるが、医薬成分
としての投与量が有効量となる範囲から選択すればよ
い。例えば医薬成分がランソプラゾールである場合、本
発明の速崩壊性固形製剤は、消化性潰瘍(例、胃潰瘍、
十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、ゾリンジャー・エリソン
(Zollinger-Ellison)症候群等)、胃炎、逆流性食道
炎、食道炎を伴わない胃食道逆流症(symptomatic Gast
roesophageal Reflux Disease (symptomatic GERD))等
の治療および予防;H.ピロリ除菌;消化性潰瘍、急性
ストレス潰瘍および出血性胃炎による上部消化管出血の
抑制;侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大
手術や集中治療を必要とする脳血管障害、頭部外傷、多
臓器不全、広範囲熱傷から起こるストレス)による上部
消化管出血の抑制;非ステロイド系抗炎症剤に起因する
潰瘍の治療および予防;手術後ストレスによる胃酸過多
および潰瘍の治療および予防;麻酔前投与等に有用であ
り、その投与量は、成人1人(60kg体重)あたり、
ランソプラゾールとして0.5〜1500mg/日、好ま
しくは5〜500mg/日、より好ましくは5〜150mg
/日である。なお、ランソプラゾールは他の薬剤(抗腫
瘍剤、抗菌剤等)と併用してもよい。とりわけ、エリス
ロマイシン系抗生物質(例、クラリスロマイシン等)と
ペニシリン系抗生物質(例、アモキシシリン等)と併用
することによりH.ピロリ除菌にすぐれた効果が達成で
きる。
【0043】医薬成分がボグリボースである場合、本発
明の錠剤は、肥満症、脂肪過多症、過脂肪血症、糖尿病
等の治療および予防に有用であり、その投与量は、成人
1人(60kg体重)あたり、ボグリボースとして0.
01〜30mg/日、好ましくは0.01〜10mg/
日、より好ましくは0.1〜3mg/日である。該錠剤
は、1日1回または2〜3回に分けて投与してもよい。
【0044】
【実施例】以下に、実施例および参考例を挙げて本発明
をさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定する
ものではない。実施例で得られた錠剤の物性は、下記試
験法によって測定した。 [硬度試験]錠剤硬度計(富山産業(株)製)を用いて
測定した。試験は10回行い、その平均値を示す。 [耐酸率:0.1N HClでの溶出率]日局溶出試験
法第2法により0.1N HCl 500mL(75rp
m)で、1時間溶出試験し、溶出液を採取し、0.45
μmのメンブランフィルターでろ過した後、吸光度を測
定し、0.1N HClへの薬物の溶出率を算出した。
【0045】実施例1 (1)有核散剤の製造 ノンパレル105(商品名)(粒子径100〜200μ
m)41.58kgを転動流動型コーティング造粒機
〔パウレック社製、MP−400型〕に入れ、定常状態
の排気温度が約31℃になるよう送風温度をコントロー
ルし、タンジェンシャルスプレー方式で、供給速度1.
4kg/分となるように、予め調製した下記組成のバル
ク液を噴霧コーティングした。規定量257.6kgの
バルク液を噴霧した時点で、引き続き(2)の下掛けフ
ィルム有核散剤の製造に移行した。 [バルク液] ランソプラゾール 39.6kg 炭酸マグネシウム 13.2kg 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−32 6.6kg (ヒドロキシプロポキシル基含量:8.8重量%) ヒドロキシプロピルセルロース(タイプSL) 13.2kg 精製水 185L
【0046】(2)下掛フィルム有核散剤の製造 上記(1)の有核散剤の製造に引き続き、定常状態の排
気温度が約41℃になるよう送風温度をコントロール
し、予め調製した下記組成の下掛フィルム液をタンジェ
ンシャルスプレー方式で、供給速度1.2kg/分とな
るように噴霧した。規定量132.0kgのフィルム液
を噴霧した時点で噴霧をとめ、そのまま乾燥を約11分
間行った後、42号の丸篩(350μm)と100号の
丸篩(150μm)で篩過し、下掛フィルム有核散剤1
32kgを得た。 [下掛フィルム液] ヒドロキシプロピルメチルセルロース 9.24kg (タイプ2910、粘度3センチストークス) 酸化チタン(TiO) 3.96kg 滅菌タルク〔松村産業(株)製〕 3.96kg 低置換度ヒドロキシプロピルセルロースLH−32 6.6kg (ヒドロキシプロポキシル基含量:8.8重量%) マンニトール 9.24kg 精製水 99.0L
