JP2003080786A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JP2003080786A
JP2003080786A JP2001272061A JP2001272061A JP2003080786A JP 2003080786 A JP2003080786 A JP 2003080786A JP 2001272061 A JP2001272061 A JP 2001272061A JP 2001272061 A JP2001272061 A JP 2001272061A JP 2003080786 A JP2003080786 A JP 2003080786A
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    • B41J19/00Character- or line-spacing mechanisms
    • B41J19/18Character-spacing or back-spacing mechanisms; Carriage return or release devices therefor
    • B41J19/20Positive-feed character-spacing mechanisms
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J19/00Character- or line-spacing mechanisms
    • B41J19/04Sound-deadening or shock-absorbing devices or measures therein
    • B41J19/06Resilient mounting of mechanism

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  • Character Spaces And Line Spaces In Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャリッジの駆動源からキャリッジに伝達さ
れる振動を効果的に減衰しつつ、キャリッジの位置ずれ
を抑制する。 【解決手段】 ヘッドカートリッジを搭載するキャリッ
ジのリアカバー60には、キャリッジモータの駆動力を
伝達するタイミングベルト83に固定されたベルトホル
ダ59が、ダンパ61を介して連結される。ダンパ61
は、ベルトホルダ59の振動を減衰するものであり、キ
ャリッジの移動方向での減衰効果よりもキャリッジの移
動方向と平行でない方向での減衰効果が大きくなるよう
に構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録ヘッドを往復
走査しながら記録媒体に記録を行う記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機
能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワードプ
ロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーション
の出力機器として用いられる記録装置は、画像情報や文
字情報等に基づいて用紙やプラスチック薄板等の記録用
シート(記録媒体)に文字や画像等を記録していくよう
に構成される。このような記録装置は、記録方式によっ
て、インクジェット方式、ワイヤドット方式、サーマル
方式、レーザービーム方式等に分けられる。
【0003】また、記録装置は、記録媒体に記録を行う
ための記録素子の配列によってシリアルスキャンタイプ
とラインタイプとに分けられる。シリアルスキャンタイ
プの記録装置は、記録素子が記録媒体の搬送方向と平行
に配列された記録ヘッドを用いるものであり、記録ヘッ
ドの往復移動(主走査)と、記録ヘッドの主走査方向と
交差する方向への記録媒体の所定ピッチでの間欠送り
(副走査)とを繰り返しながら、記録ヘッドの主走査時
に記録素子を駆動して記録媒体に記録を行っていく。シ
リアルスキャンタイプの記録装置では、一般的には、記
録ヘッドはキャリッジに搭載されており、キャリッジの
駆動によって記録ヘッドが走査される。ラインタイプの
記録装置は、記録素子が記録媒体の記録領域全幅にわた
って配列された記録ヘッドを用いるものであり、記録媒
体を記録素子のサイズに合わせた所定ピッチで間欠送り
しながら、記録媒体の送りの停止中に記録素子を駆動し
て記録媒体に記録を行っていく。
【0004】上述した各種記録装置のうち、シリアルス
キャンタイプのインクジェット方式の記録装置(インク
ジェット記録装置)は、記録記録ヘッドから記録部材に
インクを吐出して記録を行うものであり、記録ヘッドの
コンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で記録
することができ、特別の処理を施さない普通紙に記録す
ることができ、ランニングコストが低く、ノンインパク
ト方式であるため騒音が少なく、しかも多色のインクを
使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利
点を有している。
【0005】インクジェット記録装置に用いられる記録
ヘッドは、ノズルからインク滴を吐出させるために、ノ
ズル内のインクに与える吐出用のエネルギーを発生する
エネルギー発生手段を有する。エネルギー発生手段とし
ては、ピエゾ素子等の電気機械変換体素子を用いたも
の、発熱抵抗体等の電気熱変換体素子を用いたもの、あ
るいは電波やレーザ等の電磁波を機械的振動または熱に
変換する電磁波機械変換体素子、電磁波熱変換体素子を
