JP2003064415A - 熱処理炉の雰囲気および温度の調整方法 - Google Patents

熱処理炉の雰囲気および温度の調整方法

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JP2003064415A
JP2003064415A JP2001253272A JP2001253272A JP2003064415A JP 2003064415 A JP2003064415 A JP 2003064415A JP 2001253272 A JP2001253272 A JP 2001253272A JP 2001253272 A JP2001253272 A JP 2001253272A JP 2003064415 A JP2003064415 A JP 2003064415A
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Akira Ogo
顕 尾郷
Seiji Mizutani
誠司 水谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱処理をした金属および合金のソルト酸洗等
の酸洗でのデスケーリング率を高くすることができる熱
処理炉の雰囲気および温度の調整方法を提供すること。 【解決手段】 不活性ガス雰囲気で、かつ熱処理温度に
加熱されている熱処理炉の雰囲気を還元性ガス雰囲気に
し、かつ既に加熱されている熱処理温度と同一又はこれ
より高い所定の熱処理温度に調整する熱処理炉の雰囲気
および温度の調整方法において、既に加熱されている熱
処理温度から上記所定の熱処理温度より高い温度に一旦
昇温し、昇温前から上記所定の熱処理温度より高い温度
に昇温後までの間に還元性ガスの供給を開始し、その後
上記所定の熱処理温度に降下することを特徴とする熱処
理炉の雰囲気および温度の調整方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱処理炉の雰囲気
および温度の調整方法、詳細には不活性ガス雰囲気で、
かつ熱処理温度に加熱されている鉄鋼用等の熱処理炉の
雰囲気を還元性ガス雰囲気にし、かつ既に加熱されてい
る熱処理温度と同一又は異なる所定の熱処理温度に調整
する等の熱処理炉の雰囲気および温度の調整方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】普通鋼、特殊鋼、ステンレス鋼等の鋼を
焼入れ、焼なまし、焼きならし等の熱処理を行う場合、
酸化されないようにするため、N2 ,Ar等の不活性ガ
ス雰囲気中で行う場合、H2 +N2 等の還元性ガス雰囲
気中で行う場合等がある。そして、不活性ガス雰囲気中
で行うか、還元性ガス雰囲気中で行うかの選択は、熱処
理をする材料に悪影響を及ぼすかどうかによって行って
いる。
【0003】このように、熱処理炉の雰囲気を熱処理す
る材料の成分組成等によって不活性ガス雰囲気にする
か、還元性ガス雰囲気にするかを選択しているため、不
活性ガス雰囲気から還元性ガス雰囲気に変更する場合が
ある。また熱処理をする材料によって、熱処理温度が決
定されるので、低い熱処理温度から高い熱処理温度に変
更する場合、変わらない場合又はこの逆の場合がある。
また、休止状態(大気の雰囲気で、かつ常温)から熱処
理炉の雰囲気を還元性ガス雰囲気で、かつ所定の熱処理
温度に昇温して熱処理をすることができる状態に立ち上
げる場合もある。
【0004】従来、上記不活性ガス雰囲気から還元性ガ
ス雰囲気に切り替える(シーズニング)場合には、所定
の熱処理温度への温度の切り替えと還元性ガスの供給を
同時に実施していた。すなわち、不活性ガス雰囲気で、
かつ所定の熱処理温度で熱処理をしていたものを、別の
鋼等を熱処理するため、図5のaに示すようにその鋼材
に適した所定の熱処理温度に昇温し、昇温した後還元性
ガスの供給を開始するか、図5のbに示すようにそのま
まの温度で還元性ガスの供給を開始するか、図5のcに
示すようにその鋼材に適した所定の熱処理温度に下げ、
所定の熱処理温度に下げた後還元性ガスの供給を開始し
てシーズニングを行っていた。
【0005】また、休止状態から熱処理炉の雰囲気を還
元性ガス雰囲気で、かつ所定の熱処理温度に加熱して熱
処理をする状態に立ち上げる(シーズニング)場合に
は、図6に示すように所定の熱処理温度に加熱した後、
還元性ガスの供給を開始してシーズニングを行ってい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の方