【0047】(3)腸溶性有核散剤の製造 上記(2)の下掛フィルム有核散剤44.0kgを転動
流動型コーティング造粒機〔パウレック社製、MP−4
00型〕に入れ、定常状態の排気温度が約42℃になる
よう送風温度をコントロールし、予め調製した下記組成
の腸溶性フィルム液(A)をタンジェンシャルスプレー
方式で、供給速度1.05kg/分となるように、規定
量54.6kgの腸溶性フィルム液を噴霧した。 [腸溶性フィルム液(A)] オイドラギットL30D−55 32.05kg オイドラギットNE30D 3.570kg ポリエチレングリコール6000 1.071kg モノステアリン酸グリセリン 0.629kg ポリソルベート80 0.189kg 三二酸化鉄 0.006kg 黄色三二酸化鉄 0.006kg 無水クエン酸 0.013kg 精製水 44.3L 引き続き、定常状態の排気温度が約42℃になるよう送
風温度をコントロールし、予め調製した下記組成の腸溶
性フィルム液(B)をタンジェンシャルスプレー方式
で、供給速度1.00kg/分となるように、規定量2
01.6kgの腸溶性フィルム液を噴霧した。 [腸溶性フィルム液(B)] オイドラギットL30D−55 117.6kg オイドラギットNE30D 13.06kg クエン酸トリエチル 7.854kg モノステアリン酸グリセリン 2.521kg ポリソルベート80 0.756kg 三二酸化鉄 0.025kg 黄色三二酸化鉄 0.025kg 無水クエン酸 0.021kg 精製水 59.7L 引き続き、定常状態の排気温度が約42℃になるよう送
風温度をコントロールし、予め調製した上記組成の腸溶
性フィルム液(A)をタンジェンシャルスプレー方式
で、供給速度1.05kg/分となるように、規定量2
7.3kgの腸溶性フィルム液を噴霧した。
【0048】(4)マンニトールのオーバーコート腸溶
性有核散剤の製造 上記(3)に引き続き、定常状態の排気温度が約42℃
になるよう送風温度をコントロールし、予め調製した下
記組成のフィルム液をタンジェンシャルスプレー方式
で、供給速度0.64kg/分となるように噴霧した。
規定量29.4kgを噴霧した時点で噴霧をとめ、その
まま乾燥を続け排気温度が65℃に達した後、冷却し
た。これを、35号の丸篩(420μm)と60号の丸
篩(250μm)を用いて篩過し、106kgのオーバ
ーコート腸溶性有核散剤を得た。得られたオーバーコー
ト腸溶性有核散剤の平均粒径は、340μmであった。 [フィルム液] マンニトール 4.2kg 精製水 25.2L
【0049】(5)添加剤造粒末の製造 流動層造粒乾燥機〔パウレック社製、FD−WSG−1
5型〕に粉砕マンニトール9.45kg、低置換度ヒド
ロキシプロピルセルロース(LH―33)1.5kg、
結晶セルロース1.5kg、クロスポビドン0.75k
g、アスパルテーム0.45kgをいれ、給気温度67
℃、給気量4m/分で流動させ、マンニトール0.7
5kg、無水クエン酸0.15kgを精製水5.1kg
に溶解させた液を供給速度87g/分で全量噴霧し、噴
霧終了後に排気温度が45℃になるまで乾燥を行い乾燥
末を得た。得られた乾燥末をスクリーンサイズ1.5m
mφのパワーミル〔昭和化学機械工作所製〕で整粒し添
加剤造粒末を得た。
【0050】(6)混合末の製造 上記(4)のオーバーコート腸溶性有核散剤5.294
kgと上記(5)の添加剤造粒末5.926kgおよび
フレーバー(STRAWBERRY DURAROME、日本フィルメニッ
ヒ(株))0.06kgをタンブラー混合機〔昭和化学
機械工作所製、TM−60S型〕に入れ、回転数20m
in−1で5分間混合を行い、ステアリン酸マグネシウ
ム0.12kgを加え更に回転数20min−1で1分
間混合を行い混合末を得た。
【0051】(7)口腔内崩壊錠の製造 上記の混合末1kgをロータリー式打錠機〔菊水製作所
製、Correct 19K型〕を用いて、1錠285mg、9m
mφ隅角平面の杵で打錠圧が約19kN/杵になるよう
に打錠した。このとき、混合末は室温(21℃)の混合
末と恒温機で50℃に加温した混合末の2水準を用い、
打錠機は室温(21℃)の場合(通常の場合)と粉末供
給部および臼杵が設置され安全カバーで囲われた空間
(以降の実施例で打錠チャンバーと称する)を温風によ
り40℃から50℃に加温した場合の2水準とした。加
温した混合末の温度が下がらないよう速やかに打錠する
とともに、打錠中も温風による打錠チャンバーの加温を
