JP2003080687A - 電子部品の製造法及び電子部品の製造装置 - Google Patents

電子部品の製造法及び電子部品の製造装置

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JP2003080687A
JP2003080687A JP2001276021A JP2001276021A JP2003080687A JP 2003080687 A JP2003080687 A JP 2003080687A JP 2001276021 A JP2001276021 A JP 2001276021A JP 2001276021 A JP2001276021 A JP 2001276021A JP 2003080687 A JP2003080687 A JP 2003080687A
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ink
electronic component
marking
manufacturing
curing
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JP2001276021A
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利治 ▼高▲山
Toshiji Takayama
Nobuo Kuwasawa
信夫 桑澤
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K Tech Devices Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小さい文字や記号をマーキング可能な電子部品
の製造法及び電子部品の製造装置を提供する。 【解決手段】粘度調整されたインク2をインクジェット
ヘッド5の吐出口7から吐出して被印刷物に塗着し、塗
着されたインク2の滲み開始前に当該インク2の一部ま
たは全部を硬化する工程を有する。当該硬化手段は、例
えばインク2が光硬化性であれば光照射である。また当
該粘度調整手段は、例えば発熱体によるインク2の加熱
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はチップ抵抗器や印刷
回路板等の電子部品の製造法や、その製造装置に関し、
特にマーキング(表示)技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品へのマーキングとしては、スク
リーン印刷によるもの(例えば特開平6−134965
号公報に開示)や、レーザマーキングによるもの(例え
ば特開平5−94904号公報に開示)がある。前者
は、マーキング形状に開口されたスクリーンの当該開口
部をスキージの圧力により通過したインクが、被印刷物
(電子部品)に付着することによりマーキング形状の着
膜がなされ、その後加熱により当該膜を被印刷物に固定
するものである。後者は、被印刷物の表面をレーザによ
り極部的に加熱・除去(蒸発)させることにより文字や
記号をマーキングするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】スクリーン印刷による
マーキングは、繰返しの使用によりスクリーンの伸びが
生じ、印刷位置精度の低下が進行しやすいこと、印刷条
件によって容易にマーキングのカスレや滲みが発生する
ことから印刷の作業に熟練を要すること、インクの加熱
により被印刷物である電子部品の回路素子特性に悪影響
を及ぼすおそれがあること、マーキングの文字や記号が
極端に小さい場合はマーキングが明瞭になりにくいこと
等の問題点を有している。
【0004】またレーザマーキングは、被印刷物の材質
等によってはマーキングを認識しにくいこと、被印刷物
が少なからずダメージを受けざるを得ないこと、樹脂や
ガラス等の被印刷物材質によっては極端に小さい文字や
記号をマーキングすると、周囲に伝播する熱により溶融
が進行してマーキングが明瞭になりにくいこと等の問題
点を有している。
【0005】これらスクリーン印刷によるマーキング及
びレーザマーキングの両者に共通した問題点は、極端に
小さい文字や記号をマーキングできない点にある。現実
に小型部品の一部には、マーキングがされていないもの
がある。電子部品の小型化が進行し、マーキング可能領
域が限定されている中にあっては、この問題点は重要事
項となる。ごく一部のマーキングがない部品を含む部品
群で構成された実装体は、特に大きな問題を生じさせな
いが、多くのマーキングのない部品で構成された実装体
の場合は、実装状態チェックが困難となる等の問題点を
生じさせる。
【0006】そこで本発明が解決しようとする課題は、
小さい文字や記号をマーキング可能な電子部品の製造法
及び電子部品の製造装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の電子部品の製造法は、粘度調整されたイン
ク2をインクジェットヘッド5の吐出口7から吐出して
被印刷物に塗着し、塗着されたインク2の滲み開始前に
当該インク2の一部または全部を硬化する工程を有する
ことを特徴とする。インク2とは、顔料と分散材との混
合物流動体や、染料と溶媒との混合流動体等であり、流
動体の状態で着色がされているもの、被印刷物に被着後
の処理で発色するものも含む。インクジェットヘッド5
とは、容器3内の流動体としてのインク2を当該容器3
