JP2003073323A - 有機化合物の酸化方法 - Google Patents

有機化合物の酸化方法

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JP2003073323A
JP2003073323A JP2001268092A JP2001268092A JP2003073323A JP 2003073323 A JP2003073323 A JP 2003073323A JP 2001268092 A JP2001268092 A JP 2001268092A JP 2001268092 A JP2001268092 A JP 2001268092A JP 2003073323 A JP2003073323 A JP 2003073323A
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reaction
organic compound
surfactant
oxidation
oxidizing
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JP2001268092A
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English (en)
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Koji Yonehara
宏司 米原
Yasutaka Sumita
康隆 住田
Masahiro Wada
正大 和田
Tetsutaka Mizuno
哲孝 水野
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子内環境の異なる複数の被酸化性官能基を
有する有機化合物における特定の被酸化性官能基を適宜
選択して酸化することができる有機化合物の酸化方法を
提供する。 【解決手段】 分子内環境の異なる複数の被酸化性官能
基を有する有機化合物を酸化する方法であって、該有機
化合物の酸化方法は、界面活性剤及び酸化触媒の存在下
で複数の被酸化性官能基の少なくとも一個を酸化させる
ことにより行われる有機化合物の酸化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子内環境の異な
る複数の被酸化性官能基を有する有機化合物を酸化する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】分子内に被酸化性官能基を有する有機化
合物を酸化する方法は、各種の有用な化合物を製造する
ために用いられることになる。例えば、酸化反応を利用
することにより、エポキシド、アルコール、アルデヒ
ド、ケトン、カルボン酸、スルホキシド、スルホン、ア
ミンオキシド、側鎖や核が酸化された芳香族化合物等を
合成することができる。このような有機化合物の酸化方
法において、2個以上の被酸化性官能基を有し、該被酸
化性官能基がその周辺における構造の相違により酸化性
が異なる有機化合物、すなわち分子内環境の異なる複数
の被酸化性官能基を有する有機化合物を用いる場合があ
る。
【0003】J.Org.Chem.61〔23〕(1
996)(米)p.8310−8311、Bull.C
hem.Soc.Jpn.70〔4〕(1997)p.
905−915、J.Am.Chem.Soc.199
〔50〕(1997)(米)p.12386−1238
7、及び、Bull.Chem.Soc.Jpn.72
〔10〕(1999)p.2287−2306(いずれ
もNoyori,R.他)には、下記反応式における生
成物の収率が示すように、2相系で相関移動触媒を用い
て酸化反応を行うときに、NHCHPOを系
中に添加した場合、エポキシ化合物が生成したことが開
示されている。下記反応式において、Hが酸化剤
であり、NaWOが酸化触媒であり、[CH(C
17 N]HSOが相関移動触媒である。
【0004】
【化1】
【0005】Tetrahedron Lett.25
〔30〕(1984)(米)p.3231−3232
(Nakamura,M.他)には、下記反応式におけ
る生成物の転化率が示すように、界面活性剤存在下、水
中において、2,3−エポキシ化合物が優先的に合成
(位置選択的合成)されたことが開示されている。下記
反応式中、MCPBAとは、m−クロロ過安息香酸の略
である。
【0006】
【化2】
【0007】J.Org.Chem.57〔4〕(19
92)(米)p.1198−1202(Fringue
lli,F.他)には、下記反応式における生成物の収
率が示すように、界面活性剤存在下又は非存在下、水中
において、pHをコントロールすることにより2,3−
エポキシ化合物又は6,7−エポキシ化合物が選択的に
合成(位置選択的合成)されたことが開示されている。
下記反応式中、CTAOHとは、セチルトリメチルアン
モニウムの水酸化物の略であり、化合物の下に記載の数
字は得られた化合物の割合(選択率)を表している。
【0008】
【化3】
【0009】Synth.Commun.24〔18〕
(1994)p.2665−2673(Pizzo,
F.他)には、下記反応式に示すように、界面活性剤存
在下、水中において、スルフィドやスルホンを生成させ
ることなく、アルデヒドのみが選択的に酸化されたこと
が開示されている。下記反応式中、TBHPとは、t−
ブチルヒドロペルオキシドであり、CTAとは、セチル
トリメチルアンモニウムの略である。
【0010】
【化4】
【0011】しかしながら、これらの反応方法では、各
種の分子内環境の異なる複数の被酸化性官能基を有する
有機化合物に対して、特定の被酸化性官能基が選択的に
酸化され、しかも、いずれの被酸化性官能基を酸化する
かを適宜選択することができるように研究する余地があ
った。各種の分子内環境の異なる複数の被酸化性官能基
を有する有機化合物に対して、特定の被酸化性官能基を
適宜選択して酸化することができれば、各種の有用な化
合物を選択的に製造することが可能となるため、このよ
うな酸化方法により有機化合物を製造することが工業的
に期待されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、分子内環境の異なる複数の
被酸化性官能基を有する有機化合物における特定の被酸
化性官能基を選択して酸化することができる有機化合物
の酸化方法、及び、酸化された有機化合物の製造方法を
提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、有機化合
物の酸化方法について種々検討するうち、分子内環境の
異なる複数の被酸化性官能基を有する有機化合物を酸化
