JP2003059073A - ディスク装置、トラッキング方法およびトラッキングエラー信号の生成用プログラム - Google Patents

ディスク装置、トラッキング方法およびトラッキングエラー信号の生成用プログラム

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JP2003059073A
JP2003059073A JP2001247374A JP2001247374A JP2003059073A JP 2003059073 A JP2003059073 A JP 2003059073A JP 2001247374 A JP2001247374 A JP 2001247374A JP 2001247374 A JP2001247374 A JP 2001247374A JP 2003059073 A JP2003059073 A JP 2003059073A
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signal
error signal
track
optical head
tracking
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JP2001247374A
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English (en)
Inventor
Michitomo Koda
道友 幸田
Satoru Seko
悟 世古
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】目標トラックとの間の位置誤差が増加して光学
ピックアップが複数トラックを跨いでしまった場合であ
っても、目標トラックに追従させることが可能なディス
ク装置を提供する。 【解決手段】光ディスク2からの反射光を受光する光学
ピックアップ4と、光学ピックアップ4を移動させるア
クチュエータ5と、反射光の強度分布に基づいて光学ピ
ックアップ4の相対するトラック中心からの変位に応じ
た値をもちかつトラックピッチに依存した周期性をもつ
トラッキングサーボ信号Eとこれに位相が90°異なる
プルイン信号Pとを生成するトラッキング誤差信号発生
回路6と、信号Eと信号Pに基づいて線形性を有する位
置誤差信号Fを生成するエンコーダ部7と、位置誤差信
号Fに基づいて光学ピックアップ4を目標トラックに追
従させるトラッキングサーボコントロール部8とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体から少
なくとも情報の再生を行うディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ディスクはディスク装置によ
ってデータの記録、再生が行われる。図12は、ディス
ク装置のトラッキングサーボ系の一例を示す構成図であ
る。図12において、ディスク装置200は、光ディス
ク201を回転させるスピンドルモータ202と、回転
する光ディスク201に対向配置される光学ピックアッ
プ203と、この光学ピックアップ203を光ディスク
203の半径方向に移動させるアクチュエータ205と
を備えている。
【0003】光学ピックアップ203は、たとえば、レ
ーザダイオード等のレーザ光源、対物レンズ、ハーフミ
ラー、フォトダイオード等の光検出器等を備えており、
光ディスク201にレーザ光を照射し、その反射光を受
光する。光ディスク201に記録されたデータの再生時
には、光ディスク201を回転させながら光学ピックア
ップ203から出力されるレーザビームのスポットを光
ディスク201の目標トラックに追従するようにアクチ
ュエータ205をトラッキングサーボコントローラ20
7によって制御しながら、光学ピックアップ203によ
って光ディスク201に記録されたデータを再生する。
このように光学ピックアップ203を目標トラックに追
従させる制御をトラッキングサーボと呼ぶ。トラッキン
グサーボコントローラ207は、トラッキング誤差信号
発生回路206の生成したトラッキング誤差信号TEに
基づいてアクチュエータ205を制御する。
【0004】トラッキングサーボ動作中に、光学ピック
アップ203の目標トラックへの追従誤差であるトラッ
キング誤差信号TEを検出する方法として、プッシュプ
ル法が知られている。このプッシュプル法は、光学ピッ
クアップ203から出力したレーザ光の反射光の強度分
布をトラックピッチ方向に1/2に分割した光検出器に
よって受光し、分割された光検出器で受光した光の光量
差に基づいて、トラッキング誤差信号発生部206にお
いてトラッキングエラー信号TEを生成する。プッシュ
プル法によって得られるトラッキングエラー信号TE
は、たとえば、図13に示すように、光学ピックアップ
203がトラック中心に位置するとき(オントラック
時)、その値が零となる。光学ピックアップ203の位
置がトラック中心から離れていくにしたがって、トラッ
キングエラー信号TEは、零以外の値をもつようにな
る。トラッキングサーボは、このトラッキングエラー信
号TEが零となるように光学ピックアップ203の位置
を制御することである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光ディスク
201には、トラックが、たとえば、数百nmのピッチ
で形成されている。一方、光ディスク201には、偏心
がかならず存在する。このため、光学ピックアップ20
3のトラッキングサーボが行われていない場合には、た
とえば、図14に示すように、光学ピックアップ203
はトラック軌跡Kで示すように、光ディスク201が1
回転する間に50〜100本程度のトラックTrを跨い
で揺れ動くことになる。図14に示すような軌跡K上を
光学ピックアップ203が移動した場合に、トラッキン
グエラー信号TEは、たとえば、図15に示すように、
トラックピッチを一周期とする正弦波になる。トラック
ピッチが比較的広く、光学ピックアップ203をトラッ
クTrに追従させることができる場合には、従来のトラ
ッキングサーボの手法で問題は生じないが、トラックピ
ッチが狭くなってより高性能のトラッキングサーボ動作
が必要となったとき、光学ピックアップ203を目標ト
ラックに対して素早く追従させることができない可能性
が出てくる。このように、光学ピックアップ203が目