の吐出口7から吐出させる部材である。当該吐出の直接
の駆動力は、例えば圧電素子4への電圧印加による容器
3への衝撃付与、インク2への急激な加熱によるインク
2の自己膨張又は相変化による蒸気発生等である。また
電子部品とは、機能部分以外の材料、例えば印刷回路板
や、セラミック基板等も含む。
【0008】上記インク2の滲み開始時点は、本発明の
電子部品の製造法の実施者が意図するインク2の塗着領
域を越えてインク2が流動開始する時点である。従って
当該実施者が、インク2の滲み分を見込んだ塗着領域を
設定している場合は、当該滲み分を超えて滲み(流動)
が進行し始める時点である。
【0009】かかる電子部品の製造法によれば、吐出さ
れるインク2粒子径を、数十μm程度とすることができ
る。そのため、当該インク2の飛散による被印刷物の塗
着領域を極めて狭い領域に限定することができる。従っ
て当該塗着位置を少しずつずらしながら塗着を繰り返す
ことにより、非常に細い線を描くことができ、それによ
り極端に小さい文字や記号のマーキングが可能となる。
またこの場合においていわゆる複数ドットによるインク
ジェット方式の採用により、マーキング作業の高速化を
図ることができる。
【0010】但しインク粘度が大きくばらつくと、一度
に吐出するインク量が一定とならず、線がかすれること
ともなり、マーキングが明瞭となりにくい。そこでイン
ク2はある程度の粘度調整がなされるべきである。粘度
調整手段の例は、インク2への加熱である。通常のイン
ク2に使用される流動体は、温度が高くなるに従い粘度
が低下し、一定温度以上になると単位温度当たりの粘度
変化率が小さくなる。即ち一定温度以上になると粘度が
変化しにくい。かかる一定温度はインク2を構成する材
料の種類によって決定すべきである。
【0011】また塗着されたインク2は、流動体の状態
では一定形状を維持するのが困難であり、容易に滲んで
しまう場合がある。当該滲みは、塗着された被印刷物と
の親和性や被印刷物の表面状態等によって進行する場合
がある。また上記のように粘度の低いインク2は滲み易
い。そこでその滲みが開始する前に、当該インク2の一
部または全部を硬化する工程を設けることで、滲みによ
り文字、記号又は図形が不明瞭となることを抑制するこ
とができる。これらのことにより、小さい文字や記号を
マーキング可能な電子部品の製造法を提供できることと
なる。この場合において、滲みを抑制するためのインク
2の硬化は一部の硬化(例えば外気に触れる表面のみの
硬化、流動性が実質的に失われる程度の硬化等)で足り
るが、完全に硬化(全部硬化)させてもよいことは言う
までもない。このことは被印刷物の印刷可能領域が小さ
い場合若しくは画数の多い文字等を印刷する場合に、特
に有利な効果となる。
【0012】上記本発明の電子部品の製造法において、
インク2が光硬化剤を含み、インク2の一部または全部
を硬化する手段が光照射であることが好ましい。光硬化
剤は、例えばアクリル−ウレタン系樹脂、アクリル−エ
ポキシ系樹脂、(メタ)アクリル酸エステルモノマー等
である。これらは短時間(数秒間〜十数秒間)の紫外線
照射により硬化するため、短時間に進行するインクの滲
みを抑制するのに適している。またこのような光照射に
よるインクの硬化は、被印刷物へのインク2の塗着後の
加熱を要しない。そのため従来のスクリーン印刷後のイ
ンク(ペースト)への加熱により、被印刷物である電子
部品の回路素子特性に悪影響を及ぼすおそれがなくなる
利点がある。
【0013】例えば回路素子が抵抗素子である場合に
は、その加熱により抵抗値が変化する場合がある。この
ことは抵抗体が厚膜形成され、その抵抗値調整のために
当該抵抗体にレーザ等によるトリミング溝を形成した場
合にあっては、その抵抗値変化が顕著となる。この抵抗
値変化によって、当初目的とする抵抗値範囲だったもの
がその範囲を外れてしまうおそれがある。この抵抗値変
化の範囲が一定であればさほど大きな問題ではない。そ
の理由は抵抗値変化分を見越して当初の抵抗値調整をす
ればよいからである。しかし、加熱処理によってどの程
度抵抗値が変化するかは、種々の要因、特に前記トリミ
ング溝長さ等によって異なってくるため、特にトリミン
グ溝を有する抵抗素子を有する電子部品への本発明の適
用は好ましい。
【0014】また一般に抵抗体サイズが小さくなる程、
上記加熱による抵抗値変化が大きくなる傾向にある。そ
の傾向が特に顕著となるのは、厚膜チップ抵抗器1で
は、いわゆる1608タイプ相当の抵抗素子よりも小さ
な抵抗素子である。従ってトリミング溝を有する厚膜か
らなる抵抗素子を有する電子部品であって、その抵抗素
子サイズが1608タイプ相当の抵抗素子よりも小さい
電子部品への本発明の適用は特に好ましいと言える。
【0015】また本発明のようにインクジェット技術の
採用により、従来のスクリーンを使用しなくても済む利
点がある。即ち従来はマーキングの種類毎(回路素子の
特性値を表示する場合はその特性値毎)、且つセラミッ
ク基板を用いるチップ部品等では当該セラミック基板の
ランク毎にスクリーンを用意する必要があった。セラミ
ック基板のランクとは、セラミックを粒子の状態から焼
結させる過程における、いわゆる焼き縮みによる寸法誤
差に基く分類であって、通常十数ランクに分けられる。
ランクを無視すると、印刷位置ずれが発生することとな
る。これらのことから、インクジェット技術の採用によ
り、これら大量のスクリーンの管理等を要しない利点が
ある。また従来のレーザマーキングには、非常に高価で
占有面積が大きく消費電力の大きいレーザ発振器を必要
