JP2003062580A - 下水の消毒方法 - Google Patents

下水の消毒方法

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JP2003062580A JP2001254361A JP2001254361A JP2003062580A JP 2003062580 A JP2003062580 A JP 2003062580A JP 2001254361 A JP2001254361 A JP 2001254361A JP 2001254361 A JP2001254361 A JP 2001254361A JP 2003062580 A JP2003062580 A JP 2003062580A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポンプ所、雨水吐き口、下水処理場から公共
用水域に放流される未処理もしくは簡易処理された、大
腸菌群等の細菌を含む雨天時下水に対して、大腸菌群等
の細菌を効率的かつ安価に消毒する方法を提供する。 【解決手段】 本発明は、雨水を含む下水を系外に排除
する構造を持った下水処理施設において、該施設に下水
道管渠を通じて雨天時下水が流入する場合に、該施設に
おける雨天時下水の水位及び/又は時間あたりの水位上
昇率及び/又は該施設への雨天時下水の時間あたりの流
入水量をモニターして、該施設から雨天時下水が放流さ
れるまでの時間を予測し、放流までの予測時間が所定の
値になった時点で消毒剤を雨天時下水に注入することを
特徴とする下水の消毒方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水処理の分野に
関し、より詳しくは、雨水吐き口、ポンプ所、下水処理
場から公共用水域に放流される下水の消毒方法及びその
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】合流式下水道では、設計値を上回る降雨
があったときは、中継基地であるポンプ所や雨水吐き口
から、雨水の混ざった汚水(以下、雨天時下水という)
が数十秒から数分で、無処理のまま公共用水域に放流さ
れる。このような雨天時下水中には、粗大浮遊物やSS
(suspended solids:浮遊物質)が含まれており、それ
らが公共用水域に排出され、海や河川等で浮遊したり、
護岸壁や河川岸等に付着するため、景観上や臭気上大き
な問題となっている。
【0003】また、下水処理場においても、流入下水が
処理能力を大幅に上回る場合には、一部の雨天時下水を
緊急避難的に簡易放流する場合がある。通常、簡易放流
時における細菌の消毒は、次亜塩素酸ナトリウム、液化
塩素、塩素化イソシアヌル酸、次亜塩素酸カルシウム等
の塩素剤によって行うが、降雨量が多い場合には、「下
水道施設計画・設計指針と解説((社)日本下水道協会発
行、1994年版)」に定められた接触時間を確保する
ことができない場合が多いため、塩素剤注入率を多くす
る必要がある。しかし、塩素剤を放流時に注入する従来
の技術では、塩素剤が雨天時下水中に含まれるアンモニ
ア性窒素と反応してクロラミンを形成し、長時間環境中
に残留するため、公共用水域の水棲生物に与える影響が
大きい。これらは、特に合流式下水道にみられる現象で
あるが、分流式下水道においても土壌性大腸菌群や粗大
浮遊物が流入するため、それらが越流して公共用水域に
放流された場合には、合流式下水道と同様の問題が生じ
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】次亜塩素酸ナトリウ
ム、液化塩素、塩素化イソシアヌル酸、次亜塩素酸カル
シウムなどの塩素剤を、混和池で15分以上下水と接触
させることにより大腸菌群を消毒する方法は、上述の
「下水道施設計画・設計指針と解説」に記載された塩素
