JP2003079391A - ステロール類及びスタノール類を含有する混合物中のスタノール類を選択的にトランスエステル化する方法 - Google Patents

ステロール類及びスタノール類を含有する混合物中のスタノール類を選択的にトランスエステル化する方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステロール及びスタノールを含有する混合物
中のスタノール類を選択的にトランスエステル化する方
法、及び混合物からステロール類を分離する方法を提供
する。 【解決手段】 選択的トランスエステル化方法は、ステ
ロール類、スタノール類、及び有機酸と短鎖脂肪族アル
コールとのエステルを含有する混合物と選択的リパーゼ
とを接触させることにより反応混合物を生成する。ステ
ロール類及びスタノール類を含有する混合物からステロ
ール類を含有する画分を分離する方法は、(a) ステロー
ル類、スタノール類及び有機酸と短鎖脂肪族アルコール
とのエステルを含有する原料混合物と選択的リパーゼと
を接触させることにより反応混合物を生成し、(b) 前記
反応混合物から選択的リパーゼを分離することにより反
応生成混合物を生成し、(c) 前記反応生成混合物からス
テロール類を含有する画分を分離する工程を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステロール類及び
スタノール類を含有する混合物中でスタノール類を選択
的にトランスエステル化する方法、及びステロール類
(sterols)及びスタノール類(stanols)を含有する混
合物中からステロール類を分離する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ステロール類及びスタノール類はともに
工業的に重要な用途を有する。ステロール類(主にβ−
ステロール)は発酵によりステロイド薬の合成に有用な
中間体に変換することができる。スタノール類は微生物
による変換にやや適さないため、発酵前にステロイドア
ルコール類の混合物から除去するのが賢明である。
【0003】一方、有機酸(一般に脂肪酸)によりエス
テル化されたスタノール類、すなわち脂肪酸のスタニル
エステル類は効果的な血中コレステロール降下剤であ
り、これらは機能性食品成分として需要が多い。
【0004】従って、製薬産業用に純粋なステロール類
を得るとともに、機能性食品産業用にスタニルエステル
類又はスタノール類を得るために、ステロイドアルコー
ル類を含有する混合物中のステロール類をスタノール類
から分離できたら都合が良い。しかしながら、スタノー
ル類からステロール類を分離する方法は今までの所知ら
れていない。このため製薬工業の分野では、上述したよ
うに純粋なステロール類よりも発酵が効率的でないステ
ロイドアルコール類の混合物を使用しなければならなか
った。また機能性食品の業界では、スタノール類又はス
タノール類のエステル類を得るためにステロイドアルコ
ール類の混合物全体をステロイドエステル類に転化しな
ければならなかった。このような方法の1つが米国特許
第5,502,045号に開示されている。開示された方法は、
ステロール類をスタノール類に還元するためにステロイ
ドアルコール混合物を触媒により水素化し、次いでナト
リムエチラート触媒の存在下で、脂肪酸のメチルエステ
ル類を用いて混合物を化学的にトランスエステル化する
ものである。しかしながらこの方法には、水素化により
高価なβ−シトステロール(beta-sitosterol)が除去
されるだけでなく、5位の炭素を不整炭素中心とした非
天然配置の異性体を有する鏡像体の混合物が生成した
り、未知の代謝効果が生じるという欠点がある。
【0005】従って、発酵又は他の用途のために高品質
のステロール類を得ること、及び機能性食品成分として
天然のスタノール類又はスタノールエステル類を得るこ
とを目的として、ステロール類及びスタノール類をステ
ロイドアルコール混合物から分離できれば都合がよい。
【0006】しかしながら、以下に示す構造を有するβ
−シトスタノール(beta-sitostanol)及びβ−シトス
テロール(beta-sitosterol)は事実上同じ物理的及び
化学的性質を有するため、それらを効果的に分離する方
法を発見するのは非常に困難である。このため、かかる
技術的課題に関する公知文献は全くない。
【0007】
