JP2003062627A - マグネシウム合金板用プレス加工システム - Google Patents

マグネシウム合金板用プレス加工システム

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JP2003062627A
JP2003062627A JP2001298463A JP2001298463A JP2003062627A JP 2003062627 A JP2003062627 A JP 2003062627A JP 2001298463 A JP2001298463 A JP 2001298463A JP 2001298463 A JP2001298463 A JP 2001298463A JP 2003062627 A JP2003062627 A JP 2003062627A
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Susumu Oshima
進 大島
Masao Minami
雅雄 南
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NEGAMI KOSAKUSHO KK
SANSHO KOGYO KK
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NEGAMI KOSAKUSHO KK
SANSHO KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】酸化されやすく切削屑が自然燃焼しやすいマグ
ネシウム合金板を、スクラップ部分もリサイクルしやす
い状態で排出しながら、環境と省エネルギーに配慮し、
安全で合理的に能率良く加工できる新規なプレス加工シ
ステムを構築することである。 【構成】シート状のマグネシウム合金板多数収納した材
料室と、プレス加工室、製品室、スクラップ室の各室を
窒素ガスで置換した密封装置を備え、金型装置を200
〜250℃に保持する金型加熱装置を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】
【0001】本発明は、新規に開発されたプレス加工に
適するマグネシウム板を、加工能率が良好であるプレス
システムによって、特に匡体のような部品を大量生産す
ることを目指す加工技術に属する。別けても、酸化され
やすく、箔状や粉末状態では自然燃焼しやすいマグネシ
ウム合金を、スクラップ部分がリサイクルしやすい状態
で排出されることで、環境と省エネルギーに配慮し、安
全で合理的に能率良く加工できる新規なプレス加工シス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のマグネシウム合金の加工技術は、
近年発達して来たチクソモールディングのような射出成
形機による成形加工が主力となっている。一般的な切削
機械では、刃物で切削された薄い箔状の切削屑は高温と
なってしばしば自然燃焼し、水性切削液はマグネシウム
と反応して水素ガスを相当量発生する等、厄介な材料で
あった。合金の単価値下がりを踏まえて、携帯用の電子
機器を中心としてアルミ合金よりも軽量となるマグネシ
ウム合金が注目されるようになり、携帯機器用の匡体と
しての部品が大量生産されようとしているが、窒素ガス
で大気を遮蔽したシールド型切削機械やダイカスト方
式、鍛造方式等新方式が一挙に開花した感がある。従来
多用されてきたプラスチックス材料に金属の薄膜を蒸着
した匡体は、プラスチックスと薄膜金属との分離が困難
であり、製品のスクラップ時を含めた全寿命に亘る環境
への負荷低減や、電波雑音の遮蔽性能、発熱する電子部
品に対し冷却効果が乏しいこと、リサイクル性等々を考
慮して使われない方向に向かいつつある。一方で板材の
最も能率的な加工方法として、複数のプレスによるトラ
ンスファ生産方式が他の金属材料では採用されているも
のの、マグネシウム合金ではプレス加工に適した材料自
体が殆ど知られておらず、従ってマグネシウム合金のプ
レス加工部品は一般的に実現できていなかった。所が本
発明者の一人は金属材料メーカとの共同研究により、プ
レス加工に適したマグネシウム合金の開発に目処がつい
