JP2003071506A - 熱間圧延設備列及び熱間圧延方法 - Google Patents

熱間圧延設備列及び熱間圧延方法

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JP2003071506A
JP2003071506A JP2001263780A JP2001263780A JP2003071506A JP 2003071506 A JP2003071506 A JP 2003071506A JP 2001263780 A JP2001263780 A JP 2001263780A JP 2001263780 A JP2001263780 A JP 2001263780A JP 2003071506 A JP2003071506 A JP 2003071506A
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JP2001263780A
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Naoki Nakada
直樹 中田
Nobuhiro Ito
伸宏 伊藤
Toshisada Takechi
敏貞 武智
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価な設備費で、熱間圧延の生産能率向上と
板厚精度の確保を両立する。 【解決手段】 ステッケルミル下流に1基以上のクロス
ミルを配設し、ステッケルミルにおける最終パスで、ク
ロスミルとタンデム圧延する。更に、ステッケルミルに
よる圧延の最終パス後の金属板温度を計測する温度計を
設置し、該温度計で計測した金属板温度データに基づい
て、クロスミルの上下ロールギャップ開度と上下ロール
クロス角の設定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延設備列、
及び、これを用いた熱間圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属帯(以下、適宜金属板とも称す)の
熱間圧延は、金属塊材料を1000℃内外〜千数100
℃に加熱した後、熱間圧延ライン上に抽出し、搬送しつ
つローラで圧延することにより行われる。熱間圧延ライ
ンには大別して、(1)図9(a)に示す、ステッケル
ミルと呼ばれるタイプ、(2)同(b)に示す半連続と
呼ばれるタイプであって、粗圧延機14と仕上圧延機1
6が別々にあり、粗圧延機14では往復圧延し、仕上圧
延機16では一方向圧延するタイプ、(3)同(c)に
示す3/4連続と呼ばれるタイプであって、(2)のタ
イプのものの粗圧延機14を複数(多くの場合R1〜R
4の4機)とし、そのうち一部(多くの場合R1の1
機)を往復圧延するものとし、残りR2〜R4を一方向
圧延するものとするタイプ(4機中3機が一方向のタイ
プに限らず、例えば3機中2機が一方向のタイプも含
め、3/4連続という)、などがある。
【0003】図において、10A〜10Cは加熱炉、1
2は被圧延材(金属塊、金属板)、13は脱スケール装
置、15は保熱炉(ファーネスコイラとも称する)、1
8A、18Bはコイラである。
【0004】熱間圧延で重要なことは、より高能率でそ
の圧延を行い、生産量を増やすことと、圧延される金属
板を目標とする板厚まで可及的均一に全長全幅薄く延ば
すように圧延を行うことである。
【0005】前述の図9(a)(b)(c)に示す3つ
のタイプの圧延機のうち、(b)(c)に示すタイプの
ものは、高い生産能率を確保するのに優れ、被圧延金属
板の板厚を均一に仕上げる(板厚精度を確保する)のに
も優れるが、問題は該熱間圧延ライン設備の設置コスト
が高いことである。
【0006】これに対し、図9(a)に示すステッケル
ミルと呼ばれるタイプのものは、比較的設備の設置コス
トが小さくて済むという利点がある。
【0007】例を挙げる。その熱間圧延ラインに供され
る素材金属塊の受注オーダ群上、平均単重の大小や、高
温長時間加熱材等の存在に影響されるため、一概には言
えず大体であるが、図9(b)に示す半連続のタイプで
あると、設備費900億円程度で生産量は月間13〜2
5万トン、図9(c)に示す3/4連続のタイプである
と、設備費1500億円程度で生産量は月間25〜50
万トンであるのに対し、図9(a)に示すステッケルミ
ルのタイプであると、生産量は、せいぜい月間3〜5万
トンに留まる上に、後述の理由により被圧延金属板の板
厚精度の確保の上でも問題がある一方で、設備費は10
0〜400億円程度で済むという利点がある。中でも普
通鋼に比べ比較的少量の生産が前提でかつ高付加価値の
ステンレスのような品種の生産にはこのステッケルミル
は大変合理的な設備である。
【0008】ステッケルミルは、仕上圧延機16を挟ん
で、その入側と出側に保熱炉(ファーネスコイラ)15
を有し、金属板は仕上圧延機16により往復圧延され、
往パス、復パスの双方の圧延の間では、このファーネス
コイラ15内で巻き取られた状態で保熱(または加熱)
される。したがって、仕上圧延機16により往復圧延
中、金属板の温度降下を低減できるため、圧延時の荷重
増大を防ぐことができ、高荷重に耐える高価な圧延機を
導入しなくても済む。
【0009】さて、前述の板厚精度の問題について図1
0を参照して説明する。ステッケルミルでは、仕上圧延
機16と入出側のファーネスコイラ15との間には7〜1
0m程度の距離があり、各パスの圧延後は尾端の数m部分
がファーネスコイラに入らず、この部分が他の部分に比
べて低温となり硬くなる。よって、この部分は次パスの
圧延で何らの特別な措置も講じないでおくと、局部的に
板厚が厚めになり、長さ方向にも幅方向にも板厚の均一
度が悪化することになる。ちなみに往復圧延するため、
この低温部分は金属板先端と尾端両方にできる。とはい
え、仕上圧延中初期パス段階のまだ板厚が厚いうちはさ
ほど温度降下速度が大きくならないため、この局部的な
低温部分の板厚精度への影響は顕在化するほどではな
い。ところが、特に仕上圧延中かなり板厚が薄くなって
きて3mmを下回る厚さになってくる場合で、且つ、
(最終−1)パス完了時にファーネスコイラ内に入らな
い最終パス先端部分では、この局部的な低温部分の板厚