法によってシーズニングした熱処理炉でCr含有量が5
%以上の鋼等の金属および合金を焼なまし等の熱処理を
すると、熱処理の後工程であるソルト酸洗(前酸洗の
後、NaOHベースのアルカリ溶融塩浴でのスケール
(Cr酸化物)を改質し、その後仕上酸洗をする。)等
の酸洗での1回のデスケーリング率が低く、複数回のソ
ルト酸洗等の酸洗を行う必要がある場合があるという問
題があった。本発明は、ソルト酸洗等の酸洗での1回の
デスケーリング率を高くすることができる熱処理炉の雰
囲気および温度の調整方法を提供することを課題とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者達は、不活性ガス雰囲気で、かつ熱処理温
度に加熱されている熱処理炉の雰囲気を還元性ガス雰囲
気にし、かつ既に加熱されている熱処理温度と同一又は
異なる所定の熱処理温度に調整する熱処理炉の雰囲気お
よび温度の調整方法において、ソルト酸洗等の酸洗での
デスケーリング率を高くする方法について研究をしてい
たところ、上記既に加熱されている熱処理温度から今回
の熱処理のための所定の熱処理温度に直線的に変更し、
この温度でシーズニングするより、上記今回の熱処理の
ための所定の熱処理温度より高い温度に一旦昇温し、こ
こでシーズニングをし、その後、好ましくは熱処理炉内
の雰囲気が安定した後所定の熱処理温度に下降し、そこ
で熱処理をしたほうがソルト酸洗での1回のデスケーリ
ング率が高くなること、休止状態の熱処理炉の雰囲気を
還元性ガス雰囲気にし、かつ所定の熱処理温度に昇温し
て調整する場合にも同じであること等の知見を得た。本
発明は、これらの知見に基づいて発明をされたものであ
る。
【0008】すなわち、本発明の鉄鋼用等の熱処理炉、
例えば焼きなまし炉の雰囲気および温度の調整方法にお
いては、不活性ガス雰囲気で、かつ熱処理温度に加熱さ
れている鉄鋼用等の熱処理炉の雰囲気を還元性ガス雰囲
気にし、かつ既に加熱されている熱処理温度と同一又は
これより高い所定の熱処理温度に調整する熱処理炉の雰
囲気および温度の調整方法において、上記既に加熱され
ている熱処理温度から上記所定の熱処理温度より高い温
度に一旦昇温し、昇温前から上記所定の熱処理温度より
高い温度に昇温後までの間、好ましくは上記所定の熱処
理温度より高い温度に昇温後に還元性ガスの供給を開始
し、その後、好ましくは還元性ガスによる熱処理炉内の
雰囲気が安定した後、上記所定の熱処理温度に降下する
ことである。
【0009】さらに、本発明の鉄鋼用等の熱処理炉、例
えば焼きなまし炉の雰囲気および温度の調整方法におい
ては、不活性ガス雰囲気で、かつ熱処理温度に加熱され
ている熱処理炉の雰囲気を還元性ガス雰囲気にし、かつ
既に加熱されている熱処理温度より低い所定の熱処理温
度に調整する熱処理炉の雰囲気および温度の調整方法に
おいて、上記既に加熱されている熱処理温度からこれよ
り低い上記所定の熱処理温度に降下開始前若しくは降下
中に還元性ガスの供給を開始し、又は降下開始前若しく
は降下中に一旦昇温し、昇温前から昇温後までの間、好
ましくは昇温後に還元性ガスの供給を開始し、その後、
好ましくは還元性ガスによる熱処理炉内の雰囲気が安定
した後、上記所定の熱処理温度に降下することである。
【0010】また、本発明の鉄鋼用等の熱処理炉、例え
ば焼きなまし炉の雰囲気および温度の調整方法において
は、休止状態、すなわち大気の雰囲気で、かつ常温の熱
処理炉の雰囲気を還元性ガス雰囲気にし、かつ所定の熱
処理温度に昇温して調整する熱処理炉の雰囲気および温
度の調整方法において、上記所定の熱処理温度より高い
温度に昇温し、昇温中から上記所定の熱処理温度より高
い温度に昇温後までの間、好ましくは上記所定の熱処理
温度より高い温度に昇温後に還元性ガスの供給を開始
し、その後、好ましくは還元性ガスによる熱処理炉内の
雰囲気が安定した後上記所定の熱処理温度に降下するこ
とである。
【0011】
【作用】本発明の熱処理炉の雰囲気および温度の調整方
法は、既に加熱されている熱処理温度から所定の熱処理
温度より高い温度に一旦昇温し、昇温前から昇温後の
間、好ましくは上記所定の熱処理温度より高い温度に昇
温後に還元性ガスの供給を開始し、上記既に加熱されて
いる熱処理温度からこれより低い上記所定の熱処理温度
に降下開始前若しくは降下中に還元性ガスの供給を開始
し、又は上記降下開始前若しくは降下中に昇温し、昇温