するに際し、界面活性剤及び酸化触媒の存在下で行う
と、特定の被酸化性官能基が酸化されることにまず着目
した。この場合、界面活性剤の種類を選択して使用する
と、界面活性剤の種類により酸化される被酸化性官能基
が選択されることを見いだし、上記課題をみごとに解決
することができることに想到し、本発明に到達したもの
である。このような有機化合物の酸化方法によれば、分
子内環境の異なる複数の被酸化性官能基を有する有機化
合物における特定の被酸化性官能基を界面活性剤の種類
により選択して酸化することにより、工業的に効率的か
つ簡便に特定の被酸化性官能基が酸化された有機化合物
を製造することが可能となる。
【0014】すなわち本発明は、分子内環境の異なる複
数の被酸化性官能基を有する有機化合物を酸化する方法
であって、上記有機化合物の酸化方法は、界面活性剤及
び酸化触媒の存在下で複数の被酸化性官能基の少なくと
も一個を酸化させることにより行われる有機化合物の酸
化方法である。本発明はまた、一般式; R−C(R′)=CH−CH−OH (式中、R及びR′は、同一若しくは異なって、水素原
子、置換基を有してもよいアルキル基又は芳香環を表
す。)で表される有機化合物を反応系中で酸化触媒存在
下、過酸化水素を用いて酸化する工程を含む酸化された
有機化合物の製造方法であって、アニオン性、ノニオン
性及び両性界面活性剤のうち少なくとも1種を反応系中
に添加した場合には、二重結合がエポキシ化された有機
化合物が製造され、カチオン性界面活性剤を添加した場
合には、水酸基が酸化されたカルボニル化合物が製造さ
れる酸化された有機化合物の製造方法でもある。以下に
本発明を詳述する。
【0015】本発明の有機化合物の酸化方法は、分子内
環境の異なる複数の被酸化性官能基を有する有機化合物
を酸化する方法である。上記分子内環境の異なる複数の
被酸化性官能基を有する有機化合物としては、分子内に
異種官能基を有する形態と分子内に同種官能基を有する
形態とのいずれか又は両方の形態が挙げられ、例えば、
以下に記載するようなもの等が挙げられる。 (1)不飽和結合及び水酸基の異種官能基を有する化合
物:アリルアルコール、クロチルアルコール、3−ブテ
ン−1−オール、3−ブテン−2−オール、2−メチル
−3−ペンテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン
−1−オール、3−ペンテン−2−オール、4−ペンテ
ン−1−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オー
ル、4−メチル−3−ペンテン−2−オール、桂皮アル
コール、1−(1−ヒドロキシエチル)シクロヘキセ
ン、5−t−ブチル−2−シクロヘキセン−1−オー
ル、2−シクロヘキセン−1−オール、1−ヘキセン−
3−オール、3−シクロヘキセン−1−オール、2−ヘ
キセン−1−オール、3−ヘキセン−1−オール、4−
ヘキセン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、2
−メチル−1−ヘプテン−3−オール、4−ヘプテン−
2−オール、3−オクテン−2−オール、1−オクテン
−3−オール、1−ノネン−3−オール、2−ノネン−
1−オール、9−デセン−1−オール、2−メチル−2
−ウンデセン−4−オール、2−ウンデセン−1−オー
ル、10−ウンデセン−1−オール、1−ドデセン−3
−オール、11−ドデセン−2−オール、5−シクロヘ
キサデセン−1−オール、ラルピネン−4−オール、イ
ソプレゴール、ミルテノール、ノポール、ぺリリルアル
コール、シトロネロール等。 (2)不飽和結合2個の同種官能基及び水酸基の異種官
能基とを有する化合物:ゲラニオール、ネロール、リナ
ロール等。 (3)不飽和結合3個の同種官能基及び水酸基の異種官
能基とを有する化合物:ファルネソール等。
【0016】上記に示す有機化合物では、アリルアルコ
ールやクロチルアルコールが不飽和結合及び水酸基の異
種官能基を有するものであり、また、ゲラニオールが不
飽和結合2個の同種官能基及び水酸基の異種官能基とを
有するものである。この場合、分子内環境の異なる複数
の被酸化性官能基としては、アリルアルコールやクロチ
ルアルコールにおいては、不飽和結合及び水酸基とな
り、ゲラニオールにおいては、不飽和結合2個及び水酸
基となる。
【0017】
【化5】
【0018】上記被酸化性官能基としては、有機化合物
の分子内において酸化されうる官能基であれば特に限定
されず、例えば、二重結合等の不飽和結合、水酸基、ア
ルデヒド基、イオウ原子、窒素原子、アルキル基、芳香
環等が挙げられる。これらの中でも、酸化されやすく、
選択性がよいことから、不飽和結合及び/又は水酸基が
好適である。すなわち本発明において用いる有機化合物
としては、これらの被酸化性官能基を有する化合物が挙
げられることになり、1種又は2種以上を用いてもよ
い。より好ましくは、上記有機化合物は、少なくとも被
酸化性官能基として二重結合を有することである。
【0019】上記有機化合物の酸化方法は、界面活性剤
及び酸化触媒の存在下で複数の被酸化性官能基の少なく
とも一個を酸化させることにより行われることになる。
複数の被酸化性官能基の少なくとも一個を酸化させると
は、例えば、(1)分子内環境の異なる異種官能基にお
ける特定の種類の官能基を選択的に酸化させること、
(2)分子内環境の異なる同種官能基における特定の分
子内環境にある官能基を選択的に酸化させること等が挙
げられる。上記(1)の場合、選択的に酸化される特定
の官能基は、1種であってもよく、2種以上であっても
よい。また、上記(2)の場合、選択的に酸化される特
定の分子内環境にある官能基は、同一の分子内環境にあ
る官能基のみであってもよく、異なった2以上の分子内
環境にある官能基であってもよい。すなわち有機化合物
が分子内環境の異なる被酸化性官能基を1分子内に2個
有する場合には、いずれかの被酸化性官能基が選択的に
酸化されることになるが、有機化合物が分子内環境の異
なる被酸化性官能基を1分子内に3個以上有する場合に
は、3個以上の被酸化性官能基のうち1個又は2個以上
が選択的に酸化されることになる。
【0020】本発明の好ましい形態としては、上記有機
化合物の酸化方法が、界面活性剤の種類により複数の被
酸化性官能基の少なくとも一個を酸化させることにより
行われることである。このような形態においては、界面
活性剤の種類を変えることにより、酸化される被酸化性
官能基を変えることが可能となる。この場合には、上記
界面活性剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオ
ン性及び両性界面活性剤からなる群より1種又は2種を
選択して使用することが好ましい。より好ましくは、こ