【化1】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、ステロール類及びスタノール類を含有する混合物中
のスタノール類を選択的にトランスエステル化する方
法、及びかかる混合物からステロール類を分離する方法
を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、スタノール類のトランスエステ
ル化に対して選択性を有する微生物由来のリパーゼを用
いることにより、ステロール類及びスタノール類を含有
する混合物からステロール類を分離できることを発見
し、本発明に想到した。
【0010】すなわち、ステロール類及びスタノール類
を含有する混合物からステロール類を含有する画分を分
離する本発明の方法は、(a) ステロール類、スタノール
類及び有機酸と短鎖脂肪族アルコールとのエステルを含
有する原料混合物(reactantmixture)と選択的リパー
ゼとを接触させることにより反応混合物(reacting mix
ture)を生成し、(b) 前記反応混合物から選択的リパー
ゼを分離することにより反応生成混合物(reacted mixt
ure)を生成し、(c) 前記反応生成混合物からステロー
ル類を含有する画分を分離することを特徴とする。
【0011】また、ステロール類及びスタノール類を含
有する混合物中のスタノール類を選択的にエステル化す
る本発明の方法は、ステロール類、スタノール類及び有
機酸と短鎖脂肪族アルコールとのエステルを含有する混
合物と選択的リパーゼとを接触させることにより反応混
合物を生成することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】植物(植物ステロイド類)又は動
物(動物ステロイド類)由来のどちらのステロイド類も
それらの分子にパーハイドロシクロペンタノフェナント
レン(perhydrocyclopentano phenantrene)核を有し、
さらにそれらの幾つかはこの核の17位の炭素に結合した
炭化水素鎖を有する。
【0013】ステロイド類の中には、核の3位の炭素に
少なくとも1つの水酸基が結合したステロイドアルコー
ル類がある。本明細書において、用語「ステロール類」
は核の5位の炭素に2重結合を有するステロイドアルコ
ール類を表す。同様に用語「スタノール類」は核の5位
の炭素に2重結合のないステロイドアルコール類を表
す。本発明の方法に用いるステロール類及びスタノール
類は公知のものでも良い。
【0014】(イ) 食用油(大豆油、ヒマワリ油、トウモ
ロコシ胚芽油、パーム油、菜種油等)をデガミングした
残渣や、(ロ) クラフトセルロースパルプ法から排出され
る黒液の石鹸(black liquor soap)、トール油又はト
ール油蒸留残渣(トール油ピッチとして知られている)
に由来するいわゆる木精(wood alcohol)の中に、多量
のステロイドアルコール類が存在する。
【0015】木精を含む大部分の植物由来のステロイド
アルコール類又は植物ステロール類は、通常ステロール
類及びスタノール類の両方を含有する。
【0016】植物ステロール類の回収及び精製方法は公
知である。下記の表1は黒液石鹸から得られた木精の代
表的な組成を示す。
【0017】
【表1】
【0018】ステロイドアルコール類の混合物はフリー
ステロイドアルコール類の他に、ステリル(steryl)又
はスタニル(stanyl)エステル類を含有することがあ
る。このような場合、本発明の分離方法を実施するため
に、まず混合物を例えば酵素加水分解法又はアルカリ鹸
化法により加水分解する必要があり、得られた非鹸化物
(ステロール類及びスタノール類を含有する)は加水分解
混合物又は鹸化混合物から回収した後、本発明の分別方
法に供することができる。本発明の方法は、植物又は動
物由来のステロイドアルコール類の混合物、及びステロ
ール類及びスタノール類を含有する鹸化されない混合物
に対して行うことができる。
【0019】反応混合物中のスタノール類のトランスエ
ステル化に対して著しい選択性を示す選択的リパーゼと
して、以下に例示する微生物由来のリパーゼがある。ス
テロール類、スタノール類、及び有機酸と短鎖脂肪族ア
ルコールとの1種以上のエステル類を含有する原料混合
物は、このような選択的リパーゼとの接触により反応混
合物を生成する。
【0020】選択的リパーゼを反応混合物から分離する
ことにより、反応生成混合物が得られる。反応生成混合