たことを踏まえ、次の段階として新規なマグネシウム合
金板材のプレス加工システムの開発を迫られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】マグネシウム金属の一
般論において、常温では最密六方晶(稠密六方晶)の結
晶構造であり、変形に対する抵抗力が大きく、塑性加工
そのものが困難であるという性質を有している。573
°Kになると結晶構造の変化から急に延伸性が増大する
という側面があり、その中間の性質を持たせることがマ
グネシウム合金板のプレス加工を実現する上で重要であ
る。本発明が解決しようとする第一の課題は、適温に加
熱された金型装置から、1mm前後の薄いマグネシウム
合金の板材が殆ど瞬時に適温に加熱されて、比較的高速
度のプレス加工システムによって、能率良くプレス加工
を実現することである。このプレス方式では、切削屑の
ような薄い箔状の自然燃焼しやすいスクラップ材は殆ど
発生しないが、少量のせん断屑が発生するので爆発的な
燃焼の懸念も残り、200℃以上にマウネシウム合金が
加熱されることに対して、表面酸化と腐食防止も兼ねて
安全性を確保することが次の課題となる。第三の課題
は、地球環境保全に有利な、スクラップ材も含めて何度
でも材料のリサイクルが可能な生産システムを確立する
ことである。第四の課題は、プレス加工システム全体が
コンパクトになると共に、前記の安全性の確保がシステ
ム全体として簡便となる方策を見い出すことである。本
発明の最後の課題は、プレス工程で発生する微小せん断
屑が付着し難い高寿命の金型装置を、このマグネシウム
合金板のプレス加工システムにおいて利用できるように
することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段として、本発明者らは実験のための温度条件を細
かく設定した地道な研究の積み重ねによって、終に新し
いマグネシウム合金板材がある温度範囲に加熱した金型
装置で能率良くプレス加工できることを見い出した。こ
の合金板材に適した金型装置の加熱温度は200〜25
0℃の範囲であった。この温度は室温に比較すれば、そ
れなりに高温であり、化学的な活性の高いマグネシウム
合金にとっては表面の酸化や腐食を予防する手段の採用
が必要になるが、安全性を確保するための第二の課題解
決手段として、プレス加工システムにおける最低限の必
要空間全体を窒素ガスでシールできる構造として爆燃の
懸念を解消し、製品室内部空間が十分広くない場合に
は、製品を窒素ガス密封装置の外に排出する前に冷却さ
れた窒素ガスを製品に必要量吹き付けて強制的に室温に
戻すようにした。第三の課題の解決には、スクラップ材
(打抜き廃材)と少量のせん断屑をスクラップ室底部で
強く圧縮し、リサイクルしやすい形状にして窒素ガスシ
ール部分を通過して排出するようにした。第四のプレス
加工システム全体のコンパクト化と窒素ガスシール装置
の簡便化の課題解決のために、プレス機は多重シリンダ
ー構造とし、その多重性に対応した複合金型装置を組み
合わせることとした。最後の、微小せん断屑が付着し難
い高寿命金型装置を実現するために、本発明では金型に
油材を吹き付ける手段として圧縮された窒素ガスを使用
し、油剤吹き付けと同時に金型に付着したせん断屑も窒
素ガス圧力で吹き飛ばせる機構を採用した。
【0005】
【作用】上記の新しいマグネシウム合金板材のためのプ
レス加工システムによれば、他の方式における金型内へ
の充填に備えた素材の一定粒度の粉末化や溶湯化の前処
理を必要とせず、板状素材から直ちに加工でき、エネル
ギー使用は金型加熱と加圧エネルギーだけなので合理的
である。本発明のプレス加工でも厚みが1mm前後の素
材に対して、金型装置は最適の200〜250℃に加熱
されており、熱伝導性の良好なマグネシウム合金板は金
型装置に圧接されると瞬く間に200℃以上に加熱さ
れ、延伸性を増した状態で金型装置によるプレス加工を
施される。この225℃前後の温度では、マグネシウム
合金は結晶粒間の流動性が発揮される温度となってプレ
ス加工による変形を可能とする一方で、金型内部で素材
全面が強圧される過程を経ており、互いにずれてしまっ
た結晶粒間の再結合が行われて、変形後の金型形状をし