とするが、インクジェット技術の採用により、レーザ発
振器を要しない利点がある。
【0016】また仮に紫外線(光)照射による硬化が十
分でないときは、多少の加熱を要する場合があると考え
られるが、当該加熱量は従来の加熱量に比して少なくて
すむことが考えられる。その理由は、光硬化剤の硬化に
より、全体としての硬化度が進行した状態にあると考え
られるからである。従って電子部品の製造コストの低
減、加熱による回路素子特性への悪影響の低減を図るこ
とができる利点がある。尚、この場合におけるインク2
は、光硬化剤が熱硬化性をも併有すること、又は光硬化
剤に加えて熱硬化性材料を含有していることを要すると
考えられる。
【0017】上記本発明の電子部品の製造法、及びそれ
を基本とした好ましい製造法(以下、単に「本発明等」
と記す。)において、電子部品がチップ型電子部品であ
ってその外形寸法の一辺が1mm以下、他の辺が2mm
以下であるとき、本発明の適用が特に有効である。この
ような電子部品は、表示可能領域が非常に小さくなる。
ここで表示可能領域とは、例えばチップ抵抗器1等のチ
ップ部品にあっては保護コート領域である。表示可能領
域が狭くなっても表示する文字や記号の数が少なければ
問題とならない場合がある。しかしながら通常は、複数
の文字又は記号が付される。例えばチップ抵抗器1に表
示される抵抗値は3桁表示することが規格で定められて
いる。従って、表示文字又は記号数をAとし、表示可能
領域長辺をBとし、表示可能領域短辺をCとした場合、
B/A及びCが共に概ね0.4mm以下である場合に本
発明等の適用が好ましいと言い換えることができる。但
しこれも用いる文字の種類によって事情が異なる。例え
ばアルファベットや数字は全て前記数値と同じ取扱いと
することが事実上できるが、カタカナやひらがなや漢字
(中国語の文字を含む)の中でも画数の少ないものと多
いものとを同一視できない。上記数値はそれぞれアルフ
ァベットや数字の場合を想定している。画数の多い漢字
を用いる場合には、アルファベットや数字の画数の平均
との比を上記数値に乗じた数値が適用される。
【0018】本発明等において、インク2が金属酸化物
粉末を顔料として含むことが好ましい。電子部品は通常
リフロー工程等、その使用に際し高温(200〜250
℃)に曝される。まためっき液やフラックス等の薬品に
接触する蓋然性も高い。この点が事務用品である紙への
電子計算器データの印字とは大きく異なってくる。事務
用品である紙への印字の場合は、その後高温に曝された
り、薬品と接触することがないためである。前記金属酸
化物は、大気中で高温に曝されても、また前記薬品に接
触しても変色のおそれがない利点がある。前記金属酸化
物は、例えば二酸化チタン(白色)、鉛丹(赤色)等で
ある。このような金属酸化物を含む流動体としてのイン
クは、その金属化合物粉末の自重のため分散が困難な場
合が多い。そのような場合、常温ではインク粘度を多少
高めておいて、前記分散が良好なインク性状を実現し、
インク吐出直前に発熱体等による前述した加熱によりイ
ンク吐出口7付近のみのインク粘度を、吐出可能な程度
まで下げて吐出するというような構成とすることもでき
る。
【0019】また有機顔料を本発明にかかるインク顔料
として使用することもできる。例えば銅フタロシアニン
系材料、錫フタロシアニン系材料、コバルトフタロシア
ニン系材料、鉄フタロシアニン系材料、アルミニウムフ
タロシアニン系材料、酸化チタンフタロシアニン系材
料、水素フタロシアニン系材料等が好適に使用できる。
これら有機顔料を使用することにより、色彩選択の幅が
広がる点で好ましい。また、前記金属酸化物や他の染料
との併用とすることもできることは言うまでもない。
【0020】本発明等の電子部品の製造法を実施し得る
本発明の電子部品の製造装置は、インク粘度調整手段に
より所定範囲に粘度調整されたインク2が、インクジェ
ットヘッド5部のインク吐出口7から被印刷物へ吐出す
る機構、及び被印刷物に塗着したインク2を硬化させる
手段を有することを特徴とする。
【0021】前記インク粘度調整手段は、例えば前述の
ようなインク2を加熱可能な発熱体等が好適である。か
かる発熱体には、抵抗発熱体15が更に適している。電
気量の調整により温度制御が容易な上に、占有体積が小
さくて済むためである。またかかる抵抗発熱体は、セラ
ミックの板上に厚膜の抵抗体17を形成したセラミック
ヒータが好ましい。ニクロム線等からなる抵抗発熱体1
5に比して寿命が長い上に、更に小型化が可能だからで
ある。
【0022】またこれら発熱体は、前記インクジェット
ヘッド5部と一体となっていることが好ましい。ここで
一体となるとは、インクジェットヘッド5部の特定の位
置に固定されることである。そのことによりインク加熱
状態を一定にできる。仮にインクジェットヘッド5部が
移動して描画するとしても、発熱体がそれに随伴して加
熱状態を一定にする。
【0023】前記インク粘度調整手段の他の例は、希釈
剤との混合による顔料濃度調整等である。これは例えば
印刷状態を目視して印刷濃度の変化が認められたら希釈
剤を注ぎ足す等の手段により実現される。またモノマー
含有率の異なるインク2が詰め込まれたインクジェット
ヘッド5部を複数用意し、周囲温度等により好適なイン
ク粘度であるインクジェットヘッド5部を選択して使用
する等の手段がある。
【0024】インク2を硬化させる手段は、主に前述し
た滲み防止のためにインク2を一部硬化させるのに使用
される。但しそれ以外にも、インク2を完全に(全部)