物における選択的リパーゼの驚くべき作用により、ステ
ロール類からステリルエステル類への転化率よりスタノ
ール類からスタニルエステル類への転化率の方が大き
い。
【0021】スタノール類からスタニルエステル類への
転化率(X)は以下の式により計算される。 X=(C0−C)/C0 ここで、C0は原料混合物中のスタノール類の濃度を表
す。Cは反応生成混合物中のスタノール類の濃度を表
す。
【0022】同様にステロール類からステリルエステル
類への転化率(X')は以下の式により計算される。 X'=(C'0−C')/C'0 ここで、C'0は原料混合物中のステロール類の濃度を表
す。C'は反応生成混合物中のステロール類の濃度を表
す。
【0023】濃度はどの単位で表してもよいが、好まし
くは質量%で表す。選択的リパーゼは選択的リパーゼ活
性を示す限りいかなる形態であってもよく、例えば微生
物の発酵液に由来する1種以上の化合物、又は微生物の
細胞抽出物に由来する1種以上の化合物を含有する形態
でよい。これらの場合の形態をフリー選択的リパーゼ製
剤と呼ぶ。あるいは、微生物の発酵液に由来する1種以
上の化合物を固定化している不活性な固体、又は微生物
の細胞抽出物に由来する1種以上の化合物を固定化して
いる不活性な固体を含有する形態であってもよい。これ
らの場合の形態を固定化選択的リパーゼ製剤と呼ぶ。Al
caligenes spのようなAlcaligenes属のバクテリアの発
酵液に由来する化合物、又はAlcaligenes spのようなAl
caligenes属のバクテリアの細胞抽出物に由来する化合
物は、フリー又は固定化リパーゼのいずれの選択的リパ
ーゼを調製する場合にも適している。
【0024】脂肪分解活性の1単位は、ポリビニルアル
コールの存在下でオリーブオイルのエマルジョンから37
℃で1分間当たり1マイクロモルの脂肪酸を遊離する式
量を表す。本発明で使用する脂肪分解活性の測定方法は
米国特許5,219,733号に記載されており、脂肪分解活性
を測定する標準的な方法である。本発明に使用する選択
的リパーゼの加水分解活性及びトランスエステル化活性
の間には、相関性が認められる。
【0025】反応は化学量論量以上の有機酸エステル類
の存在下で進行する。第一の場合、反応生成混合物はス
テロイドアルコール類及びステロイドアルコール類のエ
ステル類を含有する。第二の場合、反応生成混合物はさ
らに有機酸混合物を含有する。いずれの場合も、必要に
応じて反応生成混合物を後工程なしに食品成分として使
用することができる。しかしながらほとんどの場合、混
合物を分別し、混合物中のエステル化された画分から非
エステル化ステロール類を分離するのが望ましい。
【0026】反応生成混合物が有機酸エステル類を含有
する場合も含有しない場合も、反応生成混合物からこれ
らの画分を分離する方法は幾つかある。反応生成混合物
を分離し、減圧蒸留により異なる画分に分別することが
できる。蒸留には以下の実施例で述べるように、内部濃
縮器を有する短路(short path)蒸留カラム又は分別カ
ラム及び外部濃縮器を有する薄膜蒸発機のいずれも用い
ることができる。反応生成混合物からステロール類を回
収するのに有用な方法として、以下の方法がある。
【0027】方法1 反応生成混合物を蒸留装置に供給し、有機酸エステル類
を含有する蒸留液、並びにステロール類及びステロイド
アルコール類のエステル類を含有する残渣を生成する。
残渣(又はその一部)を再蒸留してステロール類を含有
する蒸留液を生成する。
【0028】方法2 反応生成混合物を蒸留装置に供給し、有機酸エステル類
及びステロール類を含有する蒸留液、並びにステロイド
アルコール類のエステル類を含有する残渣を生成する。
蒸留液(又はその一部)を再蒸留して蒸留液及びステロ
ール類を含有する残渣を生成する。
【0029】方法3 反応生成混合物を蒸留装置に供給し、蒸留液及びステロ
ール類及びステロイドアルコール類のエステル類を含有
する残渣を生成する。チリ特許出願第2026/99号に開示
されているように残渣を結晶化し、ステロール類を含有
する結晶画分を得る。
【0030】方法4 チリ特許出願第2026/99号に開示されているように、反
応生成混合物を結晶化し、ステロール類を含有する結晶
画分を得る。
【0031】短路蒸留カラム、内部濃縮器を有する分子
蒸留カラム、分別カラム及び外部濃縮器を有する薄膜蒸
発機、又はこれら蒸留装置の組み合わせは上記蒸留方法