標トラックに対して追従できずに、光ディスクの偏心や
振動によって隣接するトラック上に光学ピックアップが
残ってしまうと、本来目標ではなかった他のトラックに
対して光学ピックアップにトラッキングサーボをかける
ことになる。これは検出値であるトラッキングエラー信
号TEが周期性をもつため、同じ振幅の値はトラックピ
ッチ毎に出現するからである。
【0006】このような状態が発生したとき、トラッキ
ングサーボをかけているトラックが真に目標とするトラ
ックなのかどうかは、トラック上にプリピットされてい
るアドレス情報を読み込まない限り判断できない。した
がって、図12に示したように、トラッキングサーボの
制御系とは別に、アドレス情報を検出するためのRF信
号増幅部208およびアドレス情報検出部209が必要
になる。このように、トラッキングエラー信号TEを用
いたトラッキングサーボでは、光ディスク201のトラ
ックピッチが狭小化され相対的に光学ピックアップ20
3の性能が低下した場合、以下のような問題が発生す
る。第1に、偏心等により光学ピックアップ203が複
数トラックを跨いでしまったとき、通常のトラッキング
サーボ動作だけでは光学ピックアップ203を元の目標
トラックへ戻すことができない。第2に、上記第1の問
題を解決するためには、トラッキングサーボの制御系に
加えて、図12のRFアンプ208とアドレス情報検出
部209のようなトラック上のアドレス情報を検出する
系が必要となり、サーボ系の構成が複雑になる。さら
に、アドレス情報を検出する系を追加したとしても、偏
心や振動によって光学ピックアップが目標トラックから
1トラック以上離れてしまった場合、光学ピックアップ
203を目標トラックへ戻すには、以下のようなトラッ
キング処理が必要となる。
【0007】(1)アドレス情報検出部においてトラッ
ク番号を検出し、光学ピックアップが現在位置するトラ
ックを検出する。 (2)トラッキングサーボ動作を停止する。 (3)光学ピックアップを目標トラック近傍に移動させ
るための操作量を計算する。 (4)トラックジャンプを行う。 (5)直近トラックに対して、トラッキングサーボ動作
を開始する(整定動作)。 (6)整定したトラックに対してアドレス情報を検出
し、目標トラックと一致するかどうかを判定する。 (7)一致した場合には、トラッキングサーボを継続す
る。一致しない場合には、上記(2)の処理に戻る。
【0008】このように、従来のディスク装置では、ト
ラッキングサーボを行うために、トラック上のアドレス
を検出する系が必要となるだけでなく、光学ピックアッ
プが複数トラックを跨ぐようなずれが生じた場合のトラ
ッキングサーボ動作が、通常のサーボ動作に比べて複雑
になるという不利益が存在した。
【0009】本発明は、上述の問題に鑑みて成されたも
のであって、その目的は、光学ピックアップと目標トラ
ックとの間の位置誤差が増加して光学ピックアップが複
数トラックを跨いでしまった場合であっても、光ディス
クに記録されたアドレス情報を用いないで光学ピックア
ップを目標トラックに追従させることが可能なディスク
装置を提供することにある。また、本発明の他の目的
は、光学ピックアップが複数トラックを跨いでしまった
場合であっても、光ディスクに記録されたアドレス情報
を用いないで光学ピックアップを目標トラックに追従さ
せることができるトラッキング方法を提供することにあ
る。さらに、本発明の他の目的は、光学ピックアップが
複数トラックを跨いでしまった場合であっても、光学ピ
ックアップの目標トラックからの位置誤差に応じたトラ
ッキングエラー信号をアドレス情報を用いないで生成可
能なプログラムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のディスク装置
は、記録媒体に対向配置され、当該記録媒体にレーザ光
を照射しこのレーザ光の反射光を受光する光学ヘッド
と、前記光学ヘッドを前記記録媒体のもつトラックのト
ラックピッチの方向に移動させる移動手段と、前記光学
ヘッドの受光する反射光の強度分布に基づいて、前記光
学ヘッドの相対するトラックの中心からの変位に応じた
値をもちかつ前記トラックピッチに依存した周期性をも
つ第1の信号と、前記第1の信号に対して位相が90°
異なる第2の信号とを生成する第1の誤差信号生成手段
と、前記第1および第2の信号に基づいて、前記光学ヘ
ッドの目標トラックからの位置誤差に一意に対応する線
形性を有するトラッキングエラー信号を当該位置誤差の
大きさに関わらず生成する第2の誤差信号生成手段と、
前記第2の誤差信号生成手段によって生成されたトラッ
キングエラー信号に基づいて、前記光学ヘッドを前記目
標トラックに追従させる制御信号を生成し、前記移動手
段に出力するトラッキングサーボ手段とを有する。
【0011】好適には、前記第2の誤差信号生成手段
は、前記第1および第2の信号を変数にもち、周期性を
もつ信号から線形性をもつ信号を近似的に算出可能な誤
差信号算出用関数を用いて前記位置誤差信号を算出す
る。
【0012】前記第1の信号および第2の信号は、前記
光学ヘッドの前記トラックピッチの方向の位置を変数と
する正弦関数および余弦関数で表される。
【0013】さらに好適には、本発明のディスク装置
は、前記誤差信号算出用関数は、隣接する前記トラック
間において、前記正弦関数および前記余弦関数の大小関
係に基づいて分割された複数領域にそれぞれ対応づけら
れ、前記第1および第2の信号を変数にもち線形性をも
つ信号を近似的に算出可能な複数の要素関数と、前記第
1および第2の信号の値の大小関係に基づいて決定され
る重みをもち、前記各要素関数にそれぞれ重み付けを行
う複数の重み関数とを有し、前記各要素関数によって重
み付けされた前記各重み関数を足し合わせることによ
り、前記位置誤差信号を算出する。
【0014】好適には、前記複数の重み関数は、前記誤
差信号算出用関数が連続的に算出する前記位置誤差信号
に不連続点が発生しないように前記複数の重み関数の重
み付けをする。
【0015】さらに好適には、本発明のディスク装置
は、前記第1および第2の信号の値の大小関係に基づい
て、前記目標トラックからの前記光学ヘッドの相対する
トラックまでの相対トラック数を算出する相対トラック
数算出手段をさらに有し、前記誤差信号算出用関数は、
前記相対トラック数と前記第1および第2の信号とを変
数として、前記トラッキングエラー信号を算出する。
【0016】本発明のトラッキング方法は、記録媒体に