用いたもの等がある。その中でも、熱エネルギーを利用
してインク滴を吐出させる方式は、ノズルを高密度に配
列させることができるため高解像度の記録を行うことが
可能である。特に、電気熱変換体素子をエネルギー発生
素子として用いた記録ヘッドは、電気機械変換体素子を
用いたものよりも小型化が容易であり、更には、最近の
半導体製造分野において進歩と信頼性の向上が著しいI
C技術やマイクロ加工技術を応用してその長所を十分に
活用することにより、高密度実装化が容易でかつ製造コ
ストを低くできるという利点がある。
【0006】また、近年、インクジェット記録装置にお
いては、記録部材の材質に対する要求も多様となり、通
常の記録媒体である用紙やプラスチック薄板等の他に、
薄紙や加工紙(ファイリング用のパンチ孔付用紙、ミシ
ン目付き紙、任意な形状の紙等)等への記録も要求され
るようになってきた。
【0007】シリアルスキャンタイプの記録装置におい
て、鮮明で高品位な記録結果を得るためには、記録ヘッ
ドの走査を安定して行うこと、すなわちシリアルスキャ
ンの際キャリッジの挙動を安定させることが非常に重要
である。特に、キャリッジを駆動する駆動源となるモー
タの振動、およびモータから駆動を伝達するベルトのプ
ーリとの噛み合いによって生じる振動は、キャリッジの
挙動を不安定にする要因となる。
【0008】このため、従来のシリアルスキャンタイプ
の記録装置では、ベルトまたはベルトをキャリッジに固
定する部材とキャリッジとの間に、キャリッジの移動方
向に弾性変形するように弾性部材を配置して、モータお
よびベルトの動作に起因する振動を減衰する構成が用い
られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の構成では、キャリッジの移動方向に弾性変形す
るように弾性部材を配置していたため、キャリッジの移
動方向についてキャリッジの位置ずれが大きくなってし
まうため、以下のような問題が生じることがあった。 起動時のレスポンス低下 キャリッジを駆動した際のキャリッジの発振 キャリッジの停止位置ずれ 上記の問題は、キャリッジ動作の安定性を低下させるだ
けではなく、スループットの低下も引き起こす。特に、
近年の記録装置は高速化も要求されており、キャリッジ
動作の安定性の低下およびスループットの低下は、高品
位記録と高速記録の両立を困難にしてしまう。
【0010】そこで本発明は、キャリッジの駆動源から
キャリッジに伝達される振動を効果的に減衰しつつ、キ
ャリッジの位置ずれを抑制する記録装置を提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の記録装置は、記録用シートを搬送する搬送手段
と、前記記録用シートに記録を行う記録ヘッド部を保持
するための、前記搬送手段による記録用シートの搬送方
向と交差する方向に往復移動可能に設けられたキャリッ
ジと、前記キャリッジを往復移動させる駆動力を発生す
る駆動源と、前記駆動源からの駆動力を前記キャリッジ
に伝達する駆動力伝達手段と、前記駆動力伝達手段を介
して前記キャリッジに伝達される振動を減衰するダンパ
手段とを有し、前記ダンパ手段は、前記キャリッジの移
動方向よりも前記キャリッジの移動方向と平行でない方
向で減衰効果が大きくなるように構成されていることを
特徴とする。
【0012】上記のとおり構成された本発明の記録装置
では、駆動源および駆動力伝達手段からの振動は、キャ
リッジに伝達される際にダンパ手段で減衰される。ここ
で、ダンパ手段は、キャリッジの移動方向よりも、それ
以外の方向での減衰効果が大きくなるように構成されて
いるので、駆動源および駆動力伝達手段からの振動は、
主としてキャリッジの移動方向以外の方向での減衰効果
によって減衰される。その結果、駆動力伝達手段とキャ
リッジとの位相ずれを抑制しつつ、必要な減衰効果が得
られる。駆動力伝達手段とキャリッジとの位相ずれをよ
り効果的に抑制するためには、ダンパ手段は、減衰効果
がキャリッジの移動方向に直角な方向で大きくなるよう
に構成されるのが好ましい。
【0013】本発明の好ましい実施態様では、駆動力伝
達手段とキャリッジとを連結する連結部材をさらに有し
ており、ダンパ手段は、この連結部材とキャリッジとの
間に設けられている。
【0014】この場合、キャリッジの移動方向と垂直な
方向に突出した軸部を連結部材に設ける一方、その軸部
に対応する穴をキャリッジに設け、ダンパ手段を介して
軸部を穴に挿入することによって連結部材とキャリッジ
とを連結する構造とすることができる。これにより、ダ
ンパ手段の減衰効果を阻害することなく連結部材とキャ
リッジとが連結される。
【0015】さらにこの場合、ダンパ手段を、連結部材
の軸部が嵌入可能な内径と、キャリッジの穴に嵌入可能
な外径と、連結部材とキャリッジとに挟持されるフラン
ジ部とを有する、略円筒状の弾性部材で構成すること
で、フランジ部においても減衰効果を持たせることがで
き、キャリッジの移動方向と平行でない方向での減衰効
果を大きくすることができる。また、このような構成と
することによって、キャリッジの移動方向と平行でない
方向での減衰効果の大きなダンパ手段を、連結部材の軸
部に嵌め込むだけで容易に取り付けられる。さらに、連
結部材およびキャリッジの少なくとも一方に、ダンパ手
段のフランジ部の一部位を圧縮する突起部を設けること
で、フランジ部は連結部材とキャリッジとに確実に挟持
され、キャリッジの発振が防止される。
【0016】駆動力伝達手段からの連結部材の振動をダ
ンパ手段で効果的に減衰するためには、ダンパ手段を連
結部材に保持する構造を有することが好ましい。この構
造は、キャリッジと直接接触しない構成とすることによ