を行うのに適している。カラムの操作圧は0.01〜50 mba
rの範囲であり、蒸発面の温度は120〜400℃であり、凝
縮面の温度は20〜200℃の範囲である。
【0032】炭化水素、短鎖脂肪族アルコール及び水の
混合物は、方法3及び4における反応生成混合物の結晶
化に適した溶媒である。方法1〜4のいずれかの方法に
より得られるステロイドアルコール類のエステル類はコ
レステロール値を下げる食品成分として使用することが
できる。しかし、方法1〜4のいずれかの方法により得
られるステロイドアルコール類のエステル類のスタニル
エステル類の含有量を増加させるために、これらのエス
テル類をアルコール又は水溶液中で水酸化ナトリウム又
は水酸化カリウムによりさらに鹸化し、フリーステロイ
ドアルコール、脂肪酸石鹸、及び水又はアルコールを含
有する鹸化された混合物を増加させることができる。又
は上記ステロイドアルコール類のエステル類を適切なリ
パーゼを用いて酵素加水分解を行うことができ、ステロ
イドアルコール類及び脂肪酸類を生成する。
【0033】鹸化された混合物の成分を分離して、脂肪
酸石鹸及びフリーステロイドアルコール類を含有する画
分を生成することができる。鹸化又は加水分解した混合
物から分離したステロイドアルコール類は選択的トラン
スエステル化により反応生成混合物を生成することがで
き、次に必要に応じて方法1〜4のいずれかにより分別
することができる。
【0034】ステロール類を含まないスタノールエステ
ル類又はスタノール類を得るために、ステロイドアルコ
ール類のトランスエステル化、及びこれに続くステロイ
ドアルコール類のエステル類の分離、これらのエステル
類の加水分解又は鹸化、及び鹸化又は加水分解混合物か
らのステロイドアルコール類の分離、分離したステロイ
ドアルコール類のさらなるトランスエステル化を必要な
回数だけ繰り返すことができる。
【0035】同様に反応生成混合物から得られたステロ
イドアルコール類のステロール含有量を増加させるため
に、方法1〜4のいずれかにより反応生成混合物から一
度分離した上記アルコール類を選択的にトランスエステ
ル化し、上述の工程を経て、ステロール含有量のより高
いステロイドアルコール類を生成する。一連の工程をス
タノール類を含まないステロイドアルコール類を得るた
めに必要な回数だけ繰り返すことができる。
【0036】反応混合物中のトランスエステル化反応
は、適切な量の選択的リパーゼ(フリー又は固定化のい
ずれでもよい)の存在下で、減圧下(好ましくは300 mb
arより低い圧で)、及び30〜90℃の温度範囲で、好まし
くは反応容器中で撹拌しながら行う。
【0037】有機酸(そのエステル類をトランスエステ
ル化反応に使用することができる)は食用油(例えば菜
種油、大豆油、綿実油、ヒマワリ油、パーム油、魚油
等)に由来する脂肪酸を含むが、1分子当たり炭素原子
数2〜14の脂肪酸類の少なくとも1種を含有しても良
い。これらの脂肪酸類は、実施例1に記載するように硫
酸触媒の存在下でメタノール、エタノール、プロパノー
ル又はブタノールのような短鎖脂肪族アルコール類によ
りエステル化することができる。
【0038】反応混合物中のトランスエステル化反応を
終了させる必要がある場合、濾過、遠心分離又は適切な
分離技術により反応混合物から選択的リパーゼを分離
し、反応生成混合物とする。
【0039】本発明によれば、ステロール類及びスタノ
ール類を含有する混合物からステロール類を含有する画
分を分離する方法は、以下の工程を有する。 (a) ステロール類、スタノール類及び有機酸と短鎖脂肪
族アルコールとのエステルを含有する原料混合物と選択
的リパーゼとを接触させることにより反応混合物を生成
し、(b) 前記反応混合物から選択的リパーゼを分離する
ことにより反応生成混合物を生成し、(c) 前記反応生成
混合物からステロール類を含有する画分を分離する。
【0040】さらにステロール類及びスタノール類を含
有する混合物中のスタノール類を選択的にエステル化す
る方法は、ステロール類、スタノール類及び有機酸と短
鎖脂肪族アルコールとのエステルを含有する原料混合物
と選択的リパーゼとを接触させることにより反応混合物
を生成する工程を有する。
【0041】
【実施例】以下の実施例は本発明を実施するため方法を
例示する。
【0042】実施例1 ヒマワリ油の脂肪酸エチルエステルの調製 15.6 Lの実用品位のエタノール、313 gの濃硫酸及び10.