対向配置され、当該記録媒体にレーザ光を照射しこのレ
ーザ光の反射光を受光する光学ヘッドと、前記光学ヘッ
ドを前記記録媒体のもつトラックのトラックピッチの方
向に移動させる移動手段とを有するディスク装置におい
て、前記光学ヘッドを目標トラックに追従させるトラッ
キング方法であって、前記光学ヘッドの受光する反射光
の強度分布に基づいて、前記光学ヘッドの相対するトラ
ックの中心からの変位に応じた値をもちかつ前記トラッ
クピッチに依存した周期性をもつ第1の信号と、前記第
1の信号に対して位相が90°異なる第2の信号とを生
成し、前記第1および第2の信号に基づいて、前記光学
ヘッドの目標トラックからの位置誤差に一意に対応する
トラッキングエラー信号を当該位置誤差の大きさに関わ
らず生成し、生成されたトラッキングエラー信号に基づ
いて、前記光学ヘッドを前記目標トラックに追従させる
制御信号を生成し前記移動手段に出力する。
【0017】本発明のトラッキングエラー信号の生成用
プログラムは、記録媒体に対向配置され、当該記録媒体
にレーザ光を照射しこのレーザ光の反射光を受光する光
学ヘッドと、前記光学ヘッドを前記記録媒体のもつトラ
ックのトラックピッチの方向に移動させる移動手段と、
前記光学ヘッドを目標トラックに追従させる制御信号を
生成し前記移動手段に出力するトラッキングサーボ手段
と、コンピュータ手段とを有するディスク装置におい
て、前記光学ヘッドの目標トラックからの位置誤差に応
じたトラッキングエラー信号を生成するためのプログラ
ムであって、前記光学ヘッドの受光する反射光の強度分
布に基づいて得られる、前記光学ヘッドの相対するトラ
ックの中心からの変位に応じた値をもち、かつ、前記ト
ラックピッチに依存する周期性をもつ第1の信号と、前
記第1の信号に対して位相が90°異なる第2の信号と
を取り込む取込ステップと、取り込んだ前記第1および
第2の信号に基づいて、前記第1および第2の信号に基
づいて、前記光学ヘッドの目標トラックからの位置誤差
に一意に対応するトラッキングエラー信号を当該位置誤
差の大きさに関わらず生成するトラッキングエラー信号
生成ステップと、生成した前記トラッキングエラー信号
を前記トラッキングサーボ手段に出力する出力ステップ
と、を前記コンピュータ手段に実行させる。
【0018】本発明では、周期的な信号である第1およ
び第2の信号に基づいて、光学ヘッドの目標トラックか
らの位置誤差に一意に対応する位置誤差信号が生成され
る。このため、光学ヘッドが目標トラックに隣接するト
ラックを跨いだ場合であっても、生成された位置誤差信
号は光学ヘッドの位置誤差に一意に対応していることか
ら、光学ヘッドを再び目標トラックに追従させることが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形
態に係るディスク装置のトラッキングサーボ系の概略構
成を示す図である。図1に示すディスク装置1は、光デ
ィスク2と、光ディスク2を回転させるスピンドルモー
タ3と、光ディスク2に対向配置される光学ピックアッ
プ4と、アクチュエータ5と、トラッキング誤差信号発
生回路6と、エンコーダ部7と、トラッキングサーボコ
ントロール部8と、ドライバ9と、システムコントロー
ラ10とを有する。なお、図1に示すディスク装置1
は、実際には、上記の構成要素以外にも、光ディスク2
の再生を行うのに必要な、たとえば、フォーカスサーボ
系、スピンドルサーボ系、スレッドサーボ系、信号処理
系等の周知の構成要素を備えているが、これらの構成に
ついての説明は省略する。
【0020】光ディスク2は、同心円状または螺旋状に
所定ピッチでトラックをもっている。このトラックのピ
ッチは、たとえば、数百nm程度である。光ディスク2
には、トラックに沿って、たとえば、ランドおよびグル
ーブ、あるいは、ピットが形成されている。トラックの
中心に、たとえば、ランドの中心部あるいはピットの中
心部が一致している。
【0021】スピンドルモータ3は、図示しないドライ
バによって駆動され、光ディスク2を回転させる。この
スピンドルモータ3は、たとえば、システムコントロー
ラ10からの制御指令によって図示しないドライバを介
して所望の回転数に制御される。
【0022】光学ピックアップ4は、たとえば、レーザ
光Lを出力するレーザダイオード、このレーザダイオー
ドから出力されるレーザ光Lを光ディスク2上にスポッ
トとして集束させる対物レンズ、光ディスク2からのレ
ーザ光の反射光の進行方向を変える偏光ビームスプリッ
タ、この反射光を受光するフォトダイオード等からなる
光検出器等から構成される。この光学ピックアップ4
は、図1において矢印A1およびA2で示す光ディスク
2の略半径方向、すなわち、光ディスク2のトラックピ
ッチの方向に移動可能に図示しない支持機構によって支
持されている。
【0023】光学ピックアップ4に備わった光検出器
は、プッシュプル法によってトラッキングサーボの位置
誤差信号を検出するために、分割された2つの受光部を
もち、光電変換して電気信号からなる検出信号4sを出
力する。プッシュプル法は、光ディスク2で反射・回折
されて再び対物レンズに入射したレーザ光の強度分布
が、レーザ光のスポットのトラックに対する相対的な位
置変化により変化することを利用して、トラックの中心
に対して対称に配置された上記の光検出器の2つの受光
部の出力の差に基づいて、トラッキングの誤差を検出す
る方式である。
【0024】アクチュエータ5は、光学ピックアップ4
を光ディスク2の略半径方向に移動させる。このアクチ
ュエータ5には、たとえば、リニアモータが用いられ
る。
【0025】トラッキング誤差信号発生回路6は、光学
ピックアップ4の光検出器の検出信号4sが入力され、
この検出信号4sに基づいて、トラッキング誤差信号E
とプルイン信号Pを生成する。図2は、トラッキング誤
差信号発生回路6で生成されるトラッキング誤差信号E
(図2(a))およびプルイン信号P(図2(b))の
波形の一例を示すグラフである。図2において、横軸は
光学ピックアップ4の位置、縦軸はトラッキング誤差信
号E、プルイン信号Pの振幅である。また、図2におけ
るTrcは、各トラックの中心位置を示している。図2
から分かるように、トラッキング誤差信号Eは、各トラ
ック中心Trcにおいて零の値をもち、トラックピッチ
Trpを一周期とする正弦波である。このトラッキング
誤差信号Eは、プルイン信号Pよりも位相がπ/2〔r