り、振動の減衰効果がより効果的に発揮される。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0018】図1は、本発明の一実施形態による記録装
置の全体構成を示す斜視図、図2および図3はそれぞれ
図1に示す記録装置の側断面図および正面図である。
【0019】本実施形態の記録装置1は、シリアルスキ
ャンタイプのインクジェット記録装置であり、機能の観
点から主として、給紙部2、送紙部3、排紙部4、キャ
リッジ部5、およびクリーニング部7に大別される。
【0020】まず、これら各部の概略について図1〜図
3を用いて説明する。なお、以下の説明では、記録が行
われる記録媒体として記録紙Pを例に挙げて説明する
が、本実施形態の記録装置1は、記録紙P以外の前述し
たような各種記録媒体にも記録可能である。
【0021】(A)給紙部 給紙部2は、記録紙Pを積載する圧板21と、記録紙P
を給紙する給送回転体22とを有し、これらはベース2
0に取り付けられている。圧板21には、可動サイドガ
イド23が記録紙Pの幅方向に移動可能に設けられてお
り、この可動サイドガイド23によって、圧板21上で
の記録紙Pの積載位置が規制されている。圧板21、は
ベース20に結合された軸を中心に回動可能に設けら
れ、圧板ばね24により給送回転体22に付勢される。
【0022】給送回転体22と対向する圧板21の部位
には、記録紙Pの重送を防止するための、人工皮等の摩
擦係数の大きい材質からなる分離パッド25が設けられ
ている。さらに、ベース20には、圧板21から給紙さ
れる記録紙Pを一枚ずつ分離するために記録紙Pの搬送
方向上流端端側の角部を覆う分離爪26と、厚紙などの
分離爪26が使えない記録媒体を一枚ずつ分離するため
にベース20に一体成形された土手部27と、普通紙ポ
ジションでは分離爪26が作用し厚紙ポジションでは分
離爪26が作用しないように切り換えるための切り換え
レバー28と、圧板21と給送回転体22の当接を解除
するリリースカム29とが設けられている。
【0023】上述した構成において、記録装置1の待機
状態では、圧板21はリリースカム29によって所定位
置まで押し下げられている。これにより、圧板21と給
送回転体22との当接は解除される。その状態で、後述
する送紙部3に設けられた搬送ローラ36の駆動力が、
ギア等により給送回転体22およびリリースカム29に
伝達されると、リリースカム29が圧板21から離れ、
圧板ばね24の付勢力によって圧板21上の記録紙Pが
給送回転体22に当接される。一方、給送回転体22の
回転に伴って記録紙Pがピックアップされて給紙が開始
され、分離爪26の作用によって記録紙Pは一枚ずつ分
離されて送紙部3に送られる。給送回転体22およびリ
リースカム29は、記録紙Pが送紙部3に送り込まれる
まで回転され、再び記録紙Pと給送回転体22との当接
を解除した待機状態となって搬送ローラ36からの駆動
力が切られる。
【0024】(B)送紙部 送紙部3は、給紙部2から送られた記録紙Pをキャリッ
ジ部5と対向する領域へ送るもので、LFモータ(不図
示)により駆動されて記録紙Pを搬送する搬送ローラ3
6と、記録紙Pの有無を検知するPEセンサ32とを有
している。搬送ローラ36には、従動するピンチローラ
37が当接して設けられている。ピンチローラ37はピ
ンチローラガイド30に保持されており、ピンチローラ
ばね31で付勢されることで搬送ローラ36に圧接さ
れ、それによって記録紙Pの搬送力を生み出している。
さらに、記録紙Pが給紙部2から搬送されてくる送紙部
3の入り口には、記録紙Pをガイドする上ガイド33お
よびプラテン34が配設されている。上ガイド33に
は、記録紙Pの先端および後端の検出をPEセンサ32
に伝えるPEセンサレバー35が設けられている。
【0025】上記構成において、送紙部3に送られた記
録紙Pは、プラテン34、ピンチローラガイド30およ
び上ガイド33に案内されて、搬送ローラ36とピンチ
ローラ37とに挟持されて送られる。このとき、PEセ
ンサレバー35が、搬送されてきた記録紙Pの先端を検
知して、これにより記録紙Pの搬送方向における記録位
置が求められる。
【0026】(C)キャリッジ部 キャリッジ部5は、送紙部3のプラテン34と対向する
領域を、記録紙Pの搬送方向と交差する方向(本実施形
態では直交する方向)に往復移動されるキャリッジ50
を有する。キャリッジ50は、断面が円形のガイド軸8
1と板状のガイドレール82とに、プラテン34との間
隔が一定になるように摺動自在に支持されている。本実
施形態では、ガイド軸81は、この記録装置1の使用状
態におけるキャリッジ50の下端部を支持し、ガイドレ
ール82は上端部を支持している。なお、これらガイド
軸81およびガイドレール82は、シャーシ8に取り付
けられている。シャーシ8には、キャリッジ50の図1
および図3での左方への移動範囲を規制するための規制
部8aが曲げ起こし加工によって形成されている。
【0027】キャリッジ50には、ヘッドカートリッジ
10が着脱可能に搭載される。ヘッドカートリッジ10
は、インクを吐出して記録紙Pに記録を行う記録ヘッド
部と、記録ヘッド部に供給するインクを収容するインク
タンク部とを有する。
【0028】記録ヘッド部は、インクジェット記録方式
の中でも、ノズルからインク(液体)を吐出するのに利
用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する素子
を備えたインク吐出手段を有し、その素子により発生し
た熱エネルギーによってインクの状態変化を生起させる
ことで、ノズルの開口端である吐出口からインクを吐出
する方式のものを用いている。この方式を用いることに
よって、記録する文字や画像等の高密度化および高精細
化を達成している。特に本実施形態では、インク吐出手
