JP2003059714A - 磁気吸着シート - Google Patents

磁気吸着シート

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JP2003059714A JP2001240620A JP2001240620A JP2003059714A JP 2003059714 A JP2003059714 A JP 2003059714A JP 2001240620 A JP2001240620 A JP 2001240620A JP 2001240620 A JP2001240620 A JP 2001240620A JP 2003059714 A JP2003059714 A JP 2003059714A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁性層の面内方向に磁化容易軸を有する面内配
向・面内着磁の磁気吸着シートであって、磁性層の被吸
着面への粘着が抑制された磁気吸着シートを提供する。 【解決手段】非磁性支持体上に、強磁性粉末と結合剤を
主成分とする磁性塗料を塗布し、乾燥させて磁性層が形
成される磁気吸着シートであって、磁性塗料は結合剤と
してTg ≧80(℃)の樹脂、好適にはセルロースアセ
テート系樹脂を、全結合剤のうちのほぼ5〜60%含有
し、磁性塗料はTg ≧80(℃)の樹脂を含む全結合剤
を、強磁性粉末100重量部に対し、ほぼ15.4〜1
8重量部含有する磁気吸着シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気吸着シートに
関し、特に、磁性層と被吸着面との粘着が抑制された磁
気吸着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、永久磁石の磁気吸着を利用した磁
気吸着シートは各種表示具として幅広く使われており、
特に事務用品としての用途が拡大しつつある。近年、パ
ーソナルコンピュータの急速な普及に伴い、プリンター
等の周辺機器の性能が著しく向上している。例えば、一
般用プリンターによる印刷の品質は、業務用印刷の品質
に匹敵しつつある。同時に、それらの印刷物を自在に利
用したいという欲求も高まっている。
【0003】印刷物の第一の使用目的は、表示すること
である。提示場所に表示物を固定するために、各種接着
剤、接着テープ、画鋲、キャップマグネット等の固定材
が使用されている。磁気吸着シートは表示物自体が磁気
吸着性を有する固定材であるため、提示場所が強磁性体
である場合は、別の固定材を必要とせず、単独で表示す
ることが可能である。また、掲示場所からの脱着が自在
である。
【0004】磁気吸着シートは、シート状のボンド磁石
であり、用途が拡大するに従って、加工を容易に行える
ようにするための薄膜化が進んでいる。近年、押出成形
によって製造される磁性層厚0.1mm程度、全厚0.
2mm程度の磁気吸着シートが実用化されている。
【0005】また、特開2001−76920号公報に
は、磁性塗料の塗布により磁性層が形成され、磁性層の
面内方向に磁化容易軸が配向し、面内方向に着磁された
可撓性磁石シートが提案されている。このシートによれ
ば、磁性層が押出成形等でなく、磁性塗料の塗布により
形成されるため、シートを均一に薄膜化することが可能
となる。また、磁化容易軸の方向に沿ってN極とS極が
交互に並ぶように着磁されることから、膜厚が同等であ
る垂直配向・垂直着磁の磁気吸着シートに比較して、強
い磁気吸着力が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の特開2001−
76920号公報には、磁性層を形成するための磁性塗
料に用いることができる結合剤として、各種の樹脂が挙
げられている。しかしながら、好適な結合剤や、結合剤
を選択する際の基準等については記載がない。特に、結
合剤のガラス転移点Tg が磁気吸着シートの粘着性に与
える影響については、検討されていない。
【0007】従来の磁気吸着シートは、一般に磁性層の
粘着性が高い。したがって、磁性層を長期間、強磁性面
に磁気吸着させたり、あるいは、熱湯の入ったポットの
表面等、加温されている強磁性体に磁性層を磁気吸着さ
せたりした後、磁気吸着シートを強磁性体から剥離する
と、磁性層の少なくとも一部が強磁性体の表面に付着す
ることがある。この場合、磁気吸着シートの磁性層が破
壊されるだけでなく、強磁性体の表面も汚れる。
【0008】特に、磁性塗料にTg の低い結合剤を用い
た場合には、このような問題が顕著となりやすい。本発
明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、したが
って本発明は、磁性層の粘着性が適切に制御され、磁気
吸着シートを被吸着面から剥離する際に、磁性層が被吸
着面に残りにくい磁気吸着シートを提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の磁気吸着シートは、非磁性支持体上に、強
磁性粉末と結合剤を主成分とする磁性塗料を塗布し、乾
燥させて磁性層が形成され、前記磁性層は面内方向に磁
化容易軸を有し、かつ磁化容易軸に沿って面内で磁化が
交互に反転するように多極着磁されている磁気吸着シー
トであって、前記磁性塗料は結合剤としてTg ≧80