れらの中から1種を選択して使用することである。アニ
オン性、ノニオン性、カチオン性及び両性界面活性剤か
らなる群より1種又は2種を選択し、該界面活性剤及び
酸化触媒の存在下で有機化合物の酸化を行うと、特定の
被酸化性官能基を意図的に選択して酸化させることが可
能となる。これにより、分子内環境の異なる複数の被酸
化性官能基を有する有機化合物を製造原料として各種の
有用な有機化合物を選択的に製造することが可能とな
り、例えば、1種類の製造原料から各種の有用な酸化さ
れた有機化合物を簡便に選択して製造すること等ができ
ることになる。例えば、本発明の酸化方法により不飽和
結合と水酸基とを有する化合物の酸化反応を行う場合、
界面活性剤としてアニオン性、ノニオン性界面活性剤や
両性界面活性剤を用いると、不飽和結合が選択的に酸化
されることになり、また、カチオン性界面活性剤を用い
ると、水酸基が選択的に酸化されることになる。なお、
本発明では、複数の被酸化性官能基の全部の種類が酸化
されてもよく、また、分子内環境が異なる複数の被酸化
性官能基の少なくとも1種が界面活性剤の特定の種類に
より他の種類のものを用いるよりも相対的に選択的な酸
化が行われることになればよい。
【0021】上記界面活性剤及び酸化触媒は、いわゆる
相関移動触媒と区別されるものである。相関移動触媒と
は、例えば、求核アニオンを含む水相と、これと反応す
る有機基質を含む非極性の有機相の反応系において、水
相に存在する求核アニオンと自身のアニオンを交換し、
水相と有機相とを往復して有機相に存在する有機基質に
求核アニオンを移行させることにより反応を促進する機
能を有する物質を意味する。本発明では、界面活性剤及
び酸化触媒は、相関移動触媒ではなく、これら自身によ
り有機化合物の酸化を促進することが可能なものであ
る。なお、本発明の有機化合物の酸化方法は、界面活性
剤及び酸化触媒と共に相関移動触媒を用いることを排除
するものではなく、後述するように界面活性剤及び酸化
触媒と共に、必要により相関移動触媒を用いてもよい。
【0022】本発明において用いる界面活性剤は、1分
子内に親水性部分と親油性部分とを共有する構造をもつ
化合物であり、1種又は2種以上を用いることができ
る。このような界面活性剤については、例えば、代表編
者:刈米孝夫「新版界面活性剤分析法」(昭62−3−
10)幸書房 p.1−3等に記載されているが、その
性質としては、水又は油類等にコロイド学的に溶解又は
分散し、表面又は界面に吸着、配向して表面又は界面張
力を低下させ、液中ではミセルを形成することができる
こと等が挙げられる。
【0023】上記界面活性剤において、例えば、アニオ
ン性界面活性剤としては、下記(1)〜(9)等が、ノ
ニオン性界面活性剤としては、下記(10)〜(13)
等が、カチオン性界面活性剤としては、下記(14)〜
(16)等が、両性界面活性剤としては、下記(17)
〜(21)等が挙げられる。
【0024】アニオン性界面活性剤 (1)カルボン酸及びその塩:脂肪族モノカルボン酸
塩、N−アシロイルサルコシン塩、N−アシロイル−β
−アラニン塩、N−アシロイルグルタミン酸塩等の脂肪
族化合物;アビエチン酸塩等の環式化合物。 (2)スルホン酸及びその塩:ジアルキルスルホこはく
酸塩、アルカンスルホン酸塩、ヒドロキシアルカンスル
ホン酸塩等の脂肪族化合物;直鎖アルキルベンゼンスル
ホン酸塩、アルキル(分枝鎖)ベンゼンスルホン酸塩、
アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルフェノキシ
ポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキルフェノールスルホン酸塩、ナフタレン
スルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮合物等の環式化合
物;N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム、N
−アルキルスルホこはく酸モノアミド二ナトリウム塩等
の含窒素化合物;石油スルホン酸塩等のその他の化合
物。
【0025】(3)硫酸エステル塩及び亜硫酸エステル
塩:硫酸化ひまし油、硫酸化牛脚油、脂肪酸アルキルエ
ステルの硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、脂
肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩、ポリオキシエチレ
ンアルキロイルアミド硫酸塩等の脂肪族化合物;ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル
塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸
エステル塩等の環式化合物。 (4)りん酸エステル及びその塩:アルキルりん酸エス
テル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルりん酸エ
ステル塩等の脂肪族化合物;ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテルりん酸エステル塩等の環式化合物。 (5)重合型高分子系化合物:スチレン−無水マレイン
酸共重合物の部分けん化物等のスチレン系化合物;オレ
フィン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物等のオ
レフィン系化合物。 (6)重縮合型高分子系化合物:ナフタレンスルホン酸
塩−ホルマリン縮合物等のナフタレン系化合物。
【0026】(7)亜りん酸及びホスホン酸エステル (8)チオりん酸系化合物 (9)含ほう酸系化合物
【0027】ノニオン性界面活性剤 (10)エーテル系化合物:ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル等の脂肪族化合物;ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリ
ルフェニルエーテル等の環式化合物;ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレングリコール等のポリエーテル化
合物。 (11)エステル系化合物:グリセリン脂肪酸部分エス
テル、ソルビタン脂肪酸部分エステル、ペンタエリスリ
トール脂肪酸部分エステル、プロピレングリコールモノ
脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸部分エステル等の多価ア
ルコール部分エステル。 (12)エステルエーテル系化合物:ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン
ソルビトール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン
グリセリン脂肪酸部分エステル、ポリエチレングリコー
ル脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸部分エステ
ル、ポリオキシエチレン化ひまし油等のポリオキシエチ
レン化多価アルコール脂肪酸エステル。 (13)含窒素系化合物:脂肪酸ジエタノールアミド、
N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン、ポリオ
キシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂
肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド等。
【0028】カチオン性界面活性剤 (14)第一〜第三アミン塩:アルキルアミン塩、ジア
ルキルアミン塩等の脂肪族化合物。 (15)第四級アンモニウム塩:テトラアルキルアンモ
ニウム塩等の脂肪族化合物;トリアルキルベンジルアン
モニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−
1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム
塩、N,N−ジアルキルモルホリニウム塩等の環状化合
物。 (16)ポリエチレンポリアミン誘導体:ポリエチレン
ポリアミン脂肪酸アミド塩、ポリエチレンポリアミン脂
肪酸アミドの尿素縮合物の塩、ポリエチレンポリアミン
脂肪酸アミド尿素縮合物の第四級アンモニウム塩等。
【0029】両性界面活性剤 (17)カルボキシベタイン型化合物:N,N−ジメチ
ル−N−アルキル−N−カルボキシアルキレンアンモニ
ウムベタイン等。 (18)アミノカルボン酸:N,N−ジアルキルアミノ
アルキレンカルボン酸塩等。 (19)スルホベタイン型化合物:N,N,N−トリア
ルキル−N−スルホアルキレンアンモニウムベタイン、
N,N−ジメチル−N−テトラデシル−N−スルホトリ
メチレンアンモニウムベタイン等。 (20)アミノ硫酸エステル型化合物:N−アルキル−
N,N−ビスポリオキシエチレン硫酸エステル塩等。 (21)イミダゾリン型化合物:2−アルキル−1−ヒ
ドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウ
ム塩等。
【0030】上記界面活性剤の中でも、以下の界面活性
剤がより好ましい。 (アニオン性界面活性剤)脂肪族モノカルボン酸塩、ア
ルカンスルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸
塩、アルキル硫酸エステル塩。 (ノニオン性界面活性剤)ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステ
ル、トリアルキルアミンオキシド。 (カチオン性界面活性剤)テトラアルキルアンモニウム
塩、アルキルピリジニウム塩。 (両性界面活性剤)N,N−ジメチル−N−アルキル−
N−カルボキシアルキレンアンモニウムベタイン、N,
N,N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニ
ウムベタイン。
【0031】本発明では、アニオン性、ノニオン性、カ
チオン性、両性の界面活性剤を担体に担持して担持体と
して用いてもよい。担体としては特に限定されず、例え
ば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の無機
担体;イオン交換樹脂;ポリマー等を用いることができ
る。
【0032】上記界面活性剤の使用量としては特に限定
されず、界面活性剤や基質の種類、反応条件等により適
宜設定すればよい。本発明の好ましい実施形態の1例と
して、基質としてクロチルアルコールを用い、以下の反
応条件で反応を行う場合の界面活性剤の使用量について
説明する。 基質:クロチルアルコール1000μmol 溶媒:6mL 酸化触媒:30mg 反応温度:32℃ 反応時間:24時間 過酸化水素(H)水溶液:200μmol 上記反応における界面活性剤の好ましい使用量として
は、例えば、アニオン性界面活性剤としてsodium
dodecylsulfate(SDS)を用いる場
合、0.005〜5.0gであり、ノニオン性界面活性
剤としてpolyoxyethylene(20) c
etylether(Brij58)を用いる場合、
0.01〜1.0gであり、カチオン性界面活性剤とし
てcetyltrimethylammonium h
ydrogensulfate(CTA)を用いる場
合、0.01〜0.5gであり、両性界面活性剤として
Zwittergent3−14Detergent
(N,N−ジメチル−テトラデシル−N−スルホトリメ
チレンアンモニウムベタイン)を用いる場合、0.00
5〜5.0gである。
【0033】本発明において用いる酸化触媒は、液相で
用いることができる酸化触媒、すなわち酸化反応に対し
て触媒活性を示す物質であり、1種又は2種以上を用い
ることができ、無機化合物を用いてもよく、有機金属化
合物や有機化合物を用いてもよい。このような酸化触媒
としては、例えば、BeO等の2族化合物;Y
La等の3族化合物;TiO、ZrO等の4
族化合物;NaVO、VO(acac)等の5族化
合物;CrO、(NHMo24・4H
O、NaWO4、NaMoO等の6族化合物;
NaReO、サレンMn錯体、CHReO等の7
族化合物;Fe、RuCl(PPh、F
eCl3、n−PrN(RuO)、KOsO
(OH)、Fe(NH(SO・FeO
等の8族化合物;Co(acac)、RhCl等の
9族化合物;Pd(OAc)等の10族化合物;Cu
O、CuO等の11族化合物;Hg(OAc)等の
12族化合物;B、LiBO、NaBO等の
13族化合物;GeO等の14族化合物;As
、NaAsO、BiCl等の15族化合物;
SeO、CSeOH、Na SeO、Na
TeO等の16族化合物;I等の17族化合
物;H SiW1240、HSiMo1240
PW1240、HPMo1240、HPM
40等のポリオキソメタレート等が挙げられ
る。中でもポリオキソメタレートとしては、[SiW
34]、[SiW1036]、[SiW
1139]、[PW34]、[PW
1036]、[PW1139]、[P17
61]、[P1556]、[ZnW34]、
[PMo1036]、[PMo1139]等の欠損
型骨格を有するものが好ましく、これらは他の元素によ
り修飾された形で用いてもよいし、修飾されない形で用
いてもよい。2欠損型骨格を有するものがより好まし
く、LaやZn等で修飾された[γ−SiW