ad〕だけ進んでおり、プルイン信号Pは余弦波であ
る。なお、トラッキング誤差信号Eは本発明の第1の信
号の具体例であり、プルイン信号Pは本発明の第2の信
号の具体例である。
【0026】エンコーダ部7は、トラッキング誤差信号
発生回路6から入力された周期性をもつトラッキング誤
差信号Eおよびプルイン信号Pに基づいて、光学ピック
アップ4の目標トラックからの位置誤差に一意に対応す
る位置誤差信号Fを生成する。位置誤差信号Fは、本発
明のトラッキングエラー信号の具体例である。なお、エ
ンコーダ部7における位置誤差信号Fの具体的な生成方
法については後述する。
【0027】トラッキングサーボコントロール部8は、
エンコーダ部7から出力される位置誤差信号Fに基づい
て、光学ピックアップ4を目標トラックに追従させる制
御信号8sを生成し、ドライバ9に出力する。ドライバ
9は、トラッキングサーボコントロール部8から入力さ
れた制御信号8sに応じた駆動電流をアクチュエータ5
に供給する。
【0028】システムコントローラ10は、ディスク装
置1を総合的に制御する。このシステムコントローラ1
0は、光学ピックアップ4を位置決めすべき目標トラッ
クの情報10sをトラッキングサーボコントロール部8
に出力する。
【0029】図3は、上記構成のディスク装置1のエン
コーダ部7およびトラッキングサーボコントロール部8
を構成するためのハードウエア構成の一例を示す図であ
る。図3において、A/D変換器31は、トラッキング
誤差信号発生回路6から入力されるアナログ信号からな
るトラッキング誤差信号Eを所定のサンプリングレート
でディジタル信号に変換し、プロセッサ33に入力す
る。
【0030】A/D変換器32は、トラッキング誤差信
号発生回路6から入力されるアナログ信号からなるプル
イン信号Pを所定のサンプリングレートでディジタル信
号に変換し、プロセッサ33に入力する。
【0031】ROM34は、上記した位置誤差信号Fを
算出するためのプログラムや、トラッキングサーボのた
めの制御信号を算出するためのプログラムを記憶してい
る。プロセッサ33は、ROM34に記憶されたプログ
ラムを実行し、位置誤差信号Fや制御信号8sを算出す
る。RAM35は、プロセッサ33に入力されたデータ
を一時的に記憶したり、プロセッサ33における処理等
に必要な各種データを記憶する。
【0032】D/A変換器36は、プロセッサ33によ
って算出されたトラッキングサーボのための制御信号を
アナログ信号に変換し、制御信号8sとしてドライバ9
に出力する。
【0033】次に、エンコーダ部7における位置誤差信
号Fの具体的な生成方法について説明する。図2におい
て説明したように、トラッキング誤差信号Eは光学ピッ
クアップ4の位置に応じて周期的に変化する。このた
め、たとえば、トラッキング誤差信号Eの振幅が零のと
き、すなわち、光学ピックアップ4がいずれかのトラッ
ク中心Trcに位置しているとき、このトラッキング誤
差信号Eの振幅情報からだけでは、この光学ピックアッ
プ4がどのトラックの中心に位置しているのかを一意的
に決定することはできない。したがって、光学ピックア
ップ4のトラッキングサーボを行っている際に光学ピッ
クアップ4が目標トラックから複数のトラックを跨いで
移動すると、トラッキング誤差信号Eの振幅情報のみで
は目標トラックに再び復帰することができない。光学ピ
ックアップ4を目標トラックに復帰させるためには、各
トラックに記録されているアドレス情報が必要となる。
【0034】一方、本実施形態に係るエンコーダ部7で
は、光学ピックアップ4がどの位置に移動したかに関わ
らず、光ディスク2に記録されているアドレス情報を読
まずに、光学ピックアップ4の位置を一意に特定するた
めの位置誤差信号Fを算出する。この位置誤差信号Fを
用いてトラッキングサーボを行うことにより、アドレス
情報を用いずに目標トラックに復帰することができる。
以下、この位置誤差信号Fの算出原理について説明す
る。
【0035】まず、時間tにおいて、光学ピックアップ
4が目標トラックから相対トラック数nだけ離れたトラ
ックに移動している場合に、この相対トラック数nだけ
離れたトラックの中心からの光学ピックアップ4の位置
誤差をx(t)とする。上述したように、トラッキング
誤差信号Eおよびプルイン信号Pは、それぞれ振幅を1
に正規化すると、次式(1)および(2)に示すよう
に、位置誤差x(t)を変数にもつ正弦関数および余弦
関数で表すことができる。
【0036】E(X)=sin(X) …(1) P(X)=cos(X) …(2)
【0037】さらに、光学ピックアップ4の目標トラッ
クからの位置誤差は、トラックピッチTrpを2πとす
ると、x(t)+2πnで表すことができる。なお、初
期条件として、時間t=0における位置誤差x(t)を
x(0)=0とし、時間t=0における光学ピックアッ
プ4の位置するトラックまでの相対トラック数nをn=
0とすると、時間t=0におけるトラッキング誤差信号
E(x)は0、プルイン信号P(x)は1となる。
【0038】図4は、上記のように表されるトラッキン
グ誤差信号E(x)とプルイン信号P(x)に基づい
て、光学ピックアップ4の目標トラックからの位置誤差
に一意に対応する位置誤差信号Fの生成原理を説明する
ための概念図である。まず、図4(a)に示すように、
トラッキング誤差信号E(x)とプルイン信号P(x)
との大小関係に基づいて、位置誤差xを4つの領域R
a,Rb,RcおよびRdに分割する。
【0039】領域Raは、(E(X),P(X),-E(X),-P(X))の
中で、P(X)が最大の値をもつ領域である。この領域Ra
は、−π/4≦x<π/4の範囲である。領域Rbは、
(E(X),P(X),-E(X),-P(X))の中で、E(X)が最大の値をも
つ領域である。この領域Rbは、π/4≦x<3π/4
の範囲である。領域Rcは、(E(X),P(X),-E(X),-P(X))
の中で、-P(X) が最大の値をもつ領域である。この領域
Rcは、3π/4≦x<5π/4の範囲である。領域R
dは、(E(X),P(X),-E(X),-P(X))の中で、-E(X) が最大
の値をもつ領域である。この領域Rcは、5π/4≦x
<7π/4の範囲である。
【0040】領域Ra,Rb,RcおよびRdにおい
て、トラッキング誤差信号E(x)およびプルイン信号
P(x)の振幅が零となる近傍では、振幅をπに正規化
すると、図4(b)においてL1 〜L4 で示すように、