段は、熱エネルギーを発生する手段としてノズル内に発
熱抵抗素子(電気熱変換体)を有し、この発熱抵抗素子
によりノズル内のインクを加熱して膜沸騰させ、このと
きに生じる気泡の成長および消滅に伴う圧力変化を利用
して、吐出口からインクを吐出するとともに、インクタ
ンク部からのインクの供給を行っている。なお、インク
吐出手段のノズルの開口端面をインク吐出面という。本
発明においてインクを吐出させる方式はこれに限られる
ものではなく、ピエゾ素子のような電気機械変換体素子
を用いてインクに機械的な振動エネルギーを与え、この
振動による圧力を利用してインクを吐出する方式を採用
することもできる。
【0029】ヘッドカートリッジ10の記録ヘッド部と
インクタンク部とは、一体に構成されていてもよいし、
互いに分離可能に構成されていてもよい。記録ヘッド部
とインクタンク部とが分離可能に構成された場合には、
インクタンク部内のインクが消費された際、インクタン
ク部のみを交換することができる。またこの場合、イン
クタンク部の交換の際にキャリッジ50からインクタン
ク部のみを取り外すことができるように、記録ヘッド部
はキャリッジ50に装着されたままインクタンク部が取
り外せるようなホルダ型とすることが好ましい。
【0030】キャリッジ50は、シャーシ8に取り付け
られたキャリッジモータ80によってタイミングベルト
83を介して駆動される。タイミングベルト83は、シ
ャーシ8に取り付けられたプーリ84およびキャリッジ
モータ80に連結されたプーリ85に、張設、支持され
ている。さらに、キャリッジ50には、電気基板9から
ヘッドカートリッジ10の記録ヘッド部に記録信号を伝
えるためのフレキシブルケーブル56が固定されてい
る。また、キャリッジ50にはキャリッジ50の位置を
検出するリニアエンコーダ101が搭載されており、シ
ャーシ8に取り付けられたリニアスケール102のライ
ン数を読みとることによりキャリッジ50の位置を検出
することができる。このリニアエンコーダ101の信号
は、フレキシブルケーブル56を介して、電気基板9に伝
えられ処理される。
【0031】上記構成において、記録紙Pに画像等を記
録するときは、記録を行う行位置(記録紙Pの搬送方向
の位置)まで、搬送ローラ36およびピンチローラ37
により記録紙Pが搬送されるとともに、リニアエンコー
ダ101を使用したキャリッジモータ80のフィードバ
ック制御により、記録を行う列位置(記録紙Pの搬送方
向と直交する方向の位置)にキャリッジ50を移動させ
て、ヘッドカートリッジ10を記録開始位置に対向させ
る。その後、電気基板9からの記録信号により、ヘッド
カートリッジ10の記録ヘッド部から記録紙Pに向けて
インクが吐出されて画像等が記録される。
【0032】(D)排紙部 排紙部4は、搬送ローラ36と当接して設けられた伝達
ローラ40と、さらに伝達ローラ40に当接して設けら
れた排紙ローラ41とを有する。従って、搬送ローラ3
6の駆動力が伝達ローラ40を介して排紙ローラ41に
伝達される。また、排紙ローラ41には、排紙ローラ4
1との間で記録紙Pを挟持して搬送するために排紙ロー
ラ41に従動して回転する拍車42が、排紙ローラ41
に当接されている。以上の構成によって、キャリッジ部
5で画像等が記録された記録紙Pは、排紙ローラ41と
拍車42とに挟まれて搬送され、不図示の排紙トレー等
に排出される。
【0033】(E)クリーニング部 クリーニング部7は、ヘッドカートリッジ10の記録ヘ
ッド部からのインクの乾燥を抑えるために記録ヘッド部
のインク吐出面をキャッピングするキャップ71と、イ
ンク吐出面をキャッピングした状態で記録ヘッド部内の
異物や増粘したインクを強制的に吸引(クリーニング)
することによって記録ヘッド部の吐出特性を維持するた
めのポンプ70と、搬送ローラ36からの駆動力を給紙
部2およびポンプ70に切り換える駆動切換えアーム7
2とを有する。
【0034】駆動切換えアーム72は、給紙時およびク
リーニング時以外のときは、搬送ローラ36の軸心を中
心に回転する遊星ギア(不図示)を所定位置に固定して
おり、これによって、給紙部2およびポンプ70に駆動
力は伝達されない。一方、キャリッジ50を移動させる
と駆動切換えアーム72は矢印A(図1参照)方向に移
動され、遊星ギアがフリーとなる。これによって、搬送
ローラ36の正転・逆転に応じて遊星ギアが移動し、搬
送ローラ36が正転したときは給紙部2に駆動力が伝達
され、逆転したときはポンプ70に駆動力が伝達される
ようになっている。つまり、駆動切換えアーム72を矢
印A方向に移動させた状態で搬送ローラ36を正転させ
ることで給紙部2による給紙動作が行われ、搬送ローラ
36を逆転させることでポンプ70による記録ヘッド部
のクリーニングが行われる構成となっている。
【0035】以上、本実施形態の記録装置1の全体的な
構成について説明した。次に、本発明の特徴でもある、
キャリッジ部5におけるキャリッジ50とタイミングベ
ルト83との取り付け部の構造について、図4〜図6を
参照して詳細に説明する。
【0036】図4に、本実施形態の記録装置1のキャリ
ッジ部5を背面側から見た斜視図を示す。また、図5
は、キャリッジ50からキャリッジ本体部55を取り外
してリアカバー60を残した状態で正面側から見た斜視
図であり、図6は、図5のA−A線断面図である。
【0037】図4に示すように、キャリッジ50は主と
してキャリッジ本体部55と、キャリッジ本体部55に
例えばネジで固定されたリアカバー60とを有する。キ
ャリッジ本体部55は、ヘッドカートリッジ10(図2
参照)を搭載する部分であり、ヘッドカートリッジ10
をキャリッジ50に着脱したり位置決めしたりするため
の各種構造を含んでいる。リアカバー60は、キャリッ