継続した。以降の実施例において、室温の混合末を室温
の打錠機で打錠した場合を従来条件、混合末と打錠機の
両方またはそのいずれかを加温して打錠する方法を加温
打錠と称する。
【0052】(8)加温打錠による効果 得られた錠剤の硬度と酸性溶液中の溶出率(以降の実施
例で耐酸率と称する。耐酸率が低いほど耐酸性が優れて
いる。)は表1の通りであった。
【0053】
【表1】
【0054】表1に示したように、混合末、打錠機の両
者を加温することで、耐酸率は0.8%つまり従来条件
での9.2%の約1/10まで耐酸性を改善できたが、
この加温混合末を再び室温に冷却して従来条件で打錠す
ると耐酸率は5.8%になった。言い換えれば、前処理
として一旦混合末を加温してから従来条件で打錠するこ
とで耐酸率は9.2%から5.8%に改善できたが、打
錠中に加温状態を維持することでさらに耐酸性が改善さ
れ耐酸率は0.8%となった。また、同程度の打錠圧で
あっても、打錠機を加温することで硬度が上がった。
【0055】実施例2 以下の(1)〜(5)については実施例1に同じ。 (1)有核散剤の製造 (2)下掛フィルム有核散剤の製造 (3)腸溶性有核散剤の製造 (4)マンニトールのオーバーコート腸溶性有核散剤の
製造 (5)添加剤造粒末の製造 (6)混合末の製造 (7)口腔内崩壊錠の製造 上記(6)の混合末1kgをロータリー式打錠機〔菊水
製作所製、Correct 19K型〕を用いて、大きさ、重量の
異なる2種類の錠剤(以降で錠剤A、錠剤Bと略す)を
打錠した。錠剤Aは1錠285mgで9mmφ隅角平面
の杵で硬度が25N付近になるように打錠し、錠剤Bは
1錠570mgで12mmφ隅角平面の杵で硬度が36
N付近になるように打錠した。このとき、混合末は恒温
機で加温し混合末の温度が下がらないよう速やかに打錠
するとともに、打錠機は打錠前および打錠中に打錠チャ
ンバーを温風で加温することにより、混合末と打錠機の
平均的な温度が室温〜40℃の加温水準となるようし
た。
【0056】(8)加温打錠による効果 錠剤Aについて得られた錠剤の硬度と耐酸率は表2の通
りであった。なお、表2中の※印は、実施例1で示した
従来条件および混合末と打錠機の両者を加温した条件で
ある。
【0057】
【表2】 表2に示したように、混合末と打錠機の加温水準が高い
温度であるほど、耐酸率は低くなった。また、同程度の
硬度でも加温水準が高い温度であるほど低い打錠圧にす
ることができた、すなわち同程度の打錠圧で硬度を高め
ることができた。錠剤Bについて得られた錠剤の硬度と
耐酸率は表3の通りであった。なお、表3中の※印が室
温の混合末を室温の打錠機で打錠した場合である。
【0058】
【表3】 表3に示したように、混合末と打錠機の加温水準が高い
温度であるほど、耐酸率は低くなった。また、同程度の
硬度でも加温水準が高い温度であるほど低い打錠圧にす
ることができた、すなわち同程度の打錠圧で硬度を高め
ることができた。また、錠剤A、錠剤Bについて加温水
準が同程度であれば耐酸率は同程度であった。
【0059】実施例3 (1)有核散剤の製造 ノンパレル105(商品名)(粒子径100〜200μ
m)41.58kgを転動流動型コーティング造粒機
〔パウレック社製、MP−400型〕に入れ、定常状態
の排気温度が約31℃になるよう送風温度をコントロー
ルし、タンジェンシャルスプレー方式で、供給速度1.
4kg/分となるように、予め調製した下記組成のバル
ク液を噴霧コーティングした。規定量257.6kgの
バルク液を噴霧した時点で、引き続き(2)の下掛けフ
ィルム有核散剤の製造に移行した。 [バルク液] ランソプラゾール 39.6kg 炭酸マグネシウム 13.2kg 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−32 6.6kg (ヒドロキシプロポキシル基含量:8.8重量%) ヒドロキシプロピルセルロース(タイプSL) 13.2kg 精製水 185L
【0060】(2)下掛フィルム有核散剤の製造 上記(1)の有核散剤の製造に引き続き、定常状態の排
気温度が約41℃になるよう送風温度をコントロール
し、予め調製した下記組成の下掛フィルム液をタンジェ
ンシャルスプレー方式で、供給速度1.2kg/分とな
るように噴霧した。規定量132.0kgのフィルム液
を噴霧した時点で噴霧をとめ、そのまま乾燥を約10分
間行った後、42号の丸篩(350μm)と100号の
丸篩(150μm)で篩過し、下掛フィルム有核散剤1