っかり保持できるような機械的強度、即ち変形力に対す
る適度な抵抗性も付与されているものと推定される。金
型装置を200℃以下にすれば、マグネシウム合金のプ
レス加工は円滑に行うことが出来ず、他方マグネシウム
合金の結晶構造の変化により急激に延伸性が増大する3
00℃を上下する温度でのプレス加工では、合金結晶の
相変化により材料の板材自体が寸法の変化を来たし、プ
レス加工によって合金板素材が金型形状を忠実に再現す
るという基本的な作用そのものが、十分に期待できなく
なるものと考えられる。切削加工で生じた切削屑を、熱
間押出し加工で高強度のリサイクル材に再生する研究で
は、250℃で押出すことで好結果が得られているが、
これよりも温度が高くなり過ぎると結晶粒が粗大にな
り、強度の低下を招いている。本発明のプレス加工シス
テムにおいても同様な理由で、250℃を上回る温度で
の加工は好ましくないものと考えられる。一般的なプレ
ス加工システムの特徴としては、多重シリンダプレスと
複合金型装置とを組み合わせることで、複数工程のプレ
ス加工が極めて能率的に行なえる。この他にもトランス
ファー方式による能率的な加工も可能である。プレス加
工では、打抜き後の不要のスクラップ材は元の素材と同
一の厚みを保っており、水に触れて水素を発生したよう
な切削屑とは異なり、容易にリサイクルが可能である。
携帯電話ケースのように多数の穴部分がある匡体でも、
プレス加工方式では一度に多数の穴明け加工が、これに
備えた金型により容易に実現できる。
【0006】ここにおいてマグネシウム合金のプレス加
工システムによる優位性を、他の加工システムとの比較
において論じてみる。最も多く採用されているチクソモ
ールディング方式との比較では、特に匡体のような部品
加工において、金型内部の広い面積に1mm前後の肉厚
で成形素材を隈無く行き渡らせるために、極めて大きな
圧力で射出成形する必要がある。ノートパソコン匡体の
ように面積が大きくなれば、型締力も強大となって様々
な困難が付きまとうこととなる。広い金型面積に成形素
材が行き渡らないための不良発生率も増大して、この方
法はメリットが少ない。穴が多い携帯電話の匡体では、
金型内部の素材の流動通路が部分的に狭くなったり広く
なったりして、前記同様金型内部空間全体への素材充填
は難しくなり、射出成形圧力を高くしなければならなく
なる。最近開発された窒素ガスシール方式の切削加工方
式では、素材の大部分を切削屑に変えてしまう方式でも
あり、スクラップのリサイクル性は切削液の厳密な選択
と完璧な処理方法が確立しておらなければ十分ではな
く、切削屑からの油剤除去も決して容易ではない。一般
的に水溶性切削液とマグネシウムとが接触すると水素ガ
スを発生する問題もある。この結果、多くの場合に有料
で切削屑を処理業者に引き取ってもらわねばならず、コ
スト面において不利となる。ダイカスト方式や鍛造方式
にしても、マグネシウム合金が溶ける温度まで加熱する
必要があったり、前記チクソモールディング方式と同様
の困難が付きまとい、特に携帯用のIT機器匡体の加工
では、プレス加工システムを上回る能率的で経済的な加
工方法にはなり難い。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、基本的に
は多重シリンダプレスと複合金型装置とを組み合わせた
コンパクトな実施形態と、複数のプレスを利用するトラ
ンスファープレスシステムに応用した大掛かりな実施形
態とが考えられる。どちらも本発明の実施形態であり、
一方を排除するものではない。コストの大幅削減に重き
を置く場合は、コンパクトな装置が有利であり、マグネ
シウム合金以外の他の金属加工も兼ねる大量生産方式を
追求する場合には、トランスファー方式が有利となる場
合もある。
【0008】
【実施例】本発明の具体的な詳細説明は、以下の一実施
例の説明によって進めることとする。この実施例は前記
の二種類に別けられる実施形態の内の、設備の経済性に
重点を置いた方のコンパクトな実施形態に属するもので
ある。従って図面には多重シリンダプレス機と、複合金
型装置の要部を説明するための図面が含まれている。図
1は本発明のマグネシウム合金板のプレス加工システム