1036〕骨格を有する2欠損型ポリオキソメタレー
トが更に好ましい。以上これら酸化触媒の中でも、ポリ
オキソメタレートや6族化合物であるタングステン酸ナ
トリウム(NaWO)、モリブテン酸ナトリウム
(NaMoO )等を用いることが好ましく、欠損型
骨格を有するポリオキソメタレートがより好ましい。
【0034】上記酸化触媒の使用形態としては特に限定
されず、均一系で使用してもよく、不均一系で使用して
もよい。具体的には、酸化触媒を溶媒に溶解させて使用
する形態、酸化触媒自体が固体であれば溶媒に懸濁させ
て使用する形態等が挙げられる。また、酸化触媒を担体
に担持して担持体として用いてもよい。担体としては特
に限定されず、例えば、各種イオン交換樹脂、シリカ、
アルミナや他の酸化物等の一般的に不均一系接触触媒反
応に用いられる担体を用いることができる。
【0035】本発明において、酸化反応を行う方法とし
ては特に限定されず、例えば、酸化触媒、界面活性剤、
酸化剤及び基質である分子内環境の異なる複数の被酸化
性官能基を有する有機化合物等を溶媒中に添加し、攪拌
することにより酸化反応を行う方法等を適用することが
できる。これらの添加順序や攪拌方法等については、本
発明の作用効果を奏する限り特に限定されるものではな
い。
【0036】上記酸化剤としては特に限定されず、酸素
イオン、酸素ラジカル、ペルオキシド、スーパーペルオ
キシドを生成し得る化合物や物質、例えば、過酸化水
素、有機過酸化物、無機過酸化物、酸素、酸素と水素の
混合ガス、一酸化二窒素、ヨードシルベンゼン等が挙げ
られ、1種又は2種以上を用いることができる。これら
の中でも、本発明の作用効果をより充分に発揮すること
ができることから、過酸化水素を用いることが好まし
い。この場合、過酸化水素の使用形態としては、実用的
には、0.01〜70重量%の水溶液又はアルコール類
の溶液として用いることが好ましい。酸化剤の使用量と
しては、酸化剤や基質である分子内環境の異なる複数の
被酸化性官能基を有する有機化合物の種類等に応じて適
宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0037】上記溶媒としては特に限定されず、水及び
/又は有機溶媒を用いることができ、界面活性剤の種類
や所望する酸化反応の種類等に応じて適宜選択すること
になる。水等を用いて2相を形成する場合には、相関移
動触媒を用いてもよい。有機溶媒としては、基質である
有機化合物、酸化剤、生成物等とは反応しないものを用
いることが好ましく、例えば、メタノール、エタノー
ル、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、第3級
ブタノール等の炭素数1〜6の第1、2、3級の一価ア
ルコール;エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリン等の多価アルコール;ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール等のエチレンオキシド、
プロピレンオキシドのオリゴマー;エチルエーテル、イ
ソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン
等のエーテル類;酢酸エチル、多価アルコールの蟻酸エ
ステル、酢酸エステル等のエステル類;アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルア
セトン等のケトン類;ジメチルスルホキシド(DMS
O)等の含硫黄化合物;ジメチルホルムアミド(DM
F)、ニトロメタン、ニトリル類等の窒素化合物;リン
酸トリエチル、リン酸ジエチルヘキシル等のリン酸エス
テル等のリン化合物;クロロホルム、ジクロロメタン、
ニ塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素;ノルマルヘキ
サン、ノルマルヘプタン等の脂肪族炭化水素;トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサン、シ
クロペンタン等の脂環式炭化水素等が挙げられる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、好ましい溶媒としては、水、炭素数1
〜4のアルコール類、1,2−ジクロロエタン、ヘプタ
ン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、アセトニト
リル、DMSO、DMF等やこれらの混合物等である。
【0038】本発明における反応系のpHとしては特に
限定されず、酸化する被酸化性官能基の種類等に応じて
適宜設定すればよい。例えば、不飽和結合を選択的に酸
化する(エポキシ化)場合には中性又は酸性であること
が好ましく、これにより選択性をより向上することがで
きることになる。酸性とする場合には、通常では反応系
中に酸性物質1種又は2種以上を適宜添加することにな
る。酸性物質としては、例えば、ブレンステッド酸、ル
イス酸等を使用することができ、ブレンステッド酸とし
て、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の鉱
酸;酢酸、安息香酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、トリフル
オロメタンスルホン酸、スルホン酸等の有機酸類;ゼオ
ライト類、混合酸化物類等の無機酸類等が、ルイス酸と
して、例えば、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、塩化ホ
ウ素化合物、塩化アンチモン化合物、塩化第二スズ、フ
ッ化アンチモン、亜鉛やチタンの化合物、ゼオライト
類、混合酸化物等が挙げられる。また、無機、有機酸性
塩を用いることもできる。更に、酢酸ナトリウム、酢酸
テトラブチルアンモニウム、トリメチルアミン N−オ
キシド等の緩衝剤存在下でも反応を行うことができる。
【0039】本発明における反応条件としては、本発明
の作用効果を奏する限り特に限定されず、製造原料の種
類や、界面活性剤及び酸化触媒の使用割合等に応じて適
宜設定すればよい。例えば、反応温度としては、0〜2
50℃とすることが好ましく、より好ましくは、室温〜
180℃である。反応時間としては、数分〜150時間
とすることが好ましく、より好ましくは、数分〜48時
間である。反応圧力としては、常圧〜2×10Paと
することが好ましく、より好ましくは、常圧〜5×10
Paである。また、減圧反応を行ってもよい。分子内
環境の異なる複数の被酸化性官能基を有する有機化合物
として、例えば、上記一般式で表される有機化合物を基
質として用いて酸化反応を行う場合には、基質1モルに