32kgを得た。 [下掛フィルム液] ヒドロキシプロピルメチルセルロース 9.24kg (タイプ2910、粘度3センチストークス) 酸化チタン(TiO) 3.96kg 滅菌タルク〔松村産業(株)製〕 3.96kg 低置換度ヒドロキシプロピルセルロースLH−32 6.6kg (ヒドロキシプロポキシル基含量:8.8重量%) マンニトール 9.24kg 精製水 99.0L
【0061】(3)腸溶性有核散剤の製造 上記(2)の下掛フィルム有核散剤44.0kgを転動
流動型コーティング造粒機〔パウレック社製、MP−4
00型〕に入れ、定常状態の排気温度が約42℃になる
よう送風温度をコントロールし、予め調製した下記組成
の腸溶性フィルム液(A)をタンジェンシャルスプレー
方式で、供給速度1.05kg/分となるように、規定
量54.6kgの腸溶性フィルム液を噴霧した。 [腸溶性フィルム液(A)] オイドラギットL30D−55 32.05kg オイドラギットNE30D 3.570kg ポリエチレングリコール6000 1.071kg モノステアリン酸グリセリン 0.629kg ポリソルベート80 0.189kg 三二酸化鉄 0.006kg 黄色三二酸化鉄 0.006kg 無水クエン酸 0.013kg 精製水 44.3L 引き続き、定常状態の排気温度が約42℃になるよう送
風温度をコントロールし、予め調製した下記組成の腸溶
性フィルム液(B)をタンジェンシャルスプレー方式
で、供給速度1.00kg/分となるように、規定量2
01.6kgの腸溶性フィルム液を噴霧した。 [腸溶性フィルム液(B)] オイドラギットL30D−55 117.6kg オイドラギットNE30D 13.06kg クエン酸トリエチル 7.854kg モノステアリン酸グリセリン 2.521kg ポリソルベート80 0.756kg 三二酸化鉄 0.025kg 黄色三二酸化鉄 0.025kg 無水クエン酸 0.021kg 精製水 59.7L 引き続き、定常状態の排気温度が約42℃になるよう送
風温度をコントロールし、予め調製した上記組成の腸溶
性フィルム液(A)をタンジェンシャルスプレー方式
で、供給速度1.05kg/分となるように、規定量2
7.3kgの腸溶性フィルム液を噴霧した。
【0062】(4)マンニトールのオーバーコート腸溶
性有核散剤の製造 上記(3)に引き続き、定常状態の排気温度が約42℃
になるよう送風温度をコントロールし、予め調製した下
記組成のフィルム液をタンジェンシャルスプレー方式
で、供給速度0.90kg/分となるように噴霧した。
規定量29.4kgを噴霧した時点で噴霧をとめ、その
まま乾燥を続け排気温度が65℃に達した後、冷却し
た。これを、35号の丸篩(420μm)と60号の丸
篩(250μm)を用いて篩過し、106kgのオーバ
ーコート腸溶性有核散剤を得た。得られたオーバーコー
ト腸溶性有核散剤の平均粒径は、357μmであった。 [フィルム液] マンニトール 4.2kg 精製水 25.2L
【0063】(5)添加剤造粒末の製造 流動層造粒乾燥機〔Glatt社製、WSG120〕に粉砕
マンニトール75.6kg、低置換度ヒドロキシプロピ
ルセルロース(LH―33)12kg、結晶セルロース
12kg、クロスポビドン6kg、アスパルテーム3.
6kgをいれ、給気温度90℃、給気量1700m
hrで流動させ、マンニトール7.38kg、無水クエ
ン酸1.476kgを精製水50.2Lに溶解させた液
を噴霧した。液の供給速度は1200g/minから開
始し途中で750g/minから650g/minに調
節し、規定量48kgの液を噴霧した時点で噴霧をとめ
た。噴霧終了後、給気量を1700m/hrから160
0m/hrに調節し、排気温度が58℃になるまで乾燥
をおこない乾燥末を得た。得られた乾燥末をスクリーン
サイズ1.5mmφのComil〔Quadro社製〕で整粒し添
加剤造粒末を得た。
【0064】(6)混合末の製造 上記(4)のオーバーコート腸溶性有核散剤108.8
8kgと上記(5)の添加剤造粒末115.55kgお
よびフレーバー(STRAWBERRY DURAROME、日本フィルメ
ニッヒ(株))1.2kgをV型混合機〔Pharmatech社
製、800L〕に入れ、回転数10min−1で10分間混
合を行い、ステアリン酸マグネシウム2.4kgを加え
更に回転数5min−1で1分間混合を行い混合末を得
た。
【0065】(7)口腔内崩壊錠の製造 上記(6)の混合末7.4kgをロータリー式打錠機
〔Fette社製、2090型〕を用いて、1錠285mg、9
mmφ隅角平面の杵で打錠圧が約17kN/杵になるよ