精度への影響が顕在化してくる。それは、温度降下速度
が速くなり、もう二度とファーネスコイラで加熱される
ことがないからである。
【0010】この点、最終パス尾端部分では、(最終−
2)パス完了時にファーネスコイラ内に入らなかったこ
とに起因してやはり局部的に低温部分ができているが、
その低温の程度は最終パス先端部分ほどではない。それ
は、(最終−1)および最終パスの圧延をしている間、
かなりの時間ファーネスコイラ内で加熱されるため、次
第にその他の部分との温度差が解消していくからであ
る。
【0011】このように最終パス先端部分の局部的な低
温部分の問題は、板厚にもよるが、結果として、同部の
低温の程度は数100℃、同部の板厚が他の部分からは
ずれる程度は数100μmにもなり、製品の板厚精度と
してJISの公差に定められた範囲からも外れる場合が
ある、という甚大な問題につながるにもかかわらず、こ
の部分の圧延機による補償制御を公知のゲージメータA
GCのような方法そのままで行えば、同方法は金属板先
端域のあるポイントにて圧延荷重をロックオンし、以
降、ロックオンした圧延荷重からの偏差に適当なゲイン
を乗じて上下ロールギャップ開度を制御する、という原
理上、上述のように金属板先端部分の板厚が場合によっ
ては数100μmも外れたところで圧延荷重をロックオ
ンしてしまい、板厚精度を確保する制御となるどころ
か、全く用をなさないという結果にもつながりかねな
い。
【0012】このように圧延後に金属板尾端をファーネ
スコイラに入れられなくなる理由を次に述べる。例えば
前パスで金属板尾端を保熱炉15に入るまで巻き取って
加熱するなどの方法(特開昭59-191503に開示あり)に
よっても、金属板最終パス先端のファーネスコイラから
の巻き出しから仕上圧延機16への噛み込みに要する時
間の間に、結局金属板は放冷し温度降下してしまう。こ
れは金属板の仕上圧延機16への円滑な噛み込み性を確
保するために、そのときの金属板の通過速度を低速にせ
ざるをえないからである(因みに噛み込み後に加速する
場合が多い)。特に板厚が3mmを下回る位迄薄くなっ
てきたときには、仕上圧延機16への円滑な噛み込み性
確保の目的上、そのときの金属板の通過速度を低速にせ
ざるをえない。しかも、先ほども述べた通り、金属板が
薄くなるほど温度降下速度は急速に速くなる。この2つ
が相乗し、金属板最終パス先端の局部的な温度降下の度
合いが大きくなるのである。
【0013】この局部的な温度降下分を補償加熱完了す
るまでファーネスコイラ内で金属板を巻き取り後保持し
たまま待機するものとすれば、巻き取り後、保持(加
熱)する時間として数分が必要になり、同板厚域内での
板厚や受注オーダ単重の大小にもよるが、圧延1パスに
せいぜい10〜60秒程度しか要しないことを勘案する
と、生産性が半分以下、と著しく悪化してしまうことに
なる。このため、局部的な低温部分を補償加熱するより
も、前パスの金属板尾端をファーネスコイラ外に残した
状態で圧延し終わり、次パスの圧延を少しでも早く行う
ために前パスで圧延し終った尾端を、次パスで噛み込み
し易いように、仕上圧延機16に対し可及的に近い位置
に残しておいた方が合理的との結論に至るのである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のス
テッケルミルには、2つの問題があった。
【0015】1つの問題は生産能率向上である。前述し
た通り、半連続や3/4連続の熱間圧延ラインは、設備
費がステッケルミルの数倍もするため、その設置は容易
でない。さりとて、経済成長その他の状況変化により経
年的に必要生産量が漸増するような場合もあるわけで、
前提生産量の少ないステッケルミルとはいえ、設備の追
加設置や改造など、生産能率アップを図る施策を講じる
場合も含め、とにかく、従来のタイプのステッケルミル
に比べてそこそこ高い生産能率を確保できる圧延機はな
いか、という要望は強かったのである。
【0016】もう1つは板厚精度確保の問題である。そ
れは金属板長さ方向のみならず、幅方向についても言え
る。
【0017】前述のように、ステッケルミルでの2パス
目以降では、金属板先端部分数mでの温度が他の部分と
比べて低く硬いので、同部の圧延荷重は他の部分に比べ
て局部的に高くなる。圧延荷重が高くなると上下ロール
ギャップ開度が広がり、同部の板厚が厚くなる。また圧
延荷重が高くなることに起因して、同部圧延中のロール
の板幅方向のたわみも大きくなり、その結果、板クラウ
ン(当業者用語で板幅方向の板厚の凸量のこと)も大き
くなる。派生的に金属板の形状も、幅方向両端部の方が
中央部より長くなる耳伸び(耳波とも称する)になる。
【0018】金属板の板厚が、複数パス中の初期パス段
階にあり、未だ比較的厚い場合、即ち往復圧延の前半段
階では、前述の温度差と、これに起因する荷重変動は小
さい。しかし、板厚が薄くなるにつれて、即ち往復圧延
の後半段階、特に(最終−1)パスでファーネスコイラ
に入らなかった部分では、最終パスで同部圧延中の局部
的な圧延荷重は大きくなって、これが金属板全長で見た
ときの荷重変動と板厚変動につながる。特に製品板厚が
3mmを下回るように薄い場合の(最終−1)〜最終パ
スで、ある程度の圧下率を得ようとすると、前述の板厚
精度の問題の他に、今度は、ワークロールベンダなどの
従来の一般的なアクチュエータだけでは、金属板を平坦
な形状に圧延することができず、耳波状になって、(最
終−1)パスの場合であれば、次の最終パスの圧延の噛
み込み時にバウンドしてしまい、噛み込みが円滑に行え
なくなる、という問題も発生する。これに対し、圧下率
を下げることで、荷重変動を小さくする方法をとること
も考えられるが、パス数が増えて生産能率が一層低下す
るという問題につながる。
【0019】このように、生産能率向上と板厚精度の確
保とを如何にすれば、両立できるか、しかも安価な設備
で、ということが課題となっていた。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記のような
種々の問題点を解決するためになされたものであり、ス
テッケルミルと、該ステッケルミル下流に配した1基以
上のクロスミルを有することを特徴とする、熱間圧延設
備列である。また本発明は更に、ステッケルミルによる
圧延の最終パス後の金属板温度を計測する温度計と、該