(℃)の樹脂を、全結合剤のうちのほぼ5〜60%含有
することを特徴とする。
【0010】好適には、前記Tg ≧80(℃)の樹脂
は、セルロースアセテート系樹脂を含む。好適には、前
記磁性塗料は、前記Tg ≧80(℃)の樹脂を含む全結
合剤を、前記強磁性粉末100重量部に対し、ほぼ1
5.4〜18重量部含有する。
【0011】これにより、磁性表面の粘着性が抑制され
る。したがって、磁気吸着シートを被吸着面から剥離し
た際に、被吸着面に磁性層の一部が付着して残留するの
を防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の磁気吸着シート
の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1
は、本実施形態の磁気吸着シートの断面図である。図1
に示すように、磁気吸着シート1は一方の面に磁性層2
を有する。
【0013】磁性層2は、強磁性粉末と結合剤樹脂を主
成分とする磁性塗料を非磁性支持体3上に塗布し、乾燥
させて形成される。本実施形態の磁気吸着シートによれ
ば、磁性塗料には結合剤樹脂として、Tg が80℃以上
である樹脂またはセルロースアセテート系樹脂が添加さ
れる。これにより、磁性層2の粘着性が適切に制御され
る。磁性層2は面内方向に磁化容易軸を有し、面内方向
に磁化容易軸に沿って、磁化が交互に反転するように一
定のピッチで多極着磁されている。
【0014】非磁性支持体3としては、一方の面に塗布
される磁性塗料、特に磁性塗料中の溶剤が他方の面に向
かって浸透しないように、表面に樹脂コートが施された
コート紙、合成紙、または合成フィルムを用いることが
好ましい。合成フィルムとしては例えば、表面に易接着
処理が施された白色ポリエステルフィルム等が挙げられ
る。また、白色以外に着色された非磁性支持体3を用い
ることもできる。
【0015】非磁性支持体3の一方の面には磁性層2が
形成され、他方の面には必要に応じて、各種の印刷が可
能な印刷受容層4が設けられる。印刷受容層4として
は、例えば感熱層、熱転写インク受容層、インクジェッ
ト受容層、バブルインクジェット受容層、ドットインパ
クト受容層、レーザープリンタートナー受容層等が挙げ
られる。印刷受容層4の種類は、印刷方法や印刷物の表
示目的に応じて適宜選択する。また、非磁性支持体3の
材質や表面状態によっては、必ずしも印刷受容層4を設
けなくてもよい。
【0016】磁性層2を形成するための磁性塗料には、
強磁性粉末として、例えばSrフェライト粉末やBaフ
ェライト粉末等の強磁性酸化鉄を分散させることが好ま
しい。磁性塗料に、例えばSm−Co粉末、Sm−Fe
−N粉末、Nd−Fe−B粉末のような保磁力Hcの高
い希土類強磁性粉末を用いた場合、着磁が難しくなる。
【0017】強磁性粉末の保磁力は700〜4000O
e程度が好ましい。保磁力が4000Oeを超えると、
保磁力が高すぎて着磁が難しくなる。一方、保磁力が7
00Oeより低い場合には、十分な磁気吸着力が得られ
ない。磁気吸着力には、強磁性粉末をシート状にしたと
きの残留磁束密度も影響する。残留磁束密度が1500
G以上であれば、高い磁気吸着力を得やすい。
【0018】Srフェライト粉末およびBaフェライト
粉末の平均粒径は、0.5〜5μm程度が好ましい。平
均粒径が0.5μmより小さいと、磁性塗膜における磁
性粉末の密度が大きくなり過ぎて磁性塗膜にカールが発
生し、最終的にはクラックが発生する。また、平均粒径
が5μmより大きいと、磁性塗膜の密度が粗くなり、塗
膜強度が低下する。
【0019】上記のような強磁性粉末を分散させる高分
子結合剤としては、熱可塑性および熱硬化性樹脂を好適
に用いることができる。例えば、エポキシ樹脂、エチレ
ン酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニルブロック共
重合体、エチレン−(メタ)アクリレートとの共重合
体、もしくはブロック共重合体ポリエチレン、アクリル
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機高
分子材料が挙げられる。これらは単独で、あるいは数種
類の樹脂を組み合わせて使用できる。
【0020】磁性塗料中の結合剤の割合は、通常の磁気
吸着シートを作製する場合、強磁性粉末100重量部に
対して、8〜18重量部であることが好ましい。結合剤
の割合がこれより小さいと、磁気吸着力を大きく出来る
反面、塗膜が脆弱になる。したがって、磁気吸着シート
の着脱時の変形により、粉落ちやクラック等の塗膜破壊
が起こりやすくなる。一方、結合剤の割合が大き過ぎる
と、磁束密度が不足して、十分な磁気吸着力が得られな
い。
【0021】また、強磁性粉末に対する結合剤の割合が
8〜18重量部の範囲内であっても、約15.4重量部
より小さくなると、磁性塗料中で強磁性粉末の沈殿が起
こりやすくなる。磁気吸着シートに用いられる強磁性粉
末の平均粒径は例えば1.5μm程度であり、塗布型の
磁気テープ等に用いられる強磁性粉末の粒径に比較する
と大きい。したがって、強磁性粉末に対する結合剤の割
合が低くなると、強磁性粉末の沈殿が特に起こりやすく
なる。
【0022】沈殿が微量である場合は、磁性塗料の再攪
拌により強磁性粉末を分散させることができる。しかし