うに打錠した。打錠機回転数は39min−1(10万
錠/hr)と50min−1(12.9万錠/hr)の
2水準とした。このとき、混合末は恒温機で加温し、打
錠機は打錠前にロータリーターンテーブルを主体に打錠
チャンバーを温風で加温することにより、混合末と打錠
機の平均的な温度が室温(20℃)〜40℃の加温水準
となるようした。
【0066】(8)加温打錠による効果 それぞれの打錠機回転数で得られた錠剤の耐酸率は表
4、表5の通りであった。
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】表4、表5に示したように、混合末と打錠
機の加温水準が高い温度であるほど、耐酸率は低くなっ
た。また、従来条件(混合末と打錠機の温度はいずれも
室温)では打錠機回転数を遅くして打錠中の圧縮速度を
遅くすると耐酸性を向上できることがわかっており、例
えば耐酸率を3〜5%に改善するには打錠機回転数を1
0min−1程度に遅くする必要があった。加温打錠に
より打錠機回転数を遅くせずに耐酸率を改善することが
できた。
【0070】また、それぞれの打錠機回転数で得られた
錠剤の硬度は表6,表7の通りであった。
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】
【0073】表6、表7に示したように、錠剤硬度は加
温打錠により従来条件に比べて高くなった。
【0074】実施例4 工業的生産用ロータリ式打錠機(菊水社製、杵数45
本)のターンテーブル(直径 520mmφ)を、ター
ンテーブルにとりつけた接触式抵抗ヒータにより加温
し、ターンテーブル温度が目的温度まで上昇することを
確認した。接触式抵抗ヒータには、シート状のシリコン
ラバーヒータ(262.5W/450cm)を用い、
電圧を調整することによりヒータ温度を45、50、5
5、60℃とし、検討を行った。結果を表8に示した。
接触式抵抗ヒータにより、ロータリ式打錠機ターンテー
ブルが目的とする温度(30−40℃)に加温されるこ
とを確認した。
【表8】
【0075】実施例5 (1)打錠機の予熱加温 工業的生産用ロータリー式打錠機(Fette社製、209
0型)のターンテーブル(直径535mmφ)、上杵フ
ォルダーおよび下杵フォルダーを接触式抵抗ヒータによ
り加温し、ターンテーブル温度を45℃まで昇温させ
た。ッ接触式抵抗ヒータには、シート状のシリコンラバ
ーヒータ(合計:975W)を用いた。 (2)口腔内崩壊錠の製造 実施例3の(6)項と同様の製法にて調製した混合末5
5kg(室温)を用い、(1)にて予熱実施済みのロー
ターリー式打錠機(Fette社製、2090型)にて、1
錠570mg、12mmφ隅角平面の杵で硬度が37N
付近になるように打錠した。打錠機回転数は39min
―1(10万錠/hr)と50mm−1(12.5万錠
/hr)とし、ターンテーブル温度が28〜36℃の時
点でサンプリングを行なった。対照としてターンテーブ
ル温度が室温(混合末も室温)のものを作製し、ターン
テーブルを予熱したものと耐酸率を比較した。 (3)加温打錠による効果 それぞれの打錠機回転数で得られた錠剤の耐酸率を表9
にまとめた。その結果、工業的生産用ローターリー式打
錠機を接触式抵抗ヒーターにより加温打錠した場合、室
温で打錠した場合に比べ、耐酸率が低くなり、耐酸性が
より改善されることが示された。
【表9】
【0076】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明の製造
方法で得られる錠剤は、被覆粒体の被覆膜の破壊が減じ
られている。したがって、酸に不安定な生理活性物質を
含有する腸溶性被覆粒体を含む錠剤にあっては、胃中の
ような酸の存在下での溶出が改善される。また、錠剤の
硬度の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明に係る錠剤打錠装置の一実施形
態であるロータリ式打錠機の概略構成を示す図である。
【図2】 図2は図1の装置の加温装置制御の概略構成
を示す図である。
【図3】 図3は図2の加温装置を動作させるプログラ
ムを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C076 AA31 AA38 BB01 CC29 EE11H EE32H FF31 FF52 GG14 4C086 AA01 AA02 BC39 GA08 MA05 MA35 MA41 MA52 NA09 NA12 ZA68