温度計で計測した金属板温度から、クロスミルの上下ロ
ールギャップ開度と上下ロールクロス角を設定する手段
を有することを特徴とする、熱間圧延設備列である。
【0021】また本発明は、ステッケルミルと1基以上
のクロスミルを用いて金属板をタンデム圧延することを
特徴とする金属板の熱間圧延方法であり、更に、ステッ
ケルミル圧延の最終パス後の金属板温度を計測した結果
に基づき、クロスミルの上下ロールギャップ開度と上下
ロールクロス角を設定することが好ましく、また更に、
ステッケルミルによる圧延の最終パスの前に、保熱炉内
にある金属板部分と保熱炉外にある金属板部分のそれぞ
れに対して個別に上下ロールギャップ開度と上下ロール
クロス角を設定し、圧延中に両者の境界にて上下ロール
ギャップ開度と上下ロールクロス角を変更することが好
ましい。
【0022】ここで、ミルとは、圧延機のことを指して
称することばである。
【0023】1本の被圧延金属板を複数の圧延機で同時
に圧延することをタンデム圧延というが、タンデム圧延
では、ステッケルミルが単独で圧延を行う場合よりも生
産能率が向上する。例えば、ステッケルミルと、その下
流に配置する1基の圧延機による熱間圧延の場合を考え
る。そして、圧延荷重や形状などの制約条件から、仕上
圧延が6パス必要な製品を仮定する。このような製品
は、往復圧延機であるステッケルミルでは、原理上奇数
パスで圧延し終わるのが搬送上、好都合なため、7パス
で製造するのが一般的であるが、本発明の熱間圧延設備
列を用いると、ステッケルミル5パスと、その後のタン
デム圧延1パスで製造するといったことができる。また
例えば、ステッケルミルと、その下流に配置する圧延機
が2基ある設備列の場合の熱間圧延を考えると、仕上圧
延が7パス必要な製品を製造する場合は、ステッケルミ
ルでの7パスを5パスに削減し、残る2パスをタンデム
圧延機の側で分担する、というようなことも可能にな
る。これらの場合、生産能率は数10%も向上する。あ
るいは、ステッケルミルで7パス圧延し、下流に配置す
る圧延機による圧延1乃至2パスを加えた合計8乃至9
パスで圧延すれば、ステッケルミルでの圧延の各パスの
圧下率を少しずつ小さくすることができ、それによって
各パスの圧延速度を増大させ、生産能率向上を図る、と
いうことも可能になる。
【0024】本発明では、ステッケルミルによる圧延後
に下流に配置する圧延機による圧延を行うのであるが、
下流に配置する圧延機には、クラウン制御能力の高いク
ロスミルを用いるので、先尾端の温度低下に起因する大
きな圧延荷重の変化があっても、図3に示すように上下
ロールクロス角を走間で変更することによって、ロール
のメカニカルクラウンを小さく保ち、また、図4に示す
ように上下ロールクロス角を走間で変更することによっ
て、長手方向金属板先端の局部的な低温部分で板クラウ
ンが過度に大きくなることを防止し、形状のよい金属板
を製造することができる。更に、ステッケルミルによる
最終パス圧延の前に、ファーネスコイラ外にある金属板
先端部分とファーネスコイラ内にある金属板尾端部分の
それぞれに対して、図4にイメージ的に示す如く、圧延
中に、上下ロールギャップ開度を変更するよう制御する
とよい。図4はイメージ図であるため、局部的な低温部
分を誇張して長めに描いているが、クロスミルがタンデ
ムに複数存在する場合は、どのスタンドと考えても良
い。図4中のは、先端の局部的に温度降下している領
域に相当する長さ、は、尾端の局部的に温度降下して
いる領域に相当する長さを示す。
【0025】クロスミルにおいて圧延中に変化する上下
ロールギャップ開度、上下ロールクロス角は、実績デー
タを積み重ねた後、例えば製品板厚をキーにパターン化
して、コンピュータ内のテーブルとして記憶しておくよ
うにする。そうすれば、次にそのキーに該当する被圧延
金属板がきたときには、適正なパターンを予測し、設定
することができる。この情報に基づいて、上下ロールギ
ャップ開度と上下ロールクロス角の設定を圧延中に長手
方向で走間変更させるようにするのである。これによ
り、長手方向に大きな温度差がある金属板でも、高精度
で板厚を制御することができるようになる。
【0026】勿論、最終的に確保したいのは、金属板の
長手方向の均一な板厚、幅方向の均一な板厚であるか
ら、それらの精度を高精度で実現できるような方法であ
れば、上記の例に限定されるものではなく、適宜変化形
の制御形態によってもよい。
【0027】例えば、パターンとして記憶しておくの
は、上下ロールギャップ開度や上下ロールクロス角の値
そのものではなくて、代りに単位幅あたりの圧延荷重と
し、それに圧延しようとする金属板の幅を掛け算したも
のに、更にミル伸び計算やメカニカルクラウン、転写
率、遺伝係数計算を交えて、上下ロールギャップ開度、
上下ロールクロス角の圧延中変更パターンを演算により
求めるなどしてもよいし、あるいは又、例えば、金属板
先端の温度を温度計により実測し、上下ロールギャップ
開度、上下ロールクロス角の圧延中変更パターンを演算
により補正する、などの制御形態をとるなどしても、本
発明の趣旨を逸脱するものではない。
【0028】あるいは又、次に述べるように金属板全長
について温度計によりその温度を実測し、上下ロールギ
ャップ開度、上下ロールクロス角の圧延中変更パターン
を決定するようにすると、良好に金属板の長手方向の均
一な板厚、板幅方向の均一な板厚を確保できる。
【0029】金属板の温度や局部的な低温部分の長さ
は、圧延スケジュール(各圧延機の各パスの上下ロール
ギャップ開度、上下ロールクロス角、圧延速度などの諸
設定のこと)が同じでも、ある程度はばらつくので、ス
テッケルミル圧延に特有な先尾端での低温部分の長さを
把握すれば、次に述べるように、次パスにおける金属板
の硬さ(変形抵抗)および圧延荷重の変動による板厚へ
の影響は、前述のように上下ロールギャップや上下ロー
ルクロス角を製品板厚をキーとしたパターンとして設定
する場合よりも更に抑制することができる。つまり、金
属板全長の温度を測定し、これを上下ロールギャップ開
度の圧延中走間変更、上下ロールクロス角の圧延中走間
変更制御に反映することにより、長手方向に大きな温度
差がある金属板でも、長手方向、幅方向とも板厚精度を
更に向上し、形状も平坦な状態に制御することができ
