JP2003073883A - 高周波用鉄電析膜、高周波コイル用絶縁電線およびこれらの製造方法 - Google Patents

高周波用鉄電析膜、高周波コイル用絶縁電線およびこれらの製造方法

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JP2003073883A
JP2003073883A JP2001269761A JP2001269761A JP2003073883A JP 2003073883 A JP2003073883 A JP 2003073883A JP 2001269761 A JP2001269761 A JP 2001269761A JP 2001269761 A JP2001269761 A JP 2001269761A JP 2003073883 A JP2003073883 A JP 2003073883A
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Hiroshi Kitazawa
弘 北沢
Takashi Miyazawa
貴志 宮沢
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Totoku Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波抵抗損失が小さい高周波用鉄電析膜、
および高周波抵抗損失が小さく且つ、高Q値を具備した
高周波用コイルの作成が可能な高周波コイル用絶縁電線
およびこれらの製造方法を提供する。 【解決手段】 銅導体1の外周に鉄とニッケルを交互に
電析させ、各0.03μm厚さの鉄層3層(2,4,
6)/各0.02μm厚さのニッケル層3層(3,5,
7)の合計6層の交互電析膜(高周波用鉄電析膜)8と
する。次にこの外周にポリウレタン塗料を塗布焼き付け
して、5μm厚さのポリウレタン皮膜9を設け、高周波
コイル用ポリウレタン銅線(高周波コイル用絶縁電線)
10とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波用鉄電析
膜、高周波コイル用絶縁電線およびこれらの製造方法に
関し、更に詳しくは、高周波抵抗損失が小さい高周波用
鉄電析膜、高周波抵抗損失が小さく、且つ高い高周波利
得Q値(以下、高Q値と略記する)を具備した高周波用コイ
ルの作成が可能な高周波コイル用絶縁電線およびこれら
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、電子機器の軽薄短小化および高性
能化に伴い、これらに使用されるマイクロ磁気デバイス
やバルク磁気デバイスのコイル部品に関する高周波化が
急速に高まっている。前記コイル部品に、銅導体の外周
に鉄などの強磁性体材料を電析させ、更にその外周にエ
ナメル塗料を塗布焼き付けした絶縁被覆電線を使用する
と高Q値が得られることが知られている。また、鉄など
の強磁性体材料を電析させた後、その外周にニッケル電
析膜を施し、更にその外周にはんだ付け性を有するエナ
メル塗料を塗布焼付けした絶縁被覆電線は、はんだ付け
性を兼ね備えた高周波コイル用の磁性めっき線として実
用に供されている。(実公昭42-1339号公報、特
開昭62-151594号公報)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上述した
磁性めっき線は強磁性体層の膜厚を調整し高周波化に対
応するものの、該強磁性体層(膜)が単層膜から成るこ
とより、10MHz迄の周波数帯域に於ける軽薄短小化や
高性能化が限界であるという問題点があった。また、磁
性めっき線を高周波帯域で用いる場合、必然的に強磁性
体膜の薄膜化が考えられるが単層膜では出力が小さいた
め、デバイスとしての電気的特性を満たすためには薄膜
磁性材料を積層することが必要である。そのために、強
磁性材料と非磁性材料とを積層させた多層膜が多く研究
されてきた。また多層膜化の意図するところは、非磁性
層を挟んだ上下の磁性層間の磁気的相互作用により磁性
膜の磁区が単純化し磁性膜としての軟磁気特性が向上す
ることにある。更に、磁性層を薄膜化することによりう
ず電流損失が小さくなり、透磁率が高周波帯域まで延び
ることにあるものの何れも磁気素子としての研究であ
り、コイル部品などとしての研究は皆無に等しいもので
あった。その結果、当然のことながらその詳細な説明は
なされていないという問題点があった。
【0004】本発明は、上記従来技術が有する各種問題
点を解決するために成されたものであり、高周波抵抗損
失が小さい高周波用鉄電析膜、および高周波抵抗損失が
小さく、且つ高Q値を具備した高周波用コイルの作成が
可能な高周波コイル用絶縁電線およびこれらの製造方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の観点として本発明
は、銅導体の外周に鉄とニッケルを交互に電析させ、鉄
−ニッケル交互電析層を形成させた高周波用鉄電析膜であっ
て、前記鉄−ニッケル交互電析層(膜)(以下、交互電析層
(膜)と略記する)が、6層以上12層以下から構成されて
成ることを特徴とする高周波用鉄電析膜にある。上記第
1観点の高周波用鉄電析膜では、銅導体の外周に鉄とニ
ッケルを交互に電析させた高周波用鉄電析膜に於いて、
当該交互電析層が、6層以上12層以下から構成されて成
る高周波用鉄電析膜なので、高周波抵抗損失が小さい鉄
電析膜となる。なお、前記交互電析層が6層より小さい
場合は、非磁性層を挟んだ上下の磁性層間の磁気的相互
作用が得られ難く磁性膜としての軟磁気特性が向上され
ない。また、前記交互電析層が12層より大きい場合は、
軟磁気特性は向上されるものの多層化の持つ特性が飽和
してしまうとともに、製造工数も増すためコストを押し
上げる要因となり好ましくない。
【0006】第2の観点として本発明は、前記鉄−ニッケル
交互電析層の鉄膜厚X(μm)が0.02≦X≦0.0
5、ニッケル膜厚y(μm)が0.01≦y≦0.03
から構成されて成ることを特徴とする高周波用鉄電析膜
にある。上記第2観点の高周波用鉄電析膜では、鉄とニ
ッケルを交互に電析させた高周波用鉄電析膜に於いて、
当該交互電析層の鉄膜厚X(μm)は0.02≦X≦0.