傾きが1または−1の一次線形関数に近似できる領域を
P(x)もしくはE(x)のどちらかが必ず持つ。この
性質を利用することによって、次式(3)で示すよう
な、位置誤差信号Fを算出する誤差信号算出用関数F
(x)を得ることができる。誤差信号算出用関数F
(x)は、図4(c)に示すように位置誤差xに比例し
て変化する。
【0041】 F(X)=F1(X)t1(X)+F2(X)t2(X)+F3(X)t3(X)+F4(X)t4(X) …(3)
【0042】誤差信号算出用関数F(x)は、4つの要
素関数F1 (x)〜F4 (x)を重みt1 (x)〜t4
(x)によってそれぞれ重み付けし、これらを重ね合わ
せたものである。4つの要素関数F1 (x)〜F4
(x)は、図4(b)に示した線形関数L1 〜L4 に対
応しており、次式(4)〜(7)で定義される。
【0043】 F1(X) =2πn+{ 3E(X)/(2+P(X))} …(4) F2(X) =2πn+{−3P(X)/(2+E(X))}+π/2 …(5) F3(X) =2πn+{−3E(X)/(2+P(X))}+π …(6) F4(X) =2πn+{ 3P(X)/(2+E(X))}+3π/2 …(7)
【0044】なお、式(4)〜(7)における相対トラ
ック数nは、位置誤差xが領域Rdから領域Raに変化
したときには1つ増加し、位置誤差xが領域Raから領
域Rdに変化したときには1つ減少する。
【0045】また、式(3)中の重み関数t1 (x)〜
4 (x)は、たとえば、図5に示すように、各領域R
a,Rb,RcおよびRdに対応して振幅1の値をもつ
矩形状の関数である。
【0046】任意の時間tにおいて、上記のエンコーダ
部7にトラッキング誤差信号E(x)およびプルイン信
号P(x)が取り込まれると、式(3)に従って、位置
誤差信号Fが算出される。この位置誤差信号Fがトラッ
キングサーボコントロール部8に入力される。ことによ
り、トラッキングサーボコントロール部8では、位置誤
差信号Fに基づいて、光学ピックアップ4を目標トラッ
クに追従させる制御信号を算出し、これをドライバ9に
出力する。この結果、アクチュエータ5は駆動され、光
学ピックアップ4が目標トラックに追従する。
【0047】ところで、本実施形態では、上述したよう
に、トラッキング誤差信号Eおよびプルイン信号Pを検
出するためにプッシュプル法が用いられる。このプッシ
ュプル法では、光学ピックアップ4に設けられた対物レ
ンズの位置が変動した場合に、光ディスク2からの反射
光のスポットの位置が光検出器上で移動してしまい、こ
の結果、トラッキング誤差信号Eおよびプルイン信号P
に直流オフセットが発生してしまう場合がある。トラッ
キング誤差信号Eおよびプルイン信号Pに直流オフセッ
トが発生すると、位置誤差信号Fを関数F(x)によっ
て算出する際に、たとえば、図6の円H内に示すよう
に、各要素関数F1 (x)〜F4 (x)の境界近傍でず
れが発生し、得られる位置誤差信号Fに不連続が発生し
てしまう可能性がある。位置誤差信号Fが不連続である
と、この位置誤差信号Fの微分成分が各要素関数F1
(x)〜F4 (x)の境界近傍で極端に変動し、トラッ
キングサーボ系が不安定になる可能性がある。
【0048】上記のように位置誤差信号Fが不連続にな
るのを回避するために、誤差信号算出用関数F(x)に
用いる重み関数t1 (x)〜t4 (x)に、たとえば、
次式(8)〜(11)に示すような重み関数を用いるこ
とが好ましい。
【0049】 t1(X) =最大値(最小値(0.5 ,P(X)−|E(X)|),-0.5)+0.5 …(8) t2(X) =最大値(最小値(0.5 ,E(X)−|P(X)|),-0.5)+0.5 …(9) t3(X) =最大値(最小値(0.5 ,-P(X) −|E(X)|),-0.5)+0.5 …(10) t4(X) =最大値(最小値(0.5 ,-E(X) −|P(X)|),-0.5)+0.5 …(11)
【0050】式(8)に示す重み関数t1 (x)は、プ
ルイン信号P(x)とトラッキング誤差信号E(x)が
与えられたとき、このプルイン信号P(x)とトラッキ
ング誤差信号E(x)の絶対値との差を0.5と比較
し、小さいほうの値を特定する。さらに、この小さいほ
うの値と−0.5とを比較し、大きいほうの値を特定す
る。この大きいほうの値に0.5を加えた値が重みであ
る。なお、プルイン信号P(x)とトラッキング誤差信
号E(x)は1に正規化されている。式(9)〜(1
1)に示す重み関数t2 (x)〜t3 (x)も同様の手
順でプルイン信号P(x)とトラッキング誤差信号E
(x)が与えられたときの重みを決定する。
【0051】図7は、式(8)〜(11)に示す重み関
数t1 (x)〜t4 (x)と上記の各領域Ra〜Rdと
の関係を示すグラフである。図7からわかるように、各
重み関数t1 (x)〜t4 (x)の形は台形状をしてお
り、各領域Ra〜Rdの境界で値が一次関数的に変化す
る。
【0052】図8は、式(8)〜(11)に示す重み関
数t1 (x)〜t4 (x)を用いて位置誤差信号Fを算
出した結果を示すグラフである。図8からわかるよう
に、要素関数F1 (x)〜F4 (x)の境界が平滑化さ
れており、不連続が発生しないのが分かる。
【0053】次に、上記のエンコーダ部7において位置
誤差信号Fを算出するためのプログラムについて説明す
る。なお、このプログラムは、ROM34に記憶されて
おり、プロセッサ33によって実行される。図9は、位
置誤差信号Fを算出するためのプログラムのフローチャ
ートである。図9に示すように、トラッキングサーボが
開始されると、まず位置誤差信号Fを算出するための各
種変数の初期化を行う(ステップS1)。具体的には、
光学ピックアップ4が位置するトラックを目標トラック
とし、この目標トラックからずれた分をカウントするた
めの相対トラック数nを零に初期化する。また、位置誤
差信号Fを零に初期化する。
【0054】次いで、トラッキング誤差信号Eおよびプ
ルイン信号PをそれぞれA/D変換器31,32を通じ
てプロセッサ33に取り込む(ステップS2)。プロセ
ッサ33に取り込まれたトラッキング誤差信号Eおよび
プルイン信号Pは、RAM35に記憶される。
【0055】次いで、取り込まれたトラッキング誤差信
号Eおよびプルイン信号Pを1に正規化する(ステップ
S3)。正規化されたトラッキング誤差信号Eおよびプ
ルイン信号Pの大小関係から、現在の光学ピックアップ