る。
【0030】なお本発明の技術は、ステッケルミルとク
ロスミルをタンデム配置した熱間仕上圧延機として説明
したが、ステッケルミルのミル形式は特に限定する必要
はなく、4hi(4重式圧延機)、6hi(6重式圧延
機)、ワークロールシフトその他の形式であっても何ら
支障はなく、もちろんステッケルミル自体もクロスミル
であってよい。また、クロスミルは、バックアップロー
ルとワークロールが上下で一対ずつセットになって同じ
角度だけクロスするタイプであるペアクロスでも、ある
いは、ワークロール単独クロスでもよい。又、ロールを
クロスさせる装置のみならず、ロールを金属板幅方向に
撓ませるロールベンディング装置(ロールベンダともい
う。ワークロールの両端チョックにロールを軸方向に撓
ませる力を与える、ワークロールベンダと呼ばれるタイ
プのものが一般的)を圧延機が兼ね備えていても、何ら
本発明の趣旨を逸脱するものではない。但し本発明の内
容は、ステッケルミルがどのようなかたちの圧延機であ
れ、これの下流に配置された少なくとも1基の圧延機が
クロスミルであることが重要である。ここで、特筆すべ
きことは、本発明の技術は、ステッケルミル1スタンド
のみをもつ比較的小さな熱間圧延設備にクロスミルを増
設して、生産能率を大幅に上げたり、より板厚の薄い製
品を新たに製造する場合などにも有効である、というこ
とである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態を詳細に説明する。
【0032】(第1実施形態)本発明を実施するのに好
適な第1実施形態の設備と制御の仕組を図1に模式的に
示す。図1中、1はテーブルローラ、10Aは加熱炉、
11はクロップシャー、12は被圧延材(金属板)、1
3は脱スケール装置、14は粗圧延機、15はファーネ
スコイラ、16A、16Bは仕上圧延機、18A、18
Bはコイラ、19は冷却装置、20はドライブ装置、2
1は制御装置、22は計算機である。仕上圧延機16A
と、それを挟んで入側と出側両方にあるファーネスコイ
ラ15とをセットにして考えると、この部分がステッケ
ルミル形式の圧延機を構成している。
【0033】厚さ200〜270mm、幅600〜20
00mmの塊状の金属板12は、加熱炉10Aで100
0〜1300℃に加熱される。以降、一例として厚さ2
00mmで幅1200mmの金属板が1200℃で加熱
されるものとして話を進める。
【0034】加熱が完了した金属板12は、脱スケール
装置13にて脱スケールされる。この脱スケール装置は
通常、10〜30MPaの高圧水ジェットを金属板12
に向け噴射するものであり、ライン上側から金属板表面
い向けてと、図1中では図示省略されているが、ライン
下側からも金属板12の裏面に向けて噴射される。
【0035】脱スケール後の金属板12は、粗圧延機1
4にて通常5〜9パスの往復圧延を施され、20〜40
mmに薄く延ばされる。このとき図示しないエッジャー
圧延機によって、金属板12の幅が元の幅の1200m
mよりも極度に広がらないように拘束されつつ圧延され
る。又、粗圧延機14のロールは、操業中はほぼ常時冷
却水によって冷却され、高温の金属板12と焼き付くの
を防止される。冷却水は、図示しない冷却水供給系統か
ら供給され、ノズル等によりロール表面に向け噴射され
るようにして供給されるのが一般的である。
【0036】粗圧延の各パスの板厚スケジュールの例を
表1(SUS304の例)に示す。ワークロールの直径
は1000mmとした。
【0037】
【表1】
【0038】さて、ここでは一例として表1に示す例の
通り、厚さ20mmに延ばされたものとして以降の話を
進める。
【0039】粗圧延後の金属板12は、クロップシャー
11によって先端が長さ数100mm程度切り落とさ
れ、仕上圧延機16Aに向け搬送される。
【0040】仕上圧延機16Aも往復圧延する仕組であ
るが、まず最初の1パス目の圧延について説明する。金
属板12の先端が仕上圧延機16Aのロールに噛み込む
のに先立って、粗圧延を開始する直前と同様に、脱スケ
ール装置13により脱スケールされた上、金属板12の
先端は、仕上圧延機16Aのロールに噛み込む。金属板
12の先端を噛み込み後、仕上圧延機16Aは、ロール
の回転により金属板12を長手方向に搬送しつつ薄く延
ばす働きを継続し、金属板12は、先端から順次ファー
ネスコイラ15内に巻き取られつつ導入される。金属板
12の尾端がクロップシャー11下を通過するとき、尾
端も、やはり数100mm程度切り落とされる。
【0041】ファーネスコイラ15内は、図示しない加
熱手段により、仕上圧延するのに適当な金属板の硬さと
なる800〜1100℃に温度保持されている。ここで
は一例として900℃に温度保持されるものとして、以
降説明する。
【0042】金属板12の尾端が仕上圧延機16Aで圧
延され終わると、次パス(往復搬送するため、先ほどの
1パス目と逆の搬送方向)の仕上圧延機16Aへの金属
板12の早期かつ円滑な噛み込み(先ほどの1パス目で
いう尾端が、次パスでは先端になる)が行えるよう、1
パス目では金属板12の尾端が完全にファーネスコイラ
15内に入るまで巻き取らずに、尾端が仕上圧延機16
Aの出側に出てすぐの状態で、金属板12の搬送を停止
し、1パス目の仕上圧延が完了する。そのような状態で
停止するのが好ましいが、生産能率低下に目をつぶれる
状況であれば、特開昭59-191503のように、完全にファ
ーネスコイラ15内に入るまで巻き取ることも全否定す
るものではない。
【0043】1パス目の仕上圧延が完了後、金属板12
の搬送が停止したら、可及的速やかに、先ほどの搬送方
向とは逆方向に金属板12の先端(先ほどの1パス目で
は尾端)を仕上圧延機16Aに導入し噛み込ませる。そ
れに先だって、必要に応じ脱スケール装置13により脱
スケールを行ってもよい。ロールの冷却は粗圧延機の場
合と同じである。そして仕上圧延機16Aは、先ほどの
1パス目と搬送方向が逆で、クロップシャーによる先端
と尾端の切り落としを行わないことを除いて、1パス目
と同様に、ロールの回転により金属板12を長手方向に
搬送しつつ薄く延ばす働きを継続し、金属板12は、先
端から順次、仕上圧延機16Aを挟んで先ほどと反対側
のファーネスコイラ15内に巻き取られつつ導入され
る。