3 kgの市販のヒマワリ油の脂肪酸を40 Lのステンレスス
チール製反応容器中に弱い窒素気流中で撹拌しながら投
入した。反応容器には、電気ヒータ、冷却コイル、投入
用漏斗、カラム、濃縮器、Dean-Stark分離器、底部バル
ブ、窒素注入装置及び減圧蒸留のための真空吸引用接続
部が備えられていた。窒素気流を停止し、酸価を周期的
にモニタリングしながら混合物を77℃で10時間還流し
た。酸価が6.4に達したとき、当初量の90%のエタノー
ルが回収されるまでエタノールを蒸留した。混合物を60
℃まで冷却し、次いで7kgのヘキサンで希釈した。残存
する酸を実用品位の炭酸ナトリウムの10%水溶液8kgに
より中和した。水相を除去した後有機相を水とエタノー
ルの混合溶媒(水:エタノール=1:1)1kgで3回洗
浄し、pH 6.8にした。中性の有機相を95℃、25 mbarで
除去し、最終的に10.6 kgのヒマワリ油の脂肪酸エチル
エステルを得た。
【0043】実施例2 固定化された選択的リパーゼによる木ステロール類(woo
d sterols)のトランスエステル化 1000 mlのヒマワリ油の脂肪酸エチルエステル、180 gの
木精(wood alcohol)及び20,000 U/gの脂肪分解活性を有
するAlcaligenes sp由来の固定化リパーゼ(名糖産業
(株)、Lipase-QLC)10 gを混合することにより、下記
表2に示す初期組成の反応混合物を生成し、2000 mlのS
CHOTT-DURAN丸底反応容器(四つ口の蓋の平坦なフラン
ジと密着する平坦なフランジを有する)に投入した。反
応容器の一部を60℃の水浴中に浸漬した。反応容器の出
口を真空ポンプ(TRIVAC B D 16B)に接続し、反応中の
反応容器内の圧力を2mbarに維持した。撹拌はマグネチ
ックスターラーによって行った。固定化リパーゼを供給
する毎に撹拌を止め、サンプルの分析のために真空を解
除した。この操作を1分以内に行った。
【0044】フリーのスタノール類及びステロール類の
分析は、長さ30 m、直径0.32 mm及び0.25mmの薄膜を有
するHP-5キャピラリーカラムを備えたヒューレット・パ
ッカード社のHP 6890シリーズ2クロマトグラフを使用
して行った。分析はオーブン温度300℃、注入器及び検
出器温度320℃、ヘリウムキャリアガス流量0.92 ml/分
(スプリット比60:1)及び15分のプログラムで行っ
た。分析の詳細は、チリ特許出願第85/98号に開示され
ている。反応中のフリースタノール類及びフリーステロ
ール類の相対的及び絶対的な濃度変化を表2に示す。ス
タノール類に対するステロール類の質量比の経時変化を
図1に示す。ステロール類及びスタノール類のエステル
類への転化率の経時変化を図2に示す。
【0045】
【表2】 注 (1) Campesterol (2) Campestanol (3) Sitosterol (4) Sitostanol
【0046】反応中スタノール類に対するステロール類
の質量比は12倍以上に増加した。スタノール類の転化率
はほぼ100%であったの対し、ステロール類の転化率は2
0%を超える程度であった。この事実から、スタノール
類のトランスエステル化に対するリパーゼの選択性は著
しく高く、事実上スタノール類を含有しないステロール
混合物を生成することが分かる。スタノール類の初期濃
度の半分未満の初期濃度を有する低いカンペステロール
(campesterol)は反応中実質的に変化しないことが認
められ、また使用したリパーゼは驚異的な選択性を有す
ることが確認された。
【0047】実施例3 フリーリパーゼによる木ステロール類(wood sterols)
のトランスエステル化 854 gのヒマワリ油の脂肪酸エステル、141 gの木精、及
び30,000 U/gの活性を有する16 gのAlcaligenes sp由来
のフリーの選択的リパーゼ(名糖産業(株)、Lipase-Q
L)を混合することにより、下記表3に示す組成の反応
混合物を生成し、実施例2の反応容器中に投入した。反
応容器内の温度及び圧力はそれぞれ60℃及び2mbarであ
った。周期的にサンプルを採取し、60℃、10,000 rpmで
15分間遠心分離し、サンプル中に分散したリパーゼを分
離した。結果を表3に示す。表2及び3のデータの比較
からわかるように、固定化リパーゼとフリーリパーゼと
の間で転化率に大きな違いはない。
【0048】
【表3】 注 (1) Campesterol (2) Campestanol (3) Sitosterol (4) Sitostanol
【0049】実施例4 酢酸エチルを用いたステロール類の酵素によるトランス
エステル化 0.01%の水分を有する300 gの酢酸エチル[マリンクロッ
ト(Mallinckrodt)AR4992]、100.3 gの木精及び6gのA
lcaligenes sp由来の固定化選択的リパーゼ(名糖産業