硬化するために使用できることは言うまでもない。当該
手段は、インク2が熱硬化性の場合は発熱体となり、イ
ンク2が光硬化性の場合は光照射装置となる。またイン
ク2成分によっては乾燥装置、冷却装置、硬化剤供給装
置等がインク2を硬化させる手段となり得る。これらの
中では、インク2が光硬化性の(光硬化剤を含む)場合
における光照射装置が、インク2を硬化させる手段とし
て好ましい。その理由は、前述の通り短時間で硬化処理
が可能であり、且つ回路素子への熱的影響などを考慮す
る必要がないためである。
【0025】また前記本発明の電子部品の製造装置にか
かるインクジェットヘッド5部に、インク粘度測定手段
が一体として取り付けられていることが好ましい。この
粘度測定手段は、人間の手作業による操作としてもよい
し一定時間間隔で自動的に測定がされるものであっても
よい。好ましくは上記発熱体の制御部との連携動作が可
能なことである。即ち、測定時の粘度の値に応じて発熱
体の発熱量を調整し、常に一定の適当な粘度とする連携
動作である。このような粘度測定手段の存在により、イ
ンク2の吐出に適した粘度調整が容易となる。粘度測定
手段の具体例は、例えば細管式粘度計等である。
【0026】本発明における電子部品が複合電子部品で
ある場合、特に本発明の適用による利点を受けることが
できる。その理由は、複合電子部品は、複合でない単体
の電子部品に比して電子部品表面の限られた領域に表示
すべき事項が多くなることが考えられるためである。こ
こで前記複合電子部品の例は、多連チップ抵抗器、チッ
プネットワーク抵抗器、多連チップコンデンサ、コンデ
ンサ素子と抵抗素子とが直列接続されたチップ部品、導
体素子(ジャンパ素子)と抵抗素子及び/又はコンデン
サ素子及び/又はインダクタ素子とが接続されているチ
ップ部品等である。また一般には複合電子部品のカテゴ
リーには含まれないかもしれないが、3端子のバイパス
コンデンサ等も含まれる。これらは、各回路素子の種
別、特性値、チップ部品の表裏、回路板への搭載方向等
の情報及びメーカ名、型番等から選ばれる2以上の表示
を要求される場合があり得る。従って電子部品表面の限
られた領域への表示をする際の本発明等の適用は有利と
なる。
【0027】また本発明における被印刷物である電子部
品の多くは、製造当初段階に多数の電子部品が一体とな
っており、製造最終段階に当該多数の電子部品を個々の
電子部品へ分割するようになっている。例えば前述した
チップ抵抗器は、アルミナ等からなるセラミック基板表
面に形成された分割用溝がある。そのセラミック基板面
に回路素子である抵抗素子を多数形成する。形成手段は
例えばスクリーン印刷やスパッタリング等の厚膜・薄膜
技術による手段である。その後その分割用溝を開く方向
に応力を付与することによって、分割用溝に沿った分割
を実施し、個々の電子部品(チップ抵抗器1)とする。
また印刷回路板の製造にあっては、ガラス繊維混入エポ
キシ樹脂成形体の板表面へ、サブストラクト法若しくは
アディティブ法、それに加えて無電解めっきによるパタ
ーニングを施す。当該パターニングは所定のパターンの
横方向及び縦方向への繰返しである。その後当該所定の
パターン単位に分割して個々の印刷回路板とする。分割
の手段は回転ディスクカッター等による切断である。こ
こでチップ抵抗器1や印刷回路板等の電子部品の製造に
おいて、分割工程前、つまり個々の電子部品が一体とし
て取り扱うことのできる段階、又は分割工程後、つまり
個々の電子部品として取り扱う段階の、いずれの段階で
本発明にかかるマーキングを実施するかにより、得られ
る有利な効果が異なってくる。即ち分割工程前にマーキ
ングを実施する利点は、被印刷物の取扱い性に優れる
点、それに伴うマーキング作業の高速化及び被印刷物の
位置ずれを極力防止できる点が挙げられる。他方分割工
程後にマーキングを実施する利点は、分割工程後までに
不良品扱いされた製品に対してまでマーキングを実施す
る必要がなくなる点、つまり工程数を減らすことができ
る点が挙げられる。本発明にかかるインクジェット技術
によるマーキングは、電子部品にとって最も妥当な段階
を適宜選択してマーキング工程を実施できるのが利点で
ある。
【0028】上記チップ抵抗器1の製造段階において、
分割工程後に抵抗値を検測する工程を有している場合、
当該検測により回路素子特性値が所望の値から外れた製
品は、不良品として取り扱われる。従って当該検側終了
後にマーキングを実施することにより、そのような不良
品に対してマーキングを実施せずに済むようにすること
ができる利点がある。また不良品にマーキングを実施し
ないことにより、マーキングされていない製品が不良品
であるという目印にもなり得る利点がある。また通常検
測の工程はチップ抵抗器1の製造の最終段階になされ
る。従って、例えば端子部にはんだをめっきする工程を
要するチップ抵抗器1については、当該めっきの工程終
了後にマーキングすることとなる。そのことから、めっ
き工程で使用されるめっき液との接触、更にはめっき工
程がいわゆるバレルめっきによる場合のダミーボールと
電子部品との摩擦、電子部品同士の摩擦によりマーキン
グが剥離するおそれがない利点がある。この利点はチッ
プ抵抗器1に限らず、回路素子の検測工程を有する電子
部品全てについて有する利点である。
【0029】また上記チップ抵抗器の製造法において、
分割工程後にチップ抵抗器1を配列梱包する工程を有
し、その工程と同時に本発明にかかるマーキング工程を
実施する場合には、マーキングすべき文字、記号又は図
形の向きを当該配列に対応させるようマーキングを実施