【0044】以降、奇数パスについては、クロップシャ
ーによる先端と尾端の切り落としを行わないことを除い
て、1パス目と同様な動作を行い、偶数パスについて
は、2パス目と同様な動作を行う、という一連の動作の
繰り返しにより、次第に金属板12を薄く延ばして行
く。
【0045】そして、最終パスとなる奇数パスのとき
は、金属板12の先端は、ファーネスコイラ15内には
導入されていない状態を起点に、仕上圧延機16Bに向
け搬送される。この搬送方向の切替は、図示しない搬送
方向切替装置により行われる。仕上圧延機16Bは、で
きるかぎり仕上圧延機16Aに近づけて設置するのが、
金属板12の温度降下抑制上好ましい。結果的に金属板
12の長さが極度に短い場合を除き、殆どすべてのケー
スで、仕上圧延機16Aと仕上圧延機16Bは、1本の
金属板12を同時に圧延するタンデム圧延状態になる。
【0046】仕上圧延機16Aと仕上圧延機16B、各
ファーネスコイラ15のマンドレル、コイラ18Aまた
は18Bのマンドレル、それにテーブルローラ1(ドラ
イブ装置はあるが図中省略した)は、それらに接続され
た各ドライブ装置20を介して、制御装置21により体
積速度(マスフロー)の揃速性の制御が精密に行われ、
同時に圧延している1本の金属板12が過張力で破断し
たり、逆に圧縮されてバックリングし、ループが形成さ
れて両圧延機間で詰まって搬送継続不可能となったりし
ないよう、制御される。
【0047】こうして仕上圧延された金属板12は、冷
却装置19から噴射される冷却水により、製品に所望材
質を付与するための温度域まで冷却されたのち、コイラ
18Aによりコイル状に巻き取られる。コイラ1台では
金属板12の生産ピッチに追い付けない場合は、もう1
台コイラ18Bを設置し、次々と圧延されてくる金属板
12を、コイラ18Aと18Bの両方で交互に巻き取る
ようにする。
【0048】以上、基本的な一連のプロセスの流れを説
明した。なお、上記の例のような金属板の厚さ200m
m、加熱温度1200℃の場合であれば、材質が例えば
SUS304の場合であって、目標とする製品の仕上板
厚が2.0mm、仕上板幅が1200mmであれば、粗
圧延機14でのパス数は7パスで20mmの厚さまで薄
く延ばし、仕上圧延機16Aと仕上圧延機16Bでのパ
ス数は合計で8パスで、2.0mmの厚さまで薄く延ば
す、というのが標準的なパス数である。この例による仕
上圧延の板厚スケジュールを次の表2(SUS304の
例)に示す。ちなみにワークロールの直径は650mm
とし、噛み込み速度は最大60mpmに抑え、それより
も速い速度で圧延したい場合は、噛み込みの1秒後に4
0mpm/秒で加速圧延するようにした。
【0049】
【表2】
【0050】してみれば、上述の粗圧延機14での7パ
スと、仕上圧延機16A、16Bでの8パスと、合計で
15パスの圧延を行えば、金属板12を目標とする製品
の仕上板厚の2.0mmの厚さまで薄く延ばすことがで
きるわけであり、その意味から、必ずしも粗圧延機14
を併設せねばならないわけではなく、仕上圧延機16
A、16Bだけで必要パス数圧延するようにしてもよ
い。付け加えて言えば、クロップシャー11も不可欠の
設備というわけではない。両者はそれぞれ、生産能率の
向上と、仕上圧延機16Aの円滑な噛み込み確保の目的
上、あった方がより好ましいことから、ある場合を例に
説明した。仕上圧延機16Bの台数も、上記の例の場合
は、1台として説明したが、必ずしも1台である必要は
なく、2台以上あってもよい。尚、既設ステッケルミル
下流に仕上圧延機を追加設置するような場合は、冷却装
置19の設置領域と機械干渉しないようにする必要上、
追加できる仕上圧延機の数も、設置スペース上の制約か
ら自ずと限界があろう。このように状況に応じ、仕上圧
延機16Bの台数は設置費用も勘案しながら適宜決定す
ればよいのである。
【0051】さて次に、本発明で重要な課題となってい
る金属板12の長手方向および幅方向の板厚の均一さを
どのようにして確保するか、その制御方法について以下
に具体的に説明する。
【0052】図2に仕上圧延機16A付近を拡大して示
すが、この状態は、金属板12が(最終−1)パス圧延
を完了し、金属板12の(最終−1)パス尾端が仕上圧
延機16Aのロールから離れ、減速後、停止した正にそ
の瞬間の状態を示している。
【0053】まず金属板12の長さ方向の板厚制御の説
明から始めるが、図2中、dで示した、仕上圧延機16
A〜(最終−1)パス完了後尾端停止位置の距離を一定
に制御することが最初に重要になる。
【0054】これは、後ほど仕上圧延機16Bの上下ロ
ールギャップ開度を局部的な低温部分に対し狭めるよう
に制御するのに、どれだけの圧延長、それを継続するの
か決定するのに必要なデータである。距離dが一定に制
御できれば、仕上圧延機16A〜ファーネスコイラ15
入口までの機械長は一定しているゆえ、(最終−1)パ
ス完了時、ファーネスコイラ15外に出ている金属板1
2の長さL0は一定にできる。このL0に、(最終−1)
パス後の金属板12の板厚を最終パス後の金属板12の
板厚で割った値を掛け算し、更にその値に、最終パス後
の金属板12の板厚を仕上圧延機16Bによる圧延後の
板厚で割った値を掛け算したものを新たにLと置き直す
ものとすれば、仕上圧延機16Bの上下ロールギャップ
開度を局部的な低温部分に対し狭めるように制御すべき
圧延長は、そのLということになるから、圧延長Lだけ
実際に仕上圧延機16Bの上下ロールギャップ開度を局
部的な低温部分に対し狭めるように制御する。
【0055】距離dを一定に制御するには、APC(Au
tomatic Positioning Control)という制御を用い
る。これは、制御装置21内で、仕上圧延機16Aを、
前パスの金属板12尾端が抜けた時点を起点に、例えば
仕上圧延機16Aからその尾端までの距離をxとすれ
ば、(d−x)の平方根に適当な制御ゲインを掛け算す
るように計算し、巻取中のファーネスコイラ15のマン
ドレルに向け、速度指令として出力するようにする。結
果的に、仕上圧延機16Aを前パスの尾端が抜けた金属
板12は一定の加速度で減速して停止する。
【0056】そして次は、上下ロールギャップ開度をど
れだけ狭めるかを決定する。圧延荷重が金属板12の先
端部分の局部的な低温部分において局部的に大きくなる