ながら、磁性塗料中で沈殿した強磁性粉末は、自重で圧
縮固化してしまうため、磁性塗料の調製から塗布までの
時間が長い場合等には、再攪拌による強磁性粉末の分散
が非常に困難となる。
【0023】したがって、塗布前に磁性塗料を長時間放
置する場合には、磁性塗料中の結合剤の割合を、強磁性
粉末100重量部に対して15.4〜18重量部程度に
することが好ましい。結合剤の割合を15.4〜18重
量部にした場合、強磁性粉末の沈降が遅く、磁性塗料の
再攪拌が容易である。また、磁性塗料の塗布中に強磁性
粉末が沈降せず、一定の組成の磁性塗料を塗布できる。
【0024】磁性層の粘着を防止する目的で、結合剤に
添加されるTg ≧80(℃)の樹脂としては、ポリエス
テルポリウレタン系樹脂(例えば、東洋紡製 UR1400
g=83(℃))、アクリル系樹脂(例えば、呉羽化
学社製 バイヨンTg =80(℃))、アセタール系樹
脂(例えば、積水化学社製 KS-10 Tg =106
(℃)、KS-5 Tg =110(℃)、KX-5 Tg =86
(℃))、ポリイミドアミド(例えば、東洋紡製 T100
NR Tg =175(℃))、ニトロセルロース(例え
ば、旭化成製 NC-H301 、HIG-1 、SL-1、HI-1000 全
てTg ≧150(℃))等が挙げられる。
【0025】また、Tg ≧80(℃)の樹脂として、特
願平11−308153号の磁気記録媒体に用いられる
ものと同様のポリウレタン樹脂を用いることもできる。
このポリウレタン樹脂によれば、鎖延長剤の選択に応じ
て、Tgの上限を通常のポリウレタン樹脂の70〜90
℃から、110〜120℃程度まで上昇させることがで
きる。
【0026】特に、セルロースアセテートブチラート
(例えば、イーストマンケミカル社製CAB-381-0.1 Tg
=123(℃)、CAB-381-0.5 Tg =130(℃)、CA
B-551-0.2 Tg =101(℃))やセルロースアセテー
トプロピオネート(例えば、イーストマンケミカル社製
CAP-482-0.5 Tg =142(℃)、CAP-482-20 T g
=147(℃))等のセルロースアセテート系樹脂を結
合剤として用いた場合には、磁性層の粘着が効果的に防
止される。
【0027】これらの樹脂のTg が80℃より低い場合
は、十分な粘着防止効果が得られない。本実施形態にお
いて、ガラス転移点Tg は熱分析のJIS規格(JISK71
21)または熱分析のISO規格(ISO11357-1/-2)に規
定されるものとした。
【0028】上記のTg ≧80(℃)の樹脂またはセル
ロースアセテート系樹脂が結合剤中に占める割合は、全
結合剤を100%とした場合に5〜60%が好ましい。
この割合が5%より小さいと、磁性層の粘着を防止する
効果が十分に得られない。一方、この割合が60%より
大きいと、塗膜強度が極端に低下してしまう。
【0029】非磁性支持体の膜厚は0.05〜0.15
mmの範囲が好ましい。本実施形態の磁気吸着シートが
印刷受容層を有する場合には、印刷受容層を含む非磁性
支持体の膜厚が0.05〜0.15mmであることが好
ましい。非磁性支持体の膜厚が0.05mm未満の場
合、印刷受容層または非磁性支持体の表面に印刷を施し
て表示する際に、磁性層の色が非磁性支持体の表面に透
けてしまい、表示外観が悪くなることがある。
【0030】磁性層の膜厚は0.03〜0.1mmの範
囲が好ましい。磁石の磁気的エネルギーは磁石の体積に
比例するため、磁性層の膜厚が0.03mm未満の場
合、十分な磁気吸着力を得られないことがある。例え
ば、磁気吸着シートを壁面のような地面に垂直な被吸着
面に固定したいとき、磁性層の膜厚が薄すぎると、磁性
層と非磁性支持体を合わせた磁気吸着シートの重量を、
磁性層の磁気吸着力で支持できず、磁気吸着シートが落
下することがある。
【0031】一方、磁性層の膜厚が0.1mmを超える
場合、磁気吸着力は十分に得られるが、長期間使用時
に、着脱時のシートの繰り返し変形で、機械的疲労によ
る塗膜破壊が起こりやすくなる。また、磁性層の膜厚が
厚くなり過ぎると、磁気吸着力が過剰となる。したがっ
て、磁気吸着シートを積層したときにシートが互いに吸
着し、プリンター等により印刷を行うのが困難となる。
また、磁気吸着シートの全厚は0.08〜0.25mm
の範囲が好ましい。磁性層を含む磁気吸着シートの全厚
が0.25mmを超えた場合、一般家庭用印刷機で対応
可能な範疇を逸脱してしまう。
【0032】本実施形態の磁気吸着シートは、磁性層の
面内方向に磁化容易軸が配向され、磁化容易軸に沿って
面内方向に着磁されるため、磁極間距離は磁性層の膜厚
に依存しない。したがって、磁性層の膜厚を薄くして
も、磁極間距離を十分に確保でき、反磁界が増大せずに
減磁し難い。これにより、前述したような普通印刷用紙
と同等の薄さを実現できる。
【0033】図2は、多極着磁された磁性層を模式的に
示す斜視図である。磁性層2は面内方向に磁化容易軸を
有し、磁性層2には磁化容易軸に沿って(N−S)(S
−N)(N−S)・・・のような多極着磁が一定のピッ
チPで施される。磁性層2からは磁力線5で示すような
磁界が発生する。
【0034】S極とS極、またはN極とN極が対向する
磁極面からは、磁性層面に対して垂直方向に極大となる
ような漏れ磁束が発生する。これにより、磁性層2と被