05の範囲が好ましい。なお、鉄膜厚Xが0.02μm
より小さい膜厚では素地銅表面による凹凸等から外周を
完全に覆うことに困難を擁し、そのため高周波特性の向
上が得られない。また、鉄膜厚Xが0.05μmより厚
い膜厚では、透磁率が高周波帯域まで延び難いことと、
得られる鉄電析膜が比較的硬いことにより可とう性に乏
しく微細なクラック等欠陥が生じ易く、高周波特性の向
上が得られない。更に、ニッケル膜厚y(μm)は0.
01≦y≦0.03の範囲がはんだ付け性、高周波特性
上好ましい。なお、ニッケル膜厚yが、0.01μmよ
り小さい膜厚では充分なはんだ付け接合が得られず、ま
た0.03μmより大きい膜厚では鉄の磁気特性を阻害
し、良好な高周波特性が得られない。
【0007】第3の観点として本発明は、前記高周波用
鉄電析膜が、300℃から800℃の温度で熱処理さ
れ、電着応力が緩和されていることを特徴とする高周波
用鉄電析膜にある。上記第3観点の高周波用鉄電析膜で
は、300℃から800℃の温度範囲で熱処理し電着応
力を緩和せしめることにより、電析時に共析する水素な
どの不純物によるめっき応力が緩和されことによって軟
磁気特性が向上される。なお、800℃を超える高温中
で例えば2時間などの長時間を有する熱処理では、鉄と
ニッケルの熱拡散反応が促進され単層合金層になるため
特性上劣る。また300℃より低温での熱処理は短時間
での水素除去が困難なため応力緩和されない。
【0008】第4の観点として本発明は、前記高周波用
鉄電析膜の外周にはんだ付け性を有するエナメル絶縁樹
脂層を設けたことを特徴とする高周波コイル用絶縁電線
にある。上記第4観点の高周波コイル用絶縁電線では、
前記高周波用鉄電析膜の外周にはんだ付け性を有するエ
ナメル絶縁樹脂層(以下、はんだ付け性エナメル絶縁樹
脂層と略記する)を設けることによって、良好な電気絶
縁性とはんだ付け性が得られるため高周波コイル用線材
として好適に使用できる。
【0009】第5の観点として本発明は、前記第1観点
に記載の高周波用鉄電析膜の製造方法であって、銅導体
の外周に電気めっきにより鉄とニッケルを交互に電析さ
せ、鉄−ニッケル交互電析層を6層以上12層以下設けること
を特徴とする高周波用鉄電析膜の製造方法にある。上記
第5観点の高周波用鉄電析膜の製造方法では、電気めっ
きにより鉄とニッケルを交互に電析させ、鉄−ニッケル交互
電析層を6層以上12層以下設けることにより、前記第1
観点の高周波用鉄電析膜を効率良く製造することができ
る。
【0010】第6の観点として本発明は、前記第2観点
に記載の高周波用鉄電析膜の製造方法であって、電気め
っきにより前記鉄−ニッケル交互電析層の鉄膜厚X(μm)
を0.02≦X≦0.05、ニッケル膜厚y(μm)を
0.01≦y≦0.03設けることを特徴とする高周波
用鉄電析膜の製造方法にある。上記第6観点の高周波用
鉄電析膜の製造方法では、電気めっきにより前記鉄−ニッ
ケル交互電析層の鉄膜厚X(μm)を0.02≦X≦0.0
5、ニッケル膜厚y(μm)を0.01≦y≦0.03
設けることにより、前記第2観点の高周波用鉄電析膜を
効率良く製造することができる。
【0011】第7の観点として本発明は、前記第3観点
に記載の高周波用鉄電析膜の製造方法であって、前記高
周波用鉄電析膜を、非酸化性ガス雰囲気中で300℃か
ら800℃の温度で熱処理し、電着応力を緩和すること
を特徴とする高周波用鉄電析膜の製造方法にある。前記
非酸化性ガスとしては、窒素ガス、水素ガス等が挙げら
れる。上記第7観点の高周波用鉄電析膜の製造方法で
は、前記第3観点に記載の高周波用鉄電析膜を効率良く
製造することができる。前記高周波用鉄電析膜を、非酸
化性ガス雰囲気中で300℃から800℃の温度で熱処
理することにより電着応力が緩和され、電析時に共析す
る水素などの不純物によるめっき応力が緩和されことに
よって軟磁気特性が向上される。なお、800℃を超え
る高温中で例えば2時間などの長時間を有する熱処理で
は、鉄とニッケルの熱拡散反応が促進され単層合金層に
なるため特性上劣る。また300℃より低温での熱処理