ことにより、仕上圧延機16Bのハウジングの板厚方向
の伸び(ミル伸び)が局部的に大きくなり、同部の板厚
が厚くなるのであるが、どれだけ厚くなるかは、ミルの
ばね定数や金属板の変形抵抗の温度依存関数などの理論
モデルで計算して予測するのもよいが、より簡単な方法
をここではとる。
【0057】実は、どれだけ厚くなるかは、仕上圧延機
16Bでの圧延後の金属板12の材質と製品板厚によっ
て、一義的にほぼ決まってしまうのである。というの
は、(1)前述のようにdは一定に制御される、(2)
最終パス、(最終−1)パス圧延後の金属板12の板厚
スケジュール、それに圧延速度は、前述の表2の例のよ
うに、仕上圧延機16Bでの圧延後の金属板12の材質
と製品板厚をキーとするテーブル値で計算機22からデ
ータとして制御装置21に向け伝送するものとすれば、
仕上圧延機16Bの制御にとって好都合である、という
事情があるため、金属板12の先端部分の局部的な温度
降下の開始から、金属板12の先端の仕上圧延機16B
による圧延開始までの所要時間は、仕上圧延機16Bで
の圧延後の金属板12の材質と製品板厚をキーとして一
義的にほぼ決まり、従って、その間に温度降下する程
度、それによる変形抵抗の上昇の程度、それが板厚に影
響する程度も一義的にほぼ決まってしまうからである。
因みに板幅は比例的に影響するため、テーブル値は単位
幅あたりの値とし、これに板幅を掛け算するようにすれ
ばよい。
【0058】そこで、次の表3(SUS304の例)の
ような、材質と製品板厚をキーとするテーブルを計算機
22内に仮想的に設け、L、ΔS、Wを制御装置21に
向け出力し、制御装置21は、これに基づいて仕上圧延
機16Bの上下ロールギャップ開度を制御する。
【0059】
【表3】
【0060】ここでΔSは、金属板12の先端部分の局
部的な低温部分に対し狭めるべき上下ロールギャップ開
度の量的な値であり、金属板12の単位幅あたりの値で
ある。また、Wを金属板12の板幅であるとすれば、実
際には、ΔS×Wだけ上下ロールギャップ開度を変更す
るよう制御する。
【0061】表3で、L0=5.0mとすれば、t=
2.0mmの場合、仕上圧延機16Aでの最終パス圧延
後の板厚は2.4mm、同(最終−1)パス圧延後の板
厚は2.8mmであるため、L=5.0×2.4/2.
0×2.8/2.4=7.0mを得る。同様に、図示し
ていない表2と同様な各製品板厚別(1.5mm、2.
4mm)の仕上圧延板厚スケジュールにより、t=1.
5mmの場合、L=5.0×2.0/1.5×2.4/
2.0=8.0mを、t=2.4mmの場合、L=5.
0×2.8/2.4×3.2/2.8=6.7mを得
る。
【0062】尚、表3は、一例として挙げているため、
材質はSUS304の例一つだけであり、仕上圧延機1
6Bでの圧延後板厚は2.4mm、2.0mm、1.5
mmの3例だけを示しているが、実際には、この他の材
質や板厚のデータもテーブル値として持つ。また、数値
は必ずしもこの例に限定されるものではなく、あくまで
一例である。
【0063】次に、金属板12の幅方向の板厚制御の説
明をするが、考え方は前述の長手方向の板厚制御の場合
と似ている。即ち、仕上圧延機16Bでの圧延後の金属
板12の材質と製品板厚と板幅をキーとして、金属板1
2の先端部分の局部的な低温部分を除いた部分について
の上下ロールクロス角θ、それに対し、金属板12の先
端部分の局部的な低温部分についての上下ロールクロス
角の変更量Δθを一義的に表4(SUS304 板幅1
000〜1300mmの例)のように、計算機22内に
仮想的に設け、L、θ、θ+Δθを制御装置21に向け
出力し、制御装置21は、これに基づいて仕上圧延機1
6Bの上下ロールクロス角を制御する。
【0064】
【表4】
【0065】表4は、一例として挙げているため、材質
はSUS304の例一つだけであり、仕上圧延機16B
での圧延後板厚は2.4mm、2.0mm、1.5mm
の3例だけであり、板幅は1000〜1300mmの1
例だけを示しているが、実際には、この他の材質、板
厚、板幅のデータもテーブル値として持つ。また、数値
は必ずしもこの例に限定されるものではなく、あくまで
一例である。
【0066】このようにして、金属板12が仕上圧延機
16Aにも16Bにも噛み込むのに先立って、各パスの
板厚スケジュールを始めとした各圧延条件(各圧延機の
各パスの上下ロールギャップ開度、上下ロールクロス
角、圧延速度など。他にもあり、総称して圧延スケジュ
ールという)の初期設定を、計算機22〜制御装置21
〜仕上圧延機16A、16Bの系全体で行った後、実際
に金属板12が(最終−1)パスまでは仕上圧延機16
Aで往復圧延され、最終パスにて仕上圧延機16Aと1
6Bのタンデム圧延が行われる。
【0067】さてここまで述べてきた、金属板12が仕
上圧延機16Aにも16Bにも噛み込むのに先立った初
期設定計算とは別に、その後、実際に金属板12が仕上
圧延機16Aや16Bに噛み込んだ後は、圧延の経時的
な進展につれ、金属板12の先端から長さ方向に数m圧
延した時点以降、ある時点での圧延荷重を、仕上圧延機
16Bに付設の図示しない荷重計により計測して制御装
置21に伝送し、制御装置21では、それをロックオン
し、以降もリアルタイムに圧延荷重を計測し続け、その
ロックオンした圧延荷重からの偏差をリアルタイムに計
算し、それに適当なゲインを掛け算したものを出力し、
仕上圧延機16Bの上下ロールギャップ開度にリアルタ
イムに反映する、ゲージメータAGC制御を行うのが好
ましい。
【0068】同様にロールベンダについても、金属板1
2の先端から長さ方向に数m圧延した時点で圧延荷重を
ロックオンし、以降、そのロックオンした圧延荷重から
の偏差を制御装置21でとらえ、適当なゲインを掛け算
して、ロールベンディング力に反映する荷重連動制御と
呼ばれる制御も行うのが好ましい。ここでいう、先端か
ら数mを、図4中に制御パターン(1)に示す要領で、
ちょうど金属板12の先端部分の局部的な低温部分を除
くことに相当させるのがよいが、同じく図4中に制御パ
ターン(2)に示す要領で、金属板12の先端部分の局
部的な低温部分と、それ以降に圧延する、そうでない部
分とで、個別に先端のあるポイントで圧延荷重をロック
オンし、各領域内で個別にゲージメータAGC制御やベ