ジ50を移動可能に支持させるとともに、タイミングベ
ルト83と連結される部分であり、ガイド軸81(図1
参照)の受けとなる軸受部60aと、ガイドレール82
(図1参照)の受けとなるガイドレール受け部60b
と、タイミングベルト83との連結構造とを含んでい
る。
【0038】ここで、タイミングベルト83との連結構
造について、さらに詳細に説明する。本実施形態では、
キャリッジ50(リアカバー60)とタイミングベルト
83との連結構造として、タイミングベルト83に固定
されたベルトホルダ59と、タイミングベルト83を介
してキャリッジ50の駆動系から伝達される振動を減衰
するための2つのダンパ61と、ダンパ61をベルトホ
ルダ59に取り付けるための取り付け部材62とを有す
る。
【0039】ベルトホルダ59は、タイミングベルト8
3との間でのずれが生じないようにタイミングベルト8
3を挟み込んでタイミングベルト83の一部位に固定さ
れており、キャリッジ50の移動方向に間隔をおいて互
いに平行に延びた2つの軸部59aが一体的に設けられ
ている。
【0040】一方、リアカバー60には、ベルトホルダ
59の各軸部59aにそれぞれ対応する2つのダンパ取
り付け穴60cが設けられている。各ダンパ取り付け穴
60cには、それぞれゴムなどの弾性部材で構成され、
その弾性変形を利用して、タイミングベルト83を介し
てベルトホルダ59に伝達された振動を減衰させる、略
円筒状のダンパ61が嵌入されている。
【0041】ダンパ61は、図7に示すように、その軸
線方向に沿った中空部61aと、軸線方向両端部に設け
られた2つのフランジ部61bと、フランジ部61b間
の領域である中間部61cとからなる。ダンパ61は、
中間部61cがダンパ取り付け穴60c内に保持される
ように、リアカバー60に取り付けられている。本実施
形態では、ダンパ61は、その軸線方向が送紙部3での
記録紙Pの搬送方向と平行になるようにリアカバー60
に取り付けられる。ダンパ61を構成する弾性部材の材
料としては、振動を減衰する効果を有するものであれば
特に限定されないが、より効果的な減衰効果を発揮する
ためには、タイミングベルト83を介して伝達される振
動のうち、キャリッジ50の挙動に悪影響を及ぼす、減
衰すべき周波数の振動を特に減衰する特性を持つ材料か
ら選択するのが望ましい。
【0042】ベルトホルダ59の各軸部59aはそれぞ
れダンパ61の中空部61a内に嵌入され、これによ
り、リアカバー60がダンパ61を介してベルトホルダ
59と連結される。このように、ベルトホルダ59の軸
部59aを、ダンパ61を介してリアカバー60のダン
パ取り付け穴60cに挿入して、ベルトホルダ59とリ
アカバー60とを連結する構造とすることで、ダンパ6
1による減衰効果を阻害することなく、確実にベルトホ
ルダ59とリアカバー60とを連結することができる。
【0043】リアカバー60とベルトホルダ59とが連
結された状態では、ダンパ61の2つのフランジ部61
bのうちの一方は、リアカバー60とベルトホルダ59
とにより、ダンパ61の軸線方向から挟まれている。
【0044】取り付け部材62は、軸部59aに取り付
けられたダンパ61を保持するものであり、軸部59a
がそれぞれダンパ61の中空部61aに嵌入された状態
で、軸部59aのダンパ61から突出した部分に装着さ
れる。本実施形態では、取り付け部材62は、2つの軸
部59aに挟持されることで2つのダンパ61を保持す
るように構成しているが、ダンパ61ごとに個別に設け
てもよい。
【0045】ダンパ61の中間部61cの外径およびダ
ンパ取り付け穴60cの直径は、ダンパ61の軸線方向
に垂直な平面内でダンパ61とリアカバー60との間に
ガタつきが生じないような寸法関係に設定される。ま
た、ダンパ61の2つのフランジ部61b間の間隔(ダ
ンパ61の軸線方向での中間部61cの長さ)およびダ
ンパ取り付け穴60cの周囲でのリアカバー60の厚み
も、ダンパ61の軸線方向についてダンパ61とリアカ
バー60との間にガタつきが生じないような寸法関係に
設定される。さらに、ベルトホルダ59の軸部59aの
直径およびダンパ61の中空部61aの内径は、ダンパ
61の軸線方向に垂直な平面内で軸部59aとダンパ6
1との間にガタつきが生じないような寸法関係に設定さ
れ、ダンパ61の軸線方向での取り付け部材62の取り
付け位置は、ダンパ61の軸線方向についてダンパ61
とベルトホルダ59との間にガタつきが生じないような
位置とされる。したがって、ダンパ61が弾性変形しな
い限りは、ベルトホルダ59とリアカバー60とは、ダ
ンパ61を介して互いに固定的に保持される。
【0046】また、本実施形態では、ダンパ61の両端
部にフランジ部61bが設けられており、ダンパ取り付
け穴60cの周囲においては、リアカバー60はこれら
フランジ部61bに挟まれているので、中間部61cで
のダンパ61の厚み方向への圧縮以外に、フランジ部6
1bを圧縮させることによっても、ベルトホルダ59と
リアカバー60とは相対的に変位可能となっている。例
えば、フランジ部61bを全周にわたって均一に圧縮さ
せれば、ベルトホルダ59とリアカバー60とはダンパ
61の軸線方向に相対的に変位し、フランジ部61bの
一部位の圧縮量が他の部位の圧縮量よりも大きくなるよ
うに圧縮させれば、ダンパ61の軸線に垂直な平面に対
して傾斜する方向に、ベルトホルダ59とリアカバー6
0とは相対的に変位する。
【0047】言い換えると、ダンパ61は、中間部61
cだけでなくフランジ部61bにおいても、振動を減衰
させる作用を有する。また、特に本実施形態では、キャ
リッジ50の移動方向に2つのダンパ61を並列に設置
している。これらにより、本実施形態では、キャリッジ