(株)、Lipase-QLC)を混合して反応混合物を生成し、
五つ口の蓋の平坦なフランジと密着する平坦なフランジ
を有し、圧平衡管を有する目盛付きシリンダーを備えた
滴下漏斗、並びに濃縮器及び蒸留液を受けるガラスフラ
スコを接続したDean Stack蒸留塔頂部を備えた2Lの丸
底反応容器中に投入した。
【0050】反応容器の一部を恒温浴中に60℃で浸漬し
た。撹拌はマグネチックスターラーによって行った。反
応容器内の圧は200 mbarとした。蒸留液の回収速度に合
わせ滴下漏斗から新たに酢酸エチルを供給した。4時間
の反応の後、反応生成混合物を回収しろ過した。ろ過し
た反応生成混合物を脱溶媒し、101.1 gの残渣を回収し
た。残渣はガスクロマトグラフィーにより分析した。ス
テロール類の転化率は3.1%であり、スタノール類の転
化率は45.9%であった。
【0051】実施例5 反応生成混合物の分別 実施例2と同様にして作製した950 gの反応生成混合物
をUIC KDL-4短路蒸留カラム中に1.7 g/分で供給した。
蒸発面の温度は180℃であった。内部濃縮器の温度は30
℃であり、カラム内の圧は10 mbarであった。ヒマワリ
油の脂肪酸エチルエステルを含有し、ステロール類及び
スタノール類を含有しない773 gの蒸留液画分をカラム
の内部濃縮器から得、分離した171 gの残渣をカラムの
底部から得た。
【0052】165 gの残渣を1.5 g/分の速度で薄膜蒸発
機として使用するUIC KDL-4短路蒸留カラムに供給し
た。UIC KDL-4短路蒸留カラムは内部濃縮器がなく、カ
ラムの蒸留液又は蒸気出口を塔頂部に濃縮器を備えた充
填床[8mmのPoropakステンレス鋼バールサドル(stainl
ess steel berl saddles)を詰めた]分別カラムに接続
した。薄膜カラムの蒸発面を250℃に維持し、外部濃縮
器の温度を150℃とした。操作圧は0.1 mbarであった。
総ステロイドアルコール類を96%含み、スタノール類の
50倍量のステロール類を含有する155 gの蒸留液画分を
塔頂部濃縮器から得、フリーステロイドアルコール類の
含有量が1%より少ない7gの残渣画分をKDL-4カラムの
底部から得た。
【0053】実施例6 実施例3と同様にして作製した920 gの反応生成混合物
を1.5 g/分でUIC KDL-4短路蒸留カラムに供給した。蒸
発面の温度を180℃に維持し、内部濃縮器の温度を30℃
に維持した。カラム内の圧は10 mbarであった。ヒマワ
リの脂肪酸エチルエステルを含有し、ステロール類及び
スタノール類を含有しない771 gの蒸留液画分をカラム
の内部濃縮器から得、分離した145 gの残渣をカラムの
底部から得た。
【0054】140 gの残渣、400 gのヘキサン、20 gのエ
タノール及び20 gの水を1Lのガラスフラスコに投入
し、溶解するまで還流した。溶液を5℃まで冷却した
後、静置して結晶化させ、ろ過及び乾燥した。スタノー
ル類の25倍のステロール類を含有するステロイドアルコ
ール類を86%含む130 gの結晶を得た。
【0055】実施例7 薄膜蒸発機の残渣の鹸化 実施例5で得た5gの薄膜蒸発機の残渣、及び8%の水
酸化ナトリウムを含む20 mlのアルコール溶液を100 ml
のErlenmeyerガラスフラスコに投入した。混合物を1時
間還流した。次に20 mlの蒸留水を加え、混合物を各50
mlのヘキサンで4回抽出した。ヘキサン相を水とエタノ
ールの混合液(水:エタノール=1:1)各10 mlで中
性になるまで洗浄し、回転蒸発機中で脱溶媒した。ステ
ロイドアルコール類(スタノール類58%,ステロール類
42%)を97%含有する2.5 gの脱溶媒残渣を得た。
【0056】実施例8 再エステル化 30 Lの菜種油(Hating S.A.)の脂肪酸メチルエステ
ル、表4に示す相対的組成を有する5000 gの木精、及び
20,000 U/gの脂肪分解活性を有するAlcaligenessp由来
の固定化リパーゼ(名糖産業(株)、Lipase-QLC)250
gを40 Lのステンレススチールの反応容器中に撹拌しな
がら投入した。反応容器には電気ヒータ、冷却コイル、
投入用漏斗、カラム、濃縮器、Dean-Stark分離器、底部
バルブ、窒素注入装置及び減圧蒸留のための真空吸引用
接続部が備えられたものを使用した。
【0057】混合物を20 mbarの減圧下、300 rpmで撹拌
しながら60℃で10時間加熱した。反応混合物を50ミクロ
ンのポリエステルバッグを用いてろ過し、31.75 kgの反
応生成混合物を回収した。ろ過した酵素はヘキサンで洗
浄し、乾燥した。
【0058】反応生成混合物を12 g/分でUIC KDL-4短路
蒸留カラムに供給した。この場合カラムは薄膜蒸発機と
して使用し、蒸発面からの蒸留液を塔頂部に濃縮器を備
えた外部充填床カラム[8mmのPoropakステンレス鋼バー
ルサドル(stainless steelberl saddles)を詰めた]に