は短時間での水素除去が困難なため応力緩和されない。
また非酸化性ガスを用いることにより、鉄電析膜表面の
酸化が防止される。
【0012】第8の観点として本発明は、前記第4観点
に記載の高周波コイル用絶縁電線の製造方法であって、
前記第5から第7観点の何れかに記載の高周波用鉄電析
膜の製造方法により得られた高周波用鉄電析膜の外周
に、はんだ付け性を有するエナメル塗料を塗布焼付けし
てはんだ付け性エナメル絶縁樹脂層を設け、高周波コイ
ル用絶縁電線とすることを特徴とする高周波コイル用絶
縁電線の製造方法にある。上記第8観点の高周波コイル
用絶縁電線の製造方法では、高周波用鉄電析膜の外周
に、はんだ付け性を有するエナメル塗料を塗布焼付けす
ることにより、前記第4観点に記載の高周波コイル用絶
縁電線を効率良く製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容を、図に示す
実施の形態により更に詳細に説明する。なお、これによ
り本発明が限定されるものではない。図1は、本発明の
高周波用鉄電析膜および高周波コイル用絶縁電線の一例
を示す断面図である。図2は鉄−ニッケル交互電析層形成条
件および熱処理条件を示す図表である。図3は、空芯コ
イルの高周波抵抗損失と周波数の関係を示す図表であ
る。また図4は、空芯コイルのQ値と周波数の関係を示
す図表である。これらの図において、1は銅導体(銅
線)、2、4、6は鉄電析膜(鉄膜)、3、5、7はニッ
ケル電析膜(ニッケル膜)、8は高周波用鉄電析膜(鉄−
ニッケル交互電析膜)、9はポリウレタン皮膜(はんだ付け
性エナメル絶縁樹脂層)、また10は高周波コイル用ポ
リウレタン銅線(高周波コイル用絶縁電線)である。
【0014】−第1の実施の形態(実施例1)− 実施例1について図1および図表2を用いて説明する。
なお、炉、めっき槽等の装置については図示しない。外
径φ0.10mmの銅線(銅99.9%)を走行させて
炉中で焼鈍し、次いで電解脱脂し(主成分:NaOH、40
℃)、更に酸洗い(主成分:硫酸、25℃)して銅導体
1とした。次に、前記銅導体1を走行させて鉄めっき槽
中に浸漬し、通電させ、0.03μm厚さの鉄電析膜
(以下、鉄膜と略記する)2を得た。次に、鉄膜2の形成
された銅導体1を走行させてニッケルめっき槽中に浸漬
し、通電させ、0.02μm厚さのニッケル電析膜(以
下、ニッケル膜と略記する)3を得た。ニッケルめっき
後案内滑車を用いて鉄めっき槽に戻し、0.03μm厚
さの鉄膜4を電析させ、続いて0.02μm厚さのニッ
ケル膜5を電析させた。続いて、前記と同様にして、
0.03μm厚さの鉄膜6を電析させ、続いて0.02
μm厚さのニッケル膜7を電析させた。そして、鉄−ニッ
ケルの交互電析によって、鉄層3層(2,4,6)/ニッ
ケル層3層(3,5,7)の合計6層の交互電析膜(高
周波用鉄電析膜)8を得た。続いて、交互電析膜8の外
周にポリウレタン塗料を塗布焼き付けして、5μm厚さ
のポリウレタン皮膜(はんだ付け性エナメル絶縁樹脂
層)9を設け、高周波コイル用ポリウレタン銅線10
(高周波コイル用絶縁電線)を製造した。前記鉄の電気
めっきには、pH3に調整した硫酸第一鉄と塩化第一鉄
の混合液で、液温25℃のめっき液を用い、陽極には高
純度鉄を用いた。また、前記ニッケルの電気めっきに
は、pH4に調整した硫酸ニッケルと塩化ニッケルの混
合液で、液温40℃のめっき液を用い、陽極には白金被
覆チタン電極を使用した。
【0015】−第2の実施の形態(実施例2)− 実施例1と同様の方法および図表2に詳細を示した条件
によって、鉄層4層/ニッケル層4層の合計8層の交互
電析膜(高周波用鉄電析膜)を得た。続いて、交互電析
膜の外周にポリウレタン塗料を塗布焼き付けして、5μ
m厚さのポリウレタン皮膜を設け、高周波コイル用ポリ
ウレタン銅線(高周波コイル用絶縁電線)を製造した。
【0016】−第3の実施の形態(実施例3)− 実施例1と同様の方法および図表2に詳細を示した条件
によって、鉄層5層/ニッケル層5層の合計10層の交
互電析膜(高周波用鉄電析膜)を得た。続いて、交互電