における、主な加工工程での半製品の断面形状を示す工
程説明図である。図1において原料素材であるマグネシ
ウム板のブランク材1は、左端に図示しているが、右側
に向かい順にプレス成形加工が施される。ブランク材1
は次の打抜き工程でほぼ外形が定まり、打抜き材2とな
る。この打抜き材2は次の抜き絞り工程で匡体の原形に
絞られて抜き絞り材3となる。この抜き絞り材3は次の
穴抜き工程で匡体に必要な穴6が穴抜き加工されて、穴
抜き材4となる。この穴抜き材4は更に形状の仕上げの
ためのバリ取りや面取りの仕上げ加工が施されて、プレ
ス加工での仕上げ製品となる面取り材5となる。このバ
リとしては、ブランク材1から打抜き材2を打抜く工程
で発生したバリ7と、穴抜き工程で発生したバリ8が主
たるバリである。このバリ7及び8を極力小さくするた
めに、ファインブランキング方式が実用化されている
が、本発明でも必要に応じてこの技術を取り入れること
も可能である。このようにブランク材1の打抜き工程か
ら、抜き絞り工程、穴抜き工程、仕上げ工程の少なくと
も4工程を経て製品化する多工程の加工システムが本発
明のプレス加工システムである。前記したように、この
4工程を単一のプレス装置で実現するために多重シリン
ダプレス機と複合金型装置とを組み合わせる方式と、4
機のプレス機で順次連続して加工を行うトランスファー
方式とが採用可能である。
【0009】図2は多重シリンダプレス機と複合金型装
置とを組み合わせる方式での、複合金型装置の要部を簡
略化して示す断面図である。図2の金型装置も説明の簡
単のために最低限度の機能に留めた実施例である。図2
において、金型装置の主要部を載置する金型ベッド10
には、中央部に窪み11を設けてあり、複数のロッド1
2が下方から金型装置の一部を突き上げることができる
構造である。金型ベッド10に固定される下方金型装置
は、メインの打抜き雌型13の内部に、抜き絞り雄型1
4と、この抜き絞り雄型14の周囲を取り囲む仕上げ雄
型15が設けられている。打抜き雌型13と抜き絞り雄
型14とは、金型ベッド10に固定されているが、仕上
げ雄型15は複数のロッド12によって上方に押し上げ
られる構造である。他方の上方にあるメインシリンダに
よりベッド10に向かって押し下げられるメインロッド
16には、打抜き雄型17が固定されており、更にその
内部にはばね20によって上方に押し上げられ、プッシ
ュロッド19により下方に押し下げられるパンチ18が
設けられている。打抜き雄型17の内部は、抜き絞り雌
型21となる内曲面を有しており、一つの金型ブロック
が二つの型を兼ねている。図2では、ブランク材1から
打抜き材2が打抜かれた直後の状態を示しており、ブラ
ンク材1の廃材は省略している。図示の状態から更にメ
インロッド16が押し下げられると、打抜き材2は破線
で示した抜き絞り材3の形状に折り曲げられ雄型14と
雌型21とに圧着される。この後プッシュロッド19に
よってパンチ18が押し出され、穴抜き工程が終了す
る。最後にメインシリンダ16が最下方位置で雌型21
を押し下げたままの状態で、仕上げ雄型15がロッド1
2により押し上げられ、穴抜き材3のせん断面の仕上げ
加工が行われる。図2で示した複合金型装置は、最低限
度の機能を有する金型装置である。必要に応じて更に複
雑な仕上げ機構や、近年発達したファインブランキング
の方式等を必要に応じて採用することができる。
【0010】図3は多重シリンダプレスの一例を示す。
このプレス機の最も重要な骨格は、強大なプレス圧力が
加わっても変形を生じない極めて高い剛性を保証する基
本構造である。その骨格構造は、上下に配置されたほぼ
同形のシリンダフレーム22及びベッドフレーム23
と、これら両フレームを結合する4本の太くて高剛性の
ロッド24である。この上下のフレーム22、23には
スペーサを介して4本の支柱25が結合されており、4
本の支柱25はプレス骨格構造を床面に立てて固定して
いる。支柱25は更にプレス機上面に平板26と油圧サ
ブタンク27とを支える構造である。このような基本構
造のプレス機に窒素ガスシール構造を付与するために、
本発明の図示実施例では、フレーム22の下側の前後左
右の4面と、フレーム23の上側の前後左右の4面とを