導いた。蒸発面の温度は200℃であり、充填カラム塔頂
の濃縮器の温度は30℃であった。KDL-4カラム内の圧は
5mbarであった。塔頂部の濃縮器で23.15 kgの蒸留液画
分、及びKDL-4カラムの底部で7.40 kgの残渣画分を回収
した。
【0059】残渣を再度上記のように組み立てた薄膜蒸
発機に供給した。蒸発面の温度を250℃に維持し、塔頂
部の濃縮器の温度を150℃とした。操作圧は0.1 mbarで
あった。塔頂部の濃縮器で5.23 kgの蒸留液画分、及びK
DL-4カラムの底部で2.07 kgの残渣画分を得た。残渣画
分のクロマトグラフィーによる分析はステロール類又は
スタノール類を検出しなかった。
【0060】2.0 kgの残渣を40 Lのステンレス鋼の反応
容器中に撹拌しながら投入し、8%の水酸化ナトリウム
を含む3Lのエタノール溶液を加えた。混合物を2時間
還流し、3Lの水を加え25℃に冷却し、得られた混合物
を各10 Lのヘキサンで4回抽出した。ヘキサン相を洗浄
してpHを中性にし、次いで同一反応容器内で部分的に脱
溶媒した。ヘキサン濃縮液は最終的に減圧下、回転蒸発
機中で脱溶媒した。表4に示す組成の1070 gの脱溶媒残
渣(残渣3,表4)を得た。
【0061】本実施例で回収された4.00 kgの初留液、8
00 gの脱溶媒残渣及び40 gの固定化リパーゼを6LのSCH
OTT-DURAN反応容器中に投入した。反応容器を恒温浴中
に60℃で部分的に浸漬した。
【0062】混合物を20 mbarの減圧下で2時間撹拌し
ながら保持した後、50ミクロンのポリエステルバッグを
通してろ過した。4.75 kgの反応生成混合物を回収し
た。ろ過した酵素はヘキサンで洗浄した後、乾燥した。
【0063】2.00 kgの反応生成混合物を2 g/分でUIC K
DL-4短路蒸留カラムに供給し、蒸発面を温度180℃に維
持し、内部濃縮器の温度を30℃に維持した。カラムの圧
は10mbarであった。1541 gの蒸留液画分及び432 gの残
渣をカラムから回収した。
【0064】420 gの上記残渣を1.5 g/分で上記のよう
に組み立てた薄膜蒸発機に供給した。蒸発面の温度を25
0℃に維持し、塔頂部の濃縮器の温度を150℃とした。圧
は0.1 mbarであった。濃縮器で294 gの蒸留液画分及び
カラムの底部で109 gの残渣画分を得た。
【0065】100 gの後者の残渣を1.5 g/分でUIC KDL-4
短路蒸留カラムに供給し、蒸発面の温度を250℃、及び
濃縮器の温度を100℃に維持した。カラム内の圧は0.1 m
barであった。
【0066】内部濃縮器で96 gの5番目の蒸留画分を回
収し、カラムの底部で3gの残渣画分(表4中の残渣
7)を回収した。2gの後者の残渣画分を実施例7と同
様にして鹸化し、1gの表4に示す組成を有する脱溶媒
ヘキサン抽出物を得た。
【0067】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例2の反応においてスタノール類に対す
るステロール類の質量比の経時変化を示すグラフであ
る。
【図2】 実施例2の反応においてステロール類及びス
タノール類のエステル類への転化率の経時変化を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アレハンドゥロ マルコビッツ ロハス チリ サンディアゴ キリクラ アベニダ エドゥアルド フレイ モンタルバ 6000 (72)発明者 エンドゥレ マルコビッツ シェルスル チリ サンディアゴ キリクラ アベニダ エドゥアルド フレイ モンタルバ 6000 (72)発明者 イレネ マルティネス バステレッチャ チリ サンディアゴ キリクラ アベニダ エドゥアルド フレイ モンタルバ 6000 Fターム(参考) 4B064 AH07 CA21 CA32 CB24 CC06 CC30 CE10 DA01 DA10

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステロール類及びスタノール類を含有す
    る混合物からステロール類を含有する画分を分離する方
    法であって、(a) ステロール類、スタノール類及び有機
    酸と短鎖脂肪族アルコールとのエステルを含有する原料
    混合物と選択的リパーゼとを接触させることにより反応
    混合物を生成し、(b) 前記反応混合物から選択的リパー
    ゼを分離することにより反応生成混合物を生成し、(c)
    前記反応生成混合物からステロール類を含有する画分を
    分離することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、前記リ
    パーゼがAlcaligenes属の微生物に由来することを特徴
    とする方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の方法において、