吸着体6である鋼板等との間に、効果的に磁気吸着力が
作用する。磁気吸着時には被吸着体6がヨークとなり、
ほぼ完全に磁気回路が閉じ、漏れ磁束は極小である。
【0035】本実施形態の磁気吸着シートの磁性層は、
強磁性粉末を高分子結合剤および溶剤に十分に分散させ
て得られた磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布して形成
される。磁性塗料の塗布には、例えばグラビアコータ
ー、ダイコーター、ナイフコーター等を用いることがで
きる。
【0036】磁性塗料が塗布された非磁性支持体は、配
向磁場中を通過する。これにより、強磁性粉末の磁化容
易軸が磁性塗膜の面内方向へ配向される。さらに、非磁
性支持体が熱風乾燥機を通過することにより、磁性塗料
中の溶剤が蒸発して磁性塗膜が乾燥固化する。これによ
り、押出成形のような高温高圧設備を使用せずに、薄膜
の磁性層が連続的に形成される。
【0037】磁性塗膜中の強磁性粉末の磁化容易軸を磁
性塗膜の面内方向に連続的に配向させるには、磁性塗料
を塗布した直後の非磁性支持体に、非磁性支持体の進行
方向と平行な磁束の磁界を印加すればよい。例えば、図
3に示すように、1対の永久磁石7a、7bを同極が対
向するように配置して、磁力線8で示すような磁界を発
生させる。永久磁石7a、7b間の磁気的反発により、
非磁性支持体3の進行方向に磁束が発生する。この空間
を非磁性支持体3が通過することにより、磁性塗膜9中
の強磁性粉末が配向する。
【0038】あるいは、図示しないが、1対のソレノイ
ドコイルを対向するように配置して磁界を発生させても
よい。この場合も、磁性塗料を塗布された非磁性支持体
が、ソレノイドコイル間を通過することにより、磁性塗
膜中の強磁性粉末が配向する。磁気吸着シートにおい
て、高い磁気吸着力を安定に得るためには、磁場中で強
磁性粉末の磁化容易軸を配向させながら、同時に磁性塗
膜を乾燥(磁場中乾燥)させてもよい。
【0039】上記のように強磁性粉末の磁化容易軸を配
向させた後、磁性層の面内方向に多極着磁が施される。
図4は、本実施形態の磁気吸着シート1に着磁を行う方
法の一例を示す概略図である。図4に示すように、長尺
方向に交互に多極着磁を施した1対の角柱状の磁石バー
11a、11bを同極対向するように平行に配置する。
これらの磁石バー11a、11bの間隙に、磁気吸着シ
ート1を通過させて着磁を行う。
【0040】このとき、磁性層2の磁化容易軸と磁石バ
ー11a、11bの長尺方向とが平行となり、かつ磁化
容易軸と磁気吸着シート1の進行方向とが直交するよう
に、磁気吸着シート1を移動させる。磁石バー11a、
11bとしては例えば希土類の永久磁石を用いる。希土
類の永久磁石として、例えばSm−Co磁石、Sm−F
e−N磁石あるいはNd−Fe−B磁石等を用いること
により、例えば6000Oe以上の磁界が発生する。し
たがって、着磁対象であるSrフェライト粉末等の強磁
性酸化鉄に十分着磁を行うことができる。
【0041】以上の構成を有する本実施形態の磁気吸着
シートにおいて、磁気特性の一つである磁気吸着力は、
ほぼ0.4gf/cm2 以上が好ましい。磁気吸着力が
0.4gf/cm2 未満の場合は、磁気吸着シートを壁
面のような地面に垂直な被吸着面に固定しても、磁気吸
着シートの自重で落下したり、振動、衝撃あるいは室内
空調の風圧等の外乱によって磁気吸着シートが容易に剥
離したりする。また、磁気吸着シートの表面磁束密度
は、ほぼ40G以上が好ましい。表面磁束密度がほぼ4
0G未満の場合、十分な磁気吸着力を得るのが難しい。
【0042】上記の本実施形態の磁気吸着シートは、磁
性層がTg ≧80(℃)の樹脂またはセルロースアセテ
ート系樹脂を所定の割合で含有するため、長期間にわた
って磁気吸着シートを磁気吸着させた場合や、被吸着面
が加温される場合等にも、磁気吸着シートを被吸着面か
ら剥離する際の塗膜破壊が防止される。
【0043】本実施形態の磁気吸着シートには、汎用さ
れている複写機や、インクジェットプリンター、熱転写
プリンター、昇華型プリンターおよびレーザープリンタ
ー等の各種プリンターを用いて印刷を行うことが可能で
ある。したがって、例えばデジタルカメラ等で撮影した
画像や、スキャナーで取り込んだ画像等を印刷して掲示
したり、ユーザーが独自に編集したカレンダーや料理の
レシピ、スケジュール表等を印刷して、例えば冷蔵庫等
の被吸着面に固定したりできる。また、磁気吸着シート
の固定には、各種接着剤、接着テープ、画鋲、キャップ
マグネット等の固定材が不要である。したがって、例え
ば店舗内のポスター等としても好適に用いることができ
る。
【0044】以下、本実施形態の磁気吸着シートを、実
際に作製した実験例に基づいて説明する。但し、本発明
の実施形態は下記の実験例に限定されない。 (実験例1)下記の組成に従って強磁性粉末、結合剤お
よび溶剤をボールミルで混合し、強磁性粉末を均一に分
散させ、磁性塗料を調製した。磁性層の粘着を防止する
目的で、結合剤にはセルロースアセテート系樹脂を添加
した。
【0045】磁性塗料材料 磁性粉末 Srフェライト粉末 100重量部 結合剤 ポリエステルポリウレタン樹脂 10.8重量部 セルロースアセテートブチラート 4.6重量部 溶剤 メチルエチルケトン 66重量部
【0046】Srフェライト粉末としては平均粒径1.