することができる。例えば容器状梱包材にチップ抵抗器
1を入れ、その後マーキングを実施した後に当該容器上
部にカバーをかけ、容器とカバーを接着して梱包を終了
する一連の工程の場合である。つまり、いわゆるテーピ
ング工程のボトムテープにチップ抵抗器を配置した後マ
ーキングし、その後トップテープを被せる場合等であ
る。かかる配列梱包の際には、マーキング向きを揃える
ことにより意匠効果が増す。その上、テーピング等の配
列梱包されたチップ抵抗器を実装機等を用いてチップ抵
抗器が多数実装された実装体を構成した場合、実装体に
おける実装されたチップ抵抗器のマーキング方向が常に
一定となり、実装体の目視等による検査の際に便利とな
る利点がある。この利点はチップ抵抗器1に限らず、配
列梱包工程を有する電子部品全てについて有する利点で
ある。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。まず本発明にかかるインクジ
ェットヘッド5の構造について述べる。図3にインクジ
ェットヘッド5を構成する各部材の概要、図4にインク
ジェットヘッド5の断面図を示している。樹脂製の容器
3内にはステンレスからなる金属焼結体18及び柱状空
間20が形成されており、非動作状態では、インク2の
殆どは金属焼結体18に含浸されている。また容器3上
面には図示しない金属板が貼付してあり、その上に住友
金属工業(株)製、型番:SPM−H5Cの圧電素子4
が前記金属板との電気接続を保ちながら固定されてい
る。圧電素子4の上には、異方性導電膜11を介して圧
電素子4と電気接続ケーブル12に形成されている電気
パッド13とが対応位置となるようにする。またその上
にはアルミナからなるセラミック板14がある。その下
面にはスクリーン印刷により形成された凸部19が前記
電気パッド13と対応位置に存在し、上面にはスクリー
ン印刷により形成された電極16及び抵抗体17を主構
成部材とする抵抗発熱体15が存在する。電気接続ケー
ブル12の各々の電気パッド13からは、図示しないそ
れぞれ独立した外部への導電経路が確保されている。
【0031】これらを図4に示すように配置する。その
配置の際には各部材同士が若干の圧接力を受ける状態と
する。当該圧接力は主に異方性導電膜11が吸収し、そ
の形状を変形させる。当該変形は凸部19と圧電素子4
との間の異方性導電膜11部分を極部的に密にし、他の
異方性導電膜11部分を疎の状態のままに維持する。密
な異方性導電膜11部分は導電率が高く、疎の状態の異
方性導電膜11部分の導電率は低い。これにより各凸部
19に対応する電気パッド13と、それと対応する各々
の圧電素子4との間の電気接続を実現することとなる。
従って電気接続ケーブルと容器3上の金属板との間への
通電によって各々の圧電素子4への通電が可能となる。
圧電素子4の厚みが異方性導電膜を十分な極部的な密の
状態を形成し得る程度に大きければ、セラミック板14
の凸部19は不要と考えられる。しかし、セラミック板
14の表面の凹凸状態に依存して十分に密の状態を形成
し得るか否かが決定されることとなるため、セラミック
板14の凸部19の存在により、電気接続ケーブルと容
器3上の金属板との間の導通をより確実にすると考えら
れる。当該通電により圧電素子4が変形し、容器3へ衝
撃を与える。衝撃を受けた容器3と最も近接し、且つ金
属焼結体18が介在しない吐出口7からインク2が吐出
する。隣接する吐出口7からはインク2の吐出が制限さ
れる。その理由は一対の圧電素子4−吐出口7間には柱
上空間20があり、圧電素子4からの衝撃が略直接的に
吐出口7へ伝播するのに対し、一の圧電素子4と、金属
焼結体18を介在して存在する吐出口7との間は、前記
衝撃が金属焼結体18が吸収され、当該吐出口7へは伝
播しないためと考えられる。また図3、図4では一のセ
ラミック板の表裏に抵抗発熱体15、及び凸部19とを
それぞれ形成しているため、部品点数低減にも寄与して
いる。
【0032】容器3上面及び側面は比較的厚い樹脂から
なり剛性を有しているが、下面はポリイミドフィルムか
らなる。吐出口7はそのポリイミドフィルムをレーザに
て穴開け加工して得た。ポリイミドフィルムは、通常使
用されるインク2との親和性に乏しいため、吐出口7外
側周辺にインク2が残留しにくい利点がある。残留した
インク2が吐出口7付近で凝固すると、インク2のスム
ーズな吐出を妨げるおそれがある。通常使用されるイン
ク2との親和性に乏しい材料としては、他にポリテトラ
フルオロエチレン等のフッ素樹脂が考えられ、そのフィ
ルムも好適に使用できると考えられる。
【0033】次に上記本発明にかかるインクジェットヘ
ッド5を用いた電子部品の製造法の例を述べていく。 (実施の形態1)縦横に多数の分割用溝を有するアルミ
ナ製の大型の基板に対してスクリーン印刷技術により抵
抗素子を形成する。次いでその抵抗素子を保護するため
の保護層をエポキシ樹脂系黒色ペーストでスクリーン印
刷技術により形成する。その後当該ペーストを200〜
250℃で数十分間加熱して硬化する。その後前記分割
用溝を開く方向に応力を付与することで、当該分割用溝
に沿って個々のチップ抵抗器へと分割する。
【0034】その後露出した端子電極表面にニッケル層
及びはんだ層を形成するため、バレルめっきに供した。
ニッケルめっき条件は、多量の上記チップ抵抗器を、硫
酸ニッケル:塩化ニッケル:ホウ酸=6:1:1(重量
比)、それに水を加えてpH=4〜5とし、温度を60
℃としためっき液に約2時間ダミーボールと共に混合・