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生理活性物質を含有する室温を超える温
    度の被覆粒体を打錠することを特徴とする錠剤の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 生理活性物質が、酸に不安定な生理活性
    物質である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸に不安定な生理活性物質がプロトンポ
    ンプインヒビター(PPI)である請求項2記載の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 PPIがベンズイミダゾール系化合物ま
    たはその塩である請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 ベンズイミダゾール系化合物がランソプ
    ラゾールまたはその光学活性体である請求項3記載の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 被覆粒体が腸溶性被覆された粒体である
    請求項1記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 腸溶性被覆層が水系腸溶性高分子基剤を
    含有する請求項5記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 水系腸溶性高分子基剤がメタアクリル酸
    共重合体である請求項6記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 室温を超える温度が約25℃以上である
    請求項1記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 室温を超える温度が約25℃〜約50
    ℃の温度である請求項1記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 室温を超える温度が約25℃〜約40
    ℃の温度である請求項1記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 錠剤が口腔内崩壊錠である請求項1記
    載の製造方法。
  13. 【請求項13】 酸に不安定な生理活性物質を含有し、
    約25℃〜約50℃に加温した腸溶性被覆粒体を打錠す
    ることを特徴とする口腔内崩壊錠の製造方法。
  14. 【請求項14】 打錠機を加温する請求項13記載の製
    造方法。
  15. 【請求項15】 打錠機がロータリー式打錠機であり、
    そのロータリーターンテーブルを加温後に打錠する請求
    項14の製造方法。
  16. 【請求項16】 生理活性物質を含有する被覆粒体を、
    室温を超える温度に加温して打錠することを特徴とする
    当該被覆粒体の被覆膜の破壊を減じる方法。
  17. 【請求項17】 生理活性物質を含有する被覆粒体を、
    室温を超える温度に加温して打錠することを特徴とする
    当該被覆粒体を含有する錠剤の耐酸率を低下させる方
    法。
  18. 【請求項18】 生理活性物質を含有する被覆粒体を、
    室温を超える温度に加温して打錠することを特徴とする
    錠剤の硬度を向上させる方法。
  19. 【請求項19】 生理活性物質を含有する組成物を被覆
    層で被覆し、得られた被覆粒体に添加剤を添加し、被覆
    粒体と添加剤との混合物を、室温を超える温度に加温
    し、打錠して得られる錠剤。
  20. 【請求項20】 生理活性物質が、酸に不安定な生理活
    性物質である請求項19記載の錠剤。
  21. 【請求項21】 酸に不安定な生理活性物質がベンズイ
    ミダゾール系化合物またはその塩のPPIである請求項
    20記載の錠剤。
  22. 【請求項22】 ベンズイミダゾール系化合物がランソ
    プラゾールまたはその光学活性体である請求項21記載
    の錠剤。
  23. 【請求項23】 請求項1記載の方法で得られる錠剤。
  24. 【請求項24】 加温打錠により耐酸率が改善された錠
    剤。
  25. 【請求項25】 加温打錠により硬度が高められた錠
    剤。
  26. 【請求項26】 加温打錠により含有する被覆粒体の被
    覆膜の破壊が減じられた錠剤。
  27. 【請求項27】 耐酸率が約10%以下であり、硬度が
    高められ、被覆粒体の被覆膜の破壊が減じられている、
    被覆粒体を含有する錠剤。
  28. 【請求項28】 ランソプラゾールまたはその光学活性
    体を含有する腸溶性被覆された、室温を超える温度に加
    温された粒体。
  29. 【請求項29】 腸溶性被覆層が水系腸溶性高分子基剤
    を含有する請求項28記載の粒体。
  30. 【請求項30】 水系腸溶性高分子基剤がメタアクリル
    酸共重合体である請求項28記載の粒体。
  31. 【請求項31】 室温を超える温度が約25℃以上であ
    る請求項28記載の粒体。
  32. 【請求項32】 室温を超える温度が約25℃〜約50
    ℃の温度である請求項28記載の粒体。
  33. 【請求項33】 室温を超える温度が約25℃〜約40
    ℃の温度である請求項30記載の粒体。
  34. 【請求項34】 酸に不安定な生理活性物質を含有する
    腸溶性被覆された、室温を超える温度に加温された粒体
    の耐酸性が改善された錠剤製造のための使用。
JP2002178053A 2001-06-20 2002-06-19 錠剤の製造方法 Expired - Lifetime JP5138856B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002178053A JP5138856B2 (ja) 2001-06-20 2002-06-19 錠剤の製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001186433 2001-06-20
JP2001-186433 2001-06-20
JP2001186433 2001-06-20
JP2002178053A JP5138856B2 (ja) 2001-06-20 2002-06-19 錠剤の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010200866A Division JP5002044B2 (ja) 2001-06-20 2010-09-08 錠剤の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003081814A true JP2003081814A (ja) 2003-03-19
JP5138856B2 JP5138856B2 (ja) 2013-02-06