混和池等で塩素剤と下水が十分に接触できる場合には有
効である。しかし、降雨強度が大きく、短時間で公共用
水域に緊急放流される雨天時下水に使用する場合、塩素
剤と雨天時下水との接触時間が十分にとれないため、水
質汚濁防止法で定める放流水中の大腸菌群数基準値(大
腸菌群数3000CFU/mL以下)にすることができない場
合がある。また、塩素剤を放流時に注入する従来の技術
では、塩素剤が雨天時下水中に含まれるアンモニア性窒
素と反応してクロラミンを形成し、長時間環境中に残留
するため、水棲生物に与える影響が大きく好ましくな
い。
【0005】また、上述の「下水道施設計画・設計指針
と解説」によれば、オゾンや紫外線による消毒について
も記載されている。しかしながら、この場合には、予想
される最大越流水量に対して消毒可能なオゾン量を供給
する設備を設置する必要がある。雨天時下水の越流は、
通常1年間に20〜50回の範囲であり、それ以外は通
常処理が可能な状態である。しかし、時間当たり数万m3
の雨天時下水を、水質汚濁防止法で規定された基準値ま
で消毒するためには、巨大なオゾン注入設備を設ける必
要があり、費用対効果を考慮した場合、賢明な方法とは
いえない。更に、オゾン注入後は、気相中のオゾンを中
和する必要があるが、暗渠が多い下水への適用は困難で
あり、廃オゾン処理装置の設置にともなう設備費用の上
昇が懸念される。
【0006】更に、数万m3の貯留池を設けて雨天時下水
を一次貯留し、貯留量以上の降雨量によって越流が起こ
った場合、上記の塩素系消毒剤を用いて、消毒を行う方
法も提案されている。しかしながら、既存のポンプ所や
雨水吐き口には新たな貯留池を設ける場所が無いことが
多く、この方法は現実的でない。また、雨天時下水が越
流する際に塩素剤を用いて消毒を行う方法は、上記と同
様の環境中への残留塩素の排出等が重要な問題として残
るため、好ましくない。
【0007】更には、集中豪雨時などに下水管に雨水が
大量に流れ込んできたときの雨天時下水の消毒処理を行
うための方法として、ポンプ所(上流側ポンプ所)にお
いて、下流側の下水道管内に消毒剤を注入するための消
毒剤注入装置を設置し、それより下流側のポンプ所で雨
天時越流水を放流する時に、上記の上流側ポンプ所にお
いて下水道管内に消毒剤を注入して、雨天時下水が上流
側ポンプ所から下流側ポンプ所に達する間に、越流水と
して放流される雨天時下水の消毒を行う方法が提案され
ている。この方法によれば、ポンプ所間を繋ぐ下水道管
に直接塩素剤を注入するため、その下水が下流側ポンプ
所に到達するまでには大腸菌群等の細菌の消毒は完了し
ているため、従来の方法に比べて優れた方法といえる。
しかし、ポンプ所間の距離は通常数百m〜数Kmあり、
降雨量によっても異なるが、上流側ポンプ所から下流側
ポンプ所に雨天時下水が到達するまでには、30分前後
必要である。提案されている方法は、下流側ポンプ所で
放流が開始されたとの情報を受けて、上流側のポンプ所
から消毒剤を注入する方式であるため、少なくとも数十
分単位の雨天時下水は無処理で放流されることになり、
最も汚濁負荷の高い初期放流水に対する消毒は行えない
ままであった。また、かかる方法は、下水管渠に塩素剤
等の消毒剤を注入することを特徴とし、管渠自体の消毒
を同時に行うことができると言われているが、下水管渠
には底泥が堆積している場合が多く、消毒剤がそれに消
費されるため、当初の期待通りの消毒効果を望めない。
さらに、管渠内に堆積した底泥量は降雨やその他の条件
によって異なるが、暗渠であることからそれに消費され
る消毒剤量が毎回異なるため、雨天時下水中に含まれる
大腸菌群等の細菌を消毒するには不十分な方法であっ
た。
【0008】本発明の目的は、上記の従来技術の問題点
を克服し、ポンプ所、雨水吐き口、下水処理場から公共
用水域に放流される未処理もしくは簡易処理された、大
腸菌群等の細菌を含む雨天時下水に対して、大腸菌群等