ンダの荷重連動制御を行うようにしてもよい。なお、こ
の場合、両者間の移り変わり部分に相当する金属板12
の温度や硬さの過渡的に変化する領域では、両制御とも
オフにするのが好ましい。これらの制御のオンオフは、
前述のLを制御装置内で認識しているため、それに対し
て制御装置内で適切なタイマ値を加算することで設定
し、先端の噛み込み検出を起点に、ドライブ装置20か
ら一定インクリメント長圧延するごとに発せられるパル
スの数をカウントして、前記一定長インクリメントと掛
け算したものの累積により、前述のLとタイマ値をカウ
ントダウンする、という動作を制御装置21内で行う、
いわゆるトラッキングと呼ばれる方法により可能にな
る。
【0069】更に、同じく圧延の経時的な進展につれ、
仕上圧延機16Bのすぐ下流に設置した板厚計23に
て、実績の長さ方向板厚、幅方向板厚が、そして同じく
仕上圧延機16Bのすぐ下流に設置した平坦度計24に
て、実績の平坦度が、それぞれ測定され、制御装置21
に実績データが伝送され、これをもとに次のようなフィ
ードバック制御を行うのが好ましい。
【0070】制御装置21は、これらの実績データを受
け、(1)実績の長さ方向板厚を基に、目標とする製品
板厚との偏差をリアルタイムに計算により求め、ある一
定の時間インクリメントを掛け算して、その一定の時間
ごとに積算し、その積算量に適当なゲインを掛け算した
ものを上下ロールギャップ開度の設定にリアルタイムに
反映し、経時的にその偏差をゼロに近づけるようにフィ
ードバック積分制御を行う板厚計モニタAGC制御(板
厚計の測定原理がX線によるものである場合、特にX線
モニタAGC制御と呼ばれる)を行ったり、(2)実績
の幅方向板厚を基に、目標とする製品クラウンとの偏差
をリアルタイムに計算により求め、偏差をゼロにすべ
く、ロールベンダや上下ロールクロス角を微調整設定変
更するようフィードバック制御を行う、クラウン制御を
行ったり、(3)実績の平坦度を基に、目標とする製品
平坦度(多くの場合、形状急峻度にして全く平らな状態
を示す0%)との偏差をリアルタイムに計算により求
め、偏差をゼロにすべく、ロールベンダや上下ロールク
ロス角を微調整設定変更するようフィードバック制御を
行う、平坦度制御を行うようにするのが、金属板12の
製品としての全長の板厚、平坦度の品質を確保する上で
好ましい。
【0071】前記クラウン制御と平坦度制御の出力が相
反する出力結果となる場合は、別途計算機22から制御
装置21にデータとして送られるクラウン許容上下限値
の間に収まる範囲にて、平坦度の方を優先して制御す
る。なおここで、クラウンを小さくしようと、ロールベ
ンダ力が設備仕様上の上限に達してしまっても、なおク
ラウンを小さくしたいような場合、あるいは、平坦度が
耳伸びなのを平坦にしようと、ロールベンダ力が設備仕
様上の上限に達してしまっても、なお平坦度を平坦にし
たいような場合は、上下ロールクロス角を大きくするよ
う走間変更し、逆に、クラウンを大きくしようと、ロー
ルベンダ力が設備仕様上の下限に達してしまっても、な
おクラウンを大きくしたいような場合、あるいは平坦度
が、耳伸びとは逆に幅方向両端部より中央部が伸びた腹
伸びなのを平坦にしようと、ロールベンダ力が設備仕様
上の下限に達してしまっても、なお平坦度を平坦にした
いような場合は、上下ロールクロス角を小さくするよう
走間変更する、クロス振替と称する制御を用いてもよ
い。
【0072】第1実施形態は、概略、以上に述べたよう
に行われるが、例えば、金属板12の先端温度のばらつ
きにより、同材質、同製品寸法の金属板の過去の実績に
比して、もし先端温度が低ければ、その分、上下ロール
ギャップ開度を狭く設定する、などの初期設定の補正を
行ったり、クラウンの実績が目標から外れた場合に、そ
の原因をロールプロフィルあるいはロールのメカニカル
クラウンの予測誤差に帰するものとして、ロールプロフ
ィルあるいはロールのメカニカルクラウンの予測計算を
やり直して書換える、クラウンの学習制御を行う、など
各種の制御を併用して行うことも、本発明の趣旨を何ら
逸脱するものではない。
【0073】また、上記の第1実施形態の説明で述べた
金属板の板厚精度確保のための方法の一部または全部
を、仕上圧延機16Aについても仕上圧延機16Bと同
様に実施するようにしてもよい(上下ロールクロスに関
する制御は仕上圧延機16Aもクロスミルの形式である
場合のみ)。
【0074】
【実施例1】SUS304の、板厚200mm×板幅1
200mm×板長7000mmの金属塊を、製品寸法に
して板厚2.0mm×板幅1200mmにする圧延を、
上記第1実施形態によって実施した場合の長さ方向の板
厚および形状(平坦度)の分布を図5(a)に示す。ゲ
ージメータAGC、ベンダの荷重連動制御、それと平坦
度制御は併用し、圧延荷重のロックオンは、金属板先端
部分にできる局部的な低温部分を避けた長手方向すぐ尾
端寄りにて行った。比較例として、板厚制御を公知のゲ
ージメータAGCにより金属板先端から行った例を図5
(c)に示す。ちなみに比較例では、X線モニタAG
C、荷重連動制御、平坦度制御を併用している。
【0075】本発明に従えば、板厚について、金属板1
2の先端部分の局部的な低温部分と、それを除いた部分
の境界に若干の分布変動箇所があるものの、JISで軟
鋼の同製品寸法品の公差である±220μmよりも厳し
い±50μmの目標精度以内には収まっており、形状と
ともに良好に制御できていることがわかる。これに対
し、比較例では、○印で示した箇所は、板厚や平坦度が
乱れ、許容範囲から外れてしまう場合があるという問題
がある。なお、(最終−2)パス完了時にファーネスコ
イラ内に入らなかったことに起因してできた局部的な低
温部分については、その低温の程度は最終パス先端部分
ほどではないため、板厚も平坦度も、先端に比べさほど
悪化してはおらず、ゲージメータAGC等で十分補償で
きている。
【0076】(第2実施形態)次に、本発明を実施する
のに好適な第2実施形態の設備と制御の機構を図6に模
式的に示す。図6中、主要構成設備は、第1実施形態に
用いた図1のものと大半共通する。ただ、温度計17が
追加設置され、仕上圧延機16Cが追加設置されている
点が異なるのみである。温度計17が追加設置された点