析膜の外周にポリウレタン塗料を塗布焼き付けして、5
μm厚さのポリウレタン皮膜を設け、高周波コイル用ポ
リウレタン銅線(高周波コイル用絶縁電線)を製造し
た。
【0017】−第4の実施の形態(実施例4)− 実施例1と同様の方法および図表2に詳細を示した条件
によって、鉄層6層/ニッケル層6層の合計12層の交
互電析膜(高周波用鉄電析膜)を得た。続いて、交互電
析膜の外周にポリウレタン塗料を塗布焼き付けして、5
μm厚さのポリウレタン皮膜を設け、高周波コイル用ポ
リウレタン銅線(高周波コイル用絶縁電線)を製造し
た。
【0018】−第5の実施の形態(実施例5)− 実施例1と同様の方法および図表2に詳細を示した条件
によって、鉄層3層/ニッケル層3層の合計6層の交互
電析膜を得た。続いて、水素ガス雰囲気中で熱処理温度
400℃、5分の条件によって熱処理し応力緩和した。
続いて、応力緩和した交互電析膜の外周にポリウレタン
塗料を塗布焼き付けして、5μm厚さのポリウレタン皮
膜を設け、高周波コイル用ポリウレタン銅線(高周波コ
イル用絶縁電線)を製造した。
【0019】−第6の実施の形態(実施例6)− 実施例1と同様の方法および図表2に詳細を示した条件
によって、鉄層3層/ニッケル層3層の合計6層の交互
電析膜を得た。続いて、水素ガス雰囲気中で熱処理温度
800℃、2秒の条件によって熱処理し応力緩和した。
続いて、応力緩和した交互電析膜の外周にポリウレタン
塗料を塗布焼き付けして、5μm厚さのポリウレタン皮
膜を設け、高周波コイル用ポリウレタン銅線(高周波コ
イル用絶縁電線)を製造した。
【0020】−その他の実施の形態(実施例7〜12)
− 前記実施例1の方法に準拠し、また図表2に詳細を示し
た条件によって、鉄層、ニッケル層厚さおよび層数、お
よび熱処理時間、温度を調整して得られた交互電析膜の
外周にポリウレタン塗料を塗布焼き付けして、5μm厚
さのポリウレタン皮膜を設け、高周波コイル用ポリウレ
タン銅線(高周波コイル用絶縁電線)を製造した。
【0021】―比較例(比較例1〜8)― 前記実施例1の方法に準拠し、また図表2に詳細を示し
た条件によって、鉄層、ニッケル層厚さおよび層数、お
よび熱処理時間、温度を調整して得られた交互電析膜の
外周にポリウレタン塗料を塗布焼き付けして、5μm厚
さのポリウレタン皮膜を設け、ポリウレタン銅線を製造
した。なお、比較例8は銅線のみにポリウレタン皮膜を
設けたものである。
【0022】―コイル巻線および高周波特性試験― 図表2による各種条件およびポリウレタン塗料を塗布焼
き付けすることによって得られた実施例および比較例の
ポリウレタン銅線(コイル用絶縁電線)を、φ5.2m
mのプラスチックボビンに23回単層密着巻きさせて空
芯コイルを作製した(実施例1c〜12cおよび比較例
1c〜8c)。次に、これら実施例および比較例の空芯
コイルをインピーダンスアナライザー(HP製)により高
周波特性を試験し、周波数帯域(1〜100MHz)に於
ける高周波抵抗損失と周波数の関係を図表3に、またQ
値と周波数の関係を図表4に示した。図表3および図表
4より明らかなように、本発明の高周波コイル用絶縁電
線を用いた空芯コイルは、10MHzを超える高周波帯域
においても高周波抵抗損失が少なく、またQ値が高く高
周波特性が良好であった。
【0023】
【発明の効果】本発明の高周波用鉄電析膜、高周波コイ
ル用絶縁電線およびこれらの製造方法によれば、高周波
抵抗損失が小さい鉄電析膜を製造しうる高周波用鉄電析
膜、および高周波抵抗損失が小さく、且つ高Q値を具備
した高周波用コイルの作成可能な高周波コイル用絶縁電
線の製造が可能になった。従って、各種電子機器部品の
高性能化が図れるため、産業上寄与する効果は極めて大
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波用鉄電析膜および高周波コイル
用絶縁電線の一例を示す断面図である。
【図2】鉄−ニッケル交互電析層形成条件および熱処理条件
を示す図表である。
【図3】空芯コイルの高周波抵抗損失と周波数の関係を
示す図表である。