の細菌を効率的かつ安価に消毒する方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、雨水を含む下水を系外に排除する構造
を持った下水処理施設において、該施設に下水道管渠を
通じて雨天時下水が流入する場合に、該施設における雨
水下水の水位及び/又は時間あたりの水位上昇率及び/
又は該施設への雨天時下水の時間あたりの流入水量をモ
ニターして、該施設から雨天時下水が放流されるまでの
時間を予測し、放流までの予測時間が所定の値になった
時点で消毒剤を雨天時下水に注入することを特徴とする
下水の消毒方法を提供する。更に本発明の他の態様は、
雨水を含む下水を系外に排除する構造を持った下水処理
施設に設置する雨天時下水の消毒装置であって、雨天時
下水へ消毒剤を注入するための消毒剤供給装置と;当該
施設に流入する雨天時下水の時間あたりの流入水量を測
定する手段と;当該施設における雨水下水の水位及び/
又は時間あたりの水位上昇率を測定する手段と;これら
の測定手段で測定された値に応じて消毒剤の雨天時下水
への注入量を制御する手段と;を備えてなる装置をも提
供する。
【0010】
【発明の実施の形態】水質汚濁防止法上の規制項目は、
BOD、SS及び大腸菌群数であるが、そのうちのBO
D及びSSは初期に流出する雨天時下水中の濃度は高い
ものの、多くの場合、30分〜2時間程度で規制値以下
になることが知られている。また、スクリーン等の、粗
大浮遊物やSSを除去する装置が徐々に実用化されてき
ている。しかし、雨天時下水中に含まれる大腸菌群数は
105(CFU/mL)を超えることが多く、雨水で希釈された
場合でも規制値の3×103(CFU/mL)以下になるまで
に、2〜5時間、状況によっては10時間前後かかる場
合もあった。本願発明は、雨天時下水中に含まれる大腸
菌群数を短時間でしかも効率的に3×103(CFU/mL)以
下にする消毒方法及びそのシステムを提供する。
【0011】雨天時下水を系外に排除する構造を持った
施設、例えばポンプ所では沈砂池内水位が一定以上に達
すると雨水ポンプが可動することにより、或いは例えば
雨水吐き口では流入管渠の雨天時下水水位が一定値に達
すると自然越流することにより、雨天時下水は公共用水
域に放流される。
【0012】本発明は、かかる水位変動もしくは所定時
間に流入する雨天時下水水量を検知して、雨天時下水の
放流前であって、雨天時下水の放流開始までの間に消毒
剤と雨天時下水との接触時間を十分に保持できる時点で
消毒剤を注入することにより、系外に排出される雨天時
下水中の大腸菌群数を効率的に消毒するものである。
【0013】降雨時における下水処理施設(ポンプ所、
雨水吐き口、下水処理場)での放流開始までの予測時間
は、当該施設において、降雨時における時間あたりの流
入下水水量及び沈砂池、滞水池等の水位上昇と、放流開
始時間との関係を予めデータとして蓄積して、実際の降
雨時に、この蓄積されたデータから回帰分析等を行うこ
とによって予測することができる。また、流入水量、降
雨量、降雨強度及び滞水池や管渠内容積から、消毒剤の
注入時期を計画することもできる。これら両者の方法を
併用して、消毒剤の注入時期を計画してもよい。
【0014】本発明においては、このようにして予測さ
れた放流開始までの時間が、5〜45分、好ましくは1
0〜35分、さらに好ましくは15〜30分となった時
点で、雨天時下水に消毒剤を注入することが好ましい。
この時間が5分以下であると、放流までの保持時間が十
分でなく、塩素剤を注入した場合には、放流時に結合塩
素が公共用水域に流出して弊害を引き起こすので好まし
くなく、一方、45分を超えると、放流を行わない下水
に消毒剤を加える時間が長くなって消毒剤使用量が多く
なりすぎて経済的でないため好ましくない。
【0015】本発明にしたがって放流開始前に雨天時下