対して溶媒10mL〜10L中(基質が液体の場合もし
くは水に溶解する場合には無溶媒でも可能)、酸化触媒
を10-5〜0.2モル、過酸化水素を0.01〜10モ
ル、界面活性剤を5〜400g加え、反応温度としては
室温〜120℃、反応時間としては数分〜24時間、反
応圧力としては常圧〜5×10Paで反応を行うこと
が好ましい。より好ましくは溶媒100mL〜5L中基
質1モルに対して酸化触媒を10-4〜0.1モル、過酸
化水素を0.1モル〜2モル、界面活性剤を10〜30
0g加え、反応温度としては室温〜100℃、反応時間
としては1〜12時間、反応圧力としては常圧〜2×1
Paで反応を行うことである。
【0040】本発明は、酸化された有機化合物の製造方
法に適用することができ、例えば、上記一般式で表され
る有機化合物を反応系中で酸化触媒存在下、過酸化水素
を用いて酸化する工程を含む酸化された有機化合物の製
造方法であって、アニオン性、ノニオン性及び両性界面
活性剤のうち少なくとも1種を反応系中に添加した場合
には、二重結合がエポキシ化された有機化合物が製造さ
れ、カチオン性界面活性剤を添加した場合には、水酸基
が酸化されたカルボニル化合物が製造される酸化された
有機化合物の製造方法に好適に適用することができる。
このような酸化された有機化合物の製造方法もまた、本
発明の1つである。
【0041】本発明における酸化反応の具体例としては
特に限定されず、例えば、(1)アルケンの不飽和二重
結合の酸化、具体的には一例を示すとプロピレンからプ
ロピレンオキシドへの酸化(式(1))等、(2)アル
キンの不飽和三重結合の酸化、(3)水酸基の酸化、
(4)硫黄原子の酸化、(5)窒素原子の酸化、(6)
アルカンの酸化、(7)芳香族の酸化、(8)これら
(1)〜(7)以外の酸化反応等が挙げられる。このよ
うな酸化反応により被酸化性官能基が酸化され、酸化さ
れた有機化合物が製造されることになる。
【0042】上記(1)アルケンの不飽和二重結合の酸
化としては、例えば、エポキシ化、アルケンからケトン
が生成する反応(Wacker酸化)、アルケンからジ
ヒドロキシ化合物が生成する反応、アルケンからα−ヒ
ドロキシケトンが生成する反応、アルケン開裂、アリル
位酸化、酸化的開裂、アンモ酸化等が挙げられる。これ
らの酸化反応は、具体的には、下記反応式(1)〜
(9)で示される。
【0043】
【化6】
【0044】上記(2)アルキンの不飽和三重結合の酸
化としては、例えば、アルキンからα,β−エポキシケ
トンが生成する反応、アルキンからジケトンが生成する
反応等が挙げられる。これらの酸化反応は、具体的に
は、下記反応式(10)及び(11)で示される。
【0045】
【化7】
【0046】上記(3)水酸基の酸化としては、例え
ば、カルボニル化合物が生成する反応が挙げられ、具体
的には、第一アルコールからアルデヒドが生成する反
応、アルデヒドからカルボン酸が生成する反応、第二ア
ルコールからケトンが生成する反応等が挙げられる。こ
れらの酸化反応は、具体的には、下記反応式(12)及
び(13)で示される。
【0047】
【化8】
【0048】上記(4)硫黄原子の酸化としては、例え
ば、スルフィドからスルホキシドが生成する反応、スル
ホキシドからスルホンが生成する反応、チオールからジ
スルフィドが生成する反応等が挙げられる。これらの酸
化反応は、具体的には、下記反応式(14)及び(1
5)で示される。
【0049】
【化9】
【0050】上記(5)窒素原子の酸化としては、例え
ば、第一アミンからヒドロキシアミンが生成する反応、
ヒドロキシアミンからニトロソ化合物又はアゾキシ化合
物が生成する反応、ニトロソ化合物からオキシム又はニ
トロ化合物が生成する反応、第二アミンからヒドロキシ
ルアミンが生成する反応、ヒドロキシルアミンからナイ
トロンが生成する反応、第三アミンからアミンオキシド
が生成する反応等が挙げられる。これらの酸化反応は、
具体的には、下記反応式(16)、(17)及び(1
8)で示される。
【0051】
【化10】
【0052】上記(6)アルカンの酸化としては、例え
ば、アルカンに水酸基、ヒドロペルオキシ基、カルボキ
シル基、カルボニル基が導入される反応、アンモ酸化等
が挙げられる。このような酸化反応は、具体的には、下
記反応式(19)で示される。
【0053】
【化11】
【0054】上記(7)芳香族の酸化としては、例え
ば、核水酸化、側鎖酸化等が挙げられる。これらの酸化
反応は、具体的には、下記反応式(20)及び(21)
で示される。
【0055】
【化12】
【0056】上記(8)(1)〜(7)以外の酸化反応
としては、例えば、ケトンからラクトンが生成する反
応、Baeyer−Villiger酸化、酸化的カッ
プリング等が挙げられる。これらの酸化反応は、具体的
には、下記反応式(22)及び(23)で示される。
【0057】
【化13】
【0058】上記反応式(1)〜(23)は、本発明に
おける酸化反応の各形態を例示したものであり、例え
ば、メチル基として表されている部分は水素原子やその
他の基であってもよく、また、各化合物は置換基を有し
ていてもよく、これらに特に限定されるものではない。
【0059】本発明の酸化方法では、上述したように界
面活性剤の種類を変えることにより、酸化される被酸化
性官能基を変えることが可能であり、例えば、上記各反
応式において、特定の被酸化性官能基を適宜選択して酸
化することができることとなる。なお、いずれの種類の
界面活性剤を使用することにより、分子内環境の異なる
複数の被酸化性官能基のうちいずれの被酸化性官能基が
酸化されることになるかは、あらかじめ界面活性剤の種
類を変えて検討してみることにより判別することにな
る。これにより、いずれの種類の界面活性剤を使用すれ
ばいずれの被酸化性官能基が酸化されることになるかを
把握し、分子内環境の異なる複数の被酸化性官能基を有
する有機化合物の特定の被酸化性官能基を選択的に酸化
することにより、本発明を工業的に有用な有機化合物の
製造に適用することが可能となる。
【0060】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0061】実施例で用いた酸化触媒は、以下の方法に
より調製した。 酸化触媒調製法1 Laで修飾された[γ−SiW1036]骨格を有す
るTBA(テトラブチルアンモニウム)を対カチオンと
した2欠損型ポリオキソメタレート(以下、La−PO
M−TBAと称する) Inorg.Synth.1990,127,88に記
載された方法で調製した二欠損ケギン型K[γ−Si
1036]12HO10gにイオン交換水20m
Lを加えて溶解させ、硝酸水溶液を加えてpHを3.8
に調整した。ここに3.5mLのイオン交換水に溶解さ