50の移動方向での減衰効果よりも、キャリッジ50の
移動方向と平行でない方向、具体的には、キャリッジ5
0の移動方向に直角な方向での減衰効果が大きくなるよ
うに構成している。
【0048】上述した連結構造は、例えば次のようにし
て組み立てられる。まず、2つのダンパ61をそれぞれ
リアカバー60のダンパ取り付け穴60cに嵌め込む。
次いで、ベルトホルダ59の2つの軸部59aをそれぞ
れダンパ61の中空部61a内に挿入する。最後に、軸
部59aに取り付け部材62を装着して61を保持す
る。
【0049】以上説明したように本実施形態によれば、
キャリッジモータ80(図3参照)を駆動させ、タイミ
ングベルト83を介してキャリッジ50を移動させる
と、キャリッジモータ80の振動、およびタイミングベ
ルト83とプーリ84、85との噛み合いによって生じ
る振動などが、タイミングベルト83を介してベルトホ
ルダ59に伝達される。ベルトホルダ59には、ダンパ
61を介してキャリッジ50(具体的にはリアカバー6
0)が連結されているので、ベルトホルダ59の振動は
ダンパ61で減衰され、キャリッジ50の振動が抑制さ
れる。
【0050】ここで、前述したように、本実施形態で
は、ダンパ61による減衰効果が、キャリッジ50の移
動方向よりも他の方向で大きくなるように構成されてい
るので、ベルトホルダ59の振動は、主としてキャリッ
ジ50の移動方向以外の方向での減衰効果によって減衰
される。これによって、キャリッジ50の移動方向にお
けるタイミングベルト83とキャリッジ50との位相ず
れを抑制しつつ、必要な減衰効果を得ることができる。
したがって、キャリッジ50の動作の安定性が向上し、
キャリッジ50の起動時のレスポンスの低下やキャリッ
ジ50の停止位置ずれという問題も生じにくくなるの
で、記録装置1のスループットも向上し、ひいては高画
質かつ高速での記録を達成することができる。タイミン
グベルト83とキャリッジ50との位相ずれをより効果
的に抑制するためには、ダンパ61の減衰効果が、キャ
リッジ50の移動方向と直角な方向で大きくなるように
構成するのが望ましい。
【0051】また、本実施形態では、ダンパ61は、フ
ランジ部61bを有する円筒形状であるので、キャリッ
ジ50の移動方向と直角な方向での減衰効果がより大き
なダンパ61を、ベルトホルダ59の軸部59aに嵌め
込むだけで極めて容易に取り付けることができる。
【0052】さらに、本実施形態では、ベルトホルダ5
9と取り付け部材62とでダンパ61を挟み込み、しか
も取り付け部材62とリアカバー60とが直接接触しな
い構造としている。これにより、タイミングベルト83
からの振動は必ずダンパ61を介して伝達されるので、
振動の減衰効果を十分に得ることができる。
【0053】図8は、本発明の他の実施形態による記録
装置の図6と同様の断面図である。図8に示す形態は、
図6に示した形態に対してリアカバー160の構成を変
更したものであり、その他の構成については図6に示し
た形態と同様なので、それらの詳細な説明は省略し、ま
た、図8において図6と同一の部分については図6と同一
の符号を付している。
【0054】本実施形態では、リアカバー160のダン
パ取り付け穴160cの周囲の、ダンパ61のフランジ
部61bと対向する領域の一部位に突起部160dを設
けている。突起部160dの突出高さは、ダンパ61の
フランジ部61bがベルトホルダ59と突起部160d
との間で、厚み方向に圧縮される高さに設定されてい
る。これにより、リアカバー160とダンパ61との間
での、ダンパ61の軸線方向でのガタつきを確実になく
することができるので、タイミングベルト83の振動に
よるリアカバー160(キャリッジ)の発振を効果的に
抑制することができる。
【0055】しかも、突起部160dはフランジ部61
bの一部位を圧縮しているだけなので、フランジ部61
bの他の部位が圧縮されることによる、キャリッジの移
動方向と平行でない方向でのベルトホルダ59とリアカ
バー160との相対変位の自由度は確保されている。例
えば、図8に示すように、突起部160dをキャリッジ
の移動方向(図8の左右方向)に沿って設けることで、
ベルトホルダ59とリアカバー160とは、キャリッジ
の移動方向に平行な軸線B回りに相対変位可能となる。
このようにベルトホルダ59とリアカバー160との相
対変位の自由度が確保されることにより、フランジ部6
1bを圧縮した構成としながらも、キャリッジの移動方
向と垂直な方向での振動の減衰効果を十分に得ることが
できる。ベルトホルダ59とリアカバー160との相対
変位量を大きくするためには、突起部160dは、キャ
リッジの移動方向と平行でかつダンパ61の軸線を通る
平面内に設けることが好ましい。
【0056】図8に示す実施形態では、ダンパ61のフ
ランジ部61bを圧縮するための突起部をリアカバー1
60に設けた例を示したが、この突起部は、ベルトホル
ダ59に設けてもよいし、また、リアカバー160とベ
ルトホルダ59の双方に設けてもよい。
【0057】図9は、本発明のさらに他の実施形態によ
る記録装置の図6と同様の断面図である。図8に示す形
態は、図6に示した形態に対してベルトホルダ159の
構成を変更したものであり、その他の構成については図
6に示した形態と同様なので、それらの詳細な説明は省
略し、また、図9において図6と同一の部分については
図6と同一の符号を付している。
【0058】本実施形態では、ベルトホルダ159の各
軸部159aの先端部にそれぞれフランジ部159bを
一体に設け、このフランジ部159bにより、軸部15
9aからのダンパ61の抜け止めを行っている。これに
より、上述の実施形態で用いたような取り付け部材62
(図6参照)が不要となるので、部品点数が減少し、低
コスト化が図られる。