4の位置が上記の領域Ra〜Rdのいずれにあるかが一
意に特定される。
【0056】次いで、重み関数t1 (x)〜t4 (x)
の計算を式(8)〜(11)に基づいて行う。図10
は、重み関数t1 (x)の計算手順を説明するためのフ
ローチャートである。なお、ここでは、重み関数t1
(x)の計算手順についての説明のみ行い、重み関数t
2 (x)〜t4 (x)の計算手順は重み関数t1 (x)
の計算手順に準じて行われるため、説明を省略する。
【0057】図10に示すように、まず、正規化された
トラッキングエラー信号E(x)とプルイン信号P
(x)とから、絶対値|E(x)|を求めてP(x)−
|E(x)|を計算する。そして、P(x)−|E
(x)|と0.5のどちらが小さいかを比較する(ステ
ップS41)。0.5のほうが小さい場合には、重み関
数t1(x)は0.5+0.5=1となり、重みは最大
値1となる(ステップS42)。逆に、0.5のほうが
大きければ、P(x)−|E(x)|と−0.5のどち
らが大ききかを比較する(ステップS43)。比較した
結果、−0.5のほうが大きい場合には、重み関数t1
(x)は0.5−0.5=0となり、重みは最小値0と
なる(ステップS44)。比較した結果、P(x)−|
E(x)|のほうが大きい場合には、重み関数t1
(x)は0.5+P(x)−|E(x)|となり、重み
関数t1 (x)は0から1のいずれかの値を取る(ステ
ップS45)。以上のような手順で、重み関数t1
(x)の計算を行う。
【0058】上記のような計算手順で重み関数t1
(x)〜t4 (x)を計算すると、図7に示したよう
に、各重み関数は振幅が1の台形形状の関数になる。こ
の台形の斜辺にあたるところは他の重み関数と重なるの
で、結果的に、位置誤差信号Fを計算するときに、入力
波のオフセットによって生じる不連続点は平滑化され
る。重み関数t1 (x)〜t4 (x)の計算が終了した
のちには、ステップS5へ復帰する。
【0059】次いで、相対トラック数nの計算を行う
(ステップS5)。図11は、相対トラック数nの計算
手順を説明するためのフローチャートである。トラック
数nは整数であり、上述したように、光学ピックアップ
4が領域Raから領域Rdへ、あるいは、領域Rdから
領域Raに移動したとき、nの値は変化する。このこと
から、まず、現在の時間tに光学ピックアップ4が領域
Raに位置するかを判断する(ステップS51)。光学
ピックアップ4が領域Raに存在するかの判断は、上述
したように、トラッキング誤差信号E(x)とプルイン
信号P(x)との大小関係に基づいて行う。
【0060】領域Raに存在する場合には、一サンプリ
ング時間前の時間(t−1)において、光学ピックアッ
プ4が領域Rdに位置したかを判断する(ステップS5
2)。光学ピックアップ4が一サンプリング時間前に領
域Rdに位置したかの判断は、一サンプリング時間前の
トラッキング誤差信号E(x)とプルイン信号P(x)
との大小関係に基づいて行う。光学ピックアップ4が一
サンプリング時間前に領域Rdに位置していた場合に
は、光学ピックアップ4が一周外側のトラックに移動し
たと判断して、相対トラック数nに1を足す(ステップ
S53)。
【0061】ステップS51において、現在の時間tに
光学ピックアップ4が領域Raに位置していない場合に
は、現在の時間tに光学ピックアップ4が領域Rdに位
置しているかを判断する(ステップS54)。領域Rd
に位置している場合には、ステップS55に進む。
【0062】ステップS54において、現在の時間tに
光学ピックアップ4が領域Rdに位置していた場合、お
よび、ステップS52において、光学ピックアップ4が
一サンプリング時間前に領域Rdに位置していなかった
場合には、光学ピックアップ4が一サンプリング時間前
に領域Raに位置していたかを判断する(ステップS5
5)。光学ピックアップ4が一サンプリング時間前に領
域Raに位置していた場合には、光学ピックアップ4が
一周内側にトラックに移動したと判断して、相対トラッ
ク数nから1を引く(ステップS56)。
【0063】ステップS54において、現在の時間tに
光学ピックアップ4が領域Rdに位置していなかった場
合、および、ステップ55において一サンプリング時間
前に領域Raに位置していなかった場合には、光学ピッ
クアップ4がトラックをまたいで移動しなかったと判断
して相対トラック数nを変更しない(ステップS5
7)。
【0064】以上のような手順で相対トラック数nの計
算を行なったのち、要素関数F1 (x)〜F4 (x)の
計算を式(4)〜(7)に基づいて行う(ステップS
6)。さらに、計算した要素関数F1 (x)〜F4
(x)および重み関数t1 (x)〜t4 (x)を用い
て、(3)式に基づいて、誤差信号算出関数F(x)の
計算を行う(ステップS7)。これにより、位置誤差信
号Fが算出される。
【0065】次いで、算出した位置誤差信号Fをトラッ
キングサーボコントロール部8に出力する(ステップS
8)。位置誤差信号Fの出力後、ステップS1〜S8の
処理が再び行われる。
【0066】以上のように、本実施形態では、周期性を
有するトラッキング誤差信号E(x)およびプルイン信
号P(x)に基づいて、光学ピックアップ4の目標トラ
ックからの位置誤差に一意に対応する線形性を有する位
置誤差信号Fを位置誤差の大きさに関わらず算出するこ
とが可能となる。たとえば、トラックピッチに依存する
周期性を有するトラッキング誤差信号E(x)を直接用
いてトラッキングサーボを行った場合には、光学ピック
アップ4の目標トラックからの位置誤差がトラックピッ
チよりも大きくなると、トラッキング誤差信号E(x)
のみから位置誤差を一意に特定することができない。し
たがって、偏心や振動により、光学ピックアップ4が目
標トラックからはずれて隣接するトラックを跨いでしま
った場合には、トラッキングサーボをオフしたのち光学
ピックアップ4を目標トラックの近傍にアドレス情報に
基づいて移動させ、再びトラッキングサーボをかけて目
標トラックに引き込む処理が必要となる。しかしなが
ら、本実施形態では、偏心や振動により、光学ピックア
ップ4が目標トラックからはずれて隣接するトラックを
跨いでしまったとしても、位置誤差信号Fを算出するた
め、トラッキングサーボをかけたまま光学ピックアップ
4を目標トラックに速やかに復帰させることができ、高
速トラッキングが可能となる。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、光学ピックアップと目