水に注入する消毒剤は、上記のようにポンプ所内等にお
いて滞留時間が十分確保できるように注入を行うため、
塩素剤を用いることが好ましく、放流開始後は速効性を
確保し、残留性が小さいことが必要なため、臭素剤を用
いることが好ましい。
【0016】本発明にしたがって放流開始前に消毒剤を
注入する際には、消毒剤は、処理対象の施設(ポンプ
所、雨水吐き口、下水処理場)内において雨天時下水中
に注入するか、或いは当該施設の直近の上流の下水管
(合流管渠など)において雨天時下水に注入することが
好ましい。
【0017】本発明をポンプ所に適用する場合には、沈
砂池や滞水池の水位が一定の高さ以上になったことを通
常の水位計等で検出し、その水位に達したら消毒剤を注
入する。さらに、時間あたりの流入水量を通常の流量計
等で測定し、これを水位測定値と組合わせて用いること
で、放流水位に達するまでの時間を把握することがで
き、これに基づいて、放流まで所定の時間を確保できる
水位及び/または流入水量に達したときに消毒剤を注入
することができる。また、当該施設において、時間あた
りの水位上昇率を測定し、滞水池や沈砂池等が満水にな
る時間を予測し、その時間が前述の5〜45分間になっ
たときに、消毒剤を注入することもできる。これらの場
合、公共用水域に放流するまでに、消毒剤と下水との接
触時間を十分に確保できるような状態で消毒剤を注入す
るため、次亜塩素酸ナトリウム、塩素化イソシアヌル
酸、塩素化ヒダントイン等の塩素剤を用いることができ
る。また、本発明においては、ブロモクロロイソシアヌ
ル酸、ブロモクロロヒダントイン、ジブロモヒダントイ
ン、次亜臭素酸、次亜臭素酸塩、塩化臭素等の速効性を
有する臭素剤を用いることもできる。しかし、コストを
考慮した場合、本工程では塩素剤を用いることが好まし
い。
【0018】本発明を雨水吐き口に適用する場合には、
流入管渠を流れる雨天時下水の水位及び/又は流入水量
若しくは時間あたりの水位上昇率を通常の方法で測定
し、その一方及び/又は両者の測定値が一定値に達した
ときに、雨水吐き口の上流の管渠に消毒剤を注入する。
この場合、消毒剤として上記の塩素剤や臭素剤を注入す
ることができる。しかし上記と同様に、コスト面から塩
素剤を用いることが好ましい。また本態様の場合、当該
雨水吐き口の直近の上流の雨水吐き口で消毒剤を注入す
るのではなく、その雨水吐き口にかかる直近の上流の合
流管渠に消毒剤を注入するため、消毒剤の浪費は殆ど生
じない。
【0019】下水処理場では、最初沈澱池を経由した雨
天時下水が塩素消毒されて公共用水域に放流されるが、
本発明を下水処理場に適用する場合には、最初沈殿池の
水位及び/又は最初沈澱池への流入水量若しくは時間あ
たりの水位上昇率を通常の方法で測定し、その一方及び
/又は両者の測定値が所定値に達したときに、最初沈殿
池もしくは混和池に消毒剤を注入する。この場合、注入
する消毒剤は、上記に示したように、塩素剤を用いても
臭素剤を用いてもよいが、コスト面からは塩素剤を用い
ることが好ましい。
【0020】上記のように、本発明によれば、雨天時下
水の放流が行われる前に塩素剤に代表される消毒剤を雨
天時下水に注入し、さらにそれが所定時間滞留すること
で、公共用水域に放流されるときには、下水中の大腸菌
群数を3×103(CFU/mL)以下若しくはその近傍とする
ことができる。放流下水中の大腸菌群数をさらに少なく
するためには、残留塩素が検出されない程度に塩素剤等
の消毒剤注入率を多めに設定すればよい。
【0021】更に、ポンプ所、雨水吐き口、下水処理場
から公共用水域への放流が開始された後に、消毒を行う
こともできる。雨天時下水が越流(放流)を開始した後
は、例えばポンプ所の沈砂池や滞水池内での雨天時下水
の滞留時間が短くなるため、塩素剤を注入するだけでは
十分な消毒効果を得ることができない。そこで、本発明
の好ましい態様においては、雨天時下水の放流後におい