2μm、飽和磁化量σS =59(emu/g)、Hc=
2800(Oe)の等方性粒子(戸田工業(株)製)を
用いた。ポリエステルポリウレタン樹脂としては、数平
均分子量Mn=30000、T g =10(℃)のものを
用いた。セルロースアセテートブチラート(以下、必要
に応じてCABまたは樹脂Aとする。)としては、Tg
=101(℃)のもの(イーストマンケミカル社製、CA
B-551-0.2 )を用いた。
【0047】この塗料に硬化剤(日本ポリウレタン社製
コロネートHL)を0.3重量部添加した後、グラビ
アコーターを用いて、非磁性支持体であるインクジェッ
ト対応受容層付き白色合成紙(膜厚0.08mm)の印
刷面の裏面に塗布した。続いて、図3に示すように、永
久磁石の同極対向による面内配向磁場2kG中を通過さ
せて、磁化容易軸の面内配向を行った。
【0048】次に、塗膜を乾燥させて磁性層厚0.05
mm、全厚0.13mmの原反を得た。得られた原反
を、50℃環境中に20時間以上保存して硬化処理し
た。その後、図4に示すような着磁機を用いて、面内方
向に磁化が交互に反転するように、ピッチ幅2.0mm
で多極着磁を施し、磁気吸着シートを得た。
【0049】(実験例2)結合剤のCABをセルロース
アセテートプロピオネート(以下、必要に応じてCAP
または樹脂Bとする。)に変更した以外は実験例1と同
様にして、磁気吸着シートを得た。CAPとしては、T
g =140(℃)のもの(イーストマンケミカル社製
CAP-482-0.5 )を用いた。
【0050】(実験例3)結合剤のCABをポリエステ
ルポリウレタン系樹脂に変更した以外は実験例1と同様
にして、磁気吸着シートを得た。ポリエステルポリウレ
タン系樹脂としては、Tg =80(℃)のもの(東洋紡
(株)製 UR1400、以下、必要に応じて樹脂Cとす
る。)を用いた。
【0051】(実験例4)結合剤のCABをアセタール
系樹脂に変更した以外は実験例1と同様にして、磁気吸
着シートを得た。アセタール系樹脂としては、Tg =8
5(℃)のもの(積水化学(株)製 BX-5、以下、必要
に応じて樹脂Dとする。)を用いた。
【0052】(実験例5)実験例1におけるポリエステ
ルポリウレタン樹脂(Tg =10(℃))の添加量を1
4.6重量部に変更し、CABの添加量を0.8重量部
に変更した。これにより、強磁性粉末100重量部に対
する全結合剤の添加量を15.4重量部としたまま、全
結合剤中のCABの割合を30%から5%に変更した。
これ以外は実験例1と同様にして、磁気吸着シートを得
た。
【0053】(実験例6)実験例1におけるポリエステ
ルポリウレタン樹脂(Tg =10(℃))の添加量を
6.2重量部に変更し、CABの添加量を9.2重量部
に変更した。これにより、強磁性粉末100重量部に対
する全結合剤の添加量を15.4重量部としたまま、全
結合剤中のCABの割合を30%から60%に変更し
た。これ以外は実験例1と同様にして、磁気吸着シート
を得た。
【0054】(実験例7)実験例1におけるポリエステ
ルポリウレタン樹脂(Tg =10(℃))の添加量を
5.6重量部に変更し、CABの添加量を2.4重量部
に変更した。これにより、全結合剤中のCABの割合を
30%としたまま、強磁性粉末100重量部に対する全
結合剤の添加量を15.4重量部から8重量部に変更し
た。これ以外は実験例1と同様にして、磁気吸着シート
を得た。
【0055】(実験例8)実験例1におけるポリエステ
ルポリウレタン樹脂(Tg =10(℃))の添加量を1
2.6重量部に変更し、CABの添加量を5.4重量部
に変更した。これにより、全結合剤中のCABの割合を
30%としたまま、強磁性粉末100重量部に対する全
結合剤の添加量を15.4重量部から18重量部に変更
した。これ以外は実験例1と同様にして、磁気吸着シー
トを得た。
【0056】(実験例9)強磁性粉末をHc =700
(Oe)のBaフェライト粉末に変更した以外は実験例
1と同様にして、磁気吸着シートを得た。 (実験例10)Srフェライト粉末のHc を4000O
eに変更した以外は実験例1と同様にして、磁気吸着シ
ートを得た。
【0057】(実験例11)Srフェライト粉末の平均
粒径を0.5μmに変更した以外は実験例1と同様にし
て、磁気吸着シートを得た。 (実験例12)Srフェライト粉末の平均粒径を5μm
に変更した以外は実験例1と同様にして、磁気吸着シー
トを得た。
【0058】(実験例13)結合剤のCABをポリエス
テル樹脂に変更した以外は実験例1と同様にして、磁気
吸着シートを得た。ポリエステル樹脂としては、Tg
50(℃)のもの(東洋紡(株)製 バイロン600 、以
下、必要に応じて樹脂Eとする。)を用いた。
【0059】(実験例14)結合剤のCABをポリエス
テルポリウレタン樹脂に変更した以外は実験例1と同様
にして、磁気吸着シートを得た。ポリエステルポリウレ
タン樹脂としては、Tg =30(℃)のもの(日本ポリ
ウレタン(株)製 ニッポラン2301、以下、必要に応じ
て樹脂Fとする。)を用いた。
【0060】(実験例15)実験例1におけるポリエス
テルポリウレタン樹脂(Tg =10(℃))の添加量を
4.2重量部に変更し、CABの添加量を1.8重量部
に変更した。これにより、全結合剤中のCABの割合を
30%としたまま、強磁性粉末100重量部に対する全
結合剤の添加量を15.4重量部から6重量部に変更し
た。これ以外は実験例1と同様にして、磁気吸着シート
を得た。
【0061】(実験例16)実験例1におけるポリエス
テルポリウレタン樹脂(Tg =10(℃))の添加量を
14.0重量部に変更し、CABの添加量を6.0重量
部に変更した。これにより、全結合剤中のCABの割合
を30%としたまま、強磁性粉末100重量部に対する
全結合剤の添加量を15.4重量部から20重量部に変
更した。これ以外は実験例1と同様にして、磁気吸着シ
ートを得た。
【0062】(実験例17)実験例1におけるポリエス
テルポリウレタン樹脂(Tg =10(℃))の添加量を
15.4重量部に変更し、CABを添加しなかった。こ
れにより、強磁性粉末100重量部に対する全結合剤の
添加量を15.4重量部としたまま、全結合剤中のCA