は、以下に詳しく述べるが、仕上圧延機16Cが追加設
置されている点は、単なる一例として挙げたにすぎず、
格別の意味はない。
【0077】第2実施形態における金属板12の先端部
分の局部的な低温部分の板厚補償の具体的な方法につい
て以下に説明する。温度計17は、金属板12の長さ方
向に一定ピッチ(例えば1mmピッチ)で温度の測定を
行い、その各測定温度を制御装置21にデータとして伝
送する。制御装置21は、上記の温度測定データに基づ
いて、金属板12の先端部分の局部的な低温部分と、そ
れにつづいて圧延することになる、そうでない部分との
境界を判定する。この方法について更に具体的に説明す
る。
【0078】まず、温度計17の各測定温度に基づき、
各測定温度を隣接するデータどうしを直線で結んで金属
板12の長さ方向における各点の温度勾配を求めると、
図7に示すようになる。その温度勾配の絶対値の変化
は、図8に示すような折れ線になる。そこで、その折れ
線を、金属板12の搬送方向の先端側から尾端側に向け
て見ていき、その折れ線がしきい値と交わるすぐ尾端側
の点に対応する位置などを、金属板12の先端部分の局
部的な低温部分と、それにつづいて圧延することにな
る、そうでない部分との境界と判定する。なお、ここ
で、例えばある点の温度勾配を中心にして、その温度
と、その前後の温度勾配の3点の平均値を、ある点にお
ける温度勾配として代表させる、といった平滑化処理を
適宜施すようにしてもよい。
【0079】かくして金属板12の先端部分の局部的な
低温部分と、それにつづいて圧延することになる、そう
でない部分との境界を判定したら、金属板12の最先端
からその境界までの長さを、前述の第1実施形態におけ
るLに相当するものとして、第1実施形態における制御
と同じ制御を行うようにするのである。
【0080】
【実施例2】上述の本発明の第2実施形態の説明に従
い、更にゲージメータAGC、荷重連動制御を併用し、
圧延荷重のロックオンは図4の制御パターン(2)に示
す要領で行い、更に平坦度制御とX線モニタAGCも併
用した結果を図5(b)に示す。図5(a)に示した本
発明の第1実施形態の実施例結果と比べて、○印で示し
た箇所の、板厚や平坦度の乱れが更に小さくなり、良好
に制御できていることがわかる。これは、Lが正確に測
定できるためと考えられる。
【0081】
【発明の効果】以上のように、本発明の技術を用いれ
ば、寸法精度の高い製品を製造することができ、生産量
を飛躍的に向上させることができる。又、副次的には次
に述べるような効果も得られる。即ち、板厚、板クラウ
ンの精度が良く、かつ形状の良い製品を製造することが
できるので、歩留まりが大きく向上する。又、形状の良
い金属板を製造できるので、絞りなどの圧延トラブルが
少なく、ラインを高い稼動率での操業状態に維持でき、
高い生産性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を実施するための設備と
制御の仕組を示した図
【図2】本発明の実施形態を実施する上での金属板の搬
送停止方法を説明するための図
【図3】圧延機の上下のロールをクロスすることにより
金属板の幅方向板厚変化を小さくできる様子を模式的に
示した図
【図4】圧延中の上下ロールギャップ開度、上下ロール
クロス角の変更パターンを、金属板長手方向と対応づけ
て模式的に示した図
【図5】本発明の第1、第2実施形態の実施結果と、比
較例の実施結果を比較して示す図
【図6】本発明の第2実施形態を実施するための設備と
制御の仕組を示した図
【図7】本発明の第2実施形態を実施する上での金属板
の先端部分の局部的な低温部分と、そうでない部分の境
界を判定する方法を説明するための、各点の温度勾配の
例を示す図
【図8】同じく温度勾配の絶対値の変化の例を示す図
【図9】従来のステッケルミル形式、半連続形式、3/
4連続形式の熱間圧延ラインをそれぞれ示した図
【図10】従来のステッケルミルの問題について説明す
る図
【符号の説明】
10A、10B、10C…加熱炉 12…被圧延材(金属板) 14…粗圧延機 15…ファーネスコイラ(保熱炉) 16、16A、16B、16C…仕上圧延機 17…温度計 18A、18B…コイラ 19…冷却装置 20…ドライブ装置 21…制御装置 22…計算機 23…板厚計 24…平坦度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武智 敏貞 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社内 Fターム(参考) 4E002 AD04 BA01 BA03 BB18 BC05 CB07 CB08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステッケルミルと、該ステッケルミル下流
    に配した1基以上のクロスミルを有することを特徴とす
    る、熱間圧延設備列。
  2. 【請求項2】前記ステッケルミルによる圧延の最終パス
    後の金属板温度を計測する温度計と、該温度計で計測し
    た金属板温度から、クロスミルの上下ロールギャップ開
    度と上下ロールクロス角を設定する手段を有することを
    特徴とする、請求項1に記載の熱間圧延設備列。
  3. 【請求項3】ステッケルミルと1基以上のクロスミルを
    用いて金属板をタンデム圧延することを特徴とする、金
    属板の熱間圧延方法。
  4. 【請求項4】前記ステッケルミルによる圧延の最終パス
    後の金属板温度を計測した結果に基づき、クロスミルの
    上下ロールギャップ開度と上下ロールクロス角を設定す
    ることを特徴とする、請求項3に記載の金属板の熱間圧
    延方法。
  5. 【請求項5】前記ステッケルミルによる圧延の最終パス
    の前に、保熱炉内にある金属板部分と保熱炉外にある金
    属板部分のそれぞれに対して個別に上下ロールギャップ
    開度と上下ロールクロス角を設定し、圧延中に両者の境
    界にて上下ロールギャップ開度と上下ロールクロス角を
    変更することを特徴とする、請求項3又は4に記載の金
    属板の熱間圧延方法。
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