【0059】フランジ部159bはリアカバー60と直
接接触しないことが望ましい。これにより、タイミング
ベルト83からの振動が必ずダンパ61を介して伝達さ
れるので、振動の減衰効果を十分に得ることができる。
【0060】以上、本発明について、代表的ないくつか
の実施形態を挙げて説明した。上述した各実施形態で
は、2つのダンパ61をキャリッジ50の移動方向に沿
って並列に設けた例を示したが、キャリッジ50の移動
方向での減衰効果よりもキャリッジ50の移動方向と平
行でない方向での減衰効果が大きくなるように、ダンパ
61の形状、配置、材料等を設定すれば、ダンパ61の
数は1つでもよいし、3つ以上であってもよい。また、
上述した各実施形態では、本発明でいうダンパ手段とし
て、ゴム等の弾性部材からなるダンパ61を示したが、
ダンパ手段はこれに限定されるものではなく、コイルば
ねや板ばね等のばねを用いることもできる。
【0061】本発明は、シリアルスキャンタイプの記録
装置であれば、インクジェット方式、サーマル方式、ワ
イヤドット方式等いずれの方式の記録装置にも適用でき
るものであるが、特にインクジェット方式の中でも熱エ
ネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記録を行うイ
ンクジェット方式の記録装置において優れた効果をもた
らすものである。
【0062】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0063】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0064】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含ま
れるものである。
【0065】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても本発明は有効である。
【0066】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング
手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこ
れとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる
予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モード
を行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0067】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個を組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極
めて有効である。
【0068】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは
液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式で
はインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調
整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温
度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与
時にインクが液状をなすものであればよい。
【0069】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとし
て吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固
化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初め
て液化する性質のインクの使用も本発明には適用可能で
ある。このような場合インクは、特開昭54−5684
7号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載
されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状ま
たは固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としてもよい。本発明において
は、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述
した膜沸騰方式を実行するものである。
【0070】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、ワードプロセッサやコンピュータ等の情報
処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けら
れるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さら
には送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採る
ものであっても良い。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、駆
動力伝達手段を介してキャリッジに伝達される振動を減
衰するダンパ手段を、キャリッジの移動方向よりも、そ
れ以外の方向での減衰効果が大きくなるように構成する
ことで、駆動力伝達手段とキャリッジとの位相ずれを抑
制しつつ、必要な減衰効果を得ることができる。したが