Family

ID=26617266

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002178053A Expired - Lifetime JP5138856B2 (ja) 2001-06-20 2002-06-19 錠剤の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5138856B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004339071A (ja) * 2003-05-13 2004-12-02 Towa Yakuhin Kk 苦味を低減した口腔内崩壊錠剤
JP2005060309A (ja) * 2003-08-13 2005-03-10 Towa Yakuhin Kk 不快な味を低減した口腔内崩壊錠剤
JP2005526047A (ja) * 2002-02-21 2005-09-02 バイオヴェイル ラボラトリーズ インコーポレイテッド 徐放性製剤
JP2007504195A (ja) * 2003-09-02 2007-03-01 グラクソ グループ リミテッド 腸溶性ポリマーでコーティングされたピリミジン−a−オン誘導体を含んでなる医薬製剤
WO2007074856A1 (ja) 2005-12-28 2007-07-05 Takeda Pharmaceutical Company Limited 口腔内崩壊性固形製剤の製造法
JP2010540596A (ja) * 2007-10-04 2010-12-24 ラボラトリオス・デル・ドクトル・エステベ・ソシエダッド・アノニマ 固形投薬形態のための機械的保護層
WO2012074110A1 (ja) * 2010-12-03 2012-06-07 武田薬品工業株式会社 口腔内崩壊錠
WO2015053227A1 (ja) * 2013-10-07 2015-04-16 富士フイルム株式会社 口腔内崩壊錠
JP2018090510A (ja) * 2016-11-30 2018-06-14 共和薬品工業株式会社 デュロキセチン塩酸塩を含む口腔内崩壊錠
JP2018177784A (ja) * 2017-04-14 2018-11-15 富士化学工業株式会社 錠剤及びその製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08109126A (ja) * 1994-10-07 1996-04-30 Amano Pharmaceut Co Ltd 耐衝撃性腸溶性顆粒剤およびこれを含有する錠剤
EP0711828A2 (en) * 1994-11-14 1996-05-15 Unilever Plc Detergent compositions
JPH09502740A (ja) * 1994-07-08 1997-03-18 アストラ・アクチエボラーグ プロトンポンプ抑制剤を含有する複数単位の製剤
JP2000281564A (ja) * 1998-05-18 2000-10-10 Takeda Chem Ind Ltd 医薬製剤