Bの割合を30%から0%に変更した。これ以外は実験
例1と同様にして、磁気吸着シートを得た。
【0063】(実験例18)実験例1におけるポリエス
テルポリウレタン樹脂(Tg =10(℃))の添加量を
15.09重量部に変更し、CABの添加量を0.31
重量部に変更した。これにより、強磁性粉末100重量
部に対する全結合剤の添加量を15.4重量部としたま
ま、全結合剤中のCABの割合を30%から2%に変更
した。これ以外は実験例1と同様にして、磁気吸着シー
トを得た。
【0064】(実験例19)実験例1におけるポリエス
テルポリウレタン樹脂(Tg =10(℃))の添加量を
4.6重量部に変更し、CABの添加量を10.8重量
部に変更した。これにより、強磁性粉末100重量部に
対する全結合剤の添加量を15.4重量部としたまま、
全結合剤中のCABの割合を30%から70%に変更し
た。これ以外は実験例1と同様にして、磁気吸着シート
を得た。
【0065】(実験例20)実験例1においてポリエス
テルポリウレタン樹脂(Tg =10(℃))を添加せ
ず、CABの添加量を15.4重量部に変更した。これ
により、強磁性粉末100重量部に対する全結合剤の添
加量を15.4重量部としたまま、全結合剤中のCAB
の割合を30%から100%に変更した。これ以外は実
験例1と同様にして、磁気吸着シートを得た。
【0066】(実験例21)強磁性粉末をHc =300
(Oe)のBaフェライト粉末に変更した以外は実験例
1と同様にして、磁気吸着シートを得た。 (実験例22)強磁性粉末をHc =5000(Oe)の
希土類粉末に変更した以外は実験例1と同様にして、磁
気吸着シートを得た。希土類としてはSm−Co粉末を
用いた。
【0067】(実験例23)Srフェライト粉末の平均
粒径を0.1μmに変更した以外は実験例1と同様にし
て、磁気吸着シートを得た。 (実験例24)Srフェライト粉末の平均粒径を8μm
に変更した以外は実験例1と同様にして、磁気吸着シー
トを得た。
【0068】上記の実験例1〜24において、ポリエス
テルポリウレタン樹脂(Tg =10(℃))とともに結
合剤として用いられる樹脂の種類(樹脂A〜Fのいずれ
か)およびそのTg 、強磁性粉末100重量部に対する
全結合剤の添加量、樹脂A〜Eのいずれかの全結合剤中
での割合(全結合剤の添加量を100%としたときの割
合であり、表1の※樹脂添加量に対応する)、強磁性粉
末の種類、保磁力および平均粒径を表1にまとめた。
【0069】
【表1】
【0070】上記の実験例1〜24の磁気吸着シートに
ついて、ブロッキング(耐粘着性)、磁気吸着力、表面
磁束密度および接着強度を評価した。ブロッキングの評
価は、以下のように行った。各磁気吸着シートを8cm
×8cmに切り出して金属に対して磁気吸着させた。そ
の上に同形に切り出した磁気吸着シートを磁気吸着さ
せ、45℃、湿度75%に維持された恒温槽の中に7日
間放置した。その後、重ねられた磁気吸着シートを剥離
し、シート間の粘着の有無を確認した。シート間の粘着
が見られなかった場合を○、シート間の粘着が見られた
場合を×と判定した。
【0071】磁気吸着力の評価は、以下のように行っ
た。各磁気吸着シートを5cm×5cmに切り出し、磁
気吸着面の裏側にシートと同形の樹脂板を粘着剤で貼り
付けた。それを水平に固定した0.5mm厚鋼板上に磁
気吸着させて、鋼板から垂直上方に剥離する際の最小剥
離力をばね秤により測定した。ここで、{最小剥離力−
(シート重量+粘着剤重量+樹脂板重量)}/シート面
積=磁気吸着力とした。
【0072】表面磁束密度の評価は、以下のように行っ
た。ベル社製ガウスメーター(4048型)およびトラ
ンスバース型プローブ(T−4048−001)を使用
し、磁性層面に対して垂直方向の磁束密度の極大値を、
磁性層の表面の任意の5点で測定した。これらの測定値
を平均して、表面磁束密度とした。
【0073】接着強度の評価は、以下のように行った。
各磁気吸着シートの磁性面上にシリコンテープを貼り付
けた。30分後、シリコンテープを剥離して、磁性層の
剥離の有無を確認した。磁性層の剥離がなく、シリコン
テープ上で磁性層片が見られなかった場合を○、磁性層
の少なくとも一部が剥離し、シリコンテープ上に磁性層
片が見られた場合を×と判定した。なお、シリコンテー
プ貼付直後にシリコンテープを剥離した場合の磁性層の
剥離についても試験したが、貼付直後と30分後で結果
に違いは見られなかった。上記の各項目の評価結果を表
2にまとめた。
【0074】
【表2】
【0075】表2に示すように、実験例1〜12では、
ブロッキング特性と接着強度が○と判定され、磁気吸着
力も0.4gf/cm2 以上となった。それに対し、実
験例13〜20および実験例24はブロッキング特性と
接着強度の一方が×と判定された。また、実験例21〜
23はブロッキング特性と接着強度は○と判定された
が、磁気吸着力が不足した。
【0076】表1に示すように、実験例1〜12は保磁
力700〜4000Oe、平均粒径0.5〜1.5μm
の強磁性粉末を用い、Tg ≧80(℃)の樹脂またはセ
ルロースアセテート系樹脂を全結合剤の5〜60%添加
した場合に対応する。この場合、磁性層表面の粘着が抑
制された。
【0077】実験例13および14では、強磁性粉末は
実験例1〜11と同様のものを用い、結合剤樹脂として
g ≧80(℃)の樹脂またはセルロースアセテート系
樹脂のかわりに、Tg =50(℃)のポリエステル樹脂
またはTg =30(℃)のポリウレタン樹脂を添加し
た。この場合、磁気吸着シートを長期間にわたって磁気
吸着させた場合や、例えばポット等の加温される被吸着
体に磁気吸着シートを磁気吸着させた場合、粘着が起こ
る。
【0078】また、実験例15に示すように、強磁性粉
末に対する全結合剤の添加量の割合を減らした場合、強
磁性粉末を分散させることができず、塗膜の形成が困難
である。塗膜が形成された場合にも、強磁性粉末の粉落
ちが起こりやすい。一方、実験例16に示すように、全
結合剤が過剰に添加されている場合、磁気吸着シートを
長期間にわたって磁気吸着させた場合や、加温される被
吸着体に磁気吸着シートを磁気吸着させた場合、粘着が