て、即効性を有する臭素系消毒剤を放流水に注入するこ
とにより、大腸菌群数を3×103(CFU/mL)以下にする
ことができる。ここで使用可能な臭素系消毒剤は、次亜
臭素酸、次亜臭素酸塩、ブロモクロロイソシアヌル酸、
ブロモクロロヒダントイン、ジブロモヒダントイン等
の、加水分解して次亜臭素酸及び/又は次亜臭素酸イオ
ンを生成する化合物を用いることができる。この消毒剤
の注入は、ポンプ所にあっては、沈砂池入口又は出口、
滞水池入口又は出口、雨水ポンプ入口、雨水ポンプ吐出
口、放流きょ等のいずれであってもよく、またこれらの
二箇所以上に注入してもよい。また、雨水吐き口にあっ
ては、合流管渠、越流堰前後、越流水路等のいずれであ
ってもよく、またこれらの二箇所以上に注入してもよ
い。更に下水処理場にあっては、最初沈澱池入口、最初
沈殿池出口、越流堰前後、滞水池入口、滞水池出口等の
いずれであってもよく、またこれらの二箇所以上に注入
してもよい。
【0022】以下に、本発明に係る下水の消毒方法及び
装置の構成についてより詳細に説明する。図において参
照記号は以下の意味を有する。 1a,1b:汚水流出源(工場、一般家庭等); 2:雨水等の集水域(山野等); 5:雨水吐き口;
6:ポンプ所; 7:下水処理場; 10a,10b,11:下水管; 12:合流下水管渠; 13a,13b:遮集管渠; 15:公共用水域(海、河川等); 20:消毒剤注入率決定演算機; 21,21a,21b:流入水量/流入水濁度検知回
路; 22,22a,22b:滞水池水位検知回路; 23,23a,23b:沈砂池水位検知回路; 30:ポンプ所; 31:放流水路; 32:下水管
渠; 33:流入管渠; 41:雨水ポンプ; 42:汚水ポ
ンプ; 46:沈砂池; 47:滞水池; 48:ポンプ井; 51,52:消毒剤注入設備。
【0023】図1は、一般的な下水処理システムの概要
を説明する図である。工場、一般家庭等の汚水流出源1
a、1bから下水管10a,10bを通して流出する汚
水は、晴天時は合流管渠12から遮集管渠13a,13
bを通り、下水処理場7で無害化されて公共用水域15
に放流される。しかし、降雨があると、雨水集水域2か
らの雨水が下水管11を通じて合流管渠12に流入し、
処理場で処理できない量であれば、雨水吐き口5やポン
プ所6から未処理のまま公共用水域15に放流される。
また、処理場7でも、大量の雨天時下水が流入した場合
は、簡易処理のみで、公共用水域に放流される。
【0024】本発明の下水の消毒方法は、合流管渠12
及び遮集管渠13a、13bにおいて、雨水吐き口5、ポ
ンプ所6、下水処理場7に流入する時間あたりの流入水
量を検知し、雨水吐き口5、ポンプ所6、下水処理場7
における水位上昇を検知して、水位上昇若しくは時間あ
たりの水位上昇率が所定の値に達した場合に消毒剤を注
入することを特徴とする。
【0025】本発明方法において、好ましくは、消毒剤
の注入率は、流入下水の濁度と時間あたりの流入下水量
とから決定することができる。即ち、本発明の更に好ま
しい態様は、雨水を含む下水を系外に排除する構造を持
った下水処理施設において、該施設に下水道管渠を通じ
て雨天時下水が流入する場合に、該施設における雨天時
下水の水位及び/又は時間あたりの水位上昇率及び/又
は該施設への雨天時下水の時間あたりの流入水量をモニ
ターして、該施設から雨天時下水が放流されるまでの時
間を予測し、放流までの予測時間が所定の値になった時
点で消毒剤を雨天時下水に注入することを特徴とする下
水の消毒方法であって、消毒剤の注入率を、流入下水濁
度と雨天時下水の時間あたりの流入水量から決定するこ
とを更に特徴とする方法に関する。
【0026】上述の下水道施設計画・設計指針と解説、
後編第5章には、下水放流水の消毒においては放流水中
の大腸菌群数を1cm3中に3000個以下になるように
消毒剤注入率を定めなければならないと記載されてお