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09502740A (ja) * 1994-07-08 1997-03-18 アストラ・アクチエボラーグ プロトンポンプ抑制剤を含有する複数単位の製剤
JPH08109126A (ja) * 1994-10-07 1996-04-30 Amano Pharmaceut Co Ltd 耐衝撃性腸溶性顆粒剤およびこれを含有する錠剤
EP0711828A2 (en) * 1994-11-14 1996-05-15 Unilever Plc Detergent compositions
JP2000281564A (ja) * 1998-05-18 2000-10-10 Takeda Chem Ind Ltd 医薬製剤

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
J PHARM PHARMACOL, vol. 1983, Vol.35, No.1, JPN6009010127, pages 1 - 6, ISSN: 0001265222 *
POWDER TECHNOLOGY, vol. 1981, Vol.28, No.1, JPN6009010126, pages 35 - 42, ISSN: 0001265221 *

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005526047A (ja) * 2002-02-21 2005-09-02 バイオヴェイル ラボラトリーズ インコーポレイテッド 徐放性製剤
JP4704685B2 (ja) * 2002-02-21 2011-06-15 バイオヴェイル ラボラトリーズ インターナショナル エスアールエル 徐放性製剤
JP2004339071A (ja) * 2003-05-13 2004-12-02 Towa Yakuhin Kk 苦味を低減した口腔内崩壊錠剤
JP2005060309A (ja) * 2003-08-13 2005-03-10 Towa Yakuhin Kk 不快な味を低減した口腔内崩壊錠剤
JP2007504195A (ja) * 2003-09-02 2007-03-01 グラクソ グループ リミテッド 腸溶性ポリマーでコーティングされたピリミジン−a−オン誘導体を含んでなる医薬製剤
JP4892346B2 (ja) * 2003-09-02 2012-03-07 グラクソ グループ リミテッド 腸溶性ポリマーでコーティングされたピリミジン−a−オン誘導体を含んでなる医薬製剤
WO2007074856A1 (ja) 2005-12-28 2007-07-05 Takeda Pharmaceutical Company Limited 口腔内崩壊性固形製剤の製造法
JP2010540596A (ja) * 2007-10-04 2010-12-24 ラボラトリオス・デル・ドクトル・エステベ・ソシエダッド・アノニマ 固形投薬形態のための機械的保護層
WO2012074110A1 (ja) * 2010-12-03 2012-06-07 武田薬品工業株式会社 口腔内崩壊錠
WO2015053227A1 (ja) * 2013-10-07 2015-04-16 富士フイルム株式会社 口腔内崩壊錠
JPWO2015053227A1 (ja) * 2013-10-07 2017-03-09 富士フイルム株式会社 口腔内崩壊錠
JP2018090510A (ja) * 2016-11-30 2018-06-14 共和薬品工業株式会社 デュロキセチン塩酸塩を含む口腔内崩壊錠
JP2018177784A (ja) * 2017-04-14 2018-11-15 富士化学工業株式会社 錠剤及びその製造方法
JP7072431B2 (ja) 2017-04-14 2022-05-20 富士化学工業株式会社 錠剤及びその製造方法
JP2022093754A (ja) * 2017-04-14 2022-06-23 富士化学工業株式会社 錠剤及びその製造方法
JP7345011B2 (ja) 2017-04-14 2023-09-14 富士化学工業株式会社 粒子状組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP5138856B2 (ja) 2013-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5002044B2 (ja) 錠剤の製造方法
JP5053865B2 (ja) 口腔内崩壊性固形製剤の製造法
JP3404648B2 (ja) 速崩壊性固形製剤
JP5366558B2 (ja) 口腔内崩壊性固形製剤
JP5604304B2 (ja) 口腔内崩壊性固形製剤
KR100490969B1 (ko) 고형 약학 제제
JP2000281564A (ja) 医薬製剤
CN104244930A (zh) 口腔崩解片及其制造方法
KR20140007364A (ko) 구강내 붕괴정
JP4939680B2 (ja) 固形製剤
CN112020351A (zh) 新型微粒包衣(含有药物的中空颗粒及其制法)
JP2006076971A (ja) 口腔内崩壊錠
JP5138856B2 (ja) 錠剤の製造方法
JP2003290319A (ja) 錠剤の製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090310

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090511

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100608

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100908

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20101117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110711

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20110812

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5138856

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151122

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term