【図4】空芯コイルのQ値と周波数の関係を示す図表で
ある。
【符号の説明】
1 銅導体(銅線) 2、4、6 鉄電析膜(鉄膜) 3、5、7 ニッケル電析膜(ニッケル膜) 8 高周波用鉄電析膜(鉄−ニッケル交互電析膜) 9 ポリウレタン皮膜(はんだ付け性エナメル絶縁樹脂
層) 10 高周波コイル用ポリウレタン銅線(高周波コイル
用絶縁電線)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 7/02 H01B 7/02 A 5G325 13/00 517 13/00 517 13/16 13/16 B H01F 27/00 H01F 27/28 L 27/28 15/00 A Fターム(参考) 4K024 AA03 AA04 AB04 BA09 BC03 CA01 CA03 CB06 CB07 DA03 DA04 DB01 4K044 AA06 AB04 BA06 BA21 BB06 BC14 CA04 CA18 CA53 CA62 5E043 AA01 AB01 AB09 5E070 AB06 CA02 CA03 5G309 CA06 LA04 LA06 MA08 5G325 KA01 KC01 KC05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅導体の外周に鉄とニッケルを交互に電
    析させ、鉄−ニッケル交互電析層を形成させた高周波用鉄電
    析膜であって、前記鉄−ニッケル交互電析層が、6層以上12
    層以下から構成されて成ることを特徴とする高周波用鉄
    電析膜。
  2. 【請求項2】 前記鉄−ニッケル交互電析層の鉄膜厚X(μ
    m)が0.02≦X≦0.05、ニッケル膜厚y(μ
    m)が0.01≦y≦0.03から構成されて成ること
    を特徴とする請求項1記載の高周波用鉄電析膜。
  3. 【請求項3】 前記高周波用鉄電析膜が、300℃から
    800℃の温度で熱処理され、電着応力が緩和されてい
    ることを特徴とする請求項1または2記載の高周波用鉄
    電析膜。
  4. 【請求項4】 請求項1から3の何れかに記載の高周波
    用鉄電析膜の外周にはんだ付け性を有するエナメル絶縁
    樹脂層を設けたことを特徴とする高周波コイル用絶縁電
    線。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の高周波用鉄電析膜の製造
    方法であって、銅導体の外周に電気めっきにより鉄とニ
    ッケルを交互に電析させ、鉄−ニッケル交互電析層を6層以
    上12層以下設けることを特徴とする高周波用鉄電析膜の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の高周波用鉄電析膜の製造
    方法であって、電気めっきにより前記鉄−ニッケル交互電析
    層の鉄膜厚X(μm)を0.02≦X≦0.05、ニッケ
    ル膜厚y(μm)を0.01≦y≦0.03設けること
    を特徴とする高周波用鉄電析膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の高周波用鉄電析膜の製造
    方法であって、前記高周波用鉄電析膜を、非酸化性ガス
    雰囲気中で300℃から800℃の温度で熱処理し、電
    着応力を緩和することを特徴とする高周波用鉄電析膜の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項4記載の高周波コイル用絶縁電線
    の製造方法であって、請求項5から7の何れかに記載の
    高周波用鉄電析膜の製造方法により得られた高周波用鉄
    電析膜の外周にはんだ付け性を有するエナメル塗料を塗
    布焼付けしてはんだ付け性エナメル絶縁樹脂層を設け、
    高周波コイル用絶縁電線とすることを特徴とする高周波
    コイル用絶縁電線の製造方法。
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