せた硝酸ランタン六水和物0.43gを加え5分間攪拌
した後、テトラブチルアンモニウムナイトレート6.9
gを固体のまま加えて15分間攪拌を続けた。生成した
沈殿物を濾過して濾過物を3時間室温で乾燥した後、回
収固形物を7.5mLのアセトニトリルに溶解させ、静
かにイオン交換水150mLを加えて氷水中で30分攪
拌した。得られた沈殿物を濾過して回収し3時間室温で
乾燥した。上記の精製処理をもう一度繰り返し、目的化
合物4.8gを得た。
【0062】酸化触媒調製法2 Znで修飾された[γ−SiW1036]骨格を有す
るTBAを対カチオンとした2欠損型ポリオキソメタレ
ート(以下、Zn−POM−TBAと称する) 硝酸ランタン六水和物に代えて硝酸亜鉛六水和物0.3
gをイオン交換水に溶かした水溶液を使用した以外はL
a−POM−TBAの調製法に従って調製し、目的化合
物5.3gを得た。
【0063】酸化触媒調製法3 Znで修飾された[γ−SiW1036]骨格を有す
るCsを対カチオンとした2欠損型ポリオキソメタレー
ト(以下、Zn−POM−Csと称する) Inorg.Synth.1990,127,88に記
載された方法で調製した二欠損ケギン型K[γ−Si
1036]12HO10gにイオン交換水20m
Lを加えて溶解させ、硝酸水溶液を加えてpHを3.8
に調整した。ここに3.5mLのイオン交換水に溶解さ
せた硝酸亜鉛六水和物0.3gを加え5分間攪拌した
後、CsCl 3.8gを固体のまま加えて15分間攪
拌を続けた。生成した沈殿物を濾過して濾過物を3時間
室温で乾燥し、目的化合物10gを得た。
【0064】実施例1〜15及び比較例1〜4 水溶媒中に基質、酸化触媒、界面活性剤及び酸化剤とし
て過酸化水素を添加し、攪拌しながらアリルアルコール
の酸化反応を常圧で行った。反応に用いた酸化触媒、溶
媒、界面活性剤や反応条件を表1及び表2に示した。た
だし、実施例15及び比較例4では水溶媒の代わりにH
O/MeCN=3mL/3mLの混合溶媒を用いた。 基質:アリルアルコール1000μmol 溶媒:6mL 酸化触媒:ポリオキソメタレートを用いる場合は30m
g、NaWO・2H OもしくはNaMoO
2HOを用いる場合は8mg 反応温度:32℃ 反応時間:24時間 過酸化水素(H)35%水溶液:Hのモル
数として200μmol
【0065】実施例16〜18及び比較例5 上記実施例及び比較例において、溶媒中にpHを3.5
〜6.0に調節するために緩衝剤を添加した以外は同様
にしてアリルアルコールの酸化反応を行った。反応に用
いた酸化触媒、溶媒、界面活性剤、緩衝剤や反応条件を
表3に示した。
【0066】上記酸化反応の反応収率(mol%)及び
反応選択性(mol%)を表1、表2及び表3に示し
た。反応収率(mol%)とは、ガスクロマトグラフィ
ーにより生成物のモル数を求め、 {(生成物が出来るために消費されたHのモル
数)/(加えたHのモル数)}×100 の式で求めた。反応選択性(mol%)とは、生成物中
のグリシドール及びアクロレインの合計を100とした
場合のグリシドール及びアクロレインの割合である。な
お、この反応の反応式を下記に示す。
【0067】
【化14】
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】表1、表2及び表3について説明する。界
面活性剤において、SDSとは、アニオン性界面活性剤
であるsodium dodecylsulfateの
略号であり、Brij58(ICI社商標)とは、ノニ
オン性界面活性剤であるpolyoxyethylen
e(20) cetyletherであり、CTAと
は、カチオン性界面活性剤であるcetyltrime
thylammoniumhydrogensulfa
teの略号であり、ZWD(「Zwittergent
3−14Detergent」はCalbiochem
社商標)とは、両性界面活性剤であるN,N−ジメチル
−テトラデシル−N−スルホトリメチレンアンモニウム
ベタインの略号である。
【0072】表1、表2及び表3より、アニオン性界面
活性剤、ノニオン性界面活性剤や両性界面活性剤を用い
た場合には、不飽和結合が選択的に酸化されてグリシド
ールが主に生成し、また、不純物の生成が抑制されて収
率が高くなることが分かる。カチオン性界面活性剤を用
いた場合には、水酸基が選択的に酸化されてアクロレイ
ンが生成することが分かる。
【0073】実施例19〜26 水溶媒中に基質、酸化触媒、界面活性剤及び酸化剤とし
て過酸化水素を添加し、攪拌しながらクロチルアルコー
ルの酸化反応を行った。反応に用いた酸化触媒、溶媒、
界面活性剤や反応条件を表4に示した。クロチルアルコ
ールの酸化反応の結果を表4に示した。仕込量及び反応
条件はアリルアルコールの場合と同様である。なお、ク
ロチルアルコールは、シス体及びトランス体の混合物で
ある。
【0074】上記の酸化反応の反応収率(mol%)及
び反応選択性(mol%)を表4に示した。反応収率
(mol%)とは表1の場合と同じであり、反応選択性
(mol%)とは、生成物中の2,3−エポキシブタノ
ール及び2−ブテナールの合計を100とした場合の
2,3−エポキシブタノール及び2−ブテナールの割合
である。なお、この反応の反応式を下記に示す。
【0075】
【化15】
【0076】
【表4】
【0077】表4における略号等は、上記と同様であ
る。表4より、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面
活性剤や両性界面活性剤を用いた場合には、不飽和結合
が選択的に酸化されて2,3−エポキシブタノールが主
に生成し、カチオン性界面活性剤を用いた場合には、ア
ニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤や両性界面
活性剤を用いた場合と比べて水酸基に対する選択性が高
くなって、2,3−エポキシブタノールと共に2−ブテ
ナールが生成することが分かる。
【0078】実施例27〜33及び比較例6 水溶媒中に基質、酸化触媒、界面活性剤及び酸化剤とし
て過酸化水素を添加し、攪拌しながら3−ブテン−1−
オールの酸化反応を行った。反応に用いた酸化触媒、溶
媒、界面活性剤や反応条件を表5に示した。3−ブテン
−1−オールの酸化反応の結果を表5に示した。仕込量
及び反応条件は、反応時間が24時間から48時間にな
っていること以外はアリルアルコールの場合と同様であ
る。
【0079】上記の酸化反応の反応収率(mol%)及
び反応選択性(mol%)を表5に示した。反応収率
(mol%)とは表1の場合と同じであり、反応選択性
(mol%)とは、生成物中の3,4−エポキシブタノ
ール及び3−ブテナールの合計を100とした場合の
3,4−エポキシブタノール及び3−ブテナールの割合