標トラックとの間の位置誤差が増加して光学ピックアッ
プが複数トラックを跨いでしまった場合であっても、光
ディスクに記録されたアドレス情報を用いないで光学ピ
ックアップを目標トラックに追従させることが可能とな
る。この結果、光学ピックアップが目標トラックから外
れて複数トラックを跨いだのちに、光学ピックアップを
目標トラックに高速に復帰させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るディスク装置のトラ
ッキングサーボ系の概略構成を示す図である。
【図2】トラッキング誤差信号発生回路6で生成される
トラッキング誤差信号E(図2(a))およびプルイン
信号P(図2(b))の波形の一例を示すグラフであ
る。
【図3】ディスク装置1のエンコーダ部7およびトラッ
キングサーボコントロール部8を構成するためのハード
ウエア構成の一例を示す図である。
【図4】位置誤差信号Fの生成原理を説明するための概
念図である。
【図5】重み関数t1 (x)〜t4 (x)の波形の一例
を示すグラフである。
【図6】トラッキング誤差信号Eおよびプルイン信号P
に直流オフセットが発生した場合の影響を説明するため
の図である。
【図7】位置誤差信号Fを平滑化するための重み関数t
1 (x)〜t4 (x)と領域Ra〜Rdとの関係を示す
グラフである。
【図8】平滑化用の重み関数t1 (x)〜t4 (x)を
用いて位置誤差信号Fを算出した結果を示すグラフであ
る。
【図9】位置誤差信号Fを算出するためのプログラムの
フローチャートである。
【図10】重み関数t1 (x)の計算手順を説明するた
めのフローチャートである。
【図11】相対トラック数nの計算手順を説明するため
のフローチャートである。
【図12】ディスク装置のトラッキングサーボ系の一例
を示す構成図である。
【図13】プッシュプル法によって得られるトラッキン
グエラー信号TEの波形の一例を示すグラフである。
【図14】光ディスクに偏心が存在する場合の光学ピッ
クアップの軌跡の一例を説明するための図である。
【図15】図14に示すような軌跡K上を光学ピックア
ップ203が移動した場合のトラッキングエラー信号T
Eの一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1…ディスク装置、2…光ディスク、3…スピンドルモ
ータ、4…光学ピックアップ、5…アクチュエータ、6
…トラッキング誤差信号発生回路、7…エンコーダ部、
8…トラッキングサーボコントロール部、9…ドライ
バ、10…システムコントローラ。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体に対向配置され、当該記録媒体に
    レーザ光を照射しこのレーザ光の反射光を受光する光学
    ヘッドと、 前記光学ヘッドを前記記録媒体のもつトラックのトラッ
    クピッチの方向に移動させる移動手段と、 前記光学ヘッドの受光する反射光の強度分布に基づい
    て、前記光学ヘッドの相対するトラックの中心からの変
    位に応じた値をもちかつ前記トラックピッチに依存した
    周期性をもつ第1の信号と、前記第1の信号に対して位
    相が90°異なる第2の信号とを生成する第1の誤差信
    号生成手段と、 前記第1および第2の信号に基づいて、前記光学ヘッド
    の目標トラックからの位置誤差に一意に対応する線形性
    を有するトラッキングエラー信号を当該位置誤差の大き
    さに関わらず生成する第2の誤差信号生成手段と、 前記第2の誤差信号生成手段によって生成されたトラッ
    キングエラー信号に基づいて、前記光学ヘッドを前記目
    標トラックに追従させる制御信号を生成し、前記移動手
    段に出力するトラッキングサーボ手段とを有するディス
    ク装置。
  2. 【請求項2】前記第2の誤差信号生成手段は、前記第1
    および第2の信号を変数にもち、周期性をもつ信号から
    線形性をもつ信号を近似的に算出可能な誤差信号算出用
    関数を用いて前記トラッキングエラー信号を算出する請
    求項1に記載のディスク装置。
  3. 【請求項3】前記第1の信号および第2の信号は、前記
    光学ヘッドの前記トラックの中心からの変位を変数とす
    る正弦関数および余弦関数で表される請求項2に記載の
    ディスク装置。
  4. 【請求項4】前記誤差信号算出用関数は、隣接する前記
    トラック間において、前記正弦関数および前記余弦関数
    の大小関係に基づいて分割された複数領域にそれぞれ対
    応づけられ、前記第1および第2の信号を変数にもち線
    形性をもつ信号を近似的に算出可能な複数の要素関数
    と、 前記第1および第2の信号の値の大小関係に基づいて決
    定される重みをもち、前記各要素関数にそれぞれ重み付
    けを行う複数の重み関数とを有し、 前記各要素関数によって重み付けされた前記各重み関数
    を足し合わせることにより、前記トラッキングエラー信
    号を算出する請求項3に記載のディスク装置。
  5. 【請求項5】前記複数の重み関数は、前記誤差信号算出
    用関数が連続的に算出する前記位置誤差信号に不連続が
    発生しないように前記複数の重み関数の重み付けをする
    請求項4に記載のディスク装置。
  6. 【請求項6】前記第1および第2の信号の値の大小関係
    に基づいて、前記目標トラックからの前記光学ヘッドの
    相対するトラックまでの相対トラック数を算出する相対
    トラック数算出手段をさらに有し、 前記誤差信号算出用関数は、前記相対トラック数と前記
    第1および第2の信号とを変数として、前記トラッキン
    グエラー信号を算出する請求項2に記載のディスク装
    置。
  7. 【請求項7】記録媒体に対向配置され、当該記録媒体に
    レーザ光を照射しこのレーザ光の反射光を受光する光学
    ヘッドと、前記光学ヘッドを前記記録媒体のもつトラッ
    クのトラックピッチの方向に移動させる移動手段とを有
    するディスク装置において、前記光学ヘッドを目標トラ
    ックに追従させるトラッキング方法であって、 前記光学ヘッドの受光する反射光の強度分布に基づい
    て、前記光学ヘッドの相対するトラックの中心からの変