透明アクリル板のような、ガスシール板30を4枚使用
してぐるりと囲んでしまうことで、比較的容易に構成す
ることができる。それはこれらのフレーム22及び23
と支柱25とが適当な厚みのスペーサを介して固定され
ており、アクリル板の厚み以上の空間が生じているから
である。ベッドフレーム23には上面に金型ベッド30
を固定し、下方には下部シリンダユニット29を備えて
おり、シリンダフレーム22には上部シリンダユニット
28が設けられている。これらのシリンダユニットは基
本的に多重シリンダ構造であり、可動部があっても気密
構造を基本としており、窒素ガスシール構造を構成する
のは容易である。同様な窒素ガスシール構造の材料室3
1と製品室32がプレス機の左右に接続されている。本
発明のマグネシウム合金板のプレス加工システムにおい
て、プレス工程の前後の補助的な工程全体を含み窒素ガ
ス密封構造を採用しなければ、能率的なプレス作業はお
ぼつかない。具体的には、材料室31からシート状のマ
グネシウム合金板を逐次1枚づつ供給する補助工程、製
品を1個づつ製品棚に載せて製品室32に受け入れる補
助工程、打抜き工程や穴抜き工程で発生する廃材をスク
ラップ室に集めて円筒状にプレスし、窒素ガス密封下に
外部に排出する補助工程、金型に油剤を吹き付ける際に
金型に密着したせん断屑等を圧縮した窒素ガスで吹き飛
ばせるようにした補助工程が必要であり、夫々必要な窒
素ガスシール構造を備えさせることは、旧来技術により
容易に実現することができよう。例えば円筒状にプレス
されたスクラップを窒素ガス密封下に外部に排出するに
は、全開時に通路障害が100%なくなってしまうボー
ルバルブと、真空ポンプとを使用することで構成でき
る。又、材料室31や製品室32に一度に蓄えられる素
材、製品の1ロット分が終了した際は、プレス機の停止
時間を最小とするには、これらの材料室31や製品室3
2を移動可能として複数個用意しておき、簡便なガス遮
蔽手段と組み合わせて、入れ換えができるようなシステ
ムを考えることができる。図3に示したプレス機に、マ
グネシウム合金板用プレス加工システムを構成するため
の必要な要素は、上記のような材料室31、製品室3
2、スクラップ室、圧縮された窒素ガスにより脂肪酸と
極圧添加剤を極力少なくした油剤を金型に吹き付けるこ
とができる噴射装置等である。これらの配置は、オペレ
ータがプレス機に臨む位置である図3の状態の左右両側
面に材料室31と製品室32とを配置し、紙面に垂直な
奥の方の面にスクラップ室を配置することで合理的なレ
イアウトとすることができる。油剤噴射装置は金型ベッ
ド30近辺の適当なプレス機内部に、製品と金型の形状
に合わせて設置することができる。この圧縮窒素ガスを
利用する方法として、油剤噴射装置のみならず、ボルテ
ックスチューブと併用すれば、加熱された製品の冷却に
も極めて安価でコンパクトな装置で利用することができ
る。これは製品室32の空間が十分に広くなく、加工後
短時間で室内の空気に触れることが避けられない場合に
有効となる。尚、窒素ガス発生装置については触れなか
ったが、近年高純度の窒素ガスが容易に得られる装置が
実用化されており、このような装置をシステム内に組み
入れて安価な窒素ガスが利用できるのも本発明実現の一
助となっている。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、金型温度を200〜2
50℃に加熱した状態でプレス加工を行うことで円滑な
加工を可能とし、初めてマグネシウム合金板の能率的な
プレス機による加工を実現することができた。このため
特に携帯用の電子機器等の匡体としてのマグネシウム合
金板材の製造に最も適した低製造コストの部品製造方法
を提供することができるようになった。マグネシウム合
金板の匡体を利用できるようになると、スクラップ材の
再利用を含め、製品の全寿命に亘るリサイクル性や環境
への負荷低減を容易にし、携帯用電子機器の匡体として
使用されるようになると、発熱する電子部品の放熱と冷
却を容易にし、電波雑音の遮蔽性能に優れ、過って落下
させてもへこんだりするする恐れが少なく、内部の部品
類の保護効果に優れ、軽くて強度も優れている。本発明
のマグネシウム合金板用のプレス加工システムによれ