である。なお、この反応の反応式を下記に示す。
【0080】
【化16】
【0081】
【表5】
【0082】表5における略号等は、上記と同様であ
る。表5より、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面
活性剤や両性界面活性剤を用いた場合には、不飽和結合
が選択的に酸化されて3,4−エポキシブタノールが主
に生成し、カチオン性界面活性剤を用いた場合には、水
酸基が選択的に酸化されて3−ブテナールが生成する。
【0083】実施例34〜37及び比較例7〜8 水溶媒中に基質、酸化触媒、界面活性剤及び酸化剤とし
て過酸化水素を添加し、攪拌しながらネロールの酸化反
応を行った。反応に用いた酸化触媒、溶媒、界面活性剤
や反応条件を表6に示した。ネロールの酸化反応の結果
を表6に示した。仕込量及び反応条件はアリルアルコー
ルの場合と同様である。
【0084】上記の酸化反応の反応収率(mol%)及
び反応選択性(mol%)を表6に示した。反応収率
(mol%)とは表1の場合と同じであり、反応選択性
(mol%)とは、生成物中の2,3−エポキシネロー
ル及びネラールの合計を100とした場合の2,3−エ
ポキシネロール及びネラールの割合である。なお、この
反応の反応式を下記に示す。
【0085】
【化17】
【0086】
【表6】
【0087】表6における略号等は、上記と同様であ
る。表6より、アニオン性界面活性剤やノニオン性界面
活性剤を用いた場合には、不飽和結合の一方が選択的に
酸化されて2,3−エポキシネロールが主に生成し、カ
チオン性界面活性剤を用いた場合には、水酸基が選択的
に酸化されてネラールが生成する。これらの場合2,3
−エポキシネロールとネラールが生成物で、6,7−エ
ポキシネロールはいずれの場合も得られなかった。
【0088】以上の実施例及び比較例をまとめると、例
えば、本発明の酸化方法により不飽和結合と水酸基とを
有する化合物の酸化反応を行う場合、界面活性剤として
アニオン性、ノニオン性界面活性剤や両性界面活性剤を
用いると、不飽和結合が選択的に酸化されることにな
り、また、カチオン性界面活性剤を用いると、水酸基が
選択的に酸化されることになる。
【0089】すなわち本発明によりアリルアルコールの
酸化反応を行う場合、アニオン性、ノニオン性界面活性
剤又は両性界面活性剤を用いると主にグリシドールが選
択的に生成し、カチオン性界面活性剤を用いると、アク
ロレインが選択的に生成することになる。また、クロチ
ルアルコールの酸化反応を行う場合、アニオン性、ノニ
オン性界面活性剤又は両性界面活性剤を用いると、主に
2,3−エポキシブタノールが選択的に生成し、カチオ
ン性界面活性剤を用いると、2,3−エポキシブタノー
ルと共に2−ブテナールも生成することになる。この場
合、2−ブテナールの選択性は、アニオン性、ノニオン
性界面活性剤又は両性界面活性剤を用いる場合よりもカ
チオン性界面活性剤を用いる場合の方が相対的に向上す
ることになる。従って、クロチルアルコールを製造原料
として2,3−エポキシブタノールを製造するときに
は、アニオン性、ノニオン性界面活性剤又は両性界面活
性剤を選択し、2−ブテナールを製造するときには、カ
チオン性界面活性剤を選択して精製することにより工業
的な製造を行うことができる。更に、3−ブテン−1−
オールの酸化反応を行う場合、アニオン性、ノニオン性
界面活性剤又は両性界面活性剤を用いると主に3,4−
エポキシブタノールが選択的に生成し、カチオン性界面
活性剤を用いると、3−ブテナールが選択的に生成する
ことになる。そして、分子内に2つの二重結合と水酸基
を持つネロールの酸化反応を行う場合、アニオン性又は
ノニオン性界面活性剤を用いると主に2,3−エポキシ
ネロールが選択的に生成し、カチオン性界面活性剤を用
いると、ネラールが選択的に生成することになる。
【0090】
【発明の効果】本発明の有機化合物の酸化方法は、上述
のような構成よりなり、これにより分子内環境の異なる
複数の被酸化性官能基を有する有機化合物における特定
の被酸化性官能基を界面活性剤の種類により選択して酸
化することができることから、工業的に有用な各種の有
機化合物を効率的にかつ簡便に製造することが可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 303/14 C07D 303/14 (72)発明者 和田 正大 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 水野 哲孝 東京都練馬区光が丘3−3−6−501 Fターム(参考) 4C048 AA01 BB02 BB07 CC01 UU03 XX02 4H006 AA02 AC45 BA14 BA30 BA33 BA35 BA51 BE32 4H039 CA62 CC20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内環境の異なる複数の被酸化性官能
    基を有する有機化合物を酸化する方法であって、該有機
    化合物の酸化方法は、界面活性剤及び酸化触媒の存在下
    で複数の被酸化性官能基の少なくとも一個を酸化させる
    ことにより行われることを特徴とする有機化合物の酸化
    方法。
  2. 【請求項2】 前記有機化合物の酸化方法は、界面活性
    剤の種類により複数の被酸化性官能基の少なくとも一個
    を酸化させることにより行われることを特徴とする請求
    項1記載の有機化合物の酸化方法。
  3. 【請求項3】 前記有機化合物は、少なくとも被酸化性
    官能基として二重結合を有することを特徴とする請求項
    1又は請求項2記載の有機化合物の酸化方法。
  4. 【請求項4】 一般式; R−C(R′)=CH−CH−OH (式中、R及びR′は、同一若しくは異なって、水素原
    子、置換基を有してもよいアルキル基又は芳香環を表
    す。)で表される有機化合物を反応系中で酸化触媒存在
    下、過酸化水素を用いて酸化する工程を含む酸化された
    有機化合物の製造方法であって、アニオン性、ノニオン
    性及び両性界面活性剤のうち少なくとも1種を反応系中
    に添加した場合には、二重結合がエポキシ化された有機
    化合物が製造され、カチオン性界面活性剤を添加した場
    合には、水酸基が酸化されたカルボニル化合物が製造さ
    れることを特徴とする酸化された有機化合物の製造方
    法。
JP2001268092A 2001-09-04 2001-09-04 有機化合物の酸化方法 Pending JP2003073323A (ja)

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