前から昇温後までの間、好ましくは昇温後に還元性ガス
の供給を開始してシーズニングをし、その後、好ましく
は還元性ガスによる熱処理炉内の雰囲気が安定した後、
上記所定の熱処理温度に降下して熱処理を行うので、熱
処理された鋼等の酸化層が薄くなり、ソルト酸洗でのデ
スケーリング率が高くなる。
【0012】本発明の熱処理炉の雰囲気および温度の調
整方法によって調整した熱処理炉中で熱処理をした鋼の
ソルト酸洗でのデスケーリング率が高くなるのは、前に
行っていた不活性ガス雰囲気での熱処理において、不活
性ガス中に含有されていた酸素が炉壁の孔中等に残存し
ていたり、酸化鉄等の酸化物として残存しており、また
休止状態では熱処理炉中に空気があるが、これらの酸素
又は酸化物が熱処理をする温度より高い温度に加熱さ
れ、この状態で還元性ガスを供給することにより還元性
ガス中のH2 により還元されてH2 Oになって排出され
る。そのため、これらの温度より低い温度で熱処理をす
るときには、熱処理炉内のH2 は、シーズニング時より
もより多くの割合で鋼の表面酸化物層の還元に消費され
るので、鋼の表面の酸化物層が薄くなり、ソルト酸洗で
のデスケーリング率が高くなると推定される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の熱処理炉の雰囲気
および温度の調整方法について図面を参照して詳細に説
明する。図1は、本発明の熱処理温度を昇温する場合の
一実施例の説明図、図2は、本発明の熱処理温度を変更
しない場合の一実施例の説明図、図3は、本発明の熱処
理温度を降下する場合の実施例の説明図および図4は、
本発明の休止状態から熱処理をする状態に立ち上げる場
合の一実施例の説明図である。本発明の請求項1の熱処
理炉の雰囲気および温度の調整方法は、図1および図2
に示すように不活性ガス雰囲気で、かつ熱処理温度に加
熱されている熱処理炉の雰囲気を還元性ガス雰囲気に
し、かつ上記既に加熱されている熱処理温度と同一(図
2参照)又はこれより高い所定の熱処理温度(図1参
照)に調整する熱処理炉の雰囲気および温度の調整方法
において、上記所定の熱処理温度より高い温度に昇温
し、昇温前から上記所定の熱処理温度より高い温度に昇
温後までの間に還元性ガスの供給を開始し、その後上記
所定の熱処理温度に降下することであるが、この不活性
ガス雰囲気とは、N2 ,Ar、He等の不活性ガスの雰
囲気のことである。
【0014】上記本発明の不活性ガス雰囲気で、かつ熱
処理温度に加熱されている熱処理炉とは、還元性ガス雰
囲気にシーズニングする前に行っていた熱処理に使用さ
れていた焼きなまし炉、焼きならし炉、焼入れ炉等の熱
処理炉のことであり、本発明は、この条件の熱処理炉か
ら出発するものである。この熱処理炉の雰囲気を還元性
ガス雰囲気にするとは、不活性ガス雰囲気をH 2 ,H2
+N2 、炭化水素ガス等の還元性ガスの雰囲気に置換す
ることである。上記本発明の既に加熱されている熱処理
温度と同一又は高い所定の熱処理温度に調整するとは、
図1および図2に示すようにシーズニングする前に行っ
ていた熱処理の熱処理温度と同一又はこの熱処理温度よ
り高い熱処理温度に昇温することである。
【0015】上記所定の熱処理温度とは、これから還元
性ガス雰囲気中で実施する熱処理の熱処理温度のことで
あり、熱処理する材料(材質)によって決定される温度
である。また、この所定の熱処理温度より高い温度と
は、少しでも高ければよいが、好ましくは80℃以上、
より好ましくは100℃以上である。高いほうが効果が
あり、好ましい。この所定の熱処理温度より高い温度に
保つ時間は、短くてもそれなりの効果があるが、好まし
くは図1および図2に示すように還元性ガスによる熱処
理炉内の雰囲気が安定するまでである。その後所定の熱
処理温度まで下降し、熱処理炉内の雰囲気が安定してい
ない場合には安定するのを待って熱処理をすることにな
る。
【0016】本発明の熱処理炉の雰囲気および温度の調
整方法において、還元ガスの供給を開始する時期は、昇
温前、すなわち既に加熱されている熱処理温度のときか
ら上記所定の熱処理温度より高い温度に昇温後(昇温直
後より後も含む)までの間なら何時でもよいが、上記所
定の熱処理温度より高い温度に昇温した後が最も好まし
い。
【0017】本発明の請求項2の熱処理炉の雰囲気およ
び温度の調整方法は、図3に示すように不活性ガス雰囲
気で、かつ既に加熱されている熱処理炉の雰囲気を還元
性ガス雰囲気にし、かつ上記既に加熱されている熱処理