起こった。また、表面磁束密度も低かった。以上から、
全結合剤の割合は強磁性粉末100重量部に対して、8
〜18重量部の範囲が好ましいことがわかる。
【0079】実験例17および18では、Tg ≧80℃
の樹脂またはセルロースアセテート系樹脂を添加してい
ないか、添加量が極めて少ない。したがって、全結合剤
中でTg の低い樹脂が占める割合が多く、それらの樹脂
によって粘着が起こりやすい。例えば、磁気吸着シート
を長期間にわたって磁気吸着させた場合や、加温される
被吸着体に磁気吸着シートを磁気吸着シートを磁気吸着
させた場合、粘着が起こる。
【0080】一方、実験例19および20では、Tg
80(℃)の樹脂またはセルロースアセテート系樹脂が
全結合剤に対して占める割合が60%を超えている。こ
の場合、磁性層表面の粘着は抑制されたが、磁性塗膜が
脆くなり、接着強度が低下して印刷時に粉落ちが起き
た。以上のように、全結合剤に対するTg ≧80(℃)
およびセルロースアセテート系樹脂の割合を5〜60%
にすることにより、適切な塗膜強度を保ちつつ、磁性層
面の粘着を防止することができる。
【0081】実験例21では保磁力300Oeの強磁性
粉末を用いた。保磁力700Oe未満の強磁性粉末を用
いた場合、表面磁束密度が低く、磁気吸着シートに要求
される磁気吸着力が得られなかった。一方、実験例22
では保磁力5000Oeの希土類強磁性粉末を用いた。
保磁力が4000Oeを超える強磁性粉末を用いた場
合、十分に着磁することができなかった。したがって、
表面磁束密度が低く、磁気吸着シートに要求される磁気
吸着力が得られなかった。以上のように、強磁性粉末と
しては保磁力がほぼ700〜4000Oeの範囲にある
Srフェライト粉末やBaフェライト粉末が好ましいと
いえる。
【0082】実験例23では平均粒径0.1μmの強磁
性粉末を用いた。平均粒径0.5μm未満の強磁性粉末
を用いた場合、磁性塗膜中の強磁性粉末の密度が高くな
り過ぎる。これにより、磁性塗膜にカールが発生し、最
終的にはクラックが発生する。これにより、表面磁束密
度が低くなり、磁気吸着シートに要求される磁気吸着力
が得られなかった。
【0083】一方、実験例24では平均粒径8μmの強
磁性粉末を用いた。平均粒径が5μmを超える強磁性粉
末を用いた場合、磁性塗膜中の強磁性粉末の密度が粗く
なり、塗膜強度が極端に低下する。以上のように、使用
する強磁性粉末の平均粒径は0.5〜5μmの範囲が好
ましい。
【0084】図5は、強磁性粉末の保磁力と磁気吸着力
の関係を示す図である。図5のデータは表1および表2
から実験例1、9、10、21および22のデータを抽
出したものである。これらの実験例において、全結合剤
中のCABの割合は30%で一定である。また、強磁性
粉末100重量部に対する全結合剤の添加量も15.4
重量部で一定である。強磁性粉末の平均粒径も1.5μ
mで一定であり、強磁性粉末の種類および保磁力のみ互
いに異なる。図5に示すように、強磁性粉末の保磁力が
700〜4000Oeのとき、磁気吸着力が0.4gf
/cm2 以上となり、磁気吸着シートに適した磁気吸着
力が得られる。
【0085】図6は、磁気吸着シートの表面磁束密度と
磁気吸着力の関係を示す図である。図6のデータは実験
例1〜24のすべてについての表面磁束密度と磁気吸着
力の関係を示す。表1および表2に示すように、例えば
結合剤の添加量や強磁性粉末の粒径等が異なる場合であ
っても、表面磁束密度が同じであれば、磁気吸着力は同
じとなった。図6に示すように、磁気吸着シートの磁気
吸着力は表面磁束密度にほぼ比例した。
【0086】上記の本発明の実施形態の磁気吸着シート
によれば、結合剤中にTg ≧80(℃)またはセルロー
スアセテート系樹脂を所定量含有する磁性塗料を用いて
磁性層を形成することにより、磁性層の粘着を抑制する
ことが可能となる。したがって、強磁性体に磁気吸着し
た磁気吸着シートを剥離した際に、磁性層の一部が剥離
して、強磁性体に付着するのを防止できる。また、本実
施形態の磁気吸着シートは、磁性層面に対して面内方向
に磁化容易軸を有し、面内方向に着磁されるため、薄膜
化が可能であり、一般の複写機およびプリンターでの印
刷に適している。
【0087】一般家庭用のプリンター等を用いて、本実
施形態の磁気吸着シートに画像、写真または文字等を印
刷すれば、例えば自作のカレンダーやレシピ、スケジュ
ール表を作製することが可能であり、これらの印刷物は
例えば冷蔵庫の壁面等の強磁性体に任意に着脱可能であ
る。
【0088】磁気吸着シートの大きさは任意に変更でき
るため、例えばポスター等の大判の磁気吸着シートを提
供することも可能である。また、印刷インク等に耐水性
・耐光性の高いものを用いることにより、例えば車等の
外壁に表示を行うという応用も可能である。
【0089】本発明の磁気吸着シートの実施形態は、上
記の説明に限定されない。例えば、上記の実験例以外の
g ≧80(℃)の樹脂を結合剤に添加してもよい。そ
の他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が
可能である。
【0090】
【発明の効果】本発明の磁気吸着シートによれば、磁性
層の粘着性が適切に制御されるため、磁気吸着シートを
被吸着面から剥離したとき、磁性層の一部が被吸着面に
付着して残るのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の磁気吸着シートの断面図であ
る。
【図2】図2は本発明の磁気吸着シートの磁性層の多極
着磁および磁気吸着を示す模式図である。
【図3】図3は本発明の磁気吸着シートの磁化容易軸を
磁性層の面内に配向させる方法の一例を示す概略図であ
る。
【図4】図4は本発明の磁気吸着シートに多極着磁を行
う方法の一例を示す概略図である。
【図5】図5は本発明の磁気吸着シートの実施形態に係
り、保磁力と磁気吸着力の関係を示す。
【図6】図6は本発明の磁気吸着シートの実施形態に係
り、表面磁束密度と磁気吸着力の関係を示す。
【符号の説明】
1…磁気吸着シート、2…磁性層、3…非磁性支持体、
4…印刷受容層、5…磁力線、6…被吸着体、7a、7
b…永久磁石、8…磁力線、9…磁性塗膜、11a、1