り、塩素の注入率は次表のように示されている。
【0027】
【表1】
【0028】上記に示した数値は、塩素接触槽で接触時
間が十分に確保できることを前提に定められたものであ
り、本発明においては、雨天時下水の放流開始前に消毒
剤を注入することによって雨天時下水と消毒剤との接触
時間を十分に確保できるので、上記の数値を代用するこ
とによって消毒剤の最適注入率を定めることができる。
しかしながら、雨天時下水の水質は降雨量によって異な
るため、本発明の好ましい態様においては、流入下水の
濁度と雨天時下水の時間あたりの流入水量とに基づいて
消毒剤の注入率を決定する。これは、複数の実データを
元にして分析を行い、濁度を例えば50度以下、50度
〜100度、100度以上の三段階に層別し、それぞれ
の濁度範囲における種々の流入水量に応じた消毒剤最適
注入率を定めることによって行うことができる。なお、
本発明方法においては、放流前に消毒剤を雨天時下水に
注入するため雨天時下水と消毒剤との十分な接触時間が
確保できるので、放流後に消毒剤を注入する場合などの
ように、綿密な消毒剤注入率の制御を行う必要はない。
【0029】図2は、消毒剤注入を決定するための制御
方法例について記載したものであるが、本発明の内容
は、必ずしも本図に限るわけではない。雨天時下水は、
流入管渠33からポンプ所30に流入し、沈砂池46で
粗大浮遊物が除去された後、ポンプ井48、汚水ポンプ
42を通じ、下水管渠32を通じて下水処理場に送られ
る。しかし、降雨量が多い場合には、雨水ポンプ41に
より、放流水路31を通じて公共用水域に放流される。
一部のポンプ所では滞水池47を設け、降雨量が多い場
合の初期流入下水を、47に一次貯留することも行われ
ている。本願発明では、流入管渠33から流入する雨天
時下水の時間あたりの水量及び流入水の濁度を21aの
流入水量/流入水濁度検知器で測定し、及び/又は滞水
池の水位を水位検知器22aで検知し、及び/又は沈砂
池の水位を水位検知器23aで検知する機構を設け、そ
れらのデータが、それぞれ、21,22、23の検知回
路を通じて、消毒剤注入率決定演算機に送られる。その
後、消毒剤注入設備51、52に信号を送り、沈砂池入
口、沈砂池出口、放流配管等に消毒剤を注入する。消毒
剤は、本図に関わらず、沈砂池手前の管渠、雨水ポンプ
吐出口、ポンプ井等に注入してもよい。なお、水位が所
定値以下に低下した場合や、時間あたりの雨天時下水流
入水量が所定値以下に低下した場合にも、同様の検知を
行い、消毒剤の注入を停止する。
【0030】上記の方法によって、雨天時下水を効率的
かつ経済的に消毒することが可能になる。
【0031】
【実施例】以下の実施例において、本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0032】実施例1〜4 雨天時のポンプ所において、流入下水水量と水位上昇率
とをモニターし、表2に示す計算式に従って放流までの
予測時間を算出して、放流開始まで15分〜30分であ
ると予測された時点で消毒剤を注入した。また、雨天時
下水放流時にも消毒剤を注入した。注入した消毒剤の種
類及び量(注入率)、並びに消毒処理後の処理水の水質
を表3に示す。
【0033】
【表2】
【0034】比較例1〜4 実施例1と同じポンプ所において、雨天時下水が放流さ
れてから消毒剤を注入した。注入した消毒剤の種類及び
量(注入率)、並びに消毒処理後の処理水の水質を表4
に示す。
【0035】なお、上記の実施例1〜4及び比較例1〜
4での原水の大腸菌群数は、8×104(CFU/mL)であっ
た。消毒剤の注入率は、JIS-K0102に記載されたヨウ素
滴定法から求めた塩素換算値濃度であり、残留ハロゲン
濃度はオルトトリジン法で求めた値である。また、表
3,4において、NaClOは次亜塩素酸ナトリウム、ClO2
は二酸化塩素、BCDMHはブロモクロロジメチルヒダント