温度より低い所定の熱処理温度に調整する熱処理炉の雰
囲気および温度の調整方法において、上記既に加熱され
ている熱処理温度からこれより低い上記所定の熱処理温
度に降下開始前(図3のa)又は降下中(図3のb)に
還元性ガスの供給を開始し、又は上記降下開始前(図3
のc)若しくは降下中(図示してない)に昇温し、昇温
前から昇温後までの間に還元性ガスの供給を開始し、そ
の後上記所定の熱処理温度に降下することであるが、前
提の熱処理炉の雰囲気を還元性ガス雰囲気にすることま
では、本発明の請求項1の発明と同じことである。
【0018】上記既に加熱されている熱処理温度より低
い所定の熱処理温度に調整するとは、シーズニングする
前に行っていた熱処理の熱処理温度より低い所定の熱処
理温度に変更することである。また所定の熱処理温度と
は、本発明の請求項1の発明と同じことである。上記既
に加熱されている熱処理温度からこれより低い上記所定
の熱処理温度に降下開始前又は降下中に還元性ガスの供
給を開始しとは、図3のaおよび図3のbに示すように
今回熱処理を行う所定の熱処理温度より既に加熱されて
いる熱処理温度のほうが高いため、十分高い場合には、
上記請求項1の発明のように所定の熱処理温度より高い
温度に昇温する必要がないので、降下中又は降下開始前
に還元性ガスの供給を開始する。この場合、直線的に所
定の熱処理温度まで降下してもよいが、図3のaおよび
図3のbに示すように熱処理炉内の雰囲気が安定するま
で維持し、その後所定の熱処理温度に降下するのが好ま
しい。
【0019】また、上記降下中又は降下開始前に昇温し
とは、図3のcに示すように今回熱処理を行う所定の熱
処理温度より既に加熱されている熱処理温度のほうが高
いが、十分高くない場合には、上記請求項1の発明のよ
うに所定の熱処理温度より高い温度に昇温する必要があ
るので、降下開始前又は降下中に昇温することである。
昇温する温度は、請求項1の発明と同様に所定の熱処理
温度より少しでも高ければよいが、好ましくは80℃以
上、より好ましくは100℃以上高い温度である。高い
ほうが効果があり、好ましい。この場合のシーズニン
グ、すなわち還元ガスの供給開始する時期は、昇温前か
ら昇温後までの間であれば何時でもよいが、昇温後が好
ましい。昇温後の温度を維持する時間は短くてもそれな
りの効果があるが、熱処理炉内の雰囲気が安定するまで
維持し、その後所定の熱処理温度に降下するのが好まし
い。
【0020】本発明の請求項3の熱処理炉の雰囲気およ
び温度の調整方法は、図4に示すように休止状態の熱処
理炉の雰囲気を還元性ガス雰囲気にし、かつ所定の熱処
理温度に昇温して調整する熱処理炉の雰囲気および温度
の調整方法において、上記所定の熱処理温度より高い温
度に昇温し、昇温中から上記所定の熱処理温度より高い
温度に昇温後までの間に還元性ガスの供給を開始し、そ
の後、好ましくは熱処理炉内の雰囲気が安定した後、上
記所定の熱処理温度に降下することである。この発明と
請求項1の発明とは、熱処理炉が休止中、すなわち大気
の雰囲気で、かつ常温であるか、不活性ガス雰囲気で、
かつ熱処理温度に加熱されているかの違いであるので、
これ以上の説明は省略する。
【0021】本発明の熱処理炉の雰囲気および温度の調
整方法によって調整された熱処理炉は、酸化されやすい
鋼等の合金又は金属、特に酸化されて生成した皮膜がソ
ルト酸洗等の酸洗において、除去されにくい合金又は金
属、具体的には、フエライト系又はマルテンサイト系ス
テンレス鋼、Cr含有量が5%以上のCr鋼、耐熱鋼等
を処理するのに適しているものである。
【0022】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。 実施例 既にCr系ステンレス鋼のコイルを焼なましをした、N
2 ガス雰囲気で、かつ700℃に加熱されている焼なま
し炉の雰囲気および熱処理温度を他種のCr系ステンレ
ス鋼のコイルを焼なましをするため、還元性のH2 +N
2 ガス雰囲気で、所定の熱処理温度である750℃に昇
温する途中に、一旦830℃と850℃に加熱し、この
温度でH2 +N2 ガスの供給を開始してシーズニングを
し、焼なまし炉内の雰囲気が安定した後所定の熱処理温
度である750℃に降下して上記Cr系ステンレス鋼の
コイルの焼なましをした。この焼なまししたコイルをソ
ルト酸洗、すなわち前酸洗後、水酸化ナトリウムに活性
酸化剤を添加したものを420℃に加熱して溶融したソ
ルト浴に浸漬し、その後仕上げ酸洗および水洗をした。
その結果を下記表1に示す。