    前記微生物がAlcaligenes spであることを特徴とする方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の方法において、
    前記リパーゼが、微生物の発酵液に由来する1種以上の
    化合物、微生物の細胞抽出物に由来する1種以上の化合
    物、微生物の発酵液に由来する1種以上の化合物を固定
    化した固体支持体、又は微生物の細胞抽出物に由来する
    1種以上の化合物を固定化した固体支持体を含むことを
    特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の方法に
    おいて、前記短鎖脂肪族アルコールがメタノール、エタ
    ノール、プロパノール及びブタノールからなる群から選
    ばれたものであることを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の方法に
    おいて、前記有機酸が1分子当たり炭素原子数2〜25の
    脂肪酸からなる群から選ばれたものであることを特徴と
    する方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の方法に
    おいて、前記反応混合物の圧力が大気圧より低いことを
    特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の方法において、前記圧
    力が300 mbarより低いことを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の方法に
    おいて、反応装置の温度範囲が30〜90℃であることを特
    徴とする方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の方法に
    おいて、前記反応生成混合物からステロール類を含む画
    分を回収する工程が、減圧下における少なくとも1つの
    蒸留工程、又は少なくとも1つの蒸留及び結晶化工程を
    含むことを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】 ステロール類及びスタノール類を含有す
    る混合物中のスタノール類を選択的にトランスエステル
    化する方法であって、ステロール類、スタノール類、及
    び有機酸と短鎖脂肪族アルコールとのエステルを含有す
    る混合物と選択的リパーゼとを接触させることにより反
    応混合物を生成することを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の方法において、前記リ
    パーゼが Alcaligenes属の微生物に由来することを特徴
    とする方法。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12に記載の方法において、
    前記微生物がAlcaligenes spであることを特徴とする方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項11〜13のいずれかに記載の方法に
    おいて、前記リパーゼが、微生物の発酵液に由来する1
    種以上の化合物、微生物の細胞抽出物に由来する1種以
    上の化合物、微生物の発酵液に由来する1種以上の化合
    物を固定化した固体支持体、又は微生物の細胞抽出物に
    由来する1種以上の化合物を固定化した固体支持体を含
    むことを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 請求項11〜14のいずれかに記載の方法に
    おいて、短鎖脂肪族アルコールがメタノール、エタノー
    ル、プロパノール及びブタノールからなる群から選ばれ
    たものであることを特徴とする方法。
  16. 【請求項16】 請求項11〜15のいずれかに記載の方法に
    おいて、前記有機酸が1分子当たり炭素原子数2〜25の
    脂肪酸からなる群から選ばれたものであることを特徴と
    する方法。
  17. 【請求項17】 請求項11〜16のいずれかに記載の方法に
    おいて、前記反応混合物の圧力が大気圧より低いことを
    特徴とする方法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の方法において、前記圧
    力が300 mbarより低いことを特徴とする方法。
  19. 【請求項19】 請求項11〜18のいずれかに記載の方法に
    おいて、反応装置の温度範囲が30〜90℃であることを特
    徴とする方法。
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