浸漬する条件である。またはんだめっき条件は、ニッケ
ルめっき工程終了後の多量の上記チップ抵抗器を、アル
カノールスルホン酸:アルカノールスルホン酸第一ス
ズ:アルカノールスルホン酸鉛=25:25:1(重量
比)、それに水を加えてpH=1〜2とし、温度を20
℃としためっき液に約1時間ダミーボールと共に混合し
ながら浸漬する条件である。これで前記露出した端子表
面にニッケル層が形成され、その上層にスズ−鉛合金か
らなるはんだ層が形成される。
【0035】めっき工程終了後には各々のチップ抵抗器
を検測工程に供する。測定される回路素子特性値は、抵
抗値である。ここで所望の抵抗値範囲内にある抵抗器の
みを選別して配列梱包する。
【0036】配列梱包は公知のテーピング操作による。
抵抗器外寸よりもひとまわり大きな穴が多数形成された
紙材の一方の面にポリエチレンからなるシートが接着さ
れている、テーピング材(テープ6)の当該穴にチップ
抵抗器1を樹脂製保護コートが配された面を下にした状
態で挿入する。挿入後に前記紙材の他方の面にも透明な
ポリエチレンからなるシートを接着することにより梱包
作業が終了する。マーキング操作は当該挿入後、他方の
面へのシート接着前に実施する。
【0037】マーキングに使用するインク2は二酸化チ
タンの微粉末を顔料とし、光硬化剤としてアクリル−ウ
レタン系樹脂及びアクリル−エポキシ系樹脂を用い、分
散剤としてアルコールを用いている。粘度は3〜30c
pに調整した。このインク2は白色のインクとなり、チ
ップ抵抗器1の保護コート色である黒色上に印刷するこ
とにより、マーキングが明瞭となる。
【0038】マーキング操作について詳述する。マーキ
ング操作に用いる装置群のブロックダイアグラムを図5
(a)に示す。またインクジェット印刷装置の動作の概
要を図1に示した。吐出口7と被印刷物であるチップ抵
抗器1との距離は1.2mmとした。当該吐出口7はそ
の径が40μmであり、そこから吐出されるインク2粒
子径は約60μmとなる。またこの容器3の外側にはイ
ンク2粘度を調節する目的で抵抗発熱体15を取りつ
け、インク2温度を約30〜50℃に維持している。
【0039】またインクジェットヘッド5と、被印刷物
であるチップ抵抗器1とを、相対的に位置変更可能とす
る。この位置変更により被印刷物へのインク2供給によ
り文字や図形の描画が、その位置変更に対応して可能と
なる。塗着されたインク2は、紫外線照射装置により紫
外線を即座に受けてその表面が硬化して滲みが制限され
る。本例では被印刷物を描画のために移動させることが
困難なため、チップ抵抗器1を固定した状態でインクジ
ェットヘッド5を移動させて描画する。当該移動の駆動
力は、モータとすることが好ましい。その理由は移動量
を容易に且つ精度良く調節することができるためであ
る。移動手段は公知のX−Y移動装置を用いる。図1に
インクジェットヘッド5の移動方向を矢印で示した。
【0040】図5(a)より、描画する文字又は記号の
情報は、予め記憶媒体に格納されている。マーキング作
業者が入力手段により、描画すべき文字又は記号を中央
演算処理装置(以下、CPUと記す)へ入力する。ここ
で、文字のタイプフェイスは数種選択可能であり、その
選択により電子部品種別毎のタイプフェイスの割り当て
が可能となる。CPUはその情報に基づき、インク2の
インクジェットヘッド5に対して圧電素子4へ印加する
電圧値、印加のタイミング、命令すべき前記移動に際し
てのX方向移動量、Y方向移動量、及び移動のタイミン
グとを電源に接続させる制御回路及び移動装置に命令す
る。制御回路は、電源からの電圧波形等を制御する。制
御回路及び移動装置はその命令に従ってインクジェット
ヘッド5を移動させ、また圧電素子4への電圧印加を実
施する。かかる電圧印加は、25kHz程度の交流によ
るものであり、インク2の吐出も同じ周期でなされる。
紫外線照射装置は、他の装置等とは独立して常時動作
(照射)している。
【0041】上記テーピング工程では、配列されたチッ
プ抵抗器1が順次運ばれてくる。従ってその運ばれるタ
イミングとマーキング操作のタイミングとを一致させる
必要がある。そのための手段として、画像認識技術を採
用した。画像認識手段によりチップ抵抗器1の保護コー
ト色である黒色を認識することによってマーキングすべ
き位置を把握するものである。
【0042】マーキングによりインク2がチップ抵抗器
1の保護コート面に塗着すると、その直後にマーキング
部分へ少なくとも10秒間紫外線が照射される。具体的
には紫外線照射を一定領域に常に実施し、当該領域へ順
次チップ抵抗器1が運ばれる構成とする。これによって
インク2が滲むことなく即座に硬化する。この紫外線照
射は透明なポリエチレンからなるシートを接着した後に
実施してもよい。このようなシートは紫外線が容易に透
過するためである。但し、当該シートへの硬化前のイン
クの付着による文字や記号の不明瞭化を防止したり、当
該シート自身の紫外線照射による劣化を防止するために
も、極力当該シートの接着前に実施するのが好ましい。
【0043】本例では上記めっき工程の後にマーキング
を実施している。めっきの工程前にマーキングを施す
と、酸性溶液中への長時間の浸漬に加え、ダミーボール
とチップ抵抗器1との接触、チップ抵抗器1同士の接触
により、マーキング部分の剥離が生じるおそれがある。
従って本例のようにめっき工程の後にマーキングを実施
することがより好ましい。
【0044】(実施の形態2)縦横に多数の分割用溝を
有するアルミナ製の大型の基板に対してスクリーン印刷