ば、窒素ガスで密封した空間での加工を原則とし、燃焼
の危険はなくなり、表面酸化と腐食防止の効果も高く、
スクラップ材を含めてリサイクル上の懸念を払拭するこ
とができた。多重シリンダプレス機と複合金型装置とを
組み合わせる方式では、前記の窒素ガス密封装置を構成
することが極めて容易で、窒素ガス密封装置の採用によ
るコストアップを最小限度に抑制することが可能となっ
た。又、圧縮窒素ガスを利用して、油剤噴射装置と金型
の剪断加工屑除去装置を兼ねて、金型の寿命を伸ばすこ
とができる手段が容易に実現できるばかりか、製品の温
度を早急に室温にまで下げなければならない場合でも、
極めてコンパクトな装置で容易に要求に応えることがで
きる。この結果、従来のノートパソコン、デジタルカメ
ラ、携帯電話、携帯情報端末、携帯DVD等の携帯用電
子機器用の匡体としてプラスチックスに代わって大量に
マグネシウム合金板が使用されるためのネックを解消す
ることで、近い将来極めて多くの需要を見込むことがで
き、本発明の経済的効果は取り分けて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における素材と半製品の工程毎の断面
を示す工程説明図である。
【図2】 本発明における一実施例の複合金型装置の要
部の断面図である。
【図3】 本発明の一実施例の多重シリンダプレス機の
正面図である。
【符号の説明】
1 マグネシウム合金板のブランク材 2 打抜き材 3 抜き絞り材 4 穴抜き材 5 面取り材 6 穴 7,8 バリ 10 金型ベッド 11 窪み 12 複数のロッド 13 打抜き雌型 14 抜き絞り雄型 15 仕上げ雄型 16 メインロッド 17 打抜き雄型 18 パンチ 19 プッシュロッド 20 ばね 21 抜き絞り雌型 22 シリンダフレーム 23 ベッドフレーム 24 ロッド 25 支柱 26 平板 27 油圧サブタンク 28 上部シリンダユニット 29 下部シリンダユニット 30 ガスシール板 31 材料室 32 製品室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4E050 GA04 HA01 HA02 4E090 DB02 EC04 HA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウム合金板のシートフィーダ装
    置と、金型装置と、金型への潤滑油噴射装置とを備えた
    プレス装置において、材料室、製品室、スクラップ室及
    びプレス加工室を窒素ガスで置換した密封装置と、金型
    装置を200〜250℃に保持する金型加熱装置とを備
    えているマグネシウム合金板用プレス加工システム
  2. 【請求項2】 前記スクラップ室の底部にはスクラップ
    材の圧縮装置と、この圧縮装置で圧縮されたスクラップ
    材を前記密封装置内部から窒素密封状態を保ちながら外
    部へ排出する排出装置とを備えたことを特徴とする請求
    項1に記載のマグネシウム合金板用プレス加工システム
  3. 【請求項3】 前記プレス装置は多重シリンダを必要数
    組込み、金型装置はこれに対応する複合金型であること
    を特徴とする請求項1及びもしくは請求項2に記載のマ
    グネシウム合金板用プレス加工システム
  4. 【請求項4】 前記金型への潤滑油噴射装置は、脂肪酸
    を極力排除し極圧添加剤を最小限度に抑えた油剤を窒素
    ガス圧力利用により金型に噴射する機構であることを特
    徴とする前記各項に記載のマグネシウム合金板用プレス
    加工システム
  5. 【請求項5】 窒素ガス発生装置で発生させた窒素ガス
    の一部が、前記窒素ガス置換の密封装置から製品を排出
    する前工程で冷却される工程と、製品に十分な量だけ吹
    き付けられる工程とを含むことを特徴とする前記各項に
    記載のマグネシウム合金板用プレス加工システム
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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