    位に応じた値をもちかつ前記トラックピッチに依存した
    周期性をもつ第1の信号と、前記第1の信号に対して位
    相が90°異なる第2の信号とを生成し、 前記第1および第2の信号に基づいて、前記光学ヘッド
    の目標トラックからの位置誤差に一意に対応するトラッ
    キングエラー信号を当該位置誤差の大きさに関わらず生
    成し、 生成されたトラッキングエラー信号に基づいて、前記光
    学ヘッドを前記目標トラックに追従させる制御信号を生
    成し前記移動手段に出力するトラッキング方法。
  8. 【請求項8】前記第1および第2の信号を変数にもち、
    周期性をもつ信号から線形性をもつ信号を近似的に算出
    可能な誤差信号算出用関数を用いて前記トラッキングエ
    ラー信号を算出する請求項7に記載のトラッキング方
    法。
  9. 【請求項9】前記第1の信号および第2の信号は、前記
    光学ヘッドの前記トラックの中心からの変位を変数とす
    る正弦関数および余弦関数で表される請求項8に記載の
    トラッキング方法。
  10. 【請求項10】前記誤差信号算出用関数は、隣接する前
    記トラック間において、前記正弦関数および前記余弦関
    数の大小関係に基づいて分割された複数領域にそれぞれ
    対応づけられ、前記第1および第2の信号を変数にもち
    線形性をもつ信号を近似的に算出可能な複数の要素関数
    と、 前記第1および第2の信号の値の大小関係に基づいて決
    定される重みをもち、前記各要素関数にそれぞれ重み付
    けを行う複数の重み関数とを有し、 前記各要素関数によって重み付けされた前記各重み関数
    を足し合わせることにより、前記トラッキングエラー信
    号を算出する請求項9に記載のトラッキング方法。
  11. 【請求項11】前記誤差信号算出用関数が連続的に算出
    する前記トラッキングエラー信号に不連続が発生しない
    ように前記複数の重み関数によって重み付けをする請求
    項10に記載のトラッキング方法。
  12. 【請求項12】前記第1および第2の信号の値の大小関
    係に基づいて、前記目標トラックからの前記光学ヘッド
    の相対するトラックまでの相対トラック数を算出し、 前記相対トラック数と前記第1および第2の信号とを変
    数として、前記トラッキングエラー信号を算出する請求
    項8に記載のトラッキング方法。
  13. 【請求項13】記録媒体に対向配置され、当該記録媒体
    にレーザ光を照射しこのレーザ光の反射光を受光する光
    学ヘッドと、前記光学ヘッドを前記記録媒体のもつトラ
    ックのトラックピッチの方向に移動させる移動手段と、
    前記光学ヘッドを目標トラックに追従させる制御信号を
    生成し前記移動手段に出力するトラッキングサーボ手段
    と、コンピュータ手段とを有するディスク装置におい
    て、前記光学ヘッドの目標トラックからの位置誤差に応
    じたトラッキングエラー信号を生成するためのプログラ
    ムであって、 前記光学ヘッドの受光する反射光の強度分布に基づいて
    得られる、前記光学ヘッドの相対するトラックの中心か
    らの変位に応じた値をもち、かつ、前記トラックピッチ
    に依存する周期性をもつ第1の信号と、前記第1の信号
    に対して位相が90°異なる第2の信号とを取り込む取
    込ステップと、 取り込んだ前記第1および第2の信号に基づいて、前記
    第1および第2の信号に基づいて、前記光学ヘッドの目
    標トラックからの位置誤差に一意に対応するトラッキン
    グエラー信号を当該位置誤差の大きさに関わらず生成す
    るトラッキングエラー信号生成ステップと、 生成した前記トラッキングエラー信号を前記トラッキン
    グサーボ手段に出力する出力ステップと、を前記コンピ
    ュータ手段に実行させるトラッキングエラー信号の生成
    用プログラム。
  14. 【請求項14】前記トラッキングエラー信号生成ステッ
    プは、前記第1および第2の信号を変数にもち、周期性
    をもつ信号から線形性をもつ信号を近似的に算出可能な
    誤差信号算出用関数を用いて前記トラッキングエラー信
    号を算出する請求項13に記載のトラッキングエラー信
    号の生成用プログラム。
  15. 【請求項15】前記第1の信号および第2の信号は、前
    記光学ヘッドの前記トラックピッチの方向の位置を変数
    とする正弦関数および余弦関数で表される請求項14に
    記載のトラッキングエラー信号の生成用プログラム。
  16. 【請求項16】前記誤差信号算出用関数は、隣接する前
    記トラック間において、前記正弦関数および前記余弦関
    数の大小関係に基づいて分割された複数領域にそれぞれ
    対応づけられ、前記第1および第2の信号を変数にもち
    線形性をもつ信号を近似的に算出可能な複数の要素関数
    と、 前記第1および第2の信号の値の大小関係に基づいて決
    定される重みをもち、前記各要素関数にそれぞれ重み付
    けを行う複数の重み関数とを有し、 前記各重み関数を前記各要素関数によって重み付けし、
    足し合わせることにより、前記トラッキングエラー信号
    を算出する算出ステップをさらに前記コンピュータ手段
    に実行させる請求項15に記載のトラッキングエラー信
    号の生成用プログラム。
  17. 【請求項17】前記複数の重み関数によって前記誤差信
    号算出用関数が連続的に算出する前記トラッキングエラ
    ー信号に不連続が発生しないように前記複数の重み関数
    による重み付けをする請求項16に記載のトラッキング
    エラー信号の生成用プログラム。
  18. 【請求項18】前記第1および第2の信号の値の大小関
    係に基づいて、前記目標トラックからの前記光学ヘッド
    の相対するトラックまでの相対トラック数を算出するス
    テップと、 前記相対トラック数と前記第1および第2の信号とを変
    数として、前記トラッキングエラー信号を算出するステ
    ップとを前記コンピュータ手段に実行させる請求項14
    に記載のトラッキングエラー信号の生成用プログラム。
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