1b…磁石バー。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年1月21日(2002.1.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の磁気吸着シートは、非磁性支持体上に、強
磁性粉末と結合剤を主成分とする磁性塗料を塗布し、乾
燥させて磁性層が形成され、前記磁性層は面内方向に磁
化容易軸を有し、かつ磁化容易軸に沿って面内で磁化が
交互に反転するように多極着磁されている磁気吸着シー
トであって、前記磁性塗料は、結合剤としてガラス転移
g ≧80(℃)の樹脂を、全結合剤のうちのほぼ5
〜60%含有し、前記磁性塗料は、前記ガラス転移点T
g ≧80(℃)の樹脂を含む全結合剤を、前記強磁性粉
末100重量部に対し、ほぼ8〜18重量部含有し、前
記強磁性粉末の保磁力は、ほぼ700〜4000エルス
テッド(Oe)であり、前記強磁性粉末の平均粒径は、
ほぼ0.5〜5μmであることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】磁性層の粘着を防止する目的で、結合剤に
添加されるTg ≧80(℃)の樹脂としては、ポリエス
テルポリウレタン系樹脂(例えば、東洋紡製 UR1400
g=83(℃))、アクリル系樹脂(例えば、呉羽化
学社製 バイヨンTg =80(℃))、アセタール系樹
脂(例えば、積水化学社製 KS-10 Tg =106
(℃)、KS-5 Tg =110(℃)、BX-5 Tg =86
(℃))、ポリイミドアミド(例えば、東洋紡製 T100
NR Tg =175(℃))、ニトロセルロース(例え
ば、旭化成製 NC-H301 、HIG-1 、SL-1、HI-1000 全て
g ≧150(℃))等が挙げられる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】Srフェライト粉末としては平均粒径1.
μm、飽和磁化量σS =59(emu/g)、Hc=
2800(Oe)の等方性粒子(戸田工業(株)製)を
用いた。ポリエステルポリウレタン樹脂としては、数平
均分子量Mn=30000、T g =10(℃)のものを
用いた。セルロースアセテートブチラート(以下、必要
に応じてCABまたは樹脂Aとする。)としては、Tg
=101(℃)のもの(イーストマンケミカル社製、CA
B-551-0.2 )を用いた。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】(実験例2)結合剤のCABをセルロース
アセテートプロピオネート(以下、必要に応じてCAP
または樹脂Bとする。)に変更した以外は実験例1と同
様にして、磁気吸着シートを得た。CAPとしては、T
g =14(℃)のもの(イーストマンケミカル社製
CAP-482-0.5 )を用いた。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】(実験例3)結合剤のCABをポリエステ
ルポリウレタン系樹脂に変更した以外は実験例1と同様
にして、磁気吸着シートを得た。ポリエステルポリウレ
タン系樹脂としては、Tg =8(℃)のもの(東洋紡
(株)製 UR1400、以下、必要に応じて樹脂Cとす
る。)を用いた。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】(実験例4)結合剤のCABをアセタール
系樹脂に変更した以外は実験例1と同様にして、磁気吸
着シートを得た。アセタール系樹脂としては、Tg =8
(℃)のもの(積水化学(株)製 BX-5、以下、必要
に応じて樹脂Dとする。)を用いた。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】
【表1】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月18日(2002.4.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の磁気吸着シートは、非磁性支持体上に、強
磁性粉末と結合剤を主成分とする磁性塗料を塗布し、乾
燥させて磁性層が形成され、前記磁性層は面内方向に磁
化容易軸を有し、かつ磁化容易軸に沿って面内で磁化が
交互に反転するように多極着磁されている磁気吸着シー
トであって、前記磁性塗料は、結合剤としてガラス転移
点Tg≧80(℃)の樹脂を、全結合剤のうちのほぼ5
〜60%含有し、前記磁性塗料は、前記ガラス転移点T
g≧80(℃)の樹脂を含む全結合剤を、前記強磁性粉
末100重量部に対し、ほぼ8〜18重量部含有し、
記磁性層の膜厚はほぼ0.03〜0.10mmであり、
全厚はほぼ0.08〜0.25mmであり、前記強磁性
粉末の平均粒径はほぼ0.5〜5μmであることを特徴
とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川又 和人 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 太田 栄治 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に、強磁性粉末と結合剤を
    主成分とする磁性塗料を塗布し、乾燥させて磁性層が形
    成され、前記磁性層は面内方向に磁化容易軸を有し、か
    つ磁化容易軸に沿って面内で磁化が交互に反転するよう
    に多極着磁されている磁気吸着シートであって、 前記磁性塗料は結合剤としてTg ≧80(℃)の樹脂
    を、全結合剤のうちのほぼ5〜60%含有する磁気吸着
    シート。
  2. 【請求項2】前記Tg ≧80(℃)の樹脂は、セルロー
    スアセテート系樹脂を含む請求項1記載の磁気吸着シー
    ト。
  3. 【請求項3】前記磁性塗料は、前記Tg ≧80(℃)の
    樹脂を含む全結合剤を、前記強磁性粉末100重量部に
    対し、ほぼ15.4〜18重量部含有する請求項1記載
    の磁気吸着シート。
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