って、キャリッジの動作の安定性が向上し、記録のスル
ープットも向上するので、高画質かつ高速記録を達成す
ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による記録装置の全体構成
を示す斜視図である。
【図2】図1に示す記録装置の側断面図である。
【図3】図1に示す記録装置の正面図である。
【図4】図1に示す記録装置のキャリッジ部を背面側か
ら見た斜視図である。
【図5】図1に示す記録装置のキャリッジからキャリッ
ジ本体部を取り外してリアカバーを残した状態で正面側
から見た斜視図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】図5に示すダンパの斜視図である。
【図8】本発明の他の実施形態による記録装置の、図6
と同様の断面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態による記録装置
の、図6と同様の断面図である。
【符号の説明】
1 記録装置 2 給紙部 3 送紙部 4 排紙部 5 キャリッジ部 7 クリーニング部 8 シャーシ 10 ヘッドカートリッジ 36 搬送ローラ 37 ピンチローラ 50 キャリッジ 55 キャリッジ本体部 56 フレキシブルケーブル 59,159 ベルトホルダ 59a,159a 軸部 60,160 リアカバー 60c,160c ダンパ取り付け穴 61 ダンパ 61a 中空部 61b フランジ部 61c 中間部 62 取り付け部材 80 キャリッジモータ 81 ガイド軸 82 ガイドレール 83 タイミングベルト 84,85 プーリ 159b フランジ部 160d 突起部 P 記録紙

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録用シートを搬送する搬送手段と、 前記記録用シートに記録を行う記録ヘッド部を保持する
    ための、前記搬送手段による記録用シートの搬送方向と
    交差する方向に往復移動可能に設けられたキャリッジ
    と、 前記キャリッジを往復移動させる駆動力を発生する駆動
    源と、 前記駆動源からの駆動力を前記キャリッジに伝達する駆
    動力伝達手段と、 前記駆動力伝達手段を介して前記キャリッジに伝達され
    る振動を減衰するダンパ手段とを有し、 前記ダンパ手段は、前記キャリッジの移動方向よりも前
    記キャリッジの移動方向と平行でない方向で減衰効果が
    大きくなるように構成されていることを特徴とする記録
    装置。
  2. 【請求項2】 前記ダンパ手段は、前記キャリッジの移
    動方向よりも、前記キャリッジの移動方向に直角な方向
    で減衰効果が大きくなるように構成されている、請求項
    1に記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動力伝達手段と前記キャリッジと
    を連結する連結部材をさらに有し、前記ダンパ手段は前
    記連結部材と前記キャリッジとの間に設けられている、
    請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 前記連結部材には前記キャリッジの移動
    方向と垂直な方向に突出した軸部が設けられるととも
    に、前記キャリッジには前記軸部に対応する穴が設けら
    れ、前記ダンパ手段を介して前記軸部を前記穴に挿入す
    ることによって前記連結部材と前記キャリッジとが連結
    されている、請求項3に記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 前記ダンパ手段は、前記軸部が嵌入可能
    な内径と、前記穴に嵌入可能な外径と、前記連結部材と
    前記キャリッジとに挟持されるフランジ部とを有する、
    略円筒状の弾性部材で構成される、請求項4に記載の記
    録装置。
  6. 【請求項6】 前記連結部材および前記キャリッジの少
    なくとも一方に、前記ダンパ手段のフランジ部の一部位
    を圧縮する突起部を有する、請求項5に記載の記録装
    置。
  7. 【請求項7】 前記軸部に、前記ダンパ手段を前記軸部
    に保持するための保持用フランジ部が一体に設けられて
    いる、請求項4ないし6のいずれか1項に記載の記録装
    置。
  8. 【請求項8】 前記フランジ部は前記キャリッジとは直
    接接触しないように構成される、請求項7に記載の記録
    装置。
  9. 【請求項9】 前記ダンパ手段を前記連結部材に保持さ
    せるための取り付け部材を有する、請求項3ないし6の
    いずれか1項に記載の記録装置。
  10. 【請求項10】 前記取り付け部材は前記キャリッジと
    は直接接触しないように構成される、請求項9に記載の
    記録装置。
  11. 【請求項11】 前記ダンパ手段は、前記キャリッジの
    移動方向に沿って複数配置されている、請求項1ないし
    10のいずれか1項に記載の記録装置。
  12. 【請求項12】 前記記録ヘッド部は、インクを吐出し
    て記録を行うインクジェット記録ヘッドを有する、請求
    項1ないし11のいずれか1項に記載の記録装置。
  13. 【請求項13】 前記記録ヘッド部は、インクを吐出す
    るために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発
    生体として、熱エネルギーを発生する電気熱変換体を有
    する、請求項12に記載の記録装置。
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