イン、DBDMHはジブロモジメチルヒダントイン、NaBrOは
次亜臭素酸ナトリウムを表す。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】実施例5〜13 実施例1〜4において、放流前の消毒剤の注入率を、流
入下水の濁度と流入下水の時間あたりの流入水量から決
定して、下水中に注入した。結果を表5に示す。なお、
表5に示す消毒剤注入率は、放流開始前の消毒剤注入率
を示し、放流時における消毒においては、全て、臭素剤
(BCDMH)を3mg/L注入した。
【0039】
【表5】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、雨天時下水が放流され
る前に、ポンプ所、雨水吐き口、下水処理場等の下水処
理施設内で放流前の状況を把握して消毒剤を注入するの
で、消毒剤と雨天時下水との接触時間を十分に確保する
ことができ、従来雨天時下水の消毒には向いていなかっ
た汎用の塩素系消毒剤を、雨天時下水の消毒において効
率的に且つ安全に使用することができる。また、本発明
の好ましい態様においては、放流時には更に速効性に優
れた臭素系の消毒剤を注入することにより、安全にしか
も効率的に雨天時下水を消毒することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明を適用することのできる下水処
理施設の概念図である。
【図2】図2は、本発明にかかる消毒剤注入装置の概念
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 532 C02F 1/50 532C 532D 532H 540 540B 550 550L 1/00 1/00 W E03F 5/18 E03F 5/18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雨水を含む下水を系外に排除する構造を
    持った下水処理施設において、該施設に下水道管渠を通
    じて雨天時下水が流入する場合に、該施設における雨天
    時下水の水位及び/又は時間あたりの水位上昇率及び/
    又は該施設への雨天時下水の時間あたりの流入水量をモ
    ニターして、該施設から雨天時下水が放流されるまでの
    時間を予測し、放流までの予測時間が所定の値になった
    時点で消毒剤を雨天時下水に注入することを特徴とする
    下水の消毒方法。
  2. 【請求項2】 放流までの予測時間が5〜45分の所定
    の時間となった時点で消毒剤を雨天時下水に注入するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 消毒剤の注入率を、流入下水濁度と雨天
    時下水の時間あたりの流入水量から決定する請求項1又
    は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 消毒剤を、当該施設内若しくは当該施設
    に直近の上流の下水管内に注入する請求項1〜3のいず
    れかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 雨水を含む下水を系外に排除する構造を
    持った下水処理施設に設置する雨天時下水の消毒装置で
    あって、雨天時下水へ消毒剤を注入するための消毒剤供
    給装置と;当該施設に流入する雨天時下水の時間あたり
    の流入水量を測定する手段と;当該施設における雨天時
    下水の水位及び/又は時間あたりの水位上昇率を測定す
    る手段と;これらの測定手段で測定された値に応じて消
    毒剤の雨天時下水への注入量を制御する手段と;を備え
    てなる装置。
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