【0023】比較例 実施例と同様なN2 ガス雰囲気で、700℃に加熱され
ている焼なまし炉の雰囲気および熱処理温度を他種のC
r系ステンレス鋼(上記実施例のものと同じ)のコイル
を焼なましするため、所定の熱処理温度である750℃
に加熱し、この温度でH2 +N2 ガスの供給を開始して
シーズニングをし、焼なまし炉内の雰囲気が安定した後
上記Cr系ステンレス鋼のコイルの焼なましをした。こ
の焼なまししたコイルを実施例と同様にソルト酸洗をし
た。その結果を下記表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1の結果によると、本発明例の830℃
と850℃でシーズニングをして焼なましをしたコイル
の再ソルト酸洗率、すなわち再ソルト酸洗量(スケール
が残ったため、再度ソルト酸洗をする必要がある量)/
焼なまし量(ソルト酸洗量)は、11.4%と2.0%
であった。これに対して、比較例(従来例)の750℃
でシーズニングをして焼なましをしたコイルの再ソルト
酸洗率は、29.3%であった。
【0026】
【発明の効果】本発明の熱処理炉の雰囲気および温度の
調整方法は、上記構成にしたことにより、雰囲気および
温度を調節した熱処理炉で熱処理をした金属または合金
のソルト酸洗等の酸洗でのデスケーリング率が高くなる
という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱処理温度を昇温する場合の一実施例
の説明図である。
【図2】本発明の熱処理温度を変更しない場合の一実施
例の説明図である。
【図3】本発明の熱処理温度を降下する場合の一実施例
の説明図である。
【図4】本発明の休止状態から熱処理をする状態に立ち
上げる場合の一実施例の説明図である。
【図5】従来法の熱処理温度を昇温する場合、変更しな
い場合および降下する場合の説明図である。
【図6】従来法の休止状態から熱処理をする状態に立ち
上げる場合の説明図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不活性ガス雰囲気で、かつ熱処理温度に
    加熱されている熱処理炉の雰囲気を還元性ガス雰囲気に
    し、かつ既に加熱されている熱処理温度と同一又はこれ
    より高い所定の熱処理温度に調整する熱処理炉の雰囲気
    および温度の調整方法において、上記既に加熱されてい
    る熱処理温度から上記所定の熱処理温度より高い温度に
    昇温し、昇温前から上記所定の熱処理温度より高い温度
    に昇温後までの間に還元性ガスの供給を開始し、その後
    上記所定の熱処理温度に降下することを特徴とする熱処
    理炉の雰囲気および温度の調整方法。
  2. 【請求項2】 不活性ガス雰囲気で、かつ熱処理温度に
    加熱されている熱処理炉の雰囲気を還元性ガス雰囲気に
    し、かつ既に加熱されている熱処理温度より低い所定の
    熱処理温度に調整する熱処理炉の雰囲気および温度の調
    整方法において、上記既に加熱されている熱処理温度か
    らこれより低い上記所定の熱処理温度に降下中若しくは
    降下開始前に還元性ガスの供給を開始し、又は上記降下
    中若しくは降下開始前に昇温し、昇温前から昇温後まで
    の間に還元性ガスの供給を開始し、その後上記所定の熱
    処理温度に降下することを特徴とする熱処理炉の雰囲気
    および温度の調整方法。
  3. 【請求項3】 休止状態の熱処理炉の雰囲気を還元性ガ
    ス雰囲気にし、かつ所定の熱処理温度に昇温して調整す
    る熱処理炉の雰囲気および温度の調整方法において、上
    記所定の熱処理温度より高い温度に昇温し、昇温中から
    上記所定の熱処理温度より高い温度に昇温後までの間に
    還元性ガスの供給を開始し、その後上記所定の熱処理温
    度に降下することを特徴とする熱処理炉の雰囲気および
    温度の調整方法。
  4. 【請求項4】 上記熱処理炉が鉄鋼用焼なまし炉である
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいず
    れか1項記載の熱処理炉の雰囲気および温度の調整方
    法。
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Cited By (4)

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