技術により抵抗素子を形成する。次いでその抵抗素子を
保護するための保護層をエポキシ樹脂系黒色ペーストで
スクリーン印刷技術により形成する。その後当該ペース
トを200〜250℃で数十分間加熱して硬化する。そ
の後マーキングを実施する。マーキングに使用するイン
クは実施の形態1と同一の物である。
【0045】マーキング操作について詳述する。マーキ
ング操作に用いる装置群のブロックダイアグラムを図5
(b)に示す。またインクジェット印刷装置の動作の概
要を図2に示す。インクジェットヘッド5は実施の形態
1と同一の物を用いた。本例ではインクジェットヘッド
5を固定し、被印刷物である分割前のチップ抵抗器1を
描画のために移動することで描画した。吐出口7と被印
刷物であるチップ抵抗器1との距離は1.2mmとし
た。当該移動の駆動力は、リニアモータとすることが好
ましい。その理由は移動量を容易に且つ精度良く調節す
ることができるためである。移動手段は公知のX−Y移
動装置を用いる。図2に基板の移動方向を矢印で示し
た。
【0046】入力された描画する文字又は記号情報をC
PUが圧電素子4、電源から接続され得た制御回路及び
移動装置に命令する方法等は、実施の形態1と同様であ
る。マーキングによりインクがチップ抵抗器1の保護コ
ート面に塗着すると、その直後にマーキング部分への紫
外線照射を少なくとも10秒間実施する。具体的には紫
外線照射を基板全体に常に実施することによる。これに
よってインク2が滲むことなく硬化する。この紫外線照
射後にインク2の溶媒を略完全に除去すること、またイ
ンクの硬化をより完全にすることを目的として大気中1
50℃で数十分放置した。その後前記分割用溝を開く方
向に応力を付与することで、当該分割用溝に沿って個々
のチップ抵抗器1へと分割する。その後実施の形態1と
同様のめっき工程を経る。
【0047】本例では前述しためっき工程の前にマーキ
ングを実施しているため、マーキング部分の剥離が生じ
るおそれがあると考えられ、前記大気中150℃で数十
分放置を実施した。そのためか、めっき工程を経てもマ
ーキングの剥がれは全く見られなかった。この150℃
で数十分の熱処理は、従来のスクリーン印刷法によるマ
ーキングにおける、インク2を硬化させる熱処理(20
0〜250℃で数十分)に比べても回路素子への影響は
小さい処理であると言える。その理由は、両者の処理前
後の回路素子特性値(抵抗値)変化の違いにより明らか
となった。つまり本例は従来に比して抵抗値変化率が小
さかったのである。めっき工程終了後のチップ抵抗器の
検測工程及びテーピング工程は、実施の形態1と同様に
実施した。
【0048】実施の形態1及び実施の形態2では、マー
キングのみにインクジェット技術を採用したが、回路素
子の保護物質の形成にインクジェット技術を用いること
ができると考えられる。その際のインクの材質は、例え
ば2,4−ジニトロフェノール類の染料である。これは
黒色であり、本例のマーキング用インクである白色のイ
ンクを用いることができる。
【0049】回路素子の保護物質の形成にインクジェッ
ト技術を用いることにより得られる有利な効果は、マー
キングにインクジェット技術を用いることにより得られ
る有利な効果と同様である。例えば従来のスクリーン印
刷により保護物質を形成していた場合に用いるスクリー
ンの使用を避けることができること、インクに光硬化剤
を用いた場合には、保護すべき回路素子に与える熱的悪
影響を除去することができること等である。従って請求
項2及び請求項8、及びこれらを引用する他の請求項に
かかる発明は、請求項1及び請求項7及びこれらを引用
する他の請求項において得られる有利な効果と略同じ効
果を有する。また、マーキング及び保護物質との双方を
インクジェット技術によって形成することにより、最も
有利な効果を得ることができる。
【0050】また保護物質をインクジェット技術で膜形
成する際には、マーキングする際との吐出口の寸法等の
吐出条件とは異ならせてもよい。つまり、マーキングの
際には文字や記号を明瞭にするために、1度に吐出させ
るインク量を少なくすることが好ましかった。しかし保
護物質は多くの量のインクを短時間で吐出できた方が工
程設計上好ましいのである。即ち製膜に要する時間を短
縮できることが重要視されるのである。従ってそのため
には吐出口を大きくし、及び/又は本例における圧電素
子への印加電圧を大きくする。また、本例では被印刷物
と吐出口との距離を1.2mmに設定したが、1〜5m
mとする等の調整をして最も妥当な距離とする。
【0051】回路素子の保護物質の形成にインクジェッ
ト技術を用いる場合、実施の形態1及び実施の形態2に
おける実施時期は、少なくともめっき工程前が好ましい
と考えられる。その理由は保護物質は、めっき工程の際
に回路素子に付与される衝撃から回路素子を保護すべき
だからである。但し、比較的当該衝撃の少ない無電解め
っき法等の採用によってそのような配慮は不必要になる
とも考えられる。
【0052】(実施の形態3)印刷回路板への文字や記
号、図形のマーキングについての実施の形態を説明す
る。ガラス繊維混入エポキシ系樹脂成形体からなる厚み
1.2mmの大型の積層板に対し、いわゆるサブストラ
クト法によりパターニングする。当該パターニングは、
多数の単位パターンが縦横に連続して形成されるもので
ある。そしてスルーホール形成、無電解銅めっき及び電
解はんだめっき等の一連の製造工程を経て、その後に上
記実施の形態2と同様のマーキングの過程を経ることで
マーキングを実施する。その後前記単位パターンを有す
る印刷回路板とするため、回転ディスクカッターにより
大型の積層板を分割する。
【0053】実施の形態3では、マーキング後のインク
がめっき液に接触しないことから、実施の形態2におけ
る大気中150℃で数十分放置する工程を不要としても
よい。しかし、インクと積層板面との親和性等によって
はこの工程を経ることが好ましい。
【0054】本実施の形態1〜3では、インクジェット
ヘッド5の吐出口7の径を40μmとしたが、概ね20
〜50μmの範囲とすることができることが確認されて
いる。またその場合のインク2粒子径は30〜80μm
程度となる。
【0055】また本実施の形態1〜3では、インクジェ
ット技術を電子部品のマーキングに適用している。しか
し本発明は、その用途がマーキングに限定されるもので
はなく、回路素子構成要素の形成にも適用できることは
言うまでもない。当該回路素子構成要素は、導体、抵抗
体、誘電体等である。特に小型電子部品では、現在主に
採用されているスクリーン印刷等の厚膜技術では、その
形成への対応が困難となってきている。その理由は、各
種インク(ペースト)の形状をコントロールするのが困
難だからである。そこで本発明にかかるインクジェット
技術を採用することにより、前述のとおりインク(ペー
スト)の滲みを抑制することができるため、微細なパタ
ーニングも可能となり、小型電子部品の回路素子構成要
素の形成が可能となる。ここでの小型電子部品は、例え
ばいわゆる1005タイプ(外寸が約1.0mm×0.
5mm)相当のチップ抵抗器や、それ以下の外形寸法の
チップ部品等である。
【0056】
【発明の効果】本発明により、小さい文字や記号をもマ
ーキングし得る電子部品を提供することができた。また
インクを光硬化させることにより、回路素子の加熱によ
る特性値変化を抑えることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット技術を用いた本発明の実施の形
態1の一例の概要図である。
【図2】インクジェット技術を用いた本発明の実施の形
態2の一例の概要図である。
【図3】本発明にかかるインクジェットヘッドの各部材
の一例の概要図である。
【図4】本発明にかかるインクジェットヘッドの断面の
一例の概要図である。
【図5】本発明にかかるマーキング作業を実施する装置
群のブロックダイアグラムである。
【符号の説明】
1.チップ抵抗器 2.インク 3.容器 4.圧電素子 5.インクジェットヘッド 6.テープ 7.吐出口 11.異方性導電膜 12.電気接続ケーブル 13.電気パッド 14.セラミック板 15.抵抗発熱体 16.電極 17.抵抗体 18.金属焼結体 19.凸部 20.柱状空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01C 17/02 B41J 3/04 101Z H01L 23/00 103A H05K 3/00 101Y Fターム(参考) 2C056 EA24 FA04 FB01 FC01 HA44 2C057 AF21 AH20 AJ10 BA04 BA14 4J039 AD09 AE04 AE05 BA12 BE27 EA06 GA24 5E032 BA04 BA11 BB01 CA01 CC10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘度調整されたインクをインクジェットヘ
    ッドの吐出口から吐出して被印刷物に塗着し、塗着され
    たインクの滲み開始前に当該インクの一部または全部を
    硬化する工程を有することを特徴とする電子部品の製造
    法。
  2. 【請求項2】粘度調整がインクへの加熱によることを特
    徴とする請求項1記載の電子部品の製造法。
  3. 【請求項3】インクが光硬化剤を含み、インクの一部ま
    たは全部を硬化する手段が光照射であることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の電子部品の製造法。
  4. 【請求項4】インクの一部を硬化した後に、更にインク
    を硬化させる工程を有することを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の電子部品の製造法。
  5. 【請求項5】インクが金属酸化物粉末を顔料として含む
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子
    部品の製造法。
  6. 【請求項6】インク粘度調整手段により所定範囲に粘度
    調整されたインクが、インクジェットヘッド部のインク
    吐出口から被印刷物へ吐出する機構、及び被印刷物に塗
    着したインクを硬化させる手段を有することを特徴とす
    る電子部品の製造装置。
  7. 【請求項7】インク粘度調整手段が発熱体であって、当
    該発熱体とインクジェットヘッド部とが一体であること
    を特徴とする請求項6記載の電子部品の製造装置。
  8. 【請求項8】インク粘度測定手段がインクジェットヘッ
    ド部と一体であることを特徴とする請求項6又は7記載
    の電子部品の製造装置。
  9. 【請求項9】光硬化剤を含むインクを硬化させる手段が
    光照射手段であることを特徴とする請求項6〜8のいず
    れかに記載の電子部品の製造装置。
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